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JP6221493B2 - シート処理装置、画像形成システム及びシート束の増し折り方法 - Google Patents

シート処理装置、画像形成システム及びシート束の増し折り方法 Download PDF

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Description

本発明は、シート処理装置、画像形成システム及びシート束の増し折り方法に係り、特に用紙、記録紙、転写紙などのシート状記録媒体(以下、本明細書では、単に、「シート」と称する。)を折り処理する機能を備えたシート処理装置、シート処理装置を備えた画像形成システム、及び前記シート処理装置で実行されるシート束の増し折り方法に関する。
従来、複写機等の画像形成装置と組み合わせて使用される後処理装置において、1枚あるいは複数枚からなるシートに対し、シート中央部を綴じ、シート折り方向に平行に設置した折りローラ対でシート束中央部を折ることにより中綴じ冊子を製本するものがある。さらに、中綴じ冊子の折り目を強化するために、冊子の背に沿って移動するローラによって増し折りする技術も既に知られている。
このような増し折り技術では、増し折りローラによって冊子(シート束)の背(折り目部)を増し折りするために、冊子の外側で待機していたローラを冊子の背の上にのせて移動させるようになっている。
この種の増し折り技術として、例えば特開2009−126685号公報(特許文献1)あるいは特開2006−321622号公報(特許文献2)に記載された発明が公知である。
このうち特許文献1には、搬入されてきたシート状記録媒体に折り処理を施す折り手段と、前記折り手段による折り処理の後に、前記シート状記録媒体の折り目上をシート搬送方向に対して直交する方向に移動して加圧し、折り増しする折り増し手段と、を備えたシート折り装置において、前記折り増し手段が、前記シート状記録媒体の媒体面の法線に対して前記折り目を加圧したとき、移動方向に力が発生する方向に傾斜して配置されていることを特徴とする技術が記載されている。
また、特許文献2には、シート束背部処理装置において、折り畳まれたシート束の背面折り目部の表裏面を挟圧しながら移動して折り目の形状を整える折り目処理手段と、前記シート束の背面折り部の背部を押圧しながら移動して前記背部を平坦にする背部処理手段と、前記折り目処理手段と前記背部処理手段とのうち、少なくとも一方を選択して作動させる選択手段と、を備えたことを特徴とする技術が記載されている。
特許文献1に記載された技術では、負荷低減の目的で、付勢力の方向を増し折り機構の移動方向から傾けてはいるが、増し折り機構が加圧ローラと対向する固定の受け部材で構成されているため、シート束への押圧力はシート束の厚み方向に生じることになる。そのため、装置の剛性が必要となり、装置は大型化し、その分コストも高くなる。
特許文献2に記載された技術では、折り目を強化する折り目処理手段において、3つ以上の増し折りローラを備えており、折り目を強化する2つのローラ対からなる折り目処理手段は、移動方向に垂直な方向に加圧力を発生させ、背部を平坦にする3つ目のローラは、前記2つのローラ対がなす加圧力とシート搬送方向において直交する方向に加圧力を生じさせている。そのため、特許文献1記載の技術と同様に、装置の剛性が必要となり、装置は大型化し、その分コストも高くなる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、小さな加圧力で増し折りを可能とし、装置の小型化と低コスト化を図ることにある。
前記課題を解決するため、本発明は、折られたシート束の折り目部を挟み込んで押圧する押圧手段と、前記押圧手段の押圧位置をシート束の折り目方向に移動させる移動手段と、を有するシート処理装置において、前記押圧手段は、シート束の厚み方向の一方に配置された第1の押圧部材と、前記シート束の折り目部を挟んで他方に配置された第2及び第3の押圧部材と、を含み、前記移動手段は、前記第1の押圧部材の中心と前記第2の押圧部材の中心を結ぶ第1の線及び前記第1の押圧部材の中心と前記第3の押圧部材の中心を結ぶ第2の線をそれぞれシート束の厚み方向に対して平行でない状態で前記押圧手段を移動させ、前記第2の押圧部材又は前記第3の押圧部材が、前記第1の押圧部材に対してシート幅方向にそれぞれ移動可能であることを特徴とする。なお、前記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明において明らかにされる。
本発明によれば、小さな加圧力で増し折りを可能とし、装置の小型化と低コスト化を図ることができる。
本発明の実施形態における画像形成装置と、複数のシート処理装置とからなる画像処理システムのシステム構成を示す図である。 中綴じ製本装置の動作説明図で、シート束の中折り搬送路への搬入時の状態を示す。 中綴じ製本装置の動作説明図で、シート束の中綴じ時の状態を示す。 中綴じ製本装置の動作説明図で、シート束の中折り位置への移動完了時の状態を示す。 中綴じ製本装置の動作説明図で、シート束の中折り処理実行時の状態を示す。 中綴じ製本装置の動作説明図で、シート束の中折り終了後の排紙時の状態を示す。 増し折りローラユニットと折りローラ対を示す要部正面図である。 図7を左側から見た要部側面図である。 案内部材の詳細を示す図である。 図9の要部を拡大して示す図で、経路切り替え爪が切り替えられていないときの状態を示す。 図9の要部を拡大して示す図で、第1の経路切り替え爪が切り替えられた状態を示す。 増し折り動作の初期状態を示す動作説明図である。 増し折りローラユニットの往移動開始時の状態を示す動作説明図である。 増し折りローラユニットのシート束の中央部付近で第3の案内経路にかかったときの状態を示す動作説明図である。 増し折りローラユニットが第1の経路切り替え爪を押しのけて第2の案内経路に入るときの状態を示す動作説明図である。 増し折りローラユニットがシート束を押圧したままの状態で端部方向に移動するときの状態を示す動作説明図である。 増し折りローラユニットが第2の案内経路に沿って往移動の最終位置まで移動したときの状態を示す動作説明図である。 増し折りローラユニットが往移動の最終位置から復移動を開始したときの状態を示す動作説明図である。 増し折りローラユニットが復移動を開始し、第6の案内経路に至ったときの状態を示す動作説明図である。 増し折りローラユニットが第6の案内経路に至り、押圧解除状態から押圧状態に移行するときの状態を示す動作説明図である。 増し折りローラユニットが第6の案内第5の案内経路に入ると、完全な押圧状態になったときの状態を示す動作説明図である。 