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JP6281448B2 - 導電路 - Google Patents

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JP6281448B2 JP2014178672A JP2014178672A JP6281448B2 JP 6281448 B2 JP6281448 B2 JP 6281448B2 JP 2014178672 A JP2014178672 A JP 2014178672A JP 2014178672 A JP2014178672 A JP 2014178672A JP 6281448 B2 JP6281448 B2 JP 6281448B2
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Description

本発明は、導電路に関する。
従来、ハイブリッド自動車等の車両において、例えば車両後部に備えられた高圧バッテリ等の機器と、車両前部に備えられたインバータやヒューズボックス等の機器とを接続するべく、車両の床下に複数本の電線を配索することがある。その際に、電線を金属製のパイプに挿通することで、電磁シールドするだけでなく、異物の干渉から保護する技術が知られている(例えば下記特許文献1に記載)。電線は、一般に、複数本の素線を撚り合わせてなる撚線導体を絶縁被覆で包囲してなる撚線電線とされ、自由に屈曲させて配索することが可能とされている。そして、機器の周囲の隙間を縫うようにして配索される導電路の端部付近は、剛性の高いパイプではなく、例えば金属素線を筒状に網組してなる金属編組部等の可撓性を有するシールド部材で電線を包囲するようにしている。
特開2012−222888号公報
ところで、車両の床下に配索される導電路は、最低地上高を考慮して、パイプの径寸法をできるだけ小さくしたいという要望がある。そこで、電線を、前述のような撚線電線ではなく、一本の導体を絶縁被覆で包囲してなる単芯電線に変えることが考えられる。これにより、電線自体の径寸法を小さくすることができ、また、単芯電線は撓み難いので、径寸法の小さいパイプに挿通することができるから、パイプの径寸法を小さくできる。そして、柔軟性が必要な導電路の端部付近においては、単芯電線の端部に撓みやすい撚線電線を接続して対応することが考えられる。
このようにする場合には、パイプに単芯電線を挿通した後、パイプから導出されている単芯電線の端部に、半田付けや溶接等によって撚線電線を接続することが想定される。単芯電線と撚線電線との接続部は、幅寸法が大きくなりがちであるため、先に接続すると、その接続部をパイプに挿通しなければならず、パイプの径寸法を小さくすることが難しくなるからである。
しかしながら、パイプから引き出された複数本の単芯電線の端部に撚線電線を接続する作業は容易ではないと思われ、対策が望まれていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、パイプに一括して挿通された複数本の単芯電線に、撚線電線を容易に接続することが可能な導電路を提供することを目的とする。
本発明の導電路は、1本の単芯導体に絶縁被覆を包囲してなる単芯電線が、複数本一括して断面が方形状をなすパイプに挿通され、前記単芯導体の端部は、複数の素線を撚り合わせてなる撚線導体を絶縁被覆で包囲してなる撚線電線が接続される接続部とされ、複数本の前記単芯電線の接続部は、前記パイプ外において互いに長さ方向にずれて配され、前記接続部に、前記撚線導体が固着される平らな固着面が形成されており、前記複数本の単芯電線のうち前記パイプ内に配される部分に、前記単芯電線間で略均一な間隔をあけて対向し得るような形状の対向面が形成され、また前記パイプ内に配される部分の外周面が前記パイプの内周面に沿う形状をなすことで前記単芯電線の回転が制限されており、前記固着面が複数の前記単芯電線において同じ側に形成されているものである。
本発明によれば、複数本の単芯電線において接続部の位置が長さ方向にずれて配されるから、接続部が並んで配される場合に比して各接続部に撚線電線を接続する作業を行いやすく、また接続部が並んで配されることで導電路の幅寸法が大きくなることを防ぐことができる。
また、本発明の導電路は、前記接続部に、前記撚線導体が固着される平らな固着面が形成されている。このような構成によれば、平らな固着面に撚線導体をそれぞれ載置して接続作業を行うことができるから、パイプに一括して挿通された複数本の単芯電線に、撚線電線を容易に接続することができる。
