JP2010100077A - スライドレール装置 - Google Patents
スライドレール装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010100077A JP2010100077A JP2008270724A JP2008270724A JP2010100077A JP 2010100077 A JP2010100077 A JP 2010100077A JP 2008270724 A JP2008270724 A JP 2008270724A JP 2008270724 A JP2008270724 A JP 2008270724A JP 2010100077 A JP2010100077 A JP 2010100077A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- spring
- operation lever
- lock
- end portion
- rail
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Seats For Vehicles (AREA)
Abstract
【課題】従来よりも部品点数が少なく、装置構造も簡素で組み立てが容易な車両用シートのスライドレール装置を提供する。
【解決手段】スライドレール装置を構成するスライドレール部材5は、ロアレール10と、アッパーレール20と、アッパーレールをロックするためのロック部材30と、ロック部材に連結される操作レバー50と、ロック部材及び操作レバーを付勢するためのスプリング40を備える。スプリングの前端部41を操作レバー基端部54に連結させ、かつ、当該スプリングの後端部43をロック部材の後側係合部37に係合させる。さらに、アッパーレールの掛止溝25にスプリングの掛止部42を掛止させ、この掛止部が支点となるようにスプリング40を設置し、一つのスプリング40でロック部材30及び操作レバー50を同時に付勢することを可能とした。
【選択図】図3
【解決手段】スライドレール装置を構成するスライドレール部材5は、ロアレール10と、アッパーレール20と、アッパーレールをロックするためのロック部材30と、ロック部材に連結される操作レバー50と、ロック部材及び操作レバーを付勢するためのスプリング40を備える。スプリングの前端部41を操作レバー基端部54に連結させ、かつ、当該スプリングの後端部43をロック部材の後側係合部37に係合させる。さらに、アッパーレールの掛止溝25にスプリングの掛止部42を掛止させ、この掛止部が支点となるようにスプリング40を設置し、一つのスプリング40でロック部材30及び操作レバー50を同時に付勢することを可能とした。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用シートを前後にスライドさせて所定位置に位置決めするためのスライドレール装置に関する。
特許文献1は、スライドレール装置の一種である車両用スライドアジャスタを開示する。このスライドアジャスタは、ロアレール2と、そのロアレール2に前後摺動自在に取り付けられたアッパーレール4と、ロアレールに対してアッパーレール4をロック又はロック解除するためのロック機構とを備えている。このロック機構は、アッパーレール4内に回動可能に設けられたロックプレート12と、そのロックプレート12を上向き回動方向に付勢する弾性部材20と、操作部材26(操作レバー)と、アッパーレール4に対しピン24を介して揺動可能に設けられると共に前記操作部材26に前端部が連結されたロックプレート作動部材22と、そのロックプレート作動部材22の前端部を常時下方に付勢する弾性部材28とを具備している。
このロック機構によれば、ロアレール2のロック爪2fに対し、弾性部材20によって上向きに付勢されたロックプレート12のロック孔12cが係合することにより、ロアレール2に対してアッパーレール4がロックされる。他方、乗員が操作部材26を引き上げ操作することでロックが解除される。即ち、操作部材26の引き上げに伴い、弾性部材28の付勢力に抗して操作部材26がその前端部を持ち上げる方向に揺動する一方、操作部材26の後端部が、弾性部材20の付勢力に抗してロックプレート12を下向き回動させる。その結果、ロアレール2のロック爪2fからロックプレート12が離脱してロアレール2に対するアッパーレール4のロックが解除される。
しかしながら、特許文献1に記載の従来型のスライドレール装置においては、ロック機構の各部材を付勢するために、少なくとも、ロック部材の後端部を上向き回動方向に付勢する弾性部材と、ロック部材の前端部を下方に付勢する弾性部材を要する。このように、従来型スライドレール装置においては、付勢手段たる弾性部材を2つ以上必要としたため、組付けする上で困難性があり、また、部材コストの点でも有利とは言えない。
本発明の目的は、従来よりも構造を簡易化することで、部材点数を削減し、組付け性やコストの点で有利な車両用スライドレール装置を提供することにある。
