次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される基体としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する基体としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞口31,32,35へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の飾り図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄組合せ演出を表示する図柄表示装置(演出表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された基体としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。すなわち、図柄表示装置17は、表示による演出を行う演出実行手段として機能している。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
また、前枠13には、窓口13aを囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17で行われる各種の表示演出(図柄組合せ演出)に合わせて光による演出や音による演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18や中枠12に配設されたスピーカ19も演出実行手段として機能している。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21によりパチンコ球が流下する遊技領域20aが画成されて、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が当該遊技領域20a内に打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、各種入賞部30,34,40,45、ゲート部48等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜に決定される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体(装飾部材)25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右側下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な入賞口35を有する可変入賞部34が取り付けられている。ここで、前記可変始動入賞部34は、後述する普図当りの発生に伴ってパチンコ球が入賞可能に開放される普図当り用入賞手段とされている。
ここで、前記枠状装飾体25は、前記表示窓口25aの左右側部および上部に亘って連続して延在する庇状部が前記遊技盤20の前面から前方へ突出するよう設けられて、前記遊技領域20aと表示窓口25aとを区画するよう構成されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が枠状装飾体25の表示窓口25a内側に進入しないようになっている。すなわち、実施例の遊技領域20aは、前記枠状装飾体25の左側に画成される第1球流下領域と、当該枠状装飾体25の右側に画成される第2球流下領域とに区画されて、遊技盤20の遊技領域20aに打ち出されるパチンコ球の位置や発射強度に応じて、該第1球流下領域または第2球流下領域をパチンコ球が流下するようになっている。
また、前記遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な入賞口31,32,35,41,46が適宜の位置に設けられており、各入賞口31,32,35,41,46へのパチンコ球の入賞(具体的には、後述する各入賞検出センサSE1〜SE5の検出)を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。実施例のパチンコ機10では、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立すると共に図柄組合せ演出(後述する特図変動表示)の開始条件が成立する始動入賞口(始動入賞手段)31,32,35と、後述する特別遊技としての当り遊技の発生を契機としてパチンコ球の入賞が可能となると共にパチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する特別入賞口(特別入賞手段)41と、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件のみが成立する普通入賞口46とが設けられている。実施例のパチンコ機10では、前記始動入賞口31,32,35は、前記第1球流下領域および第2球流下領域の夫々に設けられ、前記特別入賞口41は、前記遊技領域20aの第2球流下領域に設けられると共に、前記普通入賞口46は、遊技領域20aの第1球流下領域および第2球流下領域の夫々に設けられている。なお、実施例のパチンコ機10では、当り遊技として、当り遊技後の遊技状態が当り遊技の種類に応じて定まる大当り遊技が設定されている。
(始動入賞口31,32,35について)
前記遊技盤20には、図2に示すように、前記枠状装飾体25の下方で遊技盤20の左右方向の中央位置に、複数の前記始動入賞口31,32を備えた振分始動入賞部30が設けられている。前記振分始動入賞部30は、前記遊技領域20aに開口してパチンコ球が入球可能な入球口30aに対して二股に分岐する球通路30bが連通するよう設けられて、当該球通路の分岐した各下流端部に前記始動入賞口としての第1始動入賞口31および第2始動入賞口32が設けられている。また、前記球通路30bにおける分岐位置には、当該球通路30bを通過するパチンコ球を、前記第1始動入賞口31および第2始動入賞口32へ振り分ける振分体30cが設けられており、当該振分体30cによる振り分けに応じて前記入球口30aに入球したパチンコ球が第1または第2始動入賞口31,32の何れかに入賞するようになっている。ここで、前記振分体30cは、軸線が前後方向に延在する軸部30dを中心に所定範囲で往復揺動可能に支持されると共に、前記入球口30aに入球したパチンコ球を受け入れ可能な複数(実施例では2つ)の受入部30e,30fを備えており、入球口30aに入球した1個のパチンコ球を受入部30e,30fに交互に受け入れ得るよう構成されている。そして、前記受入部30e,30fにパチン球を受け入れることで、そのパチンコ球の重みにより振分体30cが揺動されて、各受入部30e,30fに対応させた第1または第2始動入賞口31,32へ向けて誘導されるようになっている。ここで、入球口30aは、遊技盤20遊技領域20aに常時開口するよう構成されており、前記第1始動入賞口31および第2始動入賞口32は、前記振分体30cによる振り分けに応じてパチンコ球が常時の入賞可能な固定入賞口として構成されている。
また、前記遊技盤20には、図2に示すように、前記枠状装飾体25の右下方位置に、前記始動入賞口35を開閉する可変始動入賞部34が設けられている。前記可変始動入賞部34は、前記枠状装飾体25の右側に画成される遊技領域20a(第2球流下領域)内で始動入賞口35が開口するよう設けられると共に、当該始動入賞口35を開閉する開閉部材37を備えており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド36(図7参照)の駆動に伴って開閉部材37が始動入賞口35を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。以下の説明では、可変始動入賞部34が備える始動入賞口を第3始動入賞口35と指称するものとする。すなわち、前記第3始動入賞口35は、パチンコ球の入賞態様を可変する開閉部材37を備えた可変入賞口として構成されている。
すなわち、実施例において前記第1および第2始動入賞口31,32は、前記遊技領域20a(第1球流下領域)を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第3始動入賞口35は、始動入賞ソレノイド36を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材37が閉鎖位置に変位した状態では、前記第3始動入賞口35へのパチンコ球の入賞が阻止されて、前記遊技領域20a(第1球流下領域)を流下するパチンコ球が第1始動入賞口31へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下領域を流下するパチンコ球が第3始動入賞口35へ入賞する確率の方が低くなるよう設定されている。一方で、前記開閉部材37が開放位置に変位した状態では、開閉部材37で受止められたパチンコ球が第3始動入賞口35に案内されることで、前記遊技領域20a(第1球流下領域)を流下するパチンコ球が第1および第2始動入賞口31,32へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下領域を流下するパチンコ球が第3始動入賞口35へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例では、前記開閉部材37が閉鎖位置に変位した状態では、前記第3始動入賞口35へパチンコ球が入賞しないよう構成されているが(入賞確率0%)、パチンコ球が入賞可能な程度に第3始動入賞口35を開放させるようにしてもよい。
また、前記第1〜第3始動入賞口31,32,35は、該第1〜第3始動入賞口31,32,35に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサSE1〜SE3(図7参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサSE1〜SE3は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図7参照)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサSE1〜SE3からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、所定の払出条件の成立に伴い、払い出し賞球数を決定する賞球数決定手段としての機能を有している。具体的に、第1および第2始動入賞口31,32に対応した始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31,32へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。また、第3始動入賞口35に対応した始動入賞検出センサSE3によるパチンコ球の検出(すなわち第3始動入賞口35へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では2個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、第1〜第3始動入賞口31,32,35へのパチンコ球の入賞時の払い出し賞球数は、任意に決定することができる。ここで、第1〜第3始動入賞口31,32,35は、入球(入賞)が賞球の払出条件とならない入球口とすることもできる。
また、始動入賞検出センサSE1〜SE3によるパチンコ球の検出(すなわち第1〜第3始動入賞口31,32,35へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御CPU60aが入賞情報(後述する特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を取得して、この取得した情報に基づいて後述する特図当り判定(第1の当り判定)が行われるよう構成されている。すなわち、始動入賞検出センサSE1〜SE3がパチンコ球を検出すること(すなわち第1〜第3始動入賞口31,32,35へパチンコ球が入賞すること)がメイン制御CPU60aによる特図当り判定が行われるための判定条件となっている。そして、特図当り判定の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示部50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の当り表示となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示された後に、遊技者に有利な当り遊技が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞口41を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサSE1〜SE3が始動入賞口31,32,35毎に設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31に対応するセンサを第1始動入賞検出センサSE1と指称し、第2始動入賞口32に対応するセンサを第2始動入賞検出センサSE2と指称し、第3始動入賞口35に対応するセンサを第2始動入賞検出センサSE3と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1〜第3始動入賞検出センサSE1〜SE3の何れかからの検出信号が入力されると、払出制御基板(図示せず)に制御信号を出力して、前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置から払い出される賞球数は、前述したようにパチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置40は、図2に示すように、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右下方位置の遊技領域20a(第2球流下領域)に配置されている。この特別入賞装置40は、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する開閉部材43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図7参照)の駆動に伴って開閉体43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。ここで、前記開閉部材43が開放位置に変位した状態では、前記遊技領域20a(第1球流下領域)を流下するパチンコ球が特別入賞口41へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下領域を流下するパチンコ球が特別入賞口41へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例では、前記開閉部材43が閉鎖位置に変位した状態では、前記特別入賞口41へパチンコ球が入賞しないよう構成されている。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサSE4(図7参照)が設けられている。特別入賞検出センサSE4は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサSE4がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに出力し、メイン制御CPU60aは、特別入賞検出センサSE4からの球検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数(実施例では14個)の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記第1〜第3始動入賞口31,32,35へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口41を開放する当り遊技が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(普通入賞口46について)
前記普通入賞口46は、図2に示すように、前記遊技盤20の遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、該遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞し得るよう構成されている。また、前記普通入賞口46には、該普通入賞口46に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての普通入賞検出センサSE5(図7参照)が設けられている。前記普通入賞検出センサSE5は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、普通入賞検出センサSE5からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。具体的に、普通入賞検出センサSE5によるパチンコ球の検出(すなわち普通入賞口46へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御基板60が所定数(実施例では9個)の賞球の払い出しを決定するようになっている。
(ゲート部48について)
図2に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域20aの第2球流下領域を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部48が設けられている。前記ゲート部48にはゲートセンサSE6(図7参照)が配設されており、該ゲート部48を通過するパチンコ球をゲートセンサSE6で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサSE6は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサSE6からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサSE6のパチンコ球の検出)に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する当り判定(第2の当り判定)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り判定の結果に応じて前記始動入賞ソレノイド36が駆動制御されて開閉部材37が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサSE6によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第3始動入賞口35を開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域20a外の右下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを目視することで、遊技に必要な遊技情報を遊技者が適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55および普図保留表示部56等が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部(表示手段)50A,50Bは、前記第1〜第3始動入賞口31,32,35への入賞を契機として行われる特図当り判定の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口31への入賞(第1始動入賞検出センサSE1による検出)を契機として変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2または第3始動入賞口32,35への入賞(第2または第3始動入賞検出センサSE2,SE3による検出)を契機として変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2または第3始動入賞口32,35へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部は小数点表示可能な7セグメント表示部により構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、複数個のLEDにより構成された表示部であったり、ドットマトリックス表示部、小型の液晶表示部、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。すなわち、特図表示部50A,50Bは、特図当り判定の判定結果を示す特別図柄を変動および停止表示する特別図柄表示手段である。
具体的には、各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、当りの当選を認識し得る当り表示(大当り図柄)としての200種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り判定の結果に応じて決定された1つの特図が、特図変動表示の結果として、各特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄やはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、大当り表示としての特図が表示されることで、当り表示に対応した大当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技については後で詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記第1〜第3始動入賞口31,32,35にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2および第3始動入賞口32,35にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄組合せ演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄組合せ演出)が行われる毎に1減算される。また、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2および第3始動入賞口32,35の何れかへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄組合せ演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサSE6のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、図2に示すように、普図表示部55では、ゲートセンサSE6のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて2種類の普図を表示するようになっている。具体的には、左側LEDだけが点灯する発光態様および右側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示部55に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。すなわち、普図表示部55は、普図当り判定の判定結果を示す普通図柄を変動および停止表示する普通図柄表示手段である。
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部48をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部48をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1〜第3始動入賞口31,32,35への入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。また、図柄表示装置17には、組合せの対象となる飾図が確定停止表示される複数の組合せ図柄位置L,C,Rが設定されて、図柄組合せ演出の結果として当該組合せ図柄位置L,C,Rの夫々に停止表示された飾図の組合せが予め定められた当り表示となる場合に特図当り判定の判定結果が当り判定であることが報知されるよう構成されている。実施例の図柄表示装置17には、後述する通常演出モードにおいて、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図の組合せ図柄位置L,C,Rが1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄組合せ演出が行われるようになっている。すなわち、実施例では、3列の図柄列26a,26b,26cに対応した3つの飾図の組合せで当りか否かを報知し得るよう構成されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
ここで、後述する特定演出モードでは、各図柄列26a,26b,26cの飾図を停止表示可能な複数箇所の組合せ図柄位置L,C,Rとして後述する複数の表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)が設定されており、各図柄列26a,26b,26cに設定された組合せ図柄位置(表表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)の何れかに確定停止表示された3つの飾図の組合せが予め定められた当り表示となる場合に、特図当り判定の判定結果が当り判定であることが報知されるよう構成されている。
また、前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示範囲は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の組合せ図柄位置L,C,Rに確定停止表示された図柄組み合わせから大当りやはずれを認識できる。
前記図柄表示装置17には、通常演出モードにおいて、図柄組合せ演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄組合せ演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄組合せ演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。なお、特定演出モードにおける飾図の表示制御に関しては、後に詳述する。
また、前記図柄表示装置17では、図柄組合せ演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄組合せ演出が終了するようになっている。すなわち、図柄組合せ演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。ここで、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて組合せ図柄位置L,C,Rに飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、第1始動入賞検出センサSE1の検出に基づく図柄組合せ演出(第1特図変動表示)の特図変動インターバル時間として600ms(ミリ秒)が設定され、第2始動入賞検出センサSE3の検出に基づく図柄組合せ演出(第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間として600msが設定されている。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて組合せ図柄位置L,C,Rに留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、組合せ図柄位置L,C,Rにおいて飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。また、「飾図の変動」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、組合せ図柄位置L,C,Rに飾図が認識可能な状態で表示されていない状態であって、組合せ図柄位置に表示される飾図が所定順序で変化したり、組合せ図柄位置に飾図が表示されていない状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示部50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄組合せ演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄組合せ演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。実施例の飾図は、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技(大当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の組合せ図柄位置L,C,Rに同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り表示(当り表示)となり、図柄組合せ演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、図柄表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の組合せ図柄位置L,C,Rの何れか(例えば中図柄列26bの組合せ図柄位置C)に特殊飾図が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り示唆表示となる。一方で、図柄表示装置17の組合せ図柄位置L,C,Rに確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組合せ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組合せが、図柄表示装置17のはずれ表示となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組合せのうち、特定の図柄組合せを所定の演出(例えば、所定の大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組合せとは、当該図柄組合せから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組合せ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図が同一で、右図柄列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合せとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組合せは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組合せとされる。
