次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技が行われるパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、中枠12の下部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18や中枠12に配設されたスピーカ19も演出実行手段として機能している。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、操作手段としての操作ボタン36が設けられている。前記操作ボタン36は、遊技者の手が届く前枠13の前側に配置されており、該操作ボタン36を所定のタイミングで押下することによって演出内容を変更可能に構成される。操作ボタン36は、該ボタン36を押下したときに押下信号を統括制御基板65の統括制御CPU65aに出力するよう構成される。また、操作ボタン36の内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン36の操作時期等を知らせ得るよう構成されている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置30、特別入賞装置40、球通過ゲート47、普通入賞口部材等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口31a,31bを有する始動入賞装置(始動入賞手段)30および特別入賞口を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。
(始動入賞装置30について)
図2に示すように、前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31a,31bが上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)31aは、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段、可変式の始動入賞手段)31bを挟む左右両側には、該第2始動入賞口31bを開閉可能に構成された開閉部材33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記第2始動入賞口31bを開閉する一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを挟む左右側部に配置されて、始動入賞ソレノイド32の駆動に伴い一対の開閉部材33,33が相互に近接および離間するよう揺動される。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口31aは、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31bは、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞が阻止されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が低確率となるよう設定される一方、開閉部材33,33が開放位置に変位した状態では、開閉部材33,33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31bに案内されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも高確率となるよう設定されている。実施例では、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞しないよう構成されている(入賞確率0%)。
また、前記始動入賞装置30は、前記第1および第2始動入賞口31a,31bに入賞したパチンコ球を検出する始動入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34a,34b(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34a,34bは、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されており、該始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報(後述する各種乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定および小当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示器50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の当り表示(大当り表示や小当り表示)となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置40を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34a,34bが始動入賞口31a,31b毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31aに対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34aと指称し、第2始動入賞口31bに対応するセンサを第2始動入賞検出センサ34bと指称するものとする。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置(入賞手段)40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材,開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉扉43が前後方向へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、該開閉扉43により特別入賞口が閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。前記特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該特別入賞検出センサ44からメイン制御基板60への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(特図表示器50A,50Bについて)
図2に示すように、前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域20a外の右下部位置)には、前記始動入賞装置30(第1および第2始動入賞口31a,31b)への入賞を契機として作動する特図表示器(特図表示手段)50A,50Bが設けられている。ここで、特図表示器50A,50Bは、前記第1始動入賞口31aへの入賞を契機として変動表示を開始する第1特図表示器50Aと、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として変動表示を開始する第2特図表示器50Bとからなり、各特図表示器50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示器50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)を表示するようになっている。また、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示器50Bの発光表示部が点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
ここで、前記特図は、大当りまたは小当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされて、前記各特図表示器50A,50Bでは、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る当り表示(大当り表示)としての100種類の特図と、小当りを認識し得る当り表示(小当り表示)としての3種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示結果としての1種類の特図とが設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示器50A,50Bに確定停止表示される。そして、前記特図表示器50A,50Bに、当り表示としての特図が表示されることで、当り表示に対応した当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技および小当り遊技については後で詳細に説明する。なお、小当り抽選は、大当り抽選に当選しなかった場合に行なわれるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bを区別することなく、単に特図表示器50A,50Bと指称する場合がある。また、第1特図表示器50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示器50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示器50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示器50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留について)
また、図2に示すように、前記第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部に、この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では「4」ずつ)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(ラウンド報知について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、ラウンド回数が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技のラウンド数を報知するラウンド表示部57が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部に設けられている。このラウンド表示部57は、複数のLED(実施例では4個)から発光表示部が構成される。本実施例では、大当り遊技のラウンド数として、「16回」、「12回」、「8回」および「4回」の4種類が設定されており、ラウンド数毎に点灯するLEDが定められて、LEDの点灯位置に応じてラウンド数が報知されるようになっている。
(状態報知について)
実施例のパチンコ機10では、後述するように、大当り遊技終了後に付与される遊技状態として、確変状態および変短状態が設けられており、該状態を報知する状態表示部58が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に設けられている。この状態表示部58は、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成されており、左側の発光表示部の点灯で確変状態であることを報知すると共に、右側の発光表示部の点灯で変短状態であることを報知するよう設定されている。なお、前記ラウンド表示部57および状態表示部58の表示領域は、図柄表示装置17で実行される演出等の表示領域に比較して極めて小さく設定されており、図柄表示装置17で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、ラウンド表示部57および状態表示部58での点灯状態で各情報を簡単には認識し難くなっている。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへの入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の図柄表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
また、前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示器50および第2特図表示器51に比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当り、小当りまたははずれを認識できる。
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
また、前記図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間(実施例では600ms(ミリ秒))に亘って継続して停止表示された状態である。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示器50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示器50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、特図表示器50A,50Bは、特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示器50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図には、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。また、実施例の図柄表示装置17には、後述する短縮確変大当り遊技を発生させる場合に表示される突確報知用飾図が設定されている。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、当り表示結果となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、はずれ表示結果となる。また実施例のパチンコ機10では、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせとなる表示のうち、特定の図柄組み合わせを、所定の演出(例えば、大当り遊技や小当り遊技)が実行される契機として用いられている。具体的に実施例では、はずれの図柄組み合わせの中には、所定の図柄組み合わせが表示された場合に(実施例では中央列に「A」が表示された場合)、大当り遊技または小当り遊技が付与される場合があることを認識できる。この大当り遊技や小当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、当り示唆表示結果となる。また、特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものとすることもできる。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図が同一で、右図柄列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組み合わせとされる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチ状態(リーチ)が生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bでの特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(球通過ゲート47について)
図1、図2に示すように、前記枠状装飾体25の左側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート47が設けられている。前記球通過ゲート47には通過球検出センサ48(図8参照)が配設されており、該球通過ゲート47を通過するパチンコ球を通過球検出センサ48で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ48は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該通過球検出センサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわち通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過))に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、通過球検出センサ48によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第2始動入賞口31bを開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
(普図表示器55について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図表示器55が配設されている。この普図表示器55では、通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて3種類の普図を表示するようになっている。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様、および左側LEDだけが点灯する発光態様、および左右のLEDが何れも点灯する発光態様により普図を示している。なお、実施例において、左右のLEDが点灯することにより示される普図を普図Aとし、説明の都合上、左側のLEDだけが点灯することにより示される普図を普図Bとし、右側のLEDだけが点灯することにより表示される普図を普図Cとする。そして、前記普図表示器55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示器55に普図Aまたは普図Bが表示され、はずれの場合に普図Cが表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
(普図保留について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図保留表示部56が配設されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記普図保留表示部56は、複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が左から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が左から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(確変について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、164/65536)から高確率(実施例では、1518/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてから次回の大当りが生起されるまでとすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
実施例の変短機能では、大当り遊技終了後の前記普図表示器55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率(実施例では、1125/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させる機能である。なお、なお、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、600msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる開閉条件で開閉部材33,33が開閉動作されるようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、始動入賞装置30(第2始動入賞口31b)の開閉部材33,33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。また、詳細は後述するが、変短状態が付与されていない状態においては、確変状態が付与されているか否かに応じて異なる開閉条件で開閉部材33,33が開閉動作されるようになっている。すなわち、変短状態が付与されていない状態では、確変状態が付与されている場合に、確変状態が付与されていない場合と較べて、始動入賞装置30(第2始動入賞口31b)の開閉部材33,33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31bへの入賞を許容する入賞上限個数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材33,33を開放してからの入賞数が入賞上限個数に達した場合には、開放時間および開放回数を満たす前であっても開閉部材33,33を閉鎖させるようになっている。ここで、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄A〜Cおよび図柄a〜c)である場合に、次回の大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄E,Fおよび図柄e,f)である場合に、所定回数(実施例では80回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。また、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄D,図柄d,図柄G,図柄g)である場合に、変短状態が付与されないよう設定されている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。図3に示すように、大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50A,50Bに大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出OPと、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では4ラウンド、8ラウンド、12ラウンドまたは16ラウンド)だけラウンド間インターバル時間を挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出EDとにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当りの種類に応じた開放動作で特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉扉43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記開閉扉43が各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行う。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉扉43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では7種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、7種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示器50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E、図柄F、図柄Gの7つのグループに分類されており、第1特図表示器50Aに確定停止表示された特図1に応じて7種類の大当り遊技の何れかが付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示器50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄e、図柄f、図柄gの7つのグループに分類されており、第2特図表示器50Bに確定停止表示された特図2に応じて7種類の大当り遊技の何れかが付与される。