請求項1に記載のスライドレール装置は、複数のロック歯を有するロアレールと、前記ロアレールに対し前後摺動自在に取り付けられたアッパーレールと、前記アッパーレールに取り付けられるロック部材と、前記ロック部材に連結される操作レバーと、前記ロック部材及び前記操作レバーを付勢するためのスプリングとを備える。前記ロック部材は、前記操作レバーに連結される前端部と、前記ロアレールのロック歯に係合可能な係合部を有する後端部とを備えると共に、前記係合部が、前記ロアレールのロック歯と係合するロック位置と、前記ロアレールのロック歯から離脱するアンロック位置との間で回動可能に前記アッパーレールに取り付けられている。また、前記スプリングは、前端部が前記操作レバーに係合され、後端部が前記ロック部材の後端部に係合され、前端部と後端部の間に位置して、アッパーレールの一部に掛止される掛止部を有しており、この掛止部を支点として、前記前端部が前記操作レバーを操作前位置に復帰させる方向に付勢すると共に、後端部が前記ロック部材を前記アンロック位置から前記ロック位置に向けて付勢するように装着されていることを特徴とする。
請求項2に記載のスライドレール装置は、請求項1のスライドレール装置において、前記ロック部材の前端部には、操作レバーを操作前位置に復帰させる方向に、操作レバーの基端部と係合可能な前側係合部が設けられる。また、前記操作レバーの基端部近傍には、前記スプリングの前端部が挿嵌可能な溝又は孔が設けられており、前記操作レバーを操作前位置に復帰させる方向に付勢するスプリング前端部の付勢力に基づいて、前記ロック部材の前側係合部と前記スプリング前端部との間に前記操作レバーの基端部を狭着することにより、前記操作レバーが前記ロック部材の前端部に抜け止め連結されていることを特徴とする。
請求項3に記載のスライドレール装置は、請求項1又は2のスライドレール装置において、前記ロック部材の後端部には、前記スプリングにより当該ロック部材を前記ロック位置へ向けて付勢する際、前記スプリングの後端部と係合可能な後側係合部が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載のスライドレール装置は、請求項1から3のいずれか一項のスライドレール装置において、前記スプリングの掛止部は、当該スプリングの略中央部から前記アッパーレールの側壁部に向けて突出する張り出し部として構成されており、前記アッパーレールの側壁部には前記掛止部としての張り出し部を掛止するための掛止溝が形成され、前記張り出し部を前記掛止溝に係入することにより、前記スプリングが前記アッパーレールに支持されていることを特徴とする。
請求項1記載のスライドレール装置によれば、スプリングの前端部を操作レバーに係合させ、かつ、当該スプリングの後端部をロック部材の後端部に係合させ、さらに、当該スプリングの前端と後端の間に位置するアッパーレールの一部に掛止される掛止部を当該スプリングに設け、この掛止部が支点となるように、当該スプリングを設置することで、一つのスプリングでロック部材及び操作レバーを同時に付勢することができる。従って、部品点数の削減、組付け容易性の向上及びコストダウンを達成できる。
請求項2記載のスライドレール装置によれば、操作レバーを操作前位置に復帰させる方向に付勢するスプリング前端部の付勢力に基づいて、ロック部材の前側係合部とスプリング前端部との間に操作レバーの基端部を狭着することにより、操作レバーがロック部材の前端部に抜け止め連結することを可能とした。つまり、スプリングの前端部を前側係合部と協働する「操作レバーの連結手段」としても機能させることができるので、更に部品点数の削減を図ることができる。
請求項3記載のスライドレール装置によれば、ロック部材の後端部に、スプリングと係合可能な後側係合部を設けているので、ロック部材をアンロック位置からロック位置に向けて付勢するスプリング後端部の付勢力を、ロック部材の当該後側係合部で直接的に受承することができる。従って、スライドレール装置の構造の簡素化を更に図ることができる。
請求項4記載のスライドレール装置によれば、スプリングの略中央部にはアッパーレールの側壁部へ向けて突出する張り出しを設け、アッパーレールの側壁部には前記張り出し部を係入するための掛止溝を設け、前記張り出し部を前記掛止溝に係入することにより、前記スプリングが前記アッパーレールに支持されているため、スプリングの前端部及び後端部におけるバネ弾性を十分に維持したまま、張り出し部を支点としたスプリングの支持が確実となる。そして、このことは、スライドレール装置の構造の簡素化にも貢献する。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1はスライドレール装置3が組み込まれた車両用シートを示している。車両用シートは、シートクッション1、シートバック2、及び、スライドレール装置3から構成される。図2に示すように、スライドレール装置3は左右対称の構造を有し、シート前部に操作レバー50を介し、左右一対のスライドレール部材5から構成される。スライドレール部材5は、ロアレール10、アッパーレール20、及び、操作レバー50を有する。ロアレール10は、ブラケット4によって車体の床面に固定されている。アッパーレール20はシートクッション1と連結されている。操作レバー未入力時においては、ロアレール10とアッパーレール20はロックされており、シートクッション1は前後動作しないように固定される。乗員が操作レバー50を上方へ操作することで、ロアレール10とアッパーレール20間にかかるロックが、両スライドレール部材5において同時に解除される。ロアレール10とアッパーレール20が前後自在に摺動可能となり、乗員は座った状態で前後位置を調整することができる。以下、片側のスライドレール部材5について詳述する。