また、図柄組合せ演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)の飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
このように、図柄表示装置17は、図柄組合せ演出を表示すると共に複数の飾り図柄を停止表示する演出表示手段である。そして、演出表示手段としての図柄表示装置17に、組合せの対象となる飾図(飾り図柄)が停止表示される複数の組合せ図柄位置が設定されて、当該組合せ図柄位置の夫々に停止表示された飾り図柄の組合せが予め定められた当り表示となる場合に特図当り判定の判定が当り判定であることが報知されるよう構成されている。
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄組合せ演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(確変状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りとなる当選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、170/65536)から高確率(実施例では、1700/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、大当りの当選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、実施例では、確変状態が付与される大当り遊技の場合には、大当り遊技終了後、所定回数(確変回数)の図柄組合せ演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与される。実施例では、大当り遊技終了後、71回の図柄組合せ演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもでき、また次回の大当り遊技が生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるようにすることもできる。また、図柄組合せ演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることも可能である。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第3始動入賞口35へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第3始動入賞口35を開放する開閉部材37の開放時間を増やすこと、により第3始動入賞口35へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第3始動入賞口35を開放する開閉部材37の開放時間を増やすに際しては、開閉部材37の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材37の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせてよう設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第3始動入賞口35へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
すなわち、実施例では、非変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が3600msに設定され、変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が非変短状態よりも短い520msの何れかに設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り判定の当選確率が低確率(実施例では、1125/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り判定の当選確率が高確率(実施例では、65535/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り判定の当選確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、480msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材37が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、第3始動入賞口35の開閉部材37が開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、第3始動入賞口35の開閉部材37は開放してから所定時間(実施例では1140ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を3回行うようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、第3始動入賞口35の開閉部材37の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第3始動入賞口35への入賞を許容する入賞上限数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材37を開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達することで、開閉部材37を閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が定められている。具体的に、実施例では、変短状態が付与される大当り遊技の場合には、大当り遊技終了後、所定回数の図柄組合せ演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して変短状態が付与されるよう構成されており、この変短回数は、前述した確変回数と同じ回数に設定されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、大当り遊技終了後、71回の図柄組合せ演出(特図変動表示)が実行されるまでの間継続して変短状態が付与されるよう設定してある。なお、変短状態が付与される期間(変短回数)は、これに限られるものではなく、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、確変回数より多い回数あるいは確変回数より少ない回数とすることもできる。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞装置40の開閉部材43が開閉動作される。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞装置40の開閉部材43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(例えば4回、16回等)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉部材43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な200種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄Bの2つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された大当り図柄としての特図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄bの2つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された大当り図柄としての特図2に応じた大当り遊技が付与される。そして、実施例では、図柄Aには、70種類の特図1が振り分けられており、図柄Bには、30種類の特図1が振り分けられている。同様に、図柄aには、70種類の特図2が振り分けられており、図柄bには、30種類の特図2が振り分けられている。なお、大当り遊技の種類は、これに限られるものではなく、適宜に設定可能である。
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aおよび図柄aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第1の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄Aまたは図柄a(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では71回)の図柄組合せ演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるか、次回の大当り遊技が生起されるまで確変状態および変短状態が継続して付与されるよう設定されている。また、前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉部材43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、第1の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。また、第1の大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「13.0(秒)」が設定されている。
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bおよび図柄bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第2の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図3に示すように、図柄Bまたは図柄b(第2の大当り遊技)が決定された場合に、第2の大当り遊技の終了後に所定の変動回数(実施例では71回)の図柄組合せ演出(第1または第2特図変動表示)が実行されるか、次回の大当り遊技が生起されるまで確変状態および変短状態が継続して付与されるよう設定されている。また、前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。また第2の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉部材43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、第2の大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。また、第1の大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「13.0(秒)」が設定されている。
(遊技演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では2種類)の遊技演出モード(演出モード)を備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆または報知すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆または報知する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では71回)がモード移行条件とされている。
実施例に係るパチンコ機10では、遊技演出モードとして、確変状態が付与されていない遊技状態となる通常演出モードと、確変状態が付与されている遊技状態となる特定演出モードとが設定されている。そして、図柄表示装置には、遊技演出モードに対応した内容の異なる遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景表示が遊技演出モード毎に異なるように設定されており、背景表示の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容の一部または全部が異なっており、遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
また、実施例では、通常演出モードおよび特定演出モードにおいて、図柄組合せ演出が開始されてから飾図が表示されるまでの前記図柄表示装置17に表示される表示内容が異なるよう設定されている。具体的に、実施例の通常演出モードは、毎回の図柄組合せ演出において各柄列26a,26b,26c毎に定められた同一の組合せ図柄位置L,C,Rに飾図を確定停止させて飾図の組合せを表示するよう設定されて、図柄組合せ演出が行われる毎に飾図が表示される位置が変化しないよう構成された遊技演出モードである。そして、特定演出モードは、各柄列26a,26b,26cにおいて飾図を表示可能な複数の表示領域表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12の何れかに飾図が確定停止させて飾図の組合せを表示するよう設定されて図柄組合せ演出が1回行われる毎に飾図が表示される位置を変化させ得るよう構成された遊技演出モードである。特定演出モードにおける飾図の表示制御については、後に詳述する。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図7に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄組合せ演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄組合せ演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図7に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサSE1〜SE3、特別入賞検出センサSE4、普通入賞検出センサSE5、ゲートセンサSE6等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56等)が接続されて、各検出センサSE1〜SE6の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部50A,50B,52,53,55,56の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記第3始動入賞口35を開閉する開閉部材37に連繋する始動入賞ソレノイド36および特別入賞口41を開閉する開閉部材43に連繋する特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド36,42を駆動させることで、対応する開閉部材37や開閉部材43が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で開閉部材43が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御するよう構成される。
メイン制御CPU60aは、第1〜第3始動入賞口31,32,35へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1〜第3始動入賞検出センサSE1〜SE3がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動入賞検出センサSE1〜SE3の検出を契機として取得する乱数としては、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1〜第3始動入賞検出センサSE1〜SE3の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記第1〜第3始動入賞口31,32,35にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の始動保留領域(記憶領域)にメイン制御CPU60aが一時的に記憶保持させるよう構成されている。特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する始動保留領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄組合せ演出(特図変動表示)を実行する場合に、特図始動保留情報をメイン制御RAM60cに記憶した順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。なお、以下の説明では、第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)に基づく特図始動保留情報を第1特図始動保留情報と指称し、第2および第3始動入賞口32,35の何れかにパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)に基づく特図始動保留情報を第2特図始動保留情報と指称して区別する場合もある。
具体的に、メイン制御RAM60cには、第1始動保留情報を記憶可能な第1始動保留領域と、第2始動保留情報を記憶可能な第2始動保留領域とが設けられており、第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1始動保留領域に記憶され、第2および第3始動入賞検出センサSE2,SE3の何れかの検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第2始動保留領域に記憶されるようになっている。また、第1始動保留領域および第2始動保留領域は、第1領域〜第4領域の4つの記憶領域から構成されており、始動入賞検出センサSE1〜SE3の1回の検出を契機に取得される入賞情報(各種乱数値)が第1領域〜第4領域に順に記憶されると共に、特図当り判定(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。すなわち、最大で8個の始動保留情報(すなわち4個の第1始動保留情報および4個の第2始動保留情報)をメイン制御RAM60cに記憶させ得るよう構成されており、当該メイン制御RAM60cが記憶する最大で8個の第1および第2特図始動保留情報の内で最も古い情報から順に、メイン制御CPU60aが特図始動保留情報を読み出すよう設定されている。ここで、以下の説明では、第1〜第3始動入賞検出センサSE1〜SE3の検出を契機として入賞情報を取得した時点でメイン制御CPU60aによりメイン制御RAM60cに記憶された始動保留情報を入賞時始動保留情報と指称し、特図当り判定(特図変動表示)を実行する際にメイン制御RAM60cからメイン制御CPU60aにより読み出された始動保留情報を変動開始時始動保留情報と指称する場合がある。
ここで、前記特図当り判定用乱数は、図柄組合せ演出の結果として当り遊技(大当り遊技)を発生するか否かの特図当り判定(大当り判定)で用いる乱数である。実施例では、特図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、特図当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「199」の全200通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図に対応する乱数と、大当りの当選を示す200種類の特図に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2および第3始動入賞検出センサSE2,SE3の何れかの検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄組合せ演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した特図当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当り遊技に当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、1回の図柄組合せ演出において各図柄列26a,26b,26cの飾図を複数回連続的に仮停止させる擬似連続予告演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
前記特図変動パターン振分用乱数は、図柄組合せ演出における演出時間を特定する複数の特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、特図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「250」の全251通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、特図当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン振分用乱数等の各種乱数値は、第1〜第3始動入賞口31,32,35へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1〜第3始動入賞検出センサSE1〜SE3の何れかがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。ここで、第1始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2および第3始動入賞口32,35へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31,32,35への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
また、メイン制御CPU60aは、ゲート部材48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサSE6がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサSE6の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサSE6の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
また、前記ゲートセンサSE6をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として第3始動入賞口35の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン振分用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部材48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサSE6がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン振分用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄組合せ演出の結果、大当り遊技を発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記特図当り判定用乱数を用いて大当り遊技を発生させるか否かの判定(特図当り判定)で用いる判定値であり、特図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、特図当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1700個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では170個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、特図当り判定の結果が大当りの場合(大当り遊技に当選した場合)に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した200種類の特図決定用乱数に対応した種類の整数値が設定されている。そして、第1始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機とした特図始動保留情報に基づいて大当りに当選した場合には、特図決定用判定値が特図1の大当り図柄として設定された前記2種類の図柄A〜図柄Bに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄A〜図柄Bの何れかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。同様に、第2および第3始動入賞口32,35の何れかへのパチンコ球の入賞を契機とした特図始動保留情報に基づいて大当りに当選した場合には、特図決定用判定値が特図2の大当り図柄として設定された前記2種類の図柄a〜図柄bに対応付けられて割り当てられており、特図決定用乱数に対応した特図決定用判定値が割り当てられた図柄a〜図柄bの何れかをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、特図当り判定の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、最終的にはずれとなるリーチ演出の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。ここで、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点の遊技状態(確変状態または変短状態)に応じて判定値の設定数が異なっている。具体的に、変短状態が付与されている場合よりも演出実行判定値の数よりも変短状態が付与されていない非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。すなわち、変短状態の場合には、非変短状態の場合に比べてリーチ演出が発生し難くなっている。
(特図変動パターンについて)
また、メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄組合せ演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄組合せ演出および特図変動表示の時間)を特定している。
ここで、前記特図変動パターンとして、複数種類の大当り用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターン(リーチ特図変動パターン)と、リーチ演出が行われないリーチなしはずれ用の特図変動パターン(通常特図変動パターン)とが設けられている。なお、大当り用の特図変動パターンは、特図当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチなしリーチなしはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチ演出は、図柄表示装置17で行われる図柄組合せ演出においてリーチ表示が表示されてから、大当りまたははずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
また、前記大当り用の特図変動パターンには、リーチ演出が行われないリーチなし当り用(直当り用)の特図変動パターンが設けられている。ここで、直当り用の特図変動パターンにより特定される変動時間は、リーチなしはずれ用の特図変動パターンにより特定される変動時間と一致するよう設定されている。すなわち、直当り用の特図変動パターンでは、リーチなしはずれ用の特図変動パターンに基づいて図柄組合せ演出が行われる場合と同じタイミングで、各図柄列26a,26b,26cに対応した飾図が当り表示の組合せで仮停止されるよう設定されている。ここで、リーチなしはずれ用の特図変動パターンにより特定される変動時間としては、メイン制御ROM60bに設定される複数種類の特図変動パターンにより特定される変動時間の中でも特に短時間に設定されており、リーチ演出が行われない図柄組合せ演出(すなわち当りとなる期待度が低い図柄組合せ演出)を速やかに終了させ得るよう構成されている。ここで、実施例では、リーチなしはずれ用の特図変動パターンにより特定される変動時間は、他の特図変動パターンにより特定される変動時間よりも短時間となるよう設定されており、リーチなしはずれ用の特図変動パターンが決定された場合には、1回の図柄組合せ演出が短時間で終了して次の図柄組合せ演出が行われるようになっている。なお、リーチなしはずれ用の特図変動パターンにより特定される変動時間として、2秒、6秒および12秒の3種類を設定してある。また、直当り用の特図変動パターンにより特定される変動時間は、リーチなしはずれ用の特図変動パターンにより特定される変動時間の中で最も長い12秒に設定されており、リーチ演出が行われない図柄組合せ演出において当り表示が表示される期待度を高めるようにしてある。
また、前記特図変動パターンとしては、大当り用の特図変動パターンおよびはずれ用の特図変動パターンの夫々に、前記擬似連続予告演出を実行させることを特定した擬似連続予告演出用の特図変動パターンが設定されている。ここで、前記擬似連続予告演出用の特図変動パターンは、1回の図柄組合せ演出において、図柄の変動開始から仮停止までを1回とする連続単位演出を複数回連続して実行させるようになっている。すなわち、擬似連続予告演出を伴う1回の図柄変動演出は、前記連続単位演出を複数回連続して実行することで、1回の図柄変動演出を恰も複数回の図柄変動演出が連続して行われているかのような演出を行うものである。また、擬似連続予告演出用の特図変動パターンは、各特図変動パターン毎に連続単位演出を行う回数(擬似連続回数)を特定するよう設定されている。実施例では、擬似連続回数として1回〜4回の何れかの回数が擬似連続予告演出用の特図変動パターン毎に設定されている。