ここで、大当り図柄としての特図1は、図柄Aおよび図柄Eに25種類振り分けられると共に、図柄B〜図柄D,図柄Fおよび図柄Gの夫々に10種類振り分けられている。また、大当り図柄としての特図2は、図柄aおよび図柄eに25種類振り分けられると共に、図柄b〜図柄d,図柄fおよび図柄gの夫々に10種類振り分けられている。
また、実施例のパチンコ機では、図3に示すように、小当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では3種類)の小当り遊技の中から1つの小当り遊技が決定され、その決定された小当り遊技が付与される。ここで、3種類の小当り遊技の内で何れの小当り遊技が付与されるかは、小当り判定に当選した際に決定される小当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示器50Aに表示可能な3種類の小当り図柄としての特図1は、図柄P、図柄Q、図柄Rに分類されており、第1特図表示器50Aに確定停止表示された特図1に応じて3種類の小当り遊技の何れかが付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示器50Bに表示可能な3種類の小当り図柄としての特図2は、図柄p、図柄q、図柄rに分類されており、第2特図表示器50Bに確定停止表示された特図2に応じて3種類の小当り遊技の何れかが付与される。
(特別確変大当り遊技について)
ここで、図柄A〜Cに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄a〜cに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として特別確変大当り遊技(特別当り遊技)が付与されるようになっている。特別確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。そして、特別確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記特別確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、特別確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、規定ラウンド数が異なる複数(実施例では3種類)の特別確変大当り遊技が設定されている。具体的には、規定ラウンド数を「16回」とした第1の特別確変大当り遊技と、規定ラウンド数を「12回」とした第2の特別確変大当り遊技と、規定ラウンド数を「8回」とした第3の特別確変大当り遊技とが設定されており、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに表示される図柄の種類に応じて、何れかの特別確変大当り遊技が付与されるようになっている。なお、実施例では、図柄Aに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄aに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に第1の特別確変大当り遊技が付与され、図柄Bに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄bに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に第2の特別確変大当り遊技が付与され、図柄Cに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄cに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に第3の特別確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、各特別確変大当り遊技において、各ラウンド遊技の入賞上限個数(規定個数)は「9個」に設定されている。
各特別確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、特別確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。各ラウンド遊技は、入賞上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。このため、各特別確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25.0(秒)」は最大時間となる。なお、特別確変大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。そして、第1〜第3の特別確変大当り遊技が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。このように、各特別確変大当り遊技は、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されることで共通するものの、規定ラウンド数が異なることで1回の大当り遊技において獲得可能な賞球数が異なることで、遊技者に与える価値(特典量)が異なる大当り遊技である。すなわち、実施例の特別確変大当り遊技は、第3の特別確変大当り遊技<第2の特別確変大当り遊技<第1の特別確変大当り遊技の順で、1回の大当り遊技において遊技者に与える価値(特典量)が高くなるよう設定されている。
(短縮確変大当り遊技について)
図柄Dに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄dに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として短縮確変大当り遊技(短縮当り遊技)が付与されるようになっている。前記短縮確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、短縮確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、確変状態が付与されるようになっている。一方で、短縮確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、変短状態が付与されないようになっている。短縮確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を短時間開放する短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。そして、短縮確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で4回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
ここで、短縮確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。すなわち、短縮確変大当り遊技における各ラウンド遊技時間(2.04(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞装置40に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数(規定個数)を満たさないような時間に設定されている。そして、短縮確変大当り遊技が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する内部確変モードに移行するよう設定されている。このように、短縮確変大当り遊技での入賞球は殆ど発生することはなく、短縮確変大当り遊技は、各ラウンド遊技において入賞上限個数のパチンコ球の入賞の可能性がある前記第1〜第3の特別確変大当り遊技と較べて、1回の大当り遊技において獲得可能な賞球数を基準にした場合に、遊技者に与える価値(特典量)が少ない大当り遊技として設定されている。また、短縮確変大当り遊技は、確変状態のみが付与されるよう設定されており、確変状態および変短状態が付与される第1〜第3の特別確変大当り遊技と較べて、当り遊技の終了後に付与される遊技状態を基準とした場合に、遊技者に与える価値(特典量)が少ない大当り遊技として設定されている。
(通常非確変大当り遊技について)
図柄E〜Fに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄e〜fに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として通常非確変大当り遊技が付与されるようになっている。通常非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では80回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。なお、通常非確変大当り遊技における各ラウンド遊技での開閉扉43の開閉態様は、前述した特別確変大当り遊技と同じである。すなわち、通常非確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記通常非確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、通常非確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、規定ラウンド数が異なる複数(実施例では2種類)の通常非確変大当り遊技が設定されている。具体的には、規定ラウンド数を「12回」とした第1の通常非確変大当り遊技と、規定ラウンド数を「8回」とした第2の通常非確変大当り遊技とが設定されており、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに表示される図柄の種類に応じて、何れかの通常非確変大当り遊技が付与されるようになっている。なお、実施例では、図柄Eに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄eに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に第1の通常非確変大当り遊技が付与され、図柄Fに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄fに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に第2の通常非確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、各通常非確変大当り遊技において、各ラウンド遊技の入賞上限個数(規定個数)は「9個」に設定されている。
また、通常非確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「10.0(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25.0(秒)」が、エンディング演出時間として「9.5(秒)」が夫々設定されている。各ラウンド遊技は、入賞上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。このため、通常非確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25.0(秒)」は最大時間となる。なお、通常非確変大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。そして、各通常非確変大当り遊技が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する変短モードに移行するよう設定されている。このように、各通常非確変大当り遊技は、大当り遊技の終了後に変短状態のみが付与されることで共通するものの、規定ラウンド数が異なることで1回の大当り遊技において獲得可能な賞球数が異なることで、遊技者に与える価値(特典量)が異なる大当り遊技である。すなわち、実施例の通常非確変大当り遊技は、第2の通常非確変大当り遊技<第1の通常非確変大当り遊技の順で、1回の大当り遊技により遊技者に与える価値(特典量)が高くなるよう設定されている。
また、第1の通常非確変大当り遊技は、第2の特別確変大当り遊技と比較して、1回の大当り遊技において獲得可能な賞球数を基準にした場合に遊技者に与える価値(特典量)は同等になるよう設定されている。更に、第1の通常非確変大当り遊技は、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されず、付与される変短状態に図柄変動演出の上限回数が定められている点で、当該第2の特別確変大当り遊技と較べて、当り遊技の終了後に付与される遊技状態を基準とした場合に、遊技者に与える価値(特典量)が少ない大当り遊技として設定されている。同様に、第2の通常非確変大当り遊技は、第3の特別確変大当り遊技と比較して、1回の大当り遊技において獲得可能な賞球数を基準にした場合に遊技者に与える価値(特典量)は同等になるよう設定されている。また、第2の通常非確変大当り遊技は、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されず、付与される変短状態に図柄変動演出の上限回数が定められている点で、当該第3の特別確変大当り遊技と較べて、当り遊技の終了後に付与される遊技状態を基準とした場合に、遊技者に与える価値(特典量)が少ない大当り遊技として設定されている。
(短縮非確変大当り遊技について)
図柄Gに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄gに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として短縮非確変大当り遊技(短縮当り遊技)が付与されるようになっている。前記短縮非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「4回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、短縮確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が何れも付与されないようになっている。短縮非確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を短時間開放する短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。そして、短縮確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で4回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
ここで、短縮非確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「2.0(秒)」に設定されている。すなわち、短縮非確変大当り遊技における各ラウンド遊技時間(2.04(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞装置40に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数(規定個数)を満たさないような時間に設定されている。そして、図柄G、図柄gに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する通常モードに移行するよう設定されている。
このように、短縮非確変大当り遊技での入賞球は殆ど発生することはなく、短縮非確変大当り遊技は、各ラウンド遊技において入賞上限個数のパチンコ球の入賞の可能性がある前記各特別確変大当り遊技や通常非確変大当り遊技と較べて、1回の大当り遊技において獲得可能な賞球数を基準にした場合に、遊技者に与える価値(特典量)が少ない大当り遊技として設定されている。また、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が何れも付与されない短縮非確変大当り遊技は、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態の何れかが付与される前記各特別確変大当り遊技や通常非確変大当り遊技と較べて、当り遊技の終了後に付与される遊技状態を基準とした場合に、遊技者に与える価値(特典量)が少ない大当り遊技として設定されている。また、短縮非確変大当り遊技は、短縮確変大当り遊技と比較して、1回の大当り遊技において獲得可能な賞球数を基準にした場合に遊技者に与える価値(特典量)は同等になるよう設定されている。更に、短縮非確変大当り遊技は、大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与されない点で、当該短縮確変大当り遊技と較べて、当り遊技の終了後に付与される遊技状態を基準とした場合に、遊技者に与える価値(特典量)が少ない大当り遊技として設定されている。
(小当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ遊技機10で付与される小当り遊技について説明する。小当り遊技は、複数回(実施例では1回)の短時間開放動作を前記開閉部材33に行なわせるよう設定されている。すなわち、前記小当り遊技は、短時間開放動作を含んだ開放動作を開閉部材33に行なわせる当り遊技を構成している。そして、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態のまま継続させるようになっている。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも確変状態を継続して付与させる一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも確変状態を付与しない。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも変短状態を継続して付与させる一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも変短状態を付与しない。
また、実施例のパチンコ機10には、1回当りの前記開閉部材33の開放時間が異なる複数種類(実施例では3種類)の小当り遊技が設定されており、特図表示器50A,50Bに表示される特図の種類に応じて付与される小当り遊技が定まるようになっている。具体的には、1回当りの開閉部材33の開放時間が「0.3(秒)」に設定された第1の小当り遊技と、1回当りの開閉部材33の開放時間が「0.6(秒)」に設定された第2の小当り遊技と、1回当りの開閉部材33の開放時間が「0.9(秒)」に設定された第3の小当り遊技とが設定されている。すなわち、第1〜第3の小当り遊技は、開閉部材33の開放時間が異なることで、1回の小当りでの入賞可能なパチンコ球の数を異ならせている。そして、図柄Pに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄pに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に、第1の小当り遊技が付与され、図柄Qに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄qに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に、第2の小当り遊技が付与され、図柄Rに分類される特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄rに分類される種類の特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に、第3の小当り遊技が付与されるようになっている。このように、実施例における複数種類の小当り遊技は、小当り遊技の終了後に遊技状態が変化しないことで共通するものの、開閉部材33,33の開放時間が異なることで1回の小当り遊技において獲得可能な賞球数が異なることで、遊技者に与える価値(特典量)が異なる小当り遊技である。すなわち、実施例の小当り遊技は、第3の小当り遊技<第2の小当り遊技<第1の小当り遊技の順で、1回の小当り遊技において遊技者に与える価値(特典量)が高くなるよう設定されている。
(演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では4つ)の遊技演出モードを備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では80回)がモード移行条件とされている。
実施例に係る遊技演出モードには、メイン制御CPU60aにより確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(低確変短なし状態)に対応する通常モードと、確変状態を付与することが決定されると共に変短状態を付与しないことが決定された遊技状態(高確変短なし状態)に対応した内部確変モードと、確変状態を付与しないことが決定されると共に変短状態を付与することが決定された遊技状態(低確変短あり状態)に対応した変短モードと、確変状態および変短状態を何れも付与することが決定された遊技状態(高確変短あり状態)に対応した確変モードとが設定されている。このように、実施例のパチンコ機10では、特典量の異なる複数種類(実施例では4種類)の遊技状態(遊技モード)が設定されている。