図3は、スライドレール部材5の分解図を示す。スライドレール部材5は、主として、ロアレール10、アッパーレール20、ロック部材としてのロックプレート30、スプリング40、操作レバー50から構成される。
図3に示すように、ロアレール10は、鉄等の金属板からなり、それにプレス加工や折り曲げ加工等を施すことにより、左右対称の断面略U字形状に形成されている。ロアレール10は、平板状の基部11、その基部の両側から上向きに延設された左右一対の縦壁12と、各縦壁の上端部14から内側下方に向かって折り返された一対のフランジ部13とを有している。縦壁12及びそれに連なるフランジ部13は、ロアレール10の側壁部を構成する。なお、縦壁12とフランジ部13とは略平行の関係にあり、両者間には溝が形成される。また、両側のフランジ部13の下方先端部には、所定間隔で直列配列された複数のロック歯(鋸歯)15が一体形成されている。
図3に示すように、アッパーレール20も同様に、鉄等の金属板からなり、それにプレス加工や折り曲げ加工等を施すことにより、左右対称の断面略U字形状に形成されている。アッパーレール20は、平板状の基部21、その基部の両側から下向きに延設された左右一対の縦壁22と、各縦壁の下端部27から外側上方に向かって折り返された一対のフランジ部23とを有している。縦壁22及びそれに連なるフランジ部23は、アッパーレール20の側壁部を構成する。また、アッパーレールの略中央部には、縦壁22とフランジ部23とを一体的に切り欠いた左右一対の切り欠き部26を有している。そして、後述するロックプレート30の回動軸となる嵌合凸部34(図4参照)を嵌合可能な嵌合孔24と、後述するスプリング40の支点となる掛止部としての張り出し部42(図6参照)を掛止するための掛止溝25が、両縦壁22にそれぞれ対面するように設けられている。嵌合孔24と掛止溝25は、縦壁22の一部にそれぞれ貫通形成される。嵌合孔24は円形、掛止溝25は長手方向へ伸びる長円形をなしている。
なお、本実施形態では、図8に示すように、アッパーレールの左右フランジ部23とリアレールの左右の溝部との間にボール16を介在させることにより、アッパーレール20がロアレール10に対して長手方向に摺動可能となっている。
図4及び図5に示すように、ロックプレート30は、鉄等の金属板にプレス加工等を施すことにより構成される。ロックプレート30は、平板状の左右一対の側壁部38を有し、前側基部36と後側基部37により、両側壁部38は互いに左右略平行に向かい合うように連結されている。ロックプレートの中央部33は、左右の側壁部38間が開口した領域となっている。前側及び後側の各連結部は、側壁部38と基部36または37からなる略U字断面状の部位として形成されている。そして、後述するように、前側基部36は操作レバー基端部54を下支えして、これと係合する前側係合部として働き、後側基部37はスプリングの後端部43と係合して、これにより上向きに付勢される後側係合部として働く。ロックプレートの中央部33における左右の側壁部38には、その外側壁面に、アッパーレールの縦壁22に向かって突出する嵌合凸部34が設けられている。この嵌合凸部34は、側壁部38の一部をその内側から外側に向けて打ち出し加工することによって形成されており、その嵌合凸部34は側方視が円形をなしている。
かかるロックプレート30は、操作レバー50を連結可能な前端部31と、ロアレールのロック歯15に対し係脱可能な後端部32とを有している。ロックプレートの前端部31には、両側壁部38の最先端位置において、操作レバーのシャフト52と連結可能となるように切り欠いた段差部35がそれぞれ形成されている。一方、ロックプレートの後端部32は、平面視が略四角形状をなし、その中央部には、上方向(アッパーレールの基部21方向)に向かって突出し、且つ、ロックプレートの長手方向に延びるリブ32aが設けられている。そして、当該リブ32aの両側部には、複数のロック孔32b(本実施形態では片側3個)がそれぞれ形成されている。これらのロック孔32bは、ロアレールのロック歯15に対し係脱(係合及び離脱)可能な係合部として機能する。
図6に示すように、スプリング40は、金属製線材を平面略U字型となるように折曲して形成される。スプリング40は、前端部41にて折曲されると共に、平面視(図6(a))において、スプリングの略中央部には、外側(アッパーレールの縦壁22方向)へ向かって延在する掛止部としての張り出し部42が設けられている。スプリングの後端部43はロックプレート後側基部37と係合可能となるように、平面視において内側へ間隔が狭まり、側方視(図6(b))において上方向へ曲げ加工されている。
図1から図3に示すように、操作レバー50は、左右のスライドレール部材5の前端部に挿入されて、当該両スライドレール部材5内のロックプレート30を接続しており、乗員による両ロックプレート30の同時操作を可能とするものである。図3に示すように、操作レバー50は、基端部54の上面に、スプリングの前端部41を挿嵌可能とすべく幅方向に延びる溝53を有する。また、操作レバー50は、操作レバー側部を貫通する貫通孔51を有し、シャフト52は貫通孔51へ挿入される。シャフト52は、ロックプレート前端部31に存する段差部35と係合可能である。