増し折りローラユニットが第5の案内経路をそのまま移動して初期位置に戻ったときの状態を示す動作説明図である。 本発明の実施形態に係る増し折りローラユニットの詳細な構成を示す斜視図である。 図23の増し折りローラユニットを矢印D4方向から見た図である。 増し折りローラ/上に対して第1及び第2増し折りローラ/下の軸芯(回転軸)をシート幅方向にずらして配置した増し折りローラユニットを示す図である。 増し折りローラ/上と第1及び第2増し折りローラ/下によってシート束の折り目部を押圧するときの押圧状態を示す模式図である。 増し折りローラ/上と第1及び増し折りローラ/下との間の押圧部分を拡大して示す図である。 シート束を強く屈曲させるときと弱く屈曲させるときの増し折りローラ/上と第1及び第2増し折りローラ/下との位置関係を示す図である。 増し折りローラ/上と第1及び増し折りローラ/下との上下関係を入れ替えた増し折りローラの例を示す図である。 増し折りローラ/上と増し折りローラ/下との間にずれ量を設定し、シート束の厚み方向に対して傾いた方向に押圧力を発生させる例を示す図である。 増し折りローラ/上と第2増し折りローラ/下のずれ量を0としたときの例を示す図である。 増し折りローラ/上と第2増し折りローラ/下に所定のずれ量を設定したときの例を示す図である。
本発明は、中綴じ冊子の背を増し折りする際に、冊子のシート幅方向に移動する増し折りローラに関して、3つの増し折りローラでシートを挟み込み、シートに山形の変形を生じさせながら増し折り処理を施すことが特徴になっている。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における画像形成装置と、複数のシート処理装置とからなる画像処理システムのシステム構成を示す図である。本実施形態では、画像形成装置PRの後段に第1及び第2のシート後処理装置1,2がこの順で連結されている。
第1のシート後処理装置1は、画像形成装置PRからシートを1枚ずつ受け取り、順次重ね合わせ整合し、スタック部でシート束を作成するシート束作成機能を有するシート後処理装置である。この第1のシート後処理装置1はシート束排紙ローラ10から後段の第2のシート処理装置2にシート束を排紙する。第2のシート後処理装置2は、搬送されてきたシート束を受け取り、中綴じ中折りを施す中綴じ製本装置である(本明細書では、第2のシート後処理装置について中綴じ製本装置とも称する)。
中綴じ製本装置2は製本した冊子(シート束)をそのまま排紙し、あるいは後段のシート処理装置に排紙する。画像形成装置PRは入力された画像データ、若しくは読み取った画像の画像データに基づいてシート状の記録媒体に可視画像を形成するものである。例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの機能のうち少なくとも2つの機能を備えたデジタル複合機などがこれに相当する。画像形成装置PRは、例えば電子写真方式、液滴射出方式など公知の方式のものであり、画像形成方式は何れでも良い。
同図において、中綴じ製本装置2は入口搬送路241、シートスルー搬送路242、及び中折り搬送路243を備えている。入口搬送路241のシート搬送方向最上流部には、入口ローラ201が設けられ、第1のシート後処理装置1の前記シート束排紙ローラ10から整合されたシート束が装置内に搬入される。なお、以下の説明では、シート搬送方向上流側を単に上流側と、シート搬送方向下流側を単に下流側と称す。
入口搬送路241の入口ローラの201の下流側には、分岐爪202が設けられている。この分岐爪202は図において水平方向に設置され、シート束の搬送方向をシートスルー搬送路242あるいは中折り搬送路243に分岐する。シートスルー搬送路242は、入口搬送路241から水平に延び、後段の図示しない処理装置若しくは排紙トレイにシート束を導く搬送路であり、シート束は上排紙ローラ203によって後段に排紙される。中折り搬送路243は分岐爪202から垂直下方に延び、シート束に対して中綴じ、中折り処理を行うための搬送路である。
中折り搬送路243は、中折りするための折りプレート215の上部でシート束を案内する束搬送ガイド板上207と、折りプレートの215の下部でシート束を案内する束搬送ガイド板下208を備えている。束搬送ガイド板上207には、上部から束搬送ローラ上205、後端叩き爪221、束搬送ローラ下206が設けられている。後端叩き爪221は、図示しない駆動モータによって駆動される後端叩き爪駆動ベルト222に立設されている。後端叩き爪221は後端叩き爪駆動ベルト222の往復回転動作により、シート束の後端を後述の可動フェンス側に叩き(押圧し)、シート束の整合動作を行う。また、シート束が搬入される際、及びシート束が中折りのための上昇する際には、束搬送ガイド板上207の中折り搬送路243から退避する(図1破線位置)。
符号294は後端叩き爪221のホームポジションを検出するための後端叩き爪HPセンサであり、中折り搬送路243から退避した図1破線位置(図2実線位置)をホームポジションとして検出する。後端叩き爪221は、このホームポジションを基準に制御される。
束搬送ガイド板下208には、上方から中綴じステープラS1、中綴じジョガーフェンス225、及び可動フェンス210が設けられている。束搬送ガイド板下208は束搬送ガイド板上207を通って搬送されてきたシート束を受け入れるガイド板である。幅方向には一対の前記中綴じジョガーフェンス225が設置され、下方にシート束先端が当接(支持)し、上下動可能に前記可動フェンス210が設けられている。
中綴じステープラS1はシート束の中央部を綴じるステープラである。可動フェンス210はシート束の先端部を支持した状態で上下方向に移動し、シート束の中央位置を中綴じステープラS1に対向する位置に位置させ、その位置でステープル処理、すなわち中綴じが行われる。可動フェンス210は可動フェンス駆動機構210aによって支持されるともに、図示上方の可動フェンスHPセンサ292位置から最下方位置まで移動可能である。シート束の先端が当接する可動フェンス210の可動範囲は、中綴じ製本装置2の処理可能な最大サイズから最小サイズまで処理可能なストロークが確保されている。なお、可動フェンス駆動機構210aとしては、例えばラックアンドピニオン機構が使用される。
束搬送ガイド板上207と下208との間、すなわち中折り搬送路243のほぼ中央部には折りプレート215、折りローラ対230、増し折りローラユニット260、及び下排紙ローラ231が設けられている。増し折りローラユニット260は折りローラ対230及び下排紙ローラ231の間の排紙搬送路を挟んで上下に増し折りローラが配置されている。折りプレート215は、図示水平方向に往復動可能であり、折り動作を行う際の動作方向には、折りローラ対230のニップが位置し、その延長上に排紙搬送路244が設置されている。下排紙ローラ231は、排紙搬送路244の最下流に設けられ、後段に折り処理されたシート束を排紙する。
