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JP6235328B2 - 車両用シートのスライドレール装置 - Google Patents

車両用シートのスライドレール装置 Download PDF

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JP6235328B2 JP2013263593A JP2013263593A JP6235328B2 JP 6235328 B2 JP6235328 B2 JP 6235328B2 JP 2013263593 A JP2013263593 A JP 2013263593A JP 2013263593 A JP2013263593 A JP 2013263593A JP 6235328 B2 JP6235328 B2 JP 6235328B2
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Description

本発明は、車両用シートを前後にスライドさせて所定位置に位置決めするための車両用シートのスライドレール装置に関する。
特許文献1(特許第3788637号公報)は、「自動車シートのロック可能な摺動装置」と題する車両用シートのスライドレール装置を開示する。同文献の図1によれば、左右一対の摺動装置1は、両摺動装置に共通のバランスバー7(操作レバー)で連結されており、このバランスバー7の引き上げ操作により両摺動装置は同時にロック解除される。なお、各摺動装置1は、雌型異形断面材5(いわゆる「ロアレール」)及び雄型異形断面材3(いわゆる「アッパーレール」)を備えている。
特許文献1の摺動装置1で特徴的な構成要素は、鋼のバネからなる可とう性のブレード10である(同文献の段落0012〜0017、図2,6参照)。ブレード10は、雄型異形断面材3に当該ブレードを固定するための固定部11と、開口17が形成された前端部13と、長孔18が形成された中間部14と、ロック歯16が設けられた後端部15とを有している。そして、バランスバー7から各摺動装置1内に延びるアーム71の端部72が、ブレード前端部の開口17およびブレード中間部の長孔18を貫通すると共に、そのアーム端部72の先端74が「掛け金」として機能するブレード後端部15に接触配置されている。このような構成を採用することにより、特許文献1の装置では、バランスバーのアーム71を保持する部材をブレード10のみ(単品)とすることができ、構造の簡素化とコスト低減とを図ることができる。
特許第3788637号公報 特開2007−308109号公報
特許文献1の技術によれば、装置の簡素化等を図ることができるものの、衝突事故などの際に過大な荷重が左右いずれか一方の摺動装置に作用した場合に、不本意なロック解除が生じるおそれがある。そのような意図しないロック解除については、本願以前にもしばしば指摘されているが(例えば特許文献2の段落0003,0004参照)、特許文献1の技術に照らし、ここで改めて説明する。
一般に乗用自動車では、左右一対のアッパーレール(雄型異形断面材3)のうちのインナ側(即ち車両中心線に近い側)のアッパーレールの後端部付近に、3点式シートベルトの締結用アンカーを設置することが通例となっている。このような車両では車両衝突時に、ベルトアンカーを介してインナ側アッパーレールの後端部を持ち上げようとする荷重が作用することがある。他方で、両アッパーレールに共通の操作レバー(バランスバー7)は、それぞれブレード10を介して、インナ側のロアレール(雌型異形断面材5)のみならずアウタ側のロアレールにも連結されている。そして特許文献1によれば、アウタ側の摺動装置1には、インナ側アッパーレール後端部の意図しない持ち上がりに対して何らかの応答性又は追従性を確保する仕組み(例えば特許文献2の請求項1でいう「連動制御手段」に相当するもの)が存在しない。このため、車両衝突時に起こり得る上記のようなインナ側アッパーレール後端部の持ち上がりによって、インナ側アッパーレールに連結されている操作レバーを上方向(つまりロック解除方向)に引き上げ操作したのと等価な状況が不可避的に生じることになる。つまり、特許文献1の技術では、車両衝突時という、シートロック状態が確実に維持されていなければならない正にそのときに、左右の摺動装置1のうちの一方が不本意にもロック解除される危険性がある。
