JP6281524B2 - ワイヤハーネス - Google Patents
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Description
本発明は、ワイヤハーネスに関する。
従来、車両等に配索される複数本の電線を束にしてなるワイヤハーネスが知られている。ワイヤハーネスには、例えば下記特許文献1に記載のように、電線を保護するためのコルゲートチューブやプロテクタ等の部品、また電線を所定の配索経路に保持したり車体に固定するためのクランプやクリップ等、多数の部品が備えられている。
しかしながら、上記のような構成では、ワイヤハーネスに備えられる部品点数が多く、ワイヤハーネスの構造が複雑であるため、各種部品の製造や組み付け作業にかかるコストが高くなる傾向があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、部品点数を減らし、構造を簡素化することが可能なワイヤハーネスを提供することを目的とする。
本発明のワイヤハーネスは、導電性を有するとともに所定の形状を保持可能な剛性を有するパイプと、前記パイプの端部に電気的に接続された筒状をなす可撓性導電部材と、前記可撓性導電部材のうち前記パイプとは反対側の端部に電気的に接続された端子金具と、前記パイプの内部に挿通されて前記可撓性導電部材の中間部から外側に引き出された電線と、前記電線の端末部に接続された端子金具と、を備えている。
本発明によれば、パイプが電線を保護し、またパイプがそれ自体で形状を保持できるため、多数のプロテクタやクランプ等を備えなくてもよく、またパイプがそれ自体で導電路を形成するから電線の本数を減らすことができる。すなわち、本発明によれば、部品点数を減らし、構造を簡素化することができる。
本発明の好ましい形態を以下に示す。
本発明のワイヤハーネスは、前記可撓性導電部材が、金属素線を編組して形成した編組部材であるものとしてもよい。このような構成によれば、編組部材の網目を広げることにより、可撓性導電部材の中間部から電線を容易に引き出すことができる。
<実施例>
以下、本発明を具体化した一実施例について、図1を参照しつつ詳細に説明する。
本実施例におけるワイヤハーネス10は、車両に取り付けられるものであり、複数本(本実施例では2本)の導電路を有し、各導電路は車両に搭載された各種機器に接続される。このワイヤハーネス10は、2本の導電路のうち1方の導電路(以後、第1導電路10Fと称する)の内側に、他方の導電路(以後、第2導電路10Sと称する)が形成された2層構造をなしている。
以下、本発明を具体化した一実施例について、図1を参照しつつ詳細に説明する。
本実施例におけるワイヤハーネス10は、車両に取り付けられるものであり、複数本(本実施例では2本)の導電路を有し、各導電路は車両に搭載された各種機器に接続される。このワイヤハーネス10は、2本の導電路のうち1方の導電路(以後、第1導電路10Fと称する)の内側に、他方の導電路(以後、第2導電路10Sと称する)が形成された2層構造をなしている。
なお、本実施例では、第1導電路10Fは低電圧(例えば12V)の補助バッテリとモータジェネレータとに接続され、第2導電路10Sは低電圧の補助バッテリと各種の電装品(ナビゲーション装置、エアコン、ヘッドランプ等)とに接続される。ワイヤハーネス10は、室外(床下)を通って各種機器に接続される。
端子金具20は、所定形状に打ち抜いた導電性の金属板材を曲げ加工等して成形されている。端子金具20は、車両に搭載される各種機器の端子部に接続される第1接続部21と、各導電路の端末部に接続される第2接続部22とを備えている。第1接続部21には接続孔23が貫通形成され、第2接続部22には、各導電路の端末部にかしめ付けられる一対のカシメ片24が備えられている。
第1導電路10Fは、導電性を有するとともに所定の曲げ形状を保持可能な剛性を有するパイプ11を備えている。パイプ11は金属製(銅やアルミニウム等)であって、略円筒形の比較的長尺なものとされている。パイプ11の内部には、後述する電線16を挿通可能な最小限の空間が確保されている。パイプ11の外周側は、図示しない絶縁部材(樹脂製のコルゲートチューブや収縮チューブ等)で覆われる。
パイプ11の端部には、導電性を有するとともに比較的容易に撓み変形可能な可撓性導電部材12が接続されている。可撓性導電部材12は、導電性の金属細線(例えば、銅)をメッシュ状に編み込んで筒状に形成してなる編組部材である。可撓性導電部材12の一端側は、パイプ11の外周側に被せ付けられ、カシメリング等の固定部材13によってカシメ付けられて、パイプ11の端部に導通可能に固着されている。