束搬送ガイド板上207の下端側には、シート束検知センサ291が設けられ、中折り搬送路243に搬入され、中折り位置を通過するシート束の先端を検知する。また、排紙搬送路244には、折り目部通過センサ293が設けられ、中折りされたシート束の先端を検知し、シート束の通過を認識する。
大略、図1に示すように構成された中綴じ製本装置2では、図2ないし図6の動作説明図に示すようにして中綴じ及び中折り動作が行われる。すなわち、画像形成装置PRの図示しない操作パネルから中綴じ中折りが選択されると、当該中綴じ中折りが選択されたシート束は、分岐爪202の反時計方向の偏倚動作により中折り搬送路243側に導かれる。なお、分岐爪202はソレノイドによって駆動される。なお、ソレノイドに代えてモータ駆動でも良い。
中折り搬送路243内に搬入されたシート束SBは、入口ローラ201と束搬送ローラ上205によって中折り搬送路243を下方に搬送される。そして、シート束検知センサ291によって通過が確認された後、図2に示すように束搬送ローラ下206によって可動フェンス210にシート束SBの先端が当接する位置まで搬送される。その際、画像形成装置PRからのシートサイズ情報、ここでは、各シート束SBの搬送方向のサイズ情報に応じて可動フェンス210は異なる停止位置で待機している。このとき、図2では、束搬送ローラ下206はニップにシート束SBを挟持し、後端叩き爪221はホームポジション位置に待機している。
この状態で、図3に示すように束搬送ローラ下206の挟持圧が解除され(矢印a方向)、可動フェンス210にシート束先端が当接し、後端がフリーになった状態でスタックされると、後端叩き爪221が駆動される。この駆動により、シート束SBの後端が後端叩き爪221によって叩かれ、搬送方向の最終的な揃えが行われる(矢印c方向)。
次いで、中綴じジョガーフェンス225によって幅方向(シート搬送方向に対して直交する方向)の揃え動作が、また、可動フェンス210と後端叩き爪221により搬送方向の揃え動作がそれぞれ実行され、シート束SBの幅方向及び搬送方向の整合動作が完了する。このとき、シートのサイズ情報、シート束の枚数情報、シート束厚み情報によって、後端叩き爪221、中綴じジョガーフェンス225の押し込み量を最適の値に変更し整合する。
また、束の厚みがあると搬送路内の空間が減少するため、一度の整合動作では整合しきれないケースが多い。そこで、このような場合には、整合回数を増加させる。これにより、より良い整合状態を実現することができる。さらに、上流側でシートを順次重ね合わせる時間はシート枚数が多ければ多いほど増加するので、次のシート束SBを受け入れるまでの時間が長くなる。その結果、整合回数を増加してもシステムとして時間の損失はないことから、効率的に良好な整合状態を実現できる。したがって、上流の処理時間に応じ、整合回数を制御することも可能である。
なお、前記可動フェンス210の待機位置は、通常、シート束SBの中綴じ位置が中綴じステープラS1の綴じ位置に対向する位置に設定される。この位置で整合すると、可動フェンス210をシート束SBの中綴じ位置に移動させることなく、スタックされた位置でそのまま綴じ処理が可能となるからである。そこで、この待機位置でシート束SBの中央部に中綴じステープラS1のステッチャを矢印b方向に駆動し、クリンチャとの間で綴じ処理が行われ、シート束SBは中綴じされる。
可動フェンス210は可動フェンスHPセンサ292からのパルス制御により位置決めされ、後端叩き爪221は後端叩き爪HPセンサ294からのパルス制御により位置決めされる。可動フェンス210及び後端叩き爪221の位置決め制御は、中綴じ製本装置2の図示しない制御回路のCPUによって実行される。
図3の状態で中綴じされたシート束SBは、図4に示すように束搬送ローラ下206の加圧が解除された状態で可動フェンス210の上方移動に伴って中綴じ位置(シート束SBの搬送方向の中央位置)が折りプレート215に対向する位置まで移送される。この位置も可動フェンスHPセンサ292の検出位置を基準に制御される。
図4の位置にシート束SBが達すると、図5に示すように折りプレート215が折りローラ対230のニップ方向に移動し、シート束SBの綴じられた針部近傍のシート束SBに対して略直角方向から当接し、前記ニップ側に押し出す。シート束SBは折りプレート215により押されて折りローラ対230のニップへと導かれ、予め回転していた折りローラ対230のニップに押し込まれる。折りローラ対230は、ニップに押し込まれたシート束SBを加圧し、搬送する。この加圧搬送動作によりシート束SBの中央に折りが施され、簡易製本されたシート束SBが形成される。図5は、シート束SBの折り目部SB1の先端が折りローラ対230のニップに挟持され、加圧されているときの状態を示す。
図5の状態で中央部が2つ折りされたシート束SBは、図6に示すようにシート束SBとして折りローラ対230によって搬送され、さらに下排紙ローラ231に挟持されて後段に排出される。このとき、シート束SB後端が折り目部通過センサ293に検知されると、折りプレート215及び可動フェンス210はホームポジションに、束搬送ローラ下206は加圧状態にそれぞれ復帰し、次のシート束SBの搬入に備える。また、次のジョブが同サイズ同枚数であれば、可動フェンス210は再び図2の位置に移動し、待機するようにしても良い。なお、これらの制御も前記制御回路のCPUによって実行される。
図7は増し折りローラユニットと折りローラ対の基本構成を示す要部正面図、図8は図7を左側から見た要部側面図である。増し折りローラユニット260は、折りローラ対230と下排紙ローラ231との間の排紙搬送路244に設置され、ユニット移動機構263、案内部材264及び押圧機構265を備えている。ユニット移動機構263は図示しない駆動源及び駆動機構により案内部材264に沿って増し折りユニット260を図示奥行き方向(シート搬送方向に対して直交する方向)に往復移動させる。押圧機構265は上下方向から圧を加え、シート束SBを押圧する機構であり、増し折りローラ/上ユニット261、増し折りローラ/下ユニット262を備えている。
