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JP2017046933A - 着座サポート具および椅子 - Google Patents

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JP2017046933A
JP2017046933A JP2015172839A JP2015172839A JP2017046933A JP 2017046933 A JP2017046933 A JP 2017046933A JP 2015172839 A JP2015172839 A JP 2015172839A JP 2015172839 A JP2015172839 A JP 2015172839A JP 2017046933 A JP2017046933 A JP 2017046933A
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亘 惣田
Wataru Soda
亘 惣田
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SODA SEISAKUSHO KK
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Abstract

【課題】使用者の左右方向の位置ずれを防止して安定的な着座姿勢を保つことができる着座サポート具および椅子を提供する。
【解決手段】着座サポート具100は、使用者Uが着座する座部110と使用者Uがもたれ掛る背もたれ部130とを備えている。座部110および背もたれ部130には、左右の外側部分に収容凹部112,142がそれぞれ形成されており、これらの各収容凹部112,142内に臀部エアバック130および背部エアバック150がそれぞれ設けられている。臀部エアバック130および背部エアバック150は、使用者Uの臀部、大腿部および背部における各左右の縁部分に対向した位置に同縁部分に沿って延びてそれぞれ形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、着座した状態の着座者の身体を左右方向から固定することができるエアバッグを有する着座サポート具および椅子に関する。
従来から、人が着座する座部や人の腰部がもたれ掛る部分にエアバックを備えたクッションや椅子が提案されている。例えば、下記特許文献1には、人が着座する座部および人の腰部がもたれ掛る部分にそれぞれウレタンフォームを収容したエアバックが互いに連結された状態で設けられており、人が着座した際に座部のエアバック内の空気が腰部のエアバック内に流入するように構成したクッションおよび椅子が開示されている。
特開平11−299585号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたクッションおよび椅子においては、使用者の腰部に対向配置されてこの要部を支持するものであり、使用者の左右方向の位置ずれを防止して安定的な着座姿勢を保つことができなかった。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、使用者の左右方向の位置ずれを防止して安定的な着座姿勢を保つことができる着座サポート具および椅子を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、使用者の臀部が載置される着座面を有した座部および使用者の背部が宛がわれる背当て面を有した背もたれ部のうちの少なくとも一方と、着座面および/または背受け面における臀部および/または背部の左右の縁部が対向する部分に同左右の縁部に沿ってそれぞれ形成された左右一対のエアバックと、一対のエアバックに空気を供給するエアポンプと、エアポンプの作動を制御する制御装置とを備えることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、着座サポート具は、座部および/または背もたれ部に使用者の臀部および/または背部の左右の縁部に対向して同各縁部に沿って形成された左右一対のエアバックを備えているため、これらの各エアバック内に空気を供給した場合には使用者の身体からの圧力が小さい外側部分が内側部分に比べて膨張する。これにより、本発明に係る着座サポート具は、使用者の身体を左右両側からそれぞれ弾性的に押えて規制することができるため、使用者の左右方向の位置ずれを防止して安定的な着座姿勢を保つことができる。また、本発明に係る着座サポート具は、エアバックの膨らみによって使用者の身体を規制するため、老若男女の各身体の大きさや形状に応じて押さえることができる。
なお、この場合、着座サポート具は、一対のエアバックを使用者の身体の縁部の内側と外側と間に跨る形状に形成するとよい。これによれば、着座サポート具は、使用者の身体の縁部の外側にエアバックの一部が膨らむため、より安定的に着座者の左右方向の位置ずれを防止して着座姿勢を保つことができる。
また、本発明の他の特徴は、前記着座サポート具において、座部および/または背もたれ部は、着座面上および/または背受け面上から凹状に窪んで形成された収納凹部を有しており、一対のエアバックは、収納凹部内に配置されるとともに同収納凹部の外側に張り出して膨張することにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、着座サポート具は、一対のエアバックが座部および/または背もたれ部に凹状に設けられた収納凹部内にそれぞれ設けられているため、エアバックの膨張方向を使用者側に規制して膨張させることができ、より安定的に着座者の左右方向の位置ずれを防止して着座姿勢を保つことができる。
また、本発明の他の特徴は、前記着座サポート具において、座部および背もたれ部をそれぞれ備え、一対のエアバックは、座部および背もたれ部にそれぞれ設けられていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、着座サポート具は、座部および背もたれ部にそれぞれエアバックを備えているため、使用者の臀部および背部の各位置を規制してより安定的に左右方向の位置ずれを防止して着座姿勢を保つことができる。