そして、図柄表示装置17には、遊技演出モードに対応した内容の遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、通常モード、確変モードおよび変短モードの各モード毎に、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、通常モード、確変モードおよび変短モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容の一部または全部が異なっており、これらの遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。これに対して、内部確変モードの場合には、通常モードの場合と同じ背景画像が図柄表示装置17の飾図の背面に映し出されるよう設定されている。また内部確変モードでは、通常モードの場合に図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容と同じ演出内容の図柄変動演出が図柄表示装置17で行われるよう設定されている。従って、図柄表示装置17に映し出される背景画像や図柄変動演出の演出内容を基準として、確変モードおよび変短モードを遊技者が区別して認識し得る一方で、背景画像や図柄変動演出の演出内容からは、通常モードであるか内部確変モードであるかを遊技者が直接区別して認識し得ないようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機では、複数の遊技状態の内の2種類以上の遊技状態(具体的には、低確変短なし状態および高確変短なし状態の2種類)において、図柄表示装置17において同一演出内容の図柄変動演出が行われるよう構成されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34a,34b、特別入賞検出センサ44、通過球検出センサ48等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示器55、普図保留表示部56等の各表示器が接続されて、各検出センサ34a,34b,44,48の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50A,50Bの表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、前記始動入賞装置30および特別入賞装置40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42の駆動制御が行われるようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じて前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉扉43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉扉43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として取得する判定用乱数としての大当り判定用乱数、小当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数、普図決定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
大当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当りを発生するか否かの大当り判定(当り抽選)で用いる乱数である。実施例では、大当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示器50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「103」の全104通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、小当りを示す3種類の特図表示に対応する乱数と、大当りを示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示器50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当りの種類を特定し得るようになっている。同様に、前記小当り図柄としての特図1および特図2は、小当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される小当りの種類を特定し得るようになっている。また、前述したように、大当りの種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した大当り判定における判定結果が否定となった場合に(大当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「240」の全241通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における図柄変動の変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、変動パターン振分用乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機では、大当り判定用乱数、小当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、および変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31a,31bへの入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記大当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では2210個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では221個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態のときの大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
また、メイン制御ROMには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示器50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した大当りを示す100種類の特図決定用乱数に対応した「1」〜「100」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、小当りを発生させることを示す小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、大当り判定の結果が否定の場合に、前記小当り判定用乱数を用いて小当りか否かの判定(小当り判定)で用いる判定値であり、小当り判定用乱数の取り得る数値(実施例では「0」〜「65535」までの全65536通りの整数)の中から所定数(実施例では9個)の判定値が定められている。なお、小当り判定用乱数は、大当り判定において使用した大当り判定用乱数をそのまま使用するようになっている。また、小当り判定値は、確変状態が付与されているか否かおよび変短状態が付与されているか否かによってその判定値の数が異なることはない(同じ数の値が定められている)。すなわち、実施例では、遊技状態に関わらず、小当り判定値の設定数を一定にすることで、小当りの発生確率が同じになるようにしている。
また、メイン制御ROMには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、大当り判定の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「240」までの全241通りの整数の中から定められている。ここで、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点で前述した確変状態または変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。
すなわち、第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態が付与されているときに設定される演出実行判定値の数よりも変短状態が付与されていない非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。なお、実施例では、第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態なし(低確変短なし状態)の場合および確変状態かつ変短状態なし(高確変短なし状態)の場合に37個の演出実行判定値が設定され、非確変状態かつ変短状態あり(低確変短あり状態)の場合に6個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態あり(高確変短あり状態)の場合に3個の演出実行判定値が設定されている。また、第1始動入賞口31aおよび第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数および第2特図始動保留情報の保留数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するよう設定されている。具体的には、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、第1特図始動保留情報の保留数が「0」〜「2」の場合に37個の演出実行判定値が設定され、該保留数が「3」以上の場合に23個の演出実行判定値が設定されている。また第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、第1特図始動保留情報の保留数および第2特図始動保留情報の保留数を合算した保留数が「0」〜「2」の場合に37個の演出実行判定値が設定され、該合算した保留数が「3」以上の場合に23個の演出実行判定値が設定されている。
更にまた、メイン制御ROM60bには、変動内容を特定する複数種類の変動パターンが記憶されており、各変動パターンに対応して変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなるパターンを特定するものであり、実施例では、176種類の変動パターンが設定されている。そして、変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出の演出時間)を特定している。変動パターン振分判定値は、前記変動パターン振分用乱数を用いて変動パターンの決定に用いる判定値であり、変動パターン振分用乱数の採り得る乱数値と同数の整数値が各変動パターン毎に所定数の変動パターン判定値として割当てられている。
そして、メイン制御ROM60bに記憶される変動パターンには、当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとに分類されており、変動パターン毎に特定の変動パターン判定値が定められている。なお、当り演出用の変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合または小当り判定の結果が肯定の場合に選択可能な変動パターンである。そして、当り演出用の変動パターンには、図柄変動演出の途中でリーチ演出(リーチ表示)を実行することなく図柄表示装置17の各図柄列26a〜26cに飾図が停止表示される演出内容を特定した通常当り変動パターンと、図柄変動演出の途中でリーチ演出(リーチ表示)を実行して図柄表示装置17の各図柄列26a〜26cに飾図が停止表示される演出内容を特定する複数種類のリーチ当り変動パターンとが設定されている。また、はずれ演出用の変動パターンは、当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果が否定の場合に選択される変動パターンである。そして、はずれ演出用の変動パターンには、図柄変動演出の途中でリーチ演出(リーチ表示)を実行することなく図柄表示装置17の各図柄列26a〜26cに飾図が停止表示される演出内容を特定した通常はずれ変動パターンと、図柄変動演出の途中でリーチ演出(リーチ表示)を実行して図柄表示装置17の各図柄列26a〜26cに飾図が停止表示される演出内容を特定する複数種類のリーチはずれ変動パターンとが設定されている。
すなわち、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の過程でリーチ表示を表示しない演出内容を特定したリーチなし変動パターンとして通常当り変動パターンと通常はずれ変動パターンとが設定されると共に、該図柄変動演出の過程でリーチ表示を表示する演出内容を特定したリーチ変動パターンとしてリーチ当り変動パターンとリーチはずれ変動パターンとが設定されている。なお、リーチ演出は、図柄変動演出においてリーチ表示となる有効図柄の図柄組み合わせが図柄表示装置17に表示されてから、当り表示(大当り表示や小当り表示)またははずれ表示となる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。なお、当り判定の結果が肯定判定の場合には、前記通常当り変動パターンよりもリーチ当り変動パターンの方がメイン制御CPU60aに決定され易くなるよう変動パターン振分判定値が割り当てられると共に、当り判定の結果が否定判定の場合には、前記リーチはずれ変動パターンよりも通常はずれ変動パターンの方がメイン制御CPU60aに決定され易くなるよう変動パターン振分判定値が割り当てられており、図柄変動演出の過程でリーチ表示(リーチ演出)が表示されることなく当り遊技が発生することへの意外感を高めると共に、リーチ表示(リーチ演出)が表示された際の当り遊技に対する期待感を高めている。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図8に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、始動入賞装置30への入賞を契機として当り(大当りまたは小当り)か否かを判定する当り判定手段、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。具体的に、実施例のメイン制御CPU60aは、始動入賞装置30への入賞を契機として大当り判定する大当り判定手段としての機能と、該大当り判定手段が否定判定の場合に小当り判定する小当り判定手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60aは、前記始動入賞装置30への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60aが記憶する複数の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを判定する確変状態判定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる変短状態(入賞率向上状態)を付与するか否かを判定する入賞率向上状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の大当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、変短状態を付与する期間として決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞装置30への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、第1始動入賞口31aに入賞したパチンコ球を第1始動保留球として記憶する第1保留記憶手段および前記第2始動入賞口31bに入賞したパチンコ球を第2始動保留球として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、始動入賞装置30の第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aに対応する第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第1特図始動保留情報の保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、始動入賞装置30の第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31bに対応する第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから大当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を第2特図始動保留情報の保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理が終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示器50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技または小当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、当該第2特図始動保留情報の保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示器53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、221/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、2210/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示器50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技演出モード(遊技状態)を示す演出モードフラグを設定する。具体的には、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。このように、確変フラグおよび変短フラグにより遊技演出モードが特定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り演出用の変動パターン(通常当り変動パターンまたはリーチ当り変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した大当り定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、実施例では、小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、遊技状態に関わらず一定の確率(9/65536)に設定されている。そして、ステップB27における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB28)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示器50Bに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB29)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の小当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで小当り図柄を決定することになる。なお、実施例のパチンコ機10では、小当り判定した時点の確変フラグおよび変短フラグの値を維持するよう設定されており、小当りの場合に小当り遊技後の遊技演出モード(遊技状態)が変化しないよう構成されている。そして、小当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り演出用の変動パターン(通常当り変動パターンまたはリーチ当り変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB30)。
ステップB27の小当り判定の判定結果が否定の場合には(すなわち大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB31)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB30の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB32)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターン(リーチはずれ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB33)。
また、ステップB31での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB34)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターン(通常はずれ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB35)。
ここで、ステップB25,B30,B33,B35において変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPUは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示器50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31aへの入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域M2の情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した大当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB36)。なお、前述したように、非確変の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、221/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、2210/65536に設定されている。そして、ステップB36における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB37)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示器50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB38)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技演出モード(遊技状態)を示す演出モードフラグを設定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB39)。
一方、ステップB36の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB41)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した大当り定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、実施例では、小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、遊技状態に関わらず一定の確率(9/65536)に設定されている。そして、ステップB41における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB42)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示器50Aに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB43)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1の小当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで小当り図柄を決定することになる。なお、実施例のパチンコ機10では、小当り判定した時点の確変フラグおよび変短フラグの値を維持するよう設定されており、小当りの場合に小当り遊技後の遊技演出モード(遊技状態)が変化しないよう構成されている。そして、小当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り演出用の変動パターン(通常当り変動パターンまたはリーチ当り変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB44)。
