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JP6233315B2 - 飲料充填装置の浄化方法 - Google Patents

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JP6233315B2 JP2014547032A JP2014547032A JP6233315B2 JP 6233315 B2 JP6233315 B2 JP 6233315B2 JP 2014547032 A JP2014547032 A JP 2014547032A JP 2014547032 A JP2014547032 A JP 2014547032A JP 6233315 B2 JP6233315 B2 JP 6233315B2
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Description

本発明は、PETボトル等の容器に飲料を充填する装置の浄化方法に関する。
従来、飲料の無菌充填装置において、ボトル等の容器に充填する飲料の種類を、例えば今まで茶飲料であったものをミルクコーヒーに切り替える際は、この無菌充填装置の飲料供給系配管内を、まずCIP(Cleaning in Place)処理し、次にSIP(Sterilizing in Place)処理している(例えば、特許文献1参照。)。
CIPは、飲料充填経路の管路内から充填機の充填ノズルに至るまでの流路に、例えば水に苛性ソーダ等のアルカリ性薬剤を添加した洗浄液を流した後に、水に酸性薬剤を添加した洗浄液を流すことにより行われる。これにより、飲料充填経路内に付着した前回の飲料の残留物等が除去される(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
SIPは、例えば、上記CIPで洗浄した流路内に蒸気や熱水等を流すことによって行われる。これにより、飲料充填経路内が殺菌され無菌状態とされる(例えば、特許文献1参照。)。
また、無菌充填装置には、容器に飲料を自動的に充填する充填機(フィラー)が配置され、この充填機は無菌チャンバで囲まれて外部と遮断されている。この無菌チャンバの内部には前回の充填作業で充填した飲料の飛沫等が付着しているので、充填する飲料の種類を切り替える場合は、前回の充填作業で無菌チャンバの内壁、無菌チャンバ内の充填機等の設備の外面に付着した飲料の飛沫等を無菌チャンバ内から除去するため、無菌チャンバ内に対してCOP(Cleaning out of Place)処理が行われる。
COPは、例えば、水等を無菌チャンバ内にシャワー状に噴霧することにより行われる。
さらに、飲料の種類を切り替える際の各種作業中に微生物が無菌チャンバ内に侵入するおそれもあるので、無菌チャンバ内に対してSOP(Sterilizing out of Place)処理も行われる(例えば、特許文献4参照。)。
SOPは、例えば、過酸化水素水をミスト状又はシャワー状にして無菌チャンバ内に供給した後、ホットエアを無菌チャンバ内に吹き込んで残留した過酸化水素を乾燥させることにより行われる。
特許文献1:特開2007−22600号公報
特許文献2:特開2007−331801号公報
特許文献3:特開2000−153245号公報
特許文献4:特開平11−208782号公報
従来、充填する飲料の種類を切り替える場合、切り替え後の飲料の種類の如何を問わず、常にCIP、SIP、COP、SOPのすべてを行っている。また、SIP、SOPについては、配管内及び無菌チャンバ内が滅菌状態に至るまで殺菌処理を行っている。
そのため、ある飲料のボトル詰め製品の生産から他の飲料のボトル詰め製品の生産へと移行する際に費やされるいわゆる生産間時間(ダウンタイム)が非常に永くなり、生産効率の悪化の原因となっている。特に、小ロット多品種の生産を行う工場においては飲料の種類の切り替えが多いことから、生産効率が非常に悪くなる。
本発明はこのような問題点を解消することができる飲料充填装置の浄化方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