また、本発明の他の特徴は、前記着座サポート具において、さらに、エアポンプから延びて座部側の一対のエアバックと背もたれ部側の一対のエアバックとに分岐してそれぞれ延びる共通エア配管と、共通エア配管における前記分岐部分よりも座部側の一対のエアバック側に設けられて同座部側の一対のエアバック側にのみ空気を流通させる一方向弁とを備えることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、着座サポート具は、エアポンプから延びて座部側の各エアバックと背もたれ部側の各エアバックとに分岐してそれぞれ延びる共通エア配管における前記分岐部分よりも座部側の各エアバック側に同各エアバック側にのみ空気を流通させる一方向弁が設けられている。このため、本発明に係る着座サポート具は、使用者が着座する前においては積極的に座部側の各エアバックに空気が流入するとともに、使用者が座部に着座した場合にはエアポンプからの空気に加えて座部側の各エアバック内の空気が背もたれ側の各エアバックに流入する。これにより、本発明に係る着座サポート具は、座部側の各エアバック内の空気を背もたれ側の各エアバックに利用してエアポンプの負荷を減らすことができるとともに使用者が背もたれ部にもたれ掛った際に座部側の各エアバックが膨らんで安定性が損なわれることを防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記着座サポート具において、さらに、一対のエアバック内の空気を排出するための排気弁を備え、排気弁は、弁が閉じた状態であっても一対のエアバック内の空気を漏らすことにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、着座サポート具は、弁が閉じている場合に各エアバック内の空気を少しずつ外部に漏らす排気弁を備えている。この場合、排気弁が各エアバック内の空気を漏らす量は、各エアバックが膨らんだ状態において数時間後(例えば、3時間〜10時間程度以上)に各エアバックが大気圧と同じ圧力状態となる量である。これによれば、本発明に係る着座サポート具は、使用後に自動的に元の状態に戻るため、各エアバックの空気の廃棄作業を省略することができるとともに膨張状態の継続によるエアバックの劣化を防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記着座サポート具において、一対のエアバックは、内部に弾性体を備えることにある。この場合、弾性体は、使用者の身体を弾性的に支持するクッション材であり、例えば、樹脂材(例えば、ウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、塩化ビニルなど)を独立気泡または連続気泡で発泡させた発泡体(フォーム)で構成するとよい。また、この場合、弾性体は、使用者の身体を支持する際に完全に押し潰されて扁平状態となって弾性的に支持していない所謂底付き感を着座者に与えない厚さで構成するとよい。
このように構成した本発明の特徴によれば、着座サポート具は、各エアバックが内部に弾性体を備えるため、空気が抜けた状態においても使用者の身体を弾性的に受け止めることができ、所謂底付き感を与えることを防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記着座サポート具において、座部および/または背もたれ部は、使用者が着座する椅子に配置された場合に同椅子の表面に沿って変形する硬さの弾性体で構成されていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、着座サポート具は、座部および/または背もたれ部は、使用者が着座する椅子に配置された場合に同椅子の表面に沿って変形する硬さの弾性体で構成されているため、椅子との一体感によってより安定的に着座者の左右方向の位置ずれを防止して着座姿勢を保つことができる。
また、本発明は、着座サポート具の発明として実施できるばかりではなく、この着座サポート具の機能を有した椅子の発明としても実施できるものである。
具体的には、椅子は、使用者の臀部が載置される着座面を有した座部と、着座面における臀部の左右の縁部が対向する部分に同左右の縁部に沿ってそれぞれ形成された左右一対の臀部エアバックと、一対の臀部エアバックに空気を供給するエアポンプと、エアポンプの作動を制御する制御装置とを備えるようにすればよい。
この場合、前記椅子において、さらに、使用者の背部が宛がわれる背当て面を有した背もたれ部と、背受け面における背部の左右の縁部が対向する部分に同左右の縁部に沿ってそれぞれ形成された左右一対の背部エアバックとを備え、エアポンプは、一対の背部エアバックに空気を供給するようにするとよい。
これによれば、椅子は、前記着座サポート具と同様の作用効果を発揮することが期待できる。
本発明の一実施形態に係る着座サポート具の外観構成および使用状態を斜め前方から概略的に示す前方斜視図である。 図1に示す着座サポート具における内部構造を示すために外表カバーを省略した状態で示す前方斜視図である。 図2に示す着座サポート具の正面図である。 図2に示す4−4線から見た着座サポート具の側面断面図である。 図1に示す着座サポート具の配管構成および制御構成を模式的に示すシステムブロック図である。 図2に示す着座サポート具の背面の構成を示すために後方の斜め下方から見た状態を概略的に示す後方斜視図である。 図2に示す着座サポート具における臀部エアバックおよび背部エアバックが変形しながら膨張した使用状態を示す前方斜視図である。 図7に示す着座サポート具の使用状態を示す正面図である。 本発明の変形例に係る着座サポート具における内部構造を示すために外表カバーを省略した状態で示す前方斜視図である。 本発明の他の変形例に係る着座サポート具の外観構成を示す前方斜視図である。 (A),(B)図10に示す着座サポート具における臀部エアバックおよび背部エアバックの外観構成を示しており、(A)は背部エアバックの平面図であり、(B)は臀部エアバックの平面図である。 本発明の他の変形例に係る着座サポート具の配管構成および制御構成を模式的に示すシステムブロック図である。