また、メイン制御ROM60bには、変動パターン振分用判定値が記憶されている。変動パターン振分用判定値は、大当り判定および演出実行判定の結果に応じて決定可能な特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する際に用いる判定値であり、特図変動パターン振分用乱数の取り得る数値「0」〜「250」までの全251通りの整数の中から定められている。この変動パターン振分用判定値は、大当り判定および演出実行判定の結果に応じてメイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンに対して所定数ずつ割り当てられている。すなわち、特図変動パターン振分用乱数に対応する判定値が割り当てられた変動パターンを特定することで、図柄組合せ演出において実行される特図変動パターン(演出内容や変動時間)が決定される。すなわち、特図変動パターン振分用乱数に基づいて複数の特図変動パターンから特図変動パターンを決定する際に、変動パターン振分用判定値の割当て数に応じて特図変動パターンの選択されやすさを調節している。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
メイン制御ROM60bには、複数種類の普図変動パターンが記憶されており、各普図変動パターンに対応して普図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記普図変動パターンは、普図変動表示を開始してから普図が確定停止表示されるまでの普図変動表示の変動時間を特定している。普図変動パターン振分判定値は、前記普図変動パターン振分用乱数を用いて普図変動パターンの決定に用いる判定値であり、普図変動パターン決定用乱数の取り得る数値「0」〜「8」までの全9通りの整数の中から定められている。そして、普図変動パターン毎に所定の判定値が割り当てられており、取得された普図変動パターン振分用乱数に対応する普図変動パターン振分判定値が割り当てられた普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより特定されるようになっている。ここで、普図変動パターン決定用判定値は、普図当り判定の結果によって、割り当てられる普図変動パターンの種類および割当数が異なっている。具体的に、実施例では、普図当り判定の結果が肯定(普図当りに当選)の場合に1つの普図変動パターンに対して全ての普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば3600ms)を定めた普図変動パターンが決定されるのに対し、普図当り判定の結果が肯定(普図当りに落選)の場合に別の1つの普図変動パターンに対して全ての普図変動パターン決定用判定値が割り当てられて、所定時間の変動時間(例えば520ms)を定めた普図変動パターンが決定されるようになっている。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図7に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ここで、前記統括制御ROM65bには、図柄組合せ演出において実行する図柄組合せ演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記図柄表示装置17で行わせる図柄組合せ演出の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。 また、演出パターンには、図柄組合せ演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
ここで、前記統括制御CPU65aが決定可能な演出パターンには、複数種類の大当り用の演出パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の演出パターン(リーチ演出パターン)と、リーチ演出が行われないリーチなしはずれ用の演出パターン(通常演出パターン)とが設けられている。なお、大当り用の演出パターンは、メイン制御CPU60aによる特図当り判定の結果が肯定の場合に統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンであり、リーチはずれ用の演出パターンは、メイン制御CPU60aによる演出実行判定の結果が肯定の場合に統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンであり、リーチなしリーチなしはずれ用の演出パターンは、メイン制御CPU60aによる演出実行判定の結果が否定の場合に統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンである。そして、前記統括制御CPU65aが決定可能な演出パターンの中に、メイン制御CPU60aがリーチなし当り用(直当り用)の特図変動パターンを決定した場合に統括制御CPU65aが決定するリーチなし当り用(直当り用)の演出パターンや、メイン制御CPU60aが擬似連続予告演出用の特図変動パターンを決定した場合に統括制御CPU65aが決定する擬似連続予告演出用の演出パターンが含まれている。また、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して1つまたは複数の演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応した演出パターンの中から1つの演出パターンを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図7に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、始動入賞口31,32,35の何れかへの入賞を契機として入賞情報を取得する入賞情報取得手段、判定条件の成立(入賞情報取得手段による入賞情報の取得)を契機として当り遊技を生起させるか否かを判定する当り判定手段、当り判定手段の判定結果が肯定の場合に、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技を決定する当り遊技決定手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。またメイン制御CPU60aは、決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄組合せ演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60aは、始動入賞口31,32,35の何れかへの入賞を契機として、前記図柄表示手段で行わせる図柄組合せ演出の変動時間を特定する変動パターン(特図変動パターン)を記憶手段としてのメイン制御ROM60bが記憶する複数の変動パターンの中から決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する第1遊技状態決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に確変状態を付与する第1遊技状態付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。またメイン制御CPU60aは、当り判定手段の判定結果に応じた特別図柄を特別図柄表示手段に停止表示させるよう前記特別図柄表示手段の表示を制御する特別図柄表示制御手段として機能している。
更に、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、可変始動入賞口(第3始動入賞口35)へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを決定する第2遊技状態決定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する第2遊技状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄組合せ演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態の付与期間として決定するようになっている。また、メイン制御CPU60aは、入賞率向上状態の付与期間として複数種類の期間を、決定された当り遊技の種類に応じて決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞口31,32,35への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、図柄表示装置17で図柄組合せ演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサSE1の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2および第3始動入賞検出センサSE2,SE3の何れかの検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
また、統括制御CPU65aは、当り判定手段としてのメイン制御CPU60aの判定結果に基づいて前記演出表示手段としての図柄表示装置17に停止表示させる飾り図柄を決定する飾り図柄決定手段とて機能すると共に、決定された飾り図柄を停止表示させるよう演出表示手段表示としての図柄表示装置17を制御する演出表示制御手段として機能している。また、統括制御CPU65aは、入賞情報取得手段による入賞情報の取得((判定条件の成立)を契機として、前記図柄表示手段で行わせる図柄組合せ演出の演出内容を特定する演出パターンを複数種類の中から1つ決定する演出パターン決定手段としての機能を有している。また、演出パターン決定手段としての統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが決定した特図変動パターンに基づいて演出パターンを決定するようになっている。そして、前記演出パターン決定手段としての統括制御CPU65aが決定可能な演出パターンとして、各組合せ図柄位置に仮停止させた飾り図柄の組合せにより前記図柄組合せ演出の結果として当り表示が表示される可能性を示唆する仮停止演出パターンが含まれており、仮停止演出パターンが決定された場合に、前記飾り図柄決定手段としての統括制御CPU65aが仮停止させる仮停止の飾図を決定するよう構成されている。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図入力処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図入力処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、第1始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31に対応する第1始動入賞検出センサSE1がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cにおける第1始動保留領域の第1〜第4領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、第2および第3始動入賞口32,35の何れかにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2および第3始動入賞口32,35に対応する第2および第3始動入賞検出センサSE2,SE3の何れかがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、前記第1〜第3始動入賞口31,32,35へパチンコ球が入賞した時点で既に前記メイン制御RAM60cに記憶されている第1または第2特図始動保留情報に基づいて実行される図柄組合せ演出に跨がった連続予告演出を行わせるか否かを判定する先読み予告処理を実行し(ステップA19)、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2入賞時始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの第2始動保留領域の第1〜第4領域に設定する(ステップA18)。その後、メイン制御CPU60aが先読み予告処理を実行して(ステップA19)、特図入力処理を終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。特図開始処理は、図柄組合せ演出(特図変動表示)が行われる直前に実行されて、該特図開始処理の処理結果に基づいて図柄組合せ演出(特図変動表示)が実行される。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、メイン制御RAM60cが記憶する第1および第2特図始動保留情報を合計した記憶数(保留数)を読み出し(ステップB12)、当該合計の記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合(第1および第2特図始動保留情報の合計の記憶数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
また、メイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第1および第2特図始動保留情報の合計の記憶数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cにおける第2始動保留領域に記憶されている第1および第2特図始動保留情報の内で、最も早く記憶した(すなわち最も古い)特図始動保留情報に対応した記憶数を1減算して(ステップB14)、当該最も古い第1または第2特図始動保留情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン振分用乱数の値等の各種乱数の値)を、変動開始時始動保留情報としてメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、変動開始時始動保留情報としての第1特図始動保留情報(乱数)を取得する場合には、最も早く記憶した(すなわち最も古い)第1特図始動保留情報が記憶されている第1始動保留領域の第1領域から情報を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、変動開始時始動保留情報としての第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第1始動保留領域の第2領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、第1特図始動保留情報に基づく次の変動開始時始動保留情報として前記第1始動保留領域の第1領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第1始動保留領域の第3領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第1始動保留領域の第2領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第1始動保留領域の第3領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第1始動保留領域の第3領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、変動開始時始動保留情報としての第2特図始動保留情報(乱数)を取得する場合には、最も早く記憶した(すなわち最も古い)第2特図始動保留情報が記憶されている第2始動保留領域の第1領域から情報を取得すると共に、第2始動保留領域の第2〜第4領域に記憶されている第2特図始動保留情報を順次繰り上げて記憶させる。このように、メイン制御RAM60cに記憶された第1および第2特図始動保留情報は、当該メイン制御RAM60cに記憶された順序(第1〜第3第2始動入賞検出センサSE1〜SE3の検出に伴い入賞情報を取得した順序)でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1または第2特図始動保留情報の記憶数に対応するように第1特図保留表示部52または第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により変動開始時始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、変動開始時始動保留情報としての特図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている特図当り判定値と一致するか否かを判定する特図当り判定を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に特図当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、170/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1700/65536に設定されている。そして、ステップB22における特図当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りを生起させる場合には)、大当りを生起させる変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、変動開始時始動保留情報としての特図決定用乱数の値に基づき、第1または第2特図表示部50A,50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1または特図2)を決定する(ステップB24)。すなわち、第1特図始動保留情報に基づいた変動開始時始動保留情報の場合には、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄(特図1)をメイン制御CPU60aが決定し、第2特図始動保留情報に基づいた変動開始時始動保留情報の場合には、第2特図表示部50Bに確定停止表示される大当り図柄(特図2)をメイン制御CPU60aが決定する。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1または特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1または特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。
そして、大当り図柄(特図1または特図2)が決定されると、メイン制御CPU60aは、大当り演出用の変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。具体的には、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて、大当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンをメイン制御CPU60aが決定する。
一方、ステップB22の特図当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りが生起されない場合には)、メイン制御CPU60aは、演出(リーチ)を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB27の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1または第2特図表示部50A,50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1または特図2)として決定する(ステップB28)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてリーチはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB29)。
また、ステップB27での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1または第2特図表示部50A,50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1または特図2)として決定する(ステップB30)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する。
ここで、ステップB25,B29,B31において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特図1または特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の変動開始制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、特図変動表示を開始させるように第1または第2特図表示部50A,50Bを制御する。すなわち、当り判定が行われた変動開始時始動保留情報が第1特図始動保留情報に基づく場合には、第1特図表示部50Aで特図変動表示を開始させるようメイン制御CPU60aが制御し、当り判定が行われた変動開始時始動保留情報が第2特図始動保留情報に基づく場合には、第2特図表示部50Bで特図変動表示を開始させるよう制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1または特図2を指示するための特図指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1または第2特図表示部50A,50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力するようになっている。
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65では、前記変動開始制御コマンドが入力された際に、図柄組合せ演出の変動開始に関わる処理が行われる。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄組合せ演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。すなわち、統括制御CPU65aは、決定された変動パターンに基づいた図柄組合せ演出を実行させる演出実行制御制御手段として機能する。また、統括制御CPU65aは、後述する連続予告演出判定の判定結果が肯定の場合には、決定された実行回数分の単位変動演出に亘った連続予告演出を図柄表示装置17において実行させる演出実行制御手段としての機能を備えている。ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、特図変動パターン毎に1つまたは複数のパターンが対応づけられており、特図変動パターンに対応した演出パターンの内から1つの演出パターンが選択される。
また、統括制御CPU65aは、特図指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図(最終停止飾図)を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された特図1または特図2が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組合せとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の最終停止タイミングにおいて、各列の飾図を指定する指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の最終停止タイミングおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の最終停止タイミングおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の最終停止タイミングおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された特図1または特図2がはずれ図柄の場合、はずれを認識可能な飾図の図柄組合せとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。また、統括制御CPU65aは、リーチはずれ用の特図変動パターンが入力されている場合には、リーチ表示を含むはずれを認識可能な組合せとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。一方、統括制御CPU65aは、リーチなしはずれ用の特図変動パターンが入力されている場合には、リーチ表示を含まないはずれを認識可能な組合せとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
また、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドに基づいて決定された演出パターンが、最終停止図柄を表示させる前に各図柄列26a,26b,26cに飾図を仮停止させる演出パターンの場合に、各図柄列26a,26b,26cに仮停止させる飾図(仮停止の飾図)を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、擬似連続予告演出用の特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドが入力されている場合には、1回の連続単位演出において各図柄列26a,26b,26cに仮停止させる飾図(仮停止の飾図)を決定する。ここで、仮停止の飾図の組合せとしては、リーチ表示を含まないはずれを認識可能な飾図の組合せであって、擬似連続予告演出であることを認識可能な擬似連続予告演出表示となる各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。実施例では、擬似連続予告演出表示として、左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図が同一となるよう決定されると共に、右図柄列26cの飾図が左・中図柄列26a,26bの飾図と1つずれた飾図の図柄組み合わせ(「223」、「778」等)が決定される。なお、擬似連続予告演出表示としては、これに限らず、図柄列26a,26b,26cの全列または少なくとも何れか1列に擬似連続予告演出を示す特殊図柄を表示させる形態としてもよい。また、実施例では、各図柄列26a,26b,26cに仮停止の飾図を表示させる演出パターンとして、擬似連続予告演出を実行する際に、前記統括制御CPU65aにより決定される擬似連続予告用の演出パターンが設定されている。すなわち、擬似連続予告用の演出パターンは、各組合せ図柄位置に仮停止させた飾図の組合せにより前記図柄組合せ演出の結果として当り表示が表示される可能性を示唆する仮停止演出パターンである。
統括制御CPU65aは、前記擬似連続予告演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の仮停止タイミングおいて、各列の飾図を指定する仮指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の仮停止タイミングおいて左仮飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングおいて右仮飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングおいて中仮飾図指定コマンドを出力する。そして、各左図柄列26a,26b,26cの飾図の最終停止タイミングおいて対応の飾図指定コマンドを出力する。このように、前記演出表示制御手段としての統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aで擬似連続予告用の特図変動パターンが決定された場合に、1回の図柄組合せ演出において、飾図の変動開始から仮停止までを1回とする連続単位演出を複数回連続して実行させるよう構成されている。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、統括制御基板62からコマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄組合せ演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄組合せ演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列26a,26b,26cの飾図停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに飾図指定コマドで指定された飾図を仮停止させ、全飾図停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの組合せ図柄位置L,C,Rに飾図停止コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄組合せ演出を終了させる。
(連続予告演出について)
実施例のパチンコ機10は、1つの始動保留情報に基づいて行われる図柄組合せ演出(特図変動表示)の変動開始から確定停止までを1回の単位変動演出(確定変動サイクル)として、複数回の図柄組合せ演出(単位変動演出)に亘って単位変動演出を実行させる連続予告演出を、図柄表示装置17において当り表示が表示される可能性を示唆する予告演出として実行可能に構成されている。具体的に、実施例のパチンコ機10は、始動入賞検出センサSE1〜SE3の検出を契機として入賞情報(乱数値)を取得する毎に取得した入賞情報に対応する入賞時始動保留情報に基づいて演出内容を特定(先読み)して、当該入賞情報を取得した時点で既にメイン制御RAM60cに記憶されている始動保留情報に基づいて実行される図柄組合せ演出に跨がって連続予告演出を行わせるか否かを決定するよう構成されている。すなわち、始動入賞検出センサSE1〜SE3の検出を契機として取得された入賞情報(乱数値)を変動開始時始動保留情報として図柄組合せ演出(連続予告演出における本変動の演出)が行われた際に当り表示が表示される可能性(大当りが発生する可能性)を前もって示唆し得るよう構成されている。
(先読み予告処理について)