なお、本発明を理解しやすくするため図面の符号を括弧付きで付すが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、請求項1に係る発明は、飲料を充填機(2)へと送る飲料供給系配管と、少なくとも充填機(2)を囲む無菌チャンバ(3)とを具備した飲料充填装置の浄化方法において、上記無菌チャンバ(3)内を洗浄することにより行うCOPと、上記飲料供給系配管内に洗浄液を流すことにより行うCIPとを実行する無殺菌炭酸飲料に対応した第一のプログラム、上記無菌チャンバ内を洗浄することにより行うCOPと、上記無菌チャンバ内を殺菌することにより行うSOPと、上記飲料供給系配管内に洗浄液を流すことにより行うCIP及び上記飲料供給系配管内に対して殺菌流体を流すことにより行うSIPとを実行する高酸性飲料に対応した第二のプログラム、上記無菌チャンバ内を洗浄することにより行うCOPと、上記無菌チャンバ内を殺菌することにより行うSOPと、上記飲料供給系配管内に洗浄液を流すことにより行うCIP及び上記飲料供給系配管内に対して殺菌流体を流すことにより行うSIPとを実行する低酸性飲料に対応した第三のプログラムのうち少なくとも二つのプログラムを有し、そのうちのいずれか一つのプログラムを選択的に実行可能とし、上記飲料が無殺菌炭酸飲料であるときは上記第一のプログラムを選択し、上記飲料が高酸性飲料であるときは上記第二のプログラムを選択し、上記飲料が低酸性飲料であるときは上記第三のプログラムを選択することによって、該当する飲料の充填開始前に上記飲料供給系配管内及び上記無菌チャンバ(3)内に対し該当する浄化を行うことを特徴とする。
請求項2に記載されるように、請求項1に記載の飲料充填装置の浄化方法において、第一乃至第三のプログラムの上記飲料供給系配管内に洗浄液を流すことにより行うCIPには、上記飲料供給系配管内にアルカリ洗浄液を流すことにより行うCIPが含まれるものとすることができる。
請求項3に記載されるように、請求項1に記載の飲料充填装置の浄化方法において、飲料供給系配管に炭酸添加装置(8)が介在し、高酸性飲料についての第二のプログラムがこの高酸性飲料に炭酸を添加する場合と添加しない場合との二通り用意され、低酸性飲料についての第三のプログラムがこの低酸性飲料に炭酸を添加する場合と添加しない場合との二通り用意されたものとすることも可能である。
本発明によれば、飲料充填装置の浄化を行うに際し、これから充填する飲料の種類に応じた適切な浄化方法を選択することができる。従って、従来必要とされていた洗浄又は殺菌工程のうち一部を過剰な又は不要な洗浄又は殺菌工程として省略し、生産間時間を短縮し、生産効率を向上させることができる。
本発明に係る飲料充填装置のブロック図である。 無殺菌炭酸飲料のボトル詰め製品を生産している状態を示すブロック図である。 高酸性炭酸飲料又は低酸性炭酸飲料のボトル詰め製品を生産している状態を示すブロック図である。 高酸性飲料又は低酸性飲料のボトル詰め製品を生産している状態を示すブロック図である。 無殺菌炭酸飲料のボトル詰め製品の生産前にCIP,COPを行っている状態を示すブロック図である。 高酸性飲料のボトル詰め製品の生産前にCIP,SIP,COP,SOPを行っている状態を示すブロック図である。 高酸性炭酸飲料のボトル詰め製品の生産前にCIP,SIP,COP,SOPを行っている状態を示すブロック図である。 低酸性飲料のボトル詰め製品の生産前にCIP,SIP,COP,SOPを行っている状態を示すブロック図である。 低酸性炭酸飲料のボトル詰め製品の生産前にCIP,SIP,COP,SOPを行っている状態を示すブロック図である。 飲料充填装置の浄化方法の種類を選択するための制御盤のボタン配列図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
最初に、飲料充填装置の構造について説明し、その次に、この装置の浄化方法について説明する。
図1に示すように、飲料充填装置は、飲料の調合装置1と、飲料をボトル等の容器に充填する充填機2とを具備する。調合装置1と充填機2との間は、飲料供給系配管で結ばれている。また、充填機2は無菌チャンバ3で囲まれている。