なお、本明細書では、車両衝突時などに左右レールのうちの一方(インナ側レール)の後端部が意図せずして持ち上がったときに、インナ側とアウタ側との自律的な連動関係に基づいてその持ち上がり現象を実質的に打ち消す(キャンセルする)ことで、アウタ側レールのロック状態を維持しつつ、インナ側レールにおける意図せぬロック解除を防止する機能を「キャンセル機能」と呼ぶものとする。かかるキャンセル機能を担保するメカニズムについては特許公開公報等に種々提案されているが、特許文献2でいう「連動制御手段」もそのようなキャンセル機構の一例と言える。
本発明の目的は、車両衝突時などの非常時においても上記のようなキャンセル機能を確保しつつ、操作レバーの保持構造を簡素化してコスト低減を図ることができる車両用シートのスライドレール装置を提供することにある。
請求項1の発明は、左右一対の摺動レール組立体と、両摺動レール組立体のそれぞれに対応する二つの端部アームを有すると共に両摺動レール組立体を連結するように設けられた操作レバーとを備えたスライドレール装置であって、
前記摺動レール組立体は、
ロアレールと、
前記ロアレールに対し摺動可能に取り付けられたアッパーレールと、
前記ロアレールに対して前記アッパーレールをロックするためのロック部材と、
前記操作レバーの端部アームを前記アッパーレールに保持するためのレバースプリングと、を備えており、
前記ロアレールは、複数のロック歯が形成された側壁部を有し、
前記ロック部材は、バネ弾性を有する長尺な部材であって、前記操作レバーの端部アームと係合可能な前端部と、前記アッパーレールに固定される後端部と、前記ロアレールのロック歯に係合可能な係合部とを有しており、
前記アッパーレールは、左右の側壁部を連結する長尺な平板状の基部を有すると共に、前記アッパーレールの基部には、その前端部付近において当該基部の下面側に突設された第1の支点突部と、前記第1の支点突部から間隔を隔てた位置において当該基部の下面側に突設された第2の支点突部とが設けられており、
前記レバースプリングが前記操作レバーの端部アームを前記アッパーレールの基部に向けて付勢することで前記操作レバーの端部アームが前記第1及び第2の支点突部に当接すると共に、当該端部アームの先端が、ロアレールに対しアッパーレールをロックするロック配置状態にある前記ロック部材の前端部と係合するような初期姿勢となるように、前記操作レバーが、前記レバースプリングによって前記アッパーレールに保持されており、
前記初期姿勢にある操作レバーが上向きに引き上げ操作された場合、左右それぞれの摺動レール組立体では、前記レバースプリングの付勢力に抗して前記操作レバーの端部アームが第1の支点突部を旋回中心として旋回すると共に、第2の支点突部から離れた端部アームの先端が前記ロック部材の前端部を押し下げて、ロアレールに対するアッパーレールのロックが解除され、
左右の摺動レール組立体のうちの一方の側の摺動レール組立体の後端部が、他方の側の摺動レール組立体の後端部よりも相対的に高い位置に持ち上がるという非常時には、
後端部が持ち上がった一方の側の摺動レール組立体にあっては、当該一方の側の摺動レール組立体の後端部の持ち上がりに追従して当該一方の側の端部アームが下向き旋回することでロック解除が回避され、他方の側の摺動レール組立体にあっては、前記操作レバーが前記初期姿勢から下向き旋回するに伴い、当該他方の側の端部アームがレバースプリングの付勢力に抗して第2の支点突部を旋回中心として旋回し、前記ロック部材の前端部を押し下げないことでロック状態が維持され、かくして前記非常時にキャンセル機能が確保されることを特徴とするスライドレール装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のスライドレール装置において、
前記レバースプリングは、前記アッパーレールに装着される後端部と、前記操作レバーの端部アームと係合可能な前端部とを有する線材状のバネとして構成されており、