増し折りローラ/上ユニット261は、ユニット移動機構263に対して支持部材265bによって上下方向に移動可能に支持され、増し折りローラ/下ユニット262は押圧機構265の支持部材265bの下端に移動不能に取り付けられている。増し折りローラ/上ユニット261の増し折りローラ/上261aは、第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bに対して圧接可能となっており、3つのローラで構成するニップ間にシート束SBを挟んで加圧する。加圧力は増し折りローラ/上ユニット261を弾性力で加圧する加圧ばね265cによって付与される。そして、加圧状態で後述のようにシート束SBの幅方向(図8矢印D1方向)に移動し、折り目部SB1に対して増し折りを実行する。
図9は案内部材264の詳細を示す図である。案内部材264は増し折りローラユニット260をシート束SBの幅方向に案内する案内経路270を備え、当該案内経路270には、
1) 往移動時に押圧機構265を押圧解除状態で案内する第1の案内経路271
2) 往移動時に押圧機構265を押圧状態で案内する第2の案内経路272
3) 往移動時に押圧機構265を押圧解除から押圧状態に切り替える第3の案内経路273
4) 復移動時に押圧機構265を押圧解除状態で案内する第4の案内経路274
5) 復移動時に押圧機構265を押圧状態で案内する第5の案内経路275
6) 復移動時に押圧機構265を押圧解除から押圧状態に切り替える第6の案内経路276
の6つの経路が設定されている。
図10及び図11は図9の要部を拡大して示す図である。図10及び図11に示すように第3の案内経路273と第2の案内経路272の交点、及び第6の案内経路276と第5の案内経路275の交点にはそれぞれ第1の経路切り替え爪277及び第2の経路切り替え爪278が設置されている。第1の経路切り替え爪277は図11に示すように第3の案内経路273から第2の案内経路272へ切り替え可能、第2の経路切り替え爪278は第6の案内経路276から第5の案内経路275へは切り替え可能である。しかし、前者では第2の案内経路272から第3の案内経路273への切り替え、後者では第5の案内経路275から第6の案内経路276への切り替えは不能となっている。すなわち、逆方向には切り替えられないように構成されている。なお、図11における矢印はガイドピン265aの移動軌跡を示している。
また、押圧機構265が案内経路270に沿って移動するのは、押圧機構265のガイドピン265aが案内経路270内にゆるみばめ状態で移動可能に嵌合しているからである。すなわち、案内経路270がカム溝として機能し、ガイドピン265aがこのカム溝に沿って移動する間に位置を変えるカムフォロワとして機能する。
図12ないし図22は、本実施形態における増し折りローラユニットによる増し折り動作の動作説明図である。
図12は折りローラ対230にて折られたシート束SBが予め設定された増し折り位置まで搬送されて停止し、増し折りローラユニット260が待機位置にいる状態を表している。この状態が増し折り動作の初期位置である。
初期位置(図12)から増し折りローラユニット260が図示右方向(矢印D2方向)に往移動を開始する(図13)。その際、増し折りローラユニット260内の押圧機構265は、ガイドピン265aの作用により案内部材264の案内経路270に沿って移動する。動作開始直後は第1の案内経路271に沿って移動する。その際、増し折りローラ261aに対して第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bは押圧解除状態にある。ここで、押圧解除状態とは増し折りローラ/上261aと第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bとシート束SBは接触しているがほとんど圧力がかかっていない状態、又は増し折りローラ/上261aと第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bとシート束SBとが離れている状態を表している。
シート束SBの中央付近で第3の案内経路273にかかると(図14)、押圧機構265は第3の案内経路273に沿って下降を開始し、第1の経路切り替え爪277を押しのけて第2の案内経路272に入る(図15)。このとき、押圧機構265は増し折りローラ/上ユニット261を押圧している状態となり、増し折りローラ/上ユニット261はシート束SBに当接し、押圧状態となる。
押圧したままの状態で増し折りローラユニット260はさらに矢印D2方向に移動する(図16)。その際、第2の経路切り替え爪278は逆方向へは移動できないので、第6の案内経路276に案内されることなく、第2の案内経路272に沿って移動し、シート束SBを抜け、往移動の最終位置に位置する(図17)。ここまで移動すると、押圧機構265のガイドピン265aは第2の案内経路272から上部の第4の案内経路274に移行する。その結果、第2の案内経路272の上面によるガイドピン265aの位置規制が解除されるので、増し折りローラ/上261aは第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bから離れ、押圧解除状態となる。
次いで、ユニット移動機構263によって増し折りローラユニット260は復移動を開始する(図18)。復移動では、押圧機構265は第4の案内経路274に沿って図示左方向(矢印D3方向)に移動する。この移動により押圧機構265が第6の案内経路276に至ると(図19)、ガイドピン265aが第6の案内経路276の形状に沿って下方向に押され、押圧機構265は押圧解除状態から押圧状態に移行する(図20)。
そして、第5の案内経路275に入ると、完全な押圧状態になり、第5の案内経路275を矢印D3方向にそのまま移動して(図21)、シート束SBを抜ける(図22)。
このようにして増し折りローラユニット260を往復移動させてシート束SBに増し折りを施す。その際、シート束SBの中央部から一方への増し折りを開始し、シート束SBの一方の端部SB2を抜ける。その後、増し折りしたシート束SBの上を通り、シート束の中央部から他方への折り増しを開始し、他方の端部SB2を抜けるという動作によって増し折りを行う。
このように動作させると、折り増しを開始するとき、あるいは一方を抜けた後、他方に戻るとき、シート束SBの端部SB2にシート束SBの外側から増し折りローラ/上261aと第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bが接触することも、加圧することもない。すなわち、シート束SBの端部SB2を端部の外側から通過するときには増し折りローラユニット260は押圧解除状態にある。そのため、シート束SBの端部SB2へのダメージは発生しない。また、シート束SBの中央部付近から端部SBにかけて増し折りするので、増し折り時のシート束SBを接触して走行する距離が短くなり、しわ等の原因になる縒れも蓄積され難い。そのため、シート束SBの折り目部(背)SB1を増し折りする際にシート束SBの端部SB2にダメージが生じることがなく、縒れの蓄積による折り目部SB1及びその近傍の捲れやしわの発生も抑制することができる。
