[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP6258590B2 - 椅子用クッション - Google Patents

椅子用クッション Download PDF

Info

Publication number
JP6258590B2
JP6258590B2 JP2013056595A JP2013056595A JP6258590B2 JP 6258590 B2 JP6258590 B2 JP 6258590B2 JP 2013056595 A JP2013056595 A JP 2013056595A JP 2013056595 A JP2013056595 A JP 2013056595A JP 6258590 B2 JP6258590 B2 JP 6258590B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
supply
air cell
pressure
pressure receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013056595A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014180415A (ja
Inventor
清 帰山
清 帰山
重治 佐山
重治 佐山
剛 舞田
剛 舞田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Ltd
Original Assignee
Maxell Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maxell Holdings Ltd filed Critical Maxell Holdings Ltd
Priority to JP2013056595A priority Critical patent/JP6258590B2/ja
Publication of JP2014180415A publication Critical patent/JP2014180415A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6258590B2 publication Critical patent/JP6258590B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)

Description

本発明は、椅子の座面に敷いて使用者の座った状態における体圧の集中を緩和する椅子用クッションに関する。
褥瘡(床ずれ)は、長期にわたり寝た姿勢をとらざるを得ない、いわゆる寝たきりの人におけるマットレス等との接触部位に生じやすいが、この他、下肢の不自由な人など、椅子側との接触部位が動かない状態で座位を長時間とらざるを得ない人においても、体重が集中して加わり、長時間にわたり圧迫を受け続ける坐骨結節部や仙骨下部の下側皮膚部で褥瘡が生じやすい。寝たきりの人における褥瘡に対しては、寝た姿勢の体を支えるマット部分に空気の給排で膨縮可能な空気袋(エアセル)を配置し、その内部圧力を変化させて寝た姿勢の人の支持状態を調整できるエアマットが、対策として用いられているが、椅子の場合も同様に、エアセルを配置したクッションが近年用いられるようになっている。そうした従来のクッションの一例として、特開2009−112462号公報に開示されるものがある。
特開2009−112462号公報
従来の椅子用クッションは前記特許文献に示される構成となっており、褥瘡防止を目的としたものであるが、体を支える主要手段がエアセルに限られるため、複数のエアセルの頂部で体を支える状態となり、接触部位が少なくなる分、体圧が集中して加わり、違和感を生じやすいことに加え、エアセルに所定の強度がないとエアセルが倒れやすく体を適切に支えられない一方で、強度が高すぎると変形しにくい分、使用者はエアセルを硬く感じて強い違和感を生じてしまうという課題を有していた。
また、主に脚の大腿部を支える部位となる前端側において、エアセルの空気給排制御を行う制御装置や二次電池等の装置がクッションの横方向全体にわたって配置されていたことから、これらの上側に十分な緩衝材を設けないと、大腿部を載せた際に違和感を生じやすいという課題を有していた。ただし、違和感が生じないように緩衝材を設けようとすると、クッション全体の高さが高くなりすぎ、車椅子等への設置使用が難しくなるという問題も生じる。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、使用者に違和感を与えることなく、着座した使用者を適切な姿勢に保持して圧力を分散し、褥瘡の発生を抑制できる椅子用クッションを提供することを目的とする。
本発明に係る椅子用クッションは、空気の給排により膨縮可能とされるエアセルを多数並べて配設した受圧部を少なくとも備え、椅子の座面上に載置して用いられる椅子用クッションにおいて、弾性材で椅子座面に対応する大きさとして形成され、前記受圧部を下から支持するベース部と、前記ベース部上側における受圧部前方部分の中央に配設され、前記受圧部の各エアセルに対する空気の給排状態を調整制御する給排制御部と、前記ベース部上側における受圧部前方部分で中央の給排制御部を覆うと共に、該給排制御部のある中央部を外れた左右の領域ではベース部の上側に重ねて配設されて大腿部を支持する弾性材製の前側支持部と、前記受圧部の前方を除く側方に受圧部と隣接させて配設される弾性材製の側枠部と、前記受圧部、ベース部、給排制御部、前側支持部、及び側枠部を一体に組み合わせたものを外側からまとめて被覆する可撓性材製のカバーとを備え、前記受圧部の各エアセルが、椅子座面の中央及び中央から後方部分に対応する領域に位置するようにしてベース部上に載置されると共に、空気の給排系統を複数のエアセル群ごとに分けられ、前記給排制御部が、エアセル群ごとに空気の給排タイミングを異ならせてエアセル内部の圧力を調整するものである。また、前記給排制御部は、電源として少なくともバッテリーを有し、当該バッテリーからの電力供給に基づくエアセルへの空気給排状態で、バッテリーが残容量不足となる直前に、あらかじめ設定された下限圧力より内部圧力の高いエアセル群のエアセルについて、エアセルに対する給排状態を変化させて、エアセルの内部圧力を前記下限圧力まで低下させ、受圧部のいずれのエアセルも下限圧力とする制御を実行するものである。
このように本発明によれば、空気の給排で膨縮するエアセルを多数並べた受圧部と共に、この受圧部を支持するベース部を配設し、またこのベース部上における受圧部の前方部分中央には給排制御部を配置し、さらにこの給排制御部を覆いつつベース部の受圧部前方部分上側に配設される弾性材製の前側支持部を有して、空気の給排による内部圧力の変化を伴う各エアセルで座った使用者の臀部を分担して支える一方、使用者の大腿部は前側支持部で支えることとなる。これにより、受圧部として並んだ多数のエアセルが、各エアセルごとにその上側に載った使用者の臀部に押されて変形しながら全体として使用者の臀部をバランスよく支持し、適切な着座姿勢を確保すると共に、前側支持部では給排制御部のある中央部を外れた左右の二箇所が弾性変形しつつ左右の大腿部をそれぞれ支持して、使用者に給排制御部に起因する違和感を生じさせることもなく、クッション全体として体圧を分散し、過剰な圧迫を無くして皮膚の血行が妨げられることを防止して、着座が長時間継続しても、褥瘡を生じさせず、使用者の生活の質を大きく向上させられる。また、バッテリーから電力供給を受けて給排制御部がエアセルに対する空気給排制御を実行している際に、給排制御部がバッテリーの残容量不足を事前に予測した場合、バッテリーが残容量不足となる直前に、給排制御部が所定の下限圧力まで、より高い内部圧力のエアセル群におけるエアセルの内部圧力を低下させる制御を行い、各エアセルを一様な下限圧力とした後で、バッテリーから電力供給を受けられない制御不能状態を迎えるようにすることにより、必要最小限のエアセル内部圧力を確保していわゆる底付きを防止しつつ、エアセル全体で体圧の分散状態を維持し、体に対する圧力の局所的な集中による褥瘡への移行を抑えると共に、エアセル内部圧力を低い状態で維持することで、圧力に基づいて給排制御部の機構に加わる負荷を小さくすることができ、機構の耐久性を確保できる。
また、本発明に係る椅子用クッションは必要に応じて、前記ベース部及び/又は各エアセルが、受圧部全体で各エアセルの上面を凹の曲面状に配置する所定形状として形成されるものである。
このように本発明によれば、臀部を支える各エアセルの上面が全体で凹の曲面状の配置状態とされて、表面に凸の曲面を有する臀部形状に各エアセルが対応して、各エアセルで臀部各部位を等しく支持可能となることにより、臀部を効率よく支持して座位を確実に保持できると共に、体圧を適切に分散させられ、快適な座り心地が得られる。
また、本発明に係る椅子用クッションは必要に応じて、前記ベース部が、少なくとも受圧部を支持する部分で凹の曲面として形成され、前記エアセルが、上面と下面とを有し、上面と下面が略平行となる略箱状の中空体として成形させており、前記各エアセルは同一形状で且つ同じ大きさとされるものである。