前記レバースプリングの前端部は、前記第1の支点突部と第2の支点突部との間の位置において前記操作レバーの端部アームに係合しており、前記操作レバーの端部アームは、当該レバースプリングによって、端部アームをアッパーレール基部に向けて付勢するように保持されている、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のスライドレール装置において、
前記第1及び第2の支点突部は、前記アッパーレールの平板状基部の一部を切り曲げて形成された切り曲げ部として提供されている、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1,2又は3に記載のスライドレール装置において、
前記第1の支点突部は、前記操作レバーの端部アームを受け入れるべく略半円形状に切り欠き形成されたアーム受承部を有している、ことを特徴とする。
[作用]
通常時、操作レバーは、各端部アームがアッパーレール基部の下面側に突設された第1及び第2の支点突部に当接する初期姿勢をとっており、この初期姿勢では、ロック部材がロアレールに対しアッパーレールをロックするロック状態にある(図10参照)。搭乗者が初期姿勢にある操作レバー(より具体的には、二つの端部アームを連結している連結部分)を上向きに引き上げ操作すると、レバースプリングの付勢力に抗して操作レバーの端部アームが第1の支点突部を旋回中心として旋回すると共に、第2の支点突部から離れた端部アームの先端がロック部材の前端部をロック部材の弾性に抗して押し下げる(図11(A)参照)。すると、ロック部材の係合部とロアレールのロック歯との間の係合が解除され、ロアレールに対するアッパーレールのロックが解除される。その後、搭乗者が操作レバーから手を離すと、操作レバー自体の重み(重力)、レバースプリングの付勢力およびロック部材の復元力に基づいて、操作レバーはロック解除姿勢から初期姿勢に復帰し、ロアレールに対するアッパーレールのロック状態が再び確保される。
車両衝突時等の非常時において、左右の摺動レール組立体のうちの一方の側(例えばインナ側とする)の摺動レール組立体の後端部が、他方の側(例えばアウタ側とする)の摺動レール組立体の後端部よりも相対的に高い位置に持ち上がることがある。このような場合、インナ側の摺動レール組立体に対応する操作レバー端部アームが相対的に上向き旋回(つまりロック解除方向に旋回)したのと等価な状況が生じ得る。ただし本発明の装置では、アウタ側の摺動レール組立体に対応する操作レバー端部アームには、初期姿勢から更に下向きに旋回する余地がある。このため、仮にインナ側摺動レール組立体の後端部が不自然に持ち上がったとしても、インナ側の端部アームは、アウタ側の端部アームとのバランスを保ちながら下向き旋回して、インナ側摺動レール組立体の後端部の持ち上がりに追従することができる。その結果、インナ側の端部アームは、後端部が持ち上がったインナ側摺動レール組立体に対して見掛け上初期姿勢を保つことができ、インナ側摺動レール組立体におけるロック解除を回避することができる。他方で、アウタ側摺動レール組立体にあっては、インナ側の端部アームとの連動関係に基づき、アウタ側の端部アームが下向きに旋回することになる。具体的には、操作レバーが初期姿勢から下向き旋回するに伴い、アウタ側の端部アームがレバースプリングの付勢力に抗して第2の支点突部を旋回中心として旋回する。このとき、当該アウタ側の端部アームの先端は、アッパーレール基部の下側面に更に接近するように上動することになり、ロック部材の前端部を押し下げない(図11(B)参照)。それ故、アウタ側摺動レール組立体は依然としてロック状態を維持することができる。このように本発明の装置によれば、車両衝突時等の非常時に、左右の摺動レール組立体のうちの一方の側の摺動レール組立体の後端部が意図せずして持ち上がったとしても、インナ側とアウタ側との連動関係に基づいてその持ち上がり現象を実質的に打ち消して(キャンセルして)、左右両方の摺動レール組立体におけるロック状態を共に維持することができる(キャンセル機能の確保)。