また、ステップB41の小当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB45)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB45の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB46)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ演出用の変動パターン(リーチはずれ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB47)。
また、ステップB45での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB48)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ演出用の変動パターン(通常はずれ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB49)。
ここで、ステップB39,B44,B47,B49において変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB40)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力すると共に、変動パターンで特定された演出時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示器50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、遊技演出モード毎に分類されており、統括制御基板65に入力される演出モードフラグの設定値に基づいて選択可能な演出パターンから変動パターンに対応する演出パターンが選択される。すなわち、統括制御CPU65aが演出パターンを決定する時点での演出モードフラグが通常モードおよび内部確変モードである場合には、同じ演出パターンの中から変動パターン指定コマンドで指定される演出パターンを統括制御CPU65aが決定し、演出モードフラグが変短モードまたは確変モードである場合には、変短モードおよび確変モード毎に設定された演出パターンの中から変動パターン指定コマンドで指定される演出パターンを統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。
また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定され、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が小当り図柄の場合には、小当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。但し、後述する待機演出判定処理において、待機演出を実行することを統括制御CPU65aが決定した場合には、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄または小当り図柄の場合であっても、はずれ表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU60aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
前記統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の作動/非作動(終了)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、遊技演出モードの種類を決定し、当該決定した遊技演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。演出モードフラグは、現在滞在している遊技演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御RAM65cに設定される。統括制御CPU65aは、演出モードフラグを更新すると、遊技演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された遊技演出モードに対応する背景画像を表示させる。
ここで、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する図柄変動演出決定手段としての機能を有している。
(当り確定演出について)
実施例のパチンコ機10は、前記第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞を契機として図柄表示装置17において図柄変動演出が行われた際に、図柄変動演出において飾図を停止表示してから確定停止を待機させる待機演出を行った後に、当り遊技が付与されることを確定的に報知する当り確定演出を実行し得るよう構成されている。ここで、待機演出は、図柄変動演出において図柄表示装置17に前記当り表示と異なる表示態様となるよう飾図を停止表示させてから確定停止するまでの時間(待機時間)であって、当該待機時間を複数種類設定することで、飾図が停止表示してから確定停止するまでの時間を可変させて演出を実行するようになっている。当り表示と異なる表示態様としては、2つの図柄列26a,26bに飾図が停止した状態でリーチ表示を形成しない表示態様や、全図柄列26a〜26cに飾図が停止した状態ではずれ表示を形成した表示態様のように、当該図柄変動演出の結果として当り表示の表示態様で飾図が停止して当り遊技が生起される期待感を遊技者が喪失する表示態様とされる。実施例では、各図柄列26a〜26cに当り表示と異なる表示態様(はずれ表示の表示態様)で飾図が停止表示(仮停止表示)されてから待機演出が行われると共に、当り判定(大当り判定または小当り判定)が肯定判定の場合に、待機演出後(待機時間経過後)に当り表示が表示されない状態で当り確定演出を実行する一方、当り判定(大当り判定および小当り判定)が否定判定の場合に、待機演出後にはずれ表示の表示態様で飾図が確定停止するようになっている。このように、実施例のパチンコ機10では、当り表示とは異なる表示態様で飾図が停止表示された後も、待機時間が経過した後に当り確定演出が実行される期待感を持たせることで、当り遊技が生起される期待感を最後まで遊技者に抱かせ得るようになっている。
ここで、当り確定演出を実行することを決定した場合には、当り判定が否定判定(すなわちはずれ)の場合に実行されない特殊演出が実行されるようになっており、当該当り確定演出が実行されることで、図柄変動演出が終了した後に当り遊技が付与されることを遊技者が明確に認識し得るよう構成されている。具体的には、パチンコ機10に設けた可動演出装置を特殊な動作態様で動作させたり、特殊な効果音を出力したり、パチンコ機10に設けた発光装置を特殊な発光態様で発光させることにより、当り確定演出を実行することができる。なお、これらの可動演出装置の動作や効果音出力、発光装置の発光は、当り確定演出において単独で実行されるようにしてもよく、また複合して実行されるようにすることもできる。なお、実施例では、パチンコ機10に設けた発光装飾装置18が特殊な発光パターンで発光すると同時に、スピーカ19から特殊な効果音が出力することで、当り確定演出が実行されるようになっている。また、実施例のパチンコ機10では、複数種類の当り確定演出が設定されており、当り遊技の種類(大当り遊技および小当り遊技)に応じて実行可能な当り確定演出が定められている。具体的に、7種類の大当り遊技と3種類の小当り遊技に対応した10種類の当り確定演出が設定されており、当り確定演出を実行することを決定した場合に、当り遊技の種類に対応した当り確定演出が実行されるようになっている。このように、当り遊技の種類に当り確定演出を対応させることで、実行された当り確定演出に応じて当り遊技の内容まで確定的に報知する遊技性を付与することができる。また、1つの当り確定演出を複数種類の当り遊技に対応させるようにしてもよい。例えば、第1〜第3の特別確変大当り遊技に対応した当り確定演出と、第1および第2の通常非確変大当り遊技に対応した当り確定演出と、短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技に対応した当り確定演出と、第1〜第3の小当り遊技に対応した当り確定演出とを設定すれば、実行された当り確定演出に応じて当り遊技を絞り込んで推測する遊技性を付与することができる。
実施例では、統括制御CPU65aが当り確定演出を実行するか否かを決定するよう構成されている。具体的に、大当り判定および小当り判定の何れかが肯定判定で、かつ図柄変動演出の変動パターンとしてリーチ演出が行われない変動パターン(リーチなし変動パターン)が決定された場合に、前記待機演出を実行するか否かを統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。すなわち、実施例では、大当り判定または小当り判定が肯定判定の場合には、前記リーチなし変動パターンとして、通常当り変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定された場合に、待機演出を実行するか否かの判定(待機演出実行判定)を統括制御CPU65aが行うよう構成され、リーチ当り変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定された際には、待機演出を実行しないことを統括制御CPU65aが決定するようになっている。そして、統括制御CPU65aは、大当り判定および小当り判定の何れかが肯定判定の場合には、待機演出を実行した後に当り確定演出を実行するよう構成されている。また、大当り判定が否定判定の場合には、前記リーチなし変動パターンとして、通常はずれ変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定された場合に、待機演出を実行するか否かを統括制御CPU65aが決定するよう構成され、リーチはずれ変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定された際には、待機演出を実行しないことを統括制御CPU65aが決定するようになっている。このように、実施例の統括制御CPU65aは、前記当り判定手段が肯定判定の場合において、図柄変動演出後に当り遊技が付与されることを確定的に報知する当り確定演出を実行するか否かを決定する当り確定演出決定手段としての機能を備えている。
(待機時間決定テーブルについて)
前記統括制御ROM65bには、図9に示すように、設定時間の異なる複数種類の待機時間が設定された待機時間決定テーブルが設定されており、第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞に基づいて、待機時間決定テーブルTA1〜TA11から1つの待機時間を統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。すなわち、実施例の統括制御CPU65aは、待機演出の実行を決定した場合に、待機時間決定テーブルTA1〜TA11から待機時間を決定する待機時間決定手段として機能している。
ここで、前記待機時間決定テーブルTA1〜TA11は、当り判定(大当り判定または小当り判定)が肯定判定の場合に待機時間を決定する当り用の待機時間決定テーブルTA1〜TA10と、当り判定が否定判定の場合に待機時間を決定する当り用の待機時間決定テーブルTA11とが設定されている。すなわち、実施例の統括制御CPU65aは、当り判定(大当り判定または小当り判定)が肯定判定で待機演出の実行を決定した場合(当り確定演出を実行することを決定した場合)に、当り用の待機時間決定テーブルTA1〜TA11に基づいて待機時間を決定し、前記図柄表示装置17にはずれ表示の表示態様となるよう各図柄列26a〜26cの飾図を停止表示させてから、メイン制御CPU60aが決定した待機時間が経過するタイミングで、当り確定演出を実行させるよう構成されている。一方で、統括制御CPU65aは、当り判定(大当り判定または小当り判定)が否定判定で待機演出の実行を決定した場合(当り確定演出を実行しないことを決定した場合)に、はずれ用の待機時間決定テーブルTA11に基づいて待機時間を決定し、図柄表示装置17にはずれ表示の表示態様となるよう各図柄列26a〜26cの飾図を停止表示させてから、メイン制御CPU60aが決定した待機時間が経過するタイミングで、はずれ表示の表示態様となる飾図を確定停止するよう構成されている。このように、当り遊技が発生しない場合でも、図柄表示装置17に当り表示とは異なる表示態様で停止表示した飾図が確定停止するまでに、待機時間分のタイムラグが発生することで、当該待機時間の経過により当り遊技が発生することに対する遊技者の期待感を高めるようになっている。
また、前記統括制御ROM65bには、前記当り用の待機時間決定テーブルTA1〜TA11として、大当り判定が肯定判定の場合に待機時間を決定する大当り用の複数の待機時間決定テーブルTA1〜TA7と、小当り判定が肯定判定の場合に待機時間を決定する小当り用の複数の待機時間決定テーブルTA8〜TA10とが設定されている。前記大当り用の待機時間決定テーブルTA1〜TA7は、前記大当り図柄A〜Gの夫々に対応して複数種類(実施例では8種類)のテーブルが設けられており、決定された大当り図柄A〜Gに対応する待機時間決定テーブルTA1〜TA7に基づいて、当り確定演出の待機時間が決定されるようになっている。同様に、小当り用の待機時間決定テーブルTA8〜TA10は、前記小当り図柄P〜Rの夫々に対応して複数種類(実施例では3種類)のテーブルが設けられており、決定された小当り図柄P〜Rに対応する待機時間決定テーブルTA8〜TA10に基づいて、当り確定演出の待機時間が決定されるようになっている。また、前記統括制御ROM65bには、前記はずれ用の待機時間決定テーブルTA11が1種類設定されている。すなわち、前記当り遊技(大当り遊技および小当り遊技)の種類およびはずれに応じて、決定可能な待機時間が定められている。
具体的に、実施例では、大当り用の待機時間決定テーブルTA1は、図柄Aに分類される特図1または図柄aに分類される特図2が決定された場合(すなわち第1の特別確変大当り遊技が決定された場合)にメイン制御CPU60aに選択されるよう設定され、待機時間決定テーブルTA2は、図柄Bに分類される特図1または図柄bに分類される特図2が決定された場合(すなわち第2の特別確変大当り遊技が決定された場合)にメイン制御CPU60aに選択されるよう設定され、待機時間決定テーブルTA3は、図柄Cに分類される特図1または図柄cに分類される特図2が決定された場合(すなわち第3の特別確変大当り遊技が決定された場合)にメイン制御CPU60aに選択されるよう設定され、待機時間決定テーブルTA4は、図柄Dに分類される特図1または図柄dに分類される特図2が決定された場合(すなわち短縮確変大当り遊技が決定された場合)にメイン制御CPU60aに選択されるよう設定され、待機時間決定テーブルTA5は、図柄Eに分類される特図1または図柄eに分類される特図2が決定された場合(すなわち第1の通常非確変大当り遊技が決定された場合)にメイン制御CPU60aに選択されるよう設定され、待機時間決定テーブルTA6は、図柄Fに分類される特図1または図柄fに分類される特図2が決定された場合(すなわち第2の通常非確変大当り遊技が決定された場合)にメイン制御CPU60aに選択されるよう設定され、待機時間決定テーブルTA7は、図柄Gに分類される特図1または図柄gに分類される特図2が決定された場合(すなわち短縮非確変大当り遊技が決定された場合)にメイン制御CPU60aに選択されるよう設定されている。
また同様に、待機時間決定テーブルTA8は、図柄Pに分類される特図1または図柄pに分類される特図2が決定された場合(すなわち第1の小当り遊技が決定された場合)にメイン制御CPU60aに選択されるよう設定され、待機時間決定テーブルTA9は、図柄Qに分類される特図1または図柄qに分類される特図2が決定された場合(すなわち第2の小当り遊技が決定された場合)にメイン制御CPU60aに選択されるよう設定され、待機時間決定テーブルTA10は、図柄Rに分類される特図1または図柄rに分類される特図2が決定された場合(すなわち第3の小当り遊技が決定された場合)にメイン制御CPU60aに選択されるよう設定されている。
ここで、実施例の待機時間決定テーブルTA1〜TA11は、設定時間の異なる第1の待機時間〜第5の待機時間の5種類の待機時間が設定されており、テーブルTA1〜TA11毎に、各待機時間に対して所定数の待機時間判定値(実施例では0〜99)が割り当てられている。そして、前記変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが待機時間判定用の乱数(実施例では0〜99)を取得し、当該乱数に対応する判定値が割当てられた待機時間を統括制御CPU65aが決定する。ここで、待機時間判定用の乱数は、所定の周期(実施例では4ms)で更新されると共に更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるよう構成される。なお、実施例では、第1の待機時間として「0秒」が設定され、第2の待機時間として「0.6秒」が設定され、第3の待機時間として「1.0秒」が設定され、第4の待機時間として「3.0秒」が設定され、第5の待機時間として「5.0秒」が設定されている。
また、実施例のパチンコ機10では、大当り遊技の種類毎に待機時間の平均値(平均時間)が異ならせるよう設定されている。すなわち、前述のように、大当り遊技の種類毎に遊技者に与えられる価値(特典量)が異なるよう設定されていることから、図柄変動演出において飾図が停止表示されてから確定停止するまでの経過時間に応じて、大当り遊技に対する遊技者の期待感が変化するようになっている。ここで、実施例のパチンコ機10では、1回の大当り遊技において獲得可能な賞球数を第1の基準として特典量の大小を定めると共に、第1の基準による特典量の大小が同等である場合に、大当り遊技の終了後に付与され遊技状態を第2の基準として特典量の大小を定めてある。同様に、実施例のパチンコ機10では、小当り遊技の種類毎に待機時間の平均値(平均時間)が異ならせるよう設定されている。すなわち、前述のように、小当り遊技の種類毎に遊技者に与えられる価値(特典量)が異なるよう設定されていることから、図柄変動演出において飾図が停止表示されてから確定停止するまでの経過時間に応じて、小当り遊技に対する遊技者の期待感が変化するようになっている。ここで、実施例のパチンコ機10では、1回の小当り遊技において獲得可能な賞球数を基準として特典量の大小を定めてある。
具体的に、実施例の待機時間決定テーブルTA1〜TA11では、第1の待機時間〜第5の待機時間に割り当てられる判定値の数がテーブルTA1〜TA11毎に異なるよう設定されて、テーブルTA1〜TA11毎の待機時間の平均値(平均時間)を異ならせるよう構成されている。すなわち、前記当り遊技(大当り遊技および小当り遊技)の種類およびはずれ毎に決定可能な待機時間の平均値(平均時間)が異なるよう構成されている。ここで、実施例では、図柄変動演出後に遊技者に付与される特典量の大小に応じて、決定可能な待機時間の平均値(平均時間)を定めてある。すなわち、実施例では、図柄変動演出後に遊技者に付与される特典量が大きくなるほど、待機時間の平均値(平均時間)が長くなるよう構成され、図柄表示装置17に飾図が停止表示された状態で経過する待機時間により当り遊技に対する期待感を変化させて、遊技に対する興趣を向上するようになっている。なお、図柄変動演出後に遊技者に付与されないはずれ用の待機時間決定テーブルTA11に対しては、全ての待機時間決定テーブルTA1〜TA11の内で、最も待機時間の平均値(平均時間)が短くなるよう第1の待機時間〜第5の待機時間に対して判定値が割り当てられている。
具体的に、図柄変動演出後に大当り遊技が発生する場合に選択される大当り用の待機時間決定テーブルTA1〜TA7では、1回の大当り遊技で獲得可能な賞球数を第1基準とすると共に、第1基準による特典量が同等の場合に大当り遊技後に付与される遊技状態を第2基準として、各テーブルTA1〜TA7毎に待機時間の平均値(平均時間)が定まるよう第1の待機時間〜第5の待機時間に対して判定値が割り当てられている。実施例では大当り遊技における規定ラウンド数が最も多い第1の特別確変大当り遊技(規定ラウンド数=「16回」)が発生する図柄Aまたは図柄aに対応する待機時間決定テーブルTA1に対して、待機時間の平均値(平均時間)が最も長くなるよう第1の待機時間〜第5の待機時間に対して判定値が割り当てられている。具体的には、図9に示すように、大当り用の待機時間決定テーブルTA1には、前記第1〜第5の待機時間に対応して20個の待機時間判定値が夫々割り当てられているのに対し、大当り用の待機時間決定テーブルTA2には、前記第1の待機時間に対応して40個の待機時間判定値が割り当てられ、第2の待機時間に対応して25個の待機時間判定値が割り当てられ、第3の待機時間に対応して25個の待機時間判定値が割り当てられ、第4の待機時間に対応して10個の待機時間判定値が割り当てられ、第5の待機時間に対応して0個の待機時間判定値が夫々割り当てられており、待機時間決定テーブルTA2よりも待機時間決定テーブルTA1の方が、待機時間の平均値(平均時間)が長くなるよう構成されている。
そして、第2の特別確変大当り遊技(規定ラウンド数=「12回」)が発生する図柄Bまたは図柄bに対応する待機時間決定テーブルTA2と、第1の通常非確変大当り遊技(規定ラウンド数=「12回」)が発生する図柄Eまたは図柄eに対応する待機時間決定テーブルTA5との関係では、前記第2基準に基づいて、大当り遊技後に確変状態が付与される図柄Bまたは図柄bに対応する待機時間決定テーブルTA2に対して、待機時間の平均値(平均時間)が長くなるよう第1の待機時間〜第5の待機時間に対して判定値が割り当てられている。具体的には、図9に示すように、大当り用の待機時間決定テーブルTA5には、前記第1の待機時間に対応して40個の待機時間判定値が割り当てられ、第2の待機時間に対応して26個の待機時間判定値が割り当てられ、第3の待機時間に対応して26個の待機時間判定値が割り当てられ、第4の待機時間に対応して8個の待機時間判定値が割り当てられ、第5の待機時間に対応して0個の待機時間判定値が夫々割り当てられており、待機時間決定テーブルTA5よりも待機時間決定テーブルTA2の方が、待機時間の平均値(平均時間)が長くなるようになっている。
また、大当り遊技後に確変状態が付与される第3の特別確変大当り遊技(規定ラウンド数=「8回」)が発生する図柄Cまたは図柄cに対応する待機時間決定テーブルTA3と、大当り遊技後に確変状態が付与されない第1の通常非確変大当り遊技(規定ラウンド数=「12回」)が発生する図柄Eまたは図柄eに対応する待機時間決定テーブルTA5との関係では、前記第1基準に基づいて、大当り遊技における規定ラウンド数が多い図柄Eまたは図柄eに対応する待機時間決定テーブルTA5に対して、待機時間の平均値(平均時間)が長くなるよう第1の待機時間〜第5の待機時間に対して判定値が割り当てられている。具体的には、図9に示すように、大当り用の待機時間決定テーブルTA3には、前記第1の待機時間に対応して50個の待機時間判定値が割り当てられ、第2の待機時間に対応して30個の待機時間判定値が割り当てられ、第3の待機時間に対応して15個の待機時間判定値が割り当てられ、第4の待機時間に対応して5個の待機時間判定値が割り当てられ、第5の待機時間に対応して0個の待機時間判定値が夫々割り当てられており、待機時間決定テーブルTA3よりも待機時間決定テーブルTA5の方が、待機時間の平均値(平均時間)が長くなるようになっている。
