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JP6213955B2 - 車両用シート構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートのシート構造に係わり、特に、左右一対のサイドフレームを有する車両用シートのシート構造に関する。
車両用シートのシートクッションには、乗員の姿勢保持や快適性を確保するために、振動吸収性能や衝撃吸収性能が要求される。これらの要求を満たすために、従来、シートクッションのクッション材としてスプリングやウレタンパッドが使用されているが、近年では、車両用シートの軽量化や振動吸収特性、衝撃吸収特性の向上を目的として、ネット材をクッション材として使用することが提案されている。
例えば、特許文献1には、シートクッション部にベースネットを張設して所定のクッション特性を付与するようにした座席構造が開示されている。この特許文献1の座席構造におけるシートクッション部は、左右一対のサイドフレームと、この左右一対のサイドフレームの前部の間に設けられた前部フレームと、この一対のサイドフレームの後部の間に設けられた後部フレームとを備えており、これらの前部フレームと後部フレームとの間に、クッション用ベースネットが前後方向に張設されている。
特開2011−224049号公報
ここで、特許文献1に開示されているように、従来の車両用シートの左右一対のサイドフレームは、板材により形成され、車室のフロアに対して垂直に立設されている。すなわち、これらの左右一対のサイドフレームは、シート幅方向の力に対して剛性が低いので、ネット材をこれらのサイドフレームの間にシート幅方向に張設して乗員の体重を支持させることは困難である。
そこで、特許文献1の座席構造では、左右一対のサイドフレームの間に前部フレームと後部フレームとを設けて、クッション用ベースネットをこれらの前部フレームと後部フレームとの間に、前後方向に張設している。
しかしながら、特許文献1のように、クッション材としてのネット材を車両の前後方向に張設する場合、ネット材の左右端は構造的に支持されていないので、ネット材のシート幅方向の張力を十分に保つことができず、必要な座面反力の分布を得ることができないという問題が生じる。
そこで、左右一対のサイドフレームを有する車両用シートにおいて、左右のサイドフレームの間に、ネットを張設するためのネット支持構造を配置し、このネット支持構造によりシート幅方向にネットを張設するようにしたシート構造が本発明者らにより検討されている。ところが、このようにシート幅方向にネットを張設したシート構造においては、乗員がシートに着座した場合、乗員の臀部左右にある坐骨結節の位置において、体圧(ネット材から乗員の身体に加わる圧力)が局所的に高くなり、乗員が異物感や底突き感を感じるという問題が生じる。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、左右一対のサイドフレームを有する車両用シートのシート構造において、必要な座面反力の分布を得られるように、クッション材としてのネット材をシート幅方向に張設しつつ、乗員が異物感や底突き感を感じることを防止することができる車両用シート構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の車両用シート構造は、シートクッション及びシートバックを備えた車両用シート構造であって、シートクッションは、左右一対の板状のサイドフレームと、一対のサイドフレームの間において、シート幅方向に張設されたネットと、ネットのシート幅方向中央部の下面側に前後方向に張設されたベルトと、を有し、ベルトによりネットのシート幅方向中央部に作用する着座荷重を支持し、ベルトは、乗員の坐骨結節の部位がネットのシート幅方向両端部とネットのシート幅方向中央部との間に位置するネットの面で支持されるように、シート幅方向の幅が人体の左右の坐骨結節間の距離よりも短く形成されることを特徴とする。
このように構成された本発明においては、シートクッションは、左右一対の板状のサイドフレームと、一対のサイドフレームの間において、シート幅方向に張設されたネットと、ネットのシート幅方向中央部の下面側に前後方向に張設されたベルトを有するので、ネットのシート幅方向両端部と中央部とにより、ネットに作用する着座荷重が支持され、これにより、ネットのシート幅方向端部と中央部との間に位置する乗員の坐骨結節の周辺をネットの面で支持することができる。また、ベルトのシート幅方向の幅は、人体の左右の坐骨結節間の距離よりも短いので、ベルトの両端を乗員の左右の坐骨結節よりも内側に位置させることができる。これにより、乗員が異物感や底突き感を感じることを防止することができる。