シート束SBの端部SB2の外側から増し折りローラ/上261aと第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bが当該端部SB2上に乗り上げないようにするには、図12ないし図22から分かるように動作させる。すなわち、増し折りローラユニット260が往移動時に押圧を解除した状態でシート束上を移動する距離をLa、復移動時に押圧を解除した状態でシート束を移動する距離をLbとしたとき、シート束の幅方向の長さLと、前記距離La,Lbとの関係が、
L>La+Lb
であることが必須である(図12〜図14、図17〜図19)。
また、前記距離La及びLbを略同一に設定し、シート束SBの幅方向の中央部付近で押圧を開始するようにすることが望ましい(図16、図20)。
さらに、本実施形態における増し折りローラユニット260では、増し折りローラ/上ユニット261は上下に可動に構成し、増し折りローラ/下ユニット262は上下方向には不動の構成であったが、増し折りローラ/下ユニット262も上下方向に可動に構成することもできる。このように構成すると、増し折りローラ/上261aと第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bが増し折り位置に対して対称に接離動作するので、増し折り位置がシート束SBの厚みに関係なく一定となり、さらに傷等のダメージを抑制することができる。
図23は増し折りローラユニット260の詳細な構成を示す斜視図、図24は図23の増し折りローラユニット260を矢印D4方向から見た図である。
増し折りローラ/上261aは増し折りローラ/上ユニット261側の上ローラホルダ261bに回転自在に支持され、第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bは増し折りローラ/下ユニット262側の下ローラホルダ262cに回転自在に支持される。ユニット移動機構263はスライダ部材263aを備え、スライダ部材263aは図示しないタイミングベルトにタイミングベルト噛合部263bで噛み合っている。これにより、図示しないモータによってタイミングベルトが駆動されると、タイミングベルトの移動に同期してシート束SBの幅方向に移動する。
前述のように増し折りローラ/上ユニット261は、ユニット移動機構263に対して支持部材265bによって上下方向(シート厚み方向t:図26参照)に移動可能に支持され、増し折りローラ/下ユニット262は押圧機構265の支持部材265bの下端に移動不能に取り付けられている。すなわち、第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bはシート厚み方向tに対して移動不能に下ローラホルダ262cに取り付けられ、上側ローラホルダ261bはシート厚み方向tに移動可能に上側ローラホルダ261bに取り付けられている。
また、本実施形態では、図25に示すように図7に示した基本となる増し折りローラユニット260の構成に対して増し折りローラ/上261aに対して第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bの軸芯(回転軸)をシート幅方向にずらして配置している。シート幅方向のずれは、シート厚み方向tに対して垂直な方向(増し折りローラユニット260の移動方向に平行な方向)hに増し折りローラ/上261aの回転中心から第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bの回転中心を結ぶ線に対して下ろした垂線(シート厚み方向の線t1)のずれである。このずれ量は図27においてδとして示されている。
なお、このずれδは増し折りローラユニット260の移動方向における増し折りローラ/上261aと第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bの回転軸のずれである。
図26は増し折りローラ/上261aと第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bによってシート束SBの折り目部SB1を押圧するときの押圧状態を示す模式図である。本実施形態では、増し折りローラ/上261aと第1増し折りローラ/下262aのニップNの接線Gの方向は、シート束SBの厚み方向tと直交する方向と平行でないように構成する。より具体的には、シート束SBの厚み方向tからなす角をθとしたとき、
0°<θ<90°
であるように構成する。
なお、前記角θは、好適には、
60°<θ<90°
である。
増し折りローラ/上261aと第1増し折りローラ/下262aとの間に生じる押圧力Fは、前述の接線Gの方向に直交する方向となるため、シート束SBの厚み方向tに対して傾いた方向となる。このため、図27の押圧部分の拡大図に示すようにシート束SBの背(折り目部SB1)をシート束SBの厚み方向tに変位させる力を生じる。これによりシート束SBの厚み方向に押圧力を発生させた場合(θ=90deg)に比較して、ある押圧力についての折り高さ(増し折り効果)の低減が可能となる。この力は、増し折りローラ/上261aと第2増し折りローラ/下262bとの間にも同様に作用する。力の方向は、図27に示すように増し折りローラ/上261aの回転中心261a1からシート束SBの厚み方向tに下ろした線t1に対して対称な方向となる。これは、第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bが当該線t1に対して対称に配置されているからである。
すなわち、本実施形態では、増し折りローラ/上261aと第1及び第2増し折りローラ/下262aと262bの中心261a1,262aと262b1を結ぶ第1及び第2の線L1,L2に沿って押圧力Fが作用する。その際、押圧力Fの方向がシート束SBの厚み方向tとずれているので、折り目部SB1には押圧力Fのみならず折り目部SB1を屈曲させる力、言い換えれば曲げ方向の力も加わる。この曲げ方向の力によりシートの繊維が伸ばされ、あるいは繊維が切断され、その状態で押圧するので、折り目部SB1の厚さをシート束SBの厚み方向tのみ(θ=90deg)押圧した場合に比べて小さくすることができる。なお、第1及び第2増し折りローラ/下262aと262bの中心261a1,262aを結ぶ線hは、シート束SBの厚み方向の線t1に対して垂直であり、シート幅方向と平行である。