このように本発明によれば、ベース部が受圧部の下側部分を凹の曲面として形成されると共に、受圧部の各エアセルがいずれも上面と下面を略平行とする同じ形状のものとされ、ベース部の曲面形状が各エアセルを通じてそのままエアセルの上面配置に反映されて、各エアセルの上面が全体で凹の曲面をなすことにより、ベース部形状に準じた受圧部上側の曲面が、臀部形状に対応する座面としてより違和感の少ない自然な感触を生じさせられると共に、臀部各部位を等しく支持する各エアセルの変形及びそれに伴う内部圧力変化の度合いを略同じ状態とすることができ、各エアセルで荷重を均等に分散して、圧力の偏りのない適切で安定した支持状態が得られる。加えて、圧力の偏りに起因する一部のエアセルの異常変形を招くようなこともなく、エアセルの耐久性を高められる。
また、本発明に係る椅子用クッションは必要に応じて、前記カバーの内側で、前記受圧部と前側支持部の上側に重ねて配設される、弾性材製の略シート状の上側マット部を備えるものである。
このように本発明によれば、受圧部の各エアセルと前側支持部を一様に覆う上側マット部を配設し、エアセル間の隙間及びエアセルと前側支持部間の隙間の上側でも、上側マット部で着座した使用者の体下面を支持する状態が得られることにより、体の支持面積を増やして体圧をより確実に分散させ、体表面の圧迫を小さく抑えられると共に、クッション上に使用者が座った状態での、受圧部におけるエアセルの存在する部分と存在しない部分との感触の差や、受圧部と前側支持部との感触の差を小さくして、エアセルの有無や、受圧部と前側支持部との違いに基づいて生じる違和感を解消し、快適な座り心地を得られる。また、椅子座面と体との間にベース部と共に上側マット部が介在することで、エアセルの空気が誤って抜けた場合でも、落ち込んだ体が椅子座面に接近して座面の硬質な感触が体に伝わるようになる、いわゆる底付きの状態に至る危険性を小さくできる。
また、本発明に係る椅子用クッションは必要に応じて、前記側枠部が、受圧部後方部分中央の所定範囲に、上側から切欠いた形状の凹部を設けられるものである。
このように本発明によれば、側枠部における受圧部後方部分中央に切欠き状の凹部を設けて、凹部とした分、着座した使用者の体との接触が生じにくいことにより、使用者がその臀部を受圧部上に位置させる通常の着座姿勢から後方にずれて着座し、臀部後方の仙骨部下側の体表面が側枠部上側まで達するような場合でも、仙骨部下側の体表面と側枠部が当たって体を強く圧迫する状態に至るのを未然に防ぐことができる。
また、本発明に係る椅子用クッションは必要に応じて、前記給排制御部の前側で前記カバーに設けられた開口部分を通じて一部を外部に露出させる状態で配設され、給排制御部に対する使用者の操作入力を受ける操作部を備え、前記カバーが、前記操作部を一部露出させつつ、当該露出部分周囲に密着する略環状の耐水性弾性材からなる防水シール部を有すると共に、カバー主材質部裏側に対する前記防水シール部と同じ材質のコーティングにより、全体を防水構造とされ、前記カバーの開口部分周囲に位置するカバー主材質部裏側コーティング部分と、防水シール部とが溶着又は接着で一体化されるものである。
このように本発明によれば、給排制御部の前側に一部カバーから露出する操作部を配設される一方、操作部の露出部分周囲にはカバーの防水シール部が密着することにより、操作部とカバーとの間に隙間が生じず、操作部の露出部分周囲からカバー内側への水分の浸入を抑えられる。また、カバーの主材質部裏側の防水コーティング部分と防水シール部が同じ材質で形成され、このうち操作部露出部分周囲の裏側コーティング部分と防水シール部とが溶着一体化されることにより、カバー本体をなす主材質部と防水シール部とが一般的な縫い合わせにより一体化される場合のように、水分を通す縫い目のような貫通孔が存在することもなく、カバーの防水シール部周辺部分に水の浸入を許す孔や隙間を一切生じさせず、カバーの防水性を細部にわたり確保できる。なお、この裏側コーティング部分と防水シール部との一体化は、接着によるものであってもよい。
本発明の一実施形態に係る椅子用クッションの車椅子座面載置状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る椅子用クッションの要部分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る椅子用クッションにおけるベース部上への受圧部及び給排制御部の配置状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る椅子用クッションの横方向中央位置における給排制御部を除く各部の断面図である。 本発明の一実施形態に係る椅子用クッションの前側支持部前後方向中央位置における給排制御部を除く各部の断面図である。 本発明の一実施形態に係る椅子用クッションの前後方向中央位置における断面図である。 本発明の一実施形態に係る椅子用クッションにおけるエアセルの給排系統説明図である。 本発明の一実施形態に係る椅子用クッションにおける給排制御部のブロック図である。 本発明の一実施形態に係る椅子用クッションにおける給排制御部の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る椅子用クッションにおける給排制御を受けるエアセルの内部圧力変化状態説明図である。 本発明の他の実施形態に係る椅子用クッションの斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る椅子用クッションを前記図1ないし図10に基づいて説明する。本実施形態においては、車椅子の座面上に載置して用いられるものの例について説明する。
前記各図において本実施形態に係る椅子用クッション1は、空気の給排により膨縮可能とされるエアセル11、12を多数並べて配設した受圧部10と、弾性材で椅子座面に対応する大きさとして形成され、受圧部10を下から支持するベース部13と、ベース部13上側における受圧部10前方部分の中央に配設され、受圧部10の各エアセルに対する空気の給排状態を調整制御する給排制御部14と、ベース部13上側における受圧部10前方部分で横方向中央の給排制御部14を覆うと共に、横方向中央以外ではベース部13の上側に重ねて配設される弾性材製の前側支持部15と、受圧部10の前方を除く側方に受圧部10と隣接させて配設される弾性材製の側枠部13aと、受圧部10と前側支持部15の上側に重ねて配設される弾性材製の上側マット部16と、受圧部10、ベース部13、給排制御部14、前側支持部15、側枠部13a、及び上側マット部16を一体に組み合わせたものを外側からまとめて被覆する可撓性材製のカバー17と、給排制御部14の前側でカバー17を貫通して一部を外部に露出させる状態で配設され、給排制御部14に対する使用者の操作入力を受ける操作部18とを備える構成である。
この本実施形態に係る椅子用クッション1は、全体として、車椅子80の座面とほぼ同じ大きさとされ、車椅子80の座面上に着脱可能に載置されて、座る姿勢をとった使用者の臀部と大腿部を無理なく載せられるものである。
前記受圧部10をなすエアセル11、12は、空気注入排出に伴う膨縮変形に耐えうる可撓性素材製の略箱状の中空体として成形され、平面視で略方形となり、且つ座面の前後左右方向と平行な縦横各方向にそれぞれ所定の等間隔で複数並列した、いわゆるマトリクス状に配置されて、車椅子80座面の中央及び中央から後方部分に対応する領域に位置するようにしてベース部13上に載置配設される構成である。
各エアセル11、12は、詳細には、上下一対の凸状殻部を組合せた略箱状体とされ、いずれも下面から上面までの高さ寸法を同一として形成されるものである。上下の凸状殻部の形状は、それぞれ截頭四角錐型、すなわち正面視や側面視状態で略台形となるように形成されており、上下の凸状殻部を組合せた状態で上面と下面が略平行となっている。各エアセル11、12の形状は、受圧部10としての配置状態で隅部に位置する一部を除いて同一であり、大きさも同じである。各エアセル11、12が、上面と下面が略平行となる同様の略箱状体とされることで、後述するベース部13の曲面形状に基づいて、受圧部10全体で各エアセル11、12の上面が凹の曲面状に配置されることとなる。
これら各エアセル11、12は、空気の給排系統を第1エアセル群10aと第2エアセル群10bの二つに分けられており、且つ第1エアセル群10aに属するエアセル11と、第2エアセル群10bに属するエアセル12とを縦横各方向で隣合うように交互配置している(図7参照)。すなわち、エアセルは縦横に隣合うセル同士が互いに別のセル群に属するように設定される。
第1エアセル群10aに属する各エアセル11は、それぞれエアセルと一体に成形された空気通路となる連結管部11aを介して、エアセル同士で連通状態とされると共に、第1給排管10cと接続される。同様に、第2エアセル群10bに属する各エアセル12は、それぞれエアセルと一体に成形された連結管部12aを介して、エアセル同士で連通状態とされると共に、第2給排管10dと接続される。
第1給排管10cと第2給排管10dは、エアセル全体を二つの給排系統にまとめた上で、給排制御部14に接続されている。こうしてエアセル11、12は、第1エアセル群10aと第2エアセル群10bごとに独立して空気を給排気される。これら第1エアセル群10aの各エアセル11と第2エアセル群10bの各エアセル12に対して、空気の給排がエアセル群ごとにタイミングをずらして切り替えられ、同時に内部圧力を調整される一群のエアセルはちょうど千鳥状配置をなす。そして、各エアセル11、12は給排制御部14による空気の給排で内部圧力を大気圧より高い所定圧力に調整、維持されつつ、クッション上に接する使用者の臀部等、体の所定部位をそれぞれ支持する仕組みである。
