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JP6210686B2 - 光学系及びそれを有する画像投射装置 - Google Patents

光学系及びそれを有する画像投射装置 Download PDF

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JP6210686B2 JP2013001013A JP2013001013A JP6210686B2 JP 6210686 B2 JP6210686 B2 JP 6210686B2 JP 2013001013 A JP2013001013 A JP 2013001013A JP 2013001013 A JP2013001013 A JP 2013001013A JP 6210686 B2 JP6210686 B2 JP 6210686B2
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Description

本発明は光学系に関し、例えば画像表示素子によって形成された画像をスクリーンに拡大投射する画像投射装置(プロジェクタ)に用いられる投射光学系として好適なものである。
パソコンやビデオの画像をスクリーン面上に大画面で投映してみることができる画像投射装置(プロジェクタ)はプレゼンテーションや映画鑑賞などに広く利用されている。プロジェクタに用いられる投射光学系は、広画角であること、歪曲収差が少ないこと、そして色にじみがない(倍率色収差がない)高画質の投射像が得られること等が求められている。またプロジェクタに用いられる投射光学系には、長いバックフォーカスを有し、被投射側がテレセントリックであること等が求められている。
これらの要求を満足するために有利な光学系として、レトロフォーカス型の光学系が知られている。レトロフォーカス型の光学系は、負の屈折力の前群、開口絞り、正の屈折力の後群よりなっている。この光学系は、開口絞りに対する屈折力配置が非対称であるため、諸収差の発生が多く、特に倍率色収差が多く発生する傾向がある。レトロフォーカス型の光学系において、前群の負レンズに色分散の大きい材料を用いて倍率色収差を補正した画像投写装置用の光学系が知られている(特許文献1)。
特開2010−139766号公報
レトロフォーカス型の光学系は広画角化が容易で長いバックフォーカスが比較的容易に得られるため、画像投射装置(プロジェクタ)用の投射光学系として多く用いられている。しかしながらレトロフォーカス型の光学系は屈折力配置が開口絞りに対して非対称であるため、歪曲収差や倍率色収差の発生が多くこれらの諸収差を良好に補正することが大きな課題となっている。
レトロフォーカス型の光学系で歪曲収差を補正するためには前群の周辺光線の入射高の高い位置に正レンズを配置して光線の跳ね上げ効果で正の歪曲収差を発生させて補正するのが効果的である。このとき倍率色収差も同時に補正されるが、倍率色収差はその波長によって補正効果が異なるため、短波長の光は補正過剰になってしまう傾向にある。
特許文献1では、これを改善するために前群の周辺光線の入射高が高くなる位置に配置した負レンズに色分散の大きい材料を配置して過剰補正となった短波長の倍率色収差を補正している。特許文献1は拡大側(拡大共役側)の第1レンズにメニスカス形状の負レンズを用い、そのレンズの材料に異常高分散ガラスを用いている。これによって高い像高の光線はアンダーに曲げられるため、倍率色収差を補正する効果を得ている。このとき広画角化のため、メニスカス形状の負レンズの屈折力を強くすると、軸上色収差がオーバーに発生し、青短波長の軸上色収差の2次分散が生ずる傾向となる。
本発明は、特許文献1に開示されている光学系を更に改良し、倍率色収差や歪曲収差が少なく、長いバックフォーカスが容易に得られ、しかも被投射側のテレセントリック性の良い広画角の光学系の提供を目的とする。
本発明の光学系は、拡大側から縮小側へ順に、負の屈折力の前群、絞り、正の屈折力の後群より構成される光学系において、
前記前群は拡大側から縮小側へ順に、負レンズと正レンズが隣接して配置され、全体として正の屈折力の組レンズを有しており、
前記前群は前記組レンズの他に複数のレンズを有し、前記前群が備える複数のレンズのうち、前記組レンズよりも前記拡大側に設けられている複数のレンズは全体として負の屈折力を有しており、
前記負レンズの焦点距離をfN、前記負レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νN、θN、前記正レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νP、θPとし、前記光学系がズームレンズの場合には広角端におけるレンズ全系の焦点距離をfWとし、前記光学系が単一の焦点距離を有するレンズの場合にはレンズ全系の焦点距離をfwとし、前記負レンズの材料の屈折率をnN、前記正レンズの材料の屈折率をnPとするとき、
−20<fN/fW<−2
0.03<[θN−(−0.001618νN+0.6415)]−[θP−(−0.001618νP+0.6415)]<0.10
0.15<nN−nP<0.30
なる条件式を満足することを特徴としている。
この他本発明の光学系は、拡大側から縮小側へ順に、負の屈折力の前群、絞り、正の屈折力の後群より構成される光学系において、
前記前群は拡大側から縮小側へ順に、負レンズと正レンズが隣接して配置され、全体として正の屈折力の組レンズを有しており、
前記前群は前記組レンズの他に複数のレンズを有し、前記前群が備える複数のレンズのうち、前記組レンズよりも前記拡大側に設けられている複数のレンズは全体として負の屈折力を有しており、