調合装置1は、例えば茶飲料、果実飲料等の飲料を各々所望の配合割合で調合するためのものであるが、公知の装置であるからその詳細な説明は省略する。
充填機2は、多数の充填ノズル2aを水平面内で高速回転するホイール(図示せず)の回りに配置してなるもので、ホイールの回転と共に充填ノズル2aを旋回運動させつつ、充填ノズル2a下をホイールの周速度に同調して走行する各ボトル4に、充填ノズル2aから飲料を定量充填するための機械である。この充填機2も公知の装置であるからその詳細な説明は省略する。
この飲料充填装置の飲料供給系配管は、無殺菌炭酸飲料、高酸性炭酸飲料、低酸性炭酸飲料、高酸性飲料、低酸性飲料のいずれかを選択的に容器に充填することができるように、第一、第二及び第三の三通りの供給管路5,6,7を備えている。
第一の供給管路5は、無殺菌炭酸飲料を充填機2に供給するためのもので、図2中、太線で示すように、調合装置1から充填機2に至る管路中に、飲料の流れから見て上流側から下流側へと順に炭酸添加装置8、第一のアセプティックタンク(Aseptic Tank:無菌タンク)9、切換え弁10、第二のアセプティックタンク11を備える。
炭酸添加装置8は、管路中を流れる所定の飲料中に炭酸を注入するための装置である。アセプティックタンク9,11は、バッファタンク又は貯留タンクであり、炭酸が注入された飲料を一時的に貯留するためのタンクである。炭酸添加装置8及びアセプティックタンク9,11は共に公知の装置であるから、その詳細な説明は省略する。
ここで言う無殺菌炭酸飲料は、CO2圧が1.0kgf/cm2(20℃)以上で、植物又は動物の組成成分を含まないものをいい、この飲料中では微生物が代謝することができないので、飲料供給系配管内、充填機2内、無菌チャンバ3内を殺菌処理することなくボトル4等の容器に充填しても微生物により腐敗することがない飲料である。
図2に示すように、無殺菌炭酸飲料は、調合装置1により調合されたものが炭酸添加装置8へと送られ、炭酸添加装置8で炭酸が混ぜられることによって作られる。この無殺菌炭酸飲料は、第一のアセプティックタンク9、切換え弁10、第二のアセプティックタンク11を経て充填機2へと送られ、充填機2の充填ノズル2aからその下方を走行する各ボトル4に定量ずつ充填される。
上記第一の供給管路5及び充填機2に対しては、CIP装置が付設される。
すなわち、図5中、太線で示すように、CIP用管路12が第一の供給管路5に連結され、それらが全体として組み合わさって洗浄水等を流すための循環路が形成される。
具体的には、この循環路は第一の供給管路5の始端となる炭酸添加装置8から充填機2内へと伸び、充填機2の充填ノズル2aからCIP用管路12の始端につながり、CIP用管路12の終端が炭酸添加装置8につながることによって閉ループ状に形成される。充填機2の充填ノズル2aとCIP用管路12の始端との接続は、図示しないが、CIP用管路12に設けられたカップがアクチュエータによって充填機2の充填ノズル2aの先端に被せられることによって行われる。
この循環路にはバルブマニホールド13を介して洗浄水等の導入管12aが接続され、導入管12aの上流側には、洗浄水供給源14、洗浄用薬液供給源15が各々切換え弁16を介して接続される。
上記循環路や導入管12aには、他の各種弁、ポンプ等が設けられるが、図示を省略する。
また、上記第一の供給管5路及び充填機2に対しては、上記CIP装置のほかCOP装置が付設される。
すなわち、図5中、太線で示すように、無菌チャンバ3に対して、洗浄水供給源17がCOP用管路17aによって接続される。COP用管路17aが無菌チャンバ3内に臨む箇所には、洗浄水を無菌チャンバ内に向かって噴霧又は噴射する図示しないスプレーノズル又はスプリンクラーヘッドが設けられる。また、COP用管路17aには、切換え弁17b、ポンプ等が設けられる。ポンプの図示は省略する。
第二の供給管路6は、高酸性炭酸飲料又は低酸性炭酸飲料を充填機2に供給するためのもので、図3中、太線で示すように、調合装置1から充填機2に至る管路中、調合装置1から炭酸添加装置8までが迂回路となり、炭酸添加装置8から充填機2までが第一の供給管路5と共用される。そして、迂回路に、飲料の流れから見て上流側から下流側へと順に滅菌機18、第三のアセプティックタンク19を備える。