ここで、前述した連続予告演出(先読み予告演出)を実行するための先読み予告処理について説明する。なお、先読み予告処理は、図4に一例を示すように第1〜第3始動入賞口31,32,35へパチンコ球が入賞した際(特図入力処理が実行される際)に行われる。すなわち、第1〜第3始動入賞口31,32,35にパチンコ球が入賞してから次の図柄組合せ演出(第1または第2特図変動表示)が開始されるよりも前に(特図開始処理が行われるよりも前に)、先読み予告処理が実行される。言い換えると、先読み予告処理は、図柄組合せ演出の前に実行するよう構成されている。ここで、先読み予告処理は、始動入賞検出センサSE1〜SE3の検出を契機として入賞情報(乱数値)を取得する毎に、取得された入賞情報に対応する入賞時始動保留情報に基づいて統括制御CPU65aに伝達する特定情報(先読みコマンド)をメイン制御CPU60aが設定する処理である。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、前記始動入賞口31,32,35への入賞を契機として入賞情報を取得する毎に、取得した入賞情報に基づいて特定情報(先読みコマンド)を特定する特定情報設定手段として機能している。なお、実施例では、取得された入賞情報に対応する入賞時始動保留情報を変動開始時始動保留情報とした場合に図柄組合せ演出で行われる演出内容に関する情報が先読みコマンドに含まれており、取得した入賞情報に基づいて演出内容を特定する演出内容先読み手段としてもメイン制御CPU60aが機能している。なお、後述のように、取得した入賞情報に基づいてメイン制御CPU60aが演出内容を特定する必要はなく、統括制御CPU65aが特定するようにすることも可能である。
図8に先読み予告処理を示す。メイン制御CPU60aは、前記第1〜第3始動入賞口31,32,35への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する入賞時始動保留情報に基づいて、当該入賞情報を変動開始時始動保留情報とした場合に図柄組合せ演出(第1または第2特図変動表示)の結果として大当り遊技が発生するか否かを事前判定する。具体的には、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された入賞時始動保留情報における特図当り判定用乱数の値が事前大当り判定値と一致するか否かをメイン制御CPU60aが事前判定(事前特図当り判定)する(ステップC11)。ここで、事前大当り判定値は、前述した特図開始処理の特図当り判定(大当り抽選)で使用される大当り判定値と同一の値に設定されている。すなわち、賞時始動保留情報に基づく事前特図当り判定が肯定であった場合は、遊技状態(より具体的には確変状態か非確変状態か)が変化しない限り、当該肯定判定された始動保留情報を変動開始時始動保留情報とした本変動演出(図柄組合せ演出)が行われた際に、大当りが発生することになる。
また、メイン制御CPU60aは、前記第1〜第3始動入賞口31,32,35への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する入賞時始動保留情報に基づいて、当該入賞情報を変動開始時始動保留情報とした場合に図柄組合せ演出(第1または第2特図変動表示)で行われる演出内容を事前判定するよう構成されている(ステップC12)。実施例では、前述のように、大当り遊技が発生しない図柄組合せ演出では、リーチ演出が行われた後にはずれとなる場合と、リーチ演出が行われることなくはずれとなる場合とがある。そこで、実施例のメイン制御CPU60aは、前記事前特図当り判定の判定結果が否定の場合には、前記第1〜第3始動入賞口31,32,35への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する第1または第2入賞時始動保留情報に基づいて、当該入賞情報を変動開始時始動保留情報とした場合に図柄組合せ演出(第1または第2特図変動表示)において特定演出としてのリーチ演出が実行されるか否かを事前判定(事前演出実行判定)する。具体的に、実施例では、メイン制御CPU60aは、処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、事前演出実行判定値と一致するか否かにより判定を行う。ここで、事前演出実行判定値は、前述した特図開始処理における演出実行判定で使用される演出実行判定値と同一の値に設定されている。すなわち、事前演出実行判定において肯定であった場合には、当該肯定判定された特図始動保留情報に基づいた図柄組合せ演出が行われる際に実行される特図開始処理の演出実行判定においても肯定判定される。
また、実施例では、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された入賞時始動保留情報における特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて1つの特図変動パターンをメイン制御CPU60aが事前判定(特図変動パターンの事前判定)する。すなわち、始動入賞検出センサSE1〜SE3の検出を契機として入賞情報を取得する毎に、当該取得した入賞情報に対応した変動開始時始動保留情報に基づいて行われる図柄組合せ演出の変動時間を定めた特図変動パターンを事前判定(事前特図変動パターン判定)するよう構成されている。なお、実施例では、後述するように連続予告演出を行わせるか否かについては統括制御CPU65aが最終決定するようになっている。
このように、メイン制御CPU60aは、始動入賞口31,32,35への入賞を契機として入賞情報を取得する際に、当該取得した入賞情報を変動開始時始動保留情報として行われる図柄組合せ演出の結果として当り遊技を発生するか否かを判定する事前特図当り判定手段として機能すると共に、当該取得した特図始動保留情報(実施例では第1または第2特図始動保留情報)に基づいて行われる図柄組合せ演出の結果としてリーチはずれ演出を生起するか否かを判定(事前リーチ判定)する事前演出実行判定手段(事前リーチ判定手段)としての機能を有している。また、メイン制御CPU60aは、始動入賞口31,32,35への入賞を契機として入賞情報を取得する毎に、取得した入賞情報を変動開始時始動保留情報として行われる図柄組合せ演出の変動時間を定めた変動パターンを事前決定する事前変動パターン決定手段として機能する。また、実施例のメイン制御CPU60aは、連続予告演出を行わせるか否かを決定する連続予告演出実行決定手段としての機能を有している。
(先読みコマンドの設定について)
また、メイン制御CPU60aは、前記第1〜第3始動入賞口31,32,35への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する入賞時始動保留情報に基づいて事前判定を行うと、当該事前判定の判定結果を示す情報を統括制御CPU65aに伝達するよう構成されている。実施例では、メイン制御CPU60aは、入賞時始動保留情報に基づく事前判定の判定結果に応じた先読みコマンド(特定情報)をメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定すると共に、次に特図開始処理が行われる前にメイン制御CPU60aが当該先読みコマンドを統括制御基板65に出力することで、事前判定の判定結果が統括制御CPU65aに伝達されるよう構成されている。
ここで、先読みコマンドは、第1〜第3始動入賞口31,32,35に入賞した時点で取得した入賞情報に対応する入賞時始動保留情報に基づいた事前特図当り判定の判定結果を示す事前特図当り情報や、当該入賞時始動保留情報に基づく事前演出実行判定の判定結果を示す事前演出実行情報や、当該入賞時始動保留情報に基づく事前特図変動パターン判定の判定結果を示す事前特図変動パターン情報を含んだコマンドである。従って、先読みコマンドを参照することで、統括制御CPU65aは、第1〜第3始動入賞口31,32,35に入賞したときに取得された入賞情報を変動開始時始動保留情報として行われる図柄組合せ演出(第1または第2特図変動表示)において大当りが発生するか否かを事前特図当り情報に基づいて識別し得ると共に、当該図柄組合せ演出においてリーチ演出が行われるか否かを事前演出実行情報に基づいて統括制御CPU65aが識別できる。また、事前特図変動パターン情報に基づいて図柄組合せ演出の変動時間を統括制御CPU65aが識別し得るようになっている。
先読みコマンドには、第1〜第3始動入賞口31,32,35に入賞した時点において、前記メイン制御RAM60cが記憶する特図始動保留情報の記憶数を示す保留数情報や、第1〜第3始動入賞口31,32,35の何れへのパチンコ球の入賞に基づく先読みコマンドであるかを示す特図種別情報が含まれている。なお、先読みコマンドで特定される保留数情報は、第1特図始動保留情報の記憶数および第2特図始動保留情報の記憶数に対応した記憶数情報である。
そして、先読みコマンドの設定が完了すると、メイン制御CPU60aは、先読み予告処理を終了する。そして、先読み予告処理において設定された先読みコマンドは、次の図柄組合せ演出(特図変動表示)が行われるよりも前(すなわち特図開始処理が行なわれる前)に統括制御CPU65aに出力されるよう設定されている。すなわち、前記始動入賞口31,32,35への入賞毎に取得した入賞情報に基づいて演出内容を特定する特定情報(先読みコマンド)を第1の制御手段としてのメイン制御CPU60aが生成して、生成した特定情報を第2の制御手段としての統括制御CPU65aに伝達するよう構成されている。これにより、統括制御CPU65aがメイン制御CPU60aによる先読み予告処理の結果に基づいて連続予告演出を実行するか否かを判定可能になっている。
(統括制御CPU65aによる連続予告演出の関連処理)
次に、統括制御基板65で実行される連続予告演出に関連した処理について説明する。メイン制御CPU60aから先読みコマンドが統括制御基板65に入力されると、図9に示すように、当該先読みコマンドに基づいて連続予告演出を実行するか否かを統括制御CPU65aが決定(実行可否判定)するよう構成されている(ステップD11)。実施例では、メイン制御CPU60aから先読みコマンドに基づいて、連続予告演出を実行するか否かを統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。ここで、実施例では、先読みコマンドに含まれる事前特図当り情報で特定される事前特図当り判定の判定結果に応じて、連続予告演出の実行を統括制御CPU65aが決定する割合が異なるようになっている。実施例では、事前特図当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、事前特図当り判定の判定結果が否定判定の場合と比べて、統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定する割合が高く設定されている。すなわち、連続予告演出が行われた結果として大当り遊技が発生する期待感を高め、連続予告演出の実行に対する関心を向上している。更に、実施例では、事前特図当り判定の判定結果が否定判定の場合には、先読みコマンドに含まれる事前演出実行情報で特定される事前演出実行判定の判定結果に応じて、連続予告演出の実行を統括制御CPU65aが決定する割合が異なるようになっている。すなわち、事前演出実行判定の判定結果が肯定判定の場合には、事前リーチ判定の判定結果が否定判定の場合と比べて、該統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定する割合が高く設定されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、連続予告演出が行われた結果としてリーチ演出が行われる期待感を高め、大当り遊技が生起される期待感をも向上して、連続予告演出に対する遊技者の関心を高めるようになっている。
具体的に実施例では、図10に示すように、統括制御ROM65bには、連続予告演出の肯定判定および連続予告演出の否定判定に対して所定数の連続予告演出実行判定値が割り当てられた連続予告演出実行可否判定テーブルが設けられており、統括制御CPU65aが取得した連続予告演出実行可否判定用乱数に基づいて、連続予告演出を実行するか否かを決定するよう構成されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した連続予告演出実行可否判定用乱数の値が連続予告演出の肯定判定に割り当てられた判定値と一致する場合に、統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定し、当該連続予告演出実行可否判定用乱数の値が連続予告演出の否定判定に割り当てられた判定値と一致する場合に、統括制御CPU65aが連続予告演出を実行しないことを決定するようになっている。なお、連続予告演出の肯定判定および連続予告演出の否定判定に対して割り当てられる連続予告演出実行可否判定値の重複はない。なお実施例では、連続予告演出実行可否判定用乱数および連続予告演出実行可否判定値として「0」〜「99」の100個の整数値が設定されている。また、連続予告演出実行可否判定用乱数は、所定の周期(実施例では4ms)で更新されると共に更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるよう構成されており、先読みコマンドが統括制御基板65(統括制御CPU65a)に入力されることを契機として、統括制御RAM65cに記憶されている乱数値を統括制御CPU65aが取得するよう構成されている。
実施例では、図10に示すように、事前特図当り判定が肯定の場合には、連続予告演出の否定判定よりも連続予告演出の肯定判定に対して多く連続予告演出実行可否判定値が割り当てられており、統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定し易くなっている。また、事前演出実行判定が肯定の場合には、連続予告演出の肯定判定および連続予告演出の否定判定に対して同数の連続予告演出実行可否判定値が割り当てられ、事前演出実行判定が否定の場合には、連続予告演出の肯定判定よりも連続予告演出の否定判定に対して多くの連続予告演出実行可否判定値が割り当てられている。
また、前記統括制御CPU65aによる連続予告演出を行うか否かの実行可否判定の結果は、統括制御RAM65cの所定の判定記憶領域に、該統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定(実行決定)した時点でメイン制御RAM60cが記憶する特図始動保留情報の記憶数と関連づけて一時的に記憶保持されるよう構成されている。なお、メイン制御RAM60cが記憶する特図始動保留情報の記憶数は先読みコマンドから特定される記憶数情報に基づいて設定される。これにより、連続予告演出の実行決定以後に行われる図柄組合せ演出の変動回数を統括制御CPU65aが識別し得ると共に、連続予告演出の実行を決定した入賞情報(入賞時始動保留情報)を変動開始時始動保留情報として実行される連続予告演出の本変動となる図柄組合せ演出を統括制御CPU65aが識別し得るようになっている。なお実施例では、後述するように、該統括制御CPU65aが連続予告演出の実行可否判定を行った時点でメイン制御RAM60cが記憶する特図始動保留情報の記憶数は、連続予告演出の実行回数として決定されることから、当該統括制御CPU65aが連続予告演出の実行可否判定結果に関連づけて記憶される記憶数情報を、連続予告実行回数情報と指称する場合がある。実施例では、連続予告演出の実行可否判定の判定結果が肯定判定の場合に、統括制御RAM65cの判定記憶領域に実行フラグを設定するよう構成されており、当該実行フラグが設定された状態で連続予告演出の実行中であることを統括制御CPU65aが認識し得るようになっている。なお、前記実行フラグは、連続予告演出の本変動演出が行われることで初期値に戻される。
このように、前記メイン制御CPU60aが入賞情報を取得する毎に、取得した入賞情報に基づいて演出内容を特定する演出内容先読み手段として統括制御CPU65aも機能している。また、統括制御CPU65aは、入賞情報の取得時点で既に前記保留記憶手段としてのメイン制御RAM60bに記憶されている始動保留情報に基づいて実行される図柄組合せ演出において連続予告演出(先読み予告演出)を実行するか否かを、入賞情報を取得する毎に前記演出内容先読み手段としてのメイン制御CPU60aまたは統括制御CPU65aが特定した演出内容に基づいて決定判定する連続予告演出実行判定手段(先読み予告演出実行決定手段)としての機能を有している。より具体的には、連続予告判定実行手段としての統括制御CPU65aは、始動入賞口31,32,35へパチンコ球が入賞した時点でメイン制御RAM60cに記憶されている始動保留情報に基づいて実行される図柄組合せ演出に跨がった連続予告演出を行わせるか否かを、該始動入賞口31,32,35への入賞を契機として始動保留情報に記憶される入賞時始動保留情報に基づいて判定している。更に、前記連続予告演出を実行しないことを決定した場合には、前記保留記憶手段としてのメイン制御RAM60cが記憶する始動保留情報に基づいて図柄組合せ演出を前記図柄表示手段に実行させると共に、該連続予告演出の実行を決定した場合には、該保留記憶手段が記憶する始動保留情報に基づいて行われる複数回の図柄組合せ演出に跨がって連続予告演出を実行させ、当該連続予告演出決定手段が連続予告演出の実行を決定する契機となった入賞情報に対応する始動保留情報に基づいて連続予告演出の本変動演出を実行させる演出実行制御手段としての機能を統括制御CPU65aが備えている。
(実行回数の決定について)
また、図9に示すように、統括制御CPU65aは、連続予告演出の実行を決定した場合に、連続予告演出を実行する図柄組合せ演出(単位変動演出)の変動回数(実行回数)を決定するよう構成されている(ステップD12)。ここで、統括制御CPU65aは、始動入賞口31,32,35にパチンコ球が入賞した時点で前記メイン制御RAM60cに記憶されている始動保留情報の記憶数を最大連続回数として、連続予告演出において実行する図柄組合せ演出の実行回数を当該最大連続回数の範囲内で決定する。なお、実行回数の決定に関し、始動入賞口31,32,35にパチンコ球が入賞した時点とは、連続予告演出の実行を決定した先読みコマンドをメイン制御CPU60aが設定する契機となったパチンコ球の入賞時点である。ここで、先読みコマンドには、前述したように始動入賞口31,32,35にパチンコ球が入賞した時点において、メイン制御RAM60cが記憶する特図始動保留情報の記憶数(すなわち記憶数「1」〜「8」)を示す記憶数情報が含まれている。そこで、実施例では、先読みコマンドの記憶数情報で特定される特図始動保留情報の記憶数を最大連続回数とした範囲内で、統括制御CPU65aが連続予告演出の実行回数を決定する。実施例では、先読みコマンドの記憶数情報で特定される特図始動保留情報の記憶数を実行回数(すなわち最大連続回数=実行回数)として統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。ここで、統括制御CPU65aが決定した実行回数は、統括制御RAM65cの所定の判定記憶領域に初期実行回数情報として記憶される。
また、前記統括制御CPU65aが決定した連続予告演出の実行回数は、統括制御RAM65cの判定記憶領域に実行回数カウンタとして設定される。実行回数カウンタの値は、連続予告演出の実行を決定した以降に連続予告演出として図柄組合せ演出が行われる毎に1減算されて、新たな実行回数として統括制御RAM65cに記憶させる。すなわち、連続予告演出の実行を決定した状態(実行フラグが設定された状態)で実行回数カウンタが「1」となった場合に、連続予告演出を実行することが決定された特図始動保留情報を変動開始時始動保留情報として図柄組合せ演出(本変動)が行われること示し、実行回数カウンタが「0」となることで、連続予告演出が終了したことを示している。なお、実行回数カウンタが「0」となることで、実行フラグが初期値に戻される。
ここで、連続予告演出の実行回数の決定は、連続予告演出の本変動において遊技者に付与される価値を基準として決定するよう構成することもできる。例えば、連続予告演出の本変動において大当りが発生するかを基準として実行回数を決定したり、本変動において大当りが発生する場合の大当り遊技の種類を基準として実行回数を決定することができる。より具体的には、連続予告演出の本変動において大当りが発生する場合に、先読みコマンドの記憶数情報で特定される特図始動保留情報の記憶数を最大連続回数とした範囲で実行回数を決定する一方、本変動において大当りが発生しない場合に、先読みコマンドの記憶数情報で特定される特図始動保留情報の記憶数を最大連続回数とし、かつ所定回数(例えば「3回」)を上限とした範囲で実行回数を決定することができる。
また、連続予告演出の実行回数の決定は、先読みコマンドの記憶数情報で特定される特図始動保留情報の記憶数を最大連続回数とした範囲内で、任意の回数を決定することもできる。すなわち、例えば所定周期毎(例えば4ms)に更新される実行回数決定用の乱数を統括制御RAM65cに記憶させると共に、特図始動保留情報の記憶数「1」〜「8」の場合の夫々について該記憶数を最大連続回数として、実行回数毎に判定値を割り当てる。そして、先読みコマンドが入力された時点で統括制御CPU65aが実行回数用の乱数を取得し、当該乱数に対応する判定値が割り当てられた実行回数を決定するよう構成すれば、入賞時点における特図始動保留情報の記憶数を最大連続回数とした範囲内で、任意の回数を決定することが可能となる。
このように、
統括制御CPU65aは、連続予告演出において実行される単位変動演出の実行回数を決定する実行回数決定手段としての機能を有している。具体的には、実行回数決定手段としての統括制御CPU65aは、連続予告演出判定の判定結果が肯定の場合に、始動入賞口31,32,35へパチンコ球が入賞した時点で既にメイン制御RAM60cに記憶されている始動保留情報の記憶数を最大連続回数として、連続予告演出において実行する図柄組合せ演出の実行回数を当該最大連続回数の範囲内で決定している。
そして、統括制御CPU65aは、連続予告演出の実行を決定すると、連続予告演出において実行する図柄組合せ演出(単位変動演出)の演出内容を、連続予告演出の実行回数分だけ決定するよう設定されている。言い換えると、連続予告演出の実行が決定された場合には、図柄組合せ演出の実行毎に決定される演出パターンで特定される演出に優先して、連続予告演出において実行することが決定された図柄組合せ演出(単位変動演出)の演出内容が図柄表示装置17に表示されるようになっている。すなわち、連続予告演出を決定した場合には、当該連続予告演出の演出内容を予め統括制御CPU65aが決定する用になっている。すなわち、統括制御CPU65aは、連続予告演出の実行を決定した場合に、連続予告演出の実行回数分の単位変動演出の予め演出内容を決定するとして機能し、連続予告演出を実行しないことを決定した場合に、前記保留記憶手段が記憶する始動保留情報に基づいて図柄組合せ演出を図柄表示装置17において統括制御CPU65aが実行させると共に、該連続予告演出の実行を決定した場合に、予め決定される演出内容の図柄組合せ演出(単位変動演出)を図柄表示装置17において実行回数分に亘って実行させるよう構成されている。
(特定演出モードでの演出制御について)
次に、前記特定演出モードにおいて前記統括制御CPU65aが行う飾図の表示制御について説明する。前記統括制御ROM65bには、図11、図12に示すように、前記図柄表示装置17において図柄組合せ演出を行わせる表示状態を定めた複数の表示モードが設定されており、前記特図当り判定の判定結果に応じて統括制御CPU65aが1つの表示モードを決定するようになっている。表示モードは、特定演出モードにおいて図柄組合せ演出の実行毎に統括制御CPU65aが決定するよう構成されており、図柄組合せ演出が行われる毎に表示モードを変化させ得るようにして、バリエーション豊かな演出を行い得るようになっている。ここで、前記各表示モードは、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景表示を異ならせるように設定されており、背景表示の違いによって表示モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各表示モードは、図柄表示装置17で行われる図柄組合せ演出において飾図が変動開始されてから、飾図が識別可能な状態で表示されるまでの演出内容(図柄導出演出)が異なるよう設定されており、表示モードに応じた図柄導出演出が行われるようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10には、特定演出モードにおいて統括制御CPU65aが決定可能な表示モードとして、第1の表示モードと、当該第1の表示モードとは異なる表示形態となる第2の表示モードとの2種類の表示モードが設定されている。実施例における第1の表示モードは、図11に示すように、パチンコ機10がモチーフとする味方キャラクタ自身の視点で観察した表示態様で背景表示が表示されるよう設定され、前記第2の表示モードは、図12に示すように、当該味方キャラクタを第三者の視点で外側から観察した表示態様で背景表示が表示されるよう設定されている。なお、第1の表示モードおよび第2の表示モードにおける背景表示の表示態様は、これに限られるものではなく、両表示モードを視覚的に区別し得る表示態様とすることができる。
また、前記第1の表示モードは、前記図柄組合せ演出において飾図が変動開始されてから前記図柄表示装置17に飾図が識別可能な状態で表示される前に、前記特図当り判定の判定結果を報知しない変化前表示体を図柄表示装置17に表示させた後に、図柄表示装置17に飾図を識別可能な状態で表示させる契機となる切替契機演出を表示させ、当該切替契機演出が表示されることを契機として統括制御CPU65aが決定した飾図の内の少なくとも1つの飾図を、当該変化前表示体に変えて当該図柄表示装置17に識別可能な状態で表示させるように設定された第1の図柄導出演出が行われるように設定されている(11参照)。一方で、前記第2の表示モードでは、前記図柄組合せ演出において飾図が変動開始されてから前記図柄表示装置17に飾図が識別可能な状態で表示される前に前記切替契機演出を表示させて、当該切替契機演出の表示を契機として統括制御CPU65aが決定した飾図の内の少なくとも1つの飾図を図柄表示装置17に識別可能な状態で表示させるように設定された第2の図柄導出演出が行われるように設定されている(図12参照)。すなわち、実施例の第1の表示モードで行われる第1の図柄導出演出および第2の表示モードで行われる第2の図柄導出演出は、切替契機演出を表示する前に図柄表示装置17に変化前表示体を表示させるか否かの点において図柄表示装置17に飾図が識別可能な状態で表示されるまでの過程が異なるよう設定されている。なお、図11および図12では、変化前表示体に「OB1」、「OB2」の符号を付し、切替契機演出に「K」の符号を付してある。
実施例では、前記図柄導出演出において切替契機演出が表示されることを契機として、統括制御CPU65aが決定した飾図を図柄表示装置17に仮停止の状態で停止表示させるよう構成されている。すなわち、メイン制御CPU60aによりリーチ演出が行われない大当り用またははずれ用の特図変動パターン(直当り用の特図変動パターンまたはリーチなしはずれ用の特図変動パターン)が決定された場合(特図指定コマンドが入力された場合)には、切替契機演出の表示を契機として各図柄列26a,26b,26cに対応した3の飾図を仮停止の状態で表示させて、そのまま各飾図を確定停止表示させるように統括制御CPU65aに制御される。一方で、メイン制御CPU60aによりリーチ演出が行われる大当り用またははずれ用の特図変動パターン(大当り用の特図変動パターンまたはリーチはずれ用の特図変動パターン)が決定された場合(特図指定コマンドが入力された場合)には、切替契機演出の表示を契機として各図柄列26a,26b,26cに対応した3の飾図を仮停止の状態で表示させて、仮停止表示の3つの飾図の内の1つの飾図(例えば中図柄列26bに対応する飾図)を再度変動させてリーチ表示を図柄表示装置17に表示させるように統括制御CPU65aに制御される。ここで、メイン制御CPU60aによりリーチ演出が行われる大当り用またははずれ用の特図変動パターン(大当り用の特図変動パターンまたはリーチはずれ用の特図変動パターン)が決定された場合(特図指定コマンドが入力された場合)に、前記第1または第2の表示モードにおいて切替契機演出が表示されることを契機として、統括制御CPU65aが決定した各図柄列26a,26b,26cの飾図の内の2つ(例えば左図柄列26aおよび右図柄列26cに対応する飾図)を図柄表示装置17に仮停止の状態で停止表示させると共に、1つの飾図(例えば中図柄列26bに対応する飾図)を変動させた状態で表示させてリーチ表示を図柄表示装置17に表示させるようにしてもよい。
また、メイン制御CPU60aにより擬似連続予告演出を実行させることを特定した擬似連続予告演出用の特図変動パターンが決定された場合(特図指定コマンドが入力された場合)に、切替契機演出が表示されることを契機として各図柄列26a,26b,26cに対応した3の飾図を仮停止の状態で表示させることで1回の連続単位演出が行われると共によう設定されている。ここで、実施例では、後述のように、擬似連続予告演出を実行させることを特定した擬似連続予告演出用の特図変動パターンが決定された場合には、第1の表示モードにおいて図柄導出演出を行うよう統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。そして、特定演出モードでは、擬似連続予告演出が行われる場合に、1回の連続単位演出において各図柄列26a,26b,26cに対応した3の飾図が仮停止の状態で表示された後に、各飾図を非表示として次の変化前表示体を表示させると共に切替契機演出を表示させて、当該切替契機演出の表示を契機として各図柄列26a,26b,26cに対応した3の飾図を再度仮停止の状態で停止表示させるよう統括制御CPU65aが制御するようになっている。すなわち、擬似連続予告演出用の特図変動パターンが決定された場合(特図指定コマンドが入力された場合)には、当該特図変動パターンに設定された擬似連続回数だけ変化前表示体を表示すると共に切替契機演出の表示を契機として各図柄列26a,26b,26cに対応した3の飾図を仮停止の状態で表示するようになっている。
実施例の図柄表示装置17には、前記特定演出モードにおいて図柄組合せ演出(図柄導出演出)が行われていることを示す演出実行表示を表示可能な演出実行表示領域17bが設定されている。すなわち、演出実行表示領域17bにおいて演出実行表図柄を表示させることで、図柄表示装置17の表示面17aに飾図を識別可能な状態で表示させていない状態であっても図柄組合せ演出が行われていることを認識することができるから、無用の混乱を生じさせることなく遊技を行うことが可能となる。ここで、前記演出実行表示領域17bは、前記図柄表示装置17の表示面17aにおいて通常演出モードにおいて飾図が表示される組合せ図柄位置とは異なる位置に、飾図と比較して極めて小さな領域となるよう設定されている。具体的には、前記表示面17aにおける隅部(実施例では左下の隅部)に演出実行表示領域17bが設定されており、演出実行表示領域17bに表示される演出実行図柄を極力目立たなくして、当該演出実行表示が図柄導出演出を阻害しないようにすると共に、必要に応じて演出実行表示を遊技者が参照し得るよう構成されている。