また、前記角θは、シート束SBの厚さによって変化する。すなわちシート幅方向のずれ量δは一定で、シート束SBの厚さが薄い場合には、前記中心261a1,262aと262b1間の距離が小さく、厚い場合には距離が大きくなるので、前者の方が角θは小さくなる。これにより増し折りローラ/上261aと第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bのニップN1,N2に生じる押圧力F1,F2も変化する。
なお、前記のように設定された角度θは、前記ニップN位置における接線Gの方向が増し折りローラユニット260の搬送方向(矢印D5方向)に対してずれているとも言い換えることができる。ずれているとは、増し折りローラユニット260の搬送方向(矢印D5方向に対して傾斜している、あるいは平行ではないということを意味する。
ここで、前述の通り、押圧力F1,F2,の方向をシート束SBの厚み方向tとずらすことにより折り目部SB1には押圧力F1,F2のみならず折り目部SB1を屈曲させる力、言い換えれば曲げ方向の力が加わる。これにより、折り目部SB1の厚さをシート束SBの厚み方向tのみ(θ=90deg)押圧した場合に比べて小さくすることができる。この効果を発揮するためには、例えば図30のように2つの増し折りローラの軸心を結ぶ線Lをシート束SBの厚み方向t(に引いた線t1)に対して傾けて構成することで可能となる。ただし、図27で示している通り、増し折りローラ上/261aと、これに対向する第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bとの3つのローラで構成すると、シート束SBを屈曲させる位置を倍にすることができる。その結果、厚さ低減効果がさらに優れることは明白である。
また、増し折りローラユニット260の移動方向(シート束幅方向:矢印D1方向)において、軸心ずれ量シート束SBを左右均一に屈曲させることができる。本実施形態では、往移動で片側を、復移動で残りの片側を増し折りする構成になっているが、左右均一に屈曲させることで、往移動と復移動での移動のための駆動源出力を同一とすることができ、制御構成も簡便になる。
本実施形態では、増し折りローラ/上261aと第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bは、それぞれ回転可能に構成され、シート束SBの両面上を転動しながら加圧して増し折りを行うように構成されている。これに対し、ローラに代えて固定部材によって加圧することも可能である。ただし、この場合、冊子厚み方向に対して傾いた方向に押圧力Fを発生させるためには、図27に示したように外形が曲面である必要がある。なお、固定部材によって冊子厚み方向に対して傾いた方向に押圧力Fを発生させる場合には、シート幅方向に移動させる際の負荷が大きくなる。そのため負荷低減を考慮すれば、本実施形態のようにローラのような転動部材を使用することが望ましい。
また、増し折りローラ/上261aと第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bについては、増し折りローラ/上261aの直径d1に対して第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bの直径d2,d3を小さくすると良い。このように直径d2,d3を直径D1より小さくすると、増し折りユニット260の小型化を図ることができる。なお、本実施形態では、ローラを使用しているので直径d1,d2,d3の関係を前記のようにしているが、曲面を持った固定部材を使用する場合には、シート束SBの幅方向の寸法関係を前記直径の寸法関係と同様にすれば良い。
さらに、第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bの増し折りローラ/上261aからのずれ量δを変更可能に構成することもできる。このように変更可能とすると、ずれ量δと加圧力によるシート束SBの変形で折りの強さをコントロールすることが可能となる。例えば枚数が多い場合は強く、枚数が少ない場合は弱くすることができる。あるいは、ステープル針の部分ではステープル針の変形の防止や折りローラの損傷を防ぐために、折りの強さを弱めることができる。図28(a)はシート束SBを強く屈曲させるときの第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bの位置を示す。図28(b)はシート束SBを弱く屈曲させるときの第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bの位置を示す。このようにずれ量δを変更できるようにすると、付勢手段265cを同一のまま、簡単な構成で、シート束への加圧力、すなわちシートの屈曲をコントロールすることができる。
なお、前記実施形態では、シート束の上方を増し折りローラ/上261a、シート束の下方を第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bで構成したが、シート束の上方を2つのローラ261ua,261ubで、下方を1つのローラ262uで構成しても同様の効果を得ることができる(図29)。なお、図29に示した増し折りローラユニット260は、図25に示した増し折りローラユニット260の上下を逆転させて構成したもので、ユニット移動機構263u、押圧機構265u、加圧ばね265uc等の配置も逆になっている。ただし、これらの機構も逆転させる必要はなく、図29の例は単なる一例に過ぎない。
前記実施形態の展開として次のように構成することも可能である。
前記実施形態では、第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bの増し折りローラ/上261aからのずれ量δを変更可能に構成している。そこで、図31に示すように、第2増し折りローラ/下262bと増し折りローラ/上261aのずれ量δ=0とすれば、折り部の変形を抑制することができる。枚数が少ない場合、あるいは、ステープル針の部分ではステープル針の変形の防止や折りローラの損傷を防ぐために、折りの強さを弱めることができる。