ここで、高酸性炭酸飲料は、炭酸が混ぜられた高酸性飲料である。高酸性飲料とは、アメリカ食品医薬品局(FDA)の指針に従って定義すれば、pH4.6未満(pH<4.6)の飲料である。しかし、pHによる菌の発育特性を考慮するとpH4.0未満(pH<4.0)の飲料を高酸性飲料として定義づけるのが好ましい。
高酸性飲料は、カビ、酵母、細菌の栄養細胞が殺菌されていれば、芽胞菌が生残していたとしても、芽胞菌の生育が困難であり、菌の発芽が防止されるため腐敗することのない飲料である。
また、低酸性炭酸飲料は、炭酸が混ぜられた低酸性飲料である。低酸性飲料はFDAの指針に従って定義すれば、pH4.6以上(pH≧4.6)の飲料である。しかし、pHによる菌の発育特性を考慮するとpH4.0以上(pH≧4.0)の飲料を低酸性飲料として定義づけ、十分に殺菌する方が好ましい。
低酸性飲料は、カビ、酵母のみならず芽胞菌も殺菌されていなければ腐敗するおそれがある飲料である。
図3中、太線で示すように、高酸性炭酸飲料又は低酸性炭酸飲料は、各々調合装置1により調合されたものが滅菌機18、第三のアセプティックタンク19を経て炭酸添加装置8へと送られ、炭酸添加装置8で炭酸が混ぜられることによって作られる。この高酸性炭酸飲料又は低酸性炭酸飲料は、続いて第一のアセプティックタンク9、切換え弁10、第二のアセプティックタンク11を経て充填機2へと送られ、充填機2の充填ノズル2aからその下方を走行する各ボトル4に定量ずつ充填される。
上記第二の供給管路6及び充填機2に対しては、CIP・SIP装置が付設される。
すなわち、図7又は図9中、太線で示すように、CIP・SIP用管路20,20aが第二の供給管路6に連結され、二通りの循環路が形成される。
具体的には、滅菌機18と第三のアセプティックタンク19とを結ぶ管路にバルブマニホールド18aが設けられ、このバルブマニホールド18aよりも上流側に滅菌機18を迂回する迂回路18bが設けられる。この迂回路18bと滅菌機18とで第一の循環路が形成される。この第一の循環路にバルブマニホールド13から伸びるCIP・SIP用管路20が接続される。
また、滅菌機18と第三のアセプティックタンク19とを結ぶ管路におけるバルブマニホールド18aよりも下流側にバルブマニホールド13から伸びるCIP・SIP用管路20aが接続される。バルブマニホールド13には、充填機2から上記CIP用管路12が伸びている。これにより、第三のアセプティックタンク19、炭酸添加装置8、第一のアセプティックタンク9、第二のアセプティックタンク11、充填機2の間の第二の循環路が形成される。
また、バルブマニホールド13に接続された導入管12aには、上記洗浄水供給源14、洗浄用薬液供給源15のほか、さらにSIPのための熱水供給源21と無菌水供給源25が接続される。
さらに、上記充填機2の無菌チャンバ3に対し、COP・SOP装置が付設される。
すなわち、図5に示した洗浄水供給源17が共用され、過酸化水素供給源22がSOP用管路22a、切換え弁22bと共に付加される。また、無菌水供給源26がSOP用管路26a、切換え弁26bと共に付加される。
第三の供給管路は、高酸性飲料又は低酸性飲料を充填機2に供給するためのもので、図4中、太線で示すように、調合装置1から充填機2に至る管路中、調合装置1から切換え弁10までが第二の供給管路6と一部共用した迂回路とされ、切換え弁10から充填機2までが第一の供給管路5及び第二の供給管路6と共用される。そして、迂回路に、飲料の流れから見て上流側から下流側へと順に上記滅菌機18、上記第三のアセプティックタンク19を備える。
ここで、高酸性飲料又は低酸性飲料は、上記炭酸が混ぜられていない飲料である。
図4に示すように、高酸性飲料又は低酸性飲料は、各々調合装置1により調合されることにより作られ、調合装置1から滅菌機18、第三のアセプティックタンク19、切換え弁10、第二のアセプティックタンク11を経て充填機2へと送られ、充填機2の充填ノズル2aからその下方を走行する各ボトル4に定量ずつ充填される。