図3及び図7に示すとおり、ロックプレート30は、アッパーレール左右縦壁22の嵌合孔24にロックプレートの嵌合凸部34が嵌合されることで、アッパーレール20に支持されると共に、当該嵌合部を軸として前後に回動可能である。ロックプレート後端部32は、アッパーレール側壁と干渉しないように、アッパーレールの切り欠き部26に配置される。そして、後端部32が上方向(アッパーレールの基部21方向)へ回動することで、ロックプレートの各ロック孔32bとロアレールのロック歯15が係合する。このようにして、ロックプレート30が「ロック位置」に配置されることで、アッパーレール20がロアレール10にロックされる。なお、後述するように、ロックプレート30は操作レバー50の操作に基づいて、各ロック孔32bがロアレールのロック歯15から離脱することで、ロアレール10に対するアッパーレール20のロックを解除することになる「アンロック位置」にも配置される。図8は、ロックプレート後端部32付近(図7におけるX−X線位置)におけるロック時の横断面図であり、ロックプレート後端部32が上方へ位置し、ロック孔32bがロアレールのフランジ部13にあるロック歯15に係合している様子を示している。
スライドレール装置3にあっては、操作レバー50の入力がない限りロックプレート30は常にロック位置になければならない。本実施形態では、ロックプレート後端部32をスプリング40のバネ力によって上方向(アッパーレールの基部21方向)へと付勢すると同時に、操作レバー基端部54とともにロックプレート前端部31をスプリング40のバネ力によって下方向(ロアレールの基部11方向)へと付勢することにより、ロックプレート30をロック位置に維持し、かつ、操作レバー50を元位置(図7に示す位置)に維持するようにしている。
即ち図3及び図7に示すように、スプリングの張り出し部42を、アッパーレール20の掛止溝25に掛止することで、当該掛止部を支点としてスプリング40がアッパーレール20に支持されている。スプリングの後端部43は、ロックプレート後側基部37の下側に配置され、そのバネ力によりロックプレート後側基部37を上方向(アッパーレールの基部21方向)へと付勢する。当該付勢力により、操作レバー未入力時にロックプレート後端部32をロック位置へと配置する。
操作レバー基端部54は、ロックプレート前側基部36の直上に、かつ、ロックプレート前側基部36付近における左右側壁38の内側に配置される。スプリング前端部41が操作レバー上の溝53へ挿嵌されることにより、スプリング前端部41と操作レバー基端部54とは連結されている。スプリング前端部41はそのバネ力により、操作レバー基端部54を下方向(ロアレールの基部11方向)へと付勢する。そして、前記スプリング前端部41による下方向への付勢力に基づいて、ロックプレート前側基部36とスプリング前端部41との間に操作レバーの基端部54を狭着することにより、操作レバー50がロックプレート30に抜け止め連結されている。従って、操作レバー50は操作前位置(図7に示す位置)を安定して維持できるとともに、スプリングの前端部41を前側基部36と協働する「操作レバーの連結手段」として機能させることができるので、部品点数の削減を図ることができる。
次に、操作レバー50を上方向(図7の矢印A1の方向)へ操作することによるロック解除について説明する。図3及び図7に示すとおり、操作レバー50が矢印A1方向(ロック解除方向)へ操作されると同時に、操作レバーのシャフト52も上方向へ移動する。すると、ロックプレートの段差部35とシャフト52との係合に基づき、段差部35にシャフト52からの上方向への力が加わることにより、ロックプレート前端部31は操作レバーの動きと連動して上方向へと回動する。その際、スプリング40の前端部41寄り部分には、ロックプレート及び操作レバーを元位置に戻そうとする追加のバネ力が蓄えられる。また、それと同時に、ロックプレート後側基部37にかかるスプリング後端部43による上方向(アッパーレールの基部21方向)への付勢力に抗して、ロックプレート後端部32は下方向(ロアレールの基部11方向)へと回動する。そして、各ロック孔32bがロアレールのロック歯15から離脱することで、ロックプレート後端部32は「アンロック位置」へと配置される。
アンロック位置にすることで、アッパーレール20がロアレール10に対して前後摺動可能となり、乗員は最適なシート位置へと調整することができる。再度、ロックするには、シートの位置決め後、操作レバー50を離せばよい。スプリングの前端部41の下向き付勢力により、操作レバー50は操作前位置へと復帰し、スプリングの後端部43の上向き付勢力により、ロックプレート後端部32は再びロック位置へと復帰する。
本実施形態のスライドレール装置3によれば、スプリングの前端部41を操作レバー50に係合させ、かつ、当該スプリングの後端部43をロックプレートの後側基部37に係合させ、さらに、アッパーレールの掛止溝25にスプリングの張り出し部42を掛止させ、この掛止部が支点となるように、当該スプリング40を設置したので、一つのスプリング40でロックプレート30及び操作レバー50を同時に付勢することができる。従って、部品点数の削減、組付け容易性の向上及びコストダウンを達成できる。