また、本発明の導電路は、前記複数本の単芯電線のうち前記パイプ内に配される部分に、前記単芯電線間で略均一な間隔をあけて対向し得るような形状の対向面が形成されることで前記単芯電線の回転が制限されており、前記固着面が複数の前記単芯電線において同じ側に形成されている。このような構成によれば、パイプ内において単芯電線間に形成される隙間を小さくしてパイプの径寸法を小さくすることができ、かつ、単芯電線に、撚線電線を容易に接続することができる。
参考例におけるシールド導電路の配索経路を示す概略側面図 単芯電線と撚線電線との接続部位の周辺を拡大して示す側断面図 単芯電線と撚線電線との接続部位を拡大して示す平面図 シールド導電路の断面形状を示す断面図 実施例1におけるシールド導電路の断面形状を示す断面図 他の参考例(1)におけるシールド導電路の断面形状を示す断面図
本発明の好ましい形態を以下に示す
た、本発明の導電路は、前記パイプはシールド機能を有するシールドパイプであり、前記単芯導体と前記撚線導体との接続部分が一括シールド部材で覆われているものとしてもよい。
参考例>
以下、本発明を具体化した参考例について、図1〜図4を参照しつつ詳細に説明する。
参考例における導電路10は、ハイブリッド車等の車両Bにおいて、例えば車両Bの後部に備えられた高圧バッテリ等の機器M1と、車両Bの前部に備えられたインバータやヒューズボックス等の機器M2とを接続するべく、車両Bの床下に配索されるものである(図1参照)。なお、各機器M1,M2は、導電性のシールドケース内に収容されている。
参考例の導電路10は、複数本(本実施例では2本)の単芯電線11を、シールド機能を有する金属製のパイプ(以下、シールドパイプ12と称する)に一括して挿通してなるシールド導電路である。
単芯電線11は、1本の金属棒である単芯導体11Aの外周を絶縁被覆11Bで包囲してなるノンシールド電線である。単芯導体11Aは、銅あるいは銅合金、更にアルミあるいはアルミ合金によって形成され、比較的剛性が高く撓みにくいものとされている。2本の単芯電線11(単芯導体11A)の断面積は同等とされている。
シールドパイプ12は金属製(鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等)であって、2本の単芯電線11を一括して包囲可能な筒形状をなし、その断面は真円形状とされている(図4参照)。シールドパイプ12は、単芯電線11の配索経路に沿って3次元方向に屈曲された形状に曲げ加工される。なお、シールドパイプ12は、金属製のパイプ以外に導電性の樹脂管であってもよい。
2本の単芯電線11のうちシールドパイプ12内に配される部分(以下、パイプ挿入部13と称する)の断面は、図4に示すように、概ねシールドパイプ12の内部空間を平坦な面で2分割した半円形状をなしている。このパイプ挿入部13の断面形状は、単芯導体11Aの断面形状を半円形状に成形し、その外周を一定の厚さ寸法を有する絶縁被覆11Bによって包囲することで形成されている。
そして、2本の単芯電線11のパイプ挿入部13には、略均一な間隔をあけて対向し得るような形状の対向面14が形成されている。対向面14は、凹凸のない平坦な面とされ、隣り合う単芯電線11間において互いに略平行をなして対向配置されている。
また、各パイプ挿入部13には、シールドパイプ12の内周面に略均一な間隔をあけて対向し得るような形状の外周面15が形成されている。外周面15は、シールドパイプ12の内周面に沿う円弧形状をなし、内周面と略平行をなして配置されている。
2本の単芯電線11は、対向面14を向き合わせた姿勢でシールドパイプ12内に挿通されている。シールドパイプ12内に配された2本のパイプ挿入部13の断面は、全体として円形状をなしている。各単芯電線11(パイプ挿入部13)の外周面15とシールドパイプ12の内周面との間には、単芯電線11を挿通するのに必要な最小限の隙間のみ空けられている。
単芯電線11の端部は、図2に示すように、シールドパイプ12から外側に導出されている。なお、以下では、単芯電線11のうちシールドパイプ12から外側に出る部分をパイプ外出部16と称する。
各単芯電線11のパイプ外出部16の端部は、所定長さ範囲に亘って絶縁被覆11Bが剥がされ、単芯導体11Aが露出されている。単芯導体11Aの端部は、撚線電線18の撚線導体18Aが接続される接続部17とされている。
単芯電線11のパイプ外出部16の長さ寸法は、2本の単芯電線11において異なるものとされ、単芯電線11の接続部17は、シールドパイプ12外において互いにその長さ方向にずれて配されている。