以上詳述したように本発明(請求項1〜4)によれば、車両衝突時等の非常時においても、左右の摺動レール組立体におけるロック状態が共に維持されるというキャンセル機能を確保することができると共に、操作レバーの保持構造を簡素化してコスト低減を図ることができる。
更に、請求項2の発明によれば、上記キャンセル機能を確保しつつ操作レバーの保持に関与するレバースプリングの構造を簡素化することができる。
請求項3の発明によれば、上記キャンセル機能を確保しつつ操作レバーの保持に関与するところの、アッパーレールに突設された第1及び第2の支点突部の構造を簡素化することができる。
請求項4の発明によれば、操作レバーの端部アームが略半円形状のアーム受承部に受承されることで、操作レバーの姿勢(初期姿勢を含む)が安定する。
車両用シートの側面図。 左右一対の摺動レール組立体の平面配置状況を示す概略平面図。 一実施形態に従う摺動レール組立体の分解斜視図。 ロアレールの全体斜視図。 アッパーレールを示し、(A)は全体斜視図、(B)はアッパーレールを半割りした状態の斜視図。 ロック部材を示し、(A)は全体斜視図、(B)は側面図。 レバースプリングの全体斜視図。 操作レバーを示し、(A)は操作レバーの片側半分を示す斜視図、(B)は側面図。 摺動レール組立体の組み立て時における正面図。 (A)は通常時(ロック時)における図9のA−A線での断面図、(B)は通常時(ロック時)における図9のB−B線での断面図。 (A)はロック解除時における図9のB−B線での断面図、(B)はキャンセル動作時における図9のB−B線での断面図。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のスライドレール装置を備えた車両用シートの側面図であり、図2は、スライドレール装置の平面配置状況を示す概略平面図である。図1及び図2に示すように、車両用シートはシートクッション1及びシートバック2を備え、車体フロアFとシートクッション1との間にスライドレール装置3が設けられている。スライドレール装置3は、左右一対の摺動レール組立体4と、両組立体4を連結するように設けられた単一の操作レバー5とを備えている。
操作レバー5は、左右の摺動レール組立体4にそれぞれ対応する左右一対の端部アーム51と、二つの端部アーム51を連結している連結部52とを有している。そして、この操作レバー5によって左右の摺動レール組立体4のロック解除が同時に操作され、シートの前後スライド位置が調節可能となる。
図3に示すように、摺動レール組立体4は、両組立体4に共通の操作レバー5の他に、ロアレール10と、そのロアレール10に対し前後摺動可能に取り付けられるアッパーレール20と、ロック部材としてのロックプレート30と、レバースプリング40とを備えている。図1に示すように、ロアレール10は、その前部及び後部付近に設けられたブラケット6を介して車体フロアFに固定される。他方、アッパーレール20の上面側には、ボルト及びナット等の公知の締結手段(図示略)によってシートクッション1が固定される。
図4に示すように、ロアレール10は、鉄等の金属板にプレス加工や折り曲げ加工等を施すことにより左右対称な横断面略U字形状の長尺な部材に形成されている。このロアレール10は、長尺な平板状の基部11と、その基部11の両側から上向きに延設された左右一対の縦壁12と、各縦壁の上端部から内側下方に向かって折り返された一対のフランジ部13とを有している。縦壁12及びそれに連なるフランジ部13は、ロアレール10の側壁部を構成する。縦壁12とフランジ部13とは略平行な関係にあり、両者12,13間には溝状の空間が確保されている(図9参照)。また、左右のフランジ部13の各々の下方先端部には、鋸歯状に直列に並んだ複数のロック歯14が形成されている。
図5はアッパーレール20を示し、特に図5(B)はアッパーレール20をその中心軸線に沿って左右に二分割したときの分割片(つまりカットモデル)を示す。図5(A)及び(B)に示すように、アッパーレール20は、鉄等の金属板にプレス加工や折り曲げ加工等を施すことにより左右対称な横断面略逆U字形状の長尺な部材に形成されている。このアッパーレール20は、長尺な平板状の基部21と、その基部21の両側から下向きに延設された左右一対の縦壁22と、各縦壁の下端から外側上方に向かって折り返された一対のフランジ部23とを有している。縦壁22及びそれに連なるフランジ部23は、アッパーレール20の側壁部を構成し、前記平板状の基部21は左右の側壁部(22,23)を連結している。アッパーレール20の側壁部の長手方向略中央位置には、左右の各縦壁22を切り欠いて下向きに開口した複数の縦溝状ガイド24(本例では3つ)が形成されている。