上記第三の供給管路7及び充填機2に対しては、CIP・SIP装置が付設される。
すなわち、図6又は図8中、太線で示すように、CIP・SIP用管路が第三の供給管路7に連結されることによって循環路が形成される。
具体的には、上記第二の供給管路6についての第一の循環路がこの第三の供給管路7について共用される。しかし、この第三の供給管路7についての第二の循環路は、第三のアセプティックタンク19、第二のアセプティックタンク11、充填機2の間に形成される。
上記第一と第二の供給管路5,6等に対するカップ、CIP用管路12,20、バルブマニホールド13、導入管12a、洗浄水供給源14、洗浄用薬液供給源15、熱水供給源21、水蒸気供給源23、無菌水供給源25は、この第三の供給管路7についても共用される。
また、上記充填機2の無菌チャンバ3に対し、図7又は図9に示したCOP・SOP装置の洗浄水供給源17、過酸化水素供給源22等が共用され、過酢酸供給源24がSOP用管路24a、切換え弁24bと共に付加される。また、無菌水供給源26がSOP用管路26a、切換え弁26bと共に付加される。
上記CIP・SIP・COP・SOPの各装置における各種切換え弁、ポンプ、アクチュエータ等は、図示しないシーケンス制御装置等の所定の制御装置(図示せず)によって制御される。
この制御装置内には、上記各種切換え弁等を操作して所定のCIP・SIP・COP・SOPを実行させるため、次の少なくとも三つのプログラムが格納されている。
また、制御装置のパネルには、図10に示すように操作ボタンが設けられる。具体的には、無殺菌炭酸飲料選択ボタン27、高酸性飲料選択ボタン28、低酸性飲料選択ボタン29、ガス添加選択ボタン30、無ガス選択ボタン31、OKボタン32が設けられる。
(a)上記無菌チャンバ3内に対して行うCOPと、上記飲料供給系配管中、第一の供給管路5及び充填機2内に対して行うCIPとを実行する第一のプログラム。
この第一のプログラムは、これから充填しようとする飲料が殺菌処理を必要としない無殺菌炭酸飲料であるときに対応する(図5参照)。
オペレータによって無殺菌炭酸飲料選択ボタン27と、OKボタン32とが押し操作されると、第一のプログラムによってCOP、CIPが実行される。
すなわち、これから充填作業に供される殺菌処理を必要としない無殺菌炭酸飲料に関し、第一の供給管路5及び充填機2についてCIPが所定の手順で実行され、無菌チャンバ3についてCOPが所定の手順で実行される(図5参照)。このCIP及びCOPが完了した後、図2中、太線で示したごとく、この飲料について充填作業が行われる。
(b)上記無菌チャンバ3内に対して行うCOPと、過酸化水素及び無菌水によるSOPと、上記飲料供給系配管中、第二の供給路6及び充填機2内に対して行うCIP及びSIPとを実行する第二のプログラム。
この第二のプログラムは、これから充填しようとする飲料が高酸性飲料であるときに対応する(図6又は図7参照)。
上述したように、飲料供給系配管に炭酸添加装置8が介在していることから、高酸性飲料について炭酸を添加する場合と添加しない場合とがある。そこで、高酸性飲料についてのこのプログラムは、この高酸性飲料に炭酸を添加する場合についての第二のプログラムその一と、添加しない場合についての第二のプログラムその二との二通りが用意される。
この製造設備を運転する際、オペレータによって高酸性飲料選択ボタン28と、ガス添加選択ボタン30と、OKボタン32を順に押すと、第二のプログラムその一によってCOP、SOP、CIP、SIPが実行される。
すなわち、これから充填作業に供される炭酸が添加される高酸性飲料に関し、第二の供給管路6及び充填機2についてCIP及びSIPが所定の手順で実行され、無菌チャンバ3についてCOP及びSOPが所定の手順で実行される(図7参照)。このCIP、SIP、COP及びSOPが完了した後、図3中、太線で示したごとく、この飲料について充填作業が行われる。
また、オペレータによって高酸性飲料選択ボタン28と、無ガス選択ボタン31と、OKボタン32とが押し操作されると、第二のプログラムその二によってCOP、SOP、CIP、SIPが実行される。