以下、本発明に係る椅子の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る着座サポート具100の外観構成および使用状態を斜め前方から概略的に示す前方斜視図である。また、図2は、図1に示す着座サポート具100における内部構造を示すために外表カバー170を省略した状態で示す前方斜視図である。また、図3は、図2に示す着座サポート具の正面図である。また、図4は、図2に示す4−4線から見た着座サポート具の側面断面図である。また、図5は、図1に示す着座サポート具100の配管構成および制御構成を模式的に示すシステムブロック図である。この着座サポート具100は、使用者Uが椅子90に着座するに際して椅子90の座面91上および背もたれ92上に敷いて使用することにより着座姿勢を安定させるために使用する器具である。
(着座サポート具100の構成)
着座サポート具100は、主として、座部110と背もたれ部140とで構成されている。座部110は、使用者Uの臀部が載置される部分であり、臀部よりも大きな板状に形成されている。この場合、座部110は、使用者Uの臀部が直接載置される上面である着座面111が使用者Uの臀部および大腿部の各形状に沿うように凹状に凹んでそれぞれ形成されている。この座部110は、椅子90の座面91に載置された際に座面91の形状に沿って弾性変形する程度の硬さの発泡樹脂体(例えば、ウレタンフォーム(一体的に形成したものでもよいし、ウレタンチップを集成したものでもよい))で構成されている。
着座面111には、着座面111上に着座する使用者Uの臀部から大腿部に掛けての左右の各縁部が載置される部分に収納凹部112がそれぞれ形成されるとともに、これらの各収納凹部112内に臀部エアバック130がそれぞれ設けられている。収納凹部112は、臀部エアバック130を収納するための部分であり、臀部エアバック130の形状に対応する形状で着座面111から凹状に窪んで形成されている。この収納凹部112は、着座面111における使用者Uの臀部および大腿部の各縁部が載置される部分であって、同各縁部に対して内側から外側に掛けて形成されている。すなわち、収納凹部112は、着座面111における傾斜面に開口した状態で形成されている。
一方、座部110の裏面には、図6に示すように、ポンプ収納凹部121、配管収納凹部122、配線収納凹部123およびコントローラ収納凹部124がそれぞれ形成されている。これらのうち、ポンプ収納凹部121は、エアポンプ161を収納する部分であり、エアポンプ161に対応する形状で凹状に窪んで形成されている。また、配管収納凹部122は、共通エア配管162、エアバック配管163および安全弁164a,164bをそれぞれ収納するための部分であり、溝状に窪んで形成されている。また、配線収納凹部123は、バッテリ166、制御装置171およびエアポンプ161を相互に電気的に繋ぐ配線を収納するための部分であり、溝状に窪んで形成されている。また、コントローラ収納凹部124は、コントローラ170の一部分を収納する部分であり、コントローラ170の一部に対応する形状で凹状に窪むとともに座部110の側面に開口した形状に形成されている。
各臀部エアバック130は、座部110上に着座する使用者Uの臀部の着座位置を規制して位置ずれを防止するための部品であり、空気の流入または排出によって膨張または収縮する樹脂製の袋体で構成されている。これらの各臀部エアバック130は、弾性体130aを樹脂製シートからなる外袋130bで気密的に覆って形成した2つの小型エアバック131,132を上下に重ねてそれぞれ構成されている。この場合、各2つの小型エアバック131,132は、互いに空気が流通可能な状態で連結されている。
弾性体130aは、各小型エアバック131,132内の空気が抜けた状態であっても各臀部エアバック130が弾力性を維持するための部品であり、連続気泡の発泡樹脂材(例えば、ウレタンフォーム)で構成されている。この弾性体130aは、平面視において各臀部エアバック130の平面視の形状と同じ形状で板状体に形成されている。また、弾性体130aの厚さは、収容凹部112内において下段に配置される小型エアバッグ131内に設けられる弾性体130aの上面が着座面111と略面一になる厚さに形成されている。この場合、収容凹部112内において上段に配置される小型エアバッグ132内に設けられる弾性体130aの厚さは小型エアバッグ131内に設けられる弾性体130aの厚さと同じ厚さに形成されている。
これにより、各臀部エアバック130は、全体として内側に傾倒した状態で着座面111から張り出す厚さに形成されている。また、外袋130bは、弾性体130aの外形よりも一回り大きな形状で同外形形状に対応する形状の袋状に形成されている。そして、この外袋130bは、収容凹部112内で下段に配置される小型エアバック131の外袋130bと、収容凹部112内で上段に配置される小型エアバック132の外袋130bとが互いに空気が流通可能な状態で連結されている。
これらの各臀部エアバック130は、着座面111上に着座した使用者Uの臀部および大腿部の一部に沿った形状にそれぞれ形成されている。具体的には、各臀部エアバック130は、使用者Uの臀部における左右の各縁部分に対向するように内側に向かって広がって形成されるとともに使用者Uの大腿部側に沿って幅が狭く成りながら延びて全体として外側に向かって凸状となる緩やかな円弧状、敢えて換言すれば、平面視において略カシューナッツ状(勾玉状)に形成されている。この場合、各臀部エアバック130は、外側の縁部が使用者Uの臀部および大腿部の外側縁部と略同じ位置となる大きさに形成されている。したがって、各小型エアバック131,132をそれぞれ構成する弾性体130aおよび外袋130bは、平面視において略カシューナッツ状(勾玉状)に形成されている。