ここで、前記演出実行図柄は、前記飾図とは異なった表示となるよう設定されてある。例えば演出実行図柄として、通常演出モードにおいて飾図が変動表示中であることを認識させる表示を縮小して表示したり、「○」等の表示を点滅表示させたり、パチンコ機10のモチーフとしたキャラクタの動作映像とすることも可能である。また、その他の飾図と誤認されない表示を演出実行図柄として採用可能である。
また、統括制御CPU65aは、前記図柄導出演出を実行する場合に、図柄組合せ演出(第1または第2の図柄導出演出)が開始されてから切替契機演出が表示面17aに表示されるまでの間、前記演出実行表示領域17bで演出実行図柄を表示させて、表示面17aに切替契機演出が表示されることを契機として演出実行図柄を非表示にするよう構成されている。すなわち、切替契機演出の表示を契機として組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)に飾図を表示させるよう統括制御CPU65aが制御を行うことで、演出実行図柄を非表示にさせるのに伴って組合せ図柄位置に飾図を表示させる構成され、図柄組合せ演出が行われていることを遊技者に報知し得るようにしてある。
(表示モードの決定について)
前記統括制御ROM65bには、図13に示すように、特定演出モードにおいて図柄組合せ演出(図柄導出演出)を行わせる表示モードを統括制御CPU65aが決定する表示モード決定テーブルが設定されている。表示モード決定テーブルは、第1の表示モードおよび第2の表示モードの夫々に対して、所定数の表示モード決定用判定値が割り当てられており、統括制御CPU65aが取得した表示モード決定用乱数に基づいて、第1および第2の表示モードの何れかでの図柄組合せ演出(図柄導出演出)の実行を統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した表示モード決定用乱数の値と一致する表示モードを統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。ここで、実施例では、メイン制御CPU60aが決定した特図変動パターンの種類に基づいて図柄組合せ演出(図柄導出演出)を行わせる表示モードを統括制御CPU65aが決定する第1の表示モード決定テーブルと、メイン制御CPU60aによるが特図当り判定の判定結果に基づいて図柄組合せ演出(図柄導出演出)を行わせる表示モードを統括制御CPU65aが決定する第2の表示モード決定テーブルとが設定されている。なお、第1の表示モード決定テーブルでは、統括制御CPU65aが取得した第1の表示モード決定用乱数に基づいて表示モードが決定され、第2の表示モード決定テーブルでは、統括制御CPU65aが取得した第2の表示モード決定用乱数に基づいて表示モードが決定されるようになっている。
第1の表示モード決定テーブルは、図13(a)に示すように、メイン制御CPU60aにより特定の特図変動パターンが決定された場合(特図変動パターン指定コマンドが入力された場合)に、統括制御CPU65aが第1の表示モードおよび第2の表示モードを決定する割合が異なるよう第1の表示モード決定用判定値の割当て数が設定されている。具体的に、実施例では、図柄組合せ演出(図柄導出演出)においてリーチ演出が行われないことを特定したリーチなしはずれ用の特図変動パターンをメイン制御CPU60aが決定した場合に、前記第1の表示モード決定テーブルに基づいて統括制御CPU65aが表示モードを決定するよう設定されている。ここで、第1の表示モード決定テーブルは、メイン制御CPU60aがリーチなしはずれ用の特図変動パターンを決定した場合に、統括制御CPU65aが第1の表示モードよりも第2の表示モードを決定する割合が高くなるよう第1の表示モード決定用判定値の割当て数が定められている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、リーチなしはずれ用の特図変動パターンが決定された場合には、統括制御CPU65aが第1の表示モードよりも第2の表示モードを決定する割合が高くなるよう設定され、当該第2の表示モードにおいて第2の図柄導出演出が行われ易くなっている。
具体的には、実施例において第1の表示モード決定用判定値として「0」〜「99」の100個の整数値が設定されており、リーチなしはずれ用の特図変動パターンが決定された場合に、第1の表示モードに対して30個の判定値が割り当てられると共に第2の表示モードに対して70個の判定値が割り当てられている。すなわち、リーチなしはずれ用の特図変動パターンが決定された場合に第2の表示モードが決定される割合を高めることで、第2の表示モードで行われる図柄組合せ演出を第1の表示モードで行われる図柄組合せ演出よりもテンポよく進行させ得るようにしてある。
また、第2の表示モード決定テーブルは、図13(b)に示すように、メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果に応じて、統括制御CPU65aが第1の表示モードおよび第2の表示モードを決定する割合が異なるよう第2の表示モード決定用判定値の割当て数が設定されている。実施例では、実施例の第2の表示モード決定テーブルは、特図当り判定の判定が肯定(当りに当選)の判定の場合に、当該特図当り判定の判定が否定(はずれ)の判定の場合と比べて、統括制御CPU65aにより第1の表示モードが決定される割合が高くなるよう第2の表示モード決定用判定値の割当て数が定められており、第2の表示モードで第2の図柄導出演出(図柄組合せ演出)が行われた場合よりも、第1の表示モードで第1の図柄導出演出(図柄組合せ演出)が行われた場合の方が当り遊技が生起される期待度が高くなるよう構成されている。
具体的には、実施例において第2の表示モード決定用判定値として「0」〜「99」の100個の整数値が設定されており、特図当り判定の判定結果が肯定判定(当りに当選)の場合に、第1の表示モードに対して60個の判定値が割り当てられると共に第2の表示モードに対して40個の判定値が割り当てられ、特図当り判定の判定結果が否定判定(はずれ)の場合に、第1の表示モードに対して40個の判定値が割り当てられると共に第2の表示モードに対して40個の判定値が割り当てられている。すなわち、図柄組合せ演出が行われる表示モードによって当り遊技が生起される期待度が異なることで、表示モードに対する遊技者の関心を高めている。
ここで、統括制御CPU65aが図柄導出演出の実行に関して取得する各種乱数(前述した第1の表示モード決定用乱数および第2の表示モード決定用乱数、後述する変化前表示体パターン決定用乱数、複数表示パターン決定用乱数、演出系統決定用乱数、第1の切替契機演出パターン決定用乱数、第2の切替契機演出パターン決定用乱数、表示態様決定用乱数、表示態様変化パターン決定用乱数、飾図停止パターン決定用乱数)は、所定の周期(実施例では4ms)で更新されると共に更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるよう構成されており、所定のタイミングで統括制御RAM65cに記憶されている乱数値を統括制御CPU65aが取得するよう構成されている。実施例では、特図変動パターン指定コマンドが統括制御基板65(統括制御CPU65a)に入力されることを契機として、統括制御RAM65cに記憶されている乱数値を統括制御CPU65aが取得するよう構成されている。なお、統括制御CPU65aが乱数値を取得する契機としては、これに限られるものではなく、当該統括制御CPU65aの決定に基づいて図柄導出演出を実行可能なタイミングであればよい。
(変化前表示体について)
前記第1の図柄導出演出において図柄表示装置17に表示される変化前表示体としては、前記図柄組合せ演出において変動表示される飾図とは無関係の表示である。すなわち、変化前表示体が図柄表示装置17に表示されることによっては、前記特図当り判定の判定結果や、図柄組合せ演出の結果として表示される飾図の種類・組合せ等を遊技者が確定的に認識し得ないようになっている。なお、実施例では、パチンコ機10がモチーフとする味方キャラクタと敵対するキャラクタを表す画像が変化前表示体として表示されるように設定されている。なお、変化前表示体としては、これに限られるものではなく、背景表示と区別して認識し得ると共に、図柄表示装置17に表示された変化前表示体の表示数を認識可能な表示体が採用可能である。
前記統括制御ROM65bには、前記第1の図柄導出演出において図柄表示装置17に表示される変化前表示体の表示パターンを定めた変化前表示体パターンが複数種類設定されている。そして、第1の表示モードにおいて図柄組合せ演出が行われる場合に、複数種類の変化前表示体パターンから1つの変化前表示体パターンを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。ここで、前記変化前表示体パターンは、第1の図柄導出演出において図柄表示装置17に表示させる変化前表示体の表示数と、表示される変化前表示体の表示態様とを定めたものであって、決定された変化前表示体パターンで特定される表示数の変化前表示体を図柄表示装置17に表示させるよう統括制御CPU65aが制御するようになっている。
前記変化前表示体パターンには、図14、図15に示すように、複数の変化前表示体(図11(a)に符号OB1で示す変化前表示体)を図柄表示装置17に表示させることを特定する所定数の複数表示パターンと、単数の変化前表示体(図11(b)に符号OB2で示す変化前表示体)を図柄表示装置17に表示させることを特定する所定数の単数表示パターンとが設定されており、前記メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果に応じて複数表示パターンおよび単数表示パターンの何れかを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。ここで、実施例のパチンコ機10では、複数種類(実施例では8種類)の複数表示パターンが統括制御ROM65bに設定されると共に、1種類の単数表示パターンが統括制御ROM65bに設定されている。なお、複数表示パターンおよび単数表示パターンの設定数は、これに限られるものではなく、任意数で設定することが可能である。なお、以下の説明では、統括制御CPU65aが決定可能な複数表示パターンとして設定された8種類の複数表示パターンを、第1〜8の複数表示パターンと指称して区別する場合がある。
前記複数表示パターンの夫々は、第1の図柄導出演出において図柄表示装置17に3つの変化前表示体を図柄表示装置17に表示させることを特定するよう設定されており、前記切替契機演出の表示を契機として、1つの変化前表示体に変えて1つの飾図が表示されるよう構成されている。すなわち、前記複数表示パターンには、切替契機演出の表示を契機として非表示とされるのに伴って左図柄列26aに対応した左飾図が表示される第1の変化前表示体と、切替契機演出の表示を契機として非表示とされるのに伴って中図柄列26bに対応した中飾図が表示される第2の変化前表示体と、切替契機演出の表示を契機として非表示とされるのに伴って右図柄列26cに対応した右飾図が表示される第3の変化前表示体とが1つずつ設定されており、統括制御CPU65aにより決定された複数表示パターンに応じて、第1〜第3の変化前表示体が図柄表示装置17に表示されるようになっている。
前記単数表示パターンは、第1の図柄導出演出において1つの変化前表示体を図柄表示装置17に表示させることを特定するよう設定されており、前記切替契機演出の表示を契機として、1つの変化前表示体に変えて3つの飾図が表示されるよう構成されている。すなわち、前記単数表示パターンには、切替契機演出の表示を契機として非表示とされるのに伴って各図柄列26a,26b,26cに対応した3つの飾図が表示される特殊変化前表示体が特定されており、統括制御CPU65aにより決定された単数表示パターンに応じて、特殊変化前表示体が図柄表示装置17に表示されるようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10には、切替契機演出の表示を契機として1つの飾図に変化される変化前表示体(第1〜第3の変化前表示体)と、切替契機演出の表示を契機として複数(実施例では3つ)の飾図に変化される変化前表示体(特殊変化前表示体)とが設定されている。
また、前記複数表示パターンおよび単数表示パターンの夫々は、第1の図柄導出演出において図柄表示装置17に表示される変化前表示体の表示態様を特定するよう設定されている。具体的に、実施例では、変化前表示体の表示態様として、「青色」、「赤色」の2種類の色彩が設定されている。すなわち、複数表示パターンは、図柄表示装置17に表示される3つの変化前表示体の色彩を複数表示パターンで特定するよう設定されており、統括制御CPU65aにより決定された複数表示パターンで特定される色彩の組合せで第1〜第3の変化前表示体が図柄表示装置17に表示されるようになっている。具体的には、複数表示パターンとして、「赤色」の変化前表示体の表示数が「0」に設定された第1の複数表示パターンと、「赤色」の変化前表示体の表示数が「1」に設定された第2〜第4の複数表示パターンと、「赤色」の変化前表示体の表示数が「2」に設定された第5〜第7の複数表示パターンと、「赤色」の変化前表示体の表示数が「3」に設定された第8の複数表示パターンとが設定されている。また、単数表示パターンは、図柄表示装置17に表示される1つの変化前表示体の色彩を複数表示パターンで特定するよう設定されており、統括制御CPU65aにより決定された複数表示パターンで特定される色彩で特殊変化前表示体が図柄表示装置17に表示されるようになっている。ここで、実施例では、特殊変化前表示体の色彩として「青色」に設定された1種類の単数表示パターンが設定されている。なお、変化前表示体パターン(複数表示パターンおよび単数表示パターン)で特定される変化前表示体の表示態様としては、色彩に限られるものではなく、例えば変化前表示体の画像の種類としたり、変化前表示体を表示する大きさ等とすることも可能である。
(変化前表示体パターンの決定について)
前記統括制御ROM65bには、図14に示すように、前記図柄表示装置17に表示させる変化前表示体の表示パターンを統括制御CPU65aが決定する変化前表示体パターン決定テーブルが設定されている。変化前表示体パターン決定テーブルは、複数表示パターンの実行および単数表示パターンの実行の夫々に対して、所定数の変化前表示体パターン決定用判定値が割り当てられており、統括制御CPU65aが取得した変化前表示体パターン決定用乱数に基づいて、複数表示パターンの実行および単数表示パターンの実行の何れかを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した変化前表示体パターン決定用乱数の値が複数表示パターンの実行に割り当てられた変化前表示体パターン決定用判定値と一致する場合に、複数表示パターンに基づいて複数の変化前表示体(すなわち第1〜第3の変化前表示体)を表示させることを統括制御CPU65aが決定し、当該変化前表示体パターン決定用乱数の値が単数表示パターンの実行に割り当てられた当該判定値と一致する場合に、単数表示パターンに基づいて単数の変化前表示体(すなわち特殊変化前表示体)を表示させることを統括制御CPU65aが決定するようになっている。そして、メイン制御CPU60aにより擬似連続予告演出を実行させることを特定した擬似連続予告演出用の特図変動パターンが決定された場合(特図指定コマンドが入力された場合)には、当該特図変動パターンで特定される擬似連続回数の回数分だけ前記変化前表示体パターンを統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。
ここで、変化前表示体パターン決定テーブルは、メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果に応じて、統括制御CPU65aが複数表示パターンの実行および単数表示パターンの実行を決定する割合が異なるよう変化前表示体パターン決定用判定値の割当て数が設定されている。実施例では、実施例の変化前表示体パターン決定テーブルは、特図当り判定の判定が肯定(当りに当選)の判定の場合に、当該特図当り判定の判定が否定(はずれ)の判定の場合と比べて、統括制御CPU65aにより単数表示パターンの実行が決定される割合が高くなるよう変化前表示体パターン決定用判定値の割当て数が定められており、当該複数表示パターンに基づいて第1の図柄導出演出(図柄組合せ演出)が行われた場合よりも、単数表示パターンに基づいて第1の図柄導出演出(図柄組合せ演出)が行われた場合の方が当り遊技が生起される期待度が高くなるよう構成されている。
すなわち、前記第1の表示モード(第1の図柄導出演出)が決定された場合には、前記メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果に応じて、変化前表示体パターン決定テーブルに基づいて複数表示パターンの実行および単数表示パターンの実行の何れかを統括制御CPU65aが決定して、当該第1の図柄導出演出における変化前表示体の表示数(実施例では3つまたは1つ)を決定するよう構成されている。なお、前述のように、第2の図柄導出演出では変化前表示体が表示されないことから、前記第2の表示モード(第2の図柄導出演出)が決定された場合には、統括制御CPU65aが変化前表示体を決定しないよう設定されている。
具体的には、実施例において変化前表示体パターン決定用判定値として「0」〜「99」の100個の整数値が設定されており、特図当り判定の判定結果が肯定判定(当りに当選)の場合に、複数表示パターンの実行に対して60個の判定値が割り当てられると共に単数表示パターンの実行に対して40個の判定値が割り当てられ、特図当り判定の判定結果が否定判定(はずれ)の場合に、複数表示パターン実行に対して90個の判定値が割り当てられると共に単数表示パターンの実行に対して10個の判定値が割り当てられている。すなわち、第1の表示モードにおいて表示される変化前表示体の表示数によって当り遊技が生起される期待度が異なることで、当該第1の表示モードで行われる第1の図柄導出演出に対する遊技者の関心を高めている。
(複数表示パターンの種類の決定について)
また、前記統括制御ROM65bには、図15に示すように、複数表示パターンに基づいて第1の図柄導出演出を実行させることが決定された場合に、複数の複数表示パターンの内から1つの複数表示パターンを統括制御CPU65aが決定する複数表示パターン決定テーブルが設定されている。複数表示パターン決定テーブルは、前記第1〜第8の複数表示パターンの夫々に対して、所定数の複数表示パターン決定用判定値が割り当てられており、統括制御CPU65aが取得した複数表示パターン決定用乱数に基づいて、第1〜第8の複数表示パターンの何れかを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した複数表示パターン決定用乱数の値が一致する判定値が割り当てられた複数表示パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。
ここで、複数表示パターン決定テーブルは、前記メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果に応じて、統括制御CPU65aにより決定される割合が複数表示パターンの種類毎に異なるよう設定されている。実施例では、前記複数表示パターン決定テーブルは、特定の表示態様(実施例では赤色)で表示される変化前表示体の数によって第1の図柄導出演出(図柄組合せ演出)の結果として当り遊技が生起される期待度が異なるよう第1〜第8の複数表示パターンの夫々に対して所定数の複数表示パターン決定用判定値が割り当てられている。すなわち、実施例の複数表示パターン決定テーブルは、特図当り判定の判定が肯定(当りに当選)の判定の場合に、当該特図当り判定の判定が否定(はずれ)の判定の場合と比べて、特定の表示態様(赤色)で表示される変化前表示体の表示数がより多く設定された複数表示パターンが統括制御CPU65aにより決定される割合が高くなるよう第1〜第8の複数表示パターンに対して複数表示パターン決定用判定値が割り当てられている。
具体的には、実施例において複数表示パターン決定用判定値として「0」〜「99」の100個の整数値が設定されている。そして、特図当り判定の判定結果が肯定判定(当りに当選)の場合に、特定の表示態様(赤色)で表示される変化前表示体の表示数が「0」に設定された第1の複数表示パターンに対して5個の判定値が割り当てられ、特定の表示態様(赤色)で表示される変化前表示体の表示数が「1」に設定された第2〜第4の複数表示パターンに対して10個の判定値が割り当てられ、特定の表示態様(赤色)で表示される変化前表示体の表示数が「2」に設定された第5〜第7の複数表示パターンに対して15個の判定値が割り当てられ、特定の表示態様(赤色)で表示される変化前表示体の表示数が「3」に設定された第8の複数表示パターンに対して20個の判定値が割り当てられている。また、特図当り判定の判定結果が否定判定(はずれ)の場合に、特定の表示態様(赤色)で表示される変化前表示体の表示数が「0」に設定された第1の複数表示パターンに対して20個の判定値が割り当てられ、特定の表示態様(赤色)で表示される変化前表示体の表示数が「1」に設定された第2〜第4の複数表示パターンに対して15個の判定値が割り当てられ、特定の表示態様(赤色)で表示される変化前表示体の表示数が「2」に設定された第5〜第7の複数表示パターンに対して10個の判定値が割り当てられ、特定の表示態様(赤色)で表示される変化前表示体の表示数が「3」に設定された第8の複数表示パターンに対して5個の判定値が割り当てられている。すなわち、第1の表示モードにおいて表示される変化前表示体の表示態様(色彩)の組合せ(表示数)によって当り遊技が生起される期待度が異なることで、当該第1の表示モードで行われる第1の図柄導出演出に対する遊技者の関心を高めている。なお、複数表示パターン決定テーブルにおける複数表示パターン決定用判定値の割当て数は、前述したものに限られず、任意に変更し得るものである。また、実施例では、変化前表示体パターン決定テーブルおよび複数表示パターン決定テーブルを分けて設定した例を説明したが、1つのテーブルとして設定することも可能である。
(切替契機演出について)
前記図柄表示装置17に表示される前記切替契機演出は、第1の図柄導出演出において図柄表示装置17に表示された変化前表示体が、当該切替契機演出が表示されることによって恰も破壊等されて消滅する(非表示となる)ように認識させ得る形態で演出表示映像である。また、前記切替契機演出には、統括制御CPU65aにより決定された飾図が表示される組合せ図柄位置(具体的には後述する表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)を、当該飾図を表示させる組合せ図柄位置の順に示唆する順序示唆演出(一撃演出および連撃演出)が設定されており、当該順序示唆演出が表示されることで、各図柄列26a,26b,26cの飾図の表示順序を遊技者が認識し得るようになっている。実施例では、第1の図柄導出演出において、図柄表示装置17に表示させた変化前表示体が引き裂かれて消滅するように遊技者に認識される演出表示映像を前記切替契機演出として図柄表示装置17に表示させるよう設定されている。また、前記第2の図柄導出演出において図柄表示装置17に表示される切替契機演出は、前記第1の図柄導出演出において図柄表示装置17に表示される切替契機演出と同じ種類(表示形態)の演出表示映像が設定されている。すなわち、実施例の特定演出モードでは、第1の表示モード(第1の図柄導出演出)および第2の表示モード(第2の図柄導出演出)の何れが決定された場合でも、前記切替契機演出として同じ種類の演出表示映像が図柄表示装置17に表示された後に、統括制御CPU65aが決定した飾図が図柄表示装置17に表示されるようになっている。なお、図11(a)および図12は、同一の切替契機演出Kが表示された状態を示している。
(切替契機演出パターンについて)
前記統括制御ROM65bには、前記第1または第2の図柄導出演出において図柄表示装置17に表示させる切替契機演出を特定する切替契機演出パターンが複数種類設定されており、特定演出モードにおいて図柄組合せ演出が行われる場合に、当該複数種類の切替契機演出パターンから1つの切替契機演出パターンを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。ここで、切替契機演出パターンとしては、特定される切替契機演出の演出内容の系統が異なる複数種類のパターンが設定されている。具体的に、図16に示すように、切替契機演出パターンとして、変化前表示体に変えて飾図が表示される組合せ図柄位置を、当該飾り図柄を表示させる組合せ図柄位置の順に連続した一連表示により示唆する切替契機演出(一撃演出)を特定した切替契機演出パターン(以下、一撃パターンという)と、変化前表示体に変えて飾図が表示される組合せ図柄位置を、当該飾り図柄を表示させる組合せ図柄位置の順に別個独立して飾図を表示させる組合せ図柄位置の順に不連続の形態の表示により示唆する切替契機演出(連撃演出)を特定した切替契機演出パターン(以下、連撃パターンという)と、変化前表示体に変えて飾図が表示される組合せ図柄位置を、当該飾り図柄を表示させる組合せ図柄位置の順に関わりなく連続した一連表示により示唆する切替契機演出(交差演出)を特定した切替契機演出パターン(以下、クロスパターンという)とが設定されている。すなわち、実施例では、前記一撃パターンおよび連撃パターンにより特定される切替契機演出(一撃演出および連撃演出)が、前記順序示唆演出となっている。言い換えると、前記切替契機演出パターンの決定に伴い、各図柄列に対応した飾図の表示順序を統括制御CPU65aが決定するようになっている。また、メイン制御CPU60aにより擬似連続予告演出を実行させることを特定した擬似連続予告演出用の特図変動パターンが決定された場合(特図指定コマンドが入力された場合)には、当該特図変動パターンで特定される擬似連続回数の回数分だけ前記切替契機演出パターンを統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。
具体的に、前記統括制御ROM65bには、図16に示すように、図柄表示装置17における表示面17aの左上部から右下部に向けて斜め方向に切替契機演出を連続して表示させる第1の一撃パターンと、当該表示面17aの右上部から左下部に向けて斜め方向に切替契機演出(一撃演出)を一連に連続して表示させる第2の一撃パターンと、当該表示面17aの左下部から右上部に向けて斜め方向に切替契機演出(一撃演出)を一連に連続して表示させる第3の一撃パターンと、当該表示面17aの右下部から左上部に向けて斜め方向に切替契機演出(一撃演出)を一連に連続して表示させる第4の一撃パターンと、当該表示面17aの左右の略中央上部から左右の略中央下部に向けて縦方向に切替契機演出(一撃演出)を一連に連続して表示させる第5の一撃パターンと、当該表示面17aの上下の略中央左部から上下の略中央右部に向けて横方向に切替契機演出(一撃演出)を一連に連続して表示させる第6の一撃パターンとが前記一撃パターンの切替契機演出パターンとして設定されている。また、統括制御ROM65bには、図柄表示装置17における表示面17aの左側・右側および左右中央の順で切替契機演出(連撃演出)を個別に連続して表示させる第1の連撃パターンと、当該表示面17aの右側・左側および左右中央の順で切替契機演出(連撃演出)を個別に連続して表示させる第2の連撃パターンと、当該表示面17aの左側・左右中央および右側の順で切替契機演出(連撃演出)を個別に連続して表示させる第3の連撃パターンとが前記連撃パターンの切替契機演出パターンとして設定され、図柄表示装置17における表示面17aの左上部から右下部に向けて切替契機演出を一連に連続して表示させると共に右上部から左下部に向けて切替契機演出を一連に連続して表示させる交差演出が前記クロスパターンの切替契機演出パターンとして設定されている。すなわち、連撃パターンでは、切替契機演出が3回表示されるようになっている。なお、一撃パターン、連撃パターンおよびクロスパターンの設定数は一例であることは当然である。なお、図16の各連撃パターンに示す数字は、切替契機演出の表示順序を示している。
また、前記統括制御ROM65bには、図柄組合せ演出(図柄導出演出)で表示する切替契機演出の演出系統を統括制御CPU65aが決定する演出系統決定テーブル(図17参照)と、決定された切替契機演出の演出系統に含まれる切替契機演出パターンから1つの内から1つの切替契機演出パターンを統括制御CPU65aが決定する切替契機演出パターン決定テーブル(図18参照)とが設定されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、図柄導出演出が行われる場合に、切替契機演出の演出系統(一撃演出、連撃演出および交差演出の何れか)を統括制御CPU65aが一次的に決定し、当該決定に基づいて第1〜第6の一撃パターン、第1〜第3の連撃パターンおよびクロスパターンの何れか1つを統括制御CPU65aが二次的に決定することで、図柄表示装置17に表示させる切替契機演出が特定されるようになっている。
ここで、統括制御CPU65aが決定可能な切替契機演出の演出系統の種類は、当該統括制御CPU65aにより決定された変化前表示体パターンの種類に応じて定まるよう設定されている。実施例では、変化前表示体パターンとしての特定の変化前表示体パターン(実施例では、単数表示パターン)が決定されたか否かに応じて、統括制御CPU65aが決定可能な切替契機演出の演出系統の種類が異なるよう前記演出系統決定テーブルが設定されている。演出系統決定テーブルは、一撃演出、連撃演出および交差演出に対して、所定数の演出系統決定用判定値が割り当てられており、統括制御CPU65aが取得した演出系統決定用乱数に基づいて、一撃演出、連撃演出および交差演出の何れかでの図柄組合せ演出(図柄導出演出)の実行を統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した演出系統決定用乱数の値と一致する切替契機演出(一撃演出、連撃演出および交差演出)を統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した演出系統決定用乱数の値が一撃演出に割り当てられた演出系統決定用判定値と一致する場合に、一撃演出の切替契機演出を表示させることを統括制御CPU65aが決定し、当該演出系統決定用乱数の値が連撃演出に割り当てられた演出系統決定用判定値と一致する場合に、連撃演出の切替契機演出を表示させることを統括制御CPU65aが決定し、当該演出系統決定用乱数の値が交差演出に割り当てられた演出系統決定用判定値と一致する場合に、交差演出の切替契機演出を表示させることを統括制御CPU65aが決定するようになっている。