本実施形態では、エアセル11、12を縦4個×横5個の計20個並べて一体に成形した略矩形のシートで受圧部10を構成して、各エアセルを受圧部10として一体的に取り扱えるようにしている。
なお、受圧部10を構成するエアセル11、12の数は前記20個に限られるものではなく、使用態様に応じて適宜設定できる。また、受圧部10は縦横のエアセル数が異なる略矩形状に限らず、縦横のエアセル数を同じにした略方形状や他の形状としてもかまわない。さらに、各エアセルの配置も、マトリクス状配置以外の、平面視で方形以外の正多角形形状としたエアセルをその形状に応じた配置で高密度に並べるようにしたり、エアセル形状を同一にせず、異なる多角形が混在しつつ隙間無く並べられた配置パターンや、円形や多角形が混在する配置パターン等を用いる構成とすることもできる。
前記ベース部13は、使用者の体の重み等による圧力が加わっても破損しない丈夫なウレタンフォーム等の合成樹脂弾性材からなり、受圧部10をなすエアセル11、12や給排制御部14、前側支持部15の下側を支え、且つ車椅子80の座面にほぼずれなく載せられる大きさの略矩形状の厚い略板状体として形成される構成である。
そして、このベース部13における中央部及び中央部から後方部分にかけての領域が、中心部分に近付くほど下がった凹の曲面として形成される。この凹の曲面とされる領域は、車椅子80に座る使用者の臀部の下側に位置し、受圧部10をなすエアセル11、12下側に隣接してこれらを支持する部位である。この曲面の形状と、上面と下面が略平行で且つ同じ高さに形成されたエアセル11、12の構造とにより、ベース部13に支持されたエアセル11、12の上面は、受圧部10全体で凹の曲面をなし、エアセル11、12による臀部の支持がこうした凹の曲面をもってなされることとなる。
このように、ベース部13の曲面形状が各エアセル11、12の上面配置に反映されて、ベース部13の曲面各部の傾斜に応じて傾いた各エアセル11、12の上面が全体で凹の曲面をなすことで、表面に凸の曲面を有する臀部形状に対応して、各エアセル11、12で臀部各部位を等しく支持可能となり、臀部を効率よく支持して座位を確実に保持できると共に、体圧を適切に分散させられ、また臀部形状に対応して違和感を少なくし、快適な座り心地が得られる。
さらに、このベース部13の曲面形状に沿って配置されるエアセル11、12もほとんどが同じ形状とされることで、臀部各部位を等しく支持する各エアセル11、12の変形及びそれに伴う内部圧力変化の度合いを略同じ状態とすることができ、各エアセル11、12で荷重を均等に分散して、圧力の偏りのない適切で安定した支持状態が得られる。これにより、圧力の偏りに起因する一部のエアセルの異常変形を招くようなこともなく、エアセルの耐久性を高められる。
このベース部13における、エアセル11、12を支える曲面部分の前方となる領域には、給排制御部14が配設されると共に、前側支持部15が載置される。特に、ベース部13の給排制御部14配置位置下側となる部位には、給排制御部14を取付固定するための略板状の基台部13dが、インサート成形により当初から一体に埋め込まれて固定される構成である。
こうしてベース部13に基台部13dが一体に配設され、給排制御部14が基台部13dに取り付けられてベース部13に固定されることで、確実に給排制御部14をベース部13と一体化でき、ベース部13や給排制御部14に外部から力が加わったとしても、給排制御部14がベース部13上からずれることはない。
なお、ベース部13のうち受圧部10を載せる部位は、給排制御部14及び前側支持部15を載せる部分に対し面積をより大きくされており、受圧部10はベース部13全体の中心を基準とすると前後対称ではなく後側に偏倚して配設された状態にある。これは、座位における体の上半身部分を適切に支持する必要のある範囲は主に臀部であり、よってベース部13の中心よりやや後方のみに受圧部10を設定しても問題なく、効率的な支持が行える。
また、ベース部13の前側を除く周縁部には、側枠部13aがベース部13と同じ材質で一体成形により配設される構成である。この側枠部13aは、ベース部13周縁部から起立状態とされて、前側支持部15を左右の側方から挟み込むと共に、受圧部10をなすエアセル11、12をこれらの前方を除く周囲の各側方から取り囲むように配置される。そして、側枠部13aにおける受圧部10後方となる部分の中央所定範囲には、上側から切欠いた形状の凹部13bが設けられる。
この凹部13bにより、弾性材ながらエアセルよりは変形しにくい側枠部13aが、着座した使用者の体を上側マット部16及びカバー17を介して圧迫するような事態を避けられる。より具体的には、使用者がその臀部を受圧部10上方に位置させる通常の着座姿勢から後方にずれて着座し、臀部後方で突出する仙骨部下側の体表面が受圧部10後方側の側枠部13a上側まで達するような場合でも、仙骨部下側の体表面を側枠部13aが強く圧迫する状態に至るのを未然に防ぐことができ、こうした圧迫に伴う褥瘡の発生を避けられる。
ベース部13は、これと一体の側枠部13aを含め、受圧部10の各エアセルや、上側マット部16などの他部分に比べ密度が大きく変形しにくい若干硬質の弾性材からなる構成である。例えば、ベース部13や上側マット部16等をウレタンフォームとする場合、ベース部13及び側枠部13aは同じウレタンフォームでも、上側マット部16に対し密度を異ならせて変形しにくい性質とするのが好ましい。ベース部13及び側枠部13aが形状をほぼ維持する硬質弾性材とされることで、使用箇所が例えば折りたたみ式の車椅子における、いわゆるスリングシートのような安定しにくい座面でも、クッション全体の形状を適切に維持できる。
また、受圧部10及び前側支持部15に対し、側枠部13aがそれぞれ左右に存在していることにより、側枠部を、その横方向寸法を適宜調整して形成、配設すれば、受圧部10及び前側支持部15の構成を変えることなく、車椅子の種類ごとの座面サイズの違いに対応できる。
なお、側枠部はベース部と一体成形される構成に限られるものではなく、ベース部とは別体の独立した部材として形成し、ベース部上に載置配設して用いるようにしてもよい。
前記給排制御部14は、所定圧力で空気を送給するポンプ部40と、エアセル11、12とポンプ部40又は外部空間との連通・非連通を切替える給排気弁部41と、ポンプ部40の駆動及び給排気弁部41の開閉動作の制御を実行して各エアセルに対する空気の給排を調節する制御回路部42と、ポンプ部40等へ給電する電源としてのバッテリー43とを備える構成である。給排制御部14は、操作部18を通じての使用者の操作入力に基づいて作動を開始又は停止し、作動状態では、受圧部10の各エアセルに対する空気の給排状態を調整制御する、詳細には、第1エアセル群10aの各エアセル11と第2エアセル群10bの各エアセル12に対し、エアセル群ごとにタイミングを異ならせつつ空気の給排を所定のタイミングで切り替える制御を行い、エアセル内部の圧力を調整するものである。
給排制御部14は、一まとまりのユニットとして一つの筐体にポンプ部40、給排気弁部41、制御回路部42、及びバッテリー43を内蔵する構造とされ、このうち、ポンプ部40とバッテリー43は、給排制御部14の筐体上蓋14a、14bを外して着脱、交換可能とされる仕組みである。この給排制御部14は、ベース部13の基台部13dにねじ止めで固定されており、給排制御部14とベース部13の確実な一体化を図りつつ、必要な場合は、給排制御部14を基台部13dから取り外すことで給排制御部14のベース部13への固定を解消することもでき、給排制御部14をベース部13上からいったん取り除いて別のものと交換可能となるなど、給排制御部14の保守等での取扱いを容易化できる。
また、給排制御部14でポンプ部40とバッテリー43を上蓋14a、14bを外して着脱、交換可能としたことで、メンテナンス性に優れ、メンテナンスによる使用停止時間を必要最小限にすることができる。
この給排制御部14は、ベース部13の前寄りで且つ横方向の中心に位置することから、ちょうど着座姿勢の使用者における臀部や大腿部の直下からは外れた状態となり、こうした硬質の機構部が体表面の近くからできるだけ離して配置されることで、クッションに座った人の臀部や大腿部に対し下側から違和感を与えることはない。
前記ポンプ部40は、制御回路部42による制御を受けて作動し、所定圧力で各エアセル11、12に向けて空気を送給するものである。このポンプ部40は、給排制御部14に内蔵可能な極めて小型である点を含めて公知の構成を有しており、詳細な説明を省略する。
前記給排気弁部41は、エアセル11とポンプ部40との連通・非連通を切替える第1給気弁51と、エアセル12とポンプ部40との連通・非連通を切替える第2給気弁52と、エアセル11と外部空間との連通・非連通を切替える第1排気弁53と、エアセル12と外部空間との連通・非連通を切替える第2排気弁54と、各エアセルに至る空気流路の圧力を検出する圧力センサ57、58とを備える構成である。
前記第1給気弁51は、第1エアセル群10aに属するエアセル11に接続する第1給排管10cとポンプ部40との間に配設され、ポンプ部40とエアセル11とを連通させる給気(開放)状態と連通させない非給気(閉止)状態とを切替えるものである。また、第2給気弁52は、第2エアセル群10bに属するエアセル12に接続する第2給排管10dとポンプ部40との間に配設され、ポンプ部40とエアセル12とを連通させる給気状態と連通させない非給気状態とを切替えるものである。