単芯導体11Aの接続部17は、一方から圧潰されてパイプ挿入部13よりも薄くされた断面長方形状に形成されている。接続部17には、撚線導体18Aが固着される平らな固着面17Aが設けられている。固着面17Aは、図2に示すように、2本の単芯導体11Aにおいて、同じ方向を向く側に形成されている。すなわち2本の単芯導体11Aのうち一方は、接続部17とパイプ挿入部13とで平らな面(接続部17においては固着面17A、パイプ挿入部13においては対向面14)が同じ側に形成され、他方は、約180度異なる側(反対側)に形成されている。また、2本の単芯電線11において固着面17Aは、軸方向にずれて配されている。
撚線電線18は、複数本の素線を螺旋状に撚り合わせてなる撚線導体18Aの外周を絶縁被覆18Bで包囲してなるノンシールド電線である。各素線は銅あるいは銅合金、更にアルミあるいはアルミ合金によって形成されている。撚線電線18は、剛性が低く撓みやすいものとされている。
撚線電線18の両端部はそれぞれ所定長さ範囲に亘って絶縁被覆18Bが剥がされ、撚線導体18Aが露出されている。撚線電線18の両端部のうち一端側の端部は、単芯導体11Aの固着面17Aに半田付けや溶接等によって接合され、他端側の端部は、図示しない端子金具に接続されている。端子金具はそれぞれコネクタCに収容され、このコネクタCが機器M1またはM2のコネクタと嵌合することで機器M1またはM2側との電気的接続がとられている。
単芯電線11と撚線電線18との接続箇所は、熱収縮チューブTによって全周を覆われている。熱収縮チューブTは、単芯電線11の絶縁被覆11Bと撚線電線18の絶縁被覆18Bとの間に架け渡されるように被せ付けられている。これにより、単芯電線11と撚線電線18との接続部は、絶縁状態およびシール状態に保持される。
単芯電線11のパイプ外出部16と、撚線電線18のうちコネクタCから導出された部分とは、編組部材Hにより一括して包囲されている。編組部材Hは、導電性の金属細線(例えば、銅)をメッシュ状に編み込んで筒状に形成したものである。なお、編組部材Hのかわりに金属箔や金属箔にスリットを形成したもので包囲してもよい。
編組部材Hの一端側は、シールドパイプ12の外周面15に金属バンドKによってカシメ付けられて導通可能に固着され、また他端側はコネクタCに導通可能に固着されている。
次に、本参考例のシールド導電路10の製造作業の一例を説明する。
まず、2本の単芯電線11をシールドパイプ12に挿通する。所定の長さ寸法を有する2本の単芯電線11を、対向面14を合わせるようにして束ねてシールドパイプ12に挿入する。そして、単芯電線11の端部を、所定の長さ寸法ずつ導出させて固定する。この際、単芯電線11は、撚線電線18に比して撓み難いから、比較的容易に挿通作業を行うことができる。
次に、単芯電線11の端部に撚線電線18を接続する。この際、単芯電線11の固着面17Aが同一方向に向いているから、例えば2本の単芯電線の固着面が反対方向に向いている場合に比して接続作業を容易に行うことができる。また、固着面17Aは平らな面とされているから、固着面17Aに対して撚線導体18Aを安定してセットすることができる。
その後、シールドパイプ12を所定の形状に曲げ加工する。
以上によりシールド導電路10の製造作業が完了する。
次に、上記のように構成された参考例の作用および効果について説明する。
参考例のシールド導電路10は、1本の単芯導体11Aに絶縁被覆11Bを包囲してなる単芯電線11が、複数本一括してシールドパイプ12に挿通され、単芯導体11Aの端部は、複数の素線を撚り合わせてなる撚線導体18Aを絶縁被覆18Bで包囲してなる撚線電線18が接続される接続部17とされ、複数本の単芯電線11の接続部17は、シールドパイプ12外において互いにその長さ方向にずれて配されている。この構成によれば、接続部17が並んで配される場合に比して各接続部17に撚線電線18を接続する作業を行いやすく、また接続部17が並んで配されることでシールド導電路10の幅寸法が大きくなることを防ぐことができる。
また、接続部17に、撚線導体18Aが固着される平らな固着面17Aが形成されている。この構成によれば、平らな固着面17Aに撚線導体18Aをそれぞれ載置して接続作業を行うことができるから、シールドパイプ12に一括して挿通された複数本の単芯電線11に、撚線電線18を容易に接続することができる。