具体的には、実施例において演出系統決定用判定値として「0」〜「99」の100個の整数値が設定されている。そして、統括制御CPU65aにより単数表示パターンが決定された場合には、特図当り判定の判定結果に関わらず、前記切替契機演出の演出系統の内の交差演出に対して全ての演出系統決定用判定値が割り当てられている。従って、統括制御CPU65aが単数表示パターンを決定した場合には、切替契機演出パターンとして交差演出を特定するクロスパターンを統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。ここで、前記単数表示パターンは、前述のように、前記複数表示パターンと比べて、特図当り判定の判定結果が否定判定(はずれ)の場合よりも肯定判定(当りに当選)の場合に統括制御CPU65aにより決定される割合が高くなるよう前記変化前表示体パターン決定テーブルが設定されている。従って、統括制御CPU65aにより決定された切替契機演出パターンの種類(演出の系統)により前記当り表示が表示される期待度が異なるよう構成されている。
また、統括制御CPU65aにより単数表示パターンが決定された場合以外には、メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果に応じて、統括制御CPU65aが一撃演出および連撃演出を決定する割合が異なるよう前記演出系統決定テーブルにおける演出系統決定用判定値の割当て数が設定されている。実施例では、実施例の演出系統決定テーブルは、特図当り判定の判定が肯定(当りに当選)の判定の場合に、当該特図当り判定の判定が否定(はずれ)の判定の場合と比べて、統括制御CPU65aにより一撃演出が決定される割合が高くなるよう演出系統決定用判定値の割当て数が定められており、図柄導出演出(図柄組合せ演出)において切替契機演出として連撃演出が表示された場合よりも一撃演出が表示された場合の方が当り遊技が生起される期待度が高くなるよう構成してある。
具体的には、実施例において演出系統決定用判定値として「0」〜「99」の100個の整数値が設定されており、特図当り判定の判定結果が肯定判定(当りに当選)の場合に、一撃演出に対して60個の判定値が割り当てられると共に連撃演出に対して40個の判定値が割り当てられ、特図当り判定の判定結果が否定判定(はずれ)の場合に、一撃演出に対して40個の判定値が割り当てられると共に連撃演出に対して60個の判定値が割り当てられている。すなわち、統括制御CPU65aが単数表示パターンを決定していない場合には、切替契機演出として一撃演出を特定する一撃パターンまたは連撃演出を特定する連撃パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、統括制御CPU65aが第2の表示モード(変化前表示体を表示させない第2の図柄導出演出の実行)を決定した場合および統括制御CPU65aが複数表示パターンを決定した場合に、一撃パターンおよび連撃パターンの何れかが統括制御CPU65aにより決定されるようになっている。すなわち、統括制御CPU65aが単数表示パターンを決定していない場合には、第1および第2の図柄導出演出において多様な切替契機演出が図柄表示装置17に表示させ得るようになっている。
また、統括制御ROM65bには、統括制御CPU65aが切替契機演出として一撃演出の実行を決定した場合に、一撃演出を特定する第1〜第6の一撃パターンから1つの内から1つの切替契機演出パターンを統括制御CPU65aが決定する第1の切替契機演出パターン決定テーブルが設定されている。第1の切替契機演出パターン決定テーブルは、第1〜第6の一撃パターンに対して、所定数の第1の切替契機演出パターン決定用判定値が割り当てられており、統括制御CPU65aが取得した第1の切替契機演出パターン決定用乱数に基づいて、第1〜第6の一撃パターンの何れかで特定される切替契機演出を図柄組合せ演出(図柄導出演出)に表示させることを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した第1の切替契機演出パターン決定用乱数の値と一致する第1〜第6の一撃パターンの何れかを統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した第1の切替契機演出パターン決定用乱数の値と一致する第1の切替契機演出パターン決定用判定値が割り当てられた一撃パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。
ここで、第1の切替契機演出パターン決定テーブルは、図18(a)に示すように、前記メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果に応じて、第1〜第6の一撃パターン毎に統括制御CPU65aにより決定される割合が異なるよう設定されている。具体的には、前記第1の切替契機演出パターン決定テーブルは、第1の切替契機演出パターン決定用判定値として設定された100個の整数値が、特図当り判定の判定が肯定(当りに当選)の判定の場合には第1〜第6の一撃パターンの順に第1の切替契機演出パターン決定用判定値の割当て数が増加するよう設定されると共に、特図当り判定の判定が否定(はずれ)の判定の場合には、第1〜第6の一撃パターンの順に第1の切替契機演出パターン決定用判定値の割当て数が減少するよう設定されている。なお、第1の切替契機演出パターン決定テーブルにおける第1の切替契機演出パターン決定用判定値の割当て数は、前述したものに限られず、任意に変更し得るものである。すなわち、第1の切替契機演出パターン決定テーブルは、第1〜第6の一撃パターンの順で、各一撃パターンで特定される一撃演出の切替契機演出が行われる結果として当り表示となる飾図の組合せが表示される期待度が高くなるよう各一撃パターンに対して第1の切替契機演出パターン決定用判定値が割り当てられている。このように、一撃パターンで特定される切替契機演出(一撃演出)の表示内容によって当り遊技が生起される期待度が異なることで、第1または第2の図柄導出演出において一撃パターンで特定される切替契機演出に対する遊技者の関心を高めている。
また、統括制御ROM65bには、統括制御CPU65aが切替契機演出として連撃演出の実行を決定した場合に、連撃演出を特定する第1〜第3の連撃パターンから1つの内から1つの切替契機演出パターンを統括制御CPU65aが決定する第2の切替契機演出パターン決定テーブルが設定されている。第2の切替契機演出パターン決定テーブルは、第1〜第3の連撃パターンに対して、所定数の第2の切替契機演出パターン決定用判定値が割り当てられており、統括制御CPU65aが取得した第2の切替契機演出パターン決定用乱数に基づいて、第1〜第3の連撃パターンの何れかで特定される切替契機演出を図柄組合せ演出(図柄導出演出)に表示させることを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した第2の切替契機演出パターン決定用乱数の値と一致する第1〜第3の連撃パターンの何れかを統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した第2の切替契機演出パターン決定用乱数の値と一致する第2の切替契機演出パターン決定用判定値が割り当てられた連撃パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。
ここで、第2の切替契機演出パターン決定テーブルは、図18(b)に示すように、前記メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果に応じて、第1〜第3の連撃パターン毎に統括制御CPU65aにより決定される割合が異なるよう設定されている。具体的には、前記第2の切替契機演出パターン決定テーブルは、第2の切替契機演出パターン決定用判定値として設定された100個の整数値が、特図当り判定の判定が肯定(当りに当選)の判定の場合には第1〜第3の連撃パターンの順に第2の切替契機演出パターン決定用判定値の割当て数が増加するよう設定されると共に、特図当り判定の判定が否定(はずれ)の判定の場合には、第1〜第3の連撃パターンの順に第2の切替契機演出パターン決定用判定値の割当て数が減少するよう設定されている。なお、第2の切替契機演出パターン決定テーブルにおける第2の切替契機演出パターン決定用判定値の割当て数は、前述したものに限られず、任意に変更し得るものである。すなわち、第2の切替契機演出パターン決定テーブルは、第1〜第3の連撃パターンの順で、各連撃パターンで特定される連撃演出の切替契機演出が行われる結果として当り表示となる飾図の組合せが表示される期待度が高くなるよう各連撃パターンに対して第2の切替契機演出パターン決定用判定値が割り当てられている。このように、連撃パターンで特定される切替契機演出(連撃演出)の表示内容によって当り遊技が生起される期待度が異なることで、第1または第2の図柄導出演出において連撃パターンで特定される切替契機演出に対する遊技者の関心を高めている。
ここで、前記単数表示パターンは、前述のように、前記複数表示パターンと比べて、特図当り判定の判定結果が否定判定(はずれ)の場合よりも肯定判定(当りに当選)の場合に統括制御CPU65aにより決定される割合が高くなるよう前記変化前表示体パターン決定テーブルが設定されている。従って、統括制御CPU65aにより決定された切替契機演出パターンの種類により前記当り表示が表示される期待度が異なるよう構成されている。このように、実施例のクロスパターンで特定される切替契機演出は、第1の表示モードにおいて単数表示パターンで特定される変化前表示体が図柄表示装置17に表示される場合に統括制御CPU65aが決定可能な専用演出として設定され、一撃パターンおよび連撃パターンで特定される切替契機演出は、第1の表示モードおよび第2の表示モードにおいて統括制御CPU65aが決定可能な共通演出として設定されている。
(切替契機演出の表示態様の決定について)
また、統括制御CPU65aは、切替契機演出を実行させる場合に、特図当り判定の判定結果に応じて切替契機演出の表示態様を決定するよう設定されている。実施例では、特図当り判定の判定結果に応じて、切替契機演出を図柄表示装置17に表示させる際の色彩を複数の色彩から統括制御CPU65aが決定するよう設定されており、同一の切替契機演出パターンで特定される切替契機演出が図柄表示装置17に表示された場合に、図柄組合せ演出(図柄導出演出)の結果として当り表示となる飾図の組合せが表示される期待度がその色彩(表示態様)によって異なるよう構成されている。具体的に、実施例では、統括制御CPU65aが決定可能な切替契機演出の色彩として「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の5種類が設定されており、何れかの色彩を統括制御CPU65aが決定するようになっている。なお、統括制御CPU65aが決定する切替契機演出の表示態様としては、切替契機演出の色彩に限られるものではなく、例えば切替契機演出を線形に表示する場合に、その大きさや長さ、表示数等とすることも可能である。
統括制御ROM65bには、図19に示すように、切替契機演出を表示させる表示態様(色彩)を統括制御CPU65aが決定する表示態様決定テーブルが設定されている。ここで、表示態様決定テーブルは、切替契機演出パターンとして前記一撃パターンおよびクロスパターンの何れかが決定された場合に、その切替契機演出を表示させる表示態様(色彩)を統括制御CPU65aが決定する第1の表示態様決定テーブルと、切替契機演出パターンとして前記連撃パターンが決定された場合に、その切替契機演出を表示させる表示態様(色彩)を統括制御CPU65aが決定する第2の表示態様決定テーブルとが設定されている。
前記第1の表示態様決定テーブルは、図19(a)に示すように、特図当り判定の判定が肯定(当りに当選)の判定の場合には、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」の順に表示態様決定用判定値の割当て数が増加するよう設定されると共に、特図当り判定の判定が否定(はずれ)の判定の場合には、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」の順に表示態様決定用判定値の割当て数が減少するよう設定されており、統括制御CPU65aが取得した表示態様決定用乱数に基づいて、一撃パターンおよびクロスパターンで特定される切替契機演出を表示させる表示態様(色彩)を統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した表示態様決定用乱数の値が一致する判定値が割り当てられた切替契機演出の表示態様(色彩)を統括制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、図柄導出演出において一撃パターンおよびクロスパターンで特定される切替契機演出が「青色」、「緑色」、「赤色」および「金色」の何れかの表示態様(色彩)で表示された場合に、その表示態様によって図柄組合せ演出(図柄導出演出)の結果として当り表示となる飾図の組合せが表示される期待度が変化するようになっている。また、前記第1の表示態様決定テーブルでは、特図当り判定の判定が肯定(当りに当選)の判定の場合に「虹色」に対して所定数(実施例では4個)の表示態様決定判定値が割り当てられるのに対し、特図当り判定の判定が否定(はずれ)の判定の場合に「虹色」に対して表示態様決定判定値の割当て数が「0」に設定されている。すなわち、図柄導出演出において一撃パターンおよびクロスで特定される切替契機演出が特定の表示態様(すなわち虹色)で表示された場合に、その図柄組合せ演出(図柄導出演出)の結果として当り表示となる飾図の組合せが表示されることが確定的に報知されるようになっている。このように、当り表示となる飾図の組合せが表示されることが確定的に報知される切替契機演出の表示態様を設定することで、図柄組合せ演出(図柄導出演出)で表示される切替契機演出に対する遊技者の関心を一層高めることができる。
前記統括制御ROM65bに設定された前記第2の表示態様決定テーブルは、図19(b)に示すように、連撃パターンで特定される切替契機演出の表示態様の変化を特定した表示態様変化パターンが設定されている。ここで、各表示態様変化パターンの夫々は、各連撃パターンに基づいて3回表示される切替契機演出における各回の表示態様(色彩)の組合せを特定するよう設定されており、2の表示態様決定テーブルに基づいて1つの表示態様変化パターンを統括制御CPU65aが決定することで、連撃パターンに基づいて切替契機演出が表示される際の表示態様(色彩)が特定されるようになっている。具体的に、第1の表示態様変化パターンは、1〜3回目の切替契機演出の表示態様(色彩)として「青色」が設定され、第2の表示態様変化パターンは、1〜2回目の切替契機演出の表示態様(色彩)として「青色」が設定されると共に3回目の切替契機演出の表示態様(色彩)として「緑色」が設定され、第3の表示態様変化パターンは、1〜3回目の切替契機演出の表示態様(色彩)として「緑色」が設定され、第4の表示態様変化パターンは、1〜2回目の切替契機演出の表示態様(色彩)として「青色」が設定されると共に3回目の切替契機演出の表示態様(色彩)として「赤色」が設定されている。また、第5の表示態様変化パターンは、1回目の切替契機演出の表示態様(色彩)として「青色」が設定され、2回目の切替契機演出の表示態様(色彩)として「緑色」が設定されると共に3回目の切替契機演出の表示態様(色彩)として「赤色」が設定され、第6の表示態様変化パターンは、1〜3回目の切替契機演出の表示態様(色彩)として「赤色」が設定されている。なお、表示態様変化パターンの設定数は、任意に変更可能である。
前記第2の表示態様決定テーブルは、図19(b)に示すように、第1〜第6の表示態様変化パターンの夫々に対して所定数の表示態様変化パターン決定用判定値が割り当てられており、統括制御CPU65aが取得した表示態様変化パターン決定用乱数に基づいて、何れかの表示態様変化パターンを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した表示態様変化パターン決定用乱数の値が一致する判定値が設定された第1〜第6の表示態様変化パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。
ここで、前記第2の表示態様決定テーブルは、図19(b)に示すように、前記メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果に応じて、表示態様変化パターン毎に統括制御CPU65aにより決定される割合が異なるよう設定されている。実施例では、第2の表示態様決定テーブルは、特図当り判定の判定が肯定(当りに当選)の判定の場合に、当該特図当り判定の判定が否定(はずれ)の判定の場合と比べて、特定の表示態様(赤色)で表示される切替契機演出の表示数がより多く設定された表示態様変化パターンが統括制御CPU65aにより決定される割合が高くなるよう第1〜第6の表示態様変化パターンに対して表示態様変化パターン決定用判定値が割り当てられている。
具体的には、前記第2の表示態様決定テーブルは、特図当り判定の判定が肯定(当りに当選)の判定の場合には第1〜第6の表示態様変化パターンの順に表示態様変化パターン決定用判定値の割当て数が増加するよう設定されると共に、特図当り判定の判定が否定(はずれ)の判定の場合には、第1〜第6の表示態様変化パターンの順に表示態様変化パターン決定用判定値の割当て数が減少するよう設定されている。なお、第2の表示態様決定テーブルにおける表示態様変化パターン決定用判定値の割当て数は、前述したものに限られず、任意に変更し得るものである。すなわち、第2の表示態様決定テーブルは、「青色」の切替契機演出が行われる場合よりも「緑色」の切替契機演出が行われる場合の方が図柄組合せ演出(図柄導出演出)の結果として当り表示となる飾図の組合せが表示される期待度が高くなるよう表示態様変化パターンに対して表示態様変化パターン決定用判定値が割り当てられると共に、「緑色」の切替契機演出が行われる場合よりも「赤色」の切替契機演出が行われる場合の方が図柄組合せ演出(図柄導出演出)の結果として当り表示となる飾図の組合せが表示される期待度が高くなるよう表示態様変化パターンに対して表示態様変化パターン決定用判定値が割り当てられている。このように、連撃パターンで特定される切替契機演出における表示態様(色彩)の組合せによって当り遊技が生起される期待度が異なることで、第1または第2の図柄導出演出において連撃パターンで特定される切替契機演出に対する遊技者の関心を高めている。
(飾図停止パターンについて)
前記統括制御ROM65bには、図20に示すように、特定演出モード(第1の表示モードおよび第2の表示モード)で行われる図柄組合せ演出(図柄導出演出)において、前記切替契機演出の実行を契機として組合せの対象となる各図柄列26a,26b,26cの飾図を表示させる組合せ図柄位置を定めた複数の飾図停止パターンが設定されており、当該第1および第2の図柄導出演出を行う際に、統括制御CPU65aが1つの飾図停止パターンを決定するよう構成されている。ここで、少なくとも何れか1つの図柄列26a,26b,26cに対応した組合せ図柄位置には、飾図を表示可能な複数の表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12が含まれるよう設定され、複数設定された表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12の1つに、各図柄列26a,26b,26cに対応した1つの飾図が表示されるようになっている。すなわち、各飾図停止パターンは、各図柄列26a,26b,26cに対応した組合せ図柄位置に含まれる表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12が1つずつ特定されている。
実施例では、左図柄列26a・中図柄列26b・右図柄列26cの夫々に対応した組合せ図柄位置に、複数(実施例では12個)の表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12が含まれるよう設定されている。具体的に、左図柄列26aに対応する飾図を表示可能な組合せ図柄位置として、表示位置が異なる12通りの表示領域L1〜L12が設定され、中図柄列26bに対応する飾図を表示可能な組合せ図柄位置として、表示位置が異なる12通りの表示領域C1〜C12が設定され、右図柄列26cに対応する飾図を表示可能な組合せ図柄位置として、表示位置が異なる12通りの表示領域R1〜R12が設定されており、各飾図停止パターンにおいて各図柄列26a,26b,26c毎に1つの表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12が設定されている。そして、統括制御ROM65bには、各図柄列26a,26b,26cの表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12を1つずつ組み合わせて12種類の飾図停止パターンが設定されており、以下の説明では、これらの飾図停止パターンを、第1〜12の飾図停止パターンと指称して区別する場合がある。
ここで、第1〜第9の飾図停止パターンおよび第12の飾図停止パターンで特定される左図柄列26aに対応する飾図の表示領域L1〜L9,L12は、図柄表示装置17における表示面17aの左右の中央より左側に偏った位置に設定され、当該第1〜第9の飾図停止パターンおよび第12の飾図停止パターンで特定される右図柄列26cに対応する飾図の表示領域R1〜R9,R12は、図柄表示装置17における表示面17aの左右の中央より右側に偏った位置に設定されると共に、当該第1〜第9の飾図停止パターンおよび第12の飾図停止パターンで特定される中図柄列26bに対応する飾図の表示領域C1〜C9,C12は、図柄表示装置17における表示面17aの左右の中央に寄った位置(表示領域L1〜L9,L12および表示領域R1〜R9,R12の間)に設定されている。すなわち、第1〜第9の飾図停止パターンおよび第12の飾図停止パターンに基づいて飾図が表示される場合には、各図柄列26a,26b,26cの飾図が左右方向にずれて表示されることで、各図柄列26a,26b,26cに対応した飾図を遊技者に認識させ得るよう設定してある。なお、左図柄列26aに対応する飾図の表示領域L1〜L9,L12、中図柄列26bに対応する飾図の表示領域C1〜C9,C12および右図柄列26cに対応する飾図の表示領域R1〜R9,R12の夫々は、左右方向および上下方向で部分的に重なりを有するよう設定してもよい。
また、第10および第11の飾図停止パターンで特定される左図柄列26aに対応する飾図の表示領域L10,L11は、図柄表示装置17における表示面17aの左右の中央側でかつ上側に偏った位置に設定され、第10および第11の飾図停止パターンで特定される右図柄列26cに対応する飾図の表示領域R10,R11は、図柄表示装置17における表示面17aの左右の中央側でかつ下側に偏った位置に設定されると共に、第10および第11の飾図停止パターンで特定される中図柄列26bに対応する飾図の表示領域C10,C11は、図柄表示装置17における表示面17aの上下の中央に寄った位置(表示領域L10,L11および表示領域R10,R11の間)に設定されている。すなわち、第10および第11の飾図停止パターンに基づいて飾図が表示される場合には、各図柄列26a,26b,26cの飾図が上下方向にずれて表示されることで、各図柄列26a,26b,26cに対応した飾図を遊技者に認識させ得るよう設定してある。なお、左図柄列26aに対応する飾図の表示領域L10,L11、中図柄列26bに対応する飾図の表示領域C10,C11および右図柄列26cに対応する飾図の表示領域R10,R11の夫々は、左右方向および上下方向で部分的に重なりを有するよう設定してもよい。
ここで、各飾図停止パターンにより特定される表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12を全て異ならせるよう構成したが、これに限られるものではなく、各飾図停止パターンにより特定される表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12の一部が重複するようにしてもよい。すなわち、各飾図停止パターンにより特定される表示領域の組合せを異なるよう設定することで、多彩な位置に飾図を表示させることができる。
(飾図停止パターンの決定)
前記飾図停止パターンは、図20に示すように、前記切替契機演出の実行を契機として図柄表示装置17に表示される各図柄列26a,26b,26cに対応した飾図の表示順序に応じて、統括制御CPU65aが決定可能な種類が定められている。具体的に、左図柄列26a・中図柄列26b・右図柄列26cの順で飾図が表示される場合に統括制御CPU65aが決定可能なパターンとしては、7種類(第1、第2、第5〜第7、第10、第11)の飾図停止パターンが設定され、右図柄列26c・中図柄列26b・左図柄列26aの順で飾図が表示される場合に統括制御CPU65aが決定可能なパターンとしては、2種類(第3および第4)の飾図停止パターンが設定され、右図柄列26c・左図柄列26a・中図柄列26bの順で飾図が表示される場合に統括制御CPU65aが決定可能なパターンとしては、2種類(第8および第9)の飾図停止パターンが設定され、3つの図柄列26a,26b,26cの飾図が同時に表示される場合に統括制御CPU65aが決定可能なパターンとして、1種類(第12)の飾図停止パターンが設定されている。
前記統括制御ROM65bには、図21に示すように、前記複数の飾図停止パターンの内から1つの飾図停止パターンを統括制御CPU65aが決定する飾図停止パターン決定テーブルが設定されている。飾図停止パターン決定テーブルは、第1〜第12の飾図停止パターンの何れかに対して、所定数の飾図停止パターン決定用判定値が割り当てられており、統括制御CPU65aが取得した飾図停止パターン決定用乱数に基づいて、第1〜第12の飾図停止パターンの中から1つを統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、統括制御CPU65aが取得した飾図停止パターン決定用乱数の値と一致する飾図停止パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。また、メイン制御CPU60aにより擬似連続予告演出を実行させることを特定した擬似連続予告演出用の特図変動パターンが決定された場合(特図指定コマンドが入力された場合)には、当該特図変動パターンで特定される擬似連続回数の回数分だけ前記飾図停止パターンを統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。
ここで、統括制御CPU65aが決定可能な飾図停止パターンの種類は、当該統括制御CPU65aにより決定された切替契機演出パターンの種類に応じて定まるよう設定されている。すなわち、切替契機演出パターンにより特定される切替契機演出の表示形態にあった飾図の表示順序となる飾図停止パターンを統括制御CPU65aが決定するよう飾図停止パターン決定テーブルが設定されている。具体的には、左上部から右下部に向けて斜め方向に切替契機演出を連続して表示させる第1の一撃パターンおよび左下部から右上部に向けて斜め方向に切替契機演出を連続して表示させる第3の一撃パターンの何れかが決定された場合には、前記第1の飾図停止パターンおよび第2の飾図停止パターンに飾図停止パターン決定用判定値が割り当てられ、右上部から左下部に向けて斜め方向に切替契機演出を連続して表示させる第2の一撃パターンおよび右下部から左上部に向けて斜め方向に切替契機演出を連続して表示させる第4の一撃パターンの何れかが決定された場合には、前記第3の飾図停止パターンおよび第4の飾図停止パターンに飾図停止パターン決定用判定値が割り当てられ、左右の略中央上部から左右の略中央下部に向けて縦方向に切替契機演出を連続して表示させる第5の一撃パターンが決定された場合には、前記第10の飾図停止パターンおよび第11の飾図停止パターンに飾図停止パターン決定用判定値が割り当てられており、決定された切替契機演出パターンの種類に応じて定められた所定の飾図停止パターンの内から、取得した飾図停止パターン決定用乱数に応じて統括制御CPU65aが1つの飾図停止パターンを決定するようになっている。また、略中央左部から上下の略中央右部に向けて横方向に切替契機演出を連続して表示させる第6の一撃パターンが決定された場合には、前記第5の飾図停止パターンに飾図停止パターン決定用判定値が割り当てられており、取得した飾図停止パターン決定用乱数に関わらず統括制御CPU65aが第5の飾図停止パターンを決定するようになっている。
更に、左側・右側および左右中央の順で切替契機演出を個別に表示させる第1の連撃パターンが決定された場合には、前記第6の飾図停止パターンおよび第7の飾図停止パターンに飾図停止パターン決定用判定値が割り当てられ、右側・左側および左右中央の順で切替契機演出を個別に表示させる第2の連撃パターンが決定された場合には、前記第8の飾図停止パターンおよび第9の飾図停止パターンに飾図停止パターン決定用判定値が割り当てられ、左側・左右中央および右側の順で切替契機演出を個別に表示させる第3の連撃パターンが決定された場合には、前記第1の飾図停止パターンおよび第2の飾図停止パターンに飾図停止パターン決定用判定値が割り当てられており、決定された切替契機演出パターンの種類に応じて定められた所定の飾図停止パターンの内から、取得した飾図停止パターン決定用乱数に応じて統括制御CPU65aが1つの飾図停止パターンを決定するようになっている。更にまた、左上部から右下部に向けて切替契機演出を連続して表示させると共に右上部から左下部に向けて切替契機演出を連続して表示させるクロスパターンが決定された場合には、前記第12の飾図停止パターンに飾図停止パターン決定用判定値が割り当てられており、取得した飾図停止パターン決定用乱数に関わらず統括制御CPU65aが第12の飾図停止パターンを決定するようになっている。
前記飾図停止パターン決定テーブルでは、図21に示すように、統括制御CPU65aが複数の飾図停止パターンの内から1つを決定する場合には、当該統括制御CPU65aが決定可能な飾図停止パターンの夫々に対して飾図停止パターン決定用判定値が均等に割り当てられている。すなわち、実施例では、取得した飾図停止パターン決定用乱数に応じて、決定可能な飾図停止パターンの中から等しい割合で1つの飾図停止パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっており、同じ切替契機演出が実行された場合に飾図が表示される位置を多彩にして、遊技の興趣を高めるようにしている。ここで、統括制御CPU65aが複数の飾図停止パターンの内から1つを決定する場合に、当該統括制御CPU65aが決定可能な飾図停止パターンに対する飾図停止パターン決定用判定値の割当て数を、特図当り判定の判定結果に応じて異ならせるようにすることができる。すなわち、飾図停止パターン決定テーブルにおいて、特図当り判定の判定結果が否定判定(はずれ)の場合よりも肯定判定(当りに当選)の場合に、統括制御CPU65aが決定可能な飾図停止パターンの内の特定の飾図停止パターンに対して割り当てられる飾図停止パターン決定用判定値を多くしたり、少なくすることで、飾図が表示される位置によって当り表示が表示される期待度を異ならせることができ、飾図の表示位置に対する関心を一層高めることができる。