また、増し折り強さの選択モードを増やしてユーザーの利便性を向上させることもできる。すなわち、図30の2つのローラで構成した場合と同様の効果を3つのローラで得ることも可能である。具体的には、第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bのいずれかをシート厚み方向tに逃がすよう構成する。あるいは第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bのいずれよりも外側に増し折りローラ上上261aを配置するように構成する(図32)。これによりシート束SBに対して2つのローラ、図32では、増し折りローラ/上261aと第2増し折りローラ/下262bとの間で、図30の場合と同様にシート束の厚み方向tに対して両者のニップの接線方向を傾けてシート束SBを加圧し、増し折りすることができる。
このように、簡単な構成で、シート束への加圧力、すなわちシートの屈曲をコントロールすることができる。
以上のように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)折られたシート束SBの折り目部SB1を挟み込んで押圧する押圧手段と、前記押圧手段の押圧位置をシート束SBの折り目方向(矢印D1方向)に移動させる増し折りローラユニット260(移動手段)と、を有するシート処理装置において、前記押圧手段は、シート束SBの厚み方向の一方に配置された増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)と、前記シート束SBの折り目部SB1を挟んで他方に配置された第1及び第2増し折りローラ/下262a,262b(第2及び第3の押圧部材)と、を含み、前記増し折りローラユニット260(移動手段)は、前記増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)の中心261a1と前記第1増し折りローラ/下262a(第2の押圧部材)の中心262a1を結ぶ第1の線L1及び前記増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)の中心262a1と前記第2増し折りローラ/下262b(第3の押圧部材)の中心262b1を結ぶ第2の線L2をそれぞれシート束SBの厚み方向tに対して平行でない状態にして増し折りローラ/上261a、第1及び第2増し折りローラ/下262a,262b(前記第1、第2及び第3の押圧部材)をシート束SBの幅方向(矢印D1方向)に移動させるので、小さな加圧力で増し折りを可能とし、装置の小型化と低コスト化を図ることができる。
これは、シート束SBの上面を圧接する増し折りローラ/上261aと、シート束SBの下面を圧接する第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bは、上下のローラのそれぞれの中心を結ぶ第1及び第2の線L1,L2がシート束SBの厚み方向tに対して平行でない状態、言い換えれば第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bが増し折りローラ/上261aに対してシート幅方向に中心262a1,262b1、261a1がずれるよう配置されるからである。このような配置することにより、3つの増し折りローラ261a,262a,262bでシート束SBを挟み込んだとき、これら3つの増し折りローラ261a,262a、262bによりシート束SBの折り目SB1部に山形の変形を生じさせながら増し折りを施すことが可能となる。その結果、単純にシート束SBを圧縮する場合に比べて、小さい力で増し折りの効果を得ることができる。
(2)前記増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)が、シート束SBの幅方向(矢印D1方向)において前記第1及び第2増し折りローラ/下262a,262b(第2及び第3の押圧部材)間に位置する(図27、図28参照)ので、シート束SBを山形(V字)に変形させ、折り目部SB1に曲げ方向の力も付与することができる。この曲げ方向の力により折り目部SB1の厚さをシート束SBの厚み方向tのみ押圧した場合に比べて小さくすることができる。
(3)前記増し折りローラ/上261(第1の押圧部材)の中心261a1から前記シート束SBの厚み方向tに引いた線t1からの前記第1増し折りローラ/下262a(第2押圧部材)の中心262a1位置のずれ量δと、前記線t1からの前記第2増し折りローラ/下262b(第3押圧部材)の中心262b1位置のずれ量δとが同一であるので(図27)、往移動で片側を、復移動で残りの片側を増し折りする際に左右均一に屈曲させて増し折りを行うことができる。これにより、往移動と復移動での移動のための駆動源出力を同一とすることができ、制御構成も簡便になる。
(4)前記第1及び第2増し折りローラ/下262a,262b(第2の押圧部材及び前記第3の押圧部材)の直径d2,d3(シート幅方向の寸法)が前記増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)の直径d1(シート幅方向の寸法)よりもそれぞれ小さいので、増し折りユニット260の小型化を図ることができる。
(5)前記第1増し折りローラ/下262a又は第2増し折りローラ/下262b(第2の押圧部材又は前記第3の押圧部材)が、前記増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)に対してシート幅方向(矢印D1方向)にそれぞれ移動可能であるので、第1及び第2増し折りローラ/下262a,262bの増し折りローラ/上261aからのずれ量δを変更可能とすることができる。これによりずれ量δと加圧力によるシート束SBの変形で折りの強さをコントロールすることが可能となる。
(6)前記第1増し折りローラ/下262a又は第2増し折りローラ/下262b(第2の押圧部材又は前記第3の押圧部材)が、前記増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)に対してシート幅方向の同一位置(増し折りローラ/上261の中心261a1からシート束SBの厚み方向tに引いた線t1を通る位置)にそれぞれ移動可能であるので、本来0以外の所定のずれ量δをもって圧接していたものを、ずれ量0で圧接することもできる(図31参照)。これにより、折り強さの弱いモードで増し折りすることが可能となり、折り強度の選択肢を増やすことができる。
(7)前記増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)が、前記第1増し折りローラ/下262a又は第2増し折りローラ/下262b(第2の押圧部材又は前記第3の押圧部材)のシート幅方向外側に位置するので(図32参照)、上下2つの増し折りローラ261a,262b(あるいは262a)の2つのローラで増し折りすることが可能となる。これにより、折り強度の選択肢を増やすことができる。