前記第1排気弁53は、第1給排管10cと接続され、この第1給排管10cを介して外部空間とエアセル11とを連通させる排気状態と連通させない非排気状態とを切替えるものである。また、第2排気弁54は、第2給排管10dと接続され、第2給排管10dを介して外部空間とエアセル12とを連通させる排気状態と連通させない非排気状態とを切替えるものである。
これら排気弁が排気状態となると、エアセル内部は大気開放され、エアセルの内部圧力は低下する。なお、前記各弁の非給気状態や非排気状態は、その状態で弁への電力供給等による作動制御が行えない状況となっても、これらの状態をそのまま継続して維持でき、エアセルからの空気流出を抑えてエアセルの内部圧力を保持可能である。
各エアセル11、12に対し、対応する給気弁を給気状態とし、ポンプ部40とエアセルを連通させる一方、排気弁を非排気状態とすることで、エアセルに給気することができる。また、排気弁を排気状態とし、エアセルと外部空間とを排気弁を介して連通させる一方、吸気弁を非給気状態とすることでエアセルから排気することができる。各給排管における給気弁や排気弁よりエアセル寄りの中間位置には、それぞれ圧力センサ57、58が配設され、その各検出値から制御回路部42で各エアセル11、12の内部圧力を取得できる仕組みである。
エアセル11、12に対しては、第1エアセル群10aとポンプ部40とを第1給気弁51を介して連通させ、エアセル11に給気する一方で、第2エアセル群10bと外部空間とを第2排気弁54を介して連通させ、エアセル12から排気する状態と、第1エアセル群10aと外部空間とを第1排気弁53を介して連通させ、エアセル11から排気する一方で、第2エアセル群10bとポンプ部40とを第2給気弁52を介して連通させ、エアセル12に給気する状態とを、タイミングをずらして実行することにより、第1エアセル群10aのエアセル11のみ内部圧力が大となる状態と、第2エアセル群10bのエアセル12のみ内部圧力が大となる状態をそれぞれ得ることができる。
なお、各給気弁や排気弁としては、主に電磁弁を使用するが、これに限られるものではなく、空気圧制御に用いられるもので確実に給排管の開放、閉止が行えるものであれば適宜選択使用できる。
前記制御回路部42は、ポンプ部40や給排気弁部41の各給気弁や排気弁、及び圧力センサ57、58と電気的に接続され、圧力センサ57、58からの圧力検出信号に基づいて、ポンプ部40の駆動・駆動停止、及び各給気弁や排気弁の開閉動作の制御を実行し、各エアセルに対する空気の給排を調節するものである。この制御回路部42には、電源としてのバッテリー43が接続され、必要に応じて外部のACアダプタ(図示を省略)等を介して商用電源と接続されて充電されるバッテリー43から電力供給を受け、ポンプ部40等を作動させることとなる。
この制御回路部42は、操作部18を通じて作動開始を指示されると、通常は、エアセル11、12に対して、空気の給排制御を時間をずらした別のタイミングで実行する。すなわち、制御回路部42は、ポンプ部40や給排気弁部41の作動制御により、第1エアセル群10aの各エアセル11の内部圧力を所定圧力まで高めて維持する一方、第2エアセル群10bの各エアセル12の内部圧力は所定の下限圧力(例えば、5.5kPa)となるようにして、主に第1エアセル群10aの各エアセル11が着座した使用者の臀部を支持する状態と、第2エアセル群10bの各エアセル12の内部圧力を所定圧力まで高めて維持する一方、第1エアセル群10aの各エアセル11の内部圧力は所定の下限圧力(例えば、5.5kPa)となるようにして、主に第2エアセル群10bの各エアセル12が着座した使用者の臀部を支持する状態とを、所定のタイミングで順次生じさせ、こうしたエアセルの圧力変化を繰り返させることにより、エアセルで支持される使用者の体に加わる圧力が一定の部位に集中且つ固定することはなく、血行を維持させて褥瘡を防止可能である。
また、第1エアセル群10aの各エアセル11と第2エアセル群10bの各エアセル12は、前後左右で隣接するように配設され、使用者の体を主に支持する部位が入れ替わる際も、近接するエアセル群同士での入れ替わりとなることから、使用者に支持状態の変化を意識させずに済み、快適感を損なわない。
なお、各エアセル11、12の内部圧力が所定の下限圧力に調整される場合でも、大気圧より高い状態は依然維持されており、全ての空気が排気されることはなく、エアセル11、12内に空気が適度に残り、エアセルで支持する使用者に対し底付きを生じさせない状態は確保される。
ただし、制御回路部42は、最初の使用時など、いずれのエアセルも下限圧力に達していない場合には、エアセル11、12に対し同様に空気の給排制御を実行し、全エアセル11、12同時の空気の給排でエアセル11、12の内部圧力を調整して少なくとも下限圧力とすると共に、この下限圧力を維持して、エアセルでの使用者の支持が安全に行えるようにする仕組みである。
給排制御部14は、その制御回路部42により、内蔵するバッテリー43の電力供給に係る残容量を取得しており、操作部18を通じてACアダプタ(図示を省略)が接続された場合、バッテリー43が満充電状態となるまで充電を行う等の公知の充電制御も可能となっている。
この他、給排制御部14は、内蔵するバッテリー43からの電力供給に基づくエアセル11、12への空気給排状態で、バッテリー43の残容量を制御用の情報として取得している。そして、このようなエアセル11、12への空気給排状態で、給排制御部14が、取得した情報に基づいて、その時点からわずかな時間が経過すると、バッテリー43が残容量不足で電力供給が行えない状況に陥ることを事前に予測した場合、給排制御部14は、バッテリー43が残容量不足となる直前の時点に、エアセル11、12に対する給排状態を変化させて、あらかじめ設定された下限圧力より内部圧力の高いエアセル群のエアセルについて、エアセルの内部圧力を下限圧力まで低下させ、受圧部10のいずれのエアセルも下限圧力となったら、この圧力を維持しつつ作動を停止する制御を実行する仕組みである。
こうして、バッテリー43の残容量不足が予測される場合、給排制御部14は、バッテリー43が残容量不足となる前に、所定の下限圧力より高い内部圧力のエアセルの内部圧力を低下させる制御を行い、各エアセルを一様な下限圧力に保持可能とした後で、バッテリー43から電力供給を受けられない制御不能状態に至ることとなる。これにより、エアセルへの給気や排気がバッテリーからの電力供給途絶により途中で停止した場合に生じる、エアセルからの意図しない空気流出を回避し、必要最小限のエアセル内部圧力を確保して、いわゆる底付きを防止しつつ、エアセル全体で体圧の分散状態を維持し、体に対する圧力の局所的な集中による褥瘡の発生を抑えられる。加えて、エアセル内部圧力を低い状態で維持することで、この圧力に基づいて給排制御部14の各機構に加わる負荷を小さくすることができ、機構の耐久性を確保できる。
さらに、給排制御部14には、ポンプ部40の連続作動状態が所定時間以上継続した場合に、制御回路部42からポンプ部40への電力供給を強制的に断ってポンプ部40を停止状態とする緊急停止回路45が挿入配設される。
この緊急停止回路45は、タイマー回路を応用した簡略で信頼性の高いスイッチを有しており、制御回路部42の状態に関わりなく、ポンプ部40の作動開始から所定の時間経過でスイッチOFF状態に移行して、ポンプ部40への電力供給を断ち、ポンプ部40を停止させる仕組みである。
ポンプ部40を制御する制御回路部42が何らかの不具合でポンプ部40の作動を停止させられず、また給排気弁部41による非給気状態への移行もできずに、ポンプ部40がエアセルに空気を供給し続ける異常事態に陥った場合、本来停止すべきポンプ部40が作動し続けることで、空気の供給を受け続けるエアセルが適切な膨縮範囲を超えて膨張して破損に至ったり、連続作動するポンプ部機構の過熱等の異常を招いたりするおそれがある。
こうした異常事態に際し、緊急停止回路45を設けていることで、制御回路部42の影響を受けることなく、エアセルがその膨縮可能範囲に留まっている適切なタイミングでスイッチOFF状態に移行して、ポンプ部40を強制停止させることができ、制御異常がエアセルやポンプ部にまで悪影響を及ぼすのを未然に防止し、装置全体の安全性や信頼性を高められる。
前記前側支持部15は、前記ベース部13と同様の、使用者の体の重み等による圧力が加わっても破損しない丈夫なウレタンフォーム等の合成樹脂弾性材からなる、厚い略板状体として形成され、受圧部10の前方部分でベース部13上に載置されて配設される構成である。
この前側支持部15は、ベース部13の横方向における側枠部13aに挟まれた中間領域の略全体にわたる長さとされると共に、横方向中央部分下側に凹部15aを切欠き形成され、受圧部10の前方で、ベース部13上に設けられる給排制御部14を凹部15aに収容するようにして覆うと共に、中央以外ではベース部13の上側に重ねて配設される。
前側支持部15は、上に使用者が載らない初期状態での各エアセル11、12上面と同じ高さか、より高い位置に上面が位置するように設定されており、上側マット部16を介して臀部がエアセル上方に、大腿部が前側支持部上方に、それぞれ不用意にずれることなく位置して確実に支持されるようにしている。
また、前側支持部15の前端側の角部分は、上側マット部16を上に重ねた組合せ状態で、上側マット部16から滑らかに連続する丸み形状となるように形成しており、使用者の膝裏部分の圧迫感を軽減することができる。