前記負レンズの焦点距離をfN、前記負レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νN、θN、前記正レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νP、θPとし、前記光学系がズームレンズの場合には広角端におけるレンズ全系の焦点距離をfWとし、前記光学系が単一の焦点距離を有するレンズの場合にはレンズ全系の焦点距離をfwとするとき、
−20<fN/fW<−2
0.03<[θN−(−0.001618νN+0.6415)]−[θP−(−0.001618νP+0.6415)]<0.10
なる条件式を満足し、
前記前群は拡大側から縮小側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群よりなり、前記後群は負の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群、正の屈折力の第7レンズ群よりなり、ズーミングのためには前記第1レンズ群と前記第7レンズ群は不動であり、ズーミングに際して前記第2レンズ群から前記第6レンズ群までが移動することを特徴としている。
この他本発明の光学系は、拡大側から縮小側へ順に、負の屈折力の前群、絞り、正の屈折力の後群より構成される光学系において、
前記前群は拡大側から縮小側へ順に、負レンズと正レンズが隣接して配置され、全体として正の屈折力の組レンズを有しており、
前記前群は前記組レンズの他に複数のレンズを有し、前記前群が備える複数のレンズのうち、前記組レンズよりも前記拡大側に設けられている複数のレンズは全体として負の屈折力を有しており、
前記負レンズの焦点距離をfN、前記負レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νN、θN、前記正レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νP、θPとし、前記光学系がズームレンズの場合には広角端におけるレンズ全系の焦点距離をfWとし、前記光学系が単一の焦点距離を有するレンズの場合にはレンズ全系の焦点距離をfwとするとき、
−20<fN/fW<−2
0.03<[θN−(−0.001618νN+0.6415)]−[θP−(−0.001618νP+0.6415)]<0.10
なる条件式を満足し、
前記負レンズと前記正レンズで形成される空気レンズは正の屈折力であることを特徴としている。
本発明によれば、倍率色収差や歪曲収差が少なく、長いバックフォーカスが容易に得られ、しかも被投射側のテレセントリック性の良い広画角の光学系が得られる。
本発明の実施例1のレンズ断面図 (A)(B) 本発明の実施例1の広角端、望遠端における収差図 本発明の実施例2のレンズ断面図 (A)(B) 本発明の実施例2の広角端、望遠端における収差図 本発明の実施例3のレンズ断面図 本発明の実施例3における収差図 本発明の実施例4のレンズ断面図 (A)(B)本発明の実施例4の広角端、望遠端における収差図 屈折面の光学作用の説明図 本発明の画像投射装置の説明図
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明の光学系は、拡大共役側(拡大側)から縮小共役側(縮小側)へ順に、負の屈折力の前群、絞り、正の屈折力の後群より構成される。
図1は本発明の光学系の実施例1の広角端におけるレンズ断面図である。図2(A)、(B)は実施例1の光学系の投射装置(第1レンズ面からの距離)が1.508m(数値実施例をmm単位で表したときの距離である。以下同じ)のときにおける広角端と望遠端における縦収差図である。図3は本発明の光学系の実施例2の広角端におけるレンズ断面図である。図4(A)、(B)は実施例2の光学系の投射装置(第1レンズ面からの距離)が1.508mのときにおける広角端と望遠端における縦収差図である。
図5は本発明の光学系の実施例3のレンズ断面図である。図6は実施例3の光学系の投射距離が1.25mのときの縦収差図である。図7は本発明の光学系の実施例4の広角端におけるレンズ断面図である。図8(A)、(B)は実施例4の光学系の投射装置(第1レンズ面からの距離)が1.508mのときにおける広角端と望遠端における縦収差図である。図9は光線が屈折面で屈折するときの説明図である。図10は本発明の画像投写装置の要部概略図である。
各実施例の光学系は画像投写装置(プロジェクタ)に用いられる投射レンズ(投射光学系)である。レンズ断面図において、左方が拡大共役側(スクリーン側)で、右方が縮小共役側(画像表示素子側)である。レンズ断面図において、LAは光学系である。光学系は、単一の焦点距離のレンズ系又はズーミング作用を有するズームレンズより成っている。LFは負の屈折力の前群、LRは正の屈折力の後群である。
iは物体側からのレンズ群の順番を示し、Liは第iレンズ群である。SPは開口絞り(絞り)である。IPは液晶パネル(画像表示素子)等の原画像(被投射画像)に相当している。言い換えれば、液晶パネルは、入射光を変調する光変調素子である。Sはスクリーン面である。GBは色分解、色合成用のプリズム、光学フィルター、フェースプレート(平行平板ガラス)、水晶ローパスフィルター、赤外カットフィルター等に相当する光学ブロックである。投射レンズは、光変調素子としての液晶パネルによって変調された光をスクリーン面(被投射面)に投射する。
図1、図3、図7において矢印は広角端から望遠端へのズーミングの際のレンズ群の移動方向(移動軌跡)を示している。光学系がズーミング可能なズームレンズであるとき、広角端と望遠端は変倍用のレンズ群が機構上光軸上を移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム位置をいう。ここでレンズ群とはズーミングやフォーカシングの際に変化する光軸に沿ったレンズ間隔によって分けられる部分、または開口絞りSPによって分けられる部分をいう。