そして、可撓性導電部材12の他端側には、端子金具20が電気的に接続されている。端子金具20は、可撓性導電部材12の端部において細い棒状をなして一体化するように纏められた部分に第2接続部22がカシメ付けられて接続されている。なお、可撓性導電部材12は、パイプ11との接続箇所を含む大部分が、図示しない保護部材(例えばグロメット等)によって覆われて保護される。
第2導電路10Sは、複数本の素線を撚り合わせてなる導体14の外周を絶縁被覆15で包囲してなる電線16を備えている。導体14は、銅あるいは銅合金、アルミあるいはアルミ合金によって形成されている。
電線16は、パイプ11の内部に挿通されて可撓性導電部材12の中間部から外側に引き出されている。電線16は、可撓性導電部材12の網目を広げることによって形成された貫通孔17を通って導出している。
そして、電線16の端末部には、可撓性導電部材12に接続された端子金具20とは別の端子金具20が圧着されている。端子金具20は、電線16の端末部において絶縁被覆15が剥がされて露出した導体14に、第2接続部22がカシメ付けられて接続されている。
次に、上記のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
本実施例のワイヤハーネス10は、導電性を有するとともに所定の形状を保持可能な剛性を有するパイプ11と、パイプ11の端部に電気的に接続された筒状をなす可撓性導電部材12と、可撓性導電部材12のうちパイプ11とは反対側の端部に電気的に接続された端子金具20と、パイプ11の内部に挿通されて可撓性導電部材12の中間部から外側に引き出された電線16と、電線16の端末部に接続された端子金具20と、を備えている。
本実施例のワイヤハーネス10は、導電性を有するとともに所定の形状を保持可能な剛性を有するパイプ11と、パイプ11の端部に電気的に接続された筒状をなす可撓性導電部材12と、可撓性導電部材12のうちパイプ11とは反対側の端部に電気的に接続された端子金具20と、パイプ11の内部に挿通されて可撓性導電部材12の中間部から外側に引き出された電線16と、電線16の端末部に接続された端子金具20と、を備えている。
この構成によれば、パイプ11が電線16を保護し、またパイプ11がそれ自体で形状を保持できるため、多数のプロテクタやクランプ等を備えなくてもよく、またパイプ11がそれ自体で導電路を形成するから電線の本数を減らすことができる。すなわち、本発明によれば、部品点数を減らし、構造を簡素化することができる。また、仮に2本の導電路が、2本の電線をパイプに挿通して形成されている場合に比べて、ワイヤハーネスの外径寸法(幅寸法)を小さくすることができる。
また、可撓性導電部材12が、金属素線を編組して形成した編組部材である。この構成によれば、編組部材の網目を広げることにより、可撓性導電部材12の中間部から電線16を容易に引き出すことができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、パイプ11は金属製とされているが、これに限らず、例えばパイプは樹脂製のパイプ内に金属箔を埋め込んだ構造の樹脂パイプ等であってもよい。
(2)上記実施例では、可撓性導電部材12は編組部材とされているが、これに限らず、可撓性導電部材は例えば蛇腹形状をなす金属製のコルゲートパイプであってもよい。
(3)上記実施例では、可撓性導電部材12の端末部に端子金具20がカシメ付けられているが、これに限らず、例えば可撓性導電部材の端末部に端子金具が溶接等によって接合されていてもよい。
(4)上記実施例では、導電路が2本である場合を説明したが、これに限らず、例えば導電路は3本以上であってもよく、そのような場合には、電線の本数を増やせばよく、増やした電線はパイプの内部に挿通してもよいし、パイプの外周面に沿わせてもよい。
(5)上記実施例では、可撓性導電部材12の網目を広げて貫通孔17が形成されているが、可撓性導電部材が編組部材でない場合には、可撓性導電部材の中間部に穴あけ加工等して貫通孔を形成してもよい。
(6)上記実施例では、室外(床下)を通って各種機器に接続されるワイヤハーネス10について説明したが、これに限らず、本発明は、各種機器間で形状保持が必要な配索部位に広く適用することができる。