背もたれ部140は、座部110上に着座した使用者Uの上半身がもたれ掛る部分であり、使用者Uの背部における肩よりも下の部分に対応する板状に形成されている。この場合、背もたれ部140は、使用者Uの背部が直接宛がわれる面である背当て面141が正面視において後方に凹状に湾曲した形状に形成されている。この背もたれ部140は、座部110と同じ発泡樹脂体(例えば、ウレタンフォーム)で構成されており、使用者Uがもたれ掛ることによって椅子90の背もたれ92に押し付けられた際に背もたれ92の形状に沿って弾性変形する。すなわち、座部110と背もたれ部140とは、発泡樹脂材によって側面視で略L字状に一体的に成形されている。
背当て面141には、背当て面141にもたれ掛る使用者Uの背部の左右の各縁部が宛がわれる部分に収納凹部142がそれぞれ形成されるとともに、これらの各収納凹部142内に背部エアバック150がそれぞれ設けられている。本実施形態においては、左右の各収容凹部142は、背当て面141にもたれ掛る使用者Uの背部における肩甲骨の下部部分から肋骨に掛けての部分(領域)に対向してそれぞれ形成されている。
各収容凹部142は、前記収納凹部112と同様に、背部エアバック150を収納するための部分であり、背部エアバック150の形状に対応する形状で背当て面141から窪んで形成されている。これらの各収納凹部142は、背当て面141における使用者Uの背部の縁部が宛がわれる部分であって、同縁部の内側から外側に掛けて形成されている。すなわち、各収納凹部142は、背当て面141における湾曲した傾斜面に開口した状態で形成されている。
一方、背もたれ部140の裏面には、図6に示すように、前記配管収納凹部122、配線収納凹部123およびバッテリ収納凹部125がそれぞれ形成されている。これらのうち、バッテリ収納凹部125は、バッテリ166を収納する部分であり、バッテリ166に対応する形状で凹状に窪むとともに背もたれ部140の側面に開口した形状に形成されている。また、背もたれ部140における下部中央部には、使用者Uの腰部の背もたれ部140への密着度を高めるための貫通孔から成る逃げ孔143が形成されている。なお、この背もたれ部140は、もたれ掛る使用者Uの背部を背もたれ部140のみで支持することできる剛性は有していない。
各背部エアバック150は、臀部エアバック130と同様に、背もたれ部140にもたれ掛る使用者Uの背部の位置を規制して位置ずれを防止するための部品であり、空気の流入または排出によって膨張または収縮する樹脂製の袋体で構成されている。これらの各背部エアバック150は、弾性体150aを樹脂製シートからなる外袋150bで気密的に覆って構成されている。
弾性体150aは、背部エアバック150内の空気が抜けた状態であっても弾力性を維持するための部品であり、連続気泡の発泡樹脂材(例えば、ウレタンフォーム)で構成されている。この弾性体150aは、平面視において背部エアバック150の正面視での形状と同じ形状の板状体に形成されている。また、弾性体150aの厚さは、収容凹部142内に配置された状態において背当て面141から張り出す厚さに形成されている。また、外袋150bは、弾性体150aの外形よりも一回り大きな形状で同外形形状に対応する形状の袋状に形成されている。
これらの各背部エアバック150は、背当て面141にもたれ掛った使用者Uの背部の縁部に沿った形状に形成されている。具体的には、各背部エアバック150は、使用者Uの背部における左右の肩甲骨の下部から肋骨に掛けての部分の各縁部分に対向するように内側に向かって広がって形成されるとともに使用者Uの腰部側に沿って幅が狭く成りながら延びて全体として正面視で人の肺の形状に近い形状に形成されている。この場合、各背部エアバック150は、外側の縁部が使用者Uの胴部の外側縁部と略同じ位置となる大きさに形成されている。したがって、各背部エアバック150を構成する弾性体150aおよび外袋150bは、正面視において人の肺の形状に近い形状に形成されている。
エアポンプ161は、臀部エアバック130および背部エアバック150にそれぞれ空気を供給するための機器である。このエアポンプ161は、バッテリ166から電力の供給を受けるとともに、コントローラ170によって作動が制御される。共通エア配管162は、エアポンプ161から供給される空気をエアバック配管163を介して臀部エアバック130および背部エアバック150にそれぞれ導くための樹脂製のチューブであり、エアポンプ161から延びた後、臀部エアバック130側および背部エアバック150側にそれぞれ分岐して延びている。
エアバック配管163は、共通エア配管162から供給される空気を臀部エアバック130および背部エアバック150にそれぞれ導くとともに、臀部エアバック130および背部エアバック150の各内部の空気を排気弁173a,173bにそれぞれ導くための樹脂製のチューブである。このエアバック配管163は、臀部エアバック130に接続される臀部エアバック配管163aと、背部エアバック150に接続される背部エアバック配管163bとを有している。
これらのうち、臀部エアバック配管163aは、左右の各臀部エアバック130にそれぞれ接続されるチューブと排気弁173aに接続されるチューブとで構成されている。この場合、左右の各臀部エアバック130には、臀部エアバック配管163aとは別のチューブを介して安全弁164aが接続されている。安全弁164aは、左右の各臀部エアバック130内が過度な空気圧になることを防止するために左右の各臀部エアバック130内が所定の圧力以上となった場合に左右の各臀部エアバック130内の空気を自動的に外部に放出するための弁である。
一方、背部エアバック配管163bは、共通エア配管162における背部エアバック150側の端部に一方向弁165を介して左右の各背部エアバック150にそれぞれ接続されるチューブと排気弁173bに接続されるチューブとで構成されている。この場合、左右の各背部エアバック150には、背部エアバック配管163bとは別のチューブを介して安全弁164bが接続されている。