また、本発明において、好ましくは、ベルトのシート幅方向の幅は、50mm以上110mm以下である。
このように構成された本発明においては、ベルトのシート幅方向の幅は、50mm以上110mm以下であるので、様々な体格を持つ乗員の大部分について、ベルトの両端を乗員の左右の坐骨結節よりも内側に位置させつつ、乗員の坐骨結節の周辺をネットの面で支持することができ、これにより、乗員が異物感や底突き感を感じることを確実に防止することができる。
また、本発明において、好ましくは、一対のサイドフレームの間に配置され、これらのサイドフレームに支持された、平面視で後方に開口したU字状のパイプフレームと、左右一対のサイドフレームの後部をシート幅方向に連結するリアスタビパイプと、を有し、ネットは、パイプフレームにおいて前後方向に延びる左右一対のネット支持部の間に、シート幅方向に張設され、ベルトの前端は、パイプフレームにおいてシート幅方向に延びる前部に係止され、ベルトの後端は、リアスタビパイプに係止されている。
このように構成された本発明においては、ベルトの前端は、サイドフレームの間に配置されたU字状のパイプフレームにおいてシート幅方向に延びる前部に係止され、ベルトの後端は、左右のサイドフレームの後部をシート幅方向に連結するリアスタビパイプに係止されているので、前後方向の力に対して高い剛性を有するパイプフレームの前部とリアスタビパイプとの間にベルトを張設することができ、これにより、ネットに作用する着座荷重の一部をネットのシート幅方向中央部において確実に支持することができる。従って、ネットのシート幅方向端部と中央部との間に位置する乗員の坐骨結節の周辺をネットの面で確実に支持することができる。
また、本発明において、好ましくは、ネットの前方においてパイプフレームの上側に載置されたパッド材を有し、ネットの上面の前端と、パッド材の上面の後端とは、ほぼ同じ高さに位置し、ベルトは、ネットのシート幅方向中央部の下面側と、パッド材の上面側とを通るように張設されている。
このように構成された本発明においては、ネットの上面の前端と、ネットの前方に載置されたパッド材の上面の後端とは、ほぼ同じ高さに位置し、ベルトは、ネットのシート幅方向中央部の下面側と、パッド材の上面側とを通るように張設されているので、ネットの前方において、ネットの上面の前端とほぼ同じ高さ位置にあるパッド材の上面によりベルトを支持することができ、これにより、ネットの上面とパッド材の上面との連続性を保持しつつ、ネットのシート幅方向両端部と中央部とにより、ネットに作用する着座荷重を支持することができる。これにより、乗員が異物感や底突き感を感じることを一層確実に防止することができる。
本発明によれば、左右一対のサイドフレームを有する車両用シートのシート構造において、必要な座面反力の分布を得られるように、クッション材としてのネット材をシート幅方向に張設しつつ、乗員が異物感や底突き感を感じることを防止することができる。
本発明の実施形態による車両用シート構造の外観構成を斜め右前方且つ上方から見た斜視図である。 本発明の実施形態による車両用シート構造を斜め左前方且つ上方から見た斜視図である。 本発明の実施形態による車両用シート構造のパイプフレームの周辺構造を斜め左前方且つ上方から見た部分拡大斜視図である。 本発明の実施形態による車両用シート構造のクッション材を斜め左上方から見た斜視断面図である。 図4に示したクッション材からプリーツパッドを除いたものの斜視断面図である。 本発明の実施形態によるネット及びベルトが張設されたパイプフレームの周辺構造を斜め左前方且つ上方から見た部分拡大斜視図である。 人体の坐骨結節の位置を示す概略背面図である。 車両用シートのシート幅方向に張設されたネットによる乗員の臀部の支持状態を示した概略断面図であり、図8(a)はシート幅方向に張設されたネットを有し且つベルトを有しない車両用シート構造の場合を示し、図8(b)は本発明の実施形態による車両用シート構造の場合を示している。 坐骨結節の近傍の前後位置における、シート幅方向に沿った座面の体圧の分布を示す線図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態による車両用シート構造を説明する。
まず、図1及び図2により、本発明の実施形態による車両用シート構造の全体構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による車両用シート構造の外観構成を斜め右前方且つ上方から見た斜視図であり、図2は、本発明の実施形態による車両用シート構造を斜め左前方且つ上方から見た斜視図である。
まず、図1に示すように、符号1は、本発明の実施形態による車両用シートを示し、この車両用シート1は、シートクッション2及びシートバック4を有する。本実施形態では、シート1は、そのシート幅方向が車幅方向と一致するように車両前後方向に向けて設けられる。