前記上側マット部16は、ウレタンフォーム等の可撓性を有する弾性材製の矩形シート状体で形成され、ベース部13上に載置された受圧部10の全体と前側支持部15の大部分を覆う大きさとされ、これら受圧部10と前側支持部15の上側に重ねて配設されるものである。この上側マット部16は、ベース部13より軟質の材質とされるが、特に、使用者の体を確実に支えると共に良好に体圧を分散させるために、低反発素材製とするのが好ましい。低反発素材とした場合、使用者の臀部等、クッションとの接触部位にになじみやすく、エアセルの体圧を分散する機能を最大限に発揮させられる。
この上側マット部16は、受圧部10の各エアセル11、12と前側支持部15を一様に覆い、各エアセル11、12間の隙間、及び、各エアセル11、12と前側支持部15間の隙間の上側でも、上側マット部16が着座した使用者の体下面を支持する状態となることから、体の支持面積を増やして体圧をより確実に分散させ、体表面の圧迫を小さく抑えられると共に、クッション上に使用者が座った状態での、受圧部10におけるエアセルの存在する部分と存在しない部分との感触の差や、受圧部10と前側支持部15との感触の差を小さくして、エアセルの有無や、受圧部10と前側支持部15との違いに基づいて生じる違和感を解消できる。
また、上側マット部16を受圧部10の上側に配設していることで、誤ってエアセル11、12の空気が抜けてこれらエアセルで使用者の臀部を支えられない場合でも、車椅子80の座面と臀部との間にベース部13と上側マット部16が十分な緩衝材として介在することとなり、落ち込んだ臀部が車椅子80の座面に接近して座面の硬質な感触が臀部に伝わるようになる、いわゆる底付きの状態に至るのを防止できる。
前記カバー17は、使用者の体の重みや各エアセル11、12からの圧力が加わっても破損しない丈夫な可撓性素材製のシート状体で形成され、受圧部10、ベース部13、上側マット部16、給排制御部14、前側支持部15、及び側枠部13aを一体に組み合わせたものを外側から被覆して、これらを水分や汚れ等から保護するものである。
カバー17は、給排制御部14の前側に位置する操作部18の一部を外部に露出させる開口部17aを設けられると共に、この開口部17a周縁にウレタンゴム等の弾性材製の防水シール部17bを配設される構成である。また、カバー17は、カバーの主材質である布等に対し、防水シール部17bと同じ材質(例えば、ウレタンゴム)の裏側からのコーティング(裏打ち)により防水構造を得ている。そして、カバー17裏側のコーティング部分と防水シール部17bが、例えば高周波等による溶着で一体化される。こうした溶着一体化により、防水シール部17bとカバー主材質部とが一般的な縫い合わせにより一体化される場合のように、水分を通す縫い目のような貫通孔が存在することもなく、カバー17の防水シール部17b周辺部分に水の浸入を許す孔や隙間を一切生じさせず、カバー17の細部まで防水性を確保できる。なお、カバー17裏側のコーティング部分と防水シール部17bとは、溶着の他に、耐水性のある接着剤を用いて接着することで一体化することもできる。
そして、カバー17は、開口部17aにおいて操作部18の一部を外部に露出させるが、カバー装着の際、開口部17aに操作部18の露出部分となる凸部分を挿入すると、開口部17a縁の防水シール部17bが操作部18の露出部分周囲に密着して、操作部18とカバー17との間に隙間が生じない状態が得られる仕組みとなっており、これにより操作部18の露出部分周囲からカバー17内側への水分の浸入を抑えられる。
このカバー17の上面には、受圧部10の上側に適切に臀部を位置させて着座できるように、臀部位置の目安となり得る模様を付加するようにしてもよい(図11参照)。
前記操作部18は、操作用のスイッチ部18a、18bとACアダプタ接続用の端子部18cとを有してなり、クッションの車椅子座面載置状態で前面側となる側面部分、すなわち給排制御部14の前側に、この給排制御部14と一体に取り付けられて配設されると共に、給排制御部14と電気的に接続される構成である。また、操作部18は、カバー17を貫通してスイッチ部18a等一部を外部に露出させる状態で配設される構成である。詳細には、操作部18のスイッチ部18a等を含む一部領域が、凸部分として形成され、この部分がカバー17の開口部17aに内側から挿入され、外部に露出する状態となると共に、この露出部分周囲にカバー17の防水シール部17bが密着して、水分の侵入を防ぐ防水構造が得られる仕組みである。
この操作部18は、給排制御部14に対する使用者の起動や停止等の操作入力を受け、入力情報を給排制御部14に送信することとなる。給排制御部14では、操作部18で入力された操作指示内容を識別し、これに応じて作動開始又は停止する。
なお、操作部18では、起動や停止等の基本的操作の他、各エアセルの膨縮に係るより詳細な各種操作入力を受けて、操作部18で入力された入力情報を給排制御部14におけるエアセル11、12の空気給排等の制御に用いるようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る椅子用クッションの圧力調整動作について説明する。前提として、あらかじめバッテリー43からの電力供給が正常になされて、給排制御部14が適切に動作可能な状態となっており、また、操作部18への開始操作に基づく動作開始直後の初期状態で、給排制御部14は給排気弁部41における第1給気弁51と第2給気弁52、及び第1排気弁53と第2排気弁54をいずれも閉止状態とし、エアセル11、12の内部圧力を下限圧力に保持しているものとする。
まず、使用者が着座し、クッションの表面に臀部や大腿部を載せて正しく座った状態で、使用者の操作部18に対する動作開始の入力操作に対応して、給排制御部14がポンプ部40及び給排気弁部41の動作を開始させる。
給排制御部14は、給排気弁部41における第2給気弁52と第2排気弁54の閉止状態を維持してエアセル12の内部圧力を下限圧力に保持したまま、第1給気弁51を開放状態とし、ポンプ部40がエアセル11に対し空気を供給する状態とする。なおこのとき、第1排気弁53は閉止状態のままとされている。
給排制御部14が第1エアセル群10a(図7において表示したエアセルのうち斜線を付加されたもの)のエアセル11の内部圧力を空気の供給で高めると、下限圧力状態に維持されたエアセル12に対するエアセル11の圧力増加により、座っている使用者の体が圧力の高まった千鳥状配置の各エアセル11から主に支持される状態となる。
エアセル11がそれぞれあらかじめ設定された所定の上限圧力(例えば、9kPa)に達したことを圧力センサ57が検出したら、給排制御部14が給排気弁部41における開放状態の第1給気弁51を閉止状態として、空気のエアセル11への注入を停止する。
ここで、給排制御部14は、全ての給気弁と排気弁を所定時間閉止状態とし、エアセル11の内部圧力を維持する。この後、給排制御部14は給排気弁部41における第1給気弁51と第2排気弁54の閉止状態を維持する一方、第2給気弁52と第1排気弁53を開放状態にそれぞれ切替え、ポンプ部40がエアセル12に対し空気を供給し、且つエアセル11から空気が排出されるようにする。こうしてエアセル11に対し空気を供給して内部圧力を高くし、その後排気を開始するまでの間を、第1エアセル群高圧期間と定義する(図10参照)。この第1エアセル群高圧期間、すなわち、第1給気弁51が開いて空気供給状態となってから、第1給気弁51が閉じて圧力維持状態に移行し、さらに第1排気弁53が開いて排気が開始されるまでの時間は、約1分間程度が好ましい。
給排制御部14は、給排気弁部41における第2給気弁52と第1排気弁53を開放状態にそれぞれ切替えた後、第2エアセル群10bのエアセル12の内部圧力をポンプ部40による空気の供給で高める一方、第1エアセル群10aのエアセル11の内部圧力を空気の排出により低下させ、このエアセル12の内部圧力増加と他方のエアセル11の内部圧力減少により、座っている使用者の体が新たに圧力の高まった千鳥状配置のエアセル12から主に支持される状態となる。
そして、エアセル11が下限圧力に、エアセル12が所定の上限圧力(例えば、9kPa)にそれぞれ達したことを圧力センサ58が検出したら、給排制御部14が給排気弁部41の開放状態の第2給気弁52と第1排気弁53を閉止状態として、空気の注入、排出を停止する。
そして、給排制御部14は、全ての給気弁と排気弁を所定時間閉止状態とし、エアセル12の内部圧力を維持する。この後、給排制御部14は給排気弁部41における第1給気弁51と第1排気弁53の閉止状態を維持してエアセル11の内部圧力を下限圧力に保持したまま、第2排気弁54を開放状態とし、且つ第2給気弁52を閉止状態として、エアセル12から空気が排出される状態とする。こうしてエアセル12に対し空気を供給して内部圧力を高くし、その後排気を開始するまでの間を、第2エアセル群高圧期間と定義する(図10参照)。この第2エアセル群高圧期間、すなわち、第2給気弁52が開いて空気供給状態となってから、第2給気弁52が閉じて圧力維持状態に移行し、さらに第2排気弁54が開いて排気が開始されるまでの時間は、第1エアセル群高圧期間と同様、約1分間程度が好ましい。
給排制御部14が、第2排気弁54を開放状態とし、且つ第2給気弁52を閉止状態とした後は、空気が排出されることにより第2エアセル群10bのエアセル12の内部圧力が低下する。一方、給排気弁部41における第1給気弁51と第1排気弁53の閉止状態は維持されており、エアセル11の内部圧力は下限圧力に保持されている。