実施例1、2の光学系LAは拡大共役側から縮小共役側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4を有する。更に負の屈折力の第5レンズ群L5、正の屈折力の第6レンズ群、正の屈折力の第7レンズ群より成る。そしてズーミングのためには第1、第7レンズ群は不動であり、ズーミングに際して第2レンズ群から第6レンズ群までが移動する投射光学系(ズームレンズ)である。
ここで第1レンズ群L1乃至第4レンズ群L4は前群LFを構成し、第5レンズ群L5乃至第7レンズ群L7は後群LRを構成する。実施例3の光学系は、単一の焦点距離の投射光学系である。
実施例4の光学系LAは拡大共役側から縮小共役側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、負の屈折力の第4レンズ群L4を有する。更に正の屈折力の第5レンズ群L5、正の屈折力の第6レンズ群より成る。そしてズーミングのためには第1、第6レンズ群は不動であり、ズーミングに際して第2レンズ群から第5レンズ群までが移動する投射光学系(ズームレンズ)である。実施例1、2、4のズームレンズはズーミングに際して互いに隣接するレンズ群間の間隔が変化する。
ここで第1レンズ群L1乃至第3レンズ群L3は前群LFを構成し、第4レンズ群L4乃至第6レンズ群L6は後群LRを構成する。球面収差図において、実線はd線、二点鎖線はg線である。非点収差図において点線はメリディオナル像面、実線はサジタル像面である。倍率色収差は波長550nmに対する波長470nmによって表している。FnoはFナンバー、ωは半画角である。
一般に負の屈折力の前群と正の屈折力の後群よりなる所謂レトロフォーカス型の光学系(レンズ系)においては、レンズ構成の非対称性からアンダー方向(負)の歪曲収差が多く発生する。この歪曲収差を補正するには、前群中の軸外主光線の入射高が高くなる位置に強い正の屈折力のレンズを配置するのが良い。
この正の屈折力のレンズにより周辺光線は大きく跳ね上げられ、オーバー方向の歪曲収差を発生し、光学系全体として歪曲収差を補正することができる。ところが正の屈折力のレンズで光線を跳ね上げる際に材料の屈折率分散に起因する波長による屈折角差が発生する。これにより倍率色収差が発生することになり、より強い正の屈折力のレンズで歪曲収差の補正をする必要のある広画角の光学系では双方の収差をバランス良く補正するのが困難になる。
このときの光学作用を図9を用いて説明する。図9は正の屈折力の屈折面(レンズ面)によって発生する屈折角について示した説明図である。屈折面の曲率半径をr、レンズの材料の屈折率をnとする。ここでは説明を簡単にするため光線が入射高hで、光軸に平行な角度で入射したとする。このときの屈折角αは、
で近軸的にあらわされる。ここでφは屈折面の屈折力である。図9に示すとおりh<0、r<0であるとし、角度αは反時計周り方向を正と定義する。またy軸方向に発生する収差をオーバー方向の収差、逆方向に発生する収差をアンダー方向の収差とここでは呼称することにする。
この定義に従えば、上式の角度αは負の値となり、光線はオーバー方向に屈曲する。つまりこの屈折面では歪曲収差をオーバー方向に補正する効果を有している。ところが屈折率は分散を持っており、任意の波長によりこの屈折角αが異なる。分散による屈折角の変化量Δαは、波長による材料の屈折率差をΔnとすれば、
ここでΔn/(n−1)は、アッベ数の逆数に相当する。一般的には基準の屈折率nをd線の屈折率nとする。そしてF線の屈折率をn、C線の屈折率をnとする。そしてΔnをF線とC線の屈折率差n−nとしたときのアッベ数を(n−1)/(n−n)と定義し、ここではこれをνと表示する。これを用いれば、F線とC線の間に生じる屈折角の差ΔαF−C
であらわされる。一般的なガラス材料ではν>0であるからΔαF−C<0となる。すなわちF線のほうがよりオーバー方向に屈折するのであり、これが倍率色収差の発生の原因となる。この倍率色収差の発生の原因たる屈折率差は、より短波長ほど傾向が強くなる。部分分散比θ=(n−n)/(n−n)を上式に乗じることによってg線とF線の間の屈折角の差Δαg−Fに変換することができる。
部分分散比θは正の値であるから、Δαg−Fは負の値となり、g線がF線よりもさらにオーバー方向に屈折されることがわかる。
さて本発明に係る光学系は、レトロフォーカス型で非対称性が強いレンズ構成よりなっている。したがって歪曲収差の補正のためにこの屈折面のパワーが強くなる傾向にある。したがって倍率色収差の発生量が大きくなる。また、上式は近軸的な表現であるので入射高hに対して屈折角が比例関係になっているが、実際の広画角の光学系では入射高hが高いほど倍率色収差の発生も急激に増加する。さらに短波長側は屈折率の変化が長波長に比べると大きいことから、特に青の倍率色収差が強く発生する傾向にある。したがって広画角の光学系においては青の倍率色収差の補正が多く残存してしまう傾向がある。
本発明の光学系では、歪曲収差を補正するための正の屈折力のレンズ(正レンズ)のごく近傍に倍率色収差を補正するための負レンズを配置している。
次に本発明の光学系の特徴について説明する。本発明の光学系は、拡大共役側から縮小共役側へ順に、負の屈折力の前群、絞り、正の屈折力の後群より構成される。本発明の光学系は単一焦点距離のレトロフォーカス型レンズ又はズームレンズからなる。前群は拡大共役側から縮小共役側へ順に、負レンズGnと正レンズGpが隣接して配置された組レンズを有している。組レンズは後述する数値実施例に示す如く正の屈折力よりなっている。また前群はレンズ断面図及び後述する数値実施例に示すように組レンズの他に組レンズの拡大側に複数のレンズを有し、前群が備える複数のレンズのうち組レンズより拡大側に設けられている複数のレンズは全体として負の屈折力である。