また、シート右側には、乗員がそれぞれ手動で操作するようになっている、シートクッション2を上下揺動させるためのチルトレバー6と、リクライニング機構によりシートバック4をリクライニングさせるためのリクライニングレバーとが設けられている。
次に、図1及び図2に示すように、シートの左右両側の車体フロアには、車両前後方向に延び、シートクッション2をシート前後方向(車両前後方向)に摺動自在に支持するスライド機構8がそれぞれ設けられている。これらのスライド機構8は、フロアに固定されるガイドレール10と、これらのガイドレール10に対して摺動可能に係合するスライダ12とで主に構成されている。
次に、図1及び図2に示すように、シートクッション2は、スライド機構8のスライダ12に固定された左右一対の板状のサイドフレーム14と、これらの一対のサイドフレーム14の間に配置され、これらのサイドフレーム14に支持された、平面視で後方に開口したU字状のパイプフレーム16と、左右のサイドフレーム14の前部をシート幅方向に連結するフロントスタビパイプ18と、左右のサイドフレーム14の後部をシート幅方向に連結するリアスタビパイプ20とを有している。そして、後述するクッション材22が、サイドフレーム14とパイプフレーム16とを上方から覆うように設けられている。
また、シートバック4は、シートバック4自体を支持するためのシートバックフレーム24を有している。このシートバックフレーム24の左右両側の下端部は、それぞれ、シートクッション2の左右のサイドフレーム14の後端上辺部にリクライニング機構を介して連結されており、このリクライニング機構により、シートバック4は、シートバックフレーム24の下端部を軸として前後に揺動可能となっている。そして、シートバック用パッド材26が、このシートバックフレーム24を覆うように設けられている。
次に、図3により、シートクッション2の構造について詳細に説明する。
図3は、本発明の実施形態による車両用シート構造のパイプフレーム16の周辺構造を斜め左前方且つ上方から見た部分拡大斜視図である。
図3に示すように、平面視で後方に開口したU字状のパイプフレーム16において、前後方向に延びる部分(以下、「ネット支持部16a」という)には、後述するネットの左右端を係止するための係止部材28が設けられている。この係止部材28は、左右のネット支持部16aに沿って前後方向に延び、このネット支持部16aの下面に固定されたベース部28aと、一定の間隔でベース部28aからパイプフレーム16の側面に沿ってシートクッション2の内側且つ上方に延びるように形成されたフック28bとを備えている。このフック28bとパイプフレーム16の側面との間には間隙が設けられており、フック28bとパイプフレーム16の側面との間にネットの左右端を係止できるようになっている。
また、中実丸棒により形成され後述するクッション材22を下側から支持するクッションサポート30が、パイプフレーム16の前部に設けられている。
さらに、後述するクッション材22の前端を係止する板材の係止プレート32が、パイプフレーム16の前端のシート幅方向中央に設けられ、クッション材22の後端を係止する中実丸棒の係止ワイヤ34が、リアスタビパイプ20の後面側のシート幅方向中央に設けられている。
また、図3に示すように、パイプフレーム16の後端は、左右のサイドフレーム14の上辺部より下方において、サイドフレーム14とリアスタビパイプ20との連結位置の近傍まで延設されている。このパイプフレーム16の後端には接続ブラケット36が溶接されており、この接続ブラケット36は、リアスタビパイプ20の端部に溶接されている。これにより、パイプフレーム16の後端は、接続ブラケット36を介してリアスタビパイプ20に固定されている。
リアスタビパイプ20は、その両端において、ボルトにより左右のサイドフレーム14の後部に連結され、ボルトを軸としてこれらのサイドフレーム14に対して回転可能になっている。
すなわち、パイプフレーム16全体は、リアスタビパイプ20を介してサイドフレーム14に軸支され、リアスタビパイプ20を軸として上下に揺動可能となっている。
また、フロントスタビパイプ18は、その端部において、ボルトによりサイドフレーム14の前部に連結され、ボルトを軸としてこれらのサイドフレーム14に対して回転可能になっている。
さらに、右側のサイドフレーム14には、フロントスタビパイプ18を回転させるための、歯車やラチェットなどを備えた公知の駆動ユニットが設けられている。この駆動ユニットは、チルトレバー6に連結され、乗員のレバー操作により、フロントスタビパイプ18を回転させる。
また、シートクッション2の左右前部には、フロントスタビパイプ18の端部とパイプフレーム16の前部とを連結するリンク機構38が設けられている。