一方向弁165は、常時、共通エア配管162側からの空気のみの流通を許容する部品であり、所謂逆流防止弁である。また、安全弁164bは、前記安全弁164aと同様に、左右の各背部エアバック150内が過度な空気圧になることを防止するために左右の各背部エアバック150内が所定の圧力以上となった場合に左右の各背部エアバック150内の空気を自動的に外部に放出するための弁である。
バッテリ166は、エアポンプ161および制御装置171にそれぞれ電力を供給するための電源である。本実施形態においては、着座サポート具100は、バッテリ166が乾電池で構成されているが、家庭用電源から電力の供給を受けるようにしてもよいことは当然である。
コントローラ170は、主として、制御装置171、操作子172および排気弁173a,173bをそれぞれ備えて構成されている。制御装置171は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータによって構成されており、操作子172の操作に応じてエアポンプ161の作動を制御する。操作子172は、制御装置171に対して使用者の指示を入力するとともに、排気弁173a,173bを操作するためのスイッチ群である。すなわち、操作子172は、制御装置171に電気的に繋がっているとともに、排気弁173a,173bに機械的に繋がっている。
排気弁173a,173bは、臀部エアバック130および背部エアバック150の各内部の空気を外部に抜くための部品であり、使用者Uによる操作子172の押下操作によって開くことによって臀部エアバック130内および背部エアバック150内をそれぞれ外部に連通させるように構成されている。この場合、排気弁173a,173bは、弁が閉じた状態において臀部エアバック130内および背部エアバック150内の各空気が少しずつ漏れるように構成されている。
本実施形態においては、排気弁173a,173bは、臀部エアバック130および背部エアバック150がそれぞれ膨張した状態において5時間程度で臀部エアバック130内および背部エアバック150内の気圧が外気圧と同じになるように漏れ量が設定されている。そして、これらの制御装置171および排気弁173a,173bが樹脂製の外筐内に収容されるとともに操作子172が外部に露出した状態で設けられている。
また、この着座サポート具100は、座部110および背部130の全体が伸縮性のある布地で構成された外表カバー180で覆われており、臀部エアバッグ130および背部エアバック150が直接使用者Uに触れないように構成されている。なお、図においては、発明を理解し易くするため、外表カバー180を省略して示している。
(着座サポート具100の作動)
次に、このように構成した着座サポート具100の作動について説明する。まず、この着座サポート具100を使用する使用者Uは、着座サポート具100を用意して椅子90上に設置する(図1参照)。この場合、使用者Uは、着座サポート具100における座部110を椅子90の座面91上に載置するとともに背もたれ部140を背もたれ92に対向配置する。また、この場合、着座サポート具100は、初期状態として左右の各臀部エアバック130および各背部エアバック150の各内部の気圧は大気圧と同じとなっている。
次に、使用者Uは、着座サポート具100上に着座する。この場合、左右の各臀部エアバック130内の空気は、臀部エアバック配管163a、共通エア配管162、一方向弁165および背部エアバック配管163bを介して各背部エアバック150に押し出される。これにより、左右の各背部エアバック150は、左右の各臀部エアバック130内からの排気量に応じて膨張する。この各背部エアバック150は、使用者Uの背部から圧力を受けないまたは小さい部分、すなわち、肩甲骨および肋骨の縁部分および同縁部分よりも外側部分が内側部分よりも少しだけ膨張するため、使用者Uの背部の左右方向の位置ずれを軽く規制することができる。
また、この場合、各臀部エアバック130内にはそれぞれ弾性体130aが内蔵されているため、底付き感が生じることはない。また、各臀部エアバック130および各背部エアバック150は、それぞれ収納凹部112,142内に収容されているため、各臀部エアバック130および各背部エアバッグ150が使用者Uの身体から圧迫を受けても完全に押し潰されることがないとともに弾性体130a,150aによって着座面111および背受け面141の平面感を維持することができる。
次に、使用者Uは、操作子172を操作してエアポンプ161を作動させる。これにより、着座サポート具100は、図7および図8にそれぞれ示すように、各臀部エアバック130および各背部エアバック150の各内部に空気が供給されて各臀部エアバック130および各背部エアバック150がそれぞれ膨張する。なお、図7および図8においては、使用者Uを二点鎖線で示している。
この場合、各臀部エアバック130は、使用者Uの臀部や大腿部からの圧力を受けないまたは少ない部分、すなわち、臀部および大腿部の縁部分および同縁部分よりも外側部分が内側部分よりも積極的に膨張する。換言すれば、各臀部エアバック130は、内側が潰れた状態でかつ外側が膨らんだ変形した状態で膨張する。これにより、使用者Uは、臀部および大腿部が左右の各臀部エアバック130から圧迫を受けることで左右方向の位置ずれが規制された状態となる。また、この場合、各臀部エアバック130は、小型エアバック131と小型エアバック132との間に空気層が形成されるため、臀部および大腿部の縁部分および同縁部分よりも外側部分がより膨張して使用者Uの臀部および大腿部を圧迫する。
また、各背部エアバック150は、使用者Uがもたれ掛っている場合には、前記各臀部エアバック130と同様に、使用者Uの背部から圧力を受けないまたは少ない部分、すなわち、肩甲骨および肋骨の縁部分および同縁部分よりも外側部分が内側部分よりも積極的に膨張する。これにより、使用者Uは、背部が左右の各背部エアバック150から圧迫を受けることで左右方向の位置ずれが規制された状態となる。