なお、摺動レール組立体4の組立時には、図9に示すように、前記ロアレール10の縦壁12とフランジ部13と間に確保された溝状の空間内にアッパーレール20のフランジ部23が配置され、且つ、前記アッパーレール20の縦壁22とフランジ部23と間に確保された溝状の空間内にロアレール10のフランジ部13が配置される。また、アッパーレール20の左右フランジ部23とロアレール10の左右の縦壁12との間にボールその他の転動手段15を介在させることにより、アッパーレール20がロアレール10に対して長手方向に摺動可能となっている。
図5(A)及び(B)に示すように、アッパーレールの基部21には、操作レバー5(特に端部アーム51)の姿勢保持に関与する二つの支点突部としての二つの切り曲げ部25,26が設けられている。具体的には、アッパーレール基部21の前端部付近には、第1の支点突部としての第1の切り曲げ部25が当該基部21の下面側に突設されている。また、アッパーレール基部21には、第1の切り曲げ部25の位置からアッパーレール後端に向けて所定間隔(例えば50〜100mm)を隔てた位置において、第2の支点突部としての第2の切り曲げ部26が当該基部21の下面側に突設されている。これらの切り曲げ部25,26は、その名の通り、平板状の基部21の一部を切り曲げて形成したものである。なお、アッパーレール20の前端付近に配置された第1の切り曲げ部25は、操作レバーの端部アーム51の横断面形状に対応して略半円形状に切り欠き形成されたアーム受承部25aを有している。
また、アッパーレール基部21には、第2の切り曲げ部26よりも若干後方位置において、レバースプリング40をアッパーレール20に掛止するための3つの掛止突部27a,27b,28が設けられている。更に、アッパーレール基部21には、その中央よりもやや後ろ寄り位置において、ロックプレート30を固定するための前後一対の掛止孔29a,29bが設けられている。
図6に示すように、ロック部材としてのロックプレート30は、板状のバネ鋼にプレス加工等を施すことにより形成された、バネ弾性を有する長尺な部材である。ロックプレート30は、操作レバーの端部アーム51と係合可能な前端部31と、アッパーレール20に固定される後端部32とを有している。ロックプレートの前端部31には、ロックプレート本体から上に向けて切り起こされた爪部31aが形成されており、この爪部31aよりも前側の部位に対して操作レバー端部アーム51の先端54が係合及び離脱可能となっている(図10,11参照)。ロックプレートの後端部32は、ロックプレート本体から上に向けて折り曲げ加工され、その最上端部分には前後一対の掛止部32a,32bが設けられている。これら一対の掛止部32a,32bを前記アッパーレール20の一対の掛止孔29a,29bにそれぞれ係合させることにより、ロックプレート30がアッパーレール基部21の下面側に固定される。
更にロックプレート30の本体の中間部には、その左右両側において横方向に延びる複数のロック歯33(本例では各側3本)が形成されている。アッパーレール基部21にロックプレート後端部32を固定したとき(つまりロックプレート30の初期姿勢時)、ロックプレートの各側3本のロック歯33は、アッパーレール縦壁22の3つの縦溝状ガイド24内にそれぞれ進入配置されると共に(図10参照)、アッパーレールの縦壁22とフランジ部23との間に位置することになるロアレールのフランジ部13に設けられた複数のロック歯14間に進入配置される(図9参照)。その結果、ロアレール10の一群のロック歯14の一部と、ロックプレート30の3本のロック歯33とが互いに噛み合って、ロアレール10に対するアッパーレール20の前後摺動が規制(つまりロック)される。このように、ロックプレートのロック歯33は、ロアレールのロック歯14に係合可能な係合部として機能する。