ここで組レンズは拡大共役側より縮小共役側へ順に、負レンズと正レンズが配置されている2つのレンズよりなる組レンズのうちの最初の組レンズである。負レンズの焦点距離をf、負レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々ν、θとする。正レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々ν、θとする。レンズ全系の焦点距離をfとする。但し、光学系がズームレンズのとき、焦点距離fは広角端におけるレンズ全系の焦点距離とする。このとき、
−20<f/f<−2 ・・・(1)
0.03<[θ−(−0.01618ν+0.6415)]−[θ−(−0.01618ν+0.6415)]<0.10 ・・・(2)
なる条件式を満足している。
各実施例において、光学系を構成する1つのレンズコンポーネント内の正レンズの屈折力をφ=1/f、レンズコンポーネント内の負レンズの屈折力をφ=1/fとする。各屈折力での角度偏差を計算するのには前述の式を拡張してそのまま適用できる。すなわち正レンズの屈折角の差をΔαF−C(P)、Δαg−F(P)、負レンズの屈折角の差をΔαF−C(N)、Δαg−F(N)とする。このとき、
φ>0、φ<0であるからΔα(P)<0、Δα(N)>0となり正レンズはオーバー方向に、負レンズはアンダー方向に色角度偏差を生じることがわかる。倍率色収差を適切に補正するためには正レンズと負レンズの角度偏差の比を適切に設定すればよい。
なお、本発明の光学系において、正レンズと負レンズは、ごく近傍に配置されるため、光線の入射高hは等しいとみなせ、したがって比の計算の際に打ち消される。
この式は正レンズによるオーバー方向の色角度偏差と負レンズによるアンダー方向の色角度偏差の比であるから、値としては負の値になる。この比をレンズ全系の収差とのバランスを考慮して適性に定めることで好適に倍率色収差の補正を行うことができる。広画角のレンズ系においてはその度合いに応じて
−4.0<ν・f/ν・f<−0.2 ・・・(3)
に設定するのが良い。これで補正が良好に行われる。この条件式(3)において上限を超えた場合には倍率色収差の補正が不十分になる。逆に下限を下回ると過剰補正となり、画質が劣化してくる。
さらに好ましくは、条件式(3)を
−3.0<ν・f/ν・f<−0.4 ・・・(3a)
とすることでより好適な補正が行われるようになる。
同様にg−F間に生じる倍率色収差についても考慮する必要がある。広画角の光学系では青側をより強く補正することが肝心であるから、F−C線間よりもg−F間の色収差を強く補正できるようにするのが良い。g線とF線の間に生じる屈折率の差Δαg−F(P)、負レンズの屈折率の差Δαg−F(N)は次のようになる。
となる。この式はF−C線間に対するg−F間の色収差補正の強さを示す比であって、広画角の光学系においては下に示す条件を満たすように設定することが好ましい。
1.0<θ/θ<1.3 ・・・(4)
条件式(4)の下限を下回ると短波長側の色収差補正が不足になり、上限を超えると過剰補正となる。さらに好ましくは、条件式(4)は、
1.05<θ/θ<1.20 ・・・(4a)
の条件を満たすとよい。また部分分散比θは、横軸をアッベ数、縦軸を部分分散比としたとき、下式に示す標準ラインがある。
θ(ν)=−0.01618ν+0.6415
上記材料は部分分散比θ、θを標準ラインのそれぞれ上側、下側から選択すること
がより効果的な補正効果を生じさせる。部分分散比θ、θのこの標準ラインからの乖
離量が、
Δθ=θ−θ(ν
Δθ=θ−θ(ν
であれば、
0.03<Δθ−Δθ0.10
すなわち、
0.03<[θ−(−0.01618ν+0.6415)]−[θ−(−0.01618ν+0.6415)]<0.10 ・・・(2)
を満たすように材料の選択を行うのがよい。条件式(2)の下限を下回ると補正効果が不足になる。上限を超えると過剰になってしまう
負レンズの焦点距離は、長すぎると所定の補正効果を得るのが難しい。短すぎると歪曲収差の補正効果を得にくくなるので、適切な範囲に設定する必要がある。全系の焦点距離(ズームレンズのときは広角端における全系の焦点距離)をfwとする。このとき、
−20<f/f<−2 ・・・(1)
の範囲とするのがよい。さらに好ましくは条件式(1)を
−13<f/f<−3 ・・・(1a)
とするのが好適である。また正レンズの材料の屈折率nと負レンズの材料の屈折率nについては、
<n ・・・(5)
とすることが好ましい。これによって色による像面湾曲の差を抑制するのが容易になる。特に、
0.1<n−n ・・・(6)
とするのが良い。
更に好ましくは、
0.15<n−n<0.30 ・・・(6a)
とするのが良い。
また各実施例の光学系を、原画を形成する画像表示素子によって形成された原画を投射する画像投射装置に用いたときの光学系の投射画角を2ω(度)とする(但し光学系がズームレンズのときは広角端における投射画角を2ωとする)。このとき、
60°<2ω ・・・(7)
なる条件式を満足するのが良い。
更に好ましくは、
70°<2ω<100° ・・・(7a)
とするのが良い。
以上のように各実施例によれば、広画角ながらも長いバックフォーカスを有し、高いテレセントリック性を持ち、歪曲収差が少なく良好な投射性能を有したプロジェクタに好適な光学系を得ることが出来る。
次に各実施例の光学系について説明する。実施例1、2の光学系LAはズームレンズよりなり、前群LFは複数のレンズ群を有し、後群LRは複数のレンズ群を有し、ズーミングに際して各レンズ群間隔が変化する。具体的には前群LFは拡大共役側から縮小共役側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4よりなる。