一方、各背部エアバック150は、使用者Uがもたれ掛っていない場合には、各背部エアバック150全体が均等に膨張する。そして、各背部エアバック150は、使用者Uが背もたれ部140にもたれ掛ることにより各背部エアバック150は前記の通り、使用者Uの背部から圧力を受けないまたは少ない部分、すなわち、肩甲骨および肋骨の縁部分および同縁部分よりも外側部分に空気が流動して内側部分よりも積極的に膨張して左右方向の位置ずれが規制された状態となる。なお、この場合、各背部エアバック150内の空気は、一方向弁165によって各臀部エアバック130内に流入することはない。
次に、使用者Uは、臀部エアバック130および背部エアバック150の膨張量や硬さが好みの膨張量や硬さになった場合には、操作子172を操作してエアポンプ161の作動を停止させる。これにより、使用者Uは、臀部エアバック130および背部エアバック150を好みの膨張量や硬さに形成することによって安定した姿勢で椅子90上に着座することができる。この場合、使用者Uは、背部や臀部を一時的に背もたれ部140や座部110から離した場合であっても再び背もたれ部140や座部110に密着することにより元の規制状態を復元することができる。そして、この場合においても、各背部エアバック150内の空気は、一方向弁165によって各臀部エアバック130内に流入することはない。
また、使用者Uは、臀部エアバック130および背部エアバック150が膨張し過ぎたり硬くなり過ぎたりした場合には、操作子172を操作して排気弁173a,173bを開くことで、臀部エアバック130および背部エアバック150の各内部の空気量を減ずることができる。この場合、使用者Uは、排気弁173bを押下することにより臀部エアバック130および背部エアバック150の各内部の空気量を減ずることができるとともに、排気弁173aを押下することにより臀部エアバック130の内部のみの空気量を減ずることができる。なお、着座サポート具100の使用の過程において、左右の各臀部エアバック130および左右の各背部エアバック150の各内部が過度な空気圧となった場合には、安全弁164a,164bをそれぞれ介して各臀部エアバック130および各背部エアバック150の各内部の空気が外部に放出される。
次に、使用者Uは、着座サポート具100の使用を終了する場合には、操作子172を操作して排気弁173a,173bを開くことで、臀部エアバック130および背部エアバック150の各内部の空気量を減ずることができるが、臀部エアバック130および背部エアバック150の各内部の空気量を減ずることなく放置して使用を終了することもできる。この場合、排気弁173a,173bは、臀部エアバック130および背部エアバック150の各内部の空気を少しずつ漏らすため、数時間後には臀部エアバック130および背部エアバック150を元の初期状態に自動的に戻すことができる。
なお、使用者Uは、臀部エアバック130を膨張させた後、座部110上に着座して着座サポート100の使用を開始することもできる。具体的には、使用者Uは、座部110に着座する前に操作子172を操作してエアポンプ161を作動させる。これにより、着座サポート100は、一方向弁165によってまず各臀部エアバック130が膨張を開始した後に各背部エアバック150が膨張を開始する。
そして、使用者Uは、臀部エアバック130がある程度膨張したところでそのまま、または操作子172を操作してエアポンプ161の作動を停止させて座部110上に着座する。これにより、着座サポート具100は、各臀部エアバック130内の空気が背部エアバック150内に流入する。この場合、着座サポート具100は、各臀部エアバック130内の空気を各背部エアバック150に利用してエアポンプ161の負荷を減らすことができるとともに使用者Uが背もたれ部にもたれ掛った際に各座部エアバック130が膨らんで安定性が損なわれることを防止することができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、着座サポート具100は、座部110および背もたれ部140に使用者Uの臀部および背部の左右の縁部に対向して同各縁部に沿って形成された左右一対の臀部エアバック130および背部エアバック150をそれぞれ備えているため、これらの臀部エアバック130および背部エアバック150に空気を供給した場合には使用者Uの身体からの圧力が小さい外側部分が内側部分に比べて膨張する。これにより、本発明に係る着座サポート具100は、使用者Uの身体を左右両側からそれぞれ弾性的に押えて規制することができるため、使用者Uの左右方向の位置ずれを防止して安定的な着座姿勢を保つことができる。また、本発明に係る着座サポート具100は、臀部エアバック130および背部エアバック150の膨らみによって使用者Uの身体を規制するため、老若男女の各身体の大きさや形状に応じて押さえることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、着座サポート具100は、座部110と背もたれ部140とを備えて構成した。しかし、着座サポート具100は、座部110および背もたれ部140のうちの少なくとも一方を備えていればよい。また、着座サポート具100は、座部110と背もたれ部140とを備えて構成した場合においても、臀部エアバック130および背部エアバック150のうちの少なくとも一方を備えていればよい。すなわち、臀部エアバック130および背部エアバック150がそれぞれ本発明に係る左右一対のエアバックに相当する。例えば、着座サポート具100は、図9に示すように、背もたれ部140にのみ背部エアバック150を備えて構成することができる。
また、上記実施形態においては、左右一対の臀部エアバック130は、上下二段に重ねた小型エアバック131,132で構成した。しかし、本発明に係るエアバックは、少なくとも一段で構成されていればよい。したがって、臀部エアバック130は、背部エアバック150と同様に、小型エアバック131,132に相当する1つのエアバックで構成することもできる。また、背部エアバック150は、臀部エアバック130と同様に、上下二段に重ねた小型エアバック131,132で構成することもできる。