なお、本実施形態のスライドレール装置3では、乗員によって操作レバー50を下向き(図7の矢印A2の向き)に操作することができる。即ち、図7に示す初期状態から、ロックプレート前端部31の基部の先端縁39を回動支点(回動中心)として、左右一対のスライドレール部材5を連結している操作レバー50を矢印A2の向きに微少回動させる余地がある。かかるロック解除時と反対向きのレバー操作は、俗に「キャンセル操作」と呼ばれる。
一般に、スライドレール装置3が固定される車体の床面は必ずしも理想通りにフラットであるとは限らず、多少の凹凸又は歪みの存在は避けられない。そのような平らでない車体床面上に左右一対のスライドレール部材5を平行配置した場合、一方のスライドレール部材5がロック状態であるにもかかわらず、他方のスライドレール部材5がアンロック状態に陥るという事態が時として生ずる。かかる左右でのロック/アンロック状態の不均衡が生じた場合、上述のように操作レバー50を矢印A2の向きに操作することで、アンロック状態に陥った側のスライドレール部材5を強制的にロック状態に再セットすることができる。これが上記キャンセル操作の意味である。
上記のキャンセル操作時、ロックプレート前端部31の基部の先端縁39を回動支点とした矢印A2向きへの操作レバー50の微少回動に伴い、スプリング前端部41には、操作レバーの基端部54を元の位置に戻そうとする反発力が蓄力される。それ故、キャンセル操作後、乗員が操作レバー50を押し下げる力を解除すると、スプリング前端部41に蓄えられた反発力によって操作レバー50は図7に示す初期位置に復帰する。このように、スプリング前端部41は、キャンセル操作された操作レバー50を元の位置に復帰させる付勢バネとしても機能させることができる。
[変更例]上記実施形態では、操作レバー50にスプリング40の前端部41をリンクさせるための部位として、操作レバー基端部54の上面に溝53を設けたが、この溝53に代えて、操作レバー基端部54を幅方向に貫通する孔を設け、この貫通孔にスプリング前端部41を挿嵌するようにしてもよい。
3 スライドレール装置
5 スライドレール部材
10 ロアレール
12 縦壁(ロアレール側壁部)
13 フランジ部(ロアレール側壁部)
15 ロック歯
20 アッパーレール
22 縦壁(アッパーレール側壁部)
23 フランジ部(アッパーレール側壁部)
24 嵌合孔
25 掛止溝
30 ロックプレート(ロック部材)
31 前端部
32 後端部
32b ロック孔(ロック部材後端部の係合部)
34 嵌合凸部
36 前側基部(前側係合部)
37 後側基部(後側係合部)
40 スプリング
41 前端部
42 張り出し部(掛止部)
43 後端部
50 操作レバー
53 溝(挿嵌可能な溝又は孔)
54 基端部
5 スライドレール部材
10 ロアレール
12 縦壁(ロアレール側壁部)
13 フランジ部(ロアレール側壁部)
15 ロック歯
20 アッパーレール
22 縦壁(アッパーレール側壁部)
23 フランジ部(アッパーレール側壁部)
24 嵌合孔
25 掛止溝
30 ロックプレート(ロック部材)
31 前端部
32 後端部
32b ロック孔(ロック部材後端部の係合部)
34 嵌合凸部
36 前側基部(前側係合部)
37 後側基部(後側係合部)
40 スプリング
41 前端部
42 張り出し部(掛止部)
43 後端部
50 操作レバー
53 溝(挿嵌可能な溝又は孔)
54 基端部
Claims (4)
- 複数のロック歯を有するロアレールと、
前記ロアレールに対し前後摺動自在に取り付けられたアッパーレールと、
前記アッパーレールに取り付けられるロック部材と、
前記ロック部材に連結される操作レバーと、
前記ロック部材及び前記操作レバーを付勢するためのスプリングとを備えており、
前記ロック部材は、前記操作レバーに連結される前端部と、前記ロアレールのロック歯に係合可能な係合部を有する後端部とを備えると共に、前記係合部が、前記ロアレールのロック歯と係合するロック位置と、前記ロアレールのロック歯から離脱するアンロック位置との間で回動可能となるように前記アッパーレールに取り付けられており、
前記スプリングは、前端部が前記操作レバーに係合され、後端部が前記ロック部材の後端部に係合され、更に前端部と後端部の間に位置して前記アッパーレールの一部に掛止される掛止部を有しており、この掛止部を支点として、前記前端部が前記操作レバーを操作前位置に復帰させる方向に付勢すると共に、後端部が前記ロック部材を前記アンロック位置から前記ロック位置に向けて付勢するように前記アッパーレールに装着されていることを特徴とするスライドレール装置。 - 前記ロック部材の前端部には、前記操作レバーの基端部と係合可能な前側係合部が設けられ、
前記操作レバーの基端部近傍には、前記スプリングの前端部が挿嵌可能な溝又は孔が設けられており、前記操作レバーを操作前位置に復帰させる方向に付勢するスプリング前端部の付勢力に基づいて、前記ロック部材の前側係合部と前記スプリング前端部との間に前記操作レバーの基端部を狭着することにより、前記操作レバーが前記ロック部材の前端部に抜け止め連結されていることを特徴とする請求項1に記載のスライドレール装置。 - 前記ロック部材の後端部には、前記スプリングにより当該ロック部材を前記ロック位置へ向けて付勢する際、前記スプリングの後端部と係合可能な後側係合部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドレール装置。