乗員がチルトレバー6を操作することにより、駆動ユニットがフロントスタビパイプ18を回転させ、このフロントスタビパイプ18に連結されたリンク機構38を介して、パイプフレーム16が上下に揺動するようになっている。
次に、図4及び図5により、本発明の実施形態による車両用シート構造のクッション材22の構造について説明する。
図4は、本発明の実施形態による車両用シート構造のクッション材22を斜め左前方且つ上方から見た斜視断面図であり、図5は、図4に示したクッション材22からプリーツパッドを除いたものの斜視断面図である。
まず、図4及び図5に示すように、クッション材22は、パイプフレーム16のネット支持部16aの間にシート幅方向に張設されるネット40と、このネット40の上に設けられた、平面視で後方に開口したU字状のパッド材42と、パッド材42の前部及びネット40の上面に設けられたプリーツパッド44と、ネットのシート幅方向中央部の下面側に前後方向に張設されるベルト46とを備えている。ネット40、パッド材42及びプリーツパッド44は、ネット40の左右端部の位置において互いに縫い合わせられており、ネットとベルト46とは、ネットの前後端部の位置において互いに縫い合わせられている。
次に、図5に示すように、パッド材42は、このパッド材42の前部においてシート幅方向に延びる前部サポート42aと、この前部サポート42aの両端から後方に延びるサイドサポート42bとを備え、これらの前部サポート42aとサイドサポート42bとが一体に成形されている。パッド材42の前部サポート42aは、パイプフレーム16の前部に設けられたクッションサポート30の上に載置され、パッド材42のサイドサポート42bは、サイドフレーム14の上辺部に載置される。このパッド材42は、ウレタンフォームにより形成されている。
次に、図4に示すように、プリーツパッド44は、パッド材42のサイドサポート42bの間に設けられ、パッド材42の前部サポート42a、ネット40及びベルト46を覆うようになっている。このプリーツパッド44は、ウレタンフォームにより形成されており、その表面には表皮44aが縫い付けられている。
次に、図5に示すように、ネット40は、パッド材42の前部サポート42aの後方において、サイドサポート42bの下面側に設けられている。このネット40の上面の前端と、パッド材42の前部サポート42aの上面の後端とは、ほぼ同じ高さに位置している。
また、図5に示すように、ベルト46は、ネット40のシート幅方向中央部の下面側と、パッド材42の前部サポート42aの上面側とを通るように、前後方向に張設されている。ベルト46の前端及び後端には係止フック46a、46bが設けられており、ベルト46の前端の係止フック46aは、シート幅方向に延びるパイプフレーム16の前部に設けられた係止プレート32に係止され、ベルト46の後端の係止フック46bは、リアスタビパイプ20に設けられた係止ワイヤ34に係止され、これにより、ベルト46は、シートクッション2の前端から後端にわたって、ネット40のシート幅方向中央部の下面側に前後方向に張設されている。
次に、図6により、本発明の実施形態による車両用シート構造のネット40の取り付け構造について説明する。
図6は、本発明の実施形態によるネット40及びベルト46が張設されたパイプフレーム16の周辺構造を斜め左上方から見た部分拡大斜視図である。なお、クッション材22は、上述したようにネット40、パッド材42、プリーツパッド44及びベルト46が互いに縫い合わされて一体となった状態でサイドフレーム14及びパイプフレーム16の上に取り付けられるが、図6においては、パイプフレーム16に対するネット40及びベルト46の取り付け構造を説明するために、パッド材42及びプリーツパッド44が省略された状態を図示している。
図6に示すように、ネット40の左右の端部には、パイプフレーム16のネット支持部16aに固定された係止部材28のフック28bと同じ間隔で複数のスリット40aが形成されており、この各スリット40aに係止部材28のフック28bを挿通することにより、ネット40の左右の端部が係止部材28に係止され、左右のネット支持部16aの間に、シート幅方向にネット40が張設されるようになっている。このネット40は、例えばバネックス(登録商標)のような伸縮性布地により形成されている。
また、ベルト46は、上述したように、ベルト46の前端の係止フック46aが、パイプフレーム16の前部に設けられた係止プレート32に係止され、ベルト46の後端の係止フック46bが、リアスタビパイプ20に設けられた係止ワイヤ34に係止されることにより、ネット40のシート幅方向中央部の下面側に前後方向に張設されている。このベルト46は、例えば、ネット40と同様の伸縮性布地により形成されている。