後群LRは負の屈折力の第5レンズ群L5、正の屈折力の第6レンズ群L6、正の屈折力の第7レンズ群L7よりなる。そして、ズーミングのためには第1レンズ群L1と第7レンズ群L7は不動であり、ズーミングに際して第2レンズ群L2乃至第6レンズ群L6が移動する。
実施例1は第1レンズ群L1に組レンズLを用いている。実施例1における組レンズLは拡大共役側から縮小共役側へ順に、負レンズと正レンズを接合した接合レンズよりなっている。拡大共役側の第1番目と第2番目は非球面である。実施例1は歪曲収差が0.1%以下で、倍率色収差も良好に補正したズームレンズを得ている。
実施例2は第1レンズ群内に拡大共役側から縮小共役側へ順に負レンズと正レンズよりなる組レンズLを有する。実施例2における組レンズLにおける負レンズと正レンズは互いに独立している。組レンズLを構成する負レンズと正レンズで形成される空気レンズは正の屈折力よりなっている。この屈折力の空気レンズは色収差が発生しなく、歪曲収差を効果的に補正している。したがって実施例1に比べて負レンズの屈折力を弱くすることができる。その他の構成および作用については、実施例1と同じである。
実施例3は広画角の単一焦点距離の光学系である。広画角のレトロフォーカス型の光学系は青の倍率色収差が、より顕著に現れる。本実施例は広画角にもかかわらず、歪曲収差と倍率色収差が良好に補正された光学系を得ている。
実施例4は実施例1と類似の構成であるが、ズーム移動群数を1群減じて6群構成となっている。これにより構成の簡素化が可能になる。
次に本発明の光学系を画像投射装置(プロジェクタ)に適用した実施例を図10を用いて説明する。同図は本発明の光学系の実施例1〜4を3板式のカラー液晶プロジェクタに適用し、複数の液晶表示素子に基づく複数の色光の画像情報を色合成手段を介して合成し、投射用の光学系でスクリーン面上に拡大投射する画像投射装置を示している。
図10においてカラー液晶プロジェクタ100は、R,G,Bの3枚のパネルを有する。更にR,G,Bからの各色光を色合成手段としてのプリズム200を有する。そして1つの光路に合成し、前述した光学系より成る投射レンズ300を用いてスクリーン400に投影している。このように実施例1〜4の光学系をプロジェクタ等に適用することにより、高い光学性能を有する画像投射装置(光学機器)を実現することができる。
次に本発明の各実施例における数値実施例のデータを以下に示す。数値実施例においてiは拡大共役側からの面の順序を示し、riはレンズ面の曲率半径、diは第i面と第i+1面との間のレンズ肉厚および空気間隔、ndi、νdiはそれぞれd線に対する屈折率、アッベ数を表わす。またθはgF線間の部分分散比を表わしている。
有効径はその面において光線が通過する有効領域を直径で示している。また縮小共役側の3つの面は光学ブロックに相当する。面番号の右側に*が付記されている面は以下の関数に従った非球面形状であることを示している。
k、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、A18、A20は非球面係数である。非球面形状は光軸からの高さYの位置での光軸方向の変位を、面頂点を基準にしてxとするとき、以下の式で定義される。但し、ここでRは曲率半径である。
また、前述の各実施例と条件式の数値との関係を表−1に示す。
(数値実施例1)
面データ
面番号 r d nd νd 有効径 θ
1* 219.488 3.00 1.51633 64.1 62.34
2 31.357 16.34 49.34
3* 68.116 3.28 1.77250 49.6 40.51
4 29.195 14.77 34.90
5 -30.980 1.80 1.59522 67.7 33.15
6 146.872 4.88 34.89
7 190.933 2.00 1.92286 18.9 37.26 0.6495
8 75.488 8.97 1.72047 34.7 37.89 0.5834
9 -44.004 (可変) 38.60
10 66.457 3.83 1.48749 70.2 34.76
11 520.687 (可変) 34.43
12 110.783 3.27 1.80809 22.8 32.93
13 -559.048 (可変) 32.54
14 335.957 5.16 1.51633 64.1 24.63
15 -26.312 3.50 1.88300 40.8 24.36
16 -39.169 (可変) 24.79
17(絞り) ∞ 0.75 19.91
18 -66.375 1.30 1.85026 32.3 19.92
19 26.831 5.44 1.51633 64.1 20.01
20 -47.104 (可変) 20.93
21 -23.871 1.50 1.85026 32.3 22.43
22 93.367 6.45 1.51633 64.1 26.19
23 -29.986 0.50 28.21
24 156.797 10.05 1.43875 94.9 33.15
25 -30.236 (可変) 35.25
26 77.314 5.30 1.80809 22.8 37.88
27 -302.740 2.75 37.62
28 ∞ 37.84 1.51633 64.1 40.00
29 ∞ 19.50 1.80518 25.4 40.00
30 ∞ 40.00
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0 A 4= 7.17103e-006 A 6=-5.60430e-009 A 8= 6.08849e-012
A10=-3.74125e-015 A12= 1.32338e-018