図7に示すように、レバースプリング40は、1本の金属線材を折り曲げ加工してなる線材状のバネとして構成されている。レバースプリング40の前端部41は前方正面から見て略U字状に湾曲形成され、この前端部41の左右両側から後方に向けて2本の腕部42,43が延びている。前記略U字形状の底に当たる部分は、左右方向に水平に延びる横棒部41aとなっており、この横棒部41aを介して2本の腕部42,43が連結されている。右側の腕部42の後端付近には、それぞれ山形に湾曲形成された前側掛止部42a及び後側掛止部42bが設けられている。前側掛止部42a及び後側掛止部42bは、アッパーレール20の掛止突部27a,28にそれぞれ対応している。また、左側の腕部43の後端付近には、山形状に湾曲形成された掛止部43aが設けられている。この掛止部43aは、アッパーレール20の掛止突部27bに対応している。レバースプリング40の後端部付近に設けられた合計3つの山形掛止部42a,42b,43aをそれぞれ対応するアッパーレール20の掛止突部27a,28,27bに係合させることにより、レバースプリング40がアッパーレール基部21の下面側に装着される(図10参照)。レバースプリング40のアッパーレール20への装着時、レバースプリング40の前端部41は、アッパーレール20の第1の切り曲げ部25と第2の切り曲げ部26との間に配置される。
図8に示すように、操作レバー5の端部アーム51の各々の中程にはその下面側において、係合凹部53が切り欠き形成されている。この係合凹部53には、前記レバースプリング40の横棒部41aが係合される(図10(B)参照)。また、各端部アーム51の先端54は、端部アーム51の本体部分よりも偏平に形成されている。
図9及び図10に示すように、操作レバー5の各端部アーム51は、レバースプリング40によってアッパーレール20の下面側に保持される。具体的には、レバースプリング前端部41のU字形状内に端部アーム51が挿入配置されると、端部アーム51の先端54がロックプレート30の爪部31aに突き当たり、ロックプレート前端部31に係合する。このとき、端部アーム51の係合凹部53内にレバースプリング前端部41の横棒部41aが係入し、端部アーム51がレバースプリング40によって抱きかかえられる形となる。レバースプリング前端部41は操作レバー5の重さ(下向き荷重)を受け止めることになるが、その下向き荷重よりもレバースプリング4の上向き付勢力の方が優る。それ故、端部アーム51はアッパーレール基部21に向けて上向きに付勢され、アッパーレール20の下面側に突設された第1及び第2の切り曲げ部25,26に当接する。このように、操作レバー5がレバースプリング40によってアッパーレール20に組み付けられた最初の状態では、端部アーム51は、第1の切り曲げ部25、第2の切り曲げ部26およびレバースプリングの横棒部41aによって三点支持され、図10(A)及び(B)に示すような水平な初期姿勢に保持される。なお、このとき、第1の切り曲げ部25の半円形のアーム受承部25a内に端部アーム51が入り込むため、端部アーム51の初期姿勢が安定する。また、この水平な初期姿勢では、端部アーム51の先端54は、ロアレール10に対しアッパーレール20をロックするところのロック配置状態にあるロックプレート30の前端部31と係合する。
さて、ロアレール10に対するアッパーレール20のロックを解除する場合、搭乗者によって操作レバー5が上向き(図11(A)の矢印A1)に引き上げ操作される。すると、図11(A)に示すように、レバースプリング40の上向き付勢力に抗して操作レバーの端部アーム51が第1の切り曲げ部25を旋回中心として旋回する。その一方で、第2の切り曲げ部26から離れた端部アーム51の先端54が、ロックプレート30の弾性に抗してロックプレート前端部31を押し下げる。その結果、ロアレールのロック歯14の間からロックプレートのロック歯33が離脱して、ロアレール10に対するアッパーレール20のロックが解除される。