また、上記実施形態においては、臀部エアバック130を略カシューナッツ状(勾玉状)に形成するとともに、背部エアバック150を人の肺のような形状に形成した。しかし、臀部エアバック130および背部エアバック150は、使用者Uの身体の縁部に沿う形状に形成されていれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。したがって、臀部エアバック130および背部エアバック150は、例えば、長方形状や楕円形状に形成することもできる。
また、この場合、各臀部エアバック130は外側の縁部が使用者Uの臀部および大腿部の外側縁部と略同じ位置となる大きさに形成されているとともに、各背部エアバック150は外側の縁部が使用者Uの胴部の外側縁部と略同じ位置となる大きさに形成されている。しかし、各臀部エアバック130および各背部エアバック150は、使用者Uの臀部、大腿部および胴部の各外側縁部から張り出す大きさに形成することもできる。つまり、各臀部エアバック130および各背部エアバック150は、使用者Uの身体の縁部の内側と外側と間に跨る形状に形成することができる。これによれば、着座サポート具100は、使用者Uの身体の縁部の外側に各臀部エアバック130および各背部エアバック150の外側部分が膨らむため、より安定的に着座者の左右方向の位置ずれを防止して着座姿勢を保つことができる。
また、上記実施形態においては、臀部エアバック130および背部エアバック150を収納凹部112,142内にそれぞれ配置した。これにより、着座サポート具100は、臀部エアバック130および背部エアバック150を効果的に使用者U側に膨張させることができる。しかし、臀部エアバック130および背部エアバック150は、必ずしも収納凹部112,142内に配置する必要はなく、平面状に形成した着座面111および背当て面141上に配置することもできる。
具体的には、着座サポート具100は、例えば、図10に示すように、座部110および背もたれ部140がウレタンフォーム(一体的に形成したものでもよいし、ウレタンチップを集成したものでもよい)などによって収納凹部112,142を有することなく平面状に形成されるとともに、これらの座部110および背もたれ部140における着座面111および背当て面141の平面状の上面上に臀部エアバック130および背部エアバック150をそれぞれ配置して構成することができる。この場合、臀部エアバック130および背部エアバック150は、座部110および背もたれ部140がウレタンフォームを構成するウレタンフォーム上に図示しない接着剤や接着テープなどによって直接取り付けることができる。なお、図10においては、臀部エアバック130および背部エアバック150をそれぞれ想像線(破線)で示している。
また、臀部エアバック130および背部エアバック150は、上記実施形態と同様に、使用者Uの左右側にそれぞれ配置される袋体で構成してもよいが、例えば、図11(A),(B)にそれぞれ示すように、使用者Uの身体の幅方向に延びる1つの袋体でそれぞれ構成することができる。この場合、背部エアバック150は、使用者Uの左右の側部をそれぞれ規制する両側部分151a,151bとこれらの両側部分間であって使用者Uの背部中央部が宛がわれる中央部分152との各境部分に空気の流通を規制するための流通規制堰153がそれぞれ設けられている。
これにより、背部エアバック150は、中央部分152から流通規制堰153の両端部側を介して両側部分151a,151bにそれぞれ流入した空気が両側部分151a,151bに留まり易くなって膨張状態が維持されるため、使用者Uによる中央部分152への圧迫力が弱い場合にも使用者Uの背部の位置を規制して位置ずれを抑制することができる。なお、流通規制堰153は、背部エアバック150を構成する袋体の表裏面を溶着することで形成することができる。また、臀部エアバック130については、流通規制堰153に相当する堰を設けてもよいが、臀部エアバック130は使用者Uの体重が作用する部分であるため堰を省略してもよい。
また、上記実施形態においては、臀部エアバック130および背部エアバック150の各内部に弾性体130a,150aをそれぞれ設けて構成した。しかし、臀部エアバック130および背部エアバック150は、内部に弾性体130a,150aを配置しない空洞のエアバックで構成することもできる。
また、上記実施形態においては、臀部エアバック130と背部エアバック150とを共通エア配管162および一方向弁165を介して連結して臀部エアバック130側から背部エアバック150側に空気が流入するように構成した。しかし、臀部エアバック130および背部エアバック150は、共通エア配管162で互いに連結して相互に空気を流通させるように構成することができる。
また、着座サポート具100は、例えば、図12に示すように、臀部エアバック130側の共通エア配管162上に一方向弁165を設けて臀部エアバッグ130内の空気が背部エアバック150に流入しないように構成することもできる。また、着座サポート具100は、臀部エアバック130および背部エアバック150の各エア配管をそれぞれ独立させて臀部エアバック130と背部エアバック150との間で空気が流通し合わないように構成することもできる。
また、上記実施形態においては、臀部エアバック130と背部エアバック150に安全弁164a,164bをそれぞれ設けた。しかし、安全弁164a,164bは、省略することができるが、臀部エアバック130は使用者Uが着座するため臀部エアバック130に安全弁164aを設けておくことが好ましい。また、安全弁164a,164bは、左右の臀部エアバック130と背部エアバック150内の空気を排出できる配管(例えば、臀部エアバック配管163a,背部エアバック配管163b))上に設置できるが、臀部エアバック130と背部エアバック150に直接またはこれらの近傍に設けることが好ましい。特に、上記実施形態においては、安全弁164bは、背部エアバック150の近傍(配管長として10cm以内)に設けることで使用者Uが臀部エアバック130上に着座した際に臀部エアバック130側から背部エアバック150側への空気の流動による独特の着座感を得ることができる。