第3面
K = 0 A 4=-4.10143e-006 A 6= 1.70376e-009 A 8= 3.97816e-013
A10=-1.03186e-014 A12= 1.07533e-017


各種データ

ズーム比 1.50
広角 中間 望遠
焦点距離 15.70 19.31 23.56
Fナンバー 2.11 2.23 2.34
半画角(度)39.7 34.0 29.0
像高 13.1 13.1 13.1
レンズ全長 247.34 247.34 247.34
BF 45.76 45.76 45.76

d 9 41.72 22.44 5.22
d11 2.00 7.34 11.47
d13 26.79 27.56 26.81
d16 1.20 4.28 9.17
d20 5.21 4.78 2.87
d25 1.00 11.52 22.38

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -38.00
2 10 155.84
3 12 114.67
4 14 94.20
5 17 -75.13
6 21 269.49
7 26 76.69
(数値実施例2)
面番号 r d nd νd 有効径 θ
1* 545.489 3.00 1.51633 64.1 62.99
2 60.029 12.35 56.94
3* 156.652 3.00 1.77250 49.6 44.72
4 27.556 19.19 36.43
5 -36.914 1.80 1.59522 67.7 33.60
6 201.069 6.62 34.77
7 -266.353 2.00 1.92286 18.9 36.72 0.6495
8 347.120 0.30 37.57
9 210.260 7.55 1.72047 34.7 37.99 0.5834
10 -42.892 (可変) 38.60
11 106.207 3.49 1.48749 70.2 36.10
12 -4185.435 (可変) 35.93
13 74.561 3.97 1.76182 26.5 35.13
14 4474.990 16.01 34.56
15 ∞ (可変) 28.20(フレアーカット絞り)
16 237.197 5.34 1.51633 64.1 25.48
17 -26.786 3.06 1.88300 40.8 25.21
18 -40.110 (可変) 25.59
19(絞り) ∞ 0.69 20.44
20 -75.983 1.30 1.85026 32.3 20.45
21 23.251 6.37 1.51633 64.1 20.76
22 -37.163 (可変) 21.54
23 -22.979 1.50 1.85026 32.3 22.07
24 216.614 0.30 25.16
25 140.186 5.86 1.51633 64.1 26.06
26 -31.193 1.84 27.75
27 -283.515 7.00 1.43875 94.9 31.59
28 -27.977 (可変) 32.89
29 77.314 5.30 1.80809 22.8 35.42
30 -302.740 2.75 35.26
31 ∞ 37.84 1.51633 64.1 40.00
32 ∞ 19.50 1.80518 25.4 40.00
33 ∞ 40.00
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0 A 4= 7.71589e-006 A 6=-6.26043e-009 A 8= 8.48317e-012
A10=-8.17005e-015 A12= 4.99409e-018 A14=-8.72477e-022
A16= 1.17602e-024 A18=-2.66693e-027 A20= 1.37909e-030

第3面
K = 0 A 4=-5.80139e-006 A 6= 4.26527e-009 A 8= 5.15960e-012
A10=-2.09990e-014 A12=-5.12328e-019 A14= 8.95205e-020
A16=-7.33804e-023 A18=-1.42487e-025 A20= 1.71252e-028


各種データ

ズーム比 1.50
広角 中間 望遠

焦点距離 15.71 19.32 23.57
Fナンバー 2.09 2.22 2.34
半画角(度)39.7 34.0 29.0
像高 13.1 13.1 13.1
レンズ全長 247.35 247.35 247.35
BF 45.76 45.76 45.76

d10 41.52 21.29 5.02
d12 1.00 7.07 9.13
d15 14.56 14.99 14.63
d18 1.20 4.66 9.33
d22 2.88 3.33 2.65
d28 1.00 10.83 21.40