また、複数本の単芯電線11のうちシールドパイプ12内に配される部分に、略均一な間隔をあけて対向し得るような形状の対向面14が形成されることで単芯電線11の単体での回転が制限されており、固着面17Aが複数の単芯電線11において同じ側に形成されている。この構成によれば、シールドパイプ12内において単芯電線11間に形成される隙間を小さくしてシールドパイプ12の径寸法を小さくすることができ、かつ、単芯電線11に、撚線電線18を容易に接続することができる。
また、単芯電線11のパイプ挿入部13には、シールドパイプ12の内周面に、略均一な間隔をあけて対向し得るような形状の外周面15が形成されている。この構成によれば、シールドパイプ12内に挿通された単芯電線11とシールドパイプ12との間の隙間が小さくなるから、シールドパイプ12をより細径化することができる。
<実施例1>
上記参考例では、単芯電線11のパイプ挿入部13の断面がそれぞれ半円形状をなし、断面が真円形状をなすシールドパイプ12に挿通されているが、本実施例1の導電路は、図5に示すように、単芯電線11のパイプ挿入部20の断面を長方形状とし、断面が正方形に近い方形状をなすシールドパイプ21に挿通するものである。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、シールドパイプ12に挿通される単芯電線11は2本とされているが、これに限らず、単芯電線11の本数は3本以上であってもよく、そのような場合には、各単芯電線のパイプ挿入部の断面形状を、シールドパイプの内部空間を単芯電線の本数分で適宜分割した形状としてよい。
)上記実施例では、2本の単芯電線11のパイプ挿入部13の断面が略同形とされているが、これに限らず、パイプ挿入部が異なる断面形状をなすものとしてもよい。
)上記実施例では、パイプ挿入部13の対向面14は平坦な面とされているが、これに限らず、対向面は隣り合う単芯電線において略均一な間隔をあけて対向し得るような形状であればよく、例えば同方向に緩く湾曲した面としてもよい。
)上記実施例では、接続部17がパイプ挿入部13よりも薄くされた断面長方形状とされているが、これに限らず、接続部の断面形状は任意の形状としてよく、例えば接続部の断面形状はパイプ挿入部の断面形状と略同形としてもよい。
)上記実施例では、シールド機能を有するシールドパイプに単芯電線を挿通する場合について述べたが、本発明はシールド機能を有さず保護機能のみを有するパイプ(例えば樹脂パイプ等)に挿通される単芯電線にも適用することができる。
<他の参考例>
(1)上記参考例では、シールドパイプ12に挿通される単芯電線11は2本とされているが、これに限らず、単芯電線11の本数は3本以上であってもよく、
例えば、単芯電線が3本である場合には、図6に示すように、単芯電線11のパイプ挿入部30の断面を、シールドパイプ12の中心から放射状をなすような平坦な面で3分割した扇形状としてもよい。
(2)上記参考例では、シールドパイプ12の断面形状は真円形状とされているが、これに限らず、シールドパイプの外形形状はどのような形状であってもよく、例えば楕円形状等であってもよい。また、そのようにシールドパイプが横長断面を有している場合には、その断面の長手方向に単芯電線のパイプ挿入部を並べるようにしてもよい。
H…編組部材(一括シールド部材)
10…導電路
11…単芯電線
11A…単芯導体
11B…絶縁被覆
12,21…シールドパイプ(パイプ)
13,20,30…パイプ挿入部(パイプ内に配される部分)
14…対向面
17…接続部
17A…固着面
18A…撚線導体

Claims (2)

  1. 1本の単芯導体に絶縁被覆を包囲してなる単芯電線が、複数本一括して断面が方形状をなすパイプに挿通され、
    前記単芯導体の端部は、複数の素線を撚り合わせてなる撚線導体を絶縁被覆で包囲してなる撚線電線が接続される接続部とされ、
    複数本の前記単芯電線の接続部は、前記パイプ外において互いに長さ方向にずれて配され
    前記接続部に、前記撚線導体が固着される平らな固着面が形成されており、
    前記複数本の単芯電線のうち前記パイプ内に配される部分に、前記単芯電線間で略均一な間隔をあけて対向し得るような形状の対向面が形成され、また前記パイプ内に配される部分の外周面が前記パイプの内周面に沿う形状をなすことで前記単芯電線の回転が制限されており、前記固着面が複数の前記単芯電線において同じ側に形成されている導電路。
  2. 前記パイプはシールド機能を有するシールドパイプであり、前記単芯導体と前記撚線導体との接続部分が一括シールド部材で覆われている請求項1に記載の導電路。
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