- 前記スプリングの掛止部は、当該スプリングの略中央部から前記アッパーレールの側壁部に向けて突出する張り出し部として構成されており、前記アッパーレールの側壁部には前記掛止部としての張り出し部を係入するための掛止溝が形成され、前記張り出し部を前記掛止溝に係入することにより、前記スプリングが前記アッパーレールに支持されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のスライドレール装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008270724A JP2010100077A (ja) | 2008-10-21 | 2008-10-21 | スライドレール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008270724A JP2010100077A (ja) | 2008-10-21 | 2008-10-21 | スライドレール装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010100077A true JP2010100077A (ja) | 2010-05-06 |
Family
ID=42291109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008270724A Pending JP2010100077A (ja) | 2008-10-21 | 2008-10-21 | スライドレール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010100077A (ja) |
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012111379A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Gifu Auto Body Industry Co Ltd | シートトラックスライド装置におけるロック機構 |
JP2012111378A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Gifu Auto Body Industry Co Ltd | シートトラックスライド装置におけるロック機構 |
US8577254B2 (en) | 2010-06-10 | 2013-11-05 | Konica Minolta Business Technologies, Inc. | Slide rail and image forming apparatus with the same |
EP2722222A2 (en) | 2012-10-19 | 2014-04-23 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Seat apparatus for vehicle |
EP2738037A1 (en) * | 2012-10-10 | 2014-06-04 | Gifu Auto Body Co., Ltd. | Lock mechanism for seat track slide device |
KR101418720B1 (ko) | 2012-11-28 | 2014-07-11 | 현대다이모스(주) | 차량의 시트레일 록킹장치 |
EP2767433A1 (en) | 2013-02-19 | 2014-08-20 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Vehicle seat sliding apparatus |
JP2015083427A (ja) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | アイシン精機株式会社 | 車両用シートスライド装置 |
WO2015060436A1 (ja) | 2013-10-25 | 2015-04-30 | アイシン精機 株式会社 | 車両用シートスライド装置 |
JP2015083425A (ja) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | アイシン精機株式会社 | 車両用シートスライド装置 |
JP2015083426A (ja) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | アイシン精機株式会社 | 車両用シートスライド装置 |
JP2016120796A (ja) * | 2014-12-24 | 2016-07-07 | アイシン精機株式会社 | 車両用シートスライド装置 |
JP2016145025A (ja) * | 2015-02-02 | 2016-08-12 | 富士機工株式会社 | シートスライド装置 |
JP2017094955A (ja) * | 2015-11-25 | 2017-06-01 | 株式会社タチエス | シートスライド装置及び車両用シート |
US9701218B2 (en) | 2013-10-25 | 2017-07-11 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Seat slide device |