そして、エアセル12が下限圧力に達したことを圧力センサ59が検出したら、給排制御部14が開放状態の第2排気弁54を閉止状態として、空気の排出を停止する。このように給排気弁部41における全ての給気弁、排気弁が閉止状態を維持して、エアセル11、12に対する空気の給排を停止して、いずれのエアセル11、12の内部圧力も下限圧力となった状態が、所定時間維持される。この場合、座っている使用者の体が、下限圧力となっているエアセル11、12全体から支持される状態となる。
こうしてエアセル12の排気を開始して、いずれのエアセル11、12も下限圧力となり、この状態が続く間を、全エアセル群低圧期間と定義する(図10参照)。この全エアセル群低圧期間、すなわち、第2排気弁54が開いて空気排出状態となってから、第2排気弁54が閉じて圧力維持状態に移行し、次に第1給気弁51が開いて給気が再開されるまでの時間は、第1エアセル群高圧期間等と同様、約1分間程度が好ましい。
これ以降は、前記同様に第1エアセル群高圧期間、第2エアセル群高圧期間、及び全エアセル群低圧期間が順次切り替わるように、各エアセル内部圧力の各調整過程が給排制御部14により繰返される。
各エアセル11、12は、空気の供給を受けている場合、より高い内部圧力となって使用者の臀部を支持する主要部分となる一方、空気を供給されず排気弁が開放状態にある場合には、座っている使用者の荷重が加わることで押されて内部の空気を外に排出し、下限圧力となることで、使用者を支持する圧力の受圧部全体に対する割合を減少させる。
エアセル11、12は下限圧力の状態でも、エアセル内の空気容量を十分に確保されることから、使用者の臀部に車椅子本来の座面の感触を与えるような底付きを生じさせずに保持できる。また、エアセル11、12の圧力調整動作は、使用者の体の動きを招くような極端な膨縮を伴わないため、使用者の支持状態に影響を与える度合が小さく、エアセル11、12の膨縮中も使用者の適切な姿勢を維持できる。
こうして、二つのエアセル群の各エアセル11、12で使用者の臀部の圧力を一部に集中させず分散して支持する状態を維持しつつ、給排制御部14によりエアセル11、12に対する空気の給排状態変化を与えて、使用者の臀部を主に支持する部位が所定のタイミングで変化することで、使用者の臀部とクッション表面との接触の固定化を防いで、体の特定箇所に長時間圧力が集中しないようにし、圧迫による体の局部的な血流障害を起こりにくくすることに加えて、圧力の変化に伴う刺激を体表面に与えて、使用者が自発的に姿勢を変えないことで滞りがちとなる血流を改善することができ、体表面部の血流の停滞に起因する褥瘡の発生を抑えられる。
一方、エアセル11、12で圧力変化を伴いながら支持される臀部に対し、使用者の大腿部はその支持される状態に変化が見られないが、大腿部は筋肉が厚く、前側支持部15及び上側マット部16で支持される状態に変化がなくても、体表面の圧迫で血流が滞るようなことはないため、褥瘡は発生しない。
給排対象を切替えながら繰返されるエアセル11、12に対する空気の給排動作は、使用者自身が操作部18に対し停止操作を行うか、適切な時間が経過した後、給排制御部14により停止状態に移行する。この場合もエアセル11、12の内部圧力は各弁の閉止により下限圧力に維持されており、使用者の体重による臀部等の落込みを防いで、いわゆる底付きのない、適切な姿勢を維持できる。
なお、バッテリー43からの電力供給を受けてのエアセル11、12への空気給排状態で、バッテリー切れで作動停止を余儀なくされる事態となっても、こうしたバッテリー切れ、すなわち、バッテリー43が残容量不足で電力供給が行えない状態、となる直前に、給排制御部14が、残容量把握に基づいたこうした状況の予測に基づき、エアセル11、12に対する給排状態を変化させて、下限圧力より内部圧力の高いエアセル群のエアセルについて、エアセルの内部圧力を下限圧力まで低下させ、各エアセルの下限圧力となった状態を維持する調整制御を実行していることで、エアセルへの給気や排気がバッテリー切れにより途中で停止するようなことがなく、エアセルからの意図しない空気流出を回避でき、エアセル内部圧力を下限圧力に保持して、底付きを防止しつつ、エアセル全体で体圧の分散状態を維持し、褥瘡の発生を抑制できる。
このように、本実施形態に係る椅子用クッションは、空気の給排で膨縮するエアセル11、12を多数並べた受圧部10と共に、この受圧部10を支持するベース部13を配設し、またこのベース部13上における受圧部10の前方部分中央には給排制御部14を配置し、さらにこの給排制御部14を覆いつつベース部13の受圧部10前方部分上側に配設される弾性材製の前側支持部15を有して、空気の給排による内部圧力の変化を伴う各エアセル11、12で、座った使用者の臀部を分担して支える一方、使用者の大腿部は前側支持部15で支えることから、受圧部10として並んだ多数のエアセル11、12が、各エアセルごとにその上側に載った使用者の臀部に押されて変形しながら全体として使用者の臀部をバランスよく支持し、適切な着座姿勢を確保すると共に、前側支持部15では給排制御部14のある中央部を外れた左右の二箇所が弾性変形しつつ左右の大腿部をそれぞれ支持して、使用者に給排制御部14の存在に起因する違和感を生じさせることもなく、クッション全体として体圧を分散し、過剰な圧迫を無くして皮膚の血行が妨げられることを防止して、着座が長時間継続しても、褥瘡を生じさせず、使用者の生活の質を大きく向上させられる。
なお、前記実施形態に係る椅子用クッションは、車椅子に適用するものに限定されず、一般的な椅子に適用することもでき、車椅子の場合同様、受圧部10のエアセル11、12で使用者の臀部を支持すると共に、前側支持部15で脚の大腿部を支持して、使用者が自ら着座姿勢を変えられず、褥瘡を起こしやすい状況においても、使用者の体圧を分散し、クッションに接する体表面の血行が妨げられるのを防止して、褥瘡の発生を抑えられる。
また、前記実施形態に係る椅子用クッションにおいては、ベース部13に設けた曲面形状を、上面と下面が略平行な略箱状の各エアセル形状に基づいて、そのままエアセル11、12の上面配置に反映させて、受圧部10全体でエアセル上面が曲面をなすように配置する構成としているが、この他、ベース部上面を平面状とする一方、各エアセルの高さを段階的に異ならせるなどエアセルの形状の設定によってのみ、エアセル上面を曲面状に配置する構成とすることもでき、前記実施形態同様、表面に凸の曲面を有する臀部形状に各エアセルが対応して、各エアセルで臀部各部位を等しく支持可能となることにより、臀部を効率よく支持して座位を確実に保持できると共に、体圧を適切に分散させられる。さらに、前記実施形態の場合のように、エアセルの上面配置が実際の曲面により近いものとなるように、各エアセル上面を傾ける、具体的には、エアセル上面に当初から配置位置に応じた所定の傾斜を与えた形状としてエアセルを形成することもでき、各エアセルの上面が受圧部全体で凹の曲面をなすことにより、受圧部上側の曲面が、臀部形状に対応する座面としてより違和感の少ない自然な感触を生じさせられる。
また、前記実施形態に係る椅子用クッションにおいては、給排制御部14のエアセル11、12に対する空気給排の開始と停止を、使用者の操作部18を用いた操作入力に基づいて行う構成としているが、この他、使用者が車椅子から離れた状態を検知するセンサを設けて、使用者が車椅子から離れたら給排制御部での空気給排に係る作動を停止する一方、使用者が車椅子に着座している場合は空気給排を実行する制御構成とすることもでき、使用者の操作の手間を省いて、より簡単に使用可能となる。この場合、使用者が車椅子から離れた状態の検知は、使用状態で使用者が違和感を感じることのないよう、使用者に接触するタイプ以外の、電磁波や光の強弱等で近接の有無を識別できるセンサを、クッションとしての使用時に使用者の重みの影響の少ない前面部分に配設して用いるのが好ましい。さらに、使用者の着座を検知するのに、エアセルの空気給排制御用の圧力センサを用いて、使用者の着座状態と非着座状態のそれぞれにおけるエアセルの圧力負荷の違いから着座を識別して、空気給排の実行の可否を制御するようにしてもよく、別途着座検出用のセンサを設けずに済み、構造を簡略化できる。
また、前記実施形態に係る椅子用クッションにおいて、カバー17はベース部13等を覆う外被としての機能のみ備える単純な形状とされる構成であるが、これに限らず、車椅子から外した状態での取扱い性を高めるために、車椅子への載置や使用者の着座動作において支障をきたさない所定箇所、好ましくは、図11に示すように、車椅子載置状態で前面側となる操作部のある面の底面側隅部に、取っ手19を設けることもでき、持ち運びの際にクッション全体を抱えずに済むなど、使い勝手が大幅に向上する。
1 椅子用クッション
10 受圧部
10a 第1エアセル群
10b 第2エアセル群
10c 第1給排管
10d 第2給排管
11、12 エアセル
11a、12a 連結管部
13 ベース部
13a 側枠部
13b 凹部
13d 基台部
14 給排制御部
14a、14b 上蓋
15 前側支持部
15a 凹部
16 上側マット部
17 カバー
17a 開口部
17b 防水シール部
18 操作部
18a、18b スイッチ部
18c 端子部
40 ポンプ部
41 給排気弁部
42 制御回路部
43 バッテリー
45 緊急停止回路
51 第1給気弁
52 第2給気弁
53 第1排気弁
54 第2排気弁
57、58 圧力センサ
80 車椅子