また、上記実施形態においては、排気弁173a,173bは、弁が閉じた状態において臀部エアバック130および背部エアバック150の各内部の空気を少しずつ流出させるように構成した。しかし、排気弁173a,173bは、弁が閉じた状態において臀部エアバック130および背部エアバック150の各内部の空気を漏らさない弁で構成することもできる。
また、上記実施形態においては、座部110および背もたれ部140は、椅子90の座面91や背もたれ92の各形状に沿って弾性変形する程度の硬さに形成した。しかし、座部110および背もたれ部140は、着座した際やもたれ掛った際に容易に弾性変形しない剛性を有して構成することもできる。この場合、着座サポート具100は、椅子として単独で使用することもできる。また、この場合、背もたれ部140は、座部110に対してリクライニングするように構成することもできる。
また、上記実施形態においては、着座サポート具100は、1つのエアポンプ161によって臀部エアバック130および背部エアバック150にそれぞれ空気を供給するように構成した。しかし、着座サポート具100は、1つのエアポンプ161を切換え弁を介して臀部エアバック130側または背部エアバック150側に切り替えながら空気を供給してもよいし、臀部エアバック130および背部エアバック150ごとにエアポンプ161を備えるようにすることもできる。
U…使用者、
90…椅子、91…座面、92…背もたれ、
100…着座サポート具、
110…座部、111…着座面、112…収納凹部、
121…ポンプ収納凹部、122…配管収納凹部、123…配線収納凹部、124…コントローラ収納凹部、125…バッテリ収納凹部、
130…臀部エアバック、130a…弾性体、130b…外袋、131,132…小型エアバック、
140…背もたれ部、141…背当て部、142…収納凹部、143…逃げ孔、
150…背部エアバック、150a…弾性体、150b…外袋、
161…エアポンプ、162…共通エア配管、163…エアバック配管、163a…臀部エアバック配管、163b…背部エアバック配管、164a,164b…安全弁、165…一方向弁、166…バッテリ、
170…コントローラ、171…制御装置、172…操作子、173a,173b…排気弁、
180…外表カバー。

Claims (9)

  1. 使用者の臀部が載置される着座面を有した座部および前記使用者の背部が宛がわれる背当て面を有した背もたれ部のうちの少なくとも一方と、
    前記着座面および/または前記背受け面における前記臀部および/または前記背部の左右の縁部が対向する部分に同左右の縁部に沿ってそれぞれ形成された左右一対のエアバックと、
    前記一対のエアバックにそれぞれ空気を供給するエアポンプと、
    前記エアポンプの作動を制御する制御装置とを備えることを特徴とする着座サポート具。
  2. 請求項1に記載した着座サポート具において、
    前記座部および/または前記背もたれ部は、
    前記着座面上および/または前記背受け面上から凹状に窪んで形成された収納凹部を有しており、
    前記一対のエアバックは、
    前記収納凹部内に配置されるとともに同収納凹部の外側に張り出して膨張することを特徴とする着座サポート具。
  3. 請求項1または請求項2に記載した着座サポート具において、
    前記座部および前記背もたれ部をそれぞれ備え、
    前記一対のエアバックは、
    前記座部および前記背もたれ部にそれぞれ設けられていることを特徴とする着座サポート具。
  4. 請求項3に記載した着座サポート具において、さらに、
    前記エアポンプから延びて前記座部側の前記一対のエアバックと前記背もたれ部側の前記一対のエアバックとに分岐してそれぞれ延びる共通エア配管と、
    前記共通エア配管における前記分岐部分よりも前記座部側の前記各エアバック側に設けられて同座部側の前記各エアバック側にのみ空気を流通させる一方向弁とを備えることを特徴とする着座サポート具。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した着座サポート具において、さらに、
    前記一対のエアバック内の空気を排出するための排気弁を備え、
    前記排気弁は、
    弁が閉じた状態であっても前記一対のエアバック内の空気を漏らすことを特徴とする着座サポート具。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載した着座サポート具において、
    前記一対のエアバックは、
    内部に弾性体を備えることを特徴とする着座サポート具。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載した着座サポート具において、
    前記座部および/または前記背もたれ部は、
    前記使用者が着座する椅子に配置された場合に同椅子の表面に沿って変形する硬さの弾性体で構成されていることを特徴とする着座サポート具。
  8. 使用者の臀部が載置される着座面を有した座部と、
    前記着座面における前記臀部の左右の縁部が対向する部分に同左右の縁部に沿ってそれぞれ形成された左右一対の臀部エアバックと、
    前記一対の臀部エアバックに空気を供給するエアポンプと、
    前記エアポンプの作動を制御する制御装置とを備えることを特徴とする椅子。
  9. 請求項8に記載した椅子において、さらに、
    前記使用者の背部が宛がわれる背当て面を有した背もたれ部と、
    前記背受け面における前記背部の左右の縁部が対向する部分に同左右の縁部に沿ってそれぞれ形成された左右一対の背部エアバックとを備え、
    前記エアポンプは、
    前記一対の背部エアバックに空気を供給することを特徴とする椅子。
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