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -36.35
2 11 212.53
3 13 99.49
4 16 92.19
5 19 -98.38
6 23 878.28
7 29 76.69
(数値実施例3)
面番号 r d nd νd 有効径 θ
1* 847.458 3.00 1.65100 56.2 59.68
2 28.102 13.60 45.18
3* 63.747 3.00 1.77250 49.6 39.91
4 36.375 10.66 35.60
5 -86.215 1.80 1.59522 67.7 34.28
6 119.429 9.23 34.20
7 -44.775 2.00 1.92286 18.9 34.76 0.6495
8 1714.442 8.42 1.65412 39.7 37.42 0.5737
9 -33.074 26.40 38.60
10 197.128 5.33 1.72825 28.5 40.01
11 -72.257 33.64 39.92
12 29.603 3.08 1.80809 22.8 19.90
13 185.070 0.65 18.93
14 -407.908 1.60 1.77250 49.6 18.60
15 31.864 8.85 17.06
16 -75.223 3.59 1.48749 70.2 16.24
17 -17.417 1.60 1.88300 40.8 16.32
18 -24.703 1.30 16.86
19(絞り) ∞ 5.72 16.39
20 87.982 1.60 1.85026 32.3 18.18
21 17.503 7.94 1.51633 64.1 18.40
22 -17.841 1.26 19.33
23 -16.468 1.60 1.85026 32.3 19.25
24 49.812 6.27 1.51633 64.1 22.81
25 -33.178 4.38 25.03
26 598.893 9.69 1.43875 94.9 31.57
27 -23.442 0.50 33.12
28 397.652 3.30 1.80809 22.8 33.99
29 -109.486 2.75 34.07
30 ∞ 37.84 1.51633 64.1 40.00
31 ∞ 19.50 1.80518 25.4 40.00
32 ∞ 40.00
像面 ∞
非球面データ
第1面
K = 0 A 4= 1.36304e-005 A 6=-1.77502e-008 A 8= 2.19429e-011
A10=-1.54325e-014 A12= 5.27346e-018

第3面
K = 0 A 4=-1.34503e-005 A 6= 8.29440e-009 A 8=-8.27574e-013
A10=-2.30687e-014 A12= 2.89696e-017

焦点距離 13.0
Fナンバー 2.7
半画角(度) 45.2
像高 13.1
レンズ全長 247.30
BF 45.66
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 -44.71
2 3 -115.17
3 5 -83.85
4 7 -47.26
5 8 49.70
6 10 73.22
7 12 43.23
8 14 -38.20
9 16 45.57
10 17 -74.56
11 20 -25.97
12 21 18.53
13 23 -14.40
14 24 39.59
15 26 51.66
16 28 106.55
(数値実施例4)

面番号 r d nd νd 有効径 θ
1* 487.289 3.00 1.516330 64.1 63.00
2 53.083 13.56 55.67
3* 180.128 3.00 1.772499 49.6 43.78
4 28.487 15.67 36.17
5 -35.121 1.80 1.496999 81.5 34.63
6 94.929 5.75 35.97
7 176.927 1.90 1.922860 18.9 38.28 0.6495
8 86.983 8.60 1.720467 34.7 38.72 0.5834
9 -49.721 (可変) 39.28
10 86.153 3.30 1.548141 45.8 34.40
11 681.902 (可変) 34.18
12 78.901 4.10 1.698947 30.1 33.00
13 -325.809 23.95 32.63
14 -169.695 4.70 1.516330 64.1 23.10
15 -22.591 4.90 1.882997 40.8 22.93
16 -33.429 (可変) 23.84
17(絞り) ∞ 0.60 19.30
18 -77.986 1.10 1.850259 32.3 19.30
19 23.542 5.90 1.516330 64.1 19.69
20 -40.720 (可変) 20.69
21 -21.824 1.30 1.850259 32.3 21.91
22 100.083 6.90 1.516330 64.1 25.82
23 -27.766 1.71 28.26
24 226.799 10.50 1.438750 94.9 35.13
25 -28.980 (可変) 37.13
26 77.314 5.30 1.808095 22.8 39.86
27 -302.740 2.75 39.60
28 ∞ 30.02 1.516330 64.1 40.00
29 ∞ 7.82 1.516330 64.1 40.00
30 ∞ 19.50 1.805182 25.4 40.00
31 ∞ 40.00
像面 ∞
非球面データ
第1面
K=0 A4=7.46642e-006 A6=-5.68504e-009 A8=6.27502e-012
A10=-4.07337e-015 A12=1.54366e-018
第3面
K=0 A4=-5.42242e-006 A6=5.41037e-009 A8=-1.21441e-012
A10=-6.57542e-015 A12=6.97510e-018


各種データ
ズーム比 1.50
広角 中間 望遠
焦点距離 15.71 19.44 23.59
Fナンバー 2.09 2.22 2.34
半画角(度)39.7 33.9 29.0
像高 13.1 13.1 13.1
レンズ全長 247.15 247.15 247.15
BF 45.78 45.78 45.78

d 9 41.15 20.33 5.00
d11 2.01 8.23 9.10
d16 1.50 5.01 9.14
d20 4.62 4.70 3.48
d25 1.00 12.00 23.56

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -39.97
2 10 179.55
3 12 62.66
4 17 -89.49
5 21 275.98
6 26 76.69
LA 光学系 LF 前群 LR 後群 SP 開口絞り L 組レンズ