すなわち、これから充填作業に供される炭酸が添加されない高酸性飲料に関し、第二の供給管路6及び充填機2についてCIP及びSIPが所定の手順で実行され、無菌チャンバ3についてCOP及びSOPが所定の手順で実行される(図6参照)。このCIP、SIP、COP及びSOPが完了した後、図4中、太線で示したごとく、この飲料について充填作業が行われる。
(c)上記無菌チャンバ3内に対して行うCOPと、過酸化水素、過酢酸及び無菌水によるSOPと、上記飲料供給系配管中、第三の供給路6及び充填機2内に対して行うCIP及びSIPとを実行する第三のプログラム。
この第三のプログラムは、これから充填しようとする飲料が低酸性飲料であるときに対応する(図8又は図9参照)。
上述したように、飲料供給系配管に炭酸添加装置8が介在していることから、低酸性飲料について炭酸を添加する場合と添加しない場合とがある。そこで、第三のプログラムは、この低酸性飲料に炭酸を添加する場合についての第三のプログラムその一と、添加しない場合についての第三のプログラムその二との二通りが用意される。
オペレータによって低酸性飲料選択ボタン29と、ガス添加選択ボタン30と、OKボタン32とが押し操作されると、第三のプログラムその一によってCOP、SOP、CIP、SIPが実行される。
すなわち、これから充填作業に供される炭酸が添加される低酸性飲料に関し、第三の供給管路7及び充填機2についてCIP及びSIPが所定の手順で実行され、無菌チャンバ3についてCOP及びSOPが所定の手順で実行される(図9参照)。このCIP、SIP、COP及びSOPが完了した後、図3中、太線で示したごとく、この飲料について充填作業が行われる。
また、オペレータによって低酸性飲料選択ボタン29と、無ガス選択ボタン31と、OKボタン32とが押し操作されると、第三のプログラムその二によってCOP、SOP、CIP、SIPが実行される。
すなわち、これから充填作業に供される炭酸が添加されない低酸性飲料に関し、第三の供給管路7及び充填機2についてCIP及びSIPが所定の手順で実行され、無菌チャンバ3についてCOP及びSOPが所定の手順で実行される(図8参照)。このCIP、SIP、COP及びSOPが完了した後、図4中、太線で示したごとく、この飲料について充填作業が行われる。
次に、上記飲料充填装置の浄化方法について、図5乃至図9に基づいて説明する。
(1)殺菌処理が不要である無殺菌炭酸飲料の充填前の浄化
制御装置のパネル上の操作ボタンのうち、第一のプログラムに対応するボタンである無殺菌炭酸飲料選択ボタン27,OKボタン32が順に押されると、これから充填作業に供される殺菌処理を必要としない無殺菌炭酸飲料に関し、第一の供給管路5及び充填機2についてCIPが所定の手順で実行され、無菌チャンバ3についてCOPも所定の手順で実行される(図5参照)。
このCIP及びCOPは順を追って又は並行して行われる。
CIPは、例えば洗浄水供給源14から洗浄水を所定の循環路内に送って第一の供給管路5及び充填機2内を洗浄し、次に洗浄用薬液供給減15からアルカリ性洗浄液を送って洗浄することによって達成される。
COPは、例えば洗浄水供給源17からの洗浄水を無菌チャンバ3内で噴霧することによって行われる。
このCIP及びCOPが完了した後、図2中、太線で示したごとく、無殺菌炭酸飲料について充填作業が行われる。
(2)炭酸が添加される高酸性飲料の充填前の浄化
制御装置のパネル上の操作ボタンのうち、第二のプログラムその一に対応するボタンである高酸性飲料選択ボタン28と、ガス添加選択ボタン30と、OKボタン32とが順に押されると、これから充填作業に供される炭酸が添加される高酸性飲料に関し、第二の供給管路6及び充填機2についてCIP及びSIPが所定の手順で実行され、無菌チャンバ3についてCOP及びSOPが所定の手順で実行される(図7参照)。
このCIP及びSIPと、COP及びSOPとは互いに順を追って又は並行して行われる。
CIPは、例えば洗浄水供給源14からの洗浄水を所定の循環路内に通して第二の供給管路6及び充填機2内を洗浄し、次に洗浄用薬液供給源15からのアルカリ性洗浄液を通して洗浄を行うことによって達成される。