すなわち、図9に示すように、実施例における大当り用の待機時間決定テーブルTA1〜TA7は、待機時間決定テーブルTA7(図柄G,図柄g)<待機時間決定テーブルTA4(図柄D,図柄d)<待機時間決定テーブルTA6(図柄F,図柄f)<待機時間決定テーブルTA3(図柄C,図柄c)<待機時間決定テーブルTA5(図柄E,図柄e)<待機時間決定テーブルTA2(図柄B,図柄b)<待機時間決定テーブルTA1(図柄A,図柄a)の順で、待機時間の平均値(平均時間)が長くなるよう第1の待機時間〜第5の待機時間に対して判定値が割り当てられている。
また、図柄変動演出後に大当り遊技が発生する場合に選択される小当り用の待機時間決定テーブルTA8〜TA10では、1回の小当り遊技で獲得可能な賞球数を基準として、各テーブルTA8〜TA10毎に待機時間の平均値(平均時間)が定まるよう第1の待機時間〜第5の待機時間に対して判定値が割り当てられている。すなわち、小当り用の待機時間決定テーブルTA8〜TA10は、特別入賞装置40の開閉扉43の開放時間が長い小当りを発生する図柄P〜Rに応じた順で、待機時間の平均値(平均時間)が長くなるよう第1の待機時間〜第5の待機時間に対して判定値が割り当てられている。すなわち、図9に示すように、実施例における小当り用の待機時間決定テーブルTA8〜TA10は、待機時間決定テーブルTA10(図柄R,図柄r)<待機時間決定テーブルTA9(図柄Q,図柄q)<待機時間決定テーブルTA8(図柄P,図柄p)の順で、待機時間の平均値(平均時間)が長くなるよう第1の待機時間〜第5の待機時間に対して判定値が割り当てられている。
ここで、前記第1〜第5の待機時間の何れかは、特定の当り遊技が決定された場合にのみ決定し得るよう前記各待機時間決定テーブルTA1〜TA11に待機時間判定値が割り当てられており、図柄表示装置17に飾図が停止表示してから、当該特定の当り遊技に対応する待機時間が経過することで、当該特定の大当り遊技が生起されることを遊技者が把握し得るようになっている。実施例では、第1の特別確変大当り遊技が決定された場合にのみ、前記第5の待機時間(「5.0秒」)を統括制御CPU65aが決定し得るよう各待機時間決定テーブルTA1〜TA11に待機時間判定値が割り当てられている。そして、第1〜第5の待機時間の何れかは、当り遊技の種類に関わらず決定し得るよう前記各待機時間決定テーブルTA1〜TA11に待機時間判定値が割り当てられている。実施例では、大当り遊技の種類および小当り遊技の種類に関わらず、前記第1〜第4の待機時間を統括制御CPU65aが決定し得るよう各待機時間決定テーブルTA1〜TA11に待機時間判定値が割り当てられている。すなわち、実施例では、前記大当り判定手段が肯定判定の場合に統括制御CPU65aが決定可能な大当り確定待機時間として第5の待機時間がが設定され、該大当り判定手段および小当り判定手段の何れかが肯定判定の場合に統括制御CPU65aが決定可能な共通当り確定待機時間として第1〜第4待機時間が設定されている。また、共通当り確定待機時間である第1〜第4待機時間は、大当り判定手段および小当り判定手段の何れも否定判定(すなわちはずれ)の場合にも統括制御CPU65aが決定可能な待機時間として設定されている。
(当り確定演出判定処理について)
次に、統括制御CPU65aが実行する当り確定演出判定処理について一例を具体的に説明する。
図10に示す当り確定演出判定処理では、メイン制御CPU60aからの変動パターン指定コマンドの入力を契機として、当り確定演出を実行するか否かを決定する(ステップD11)。具体的に、ステップD11では、統括制御CPU65aに入力される変動パターン指定コマンドがリーチ演出を行う変動パターンを指定しているか否かを判定する。すなわち、ステップD11では、通常当り変動パターンまたは通常はずれ変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドが入力されたか否かを統括制御CPU65aが判定する。そして、ステップD11において統括制御CPU65aが肯定判定の場合にはステップD12に移行する一方、統括制御CPU65aが否定判定の場合には、当り確定演出判定処理を終了する。すなわち、統括制御CPU65aに入力される変動パターン指定コマンドがリーチ演出を行う変動パターンを指定している場合には、当り確定演出を実行しないことを統括制御CPU65aが決定するようになっている。
ステップD12では、図柄変動演出において飾図を停止表示してから確定停止を待機させる待機演出を行うか否かを統括制御CPU65aが決定する。実施例では、変動パターン指定コマンドが入力された際に待機演出判定用の乱数を統括制御CPU65aが取得し、当該取得した乱数が待機演出の実行判定値と一致するかにより待機演出を行うか否かを統括制御CPU65aが決定するようになっている。そして、ステップD12において統括制御CPU65aが肯定判定の場合にはステップD13に移行する一方、統括制御CPU65aが否定判定の場合には、当り確定演出判定処理を終了する。すなわち、待機演出判定用の乱数が待機演出の実行判定値と一致する割合を適宜に変更することで、前記統括制御CPU65aがステップD12において肯定判定する確率を任意に変更することができる。なお、実施例では、待機演出判定用の乱数として0〜99の整数が定められると共に、10個の待機演出の実行判定値が定められており、図柄変動演出においてリーチ演出が実行されない場合に、1/10の確率で待機演出が行われるよう設定されている。ここで、待機演出判定用の乱数は、所定の周期(実施例では4ms)で更新されると共に更新後の値を統括制御RAM65cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えるよう構成されて、変動パターン指定コマンドが入力されたタイミングで統括制御RAM65cに記憶されている待機演出判定用の乱数を取得するようになっている。
ステップD13では、図柄変動演出の結果、大当りを発生するか否かを統括制御CPU65aが判定する。すなわち、ステップD13において、統括制御CPU65aに入力された特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定される図柄が大当り図柄か否かを統括制御CPU65aが判定し、統括制御CPU65aが肯定判定の場合(大当りが発生する場合)にステップD14に移行する一方、統括制御CPU65aが否定判定の場合(大当りが発生しない場合)にステップD15に移行する。
ステップD14では、設定時間の異なる第1〜第5の待機時間の中から当該図柄変動演出で行われる待機演出の待機時間を統括制御CPU65aが決定する。具体的に、ステップD14では、大当り用の待機時間決定テーブルTA1〜TA7の中から待機時間を決定するテーブルTA1〜TA7を決定すると共に、決定したテーブルTA1〜TA7に基づいて第1〜第5の待機時間の中から1つの待機時間を統括制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、統括制御CPU65aに入力された特図指定コマンドで指定される図柄が図柄Aまたは図柄aの場合に、大当り用の待機時間決定テーブルTA1を統括制御CPU65aが決定し、同様に特図指定コマンドで指定される図柄が図柄B〜Gまたは図柄b〜gの場合に、対応する大当り用の待機時間決定テーブルTA2〜TA7を統括制御CPU65aが決定するようになっている。そして、決定した大当り用の待機時間決定テーブルTA1〜TA7に基づいて、前記変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが取得した待機時間判定用の乱数に対応する判定値が割当てられた第1〜第5の待機時間の何れかを統括制御CPU65aが決定する。そして、統括制御CPU65aが第1〜第5の待機時間から何れかの待機時間を決定した後に、当り確定演出判定処理を終了する。
ここで、前述のように実施例では、大当り判定の結果が肯定判定で待機演出が行われた場合は、図柄変動演出において図柄表示装置17に飾図が停止表示されてから待機時間が経過した後に当り確定演出が実行されるよう設定されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、ステップD12において待機演出を行うか否かを決定すると共に、ステップD13において図柄変動演出の結果として大当りを発生するか否かを判定することで、当り確定演出を行うか否かが決定されるようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aにおける大当り判定の結果が肯定判定の場合に、統括制御CPU65aにおいて当り確定演出を行うか否かが決定される。ここで、ステップD13での判定結果が肯定判定の場合に、統括制御CPU65aが当り確定演出を実行するか否かを別途決定するようにしてもよい。更に、メイン制御CPU60aにおける大当り判定の結果が肯定判定の場合に、統括制御CPU65aが待機演出を行うか否か(すなわち当り確定演出)を実行するか否かを決定することもできる。
一方、ステップD15では、図柄変動演出の結果、小当りを発生するか否かを統括制御CPU65aが判定する。すなわち、ステップD15において、統括制御CPU65aに入力された特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定される図柄が小当り図柄か否かを統括制御CPU65aが判定し、統括制御CPU65aが肯定判定の場合(小当りが発生する場合)にステップD16に移行する一方、統括制御CPU65aが否定判定の場合(小当りが発生しない場合)にステップD17に移行する。
ステップD16では、設定時間の異なる第1〜第4の待機時間の中から当該図柄変動演出で行われる待機演出の待機時間を統括制御CPU65aが決定する。具体的に、ステップD17では、小当り用の待機時間決定テーブルTA8〜TA10の中から待機時間を決定するテーブルTA8〜TA10を決定すると共に、決定したテーブルTA8〜TA10に基づいて第1〜第4の待機時間の中から1つの待機時間を統括制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、統括制御CPU65aに入力された特図指定コマンドで指定される図柄が図柄Pまたは図柄pの場合に、小当り用の待機時間決定テーブルTA8を統括制御CPU65aが決定し、同様に特図指定コマンドで指定される図柄が図柄Q,Rまたは図柄q,rの場合に、対応する小当り用の待機時間決定テーブルTA9〜TA10を統括制御CPU65aが決定するようになっている。そして、決定した小当り用の待機時間決定テーブルTA8〜TA10に基づいて、前記変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが取得した待機時間判定用の乱数に対応する判定値が割当てられた第1〜第4の待機時間の何れかを統括制御CPU65aが決定する。そして、統括制御CPU65aが第1〜第4の待機時間から何れかの待機時間を決定した後に、当り確定演出判定処理を終了する。
同様に、ステップD17では、設定時間の異なる第1〜第5の待機時間の中から当該図柄変動演出で行われる待機演出の待機時間を統括制御CPU65aが決定する。具体的に、ステップD17では、はずれ用の待機時間決定テーブルTA11に基づいて第1〜第4の待機時間の中から1つの待機時間を統括制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、ステップD17では、はずれ用の待機時間決定テーブルTA11に基づいて、前記変動パターン指定コマンドが入力された際に統括制御CPU65aが取得した待機時間判定用の乱数に対応する判定値が割当てられた第1〜第4の待機時間の何れかを統括制御CPU65aが決定する。そして、統括制御CPU65aが第1〜第4の待機時間から何れかの待機時間を決定した後に、当り確定演出判定処理を終了する。
(待機演出実行処理について)
次に、統括制御CPU65aにより待機演出を実行することが決定された場合に、統括制御CPU65aが実行する待機演出実行処理の一例を具体的に説明する。
図11に示す待機演出実行処理では、メイン制御CPU60aからの変動パターン指定コマンドの入力を契機として、図柄変動演出における飾図の変動開始から停止表示までの変動表示時間を統括制御CPU65aが決定する(ステップE11)。すなわち、変動表示時間は、図柄変動演出において各図柄列26a〜26cの飾図が変動表示される時間であって、該変動表示時間が経過するタイミングで各図柄列26a〜26cの飾図が停止表示(仮停止)されるようになっている。具体的に、ステップE11では、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターン(すなわち通常当り変動パターンまたは通常はずれ変動パターン)により特定される変動時間から、前記当り確定演出判定処理において決定された待機時間を減算することで、統括制御CPU65aが変動表示時間を決定するようになっている。
前記変動表示時間が決定されると、統括制御CPU65aは、図柄変動演出において各図柄列26a〜26cに停止表示する停止図柄を決定する(ステップE12)。ここで、統括制御CPU65aに対して大当り図柄および小当り図柄を指定する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力された場合は、当り表示(大当り表示および小当り表示)とは異なった表示態様となる飾図の組み合わせとなるよう前記統括制御CPU65aが前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに停止表示される飾図を決定する。実施例では、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに、はずれを認識可能なはずれ表示の表示態様となる飾図の組み合わせとなるよう統括制御CPU65aが停止図柄を決定するようになっている。同様に、統括制御CPU65aに対してはずれ図柄を指定する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドがに入力された場合は、はずれ表示の表示態様となる飾図の組み合わせとなるよう前記統括制御CPU65aが前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに停止表示される飾図を決定する。すなわち、実施例において、はずれを認識可能なはずれ表示は、待機演出が行われる場合に、当り遊技が発生する可能性を含むチャンス表示となる。すなわち、当り判定(大当り判定または小当り判定)が肯定判定の場合に、当り確定演出(待機演出)を行わないことを決定した場合には、前述のように図柄変動演出において前記図柄表示装置17に所定の当り表示となる表示態様で飾図が停止表示される一方、当り判定(大当り判定または小当り判定)が肯定判定の場合であっても、当り確定演出(待機演出)を行うことを決定した場合には、図柄変動演出において図柄表示装置17に当り表示とは異なる表示態様(はずれ表示)で飾図は停止表示されるようになっている。
そして、各図柄列26a〜26cの停止図柄が決定されると、図柄変動演出において変動開始から変動表示時間が経過したかを判定し(ステップE13)、変動表示時間が経過することで、ステップE12で決定した飾図を停止表示する(ステップE14)。すなわち、ステップE11で決定した演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU60aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。ここで、変動表示時間が経過するタイミングで、各図柄列26a〜26cに飾図が停止表示されて遊技者がはずれを認識し得る状態であれば、各図柄列26a〜26cに飾図を同時に停止させてもよく、また所定の順序で飾図を停止させてもよい。当り確定演出(待機演出)が実行されるか否かに関わらず各図柄列26a〜26cに飾図が停止するタイミングを一致させた場合には、当り確定演出(待機演出)が実行された場合の驚きを大きくできると共に、当り確定演出(待機演出)が実行されるか否かに応じて各図柄列26a〜26cに飾図が停止するタイミングを変える場合には、当り確定演出(待機演出)が実行される可能性を遊技者が図柄変動演出の早い段階から認識できる利点がある。
図柄表示装置17の各図柄列26a〜26cに飾図が停止表示されると、図柄変動演出後に当り(大当りまたは小当り)が発生するか否かを統括制御CPU65aが判定する(ステップE16)。すなわち、ステップE16では、統括制御CPU65aに入力された特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定される図柄が当り図柄(大当り図柄または小当り図柄)か否かを統括制御CPU65aが判定し、統括制御CPU65aが肯定判定の場合(大当りまたは小当りが発生する場合)にステップE17に移行する一方、統括制御CPU65aが否定判定の場合(大当りおよび小当りが発生しない場合)にステップE18に移行する。なお、図柄変動演出の結果として当り(大当りまたは小当り)が発生するか否かを統括制御CPU65aが判定可能であれば、特図指定コマンド以外の変動パターン指定コマンド等を基準とすることもできる。
図柄変動演出後に当り(大当りまたは小当り)が発生する場合は、ステップE17において当り遊技が付与されることを確定的に報知する当り確定演出を実行することを統括制御CPU65aが決定する。すなわち、図柄表示装置17にはずれの表示態様となる飾図が停止表示してから待機時間が経過するタイミングで、当り確定演出が実行される。実施例では、当り確定演出を特定する当り確定演出実行コマンドを統括制御CPU65aが設定すると共に、ランプ制御基板72や音制御基板73に対して当り確定演出実行コマンドを出力するようになっており、当り確定演出実行コマンドがランプ制御基板72や音制御基板73に入力されることで、当り遊技が付与されることを確定的に報知する特殊な発光パターンで発光装飾装置18が発光すると同時に、当り遊技が付与されることを確定的に報知する特殊な効果音をスピーカ19が出力される。このとき、前記図柄表示装置17には、はずれ表示の表示態様となる飾図の組み合わせが停止表示されており、はずれ表示の表示態様を停止表示した状態で前記当り確定演出が実行されるようになっている。
そして、ステップE17において当り確定演出の実行を統括制御CPU65aが決定して当り確定演出が実行されると、ステップE18に移行する。ステップE16またはステップE17からステップE18に移行すると、図柄表示装置17の各図柄列26a〜26cに停止表示された飾図を確定停止させるよう統括制御CPU65aが制御を実行する。このとき、前記統括制御CPU65aは、前記各図柄列26a〜26cに停止表示された飾図をそのまま確定停止させるよう構成されている。すなわち、はずれ表示の表示態様で停止表示させた状態で当り確定演出が実行された後に、当該はずれ表示の表示態様が図柄表示装置17に確定停止表示される。すなわち、実施例のパチンコ機10は、当り判定(大当り遊技または小当り判定)が肯定判定の場合において、当り確定演出を実行しない否定判定の場合には、図柄変動演出において前記図柄表示装置17に当り表示となる表示態様で図柄を停止表示することで、当該図柄表示装置17に表示された飾図の組み合わせにより遊技者に当り遊技の発生を直接的に認識し得る一方で、当該当り判定(大当り遊技または小当り判定)が肯定判定の場合において、当り確定演出を実行する肯定判定でかつ通常当り変動パターンまたは通常はずれ変動パターンが決定された場合には、はずれ表示の表示態様を停止表示した状態で当り確定演出を実行することで、当該図柄表示装置17に表示された飾図の組み合わせとは異なる手段(発光装飾装置18やスピーカ19)により遊技者が当り遊技の発生を直接的に認識し得るようになっている。
(始動入賞装置における開閉部材の開閉制御について)
次に、前記球通過ゲート47をパチンコ球が通過することを契機として行われる前記始動入賞装置30(第2始動入賞口31b)における開閉部材33,33の開閉制御について説明する。
(普図当りの種類について)
実施例のパチンコ機10では、普図当りに当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では4種類)の開閉動作パターン1〜4の中から1つの開閉動作パターンをメイン制御CPU60aが決定し、その決定された開閉動作パターン1〜4で前記始動入賞装置30(第2始動入賞口31b)の開閉部材33,33を開閉させるよう設定されている。すなわち、実施例におけるメイン制御CPU60aは、開閉部材33,33を開閉する開閉条件としての開閉動作パターン1〜4を決定可能な開閉条件決定手段として機能している。ここで、図12に示すように、開閉動作パターン1〜4は、普図当りの際に開閉部材33,33を開放する開放時間および開放回数を特定するものである。そして、4種類の開閉動作パターン1〜4の内で何れの開閉動作パターン1〜4で開閉部材33,33が開放動作するかは、普図当り判定に当選した際に決定される普図の種類に応じて決定するようになっている。実施例では、2種類の普図Aおよび普図Bが設定されており、普図表示器55に確定停止表示された普図に応じて4種類の開閉動作パターン1〜4で開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。
ここで、実施例では、図12に示すように、開閉動作パターン1は、開閉部材33,33に「0.3秒」の開放を1回行わせるよう設定され、開閉動作パターン2は、開閉部材33,33に「1.0秒」の開放を1回行わせるよう設定され、開閉動作パターン3は、開閉部材33,33に「1.3秒」の開放を1回行わせるよう設定され、開閉動作パターン4は、開閉部材33,33に「1.5秒」の開放を3回行わせるよう設定されている。なお、開閉動作パターン4では、開閉部材33,33が閉鎖してから次に開放するまでのインターバル時間が「0.98秒」に設定されている。すなわち、開閉動作パターン1は、開閉動作パターン2〜4に較べて開閉部材33,33の開放時間が極端に短く設定されると共に、開閉動作パターン4は、開閉動作パターン1〜3に較べて開閉部材33,33の開放時間が極端に長くなるよう設定されており、開閉部材33,33の開閉動作を観察することで、開閉動作パターン1および開閉動作パターン4で開閉部材33,33が開閉動作したことを、遊技者が認識し得るよう設定されている。
また、前記メイン制御CPU60aが決定する開閉動作パターン1〜4は、開閉動作パターン1〜4を決定する際の遊技状態に応じて定められている。具体的に、確変状態および変短状態の何れも付与されていない遊技状態(低確変短なし状態)の場合には、普図Aに対して開閉動作パターン1が対応づけられると共に、普図Bに対して開閉動作パターン2が対応づけられている。また変短状態のみが付与された遊技状態(低確変短あり状態)の場合には、普図Aに対して開閉動作パターン4が対応づけられている。更に、確変状態のみが付与された遊技状態(高確変短なし状態)の場合には、普図Aに対して開閉動作パターン1および開閉動作パターン2が対応づけられると共に、普図Bに対して開閉動作パターン3が対応づけられている。そして、確変状態および変短状態が何れも付与された遊技状態(高確変短あり状態)の場合には、普図Aに対して開閉動作パターン4が対応づけられている。
(開閉部材の開閉制御用の判定用乱数について)