ここで、同じ切替契機演出パターンに基づいて統括制御CPU65aが決定可能な飾図停止パターンの夫々で特定される飾図の表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12は、当該飾図停止パターンに対応した切替契機演出パターンに基づいて表示される切替契機演出と少なくとも一部が重なる位置に設定されており、当該切替契機演出により組合せの対象となる1つの飾図が表示される複数の表示領域を示唆し得るよう構成される。すなわち、前記切替契機演出の夫々は、1つの組合せ図柄位置に含まれる複数の表示領域に跨がって表示されるよう設定されて、当該切替契機演出により組合せの対象となる1つの飾図が表示される複数の表示領域を示唆し得るよう構成され、切替契機演出を契機として飾図が表示される一連の図柄導出演出の一体感を高めている。また、同じ切替契機演出を契機として異なった位置に飾図が表示されることで、飾図が表示されるまでの過程を多様化し得る。すなわち、前記切替契機演出としての一撃演出は、組合せの対象となる飾図が表示される各図柄列26a,26b,26c毎の複数の組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)に跨がると共に飾図を表示させる組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)の順に連続した形態で表示されるようになっている。
具体的には、第1の飾図停止パターンで特定される各図柄列26aの飾図が表示される表示領域L1,C1,R1の夫々および第2の飾図停止パターンで特定される各図柄列26aの飾図が表示される表示領域L2,C2,R2の夫々は、当該第1および第2の飾図停止パターンに対応する第1の一撃パターンにより特定される切替契機演出の表示と少なくとも一部が重なるよう設定される。図11(a)には、第1の一撃パターンにより特定される切替契機演出と、当該第1の一撃パターンが決定された場合に統括制御CPU65aが決定可能な第1および第2の飾図停止パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cに対応する飾図の表示領域L1,C1,R1,L2,C2,R2との関係を一例として示すと共に、図12(b)には、クロスパターンにより特定される切替契機演出と、当該クロスパターンが決定された場合に統括制御CPU65aが決定可能な第12の飾図停止パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cに対応する飾図の表示領域L12,C12,R12との関係を一例として示してある。同様に、図12には、第6の飾図停止パターンで特定される各図柄列26aの飾図が表示される表示領域L6,C6,R6の夫々および第7の飾図停止パターンで特定される各図柄列26aの飾図が表示される表示領域L7,C7,R7の夫々は、当該第6および第7の飾図停止パターンに対応する第1の連撃パターンにより特定される切替契機演出の表示と少なくとも一部が重なるよう設定される。なお、その他の飾図停止パターンおよび切替契機演出パターンに関しても同様に、各表示領域が対応する切替契機演出の表示と少なくとも一部が重なるようになっている。
また、前記飾図停止パターンで特定される飾図の表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12は、前記第1の表示モードにおいて第1の図柄導出演出が行われる際に、前記図柄表示装置17に表示される前記変化前表示体の表示位置に少なくとも一部が重なるよう設定されており、前記切替契機演出の表示を契機として非表示にされた変化前表示体の表示位置に少なくとも部分的に重なる状態で、各図柄列26a,26b,26cの飾図が表示されるよう構成されている。言い換えると、前記変化前表示体の表示位置は、決定された飾図停止パターンで特定される飾図の表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12に基づいて、当該表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12と少なくとも一部が重なる位置となるよう統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。
具体的に実施例では、前記第1〜第8の複数表示パターンの何れかが決定された場合に、前記第1〜第11の飾図停止パターンが統括制御CPU65aにより決定される可能性がある。従って、この第1〜第11の飾図停止パターンで特定される左図柄列26aに対応する飾図を表示可能な表示領域L1〜L11の夫々は、切替契機演出の表示を契機として非表示となるのに伴って当該左図柄列26aに対応する飾図に変化される前記第1の変化前表示体の表示位置と少なくとも一部が重なり、中図柄列26bに対応する飾図を表示可能な表示領域C1〜C11の夫々は、切替契機演出の表示を契機として非表示となるのに伴って当該中図柄列26bに対応する飾図に変化される前記第2の変化前表示体の表示位置と少なくとも一部が重なり、右図柄列26cに対応する飾図を表示可能な表示領域R1〜R11の夫々は、切替契機演出の表示を契機として非表示となるのに伴って当該中図柄列26cに対応する飾図に変化される前記第3の変化前表示体の表示位置と少なくとも一部が重なるよう設定される。図11(a)に、複数表示パターンにより特定された第1〜第3の変化前表示体の表示位置と、当該複数表示パターンが決定された場合に統括制御CPU65aが決定可能な第1および第2の飾図停止パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cに対応する飾図の表示領域L1,C1,R1,L2,C2,R2との関係を一例として示してある。
また、実施例において前記単数表示パターンが決定された場合に、前記第12の飾図停止パターンが統括制御CPU65aにより決定される可能性がある。従って、第12の飾図停止パターンで特定される各図柄列26aに対応する飾図を表示可能な表示領域L12,C12,R12の夫々が、切替契機演出の表示を契機として非表示となるのに伴って当該各図柄列26a,26b,26cに対応する飾図に変化される前記特殊変化前表示体の表示位置と少なくとも一部が重なるよう設定されている。図11(B)に、単数表示パターンにより特定された特殊変化前表示体の表示位置と、当該単数表示パターンが決定された場合に統括制御CPU65aが決定可能な第12の飾図停止パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cに対応する飾図の表示領域L12,C12,R12との関係を一例として示してある。
このように、統括制御CPU65aは、前記図柄導出演出において前記演出表示手段としての図柄表示装置17に表示される変化前表示体および切替契機演出の複数種類の組合せから1つの組合せを決定する図柄導出演出決定手段として機能している。また、統括制御CPU65aは、前記変化前表示体に変えて飾図を表示させる組合せ図柄位置の順序を複数種類の中から決定する表示順序決定手段として機能する。
(統括制御CPU65aによる演出決定処理について)
次に、特定演出モードにおいて統括制御CPU65aにより行われる演出決定処理の一例について、図22、図23を用いて説明する。
特定演出モードでは、ステップE11において連続予告演出の実行途中であるか否かを統括制御CPU65aが判定する。ここで、連続予告演出の実行途中とは、連続予告演出が行われていることを遊技者が把握可能な状態であって、実行回数分の連続予告演出が行われていない状態である。すなわち、メイン制御基板60から入力される先読みコマンドの入力を契機として行われる連続予告演出の実行判定において、連続予告演出の実行を決定しているか否かを統括制御CPU65aが判定するようになっている。具体的には、連続予告演出を実行することを決定した場合に設定される連続予告演出実行フラグに基づいて、連続予告演出の実行途中であるか否かを統括制御CPU65aが判定している。そして、連続予告演出の実行途中でない場合(連続予告演出実行フラグが「0」の場合)にステップE12に移行し、連続予告演出の実行途中である場合(連続予告演出実行フラグが「1」の場合)には、ステップE19に移行する。
ステップE12では、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンが特定の特図変動パターンか否かを統括制御CPU65aが判定する。実施例では、特定の特図変動パターンとして直当りの特図変動パターンおよび擬似連続予告演出用の特図変動パターンが設定されており、直当りの特図変動パターンまたは擬似連続予告演出用の特図変動パターンを指定する特図変動パターン指定コマンドがメイン制御CPU60aから入力されたか否かを統括制御CPU65aが判定するようになっている。そして、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンが特定の特図変動パターンでない場合に、ステップE13に移行し、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンが特定の特図変動パターンである場合に、統括制御CPU65aが第1の表示モードを決定する(ステップE14)。
ステップE13では、図柄組合せ演出を実行する表示モードを、第1の表示モードとするか否かを統括制御CPU65aが決定する。具体的に、統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンがリーチなしはずれ用の特図変動パターンの場合に、前記第1の表示モード決定テーブルに基づいて取得した第1の表示モード決定用乱数と一致する判定値が割り当てられた表示モードを決定するようになっている(ステップE14,E15)。すなわち、リーチなしはずれ用の特図変動パターンが決定された場合には、統括制御CPU65aにより第1の表示モードよりも第2の表示モードが決定され易くなっている。また、統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンがリーチなしはずれ用の特図変動パターン以外の場合に、前記第2の表示モード決定テーブルに基づいて取得した第2の表示モード決定用乱数と一致する判定値が割り当てられた表示モードを決定するようになっている(ステップE14,E15)。すなわち、リーチなしはずれ用の特図変動パターン以外の特図変動パターンが決定された場合には、特図当り判定の判定結果に応じて統括制御CPU65aにより第1の表示モードおよび第2の表示モードの何れかが決定される。
このように、実施例のパチンコ機では、特定の特図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定された場合には、統括制御CPU65aにより第1の表示モードが強制的に決定され、特定の特図変動パターン以外の特図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定された場合には、当該メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果に基づいて、第1の表示モードおよび第2の表示モードの何れかが統括制御CPU65aにより決定される。すなわち、当り遊技が生起される場合に、第1の表示モードにおいて図柄組合せ演出(図柄導出演出)が行われる場合には、リーチ演出を伴わずに当り表示となる組合せで飾図が表示され得るのに対し、第2の表示モードにおいて図柄組合せ演出(図柄導出演出)が行われる場合には、リーチ演出を伴って当り表示となる組合せで飾図が表示され得るようになっており、表示モード毎に当り表示となる飾図の組合せが導出される過程を変化させて遊技の興趣を高めている。また、第1の表示モードで図柄組合せ演出(第1の図柄導出演出)が行われる場合に、擬似連続予告演出が行われ得るのに対し、第2の表示モードにおいて図柄組合せ演出(第2の図柄導出演出)が行われる場合には、擬似連続予告演出以外の演出が行われるようになっており、表示モード毎に当り表示となる飾図の組合せが導出される過程を変化させて遊技の興趣を高めている。
表示モードとして第1の表示モードが決定されると、第1の図柄導出演出(図柄組合せ演出)において図柄表示装置17に表示される変化前表示体の表示パターンを統括制御CPU65aが決定する(ステップE16)。ここで、前記特定の特図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定された場合には、前記変化前表示体パターンとして単数表示パターンを統括制御CPU65aが決定する。また、特定の特図変動パターン以外の特図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定された場合には、前記変化前表示体パターン決定テーブルに基づいて複数表示パターンの実行および単数表示パターンの実行の何れかを統括制御CPU65aが決定する。更に、複数表示パターンの実行が決定された場合には、複数表示パターン決定テーブルに基づいて第1〜第8の複数表示パターンの何れか1つを統括制御CPU65aが決定する。
このように、第1の表示モードにおいて図柄組合せ演出(第1の図柄導出演出)が行われて当り遊技が生起される場合に、単数表示パターンで特定される変化前表示体が図柄表示装置17に表示されることで、リーチ演出を伴わずに当り表示となる組合せで飾図が表示され得る期待感を生じさせることができ、単数表示パターンで特定される変化前表示体が表示されることへの関心を高めて遊技の興趣を向上し得るようになっている。また、図柄組合せ演出(第1の図柄導出演出)において、単数の変化前表示体が表示されるか、複数の変化前表示体が表示されるかによって、当り遊技が生起されることへの期待感が変わると共に、複数表示される変化前表示体の表示態様(色彩)の組合せによっても当り遊技が生起されることへの期待感が変わり、第1の図柄導出演出において表示される変化前表示体の種類に対する関心を惹き付けることができる。
ステップE16において変化前表示体パターンが決定されるか、ステップE15において第2の表示モードが決定されると、第1または第2の図柄導出演出(図柄組合せ演出)において図柄表示装置17に表示される切替契機演出を統括制御CPU65aが決定する(ステップE17)。具体的に、統括制御CPU65aは、演出系統決定テーブルに基づいて取得した演出系統決定用乱数と一致する判定値が割り当てられた切替契機演出の系統(一撃演出、連撃演出および交差演出の何れか)を決定する。そして、切替契機演出の系統として交差演出を決定した場合には、統括制御CPU65aがクロスパターンを決定する。また、切替契機演出の系統として一撃演出が決定された場合には、第1の切替契機演出パターン決定テーブルルに基づいて取得した第1の切替契機演出パターン決定用乱数と一致する判定値が割り当てられた一撃パターンの1つを統括制御CPU65aが決定し、切替契機演出の系統として連撃演出が決定された場合には、第2の切替契機演出パターン決定テーブルルに基づいて取得した第2の切替契機演出パターン決定用乱数と一致する判定値が割り当てられた連撃パターンの1つを統括制御CPU65aが決定する。そして、切替契機演出パターンとして一撃パターンまたはクロスパターンが決定された場合には、第1の表示態様決定テーブルに基づいて、当該各パターンで特定される切替契機演出を表示させる表示態様(色彩)を統括制御CPU65aが決定する。また、切替契機演出パターンとして連撃パターンが決定された場合には、第2の表示態様決定テーブルに基づいて第1〜第6の表示態様変化パターンの何れか統括制御CPU65aを決定することで、連撃パターンで特定される各回の切替契機演出を表示させる表示態様(色彩)を決定する。
このように、図柄組合せ演出(第1または第2の図柄導出演出)において、表示される切替契機演出によって当り遊技が生起されることへの期待感が変わることで、図柄導出演出において表示される切替契機演出の種類に対する関心を惹き付けることができる。また、特定の特図変動パターン(直当り用の特図変動パターンまたは擬似連続演出用の特図変動パターン)がメイン制御CPU60aにより決定された場合には、前述のように単数表示パターンが決定されることに伴って切替契機演出パターンとしてクロスパターンが統括制御CPU65aにより決定される。従って、クロスパターンで特定された切替契機演出が図柄表示装置17に表示されることで、リーチ演出を伴わずに当り表示となる組合せで飾図が表示され得る期待感を生じさせることができ、当該クロスパターンで特定された切替契機演出を契機として表示される飾図への関心を高めて遊技の興趣を向上し得るようになっている。
ステップE17において切替契機演出パターンが決定されると、第1または第2の図柄導出演出(図柄組合せ演出)において各図柄列26a,26b,26cの飾図を表示させる組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)を統括制御CPU65aが決定する(ステップE18)。具体的に、統括制御CPU65aは、取得した飾図停止パターン決定用乱数と一致する判定値が割り当てられた飾図停止パターンを、前記飾図停止パターン決定テーブルに基づいて決定する。このように、決定された切替契機演出の種類に応じて各図柄列26a,26b,26cに対応する飾図の表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12を決定することで、切替契機演出と、当該切替契機演出が表示されることを契機として表示される飾図との関連性を高めて演出効果を向上することが可能となる。
また、図23に示すように、ステップE12における判定結果が連続予告演出の実行途中である場合(連続予告演出の実行フラグが「1」の場合)には、統括制御CPU65aが第1の表示モードを決定する(ステップE19)。すなわち、実施例のパチンコ機では、連続予告演出の実行が決定された場合には、統括制御CPU65aにより第1の表示モードが強制的に決定される。このように、第1の表示モードで図柄組合せ演出(第1の図柄導出演出)が行われる場合に、連続予告演出が行われ得るのに対し、第2の表示モードにおいて図柄組合せ演出(第2の図柄導出演出)が行われる場合には、連続予告演出以外の演出が行われるようになっており、表示モード毎に当り表示となる飾図の組合せが導出される過程を変化させて遊技の興趣を高めている。また、連続予告演出が行われる場合以外でも第1の表示モードにおいて図柄組合せ演出(第1の図柄導出演出)が行われ得ることで、第1の表示モードで行われる演出に対する関心を高めることができる。例えば、第1の表示モードにおいて、連続予告演出である可能性を段階的に示唆する示唆演出を実行するよう構成することで、連続予告演出が行われているか否かに関して遊技者の関心を持たせるようにしてある。
また、図23に示すように、ステップE12における判定結果が連続予告演出の実行途中である場合(連続予告演出の実行フラグが「1」の場合)には、連続予告演出の初期実行回数が「1」より多いか否かを統括制御CPU65aが判定し(ステップE20)、初期実行回数が「1」より多い場合には、複数表示パターンの実行を統括制御CPU65aが決定する一方(ステップE21)、初期実行回数が「1」の場合には、複数表示パターンの実行を統括制御CPU65aが決定する(ステップE22)。ここで、複数表示パターンの実行を決定した場合には、前述したステップE16と同様に、複数表示パターン決定テーブルに基づいて第1〜第8の複数表示パターンの何れか1つを統括制御CPU65aが決定する。すなわち、第1の図柄導出演出(図柄組合せ演出)において図柄表示装置17に表示される変化前表示体の表示パターンを、連続予告演出の初期実行回数に応じて実施例の統括制御CPU65aが強制的に決定するよう構成されている。このとき、連続予告演出の初期実行回数が「1」の場合に、変化前表示体パターンとして単数表示パターンが決定されるようにしたことで、連続予告演出の実行回数が少ない場合でも、連続予告演出の結果として当り表示が表示される期待感を高めることができる。
ステップE12における判定結果が連続予告演出の実行途中である場合(連続予告演出の実行フラグが「1」の場合)には、連続予告演出の実行を決定してから1回目の図柄組合せ演出か否かを統括制御CPU65aが判定する(ステップE23)。そして、連続予告演出の実行を決定してから1回目の図柄組合せ演出の場合には、決定した変化前表示体パターン(複数表示パターンおよび単数表示パターン)に基づいて切替契機演出を決定する(ステップE24)。この場合には、前述したステップE17と同様に、演出系統決定テーブル、第1の切替契機演出パターン決定テーブルおよび第2の切替契機演出パターン決定テーブルに基づいて1つの切替契機演出パターン(一撃パターン、連撃パターンおよびクロスパターン)を決定する。そして、切替契機演出パターンとして一撃パターンまたはクロスパターンが決定された場合には、第1の表示態様決定テーブルに基づいて、当該各パターンで特定される切替契機演出を表示させる表示態様(色彩)を統括制御CPU65aが決定する。また、切替契機演出パターンとして連撃パターンが決定された場合には、第2の表示態様決定テーブルに基づいて第1〜第6の表示態様変化パターンの何れか統括制御CPU65aを決定することで、連撃パターンで特定される各回の切替契機演出を表示させる表示態様(色彩)を決定する。
一方で、連続予告演出の実行を決定してから2回目以降の図柄組合せ演出の場合には、前回の図柄組合せ演出において決定した切替契機演出(切替契機演出パターン)と同じ切替契機演出(切替契機演出パターン)を統括制御CPU65aが決定する(ステップE25)。すなわち、連続予告演出の実行を決定してから1回目の図柄組合せ演出の場合に決定された切替契機演出パターンが連続して統括制御CPU65aにより決定されるようになっている。例えば、連続予告演出の実行を決定してから1回目の図柄組合せ演出の場合に、第1の一撃パターンが決定された場合には、連続予告演出の2回目以降の図柄組合せ演出において第1の一撃パターンを統括制御CPU65aが決定する。このように、連続予告演出の実行が決定された場合に、同じ切替契機演出パターンで特定される切替契機演出を各回の図柄組合せ演出(第1の図柄導出演出)において連続して表示させることで、連続予告演出が行われていることを遊技者に示唆し得るよう構成されている。また、連続予告演出の実行を決定してから2回目移行の図柄組合せ演出の場合に、各回の図柄組合せ演出(第1の図柄導出演出)において切替契機演出を表示させる表示態様(色彩)を統括制御CPU65aが決定する。すなわち、連続予告演出の実行を決定してから1回目の図柄組合せ演出の場合に決定された切替契機演出パターンに応じて、第1の表示態様決定テーブルまたは第2の表示態様決定テーブルに基づいて、当該切替契機演出パターンで特定される切替契機演出を表示させる表示態様(色彩)を統括制御CPU65aが決定する。このように、連続予告演出の実行が決定された場合に、連続して表示される切替契機演出の表示態様(色彩)を変化させることで、連続予告演出の多様性を向上させている。
また、図23に示すように、ステップE12における判定結果が連続予告演出の実行途中である場合(連続予告演出の実行フラグが「1」の場合)には、切替契機演出パターンが決定されると、ステップE17と同様に、第1の図柄導出演出(図柄組合せ演出)において各図柄列26a,26b,26cの飾図を表示させる組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)を統括制御CPU65aが決定する(ステップE26)。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例のパチンコ機10では、特定演出モードの場合に、図柄表示装置17において図柄組合せ演出を行わせ得る表示モードとして第1の表示モードおよび第2の表示モードが設定され、メイン制御CPU60aによる特図当り判定の判定結果に基づいて統括制御CPU65aが何れかの表示モードを決定する。ここで、実施例では、統括制御CPU65aが第1の表示モードを決定した場合には、特図当り判定の判定結果を報知しない変化前表示体を、飾図を停止表示させるより前に図柄表示装置17に表示させた後に切替契機演出を表示させ、当該切替契機演出の表示を契機として、当該変化前表示体に変えて当該図柄表示装置17に飾図を表示させる第1の図柄導出演出を実行させるようになっている。このように、第1の表示モードでは、飾図を停止表示する前に図柄表示装置17に変化前表示体を表示した後に切替契機演出を表示すると共に、当該切替契機演出の表示を契機として変化前表示体に変えて飾図を図柄表示装置17に表示することで、図柄列において飾図の組合せを図柄表示装置17で変化させる演出を伴うことなく各組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)に飾図を図柄表示装置17に表示させることが可能となり、図柄表示装置17において同じ組合せ図柄位置において飾図を表示させながら組合せを変化させる従来の図柄組合せ演出とは異なった斬新な形態で飾図の組合せを導出することが可能となる。すなわち、実施例のパチンコ機10では、切替契機演出を契機として図柄表示装置17に表示された変化前表示体に変えて飾図を表示し得るよう構成したことで、斬新な形態で飾図の組合せを導出して遊技の興趣を向上させることができる。また、特図当り判定の判定結果を報知しない変化前表示体を、特図当り判定の判定結果を組合せにより報知する飾図に変えるように変化させることで、演出の意外性が高まり、遊技の興趣を向上することができる。
また、統括制御CPU65aが第2の表示モードを決定した場合には、変化前表示体を表示させることなく飾図を停止表示させるより前に切替契機演出を表示させ、当該切替契機演出の表示を契機として飾図を図柄表示装置17に表示させるように設定された第2の図柄導出演出を実行させるようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2の図柄導出演出においても、図柄表示装置17に飾図を表示させながら図柄列において組合せを変化させる従来の図柄組合せ演出とは異なる斬新な形態で飾図の組合せを導出することができ、従来にない斬新な形態で飾図の組合せを導出して遊技の興趣を向上させることができる。
更に、第1の図柄導出演出(第1の表示モード)および第2の図柄導出演出(第2の表示モード)を設けるだけでなく、第1の図柄導出演出(第1の表示モード)が行われた場合に、第2の図柄導出演出(第2の表示モード)が行われた場合と比べて当り表示が表示される期待度が高くなるよう構成してある。すなわち、切替契機演出の表示を契機として変化前表示体に変えて飾図を表示させる第1の図柄導出演出と、変化前表示体を表示させることなく切替契機演出の表示を契機として飾図を表示させる第2の図柄導出演出とを設けて、図柄組合せ演出が第1の表示モードで行われるか、第2の表示モードで行われるか行われるかによって、図柄組合せ演出(図柄導出演出)の結果として当り表示が表示される期待度が異なるよう構成したことで、当該図柄組合せ演出が行われる表示モードに対する関心を高め得る。また、統括制御CPU65aが第1の表示モードおよび第2の表示モードの何れかを決定し得るよう構成することで、図柄表示装置17の表示モードの切り替わりに対する遊技者の関心が高められるから、遊技の興趣の向上を図ることができる。更に、切替契機演出の表示を契機として、変化前表示体に変えて飾図が表示される図柄導出演出が行われた場合に当り表示が表示される期待度が高くなるから、変化前表示体を飾図にさせる斬新な形態で表示される飾図に対する関心を惹き付けることができる。
ここで、特定演出モードでは、組合せ対象となる飾図が停止表示される組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)とは異なる位置に設定された図柄表示装置17の演出実行表示領域17bにおいて、図柄組合せ演出の開始から切替契機演出が表示されるまでの間、飾図とは別の演出実行図柄を変動表示させ、当該切替契機演出の表示を契機として当該演出実行表示領域17bの演出実行図柄を非表示にして組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)に飾図を表示させるよう構成されているになっている。このよう、第1または第2の図柄導出演出が実行される場合に、図柄組合せ演出の開始から切替契機演出が表示されるまで(飾図が表示されるまで)の間、演出実行表示領域17bで演出実行図柄を変動表示させることで、図柄組合せ演出が行われていることを遊技者に報せることができる。従って、従来にない斬新な形態での飾図の組合せが導出されても、図柄組合せ演出が行われているか否かに関して混乱を生じさせることを防止できる。また、図柄表示装置17に飾図が表示されてない状態で表示される変化前表示体を、図柄組合せ演出と関係がないデモンストレーション等の演出と誤認されるのを防ぐことができる。
また、前記図柄表示装置17に表示可能な複数種類の変化前表示体(変化前表示体パターンとしての第1〜第6の複数表示パターン、単数表示パターン)を設定すると共に、図柄表示装置17に表示可能な複数種類の切替契機演出(切替契機演出パターンとしての第1〜第6の一撃パターン、第1〜第3の連撃パターン、クロスパターン)を設定してある。そして、第1の図柄導出演出(第1の表示モード)においては、図柄表示装置17に表示可能な変化前表示体および切替契機演出の複数種類の組合せから1つの組合せ(すなわち変化前表示体パターンおよび切替契機演出パターン)を統括制御CPU65aが決定するよう構成されているから、第1の図柄導出演出として行われる演出のバリエーションを多彩にすることができる。同様に、第2の図柄導出演出(第2の表示モード)においては、図柄表示装置17に表示可能な複数種類の切替契機演出から1つの切替契機演出(切替契機演出パターン)を統括制御CPU65aが決定するよう構成されているから、第2の図柄導出演出として行われる演出のバリエーションを多彩にすることができる。