(7)上記実施例では、パイプ11は略円筒形であるが、これに限らず、パイプの断面形状は任意の形状であってよく、例えば四角形等の多角形状であってもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、パイプ11は金属製とされているが、これに限らず、例えばパイプは樹脂製のパイプ内に金属箔を埋め込んだ構造の樹脂パイプ等であってもよい。
(2)上記実施例では、可撓性導電部材12は編組部材とされているが、これに限らず、可撓性導電部材は例えば蛇腹形状をなす金属製のコルゲートパイプであってもよい。
(3)上記実施例では、可撓性導電部材12の端末部に端子金具20がカシメ付けられているが、これに限らず、例えば可撓性導電部材の端末部に端子金具が溶接等によって接合されていてもよい。
(4)上記実施例では、導電路が2本である場合を説明したが、これに限らず、例えば導電路は3本以上であってもよく、そのような場合には、電線の本数を増やせばよく、増やした電線はパイプの内部に挿通してもよいし、パイプの外周面に沿わせてもよい。
(5)上記実施例では、可撓性導電部材12の網目を広げて貫通孔17が形成されているが、可撓性導電部材が編組部材でない場合には、可撓性導電部材の中間部に穴あけ加工等して貫通孔を形成してもよい。
(6)上記実施例では、室外(床下)を通って各種機器に接続されるワイヤハーネス10について説明したが、これに限らず、本発明は、各種機器間で形状保持が必要な配索部位に広く適用することができる。
(7)上記実施例では、パイプ11は略円筒形であるが、これに限らず、パイプの断面形状は任意の形状であってよく、例えば四角形等の多角形状であってもよい。
10…ワイヤハーネス
11…パイプ
12…可撓性導電部材
16…電線
20…端子金具
11…パイプ
12…可撓性導電部材
16…電線
20…端子金具
Claims (2)
- 導電性を有するとともに所定の形状を保持可能な剛性を有するパイプと、
前記パイプの端部に電気的に接続された筒状をなす可撓性導電部材と、
前記可撓性導電部材のうち前記パイプとは反対側の端部に電気的に接続された端子金具と、
前記パイプの内部に挿通されて前記可撓性導電部材の中間部から外側に引き出された電線と、
前記電線の端末部に接続された端子金具と、
を備えているワイヤハーネス。 - 前記可撓性導電部材が、金属素線を編組して形成した編組部材である請求項1に記載のワイヤハーネス。
Priority Applications (1)
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JP2015102590A JP6281524B2 (ja) | 2015-05-20 | 2015-05-20 | ワイヤハーネス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015102590A JP6281524B2 (ja) | 2015-05-20 | 2015-05-20 | ワイヤハーネス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016219232A JP2016219232A (ja) | 2016-12-22 |
JP6281524B2 true JP6281524B2 (ja) | 2018-02-21 |
Family
ID=57579048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015102590A Active JP6281524B2 (ja) | 2015-05-20 | 2015-05-20 | ワイヤハーネス |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
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JP2006185927A (ja) * | 2006-03-09 | 2006-07-13 | Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk | シールド機能を備えた導電路 |
JP2010027417A (ja) * | 2008-07-22 | 2010-02-04 | Yazaki Corp | ワイヤーハーネス |
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2015
- 2015-05-20 JP JP2015102590A patent/JP6281524B2/ja active Active
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