メイン制御CPU60aは、開閉部材33,33の開閉制御に用いる判定用乱数としての普図当り判定用乱数、普図決定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えている。そして、実施例のパチンコ機10では、前記普図当り判定用乱数および普図決定用乱数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過したこと(より具体的には通過球検出センサ48がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。ここで、普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として普図当りを発生するか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、普図決定用乱数は、普図当り判定の結果に応じて普図表示器55に確定停止表示させる普図を決定する際に用いる乱数である。また、実施例では、普図決定用乱数として、「0」〜「251」の全252通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。普図決定用乱数の各値には、普図はずれを示す1種類の普図表示に対応する乱数と、普図当りを示す2種類の普図表示に対応した251種類の乱数とが設定されており、該普図決定用乱数の値により、普図表示器55に確定停止表示される普図が特定されるようになっている。
(開閉制御用の判定値)
一方、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態あり時に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、変短状態なしの場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態の時の普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
メイン制御ROM60bには、普図決定用判定値が記憶されている。普図決定用判定値は、普図当り判定結果が肯定の場合に、普図表示器55に確定停止させる当り図柄としての普図Aおよび普図Bを、普図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、普図決定用判定値には、2種類の普図決定用乱数に対応した「1」〜「251」の整数値が設定されており、普図決定用判定値の夫々に普図Aおよび普図Bが対応付けられている。
ここで、図12に示すように、前記普図決定用判定値は、開閉動作パターン1〜4を決定する際の遊技状態に応じて各開閉動作パターン1〜4に対して所定数の判定値が割り当てられており、前記球通過ゲート47にパチンコ球が通過した際に取得された普図決定用乱数に基づいて、開閉動作パターン1〜4が決定されると共に開閉動作パターン1〜4に対応した普図が決定されようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、普図当り判定が肯定判定の場に、通過球検出センサ48によるパチンコ球の検出に基づいて、前記開閉部材33,33を開閉動作する開閉条件としての開閉動作パターン1〜4を決定する開閉条件決定手段として機能している。
具体的に、図12に示すように、開閉動作パターン1〜4(普図)を決定する際の遊技状態が確変状態および変短状態も何れも付与されていない遊技状態(低確変短なし)の場合には、開閉動作パターン1に対して30個の普図決定用判定値が割り当てられると共に、開閉動作パターン2に対して221個の普図決定用判定値が割り当てられている。すなわち、この遊技状態(低確変短なし)では、普図当りに際して30/251の割合で普図Aが決定されて開閉部材33,33が開閉動作パターン1に基づいて開閉動作すると共に、221/251の割合で普図Bが決定されて開閉部材33,33が開閉動作パターン2に基づいて開閉動作するよう設定されている。また、開閉動作パターン1〜4(普図)を決定する際の遊技状態が変短状態のみが付与された遊技状態(低確変短あり状態)の場合には、開閉動作パターン4に対して251個の普図決定用判定値が割り当てられている。すなわち、この遊技状態(低確変短あり状態)では、普図当りに際して251/251の割合で普図Aが決定されて開閉部材33,33が開閉動作パターン4に基づいて開閉動作するよう設定されている。
更に、開閉動作パターン1〜4(普図)を決定する際の遊技状態が確変状態のみが付与された遊技状態(高確変短なし状態)の場合には、開閉動作パターン1に対して10個の普図決定用判定値が割り当てられ、開閉動作パターン2に対して230個の普図決定用判定値が割り当てられると共に、開閉動作パターン3に対して11個の普図決定用判定値が割り当てられている。すなわち、この遊技状態(高確変短なし状態)では、普図当りに際して10/251の割合で普図Aが決定されて開閉部材33,33が開閉動作パターン1に基づいて開閉動作し、250/251の割合で普図Aが決定されて開閉部材33,33が開閉動作パターン2に基づいて開閉動作すると共に、11/251の割合で普図Bが決定されて開閉部材33,33が開閉動作パターン3に基づいて開閉動作するよう設定されている。そして、開閉動作パターン1〜4(普図)を決定する際の遊技状態が確変状態および変短状態が何れも付与された遊技状態(高確変短あり)の場合には、開閉動作パターン4に対して251個の普図決定用判定値が割り当てられている。すなわち、この遊技状態(高確変短あり)では、普図当りに際して251/251の割合で普図Aが決定されて開閉部材33,33が開閉動作パターン4に基づいて開閉動作するよう設定されている。
すなわち、実施例において、開閉動作パターン1,2は、前記図柄表示装置17において同一演出内容の図柄変動演出が行われる低確変短なし状態および高確変短なし状態の夫々においてメイン制御CPU60aが決定可能な共通の開閉条件として設定されると共に、開閉動作パターン3は、当該低確変短なし状態および高確変短なし状態の内で、高確変短なし状態の場合にのみメイン制御CPU60aが決定可能な特定の開閉条件として設定されている。
また、前記メイン制御CPU60aは、前記球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に(より具体的には通過球検出センサ48がパチンコ球を検出した際に)、普図表示器55で普図変動表示が行われる普図変動時間を特定する普図変動パターンを決定するよう構成されている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、開閉部材33,33を開閉する開閉条件としての普図変動パターンを決定可能な開閉条件決定手段として機能している。従って、普図表示器55での普図変動が開始してからメイン制御CPU60aで決定された普図変動パターンで特定される普図変動時間が経過することで、当該メイン制御CPU60aで決定された普図A〜Cの何れかが普図表示器55に停止表示され、停止表示された普図の種類に応じて前記開閉部材33,33が開閉動作パターン1〜4で開閉動作するようになっている。このように、メイン制御CPU60aは、前記開閉動作33,33の開閉条件として普図表示器55で行われる普図変動(第2の図柄表示手段で行われる図柄変動演出)の変動時間を決定するよう構成されている。
実施例では、前記普図変動時間として複数種類の時間が設定されており、球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に(より具体的には通過球検出センサ48がパチンコ球を検出した際に)取得される普図変動パターン決定用乱数に基づいて、メイン制御CPU60aが普図変動時間を決定するようになっている。具体的に、実施例では、普図変動パターン決定用乱数として、「0」〜「250」の全251通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。実施例では、普図変動時間として「60秒」に設定された第1の普図変動パターン、普図変動時間として「10秒」に設定された第2の普図変動パターン、普図変動時間として「3秒」に設定された第3の普図変動パターン、普図変動時間として「0.5秒」に設定された第4の普図変動パターンの4種類が設定されている。
メイン制御ROM60bには、普図変動パターンを決定する際の遊技状態に応じて普図変動パターン毎に所定数の普図変動パターン決定用判定値が割り当てられた普図変動パターン決定テーブルが設定されており、前記球通過ゲート47にパチンコ球が通過した際に取得された普図変動パターン決定用乱数に基づいて1つの変動時間が決定されるようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、通過検出センサ48によるパチンコ球の検出に基づいて、前記開閉部材33,33を開閉動作する開閉条件としての普図変動パターン(普図変動時)決定する開閉条件決定手段として機能している。ここで、実施例では、普図変動パターン決定用判定値には、普図変動パターン決定用乱数に対応した「0」〜「250」の整数値が設定されている。
具体的に、図13に示すように、普図変動パターンを決定する際の遊技状態が確変状態および変短状態が何れも付与されていない遊技状態(低確変短なし)の場合に普図変動パターンを決定する普図変動パターン決定テーブルには、第1の普図変動パターン(「60秒」)に対して250個の普図変動パターン決定用判定値が割り当てられると共に、第2の普図変動パターン(「10秒」)に対して1個の普図変動パターン決定用判定値が割り当てられている。すなわち、この遊技状態(低確変短なし)では、普図変動が行われる場合に250/251の割合で第1の普図変動パターンが決定されて、普図当りの場合に普図変動の開始から第1の普図変動パターンが経過することで開閉部材33,33が開閉動作すると共に、1/251の割合で第2の普図変動パターンが決定されて、普図当りの場合に普図変動の開始から第2の普図変動パターンで特定される普図変動時間が経過することで開閉部材33,33が開閉動作するよう設定されている。また、普図変動パターンを決定する際の遊技状態が変短状態のみが付与された遊技状態(低確変短あり)の場合には、第3の普図変動パターン(「3秒」)に対して1個の普図変動パターン決定用判定値が割り当てられると共に、第4の普図変動パターン(「0.5秒」)に対して250個の普図変動パターン決定用判定値が割り当てられている。すなわち、この遊技状態(低確変短あり)では、普図変動が行われる場合に1/251の割合で第3の普図変動パターンが決定されて、普図当りの場合に普図変動の開始から第3の普図変動パターンで特定される普図変動時間が経過することで開閉部材33,33が開閉動作すると共に、250/251の割合で第4の普図変動パターンが決定されて、普図当りの場合に普図変動の開始から第4の普図変動パターンで特定される普図変動時間が経過することで開閉部材33,33が開閉動作するよう設定されている。
更に、普図変動パターンを決定する際の遊技状態が確変状態のみが付与された遊技状態(高確変短なし)の場合には、第1の普図変動パターン(「60秒」)に対して220個の普図変動パターン決定用判定値が割り当てられ、第2の普図変動パターン(「10秒」)に対して30個の普図変動パターン決定用判定値が割り当てられると共に、第3の普図変動パターン(「3秒」)に対して1個の普図変動パターン決定用判定値が割り当てられている。すなわち、この遊技状態(高確変短なし)では、普図変動が行われる場合に220/251の割合で第1の普図変動パターンが決定されて、普図当りの場合に普図変動の開始から第1の普図変動パターンで特定される普図変動時間が経過することで開閉部材33,33が開閉動作し、30/251の割合で第2の普図変動パターンが決定されて、普図当りの場合に普図変動の開始から第2の普図変動パターンで特定される普図変動時間が経過することで開閉部材33,33が開閉動作すると共に、1/251の割合で第3の普図変動パターンが決定されて、普図当りの場合に普図変動の開始から第3の普図変動パターンで特定される普図変動時間が経過することで開閉部材33,33が開閉動作するよう設定されている。
更にまた、普図変動パターンを決定する際の遊技状態が確変状態および変短状態の夫々が付与された遊技状態(高確変短あり)の場合には、第3の普図変動パターン(「3秒」)に対して1個の普図変動パターン決定用判定値が割り当てられると共に、第4の普図変動パターン(「0.5秒」)に対して250個の普図変動パターン決定用判定値が割り当てられている。すなわち、この遊技状態(高確変短あり)では、普図変動が行われる場合に1/251の割合で第3の普図変動パターンが決定されて、普図当りの場合に普図変動の開始から第3の普図変動パターンで特定される普図変動時間が経過することで開閉部材33,33が開閉動作すると共に、250/251の割合で第4の普図変動パターンが決定されて、普図当りの場合に普図変動の開始から第4の普図変動パターンで特定される普図変動時間が経過することで開閉部材33,33が開閉動作するよう設定されている。
すなわち、実施例において、第1および第2の普図変動パターンは、前記図柄表示装置17において同一演出内容の図柄変動演出が行われる低確変短なし状態および高確変短なし状態の夫々においてメイン制御CPU60aが決定可能な共通の開閉条件として設定されると共に、第3の普図変動パターンは、当該低確変短なし状態および高確変短なし状態の内で、高確変短なし状態の場合にのみメイン制御CPU60aが決定可能な特定の開閉条件として設定されている。
このように、実施例のパチンコ機10では、前記図柄表示装置17において同一演出内容の図柄変動演出が行われる複数の遊技状態では、前記メイン制御CPU60aが決定する開閉部材33,33の開閉条件が異なるよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、普図変動パターンを決定する際の遊技状態が確変状態および変短状態が何れも付与されていない遊技状態(低確変短なし)である場合と、確変状態のみが付与された遊技状態(高確変短なし)である場合とにおいて、前記図柄表示装置17において同一演出内容の図柄変動演出が行われると共に、メイン制御CPU60aが決定可能な始動入賞装置30の開閉部材33,33の開閉動作パターン1〜4が異なるよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが決定可能な開閉動作パターン1〜4が異なる状態としては、遊技状態に対応した開閉動作パターンが全く異なる状態だけでなく、実施例のように遊技状態に応じて決定される開閉動作パターンの割合が異なる状態を含んでいる。また、実施例のパチンコ機10では、普図変動パターンを決定する際の遊技状態が確変状態および変短状態が何れも付与されていない遊技状態(低確変短なし)である場合と、確変状態のみが付与された遊技状態(高確変短なし)である場合とにおいて、前記図柄表示装置17において同一演出内容の図柄変動演出が行われると共に、メイン制御CPU60aが決定可能な普図表示器55での普図変動パターンが異なるよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが決定可能な普図変動パターンが異なる状態としては、遊技状態に対応した普図変動パターンが全く異なる状態だけでなく、実施例のように遊技状態に応じて決定される普図変動パターンの割合が異なる状態を含んでいる。このように、図柄表示装置17において同一演出内容の図柄変動演出が行われる遊技状態において、開閉部材33,33の開閉条件を異ならせるようにすることで、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の内容から遊技状態を直接的に認識できない状態でも、開閉部材33,33の開閉態様から遊技状態を認識することができる。
また、実施例のパチンコ機10では、開閉部材33,33の開閉条件としての開閉動作パターン1〜4には、前記図柄表示装置17において同一演出内容の図柄変動演出が行われる複数の遊技状態においてメイン制御CPU60aが決定可能な共通の開閉動作パターンと、該複数の遊技状態の内の特定の遊技状態の場合にのみメイン制御CPU60aが決定可能な特定の開閉動作パターンとが設定される。すなわち、実施例では、開閉動作パターン1,2が前記共通の開閉動作パターンとして設定されると共に、開閉動作パターン3が前記特定の開閉動作パターンとして設定されている。このように、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の内容から遊技状態を直接的に認識できない状態でも、特定の開閉動作パターン3で開閉部材33,33が開閉動作することで遊技状態を認識することが可能となっている。また、実施例のパチンコ機10では、開閉部材33,33の開閉条件としての普図変動パターンには、前記図柄表示装置17において同一演出内容の図柄変動演出が行われる複数の遊技状態においてメイン制御CPU60aが決定可能な共通の普図変動パターンと、該複数の遊技状態の内の特定の遊技状態の場合にのみメイン制御CPU60aが決定可能な特定の普図変動パターンとが設定される。すなわち、実施例では、第1および第2の普図変動パターンが前記共通の普図変動パターンとして設定されると共に、第3の普図変動パターンが前記特定の普図変動パターンとして設定されている。このように、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の内容から遊技状態を直接的に認識できない状態でも、普図表示器55において特定の第3の普図変動パターンとなる普図変動が行われることで遊技状態を認識することが可能となっている。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する普図処理および普図開始処理について具体的に説明する。
(普図処理について)
普図入力処理では、図14に示すように、球通過ゲート47をパチンコ球が通過したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップF11)。すなわち、ステップF11においてメイン制御CPU60aは、球通過ゲート47に対応する通過球検出センサ48がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップF11の判定結果が否定の場合には、普図入力処理を終了する。ステップF11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている普図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップF12)。ステップF12の判定結果が否定(すなわち普図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、普図入力処理を終了する。
ステップF12の判定結果が肯定(普図始動保留情報の保留数<4)の場合には、普図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1普図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップF13)。続いて、メイン制御RAM60cから普図当り判定用乱数の値、普図決定用乱数の値、普図変動パターン決定用乱数の値をメイン制御CPU60aが読み出して、当該乱数の値を普図始動保留情報の保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップF14)。これにより、普図入力処理が終了する。
(普図開始処理について)
次に、普図開始処理について図15に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、普図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。普図開始処理では、メイン制御CPU60aは、普図表示器55において普図が変動表示中であるか、または普図当り中であるか否かを判定する(ステップG11)。そして、ステップG11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、普図開始処理を終了する。一方、ステップG11の判定結果が否定の場合には、普図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップG12)、普図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップG13)。ステップG13の判定結果が否定の場合には(普図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、普図開始処理を終了する。またメイン制御CPU60aは、ステップG13の判定結果が肯定の場合には(普図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される普図変動処理フラグに普図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが普図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップG14)、当該普図始動保留情報の保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値、普図決定用乱数の値、普図変動パターン決定用乱数をメイン制御CPU60aが取得する(ステップG15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した普図始動保留情報が記憶される第1普図記憶領域から乱数を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2普図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した普図始動保留情報が記憶されている第2普図記憶領域の情報(乱数)を、前記第1普図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した普図始動保留情報が記憶されている第3普図記憶領域の情報(乱数)を前記第2普図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)普図始動保留情報が記憶されている第4普図記憶領域の情報(乱数)を前記第3普図記憶領域に記憶させる。すなわち、普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の普図始動保留情報の保留数に対応するように普図保留表示部56の表示を変更させる。
前記ステップG15の処理により各種乱数が取得されると、メイン制御CPU60aは、取得した普図当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている普図当り判定値と一致するか否かを判定する普図当り判定(当り抽選)を行う(ステップG16)。なお、前述したように、変短状態が付与されていない遊技状態の時(低確変短なし状態または高確変短なし状態の時)に普図当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち普図当り確率)は、125/65536に設定され、変短状態が付与された遊技状態の時(低確変短あり状態または高確変短あり状態の時)に判定結果が肯定となる確率(普図当り確率)は、65535/65536に設定されている。そして、ステップG16における普図当り判定の判定結果が肯定の場合には(普図当りが発生する場合には)、普図当りの変動であることを示す普図当りフラグに「1」が設定される(ステップG17)。