JP2020117132A (ja) * | 2019-01-25 | 2020-08-06 | トヨタ紡織株式会社 | スライド装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001030807A (ja) * | 1999-07-21 | 2001-02-06 | Delta Kogyo Co Ltd | シートのスライダー |
JP2003252086A (ja) * | 2002-02-28 | 2003-09-09 | Aisin Seiki Co Ltd | シートスライド装置 |
JP2007118660A (ja) * | 2005-10-25 | 2007-05-17 | Aisin Seiki Co Ltd | 車両用シートスライド装置およびその組み立て方法 |
-
2008
- 2008-10-21 JP JP2008270724A patent/JP2010100077A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001030807A (ja) * | 1999-07-21 | 2001-02-06 | Delta Kogyo Co Ltd | シートのスライダー |
JP2003252086A (ja) * | 2002-02-28 | 2003-09-09 | Aisin Seiki Co Ltd | シートスライド装置 |
JP2007118660A (ja) * | 2005-10-25 | 2007-05-17 | Aisin Seiki Co Ltd | 車両用シートスライド装置およびその組み立て方法 |
Cited By (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8577254B2 (en) | 2010-06-10 | 2013-11-05 | Konica Minolta Business Technologies, Inc. | Slide rail and image forming apparatus with the same |
US8770534B2 (en) | 2010-11-25 | 2014-07-08 | Gifu Auto Body Co., Ltd. | Lock mechanism for seat track slide device |
JP2012111378A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Gifu Auto Body Industry Co Ltd | シートトラックスライド装置におけるロック機構 |
US8469328B2 (en) | 2010-11-25 | 2013-06-25 | Gifu Auto Body Co., Ltd. | Lock mechanism for seat track slide device |
JP2012111379A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Gifu Auto Body Industry Co Ltd | シートトラックスライド装置におけるロック機構 |
CN103874603A (zh) * | 2012-10-10 | 2014-06-18 | 岐阜车体工业株式会社 | 座椅轨道滑动装置中的锁定机构 |
EP2738037A1 (en) * | 2012-10-10 | 2014-06-04 | Gifu Auto Body Co., Ltd. | Lock mechanism for seat track slide device |
EP2738037A4 (en) * | 2012-10-10 | 2015-02-25 | Gifu Auto Body Co Ltd | LOCKING MECHANISM FOR A SEAT SLIDING DEVICE |
US9371013B2 (en) | 2012-10-10 | 2016-06-21 | Gifu Auto Body Co., Ltd. | Lock mechanism for seat track slide device |
US9038981B2 (en) | 2012-10-19 | 2015-05-26 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Seat apparatus for vehicle |
EP2722222A2 (en) | 2012-10-19 | 2014-04-23 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Seat apparatus for vehicle |
KR101418720B1 (ko) | 2012-11-28 | 2014-07-11 | 현대다이모스(주) | 차량의 시트레일 록킹장치 |
EP2767433A1 (en) | 2013-02-19 | 2014-08-20 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Vehicle seat sliding apparatus |