その後、搭乗者が操作レバー5から手を離すと、操作レバー5自体の重み(重力)、レバースプリング40の付勢力およびロックプレート30の復元力に基づいて、操作レバー5はロック解除姿勢(図11(A))から初期姿勢(図10)に復帰し、ロアレール10に対するアッパーレール20のロック状態が再び確保される。
次に、本実施形態のスライドレール装置3が前述のキャンセル機能を担保するものであることを説明する。ここでの説明の便宜上、スライドレール装置3は日本車(右ハンドル車)のドライバーズシートに適用されているものとし、図2に示すスライドレール装置3において左側を「インナ側」、右側を「アウタ側」とする。
車両衝突時等の非常時において、インナ側(左側)の摺動レール組立体4の後端部が、アウタ側(右側)の摺動レール組立体4の後端部よりも相対的に高い位置に持ち上がったと仮定する。その場合、インナ側の摺動レール組立体4に対応する操作レバー端部アーム51が相対的に上向き旋回(つまりロック解除方向に旋回)したのと等価な状況が生じ得るが、本実施形態の装置では、アウタ側の摺動レール組立体4に対応する操作レバー端部アーム51には、初期姿勢から更に下向きに旋回する余地がある(図11(B)の矢印A2参照)。このため、仮にインナ側摺動レール組立体4の後端部が持ち上がったとしても、インナ側の端部アーム51は、アウタ側の端部アーム51とのバランスを保ちながら下向き旋回することで、インナ側摺動レール組立体4の後端部の持ち上がりに追従することができる。その結果、インナ側の端部アーム51は、後端部が持ち上がったインナ側摺動レール組立体4に対して見掛け上初期姿勢を保つことができ、インナ側摺動レール組立体4におけるロック解除を回避することができる。
他方で、アウタ側の摺動レール組立体4にあっては、インナ側の端部アーム51との連動関係(又は連結関係)に基づき、アウタ側の端部アーム51が下向きに旋回することになる。具体的には図11(B)に示すように、操作レバー5が初期姿勢から下向き旋回するに伴い、アウタ側の端部アーム51がレバースプリング40の付勢力に抗して第2の切り曲げ部26を旋回中心として旋回する。このとき、そのアウタ側の端部アーム51の先端54は、アッパーレール基部21の下側面に更に接近するように上動することになり、ロックプレート30の前端部31を全く押し下げない。それ故、アウタ側の摺動レール組立体4は依然としてロック状態を維持することができる。
このように本実施形態のスライドレール装置3によれば、車両衝突時等の非常時に、左右の摺動レール組立体4のうちの一方の側の摺動レール組立体4の後端部が意図せずして持ち上がったとしても、左側と右側との連動関係(又は連結関係)に基づいてその持ち上がり現象を実質的に打ち消すことで、左右の摺動レール組立体4におけるロック状態を共に維持することができる。
本実施形態のスライドレール装置3によれば、アッパーレール20に第1及び第2の支点突部としての二つの切り曲げ部25,26を設けると共に、線材状のバネとして構成されたレバースプリング40を採用することにより、車両衝突時等の非常時においても、左右の摺動レール組立体4におけるロック状態を共に維持できるというキャンセル機能を確保しつつ、操作レバー5の保持構造を簡素化してコスト低減を図ることができる。
なお、本発明は、図1〜図11に示した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。
3 スライドレール装置
4 摺動レール組立体
5 操作レバー
10 ロアレール
11 ロアレールの基部
12 ロアレールの縦壁(ロアレールの側壁部)
13 ロアレールのフランジ部(ロアレールの側壁部)
14 ロアレールのロック歯
20 アッパーレール
21 アッパーレールの基部
22 アッパーレールの縦壁(アッパーレールの側壁部)
23 アッパーレールのフランジ部(アッパーレールの側壁部)
25 第1の切り曲げ部(第1の支点突部)
25a アーム受承部
26 第2の切り曲げ部(第2の支点突部)
30 ロックプレート(ロック部材)
31 ロックプレートの前端部
32 ロックプレートの後端部
33 ロックプレートのロック歯(係合部)
40 レバースプリング
41 レバースプリングの前端部
51 操作レバーの端部アーム
52 操作レバーの連結部