SIPは、例えばCIP後の循環路に対し、熱水供給源21からの熱水を通して第二の供給管路6及び充填機2内を洗浄し、次に無菌水供給源25からの無菌水を通して充填機2の充填ノズル2a等を冷却することによって行われる。
COPは、無菌チャンバ3内で、例えば洗浄水供給源17からの洗浄水を無菌チャンバ3内で噴霧することによって行われる。
SOPは、無菌チャンバ3内で、例えば過酸化水素供給源22からの過酸化水素水を噴霧し、次に無菌水供給源26からの無菌水を噴霧することによって行われる。
なお、COPで使用する過酸化水素は、ガス状でも良いし、スプレーで無菌チャンバ3内に噴霧し、その後ホットエアで気化・乾燥しても良い。
また、高酸性の製品を製造する前に行う無菌チャンバ3のCOP、SOPで使用する無菌水は、常温であってもよいが、70℃以上100℃未満、好ましくは85℃以上100℃未満の熱水であるのが良い。
このCIP、SIP、COP及びSOPが完了した後、図3中、太線で示したごとく、この高酸性炭酸飲料について充填作業が行われる。
(3)炭酸が添加されない高酸性飲料の充填前の浄化
制御装置のパネル上の操作ボタンのうち、第二のプログラムその二に対応するボタンである高酸性飲料選択ボタン28と、無ガス選択ボタン31と、OKボタン32とが順に押されると、これから充填作業に供される炭酸が添加されない高酸性飲料に関し、第三の供給管路7及び充填機2についてCIP及びSIPが所定の手順で実行され、無菌チャンバ3についてCOP及びSOPが所定の手順で実行される(図6参照)。
このCIP及びSIPと、COP及びSOPとは互いに順を追って又は並行して行われる。
CIPは、例えば洗浄水供給源14からの洗浄水を所定の循環路内に通して第三の供給管路7及び充填機2内を洗浄し、次に洗浄用薬液供給源15からのアルカリ性洗浄液を通して洗浄を行うことによって達成される。
SIPは、例えばCIP後の循環路に対し、熱水供給源21からの熱水を通して第三の供給管路7及び充填機2内を洗浄し、次に無菌水供給源25からの無菌水を通して充填機2等を冷却することによって行われる。
COPは、無菌チャンバ3内で、例えば洗浄水供給源17からの洗浄水を無菌チャンバ3内で噴霧することによって行われる。
SOPは、無菌チャンバ3内で、例えば過酸化水素水供給源22からの過酸化水素水を噴霧し、次に無菌水供給源26からの洗浄水を噴霧することによって行われる。
このCIP、SIP、COP及びSOPが完了した後、図4中、太線で示したごとく、この高酸性飲料について充填作業が行われる。
(4)炭酸が添加される低酸性飲料の充填前の浄化
制御装置のパネル上の操作ボタンのうち、第三のプログラムその一に対応するボタンである低酸性飲料選択ボタン29と、ガス添加選択ボタン30と、OKボタン32とが順に押されると、これから充填作業に供される炭酸が添加される低酸性飲料に関し、第二の供給管路6及び充填機2についてCIP及びSIPが所定の手順で実行され、無菌チャンバ3についてCOP及びSOPが所定の手順で実行される(図9参照)。
このCIP及びSIPと、COP及びSOPとは互いに順を追って又は並行して行われる。
CIPは、例えば洗浄水供給源14からの洗浄水を所定の循環路内に通して第二の供給管路6及び充填機2内を洗浄し、次に洗浄用薬液供給源15からのアルカリ性洗浄液を通して洗浄を行うことによって達成される。
SIPは、例えばCIP後の循環路に対し、加熱水蒸気供給源23からの加熱水蒸気を通して第二の供給管路6及び充填機2内を殺菌し、次に無菌水供給源25からの無菌水を冷却水として通して充填機2等を冷却することによって行われる。
COPは、無菌チャンバ3内で、例えば洗浄水供給源17からの洗浄水を無菌チャンバ3内で噴霧することによって行われる。
SOPは、無菌チャンバ3内で、例えば過酢酸供給源24からの過酢酸の噴霧、無菌水供給源26からの無菌水の噴霧、過酸化水素水供給源22からの過酸化水素水の噴霧、無菌水供給源26からの無菌水の噴霧を順に行うことによって実行される。
このCIP、SIP、COP及びSOPが完了した後、図3中、太線で示したごとく、この低酸性炭酸飲料について充填作業が行われる。
(5)炭酸が添加されない低酸性飲料の充填前の浄化