次いで、メイン制御CPU60aは、当該普図当りに伴う開閉部材33,33の開閉条件(開閉動作パターン1〜4および普図変動パターン)を決定する(ステップG18)。すなわち、ステップG18では、開閉部材33,33の開閉条件として、取得した普図決定用乱数の値に基づいて、第2普図表示器50Bに確定停止表示される普図当り図柄となる最終停止図柄をメイン制御CPU60aが決定する。ここで、普図決定用乱数の値は、遊技状態に応じて開閉動作パターン1〜4に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、遊技状態に応じて取得した普図決定用乱数の値に対応付けられた開閉動作パターン1〜4をメイン制御CPU60aが決定することで普図当り図柄が決定される。具体的に、図13に示すように、普図(開閉動作パターン1〜4)を決定する際の遊技状態が確変状態および変短状態を何れも付与されない遊技状態(低確変短なし状態)の場合には、普図決定用乱数の値に基づいて30/251の割合で開閉動作パターン1となる普図Aをメイン制御CPU60aが決定すると共に、221/251の割合で開閉動作パターン2となる普図Bをメイン制御CPU60aが決定する。また、普図(開閉動作パターン1〜4)を決定する際の遊技状態が短状態のみが付与された遊技状態(低確変短あり状態)の場合には、普図決定用乱数の値に基づいて251/251の割合で開閉動作パターン4となる普図Aをメイン制御CPU60aが決定する。更に、開閉動作パターン1〜4(普図)を決定する際の遊技状態が確変状態のみが付与された遊技状態(高確変短なし状態)の場合には、普図決定用乱数の値に基づいて10/251の割合で開閉動作パターン1となる普図Aをメイン制御CPU60aが決定し、230/251の割合で開閉動作パターン2となる普図Aをメイン制御CPU60aが決定すると共に、11/251の割合で開閉動作パターン3となる普図Bをメイン制御CPU60aが決定する。そして、開閉動作パターン1〜4(普図)を決定する際の遊技状態が確変状態および変短状態が付与された遊技状態(高確変短あり状態)の場合には、普図決定用乱数の値に基づいて251/251の割合で開閉動作パターン4となる普図Aをメイン制御CPU60aが決定する。
また、ステップG18では、開閉部材33,33の開閉条件として、取得した普図変動パターン決定用乱数の値に基づいて、普図表示器55で行われる普図変動の変動時間をメイン制御CPU60aが決定する。ここで、普図変動パターン決定用乱数の値は、遊技状態に応じて開閉動作パターン1〜4に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、遊技状態に応じた普図変動パターン決定テーブルに基づいて、普図変動パターン決定用乱数の値に対応付けられた普図変動パターンをメイン制御CPU60aが決定する。具体的に、図13に示すように、普図変動パターンを決定する際の遊技状態が確変状態および変短状態が何れも付与されていない遊技状態(低確変短なし状態)の場合には、250/251の割合で第1の普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定され、1/251の割合で第2の普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定される。また、普図変動パターンを決定する際の遊技状態が変短状態のみが付与された遊技状態(低確変短あり状態)の場合には、1/251の割合で第3の普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定され、250/251の割合で第4の普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定される。更に、普図変動パターンを決定する際の遊技状態が確変状態のみが付与された遊技状態(高確変短なし状態)の場合には、220/251の割合で第1の普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定され、30/251の割合で第2の普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定されると共に、1/251の割合で第3の普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定される。更にまた、普図変動パターンを決定する際の遊技状態が確変状態および変短状態の夫々が付与された遊技状態(高確変短あり状態)の場合には、1/251の割合で第3の普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定され、250/251の割合で第4の普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより決定される。
また、ステップG16での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(普図当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、普図表示器55にて確定停止表示される普図はずれを示す普図Cを最終停止図柄として決定すると共に、普図表示器55で実行する普図変動の変動時間を決定する(ステップG19)。なお、普図はずれの場合における普図変動パターンの決定は、前述した普図当りにおける普図変動パターンの決定と同じであるため、詳細な説明は省略する。すなわち、取得した普図変動パターン決定用乱数の値および遊技状態に応じた普図変動パターン決定テーブルに基づいて、普図表示器55で行われる普図変動の変動時間をメイン制御CPU60aが決定する。また、普図はずれの場合には、開閉部材33を開放しないことから、開閉動作パターン1〜4をメイン制御CPU60aが決定しないようになっている。そして、ステップG18,G19において開閉部材33,33の開閉動作パターン1〜4および普図変動パターンが決定されると、メイン制御CPUが普図表示器55に対して所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップG20)。具体的には、メイン制御CPU60aは、普図変動を開始させるように普図表示器55を制御し、普図開始処理を終了する。その後、普図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記決定した普図変動パターンに基づいて、決定した普図を表示させるように普図表示器55の表示内容を制御する。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例のように、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出において当り表示(大当り表示または小当り表示)とは異なる表示態様(はずれ表示)となる飾図の組み合わせが図柄表示装置17の各図柄列26a〜26cに停止表示された際に、当り遊技の(大当り遊技や小当り遊技)の発生を確定的に報知する当り確定演出が実行され得るよう構成したことで、はずれ表示の表示態様で飾図が停止表示された後も、当り遊技が発生する期待感を継続して持ち続けることができる。また、はずれ表示の表示態様で飾図が停止表示された後に当り確定演出が実行されるようにしたことで、従来にない新たな当り遊技の発生契機を作り出すことができ、遊技者に驚きを与え、遊技の興趣を高め得る。また、図柄変動演出において、リーチ表示が表示されることなく図柄表示装置17の各図柄列26a〜26cに飾図が停止表示されて大当り遊技や小当り遊技が発生する期待感が喪失した後に、当り確定演出が実行され得るようにすることで、当り確定演出が実行された際の意外性を強く印象づけることができる。
更に、当り表示(大当り表示または小当り表示)とは異なる表示態様(はずれ表示)となる飾図の組み合わせを図柄表示装置17に停止表示した状態のまま、当り確定演出が実行されることで、当り確定演出が実行された際のインパクトを高めることができる。そして、当り確定演出が実行された後に、当り表示(大当り表示または小当り表示)とは異なる表示態様(はずれ表示)が確定停止表示され、最終的に当り表示が表示されないようにすることで、当り表示が図柄表示装置17に表示されることを当り遊技の発生契機とする従来とは全く異なる演出を実現できる。このように、実施例のパチンコ機10では、当り遊技を導出するための斬新な演出を行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、当り表示とは異なる表示態様(はずれ表示)で図柄表示装置17の各図柄列26a〜26cに飾図が停止表示されてから当り確定演出が実行されるまでの待機時間を複数設定したことで、当り確定演出が実行されるタイミングを遊技者が容易に把握することができず、当りに対する期待感を図柄変動演出が確定するまでの間、継続して持ち続けることができる。更に、当り確定演出を複数種類設定して、当り遊技の種類(大当り遊技および小当り遊技)に応じて実行可能な当り確定演出を定めることで、実行された当り確定演出に応じて当り遊技の内容まで確定的に報知する遊技性を付与することができる。一方で、複数種類の当り確定演出を設定すると共に、1つの当り確定演出に対して複数種類の当り遊技を対応させることで、当り遊技の発生を単に報知するだけでなく、当り遊技の内容を推測させる遊技性を付与することが可能となる。
実施例では、図柄表示装置17の各図柄列26a〜26cに飾図が停止表示されてから当り確定演出が実行されるまでの待機時間として複数の長さの異なる時間を設定してあるから、飾図が停止表示されてから当り確定演出が実行されるまでの時間が画一的になるのを防止でき、図柄表示装置17に飾図が停止表示されてからも遊技の興趣を維持することができる。すなわち、飾図が確定表示されるまでの待機時間を複数設定することで、図柄表示装置17に飾図が停止表示されている間、当り遊技に対する期待感を継続して持ち続けることができる。また、実施例では、待機時間が長くなるほど遊技者に付与される価値(特典量)の高い大当り遊技が発生し易くなるよう構成されていることから、図柄表示装置17に飾図が停止表示されてから当り確定演出が実行されるまでの経過時間(すなわち待機時間)が長くなるにつれて、遊技者の関心を強く惹き付けることができる。同様に、待機時間が長くなるほど遊技者に付与される価値(特典量)の高い小当り遊技が発生し易くなるよう構成されていることから、図柄表示装置17に飾図が停止表示されてから当り確定演出が実行されるまでの経過時間(すなわち待機時間)が長くなるにつれて、遊技者の関心を強く惹き付けることができる。
また、実施例のパチンコ機10では、第5の待機時間を大当り確定待機時間として設定したことで、第4の待機時間(「3秒」)が経過した時点で当り確定演出が実行されなければ、当該図柄変動演出の結果として大当り遊技が発生することが確定する。すなわち、大当り確定待機時間と共通当り確定待機時間とを待機時間として設定したことで、図柄表示装置17にはずれ表示の表示態様で飾図が停止表示されて当り確定演出が行われるまでの経過時間(待機時間)に対する遊技者の関心を高めることができる。しかも、実施例のように、待機時間として設定した最も長い時間を大当り確定待機時間として設定することで、図柄表示装置17に飾図が停止表示されてからの経過時間(すなわち待機時間)に対する遊技者の関心が高まり、遊技の興趣を向上し得る。更に、実施例では、第5の待機時間が経過した場合に、遊技者に付与される価値(特典量)が最も高い大当り遊技(第1の特別確変大当り遊技)の発生が確定するようにしてあるから、当り確定演出が行われるまでの経過時間(待機時間)に対する遊技者の関心をより一層高めることができる。
また、実施例のパチンコ機10では、統括制御CPU65aが演出パターンを決定する時点において、確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(低確変短なし状態)に対応する通常モードであるか、確変状態を付与することが決定されると共に変短状態を付与しないことが決定された遊技状態(高確変短なし状態)に対応した内部確変モードである場合には、同じ演出パターンの中から変動パターン指定コマンドで指定される演出パターンを統括制御CPU65aが決定するよう構成されており、当該通常モードおよび内部確変モードでは、前記図柄表示装置17において同一の演出内容で図柄変動演出が行われ、図柄変動演出の内容から遊技演出モード(遊技状態)を遊技者が正確に把握し得ない。ここで、実施例のパチンコ機10では、同一演出内容の図柄変動演出が図柄表示装置17で行われる通常モードおよび内部確変モードにおいて、始動入賞装置30の第2始動入賞口31bを開閉する開閉部材33,33の開閉条件(開閉動作パターンや普図変動パターン)を異ならせてあるから、該開閉部材33,33の開閉態様から遊技状態を遊技者が推測することができる。すなわち、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出に対して遊技者の関心が偏るのを解消して、遊技者の注意を分散させることができるから、遊技の多様化を実現して遊技の興趣を高め得る。また、遊技者の関心が高く遊技中に注目し易い第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開閉条件を、遊技状態に応じて異ならせたことで、該開閉部材33,33の開閉態様を遊技者が容易に把握することができ、図柄変動演出から遊技者の関心を効果的に分散させることができる。
具体的に、実施例では、確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(低確変短なし状態)の場合に較べて、確変状態を付与することが決定されると共に変短状態を付与しないことが決定された遊技状態(高確変短なし状態)の場合の方が、1回の普図当りにおける開閉部材33,33の開放時間が長くなる傾向にあるから、該開閉部材33,33の開閉動作を目視することで、遊技状態を推測することが可能である。また、開閉部材33,33の開放時間が長いことで、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞し易くなるから、前記図柄表示装置17での図柄変動演出が行われる頻度が増えたり、入賞に伴う賞球の払い出しにより遊技によるパチンコ球の減りが抑制されることから、遊技者が開閉部材33,33の開閉動作を目視しなくても体感的に遊技状態を推測することが可能である。
また、実施例では、確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(低確変短なし状態)の場合に較べて、確変状態を付与することが決定されると共に変短状態を付与しないことが決定された遊技状態(高確変短なし状態)の場合の方が、1回の普図変動の変動時間が短くなる傾向にあるから、単位時間あたりの開閉部材33,33の開閉頻度が増え、該開閉部材33,33の開閉動作を目視することで、遊技状態を推測することが可能である。また、開閉部材33,33の開閉頻度が増えることで、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞し易くなるから、前記図柄表示装置17での図柄変動演出が行われる頻度が増えたり、入賞に伴う賞球の払い出しにより遊技によるパチンコ球の減りが抑制されることから、遊技者が開閉部材33,33の開閉動作を目視しなくても体感的に遊技状態を推測することが可能である。
このように、同一演出内容の図柄変動演出が図柄表示装置17で行われる遊技状態の場合に、メイン制御CPU60aが決定する普図変動パターンや開閉動作パターンを異ならせることにより、開閉部材33,33の開閉態様から遊技状態を推測する新たな遊技性を実現できる。また、実施例では、同一演出内容の図柄変動演出が図柄表示装置17で行われる遊技状態の場合に、メイン制御CPU60aが決定する普図変動パターンおよび開閉動作パターンの両方を異ならせたが、何れか一方を異ならせるだけでも開閉部材33,33の開閉態様から遊技状態を推測する新たな遊技性を実現することが可能である。
また、確変状態を付与することが決定されると共に変短状態を付与しないことが決定された遊技状態(高確変短なし状態)の場合には、開閉動作パターン3をメイン制御CPU60aが決定し得る一方で、確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(低確変短なし状態)の場合には、該開閉動作パターン3をメイン制御CPU60aが決定し得ないよう構成されている。このため、開閉動作パターン3で開閉動作する開閉部材33,33を認識することで、遊技者が遊技状態を確実に把握することができる。すなわち、同一演出内容の図柄変動演出が図柄表示装置17で行われる遊技状態の場合に、メイン制御CPU60aが決定可能な開閉部材33,33の開閉条件の中に、共通の開閉条件(開閉動作パターン1〜2)と、特定の開閉条件(開閉動作パターン3)とを設けることで、開閉部材33,33の開閉態様からの遊技状態の推測が容易になり、該開閉部材33,33の開閉態様に対する遊技者の関心を高め得る。更に、より遊技者に与える特典量が高い遊技状態(高確変短なし状態)の場合にのみ、特定の開閉条件(開閉動作パターン3)で開閉部材33,33が開閉動作することで、当該特定の開閉条件(開閉動作パターン3)での開閉動作に特別な付加価値を付加することができ、特定の開閉条件(開閉動作パターン3)での開閉動作に対して希少価値(プレミアム感)を持たせることができる。
同様に、確変状態を付与することが決定されると共に変短状態を付与しないことが決定された遊技状態(高確変短なし状態)の場合には、第3の普図変動パターンをメイン制御CPU60aが決定し得る一方で、確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(低確変短なし状態)の場合には、該第3の普図変動パターンをメイン制御CPU60aが決定し得ないよう構成されている。このため、普図表示器55において第3の普図変動パターンで普図変動が行われて開閉部材33,33が開閉動作することで、遊技者が遊技状態を確実に把握することができる。すなわち、同一演出内容の図柄変動演出が図柄表示装置17で行われる遊技状態の場合に、メイン制御CPU60aが決定可能な開閉部材33,33の開閉条件の中に、共通の開閉条件(第1および第2の普図変動パターン)と、特定の開閉条件(第3の普図変動パターン)とを設けることで、開閉部材33,33の開閉態様からの遊技状態の推測が容易になり、該開閉部材33,33の開閉態様に対する遊技者の関心を高め得る。
また、実施例では、同一演出内容の図柄変動演出が図柄表示装置17で行われる遊技状態(低確変短なし状態および高確変短なし状態)の場合に、メイン制御CPU60aが普図当り判定で肯定判定する確率を一定となるように設定することで、開閉部材33,33の開閉態様に対する関心を高めることができる。
このように、実施例に係るパチンコ機10では、図柄変動演出に関心を偏らせることなく遊技状態を推測することが可能となり、遊技に対する興趣を高めることができる。
(第1の別実施例)
次に、第1の別実施例に係るパチンコ機10について説明する。なお、第1の別実施例では、当り確定演出の実行制御が異なり、その他の構成は前述した実施例と同じである。すなわち、前述した実施例では、待機時間を統括制御CPU65aが決定して、メイン制御CPU60aが決定した変動パターン(すなわち通常当り変動パターンまたは通常はずれ変動パターン)により特定される変動時間から待機時間を減算するよう構成したが、第1の別実施例のパチンコ機10では、待機時間を含んだ変動時間に設定された変動パターンをメイン制御CPU60aが決定するよう構成されている。すなわち、第1の別実施例における各変動パターンは、前記図柄変動演出における飾図の変動開始から確定停止までの変動時間を特定するよう設定されると共に、リーチなし変動パターンにより特定される変動時間では、飾図の変動開始から停止表示までの変動表示時間と、飾図の停止表示から確定停止までの待機時間(停止表示時間)とから構成されている。
第1の別実施例のパチンコ機10は、図16に示すように、メイン制御ROM60bに対して、異なる変動時間を特定する複数種類の(第1の別実施例では5種類)通常当り変動パターンが設定されると共に、異なる変動時間を特定する複数種類(第1の別実施例では4種類)の通常はずれ変動パターンが設定されている。具体的には、第1の通常当り変動パターンP1は、変動時間が「15秒」に設定され、第2の通常当り変動パターンP2は、変動時間が「15.6秒」に設定され、第3の通常当り変動パターンP1は、変動時間が「16秒」に設定され、第4の通常当り変動パターンP4は、変動時間が「18秒」に設定され、第5の通常当り変動パターンP5は、変動時間が「20秒」に設定されている。また、第1の通常はずれ変動パターンP15は、変動時間が「15秒」に設定され、第2の通常はずれ変動パターンP16は、変動時間が「15.6秒」に設定され、第3の通常はずれ変動パターンP17は、変動時間が「16秒」に設定され、第4の通常はずれ変動パターンP4は、変動時間が「18秒」に設定されている。
なお、変動パターンP11〜P14はリーチ当り変動パターンを特定する変動パターンであって、変動パターンP11はノーマルリーチ当り変動パターンを特定し、変動パターンP12はロングリーチ当り変動パターンを特定し、変動パターンP13は第1のスーパーリーチ当り変動パターンを特定し、変動パターンP14は第2のスーパーリーチ当り変動パターンを特定している。また、変動パターンP23〜P26はリーチはずれ変動パターンを特定する変動パターンであって、変動パターンP23はノーマルリーチはずれ変動パターンを特定し、変動パターンP24はロングリーチはずれ変動パターンを特定し、変動パターンP25は第1のスーパーリーチはずれ変動パターンを特定し、変動パターンP26は第2のスーパーリーチはずれ変動パターンを特定している。ここで、リーチ演出では、背景画像として通常背景が表示されるようになっており、リーチ演出が通常背景のもとで行われるノーマルリーチ演出と、ノーマルリーチ演出後に発展的に実行されるリーチ演出であって背景画像として通常背景とは異なるスーパーリーチ演出画像が表示されるスーパーリーチ演出とがある。ここで、スーパーリーチ演出画像とは、特殊背景の1つであって通常背景とは異なる態様で表示されて、スーパーリーチ演出であることを遊技者に認識させる背景画像である。スーパーリーチ演出画像としては、例えば、特定のキャラクタが登場するアニメーション画像(動画)や、明暗や色調を段階的に変化させるグラデーション画像等が設定される。また、ロングリーチ演出は、ノーマルリーチ演出と同様に、リーチ演出が通常背景のもとで行われる一方で、変動時間がノーマルリーチ演出より長くされ
たものである。
ここで、図16に示すように、大当り図柄が図柄Aの場合にメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する変動パターンテーブル1には、前記第1〜第5の通常当り変動パターンP1〜P5の夫々に所定数(実施例では1個)の変動パターン振分判定値が割り当てられている。そして、大当り図柄が図柄B〜図柄Gの場合にメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する変動パターンテーブル2には、前記第1〜第4の通常当り変動パターンP1〜P4の夫々に所定数(実施例では1個)の変動パターン振分判定値が割り当てられている。すなわち、大当り判定が肯定の場合には、決定された大当り図柄の種類に応じて変動パターンテーブル1および変動パターンテーブル2の何れかに基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するよう設定されている。なお、変動パターンテーブル1および2には、前記リーチ当り変動パターンの夫々に対しても所定数の変動パターン振分け用判定値が割り当てられている。