次に、図7により、本発明の実施形態による車両用シート構造のベルト46の幅の決定手法について説明する。図7は、人体の坐骨結節の位置を示す概略背面図である。
図7に示すように、坐骨結節48は、左右一対の坐骨の下端部に位置する。この左右の坐骨結節48間の距離をWとすると、米国成人男子95%タイル(AM95)ではW=143mm、米国成人女子5%タイル(AF05)ではW=115mmとなっている。
着座した乗員の坐骨結節48の直下にベルト46が位置していると、ベルト46の反力により坐骨結節48の部分の体圧が高くなり、乗員が異物感や底突き感を感じる可能性がある。従って、ベルト46のシート幅方向の幅は、坐骨結節48間の距離Wよりも狭いことが好ましい。
そこで、本実施形態による車両用シート構造では、ベルト46のシート幅方向の幅は、AF05の坐骨結節48間の距離よりも狭く、具体的には、110mm以下となっている。
また、ベルト46のシート幅方向の幅が狭すぎると、乗員が着座した場合、下面にベルト46が張設されたネット40のシート幅方向中央部の突出形状が急峻になり、乗員が違和感を感じる可能性がある。従って、ベルト46のシート幅方向の幅は、必要以上に狭くしないことが好ましい。
そこで、本発明者らが、米国成人女子5%タイル(AF05)の着座時における座面の体圧分布を測定したところ、左右の臀部間の幅50mmの範囲は体圧が十分に低いので、ベルト46のシート幅方向の幅を50mm未満としても、乗員の異物感や底突き感の低減には効果が小さいことが分かった。そこで、本実施形態による車両用シート構造では、ベルト46のシート幅方向の幅は、50mm以上となっている。
以上により、本実施形態による車両用シート構造では、ベルト46のシート幅方向の幅は、50mm以上110mm以下である。
さらに、本発明者らが、米国成人男子25%タイル(AM25)から米国成人男子80%タイル(AM80)までの着座時における座面の体圧分布を測定したところ、左右の臀部間の幅70mmの範囲は体圧が十分に低いことが判明した。従って、ベルト46のシート幅方向の幅を70mmとすることが特に好ましい。
次に、図8及び図9により、本発明の実施形態による車両用シート構造の体圧分布と、シート幅方向に張設されたネット40を有し且つベルト46を有しない車両用シート構造の体圧分布とを比較する。
図8は、ネット40による乗員の臀部の支持状態を示した概略断面図であり、図8(a)はシート幅方向に張設されたネット40を有し且つベルト46を有しない車両用シート構造の場合を示し、図8(b)は本発明の実施形態による車両用シート構造の場合を示している。
また、図9は、坐骨結節48の近傍の前後位置における、シート幅方向に沿った座面の体圧の分布を示す線図であり、横軸はシート幅方向左端からの距離を示し、縦軸は座面への全荷重に対する各位置における荷重の割合(荷重割合)を示している。この図9において、実線は本発明の実施形態による車両用シート構造の体圧分布を示し、破線はシート幅方向に張設されたネット40を有し且つベルト46を有しない車両用シート構造の体圧分布を示している。
図8(a)に示すように、シート幅方向に張設されたネット40を有し且つベルト46を有しない車両用シート構造では、ネット40のシート幅方向両端部のみによって、ネット40に作用する着座荷重が支持される。従って、図9に破線で示すように、乗員の坐骨結節48の位置において、体圧が局所的に高くなっている。これにより、乗員は異物感や底突き感を感じる。
一方、図8(b)に示すように、本発明の実施形態による車両用シート構造では、ネット40のシート幅方向両端部と、ベルト46が張設されたシート幅方向中央部とにより、ネット40に作用する着座荷重が支持され、これにより、ネット40のシート幅方向端部と中央部との間に位置する乗員の坐骨結節48の周辺がネットの面で支持される。従って、図9に実線で示すように、ベルト46がない場合と比較して、坐骨結節48の周辺における体圧が相対的に低くなっている。これにより、乗員が異物感や底突き感を感じることが防止される。
次に、上述した本発明の実施形態による車両用シート構造の作用効果を説明する。
まず、本実施形態においては、シートクッション2は、左右一対の板状のサイドフレーム14と、一対のサイドフレーム14の間において、シート幅方向に張設されたネット40と、ネット40のシート幅方向中央部の下面側に前後方向に張設されたベルト46を有するので、ネット40のシート幅方向両端部と中央部とにより、ネット40に作用する着座荷重が支持され、これにより、ネット40のシート幅方向端部と中央部との間に位置する乗員の坐骨結節48の周辺をネット40の面で支持することができる。これにより、乗員が異物感や底突き感を感じることを防止することができる。