制御装置のパネル上の操作ボタンのうち、第三のプログラムその二に対応するボタンである低酸性飲料選択ボタン29と、無ガス選択ボタン31と、OKボタン32とが順に押されると、これから充填作業に供される炭酸が添加されない低酸性飲料に関し、第三の供給管路7及び充填機2についてCIP及びSIPが所定の手順で実行され、無菌チャンバ3についてCOP及びSOPが所定の手順で実行される(図8参照)。
このCIP及びSIPと、COP及びSOPとは互いに順を追って又は並行して行われる。
CIPは、例えば洗浄水供給源14からの洗浄水を所定の循環路内に通して第三の供給管路7及び充填機2内を洗浄し、次に洗浄用薬液供給源15からのアルカリ性洗浄液を通して洗浄を行うことによって達成される。
SIPは、例えばCIP後の循環路に対し、加熱水蒸気供給源23からの加熱水蒸気を通して第三の供給管路7及び充填機2内を殺菌し、次に無菌水供給源25からの無菌水を冷却水として通して充填機2等を冷却することによって行われる。
COPは、無菌チャンバ3内で、例えば洗浄水供給源17からの洗浄水を無菌チャンバ3内で噴霧することによって行われる。
SOPは、無菌チャンバ3内で、例えば過酢酸供給源24からの過酢酸の噴霧、無菌水供給源26からの無菌水の噴霧、過酸化水素水供給源22からの過酸化水素水の噴霧、無菌水供給源26からの無菌水の噴霧を順に行うことによって実行される。
このCIP、SIP、COP及びSOPが完了した後、図4中、太線で示したごとく、この低酸性飲料について充填作業が行われる。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である。例えば、無殺菌炭酸飲料、低酸性飲料、高酸性飲料のうちの二つを充填する装置について適用する場合は、第一乃至第三のプログラムのうち二つのみを実行するものとすることができる。
2…充填機
3…無菌チャンバ
8…炭酸添加装置

Claims (3)

  1. 飲料を充填機へと送る飲料供給系配管と、少なくとも充填機を囲む無菌チャンバとを具備した飲料充填装置の浄化方法において、
    上記無菌チャンバ内を洗浄することにより行うCOPと、上記飲料供給系配管内に洗浄液を流すことにより行うCIPとを実行する無殺菌炭酸飲料に対応した第一のプログラム、
    上記無菌チャンバ内を洗浄することにより行うCOPと、上記無菌チャンバ内を殺菌することにより行うSOPと、上記飲料供給系配管内に洗浄液を流すことにより行うCIP及び上記飲料供給系配管内に殺菌流体を流すことにより行うSIPとを実行する高酸性飲料に対応した第二のプログラム、
    上記無菌チャンバ内を洗浄することにより行うCOPと、上記無菌チャンバ内を殺菌することにより行うSOPと、上記飲料供給系配管内に洗浄液を流すことにより行うCIP及び上記飲料供給系配管内に殺菌流体を流すことにより行うSIPとを実行する低酸性飲料に対応した第三のプログラムのうち少なくとも二つのプログラムを有し、そのうちのいずれか一つのプログラムを選択的に実行可能とし、上記飲料が無殺菌炭酸飲料であるときは上記第一のプログラムを選択し、上記飲料が高酸性飲料であるときは上記第二のプログラムを選択し、上記飲料が低酸性飲料であるときは上記第三のプログラムを選択することによって、該当する飲料の充填開始前に上記飲料供給系配管内及び上記無菌チャンバ内に対し該当する浄化を行うことを特徴とする飲料充填装置の浄化方法。
  2. 請求項1に記載の飲料充填装置の浄化方法において、第一乃至第三のプログラムの上記飲料供給系配管内に洗浄液を流すことにより行うCIPには、上記飲料供給系配管内にアルカリ洗浄液を流すことにより行うCIPが含まれることを特徴とする飲料充填装置の浄化方法。
  3. 請求項1に記載の飲料充填装置の浄化方法において、飲料供給系配管に炭酸添加装置が介在し、高酸性飲料についての第二のプログラムがこの高酸性飲料に炭酸を添加する場合と添加しない場合との二通り用意され、低酸性飲料についての第三のプログラムがこの低酸性飲料に炭酸を添加する場合と添加しない場合との二通り用意されたことを特徴とする飲料充填装置の浄化方法。
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