Claims (6)

  1. 空気の給排により膨縮可能とされるエアセルを多数並べて配設した受圧部を少なくとも備え、椅子の座面上に載置して用いられる椅子用クッションにおいて、
    弾性材で椅子座面に対応する大きさとして形成され、前記受圧部を下から支持するベース部と、
    前記ベース部上側における受圧部前方部分の中央に配設され、前記受圧部の各エアセルに対する空気の給排状態を調整制御する給排制御部と、
    前記ベース部上側における受圧部前方部分で中央の給排制御部を覆うと共に、該給排制御部のある中央部を外れた左右の領域ではベース部の上側に重ねて配設されて大腿部を支持する弾性材製の前側支持部と、
    前記受圧部の前方を除く側方に受圧部と隣接させて配設される弾性材製の側枠部と、
    前記受圧部、ベース部、給排制御部、前側支持部、及び側枠部を一体に組み合わせたものを外側からまとめて被覆する可撓性材製のカバーとを備え、
    前記受圧部の各エアセルが、椅子座面の中央及び中央から後方部分に対応する領域に位置するようにしてベース部上に載置されると共に、空気の給排系統を複数のエアセル群ごとに分けられ、
    前記給排制御部が、電源として少なくともバッテリーを有し、エアセル群ごとに空気の給排タイミングを異ならせてエアセル内部の圧力を調整しており、前記バッテリーからの電力供給に基づくエアセルへの空気給排状態で、バッテリーが残容量不足となる直前に、あらかじめ設定された下限圧力より内部圧力の高いエアセル群のエアセルについて、エアセルに対する給排状態を変化させて、エアセルの内部圧力を前記下限圧力まで低下させ、受圧部のいずれのエアセルも下限圧力とする制御を実行することを特徴とする椅子用クッション。
  2. 前記請求項1に記載の椅子用クッションにおいて、
    前記ベース部及び/又は各エアセルが、受圧部全体で各エアセルの上面を凹の曲面状に配置する所定形状として形成されることを特徴とする椅子用クッション。
  3. 前記請求項2に記載の椅子用クッションにおいて、
    前記ベース部が、少なくとも受圧部を支持する部分で凹の曲面として形成され、
    前記エアセルが、上面と下面とを有し、上面と下面が略平行となる略箱状の中空体として成形させており、前記各エアセルは同一形状で且つ同じ大きさとされることを特徴とする椅子用クッション。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の椅子用クッションにおいて、
    前記カバーの内側で、前記受圧部と前側支持部の上側に重ねて配設される、弾性材製の略シート状の上側マット部を備えることを特徴とする椅子用クッション。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の椅子用クッションにおいて、
    前記側枠部が、受圧部後方部分中央の所定範囲に、上側から切欠いた形状の凹部を設けられることを特徴とする椅子用クッション。
  6. 前記請求項1ないし5のいずれかに記載の椅子用クッションにおいて、
    前記給排制御部の前側で前記カバーに設けられた開口部分を通じて一部を外部に露出させる状態で配設され、給排制御部に対する使用者の操作入力を受ける操作部を備え、
    前記カバーが、前記操作部を一部露出させつつ、当該露出部分周囲に密着する略環状の耐水性弾性材からなる防水シール部を有すると共に、カバー主材質部裏側に対する前記防水シール部と同じ材質のコーティングにより、全体を防水構造とされ、
    前記カバーの開口部分周囲に位置するカバー主材質部裏側コーティング部分と、防水シール部とが溶着又は接着で一体化されることを特徴とする椅子用クッション。
JP2013056595A 2013-03-19 2013-03-19 椅子用クッション Active JP6258590B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013056595A JP6258590B2 (ja) 2013-03-19 2013-03-19 椅子用クッション