(8)前記増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)と前記第1及び第2増し折りローラ/下262a,262b(第2及び第3の押圧部材)を押圧状態及び押圧解除状態にする第1ないし第6の案内経路271〜276を含む案内経路270を備えたので、増し折り動作を行わないときには押圧解除状態にしてローラの変形を防ぐことができる。
(9)画像形成装置PRと前記(1)ないし(8)に記載したシート後処理装置(シート処理装置1,2)を備えた画像形成システムとしたので、前記(1)ないし(8)の効果を奏する画像形成システムを提供することができる。
(10)増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)をシート束SBの厚み方向tの一方に配置し、第1及び第2増し折りローラ/下262a,262b(第2及び第3の押圧部材)をシート束SBの厚み方向tの他方に配置し、前記増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)と、前記第1及び第2増し折りローラ/下262a,262b(第2及び第3の押圧部材)との間に前記シート束SBの折り目部SB1を挟み、前記増し折りローラユニット260(移動手段)は、前記増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)の中心261a1と前記第1増し折りローラ/下262a(第2の押圧部材)の中心262a1を結ぶ第1の線L1及び前記増し折りローラ/上261a(第1の押圧部材)の中心262a1と前記第2増し折りローラ/下262b(第3の押圧部材)の中心262b1を結ぶ第2の線L2をそれぞれシート束SBの厚み方向tに対して平行でない状態にして増し折りローラ/上261a、第1及び第2増し折りローラ/下262a,262b(前記第1、第2及び第3の押圧部材)をシート束の幅方向に移動させてシート束SBの折り目部SB1を増し折りするので、小さな加圧力で増し折りを可能とし、装置の小型化と低コスト化を図ることができる。
なお、前記実施形態における効果の説明では、本実施形態の各部について、特許請求の範囲における各構成要素をかっこ書きで示し、若しくは参照符号を付し、両者の対応関係を明確にした。
さらに、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
260 増し折りローラユニット
261a 増し折りローラ/上
261a1 (増し折りローラ/上の)中心
262a 第1増し折りローラ/下
262a1 (第1増し折りローラ/下の)中心
262b 第2増し折りローラ/下
262b1 (第2増し折りローラ/下の)中心
d1,d2,d3 増し折りローラの直径
t シート束の厚み方向
t1 増し折りローラ/上の中心からシート束の厚み方向に引いた線
L1 第1の線
L2 第2の線
SB シート束
SB1 折り目部
特開2009−126685号公報 特開2006−321622号公報

Claims (9)

  1. 折られたシート束の折り目部を挟み込んで押圧する押圧手段と、
    前記押圧手段の押圧位置をシート束の折り目方向に移動させる移動手段と、を有するシート処理装置において、
    前記押圧手段は、シート束の厚み方向の一方に配置された第1の押圧部材と、前記シート束の折り目部を挟んで他方に配置された第2及び第3の押圧部材と、を含み、
    前記移動手段は、前記第1の押圧部材の中心と前記第2の押圧部材の中心を結ぶ第1の線及び前記第1の押圧部材の中心と前記第3の押圧部材の中心を結ぶ第2の線をそれぞれシート束の厚み方向に対して平行でない状態で前記押圧手段を移動させ、前記第2の押圧部材又は前記第3の押圧部材が、前記第1の押圧部材に対してシート幅方向にそれぞれ移動可能であることを特徴とするシート処理装置。
  2. 請求項1に記載のシート処理装置において、
    前記第1の押圧部材が、前記シート束の幅方向において前記第2の押圧部材と前記第3の押圧部材との間に位置することを特徴とするシート処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載のシート処理装置において、
    前記第1の押圧部材の中心から前記シート束の厚み方向に引いた線からの前記第2の押圧部材の中心位置のずれ量と、前記線からの前記第3の押圧部材の中心位置のずれ量とが同一であることを特徴とするシート処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシート処理装置において、
    前記第2の押圧部材及び前記第3の押圧部材のシート幅方向の寸法が前記第1の押圧部材のシート幅方向の寸法よりもそれぞれ小さいことを特徴とするシート処理装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート処理装置において、
    前記第2の押圧部材又は前記第3の押圧部材が、前記第1の押圧部材に対してシート幅方向の同一位置にそれぞれ移動可能であることを特徴とするシート処理装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート処理装置において、
    前記第1の押圧部材が、前記第2の押圧部材又は前記第3の押圧部材のシート幅方向外側に位置することを特徴とするシート処理装置。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のシート処理装置において、
    前記押圧手段を押圧状態及び押圧解除状態にする押圧状態変更手段を備えたことを特徴とするシート処理装置。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のシート処理装置を備えた画像形成システム。
  9. 第1の押圧部材をシート束厚み方向の一方に配置し、第2及び第3の押圧部材をシート束厚み方向の他方に配置し、
    前記第1の押圧部材と、前記第2及び第3の押圧部材との間に前記シート束の折り目部を挟み、
    前記第1の押圧部材の中心と前記第2の押圧部材の中心を結ぶ第1の線及び前記第1の押圧部材の中心と前記第3の押圧部材の中心を結ぶ第2の線をそれぞれシート束の厚み方向に対して平行でない状態にして前記第1、第2及び第3の押圧部材をシート束の折り目方向に移動させ、前記第2の押圧部材又は前記第3の押圧部材を前記第1の押圧部材に対してシート幅方向にそれぞれ移動させてシート束の折り目部を増し折りするシート束の増し折り方法。
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