また、図16に示すように、小当り図柄が図柄P〜Rの場合にメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する変動パターンテーブル3には、前記第1〜第4の通常当り変動パターンP1〜P4の夫々に所定数(実施例では1個)の変動パターン振分判定値が割り当てられている。すなわち、小当り判定が肯定の場合には、変動パターンテーブル3に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するよう設定されている。そして、はずれの場合にメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する変動パターンテーブル4には、前記第1〜第4の通常はずれ変動パターンP15〜P18の夫々に所定数(実施例では25または5個)の変動パターン振分判定値が割り当てられている。すなわち、当り判定(大当り判定および小当り判定)が何れも否定の場合には、変動パターンテーブル4に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するよう設定されている。なお、変動パターンテーブル3には、前記リーチ当り変動パターンの夫々に対しても所定数の変動パターン振分け用判定値が割り当てられ、同様に変動パターンテーブル4には、前記リーチはずれ変動パターンの夫々に対しても所定数の変動パターン振分け用判定値が割り当てられている。
また、前記統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aからリーチなし変動パターン(通常当り変動パターンP1〜P5または通常はずれ変動P15〜P18)を指定する変動パターン指定コマンドが入力された際に、飾図の変動開始から停止表示までの変動表示時間と、飾図の停止表示から確定停止までの待機時間とを夫々決定するよう構成されている。第1の別実施例では、前記メイン制御CPU60aからリーチなし変動パターン(通常当り変動パターンP1〜P5または通常はずれ変動P15〜P18)を指定する変動パターン指定コマンドが入力された際には、変動パターンの種類に関わらず統括制御CPU65aが所定時間を変動表示時間として設定すると共に、各変動パターンP1〜P5,P15〜P18により特定される変動時間から変動表示時間を減算した時間を待機時間として統括制御CPU65aが設定するよう構成されている。ここで、第1の別実施例における変動表示時間は、15秒に設定してある。
すなわち、第1の別実施例のパチンコ機10では、前記第1の通常当り変動パターンP1または第1の通常はずれ変動パターンP15を指定する変動パターン指定コマンドが入力された場合に、統括制御CPU65aが変動表示時間として「15秒」を設定すると共に、待機時間として「0秒」を設定するようになっている。また、第2の通常当り変動パターンP2または第2の通常はずれ変動パターンP16を指定する変動パターン指定コマンドが入力された場合に、統括制御CPU65aが変動表示時間として「15秒」を設定すると共に、待機時間として「0.6秒」を設定するようになっている。そして、第3の通常当り変動パターンP3または第3の通常はずれ変動パターンP17を指定する変動パターン指定コマンドが入力された場合に、統括制御CPU65aが変動表示時間として「15秒」を設定すると共に、待機時間として「1.0秒」を設定するようになっている。更に、第4の通常当り変動パターンP4または第4の通常はずれ変動パターンP18を指定する変動パターン指定コマンドが入力された場合に、統括制御CPU65aが変動表示時間として「15秒」を設定すると共に、待機時間として「3.0秒」を設定するようになっている。また、第5の通常当り変動パターンP5を指定する変動パターン指定コマンドが入力された場合に、統括制御CPU65aが変動表示時間として「15秒」を設定すると共に、待機時間として「5.0秒」を設定するようになっている。
そして、第1の別実施例のパチンコ機10では、第1〜第5の通常当り変動パターンP1〜P5の何れかを指定する変動パターン指定コマンドが入力された際に、前記統括制御CPU65aが前記当り確定演出の実行を決定するよう設定されている。すなわち、統括制御CPU65aは、リーチなし変動パターン(第1〜第5の通常当り変動パターンP1〜P5)を決定した場合に、決定されたリーチなし変動パターンにより特定される変動表示時間が経過した時点で前記図柄表示装置17に当り表示とは異なる表示態様(はずれ表示の表示態様)で飾図を停止表示させ、飾図を停止表示してから変動パターンの種類に対応した待機時間が経過した後に、当該当り表示が表示されない状態で当り確定演出を実行させるよう設定されている。
このように、統括制御CPU65aにより当り確定演出の実行が決定された際には、飾図が停止表示されるまでの待機時間として各変動パターンの停止表示時間が機能するよう構成すると共に、待機時間の長さの異なる変動パターンを複数設定することで、飾図が停止表示されている間、当り遊技の発生に対する期待感を継続して持ち続けることができる。また、メイン制御CPU60aにおいて変動パターンが決定された際に、当り確定演出が実行されるまでの待機時間となる停止表示時間が決定されることで、待機時間を個別に決定するための制御が必要なく、制御負荷の軽減を図り得る。その他、第1の別実施例に係るパチンコ機10においても、前述した実施例に係るパチンコ機10と同様の作用効果が期待できる。
(第2の別実施例)
次に、第2の別実施例に係るパチンコ機10について説明する。第2の別実施例に係るパチンコ機10では、小当り遊技に当選した際における開閉部材33の開閉動作が、前述した実施例と異なると共に、短縮当り遊技(具体的には実施例における短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技)に当選した場合および小当り遊技に当選した場合に、当り遊技後の遊技演出モードが異なり、その他の構成は前述した実施例と同じである。
第2の別実施例では、小当り遊技における前記開閉部材33の開閉態様が、前記短縮当り遊技(具体的には実施例における短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技)における開閉部材33の開閉態様と、外見上、同じ態様となるよう設定される。具体的に、第2の別実施例における小当り遊技では、短縮当り遊技における1回のラウンド遊技時間と同じ時間(すなわち0.04(秒))だけ開放した後に開閉部材33を閉鎖し、当該短縮当り遊技におけるラウンド間インターバル時間と同じ時間(すなわち2.0(秒))経過した後に、ラウンド遊技時間と同じ時間(すなわち0.04(秒))だけ開放する動作を、開閉部材33を4回開放して閉鎖するまで繰り返すよう設定される。また、特図変動表示の結果として特図表示器50A,50Bに小当り図柄が停止表示されてから(小当り遊技が開始してから)、短縮当り遊技の場合におけるオープニング演出時間(すなわち0.004(秒))が経過した後に、第1回目の開閉部材33の開放を開始するよう設定されると共に、4回目に開閉部材33が開放して閉鎖した後に、短縮当り遊技の場合におけるエンディング演出時間(すなわち0.004(秒))が経過することで、小当り遊技が終了するよう設定されている。このように、小当り遊技における開閉部材33の開閉動作は、短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技における開閉部材33の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行なうようになっている。
また、前記統括制御ROM65bには、短縮当り遊技および小当り遊技において前記図柄表示装置17で実行される共通の当り遊技演出パターンが設定されている。すなわち、第2の別実施例の統括制御CPU65aは、短縮当り遊技および小当り遊技が行われる際に、同一内容となる当り遊技演出パターンに基づいて演出を実行させるよう制御するよう構成されている。このように、第2の別実施例に係るパチンコ機10では、短縮当り遊技および小当り遊技の何れの当り遊技が行われているかを、前記開閉部材33の開閉態様や図柄表示装置17の演出内容から遊技者が把握し得ないようになっている。
また第2の別実施例に係るパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では4つ)の遊技演出モードが設定されている。第2の別実施例に係る遊技演出モードには、メイン制御CPU60aにより確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(低確変短なし状態)に対応する通常モードと、確変状態が付与されていることを示唆する遊技状態に対応した(すなわち、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある)潜伏モードと、確変状態を付与しないことが決定されると共に変短状態を付与することが決定された遊技状態(低確変短あり状態)に対応した変短モードと、確変状態および変短状態を何れも付与することが決定された遊技状態(高確変短あり状態)に対応した確変モードとが設定されている。そして、第2の別実施例では、前述した短縮当り遊技(短縮確変大当り遊技、短縮非確変大当り遊技)および小当り遊技が決定された場合に、当り遊技後の遊技演出モードとして潜伏モードに移行するよう設定されている。
ここで、図柄表示装置17には、遊技演出モードに対応した内容の遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、通常モード、潜伏モード、確変モードおよび変短モードの各モード毎に、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、通常モード、潜伏モード、確変モードおよび変短モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容の一部または全部が異なっており、これらの遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
また、第2の別実施例に係るパチンコ機10には、潜伏モードが複数種類設定されると共に、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンを潜伏モード毎に異ならせるよう設定されている。この例では、第1潜伏モード、第2潜伏モードおよび第3潜伏モードが設定されている。そして、短縮確変大当り遊技に当選した場合(潜伏モードを特定する遊技演出モードフラグが設定された場合)に、第1潜伏モード<第2潜伏モード<第3潜伏モードの順で、統括制御CPU65aが当該短縮確変大当り遊技後の遊技演出モードを選択する割合が高くなるよう設定されている。すなわち、第2の別実施例では、短縮確変大当り遊技に当選していた場合には、当該大当り遊技後に、第3潜伏モードに対応した演出が図柄表示装置17で最も実行され易く、第1潜伏モードに対応した演出が図柄表示装置17で最も実行され難くなるよう設定される。また、短縮非確変大当り遊技に当選した場合(潜伏モードを特定する遊技演出モードフラグが設定された場合)に、第3潜伏モード<第2潜伏モード<第1潜伏モードの順で、統括制御CPU65aが当該短縮確変大当り遊技後の遊技演出モードを選択する割合が高くなるよう設定されている。すなわち、第2の別実施例では、短縮非確変大当り遊技に当選していた場合には、当該大当り遊技後に、第1潜伏モードに対応した演出が図柄表示装置17で最も実行され易く、第3潜伏モードに対応した演出が図柄表示装置17で最も実行され難くなるよう設定される。
また、小当り遊技に当選した場合には、小当り図柄に応じて潜伏モードの種類を統括制御CPU65aが決定するよう構成されている。具体的には、図柄Pに分類される特図か図柄pに分類される特図2が決定された場合に、第3潜伏モードを統括制御CPU65aが決定し、図柄Qに分類される特図1か図柄qに分類される特図2が決定された場合に、第2潜伏モードを統括制御CPU65aが決定し、図柄Rに分類される特図1か図柄rに分類される特図2が決定された場合に、第1潜伏モードを統括制御CPU65aが決定するようになっている。このように第2の別実施例に係る複数種類の小当り遊技は、小当り図柄の種類に関わらず開閉部材33,33が同じ開閉動作を行うものの、小当り図柄の種類に応じて、小当り遊技の終了後の遊技演出モードを異ならせてある。前述のように、第3潜伏モードは、短縮確変大当り遊技の場合に最も選択され易く、短縮非確変大当り遊技の場合に最も選択され難く設定されており、第3潜伏モードに基づく演出が図柄表示装置17で実行された場合に確変状態となっている期待感が最も高い。すなわち、実施例の小当り遊技は、第3の小当り遊技<第2の小当り遊技<第1の小当り遊技の順で、小当り遊技後に確変状態に対して遊技者が抱く期待感が大きくなり、遊技者に付与される価値(特典量)が高くなるよう構成してある。
このように、短縮大当り遊技と小当り遊技とを外見から判別し難くすることで、当り確定演出により短縮大当り遊技や小当り遊技当り遊技の発生を単に報知するだけでなく、短縮大当り遊技および小当り遊技の何れの当り遊技可を推測させる遊技性を付与することが可能となる。また、短縮大当り遊技や小当り遊技に当選した際に、図柄表示装置17の各図柄列26a〜26cに飾図が停止表示されてから当り確定演出が実行されるまでの待機時間が長くなるほど、遊技者に付与される価値(特典量)の高い当り遊技が発生し易くなるから、図柄表示装置17に飾図が停止表示されてから当り確定演出が実行されるまでの経過時間(すなわち待機時間)が長くなるにつれて、遊技者の関心を強く惹き付けることができる。短縮大当り遊技や小当り遊技が終了した後に移行する遊技演出モードとして第1〜第3潜伏モードを設定し、第3潜伏モードの場合に遊技者に付与される価値(特典量)の高い当り遊技が選択された可能性が高く、第1潜伏モードの場合に遊技者に付与される価値(特典量)の高い当り遊技が選択された可能性が低くなるよう設定されていることで、待機時間の長さと潜伏モードの種類から複合的に遊技状態(確変状態の有無)を遊技者が推測することができる。
また、短縮大当り遊技や小当り遊技が終了した後の第1〜第3潜伏モードでは、潜伏モード毎に図柄表示装置17において同一の演出内容で図柄変動演出が行われ、図柄変動演出の内容から遊技状態(確変状態の有無)を遊技者が正確に把握し得ない。ここで、第2の別実施例のパチンコ機10においても前述した実施例と同様に、同一演出内容の図柄変動演出が図柄表示装置17で行われる潜伏モードにおいて、始動入賞装置30の第2始動入賞口31bを開閉する開閉部材33,33の開閉条件(開閉動作パターンや普図変動パターン)が異なるから、該開閉部材33,33の開閉態様から遊技状態を遊技者が推測することができる。このように、短縮大当り遊技と小当り遊技とを外見から判別し難くすることで、当り遊技が発生する前の図柄変動演出から、当り遊技が発生した後の慈雨柄変動演出まで連続して遊技状態(確変状態の有無)を推測する遊技性を付与することができ、遊技の興趣の向上を図り得る。その他、第2の別実施例に係るパチンコ機10においても、前述した実施例に係るパチンコ機10と同様の作用効果が期待できる。また、第2の別実施例に係るパチンコ機10に、第1の別実施例に係るパチンコ機10の構成を採用すれば、第1の別実施例と同様の作用効果も併せて期待できる。
なお、遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、図柄表示手段に左右3列の図柄列を設けるようにしたが、これに限られるものではなく、上下に並ぶ図柄列を複数設けて左右方向に図柄(飾図)を変動表示するようにしてもよい。また各図柄列に設定する有効停止位置は1つに限られるものではなく、各図柄列に3つの有効停止位置を設定してもよく、任意数の有効停止位置を設定することができる。また、各図柄列の有効停止位置の数は、同じである必要はなく、例えば左右の図柄列に3つの有効停止位置を設定する一方で、中図柄列に1つの有効停止位置のみを設定することもできる。
(2) 実施例では、特典量が異なる複数の遊技状態として、低確変短なし状態、低確変短あり状態、高確変短なし状態、高確変短あり状態の4種類を設定するようにしたが、これに限られるものではなく、確変状態と変短状態とを組み合わせて2種類以上の遊技状態を設定するようにすればよい。
(3) 実施例では、複数の遊技状態の内の低確変短なし状態と高確変短なし状態の場合に、図柄表示装置(第1の図柄表示手段)において同一演出内容の図柄変動演出が行われるよう構成したが、これに限られるものではなく、複数設定した遊技状態の内の2種類以上の遊技状態において同一演出内容の図柄変動演出が行われるようにすることができる。また、同一演出内容の図柄変動演出が行われる遊技状態の組み合わせとしても、実施例に示したものに限られるものではなく、例えば低確変短あり状態および高確変短あり状態の場合に、図柄表示装置(第1の図柄表示手段)において同一演出内容の図柄変動演出が行われるよう構成してもよい。
(4) 実施例では、普図当りの確率が等しい遊技状態(低確変短なし状態および高確変短なし状態)の場合に、図柄表示装置(第1の図柄表示手段)において同一演出内容の図柄変動演出が行われるよう構成したが、普図当りの確率が異なる遊技状態(例えば低確変短なし状態および低確変短あり状態)の場合に、図柄表示装置(第1の図柄表示手段)において同一演出内容の図柄変動演出が行われるよう構成してもよい。
(5) 実施例では、同一演出内容の図柄変動演出が図柄表示装置(第1の図柄表示手段)で行われる複数の遊技状態において、開閉手段の開閉条件として設定した普図表示器(第2の図柄表示手段)で行われる普図変動(図柄変動演出)の変動時間、および該開閉手段の開閉動作パターンの両方を異ならせるようにしたが、何れか一方のみを異ならせるようにしてもよい。また、開閉手段の開閉条件としては、普図変動パターンおよび開閉動作パターンだけに限られるものではなく、開閉手段の開閉動作の違いを認識可能な開閉条件であればよい。
(6) 実施例では、開閉手段の開閉条件として、図柄表示装置(第1の図柄表示手段)で同一演出内容の図柄変動演出が行われる複数の遊技状態の何れの場合にも共通して決定され得る共通の開閉条件と、当該複数の遊技状態の内の特定の遊技状態の場合にのみ決定され得る特定の開閉条件とを設定したが、共通の開閉条件だけを設定するようにしてもよい。例えば、前述した実施例において、低確変短なし状態および高確変短なし状態の何れの場合にも、開閉動作パターン1〜4のみが決定され得るようにしたり、第1〜第4の普図変動パターンのみが決定され得るようにしてもよい。反対に、開閉手段の開閉条件を、図柄表示装置(第1の図柄表示手段)で同一演出内容の図柄変動演出が行われる複数の遊技状態毎に全く異ならせるようにしてもよい。この場合には、遊技者の推測性が高まることにより遊技の興趣を向上することが可能になる。
(7) 実施例では、前記特定の開閉条件を高確変短あり状態の場合にのみ対応して設定したが、低確変短なし状態に対応する特定の開閉条件を設定することもできる。そして、図柄表示装置(第1の図柄表示手段)で同一演出内容の図柄変動演出が行われる複数の遊技状態の夫々に対応した特定の遊技状態を設定することも可能である。
(8) 実施例では、当り判定として大当り判定および小当り判定が肯定判定の場合に、当り確定演出が実行され得るよう構成したが、大当り判定が肯定判定の場合にのみ当り確定演出が実行され得るよう構成してもよい。
(9) 実施例では、当り判定が肯定の場合には、待機演出が行われた後に当り確定演出が実行されるよう構成したが、当り判定が肯定の場合において、待機演出の実行判定が肯定の場合に更に当り確定演出を実行するか否かを判定するようにしてもよい。
(10) 実施例では、当り表示が表示されない状態で当り確定演出を実行した後に、当該当り表示が表示されないまま図柄表示装置(第1の図柄表示手段)に飾図が確定停止するようにしたが、当り確定演出を実行した後に当り表示を図柄表示装置(第1の図柄表示手段)に表示するようにしてもよい。このように、当り確定演出を実行した後に当り表示を表示するようにすれば、図柄変動演出後に当り遊技が行われることを遊技者に確実に認識させ得る。
(11) 実施例では、待機時間として5種類の時間を設定したが、待機時間の種類はこれに限られるものではなく、1種類であってもよく、また2種類以上の複数種類であってもよい。
(12) 実施例では、図柄変動演出の終了後に行われる前記当り遊技として特典量が異なる複数種類の当り遊技を設定して、当り遊技毎の待機時間の平均値が異なるようにしたが、これに限られるものではなく、当り遊技毎の待機時間の平均値を一定にしてもよい。
(13) 実施例では、大当り図柄A〜Gの数に一致するよう大当り用の待機時間決定テーブルTA1〜TA7を設定してあるが、大当り図柄A〜Gの数より大当り用の待機時間決定テーブルの設定数を少なく設定して、1つの大当り用の待機時間決定テーブルに複数の大当り図柄を対応させるようにしてもよい。反対に、大当り図柄A〜Gの数より大当り用の待機時間決定テーブルの設定数を多く設定して、1つの大当り図柄に対して複数の大当り用の待機時間決定テーブルを対応させて、テーブルを選択し得るようにしてもよい。また、小当り図柄に関しても同様に、小当り図柄P〜Rの数に一致するよう大当り用の待機時間決定テーブルTA8〜TA10を設定したが、小当り図柄P〜Rの数より小当り用の待機時間決定テーブルの設定数を少なく設定して、1つの小当り用の待機時間決定テーブルに複数の小当り図柄を対応させるようにしてもよい。反対に、小当り図柄P〜Rの数より小当り用の待機時間決定テーブルの設定数を多く設定して、1つの小当り図柄に対して複数の小当り用の待機時間決定テーブルを対応させて、テーブルを選択し得るようにしてもよい。
(14) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段とを始動入賞手段として備え、各始動入賞具手段毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2入賞検出手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2入賞検出手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(15) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(16) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を統括制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御手段(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(17) 実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(18) 実施例では、演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
また、実施例には次のような技術的思想が含まれている。
請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機に関して、
前記始動入賞手段(30)による遊技球の検出に基づいて当り判定する当り判定手段と、
前記当たり判定手段が肯定判定の場合に、確変状態を付与するか否かを決定する確変付与決定手段と、
前記当たり判定手段が肯定判定の場合に、入賞率向上状態を付与するか否かを決定する入賞率向上状態付与決定手段とを備え、
前記遊技状態として、前記確変付与決定手段および入賞率向上状態付与決定手段により確変状態および入賞率向上状態を何れも付与しないことが決定された第1の遊技状態と、前記確変付与決定手段により確変状態を付与することが決定されると共に前記入賞率向上状態付与決定手段により入賞率向上状態を付与しないことが決定された第2の遊技状態と、前記確変付与決定手段および入賞率向上状態付与決定手段により確変状態および入賞率向上状態を何れも付与することが決定された第3の遊技状態とが少なくとも設定され、
前記第1の遊技状態および第2の遊技状態の場合に、同一演出内容の図柄変動演出が前記第1の図柄表示手段(17)で行われると共に、前記開閉条件決定手段が決定する前記開閉手段(33)の開閉条件を異ならせるよう構成されたことを要旨とする。
このように、遊技者の関心が高い確変状態が付与されているか否かが異なる第1の遊技状態および第2の遊技状態の場合に、遊技状態の推測が可能となる開閉手段の開閉態様に対する関心を惹き付けることができる。