Claims (12)

  1. 拡大側から縮小側へ順に、負の屈折力の前群、絞り、正の屈折力の後群より構成される光学系において、
    前記前群は拡大側から縮小側へ順に、負レンズと正レンズが隣接して配置され、全体として正の屈折力の組レンズを有しており、
    前記前群は前記組レンズの他に複数のレンズを有し、前記前群が備える複数のレンズのうち、前記組レンズよりも前記拡大側に設けられている複数のレンズは全体として負の屈折力を有しており、
    前記負レンズの焦点距離をfN、前記負レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νN、θN、前記正レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νP、θPとし、前記光学系がズームレンズの場合には広角端におけるレンズ全系の焦点距離をfWとし、前記光学系が単一の焦点距離を有するレンズの場合にはレンズ全系の焦点距離をfwとし、前記負レンズの材料の屈折率をnN、前記正レンズの材料の屈折率をnPとするとき、
    −20<fN/fW<−2
    0.03<[θN−(−0.001618νN+0.6415)]−[θP−(−0.001618νP+0.6415)]<0.10
    0.15<nN−nP<0.30
    なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
  2. 前記光学系はズームレンズよりなり、前記前群は複数のレンズ群を有し、前記後群は複数のレンズ群を有し、ズーミングに際して互いに隣接するレンズ群間の間隔が変化することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記前群は拡大側から縮小側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群よりなり、前記後群は負の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群、正の屈折力の第7レンズ群よりなり、ズーミングのためには前記第1レンズ群と前記第7レンズ群は不動であり、ズーミングに際して前記第2レンズ群から前記第6レンズ群までが移動することを特徴とする請求項2に記載の光学系。
  4. 前記正レンズの焦点距離をfPとするとき、
    −4.0<νP・fP/νN・fN<−0.2なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学系。
  5. 1.0<θN/θP<1.3
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学系。
  6. 前記負レンズと正レンズは接合されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学系。
  7. 前記負レンズと前記正レンズで形成される空気レンズは正の屈折力であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学系。
  8. 前記組レンズは拡大側より縮小側へ順に、負レンズと正レンズが配置されている2つのレンズよりなる組レンズのうち、最も拡大側に配置された組レンズであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光学系。
  9. 拡大側から縮小側へ順に、負の屈折力の前群、絞り、正の屈折力の後群より構成される光学系において、
    前記前群は拡大側から縮小側へ順に、負レンズと正レンズが隣接して配置され、全体として正の屈折力の組レンズを有しており、
    前記前群は前記組レンズの他に複数のレンズを有し、前記前群が備える複数のレンズのうち、前記組レンズよりも前記拡大側に設けられている複数のレンズは全体として負の屈折力を有しており、
    前記負レンズの焦点距離をfN、前記負レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νN、θN、前記正レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νP、θPとし、前記光学系がズームレンズの場合には広角端におけるレンズ全系の焦点距離をfWとし、前記光学系が単一の焦点距離を有するレンズの場合にはレンズ全系の焦点距離をfwとするとき、
    −20<fN/fW<−2
    0.03<[θN−(−0.001618νN+0.6415)]−[θP−(−0.001618νP+0.6415)]<0.10
    なる条件式を満足し、
    前記前群は拡大側から縮小側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群よりなり、前記後群は負の屈折力の第5レンズ群、正の屈折力の第6レンズ群、正の屈折力の第7レンズ群よりなり、ズーミングのためには前記第1レンズ群と前記第7レンズ群は不動であり、ズーミングに際して前記第2レンズ群から前記第6レンズ群までが移動することを特徴とする光学系。
  10. 拡大側から縮小側へ順に、負の屈折力の前群、絞り、正の屈折力の後群より構成される光学系において、
    前記前群は拡大側から縮小側へ順に、負レンズと正レンズが隣接して配置され、全体として正の屈折力の組レンズを有しており、
    前記前群は前記組レンズの他に複数のレンズを有し、前記前群が備える複数のレンズのうち、前記組レンズよりも前記拡大側に設けられている複数のレンズは全体として負の屈折力を有しており、
    前記負レンズの焦点距離をfN、前記負レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νN、θN、前記正レンズの材料のアッベ数と部分分散比を各々νP、θPとし、前記光学系がズームレンズの場合には広角端におけるレンズ全系の焦点距離をfWとし、前記光学系が単一の焦点距離を有するレンズの場合にはレンズ全系の焦点距離をfwとするとき、
    −20<fN/fW<−2
    0.03<[θN−(−0.001618νN+0.6415)]−[θP−(−0.001618νP+0.6415)]<0.10
    なる条件式を満足し、
    前記負レンズと前記正レンズで形成される空気レンズは正の屈折力であることを特徴とする光学系。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学系と、
    入射光を変調する光変調素子と、を有し、
    前記光変調素子によって変調された光を前記光学系によって投射することを特徴とする画像投射装置。
  12. 前記光学系の投射画角を2ω、又は、該光学系がズームレンズのときは広角端における投射画角を2ωとするとき、
    60°<2ω
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項11に記載の画像投射装置。
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