US9327616B2 (en) | 2013-02-19 | 2016-05-03 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Vehicle seat sliding apparatus |
WO2015060436A1 (ja) | 2013-10-25 | 2015-04-30 | アイシン精機 株式会社 | 車両用シートスライド装置 |
JP2015083426A (ja) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | アイシン精機株式会社 | 車両用シートスライド装置 |
JP2015083425A (ja) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | アイシン精機株式会社 | 車両用シートスライド装置 |
JP2015083427A (ja) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | アイシン精機株式会社 | 車両用シートスライド装置 |
US9701218B2 (en) | 2013-10-25 | 2017-07-11 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Seat slide device |
US9855867B2 (en) | 2013-10-25 | 2018-01-02 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Vehicular seat slide device |
JP2016120796A (ja) * | 2014-12-24 | 2016-07-07 | アイシン精機株式会社 | 車両用シートスライド装置 |
JP2016145025A (ja) * | 2015-02-02 | 2016-08-12 | 富士機工株式会社 | シートスライド装置 |
JP2017094955A (ja) * | 2015-11-25 | 2017-06-01 | 株式会社タチエス | シートスライド装置及び車両用シート |
JP2020117132A (ja) * | 2019-01-25 | 2020-08-06 | トヨタ紡織株式会社 | スライド装置 |
JP7173885B2 (ja) | 2019-01-25 | 2022-11-16 | トヨタ紡織株式会社 | スライド装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2010100077A (ja) | スライドレール装置 | |
JP4939810B2 (ja) | 車両のシートスライド装置 | |
US8136784B2 (en) | Vehicle seat slide device | |
JP5621724B2 (ja) | 車両用シートスライド装置 | |
JP5156573B2 (ja) | 車両用シートのスライドレール装置 | |
JP5734890B2 (ja) | 車両用スライドレール装置 | |
JP2004122799A (ja) | 車両シートのウォークイン装置 | |
KR20210107855A (ko) | 메모리 모듈 및 이지 엔트리 모듈을 가진 시트 설치 구조 | |
JP6291607B1 (ja) | ロック解除レバー取付構造 | |
JP2014136541A (ja) | スライドレール | |
JP2014046812A (ja) | スライドレバー連結構造 | |
JP4291662B2 (ja) | 車両のシートスライド装置 | |
JP5061556B2 (ja) | 車両用シートスライド装置 | |
WO2014064848A1 (ja) | スライドレール機構及び車両用シート | |
JP6235328B2 (ja) | 車両用シートのスライドレール装置 | |
JP2007176220A (ja) | 車両用シートスライド装置 | |
JP4253554B2 (ja) | 車両用シートスライド装置 | |
JP4613363B2 (ja) | 車両用シートのアームレスト | |
JP5867334B2 (ja) | 車両用シートスライド装置 | |
JP2016188060A (ja) | 車両用シートスライド装置 | |
JP7437925B2 (ja) | シートスライド装置 | |
JP4484549B2 (ja) | 自動車用シートスライド装置 | |
KR101578072B1 (ko) | 헤드레스트 이동장치 | |
JP7127508B2 (ja) | 乗物用シート及びヘッドレストサポート | |
JP2007186143A (ja) | スライドレールのロック機構 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101130 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20121127 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121204 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130402 |