また、ベルト46のシート幅方向の幅は、人体の左右の坐骨結節48間の距離よりも狭いので、ベルト46の両端を乗員の左右の坐骨結節48よりも内側に位置させることができ、これにより、乗員が異物感や底突き感を感じることを防止することができる。
特に、ベルト46のシート幅方向の幅は、50mm以上110mm以下であるので、様々な体格を持つ乗員の大部分について、ベルト46の両端を乗員の左右の坐骨結節48よりも内側に位置させつつ、乗員の坐骨結節48の周辺をネット40の面で支持することができ、これにより、乗員が異物感や底突き感を感じることを確実に防止することができる。
また、ベルト46の前端は、サイドフレーム14の間に配置されたU字状のパイプフレーム16においてシート幅方向に延びる前部に係止され、ベルト46の後端は、左右のサイドフレーム14の後部をシート幅方向に連結するリアスタビパイプ20に係止されているので、前後方向の力に対して高い剛性を有するパイプフレーム16の前部とリアスタビパイプ20との間にベルト46を張設することができ、これにより、ネット40に作用する着座荷重の一部をネット40のシート幅方向中央部において確実に支持することができる。従って、ネット40のシート幅方向端部と中央部との間に位置する乗員の坐骨結節48の周辺をネット40の面で確実に支持することができる。
特に、ネット40の上面の前端と、ネット40の前方に載置されたパッド材42の上面の後端とは、ほぼ同じ高さに位置し、ベルト46は、ネット40のシート幅方向中央部の下面側と、パッド材42の上面側とを通るように張設されているので、ネット40の前方において、ネット40の上面の前端とほぼ同じ高さ位置にあるパッド材42の上面によりベルト46を支持することができ、これにより、ネット40の上面とパッド材42の上面との連続性を保持しつつ、ネット40のシート幅方向両端部と中央部とにより、ネット40に作用する着座荷重を支持することができる。これにより、乗員が異物感や底突き感を感じることを一層確実に防止することができる。
1 シート
2 シートクッション
4 シートバック
6 チルトレバー
8 スライド機構
10 ガイドレール
12 スライダ
14 サイドフレーム
16 パイプフレーム
16a ネット支持部
18 フロントスタビパイプ
20 リアスタビパイプ
22 クッション材
24 シートバックフレーム
26 シートバック用パッド材
28 係止部材
28a ベース部
28b フック
30 クッションサポート
32 係止プレート
34 係止ワイヤ
36 接続ブラケット
38 リンク機構
40 ネット
40a スリット
42 パッド材
42a 前部サポート
42b サイドサポート
44 プリーツパッド
44a 表皮
46 ベルト
46a、46b 係止フック
48 坐骨結節

Claims (4)

  1. シートクッション及びシートバックを備えた車両用シート構造であって、
    上記シートクッションは、
    左右一対の板状のサイドフレームと、
    上記一対のサイドフレームの間において、シート幅方向に張設されたネットと、
    上記ネットのシート幅方向中央部の下面側に前後方向に張設されたベルトと、を有し、
    上記ベルトにより上記ネットのシート幅方向中央部に作用する着座荷重を支持し、上記ベルトは、乗員の坐骨結節の部位が上記ネットのシート幅方向両端部と上記ネットのシート幅方向中央部との間に位置する上記ネットの面で支持されるように、シート幅方向の幅が人体の左右の坐骨結節間の距離よりも短く形成されることを特徴とする車両用シート構造。
  2. 上記ベルトのシート幅方向の幅は、50mm以上110mm以下である、請求項に記載の車両用シート構造。
  3. 上記一対のサイドフレームの間に配置され、これらのサイドフレームに支持された、平面視で後方に開口したU字状のパイプフレームと、
    上記左右一対のサイドフレームの後部をシート幅方向に連結するリアスタビパイプと、を有し、
    上記ネットは、上記パイプフレームにおいて前後方向に延びる左右一対のネット支持部の間に、シート幅方向に張設され、
    上記ベルトの前端は、上記パイプフレームにおいてシート幅方向に延びる前部に係止され、上記ベルトの後端は、上記リアスタビパイプに係止されている、請求項1又は2に記載の車両用シート構造。
  4. 上記ネットの前方において上記パイプフレームの前部上側に載置されたパッド材を有し、
    上記ネットの上面の前端と、上記パッド材の上面の後端とは、ほぼ同じ高さに位置し、 上記ベルトは、上記ネットのシート幅方向中央部の下面側と、上記パッド材の上面側とを通るように張設されている、請求項に記載の車両用シート構造。
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