ここで、前記第1の図柄導出演出では、前記図柄表示装置17に切替契機演出を表示させた後に変化前表示体を非表示にすると共に、当該非表示にされた変化前表示体の表示位置に少なくとも一部が重なる状態で統括制御CPU65aが決定した飾図が図柄表示装置17に表示されるようになっている。すなわち、切替契機演出の表示に伴い図柄表示装置17から変化前表示体が消滅するように表示を変化させつつ、変化前表示体に変わって新たに飾図が生起されるよう表示することで、第1の図柄導出演出が行われた際の演出の一体感を高めることができる。また、非表示とされる前に変化前表示体が表示されていた表示位置に少なくとも一部が重なる状態で新たに飾図が表示されることで、変化前表示体から飾図に変化する演出の一体性を持たせることができ、違和感なく従来にない斬新な演出を実現することができる。
また、第1の図柄導出演出では、統括制御CPU65aによる変化前表示体パターンの決定に基づいて、図柄表示装置17に複数の変化前表示体が表示されたり、単数の変化前表示体が表示されたりするようにしたことで、当該第1の図柄導出演出に表示される変化前表示体が画一的になるのを防止でき、演出を多様化することができる。また、複数の変化前表示体が図柄表示装置17に表示される場合(複数表示パターンが決定された場合)と、単数の変化前表示体が図柄表示装置17に表示される場合(単数表示パターンが決定された場合)とで、第1の図柄導出演出の結果として当り表示が表示される期待度が異なるから、当該第1の図柄導出演出において表示される変化前表示体の表示数に対する関心を高めることができると共に、また特図当り判定手段の判定結果を報知しない変化前表示体に変えて表示される飾図に対する関心を向上させることができる。また、複数の変化前表示体が表示される場合に、その表示態様(色彩)の組合せによって第1の図柄導出演出において当り表示が表示される期待度が異なるようにしてあるから、当該第1の図柄導出演出において表示される変化前表示体の表示態様に対する関心を高めることができる。このように、表示数や表示態様が異なる変化前表示体を複数種類設定して、決定された変化前表示体により当り表示が表示される期待度が異なるようにすることで、飾図を表示させる前から遊技者の関心を高めて遊技の興趣を図り得る。
また、第1または第2の図柄導出演出では、統括制御CPU65aによる切替契機演出パターンの決定に基づいて、図柄表示装置17に切替契機演出として一撃演出や連撃演出を表示したり、交差演出が表示されたりするようにしたことで、当該第1の図柄導出演出に表示される切替契機演出が画一的になるのを防止でき、演出を多様化することができる。また、切替契機演出としての交差演出は、単数の変化前表示体が図柄表示装置17に表示される場合(単数表示パターンが決定された場合)にのみ表示され得るよう設定されており、当該切替契機演出として交差演出が行われた場合に、他の種類の切替契機演出が行われた場合より図柄導出演出の結果として当り表示が表示される期待度が高くなるようにしてある。すなわち、図柄導出演出において図柄表示装置17に表示される切替契機演出の種類によって第1の図柄導出演出の結果として当り表示が表示される期待度が異なるから、当該第1の図柄導出演出において表示される切替契機演出の種類に対する関心を高めることができる。また、同じ種類の切替契機演出が表示される場合には、その表示態様(色彩)によって第1または第2の図柄導出演出において当り表示が表示される期待度が異なるようにしてあるから、当該第1または第2の図柄導出演出において表示される切替契機演出の表示態様に対する関心を高めることができる。このように、種類や表示態様が異なる切替契機演出を複数種類設定して、決定された切替契機演出により当り表示が表示される期待度が異なるようにすることで、飾図を表示させる前から遊技者の関心を高めて遊技の興趣を図り得る。
各図柄列26a,26b,26cにおいて飾図を表示可能なる組合せ図柄位置として、複数の表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12が設定され、複数設定された表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12の1つに、各図柄列26a,26b,26cに対応した1つの飾図が表示されるようになっている。このため、第1または第2の図柄導出演出において飾図が表示される表示位置を多様化することができる。しかも、同じ切替契機演出パターンが決定された場合に異なる飾図停止パターンを決定し得るよう構成してあるから、同じ切替契機演出が表示された場合でも違った表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12に飾図を表示させることができ、演出が画一的になるのを防ぐことができる。
また、統括制御CPU65aが切替契機演出として順序示唆演出(一撃演出および連撃演出)を決定することで、図柄導出演出において飾図が停止表示される組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)の順序が定まるよう構成されると共に、当該切替契機演出(一撃演出および連撃演出)を複数設定してある。すなわち、実施例のパチンコ機10では、図柄組合せ演出(図柄導出演出)において、飾図が停止表示される組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)の順序が画一的にならず、図柄組合せ演出(図柄導出演出)毎に異なった順序で各図柄列26a,26b,26cの飾図を対応する組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)に表示させることができ、斬新な形態での飾図の組合せを導出することができる。また、順序示唆演出(一撃演出および連撃演出)は、飾図が表示される組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)を、当該飾図を表示させる組合せ図柄位置の順に示唆するよう構成してあるから、多様化する飾図の表示位置や表示順序を、遊技者が混乱するのを防ぐことができ、演出効果を向上することができる。
また、切替契機演出としての順序示唆演出に、一撃演出(第1の順序示唆演出)および連撃演出(第2の順序示唆演出)を設定して、統括制御CPU65aが一撃演出(一撃パターン)を決定した場合と、連撃演出(連撃パターン)を決定した場合とで当り表示が表示される期待度が異なるよう構成してあるから、図柄導出演出において表示される順序示唆演出の系統(一撃演出か連撃演出)に対する関心を高めて遊技の興趣を向上することが可能となる。更に、実施例では、同じ系統の順序示唆演出に、統括制御CPU65aが決定課のな複数種類の順序示唆演出を設定し、決定された順序示唆演出(一撃パターンまたは連撃パターン)の種類により当り表示が表示される期待度が異なるよう設定してある。具体的には、一撃演出の順序示唆演出を特定する切替契機演出パターンとして第1〜第6の一撃パターンが設定され、当該第1〜第6の一撃パターンの夫々で特定される一撃演出毎に当り表示が表示される期待度が異なっている。同様に、連撃演出の順序示唆演出を特定する切替契機演出パターンとして第1〜第3の連撃パターンが設定され、当該第1〜第3の連撃パターンの夫々で特定される連撃演出毎に当り表示が表示される期待度が異なっている。このように、順序示唆演出を複数種類設定して、決定された順序示唆演出の種類により当り表示が表示される期待度が異なるようにすることで、飾り図柄が表示される表示位置や表示順序に対する遊技者の関心を高めることができ、遊技の興趣を図り得る。
また、順序示唆演出(一撃演出および連撃演出)は、1つ図柄列26a,26b,26cに対応する飾図を表示可能な組合せ図柄位置に含まれる複数の表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12に跨がって表示されるよう設定され、図柄列26a,26b,26cにおいて当該順序示唆演出により組合せの対象となる飾図が停止表示される複数の表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12を示唆すると共に、当該順序示唆演出により示唆される表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12に含まれる表示領域の何れかに飾図を停止表示させるよう構成してある。このように、1つ図柄列26a,26b,26cに対応する組合せ図柄位置に含まれる複数の表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12に跨がって順序示唆演出を表示させることで、同じ順序示唆演出が表示された結果として表示される飾図を変化させることができるから,飾図の表示位置を多様化することができる。
メイン制御CPU60aが決定可能な特図変動パターンとして、図柄組合せ演出においてリーチ演出が行われないことを特定したリーチなしはずれ用の特図変動パターン(通常特図変動パターン)を設定し、当該メイン制御CPU60aがリーチなしはずれ用の特図変動パターンを決定した場合に、統括制御CPU65aが第1の表示モードよりも第2の表示モードを決定する割合が高くなるよう設定してある。このように、リーチなしはずれ用の特図変動パターンを決定した場合には第1の表示モードよりも第2の表示モードで図柄組合せ演出(図柄導出演出)が行われ易くすることで、図柄組合せ演出が行われる表示モードに対する関心を高め得る。また、リーチなしはずれ用の特図変動パターンで特定される変動時間を、他の特図変動パターンにより特定される変動時間よりも短時間に設定してあるから、第2の表示モードで行われる図柄組合せ演出を第1の表示モードで行われる図柄組合せ演出よりもテンポよく進行させることができる。
また、メイン制御CPU60aによりリーチ演出が行われる大当り用またははずれ用の特図変動パターン(直当り以外の大当り用の特図変動パターンまたはリーチはずれ用の特図変動パターン)が決定された場合(特図指定コマンドが入力された場合)には、切替契機演出の表示を契機として各図柄列26a,26b,26cに対応した3の飾図を仮停止の状態で表示させて、仮停止表示の3つの飾図の内の1つの飾図(例えば中図柄列26bに対応する飾図)を再度変動させてリーチ表示を図柄表示装置17に表示させるように統括制御CPU65aに制御される。このように、変化前表示体に変えて各組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)に対応する飾図を仮停止の状態で表示させた後に、少なくとも1つの仮停止させた飾図の変動を再開させ得るよう構成したことで、飾図の組合せを図柄表示装置17で変化させる演出を伴うことなく各組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)に仮停止の飾図を図柄表示装置17に表示させることが可能となり、従来にない斬新な形態での仮停止の飾図の組合せの導出が可能となる。
また、実施例のパチンコ機10では、予告演出としての連続予告演出(先読み予告演出)を実行可能に構成されており、統括制御CPU65aが連続予告演出(先読み予告演出)を実行させるか否かに応じて図柄組合せ演出(図柄導出演出)が行われる表示モードの割合が異なるようになっている。すなわち、連続予告演出を実行することを決定した場合には統括制御CPU65aが第1の表示モードを決定し、連続予告演出を実行しないことを決定した場合には統括制御CPU65aが第1の表示モードおよび第2の表示モードから表示モードを決定するようになっている。このように、連続予告演出が行われる場合には第1の表示モードで図柄組合せ演出が行われ、当該連続予告演出が行われない場合には第1の表示モードおよび第2の表示モードの何れかで図柄組合せ演出が行われることで、図柄組合せ演出が行われる表示モードに対する関心を高め得る。更に、連続予告演出が行われる場合には、連続予告演出に関連した演出が行われる実行回数分の単位変動演出(図柄組合せ演出)が第1の表示モードで行われ、当該連続予告演出が行われない場合には第1の表示モードおよび第2の表示モードの何れかで図柄組合せ演出が行われるようにしたことで、連続予告演出に対する関心を高め得る。
また、実施例のパチンコ機10では、予告演出としての擬似連続予告演出を実行可能に構成されており、統括制御CPU65aが擬似連続予告演出を実行させるか否かに応じて図柄組合せ演出(図柄導出演出)が行われる表示モードの割合が異なるようになっている。すなわち、擬似連続予告演出を実行することを決定した場合には統括制御CPU65aが第1の表示モードを決定し、擬似連続予告演出を実行しないことを決定した場合には統括制御CPU65aが第1の表示モードおよび第2の表示モードから表示モードを決定するようになっている。このように、擬似連続予告演出が行われる場合には第1の表示モードで図柄組合せ演出が行われ、当該擬似連続予告演出が行われない場合には第1の表示モードおよび第2の表示モードの何れかで図柄組合せ演出が行われることで、図柄組合せ演出が行われる表示モードに対する関心を高め得る。更に、擬似連続予告演出が行われる場合には、擬似連続予告演出に関連した演出が行われる擬似連続回数分の連続単位演出が第1の表示モードで行われるから、第1の表示モードで行われる図柄導出演出(図柄組合せ演出)に対する関心を一層高め得る。また、擬似連続演出において、変化前表示体に変えて各組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)に対応する飾図を仮停止の状態で表示させた後に、仮停止させた飾図の変動を再開させ得るよう構成したことで、飾図の組合せを図柄表示装置17で変化させる演出を伴うことなく各組合せ図柄位置(表示領域L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)に仮停止の飾図を図柄表示装置17に表示させることが可能となり、従来にない斬新な形態での擬似連続演出における仮停止の飾図の組合せの導出が可能となる。
(変更例)
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、大当り遊技後に第1の表示状態(第1の表示モード)および第2の表示状態(第2の表示モード)の何れかを決定する特定演出モードに移行するよう構成したが、その他のタイミングで特定演出モードに移行するようにしてもよい。例えば、図柄組合せ演出が行われる毎に、第1の表示状態および第2の表示状態の何れかを決定するようにしてもよい。また、表示形態が異なる3つ以上の表示状態を設定するようにしてもよい。また、第1の表示状態のみを備えるようにしてもよい。
(2) 実施例では、当り判定手段の判定結果を報知しない変化前表示体を、飾り図柄を停止表示させるより前に演出表示手段に表示させた後に切替契機演出を表示させ、当該切替契機演出の表示を契機として、決定された飾り図柄の内の少なくとも1つの飾り図柄を、当該変化前表示体に変えて表示させるように設定された第1の図柄導出演出を、第1の表示状態のおいて行わせるように構成したが、第2の表示状態においても同様の図柄導出演出を行うようにしてもよい。この場合には、第1の表示状態と第2の表示状態とで表示可能な変化前表示体や切替契機演出を異ならせることで、両表示状態を区別することができる。
(3) 実施例では、図柄導出演出で表示される変化前表示体と切替契機演出とを個別に決定するようにしたが、変化前表示体および切替契機演出を組み合わせた複数の表示パターンを設定して、何れかの表示パターンを決定するようにしても、変化前表示体および切替契機演出の組合せを特定できる。
(4) 実施例では、通常変動パターン(リーチなし用の特図変動パターン)を決定した場合に第1の表示状態よりも第2の表示状態を決定する割合が高くなるよう構成したが、この場合に第2の表示状態よりも第1の表示状態を決定する割合が高くなるよう構成してもよい。また、通常変動パターン(リーチなし用の特図変動パターン)を決定した場合に、第1の表示状態および第2の表示状態の何れか一方を決定するようにしてもよい。例えば、通常変動パターン(リーチなし用の特図変動パターン)を決定した場合に、第2の表示状態のみを決定するようにした場合には、第1の表示状態で図柄組合せ演出が行われることでリーチ演出が行われるか、リーチ演出が行われることなく当り表示が表示されることを確定させることができ、第1の表示状態および第2の表示状態で行われる演出の違いを際立たせ得る。
(5) 実施例では、図柄組合せ演出が行われていることを示す演出実行図柄を変動表示する演出実行表示領域を演出表示手段に設けたが、当該演出実行表示領域を設けない構成とすることもできる。
(6) 実施例では、1つ図柄列の組合せ図柄位置に含まれる複数の表示領域に跨がって切替契機演出としての順序示唆演出が表示されるよう構成したが、各図柄列の組合せ図柄位置に含まれる1つずつの表示領域に順序示唆演出が表示されるようにしてもよい。この場合には、順序示唆演出により飾り図柄が表示される各図柄列の表示領域を明確に示唆することができる。
(7) 実施例では、組合せの対象となる飾り図柄が表示される複数の組合せ図柄位置に跨がると共に飾り図柄を表示させる組合せ図柄位置の順に連続した形態で表示される第1の順序示唆演出(一撃演出)と、組合せの対象となる飾り図柄が表示される複数の組合せ図柄位置に対して個別に表示される共に飾り図柄を表示させる組合せ図柄位置の順に不連続の形態で表示される第2の順序示唆演出(連撃演出)とが決定された場合に、当り表示が表示される期待度が異なるようにしたが、当該第1の順序示唆演出が決定された場合と、第2の順序示唆演出が決定された場合とで当り表示が表示される期待度が略同じになるようにしてもよい。
(8) 実施例では、先読み予告演出を実行することを決定した場合に第1の表示状態を決定し、先読み予告演出を実行しないことを決定した場合に第1の表示状態および第2の表示状態から表示状態を決定し得るよう構成したが、先読み予告演出を実行することを決定した場合に第2の表示状態を決定するようにしてもよく、また第1の表示状態および第2の表示状態から表示状態を決定しするようにしてもよい。
(9) 実施例では、特定の特図変動パターン(直当り用の特図変動パターンまたは擬似連続予告用の特図変動パターン)を決定した場合に第1の表示状態を決定し、特定の特図変動パターン以外の特図変動パターンを決定した場合に第1の表示状態および第2の表示状態から表示状態を決定し得るよう構成したが、当該特定の特図変動パターンを決定した場合に第2の表示状態を決定するようにしてもよく、また第1の表示状態および第2の表示状態から表示状態を決定しするようにしてもよい。なお、特定の特図変動パターンとしては、直当り用の特図変動パターンや擬似連続予告用の特図変動パターンに限られるものではない。
(10) 実施例では、統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定する連続予告演出実行決定手段として機能するよう構成したが、メイン制御CPU60aが連続予告演出決定手段として機能するようにしてもよい。
(11) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(12) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を統括制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御手段(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(13) 実施例では、第1および第2特図始動保留情報を記憶可能な領域として第1〜第4領域を記憶手段(メイン制御ROM)に設定して、特図始動保留情報を記憶する毎および特図始動保留情報を取得する(読み出す)毎に、特図始動保留情報を記憶させた領域を順次移動させる(シフトさせる)よう構成したが、空きのある第1〜第4領域に特図始動保留情報を記憶させて、記憶させた順に第1〜第4領域から特図始動保留情報を取得する(読み出す)ようにしてもよい。
(14) 実施例では、演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
(15) 実施例では、始動入賞手段への遊技球の入賞を契機として当り遊技を発生させるか否かの当り判定を行うよう構成されたパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機(回胴式遊技機)等の各種遊技機を採用し得る。
例えば、スロットマシン機(回胴式遊技機)は、前方へ開口する箱状の筐体に、当該筐体の前方開口を塞ぐ前扉が開閉可能に備えられ、図柄が配列された複数の回転体が前側から視認し得るように筐体内部に配設されている。そして、遊技者が所定の開始操作手段の操作を行うことを契機に回転体が回転して図柄が変動開始すると共に、変動ゲームの当否に関連した当否判定を行い、所定の停止操作手段の操作を契機に、当否判定に基づく図柄停止制御を実行し、停止した図柄の組合せによって遊技利益が付与される制御される遊技機である。このようなスロットマシン機では、前記複数の回転体とは別に、各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置等の演出表示装置が備えられて、当否判定に基づく演出を表示したり、演出用の飾り図柄(飾図)を変動表示させ得るよう構成される。スロットマシン機のより具体的な構成を説明すると、外周部に識別情報としての複数の図柄が表示された複数のリール(回転体)を有する表示装置において、複数のリールに表示されている図柄(特別図柄)を有効ライン上に揃えることにより、所定数のパチンコ球やメダルを獲得する遊技が行われる。すなわちスロットマシンでは、操作手段としてのスタートレバーの操作によってリールの回転が開始され、各リールに対応する停止操作手段としてのストップボタンが操作されたタイミングに応じてリールの回転が停止され、全てのリールの回転(図柄の変動)が停止したときに導出された表示結果(有効ライン上の図柄の並び順序等)に従って、当該図柄変動に伴う演出の終了後に各種の遊技利益が付与される。そして、前記リールが回転されている間に、当否判定に応じた各種の演出表示を前記演出表示装置において表示したり、当否判定に応じて決定された演出用の飾り図柄(飾図)を変動および停止表示させるようになっている。
すなわち、このようなスロットマシン機では、開始操作手段が操作されることを判定条件の成立を契機として当り判定を実行する制御手段が当り判定手段として機能する。また、外周部に識別情報としての複数の図柄が表示された複数のリール(回転体)が、当り判定手段の判定結果を示す特別図柄を変動および停止表示する特別図柄表示手段として機能し、当り判定手段の判定結果に応じた特別図柄を特別図柄表示手段に停止表示させるよう前記特別図柄表示手段としての複数のリール(回転体)の表示を制御する制御手段が特別図柄表示制御手段として機能している。そして、複数のリール(回転体)とは別に備えられた演出表示装置が図柄組合せ演出を表示すると共に複数の飾り図柄を停止表示する演出表示手段として機能し、前記当り判定手段の判定結果に基づいて前記演出表示手段としての演出表示装置に停止表示させる飾り図柄を決定する制御手段が飾り図柄決定手段として機能する。
また本願には、例えば次のような技術的思想が含まれている。
(A) 請求項1記載の構成を含む遊技機に関し、
前記演出表示手段(17)で実行可能な図柄導出演出として、
前記当り判定手段(60a)の判定結果を報知しない変化前表示体を、前記飾り図柄を停止表示させるより前に演出表示手段(17)に表示させた後に切替契機演出を表示させ、当該切替契機演出の表示を契機として、前記飾り図柄決定手段(65a)により決定された飾り図柄の内の少なくとも1つの飾り図柄を、当該変化前表示体に変えて当該演出表示手段(17)に表示させるように設定された第1の図柄導出演出と、
前記変化前表示体を表示させることなく前記飾り図柄を停止表示させるより前に演出表示手段(17)に表示させた後に切替契機演出を表示させ、当該切替契機演出の表示を契機として、前記飾り図柄決定手段(65a)により決定された飾り図柄の内の少なくとも1つの飾り図柄を演出表示手段(17)に表示させるように設定された第2の図柄導出演出とが設定され、
前記演出表示制御手段(65a)は、前記表示状態決定手段(65a)が第1の表示状態を決定した場合に前記第1の図柄導出演出を演出表示手段(17)に実行させ、表示状態決定手段(65a)が第2の表示状態を決定した場合に前記第2の図柄導出演出を演出表示手段(17)に実行させるよう構成されて、当該第1の図柄導出演出が行われた場合に、第2の図柄導出演出が行われた場合と比べて前記当り表示が表示される期待度が高くなるよう構成されたことを要旨とする。
このように、切替契機演出の表示を契機として変化前表示体に変えて飾り図柄を表示させる第1の図柄導出演出と、変化前表示体を表示させることなく切替契機演出の表示を契機として飾り図柄を表示させる第2の図柄導出演出とを設けて、図柄組合せ演出が行われる表示状態によって実行される図柄導出演出を異ならせることにより、演出表示手段の表示状態の切り替わりに対する遊技者の関心を高めて遊技の興趣を向上することができる。また、切替契機演出の表示を契機として、変化前表示体に変えて飾り図柄が表示される図柄導出演出が行われた場合に当り表示が表示される期待度が高くなるから、従来にない斬新な形態で飾り図柄の組合せが導出されることへの関心を惹き付けることができる。
(B) 請求項4記載の構成を含む遊技機に関し、
前記順序示唆演出は、1つの組合せ図柄位置に含まれる複数の表示領域(L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)に跨がって表示されるよう設定されて、当該順序示唆演出により組合せの対象となる1つの飾り図柄が停止表示される複数の表示領域(L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)を示唆し得るよう構成され、
前記図柄導出演出決定手段(65a)が決定した順序示唆演出に基づいて、当該決定された順序示唆演出により示唆される組合せ図柄位置に含まれる複数の表示領域(L1〜L12,C1〜C12,R1〜R12)の中から飾り図柄を停止表示させる領域を決定する停止位置決定手段(65a)を備えたことを要旨とする。
このように、1つの組合せ図柄位置に含まれる複数の表示領域に跨がって順序示唆演出を表示させることで、同じ順序示唆演出が表示された結果として表示される飾り図柄の表示位置を多様化することができる。
(C) 請求項4記載の構成を含む遊技機に関し、
前記順序示唆演出には、組合せの対象となる飾り図柄が表示される複数の組合せ図柄位置に跨がると共に飾り図柄を表示させる組合せ図柄位置の順に連続した形態で表示される第1の順序示唆演出と、組合せの対象となる飾り図柄が表示される複数の組合せ図柄位置に対して個別に表示される共に飾り図柄を表示させる組合せ図柄位置の順に不連続の形態で表示される第2の順序示唆演出とが設定され
前記図柄導出演出決定手段(65a)により第1の順序示唆演出が決定された場合と、第2の順序示唆演出が決定された場合とで前記当り表示が表示される期待度が異なるよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1の順序示唆演出および第2の順序示唆演出を設定して、当り表示が表示される期待度を異ならせたことで、表示される順序示唆演出の種類に対する関心を高めて遊技の興趣を向上することが可能となる。
(D) 請求項2記載の構成を含む遊技機に関し、
前記先読み予告演出には、1つの始動保留情報に基づいて行われる図柄組合せ演出の変動開始から変動停止までを単位変動演出として、複数回の図柄組合せ演出に亘って単位変動演出を実行させる連続予告演出が含まれ、
前記先読み予告演出実行決定手段(65a)は、前記入賞情報取得手段(60a)が入賞情報を取得した時点で既に前記保留記憶手段(60c)に記憶されている始動保留情報に基づいて実行される図柄組合せ演出に跨った連続予告演出を行なわせるか否かを、前記演出内容先読み手段(60a,65a)が特定した演出内容に基づいて決定するよう構成され、
前記先読み予告演出実行決定手段(65a)が連続予告演出の実行を決定した場合に、前記入賞情報取得手段(60a)が入賞情報を取得した時点で既に前記保留記憶手段(60c)に記憶されている始動保留情報の記憶数を最大連続回数として、連続予告演出として実行する前記図柄組合せ演出の実行回数を当該最大連続回数の範囲内で決定する実行回数決定手段(65a)と、
前記先読み予告演出実行決定手段(65a)が連続予告演出の実行を決定した場合に、連続予告演出における前記実行回数決定手段(65a)が決定した実行回数分の単位変動演出の演出内容を決定する連続予告演出決定手段(65a)とを備え、
前記演出表示制御手段(65a)は、先読み予告演出実行決定手段(65a)が連続予告演出を実行しないことを決定した場合に、前記保留記憶手段(60c)が記憶する始動保留情報に基づいて図柄組合せ演出を前記演出表示手段(17)に実行させると共に、該連続予告演出実行決定手段が連続予告演出の実行を決定した場合に、前記演出表示手段(17)において前記実行回数決定手段(65a)が決定した実行回数分の図柄組合せ演出に亘って前記連続予告演出決定手段(65a)が決定した単位変動演出を実行させるよう構成されると共に、
前記表示状態決定手段(65a)は、前記先読み予告演出実行決定手段(65a)が先読み予告演出を実行することを決定した場合には、前記実行回数決定手段(65a)が決定した実行回数分の単位変動演出を行わせる表示状態として第1の表示状態を決定するよう構成されたことを要旨とする。
このように、連続予告演出が行われる場合には、連続予告演出に関連した演出が行われる実行回数分の単位変動演出(図柄組合せ演出)が第1の表示状態で行われ、当該連続予告演出が行われない場合には第1の表示状態および第2の表示状の何れかで図柄組合せ演出が行われるようにしたことで、連続予告演出に対する関心を高め得る。
(E) 請求項1記載の構成を含む遊技機に関し、
始動入賞手段(31,32,35)への入賞を契機として、複数種類の変動パターンの中から前記当り表示結果が表示されるか否かの可能性を、飾り図柄が変動してから確定停止するまでを1回とする図柄組合せ演出中に示唆する擬似連続予告演出を特定する擬似連続予告変動パターンを決定し得る変動パターン決定手段(60a)と、
前記演出表示制御手段(65a)は、前記変動パターン決定手段(60a)で擬似連続予告変動パターンが決定された場合に、1回の図柄組合せ演出において、飾り図柄の変動開始から仮停止までを1回とする連続単位演出を複数回連続して実行させるよう構成されると共に、
前記変動パターン決定手段(60a)が擬似連続予告変動パターンを決定した場合には、前記表示状態決定手段(65a)が第1の表示状態を決定し、当該変動パターン決定手段(60a)が擬似連続予告変動パターンと別の変動パターンを決定した場合には、表示状態決定手段(65a)が第1の表示状態および第2の表示状態から表示状態を決定するよう構成されたことを要旨とする。
このように、擬似連続予告演出が行われる場合には第1の表示状態で図柄組合せ演出が行われ、当該擬似連続予告演出が行われない場合には第1の表示状態および第2の表示状の何れかで図柄組合せ演出が行われるようにしたことで、擬似連続予告演出に対する関心を高め得る。