54 端部アームの先端

Claims (4)

  1. 左右一対の摺動レール組立体と、両摺動レール組立体のそれぞれに対応する二つの端部アームを有すると共に両摺動レール組立体を連結するように設けられた操作レバーとを備えたスライドレール装置であって、
    前記摺動レール組立体は、
    ロアレールと、
    前記ロアレールに対し摺動可能に取り付けられたアッパーレールと、
    前記ロアレールに対して前記アッパーレールをロックするためのロック部材と、
    前記操作レバーの端部アームを前記アッパーレールに保持するためのレバースプリングと、を備えており、
    前記ロアレールは、複数のロック歯が形成された側壁部を有し、
    前記ロック部材は、バネ弾性を有する長尺な部材であって、前記操作レバーの端部アームと係合可能な前端部と、前記アッパーレールに固定される後端部と、前記ロアレールのロック歯に係合可能な係合部とを有しており、
    前記アッパーレールは、左右の側壁部を連結する長尺な平板状の基部を有すると共に、前記アッパーレールの基部には、その前端部付近において当該基部の下面側に突設された第1の支点突部(25)と、前記第1の支点突部から間隔を隔てた位置において当該基部の下面側に突設された第2の支点突部(26)とが設けられており、
    前記レバースプリングが前記操作レバーの端部アームを前記アッパーレールの基部に向けて付勢することで前記操作レバーの端部アームが前記第1及び第2の支点突部(25,26)に当接すると共に、当該端部アームの先端が、ロアレールに対しアッパーレールをロックするロック配置状態にある前記ロック部材の前端部と係合するような初期姿勢となるように、前記操作レバーが、前記レバースプリングによって前記アッパーレールに保持されており、
    前記初期姿勢にある操作レバーが上向きに引き上げ操作された場合、左右それぞれの摺動レール組立体では、前記レバースプリングの付勢力に抗して前記操作レバーの端部アームが第1の支点突部(25)を旋回中心として旋回すると共に、第2の支点突部(26)から離れた端部アームの先端が前記ロック部材の前端部を押し下げて、ロアレールに対するアッパーレールのロックが解除され、
    左右の摺動レール組立体のうちの一方の側の摺動レール組立体の後端部が、他方の側の摺動レール組立体の後端部よりも相対的に高い位置に持ち上がるという非常時には、
    後端部が持ち上がった一方の側の摺動レール組立体にあっては、当該一方の側の摺動レール組立体の後端部の持ち上がりに追従して当該一方の側の端部アームが下向き旋回することでロック解除が回避され、他方の側の摺動レール組立体にあっては、前記操作レバーが前記初期姿勢から下向き旋回するに伴い、当該他方の側の端部アームがレバースプリングの付勢力に抗して第2の支点突部(26)を旋回中心として旋回し、前記ロック部材の前端部を押し下げないことでロック状態が維持され、かくして前記非常時にキャンセル機能が確保されることを特徴とするスライドレール装置。
  2. 前記レバースプリングは、前記アッパーレールに装着される後端部と、前記操作レバーの端部アームと係合可能な前端部とを有する線材状のバネとして構成されており、
    前記レバースプリングの前端部は、前記第1の支点突部と第2の支点突部との間の位置において前記操作レバーの端部アームに係合しており、前記操作レバーの端部アームは、当該レバースプリングによって、端部アームをアッパーレール基部に向けて付勢するように保持されている、ことを特徴とする請求項1に記載のスライドレール装置。
  3. 前記第1及び第2の支点突部は、前記アッパーレールの平板状基部の一部を切り曲げて形成された切り曲げ部として提供されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドレール装置。
  4. 前記第1の支点突部は、前記操作レバーの端部アームを受け入れるべく略半円形状に切り欠き形成されたアーム受承部を有している、ことを特徴とする請求項1,2又は3に記載のスライドレール装置。
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