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013056595A JP6258590B2 (ja) 2013-03-19 2013-03-19 椅子用クッション

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014180415A JP2014180415A (ja) 2014-09-29
JP6258590B2 true JP6258590B2 (ja) 2018-01-10

Family

ID=51699707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013056595A Active JP6258590B2 (ja) 2013-03-19 2013-03-19 椅子用クッション

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6258590B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10486571B2 (en) 2015-03-27 2019-11-26 Ts Tech Co., Ltd. Chair
KR101657910B1 (ko) * 2015-12-07 2016-09-19 건양대학교산학협력단 둔부 및 대퇴부 자극을 통한 허리 통증저감장치
KR102080922B1 (ko) * 2018-09-27 2020-02-24 주식회사 아이오베드 스마트 매트리스 시스템
JP6803098B1 (ja) * 2020-04-24 2020-12-23 今西医療機器株式会社 体圧分散カバー装置
CN117180079A (zh) * 2020-05-23 2023-12-08 东莞市佳栓实业有限公司 一种具有充放气效果的按摩垫
WO2023082526A1 (zh) * 2021-11-11 2023-05-19 东莞市佳栓实业有限公司 单向进气件、缓冲气囊垫以及缓冲气囊垫的制备方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4686678B2 (ja) * 2004-06-15 2011-05-25 アルケア株式会社 椅子用クッションおよび同クッションを備える車椅子
JP5175132B2 (ja) * 2007-10-11 2013-04-03 日立マクセル株式会社 椅子用床ずれ防止クッション
JP2009261680A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Kyushu Hitachi Maxell Ltd エアクッション

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014180415A (ja) 2014-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6258590B2 (ja) 椅子用クッション
KR101383951B1 (ko) 에어 매트리스
JP6199135B2 (ja) 人体支持装置
JP2588184B2 (ja) 着座姿勢の患者用支持システム
JP5339873B2 (ja) エアマット
JP5175132B2 (ja) 椅子用床ずれ防止クッション
JP5780643B2 (ja) マットレス
KR101468501B1 (ko) 착석자 체형 자동 맞춤형 의자 시스템
WO2001001915A1 (en) Mattress assembly
JP4033357B1 (ja) クッション
JP4930803B2 (ja) エアーセルクッション
KR20190111552A (ko) 온도 감지 기능에 의해 교대 부양이 가능한 욕창방지방석
JP2017046933A (ja) 着座サポート具および椅子
JP2010017343A (ja) 背面支持構造
JPH0146131B2 (ja)
JP2018046901A (ja) 能動型流体セル式マットレスとその制御方法
KR102026788B1 (ko) 능동적 체압 분산형 에어 셀 매트리스
KR20190113000A (ko) 체위변경이 가능한 매트리스 장치
JP5240655B2 (ja) 背面支持用エアーセルクッション
WO2016051832A1 (ja) クッション
JP5158423B2 (ja) クッション
KR20090065150A (ko) 욕창 방지용 매트리스의 건조장치
KR102235062B1 (ko) 능동적 체압 분산형 에어 셀 매트리스
JP2000093472A (ja) 椅子式エアーマッサージ機
KR102026787B1 (ko) 능동적 체압 분산형 에어 셀 매트리스

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170126

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170620

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170901

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6258590

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250