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JP6123223B2 - 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 - Google Patents

着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 Download PDF

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JP6123223B2 JP2012232988A JP2012232988A JP6123223B2 JP 6123223 B2 JP6123223 B2 JP 6123223B2 JP 2012232988 A JP2012232988 A JP 2012232988A JP 2012232988 A JP2012232988 A JP 2012232988A JP 6123223 B2 JP6123223 B2 JP 6123223B2
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Description

本発明は、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置に存する。
従来、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタを製造する方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法が知られている。中でも、分光特性、耐久性、パターン形状及び精度等の観点から、平均的に優れた特性を有する、顔料を分散した感光性樹脂による製造法(顔料分散法)が最も広範に採用されている。
顔料分散法は、例えば感光性樹脂に顔料を分散した組成物をガラス等の透明基板上に塗布し、形成した塗膜にフォトマスクを介して放射線照射による露光を行い、未露光部を有機又は無機の現像液で現像処理することにより除去してパターンを形成するものである。
一方、近年、技術革新の流れは急速であり、カラーフィルタに対しては、消費電量を低くするために、より高透過、高コントラスト且つ高濃度(すなわち、高い色濃度)が要求されている。
カラーフィルタで用いられる色材としては、耐熱及び耐光性等の観点から主に顔料が用いられている。このような顔料として、例えば、黄色画素を形成するために、C.I.(カラーインデックス)ピグメントイエロー150やC.I.ピグメントイエロー138が用いられてきた。また、これらの黄色顔料は、赤色画素や緑色画素の補色用としても用いられてきた。
赤色画素として、例えば特許文献1では、C.I.ピグメントレッド254およびC.I.ピグメントレッド177とC.I.ピグメントイエロー150等の黄色顔料を併用することが開示されている。
緑色画素として、例えば特許文献2では、C.I.ピグメントグリーン36にC.I.ピグメントイエロー139とC.I.ピグメントイエロー150等の2種の黄色顔料を併用することが開示されている。更に、例えば特許文献3〜5では、臭素化亜鉛フタロシアニン顔料とC.I.ピグメントイエロー138とを併用することが開示されている。
特開2007−133131号公報 特開2000−131517号公報 特開2003−161827号公報 特開2006−184427号公報 特開2007−291232号公報
しかしながら、特許文献2に開示されているC.I.ピグメントイエロー150(以下、「Y150」と称する場合がある)との併用では、透過率(輝度)の点で不十分な場合があった。
また、特許文献3〜5に開示されているC.I.ピグメントイエロー138(以下、「Y138」と称する場合がある)との併用でも透過率は不十分な場合があった。
更に、カラーフィルタの色材として顔料を用いる場合、透過率すなわち輝度を向上する
ために顔料を粒径1μm以下、好ましくは100nm以下に微分散する必要がある。そのためには、顔料の1次粒子をソルトミリング法等により微細化する工程と、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体をほぐして1次粒子に近い状態の分散体を得る工程を必要とする。また、この1次粒子の分散性と分散安定性を高めるために、分散剤や分散助剤など様々な添加剤を添加する必要があった。
上記を鑑みて、本発明は、得られる画素の輝度が高い着色樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明はまた、輝度に優れたカラーフィルタ、並びに高品質の液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、特定の構造で表される化合物を黄色染料に用いることで上記課題を解決しうることを見出して本発明に到達した。
即ち、本発明は、(A)染料、(B)溶剤、(C)バインダー樹脂を含み、 該(A)染料が、下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」と称する)を含有することを特徴とする着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置に存する。
Figure 0006123223
(上記式(1)中、
及びRは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、
及びRは、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
本発明によれば、得られる画素の輝度が高い着色樹脂組成物を提供することが可能である。
本発明のカラーフィルタは輝度が高く、また高品質の液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することが可能となる。
また、化合物(1)を色材に用いることで、顔料を用いた場合に要する微粒化・分散工程を必要としないため、より生産性が高い着色樹脂組成物を提供することが可能となる。
本発明のカラーフィルタを有する有機EL素子の一例を示す断面概略図である。 着色樹脂組成物を用いて形成された膜の吸光度スペクトル図を表す。横軸は照射光の波長(nm)を表し、縦軸は吸光度を表す。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の記載は本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アク
リル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。
また「全固形分」とは、後記する溶剤成分以外の本発明の着色樹脂組成物の全成分を意味するものとする。
本発明における「色材」とは、「染料」と「顔料」の双方を意味するものとする
C.I.とは、カラーインデックスを意味する。
<着色樹脂組成物>
本発明の着色樹脂組成物は、(A)染料、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含み、更に該(A)染料として化合物(1)を含有し、更に(D)顔料、(E)分散剤、(F)重合性モノマー並びに(G)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含有することが好ましく、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。
先ず、化合物(1)について詳説する。
[化合物(1)について]
Figure 0006123223
(上記式(1)中、
及びRは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、
及びRは、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。)
(構造上の特徴)
本発明の化合物とすることで、得られる画素の輝度が高い理由について、下記の通り推測する。
本発明の化合物(1)は、−C=N−N=C−の骨格(以下、「アジン骨格」と称する場合がある)を有しており共役系が長い。この為、吸収のピーク幅が急峻となり易く、該化合物を含む画素は輝度が高い。
また、化合物(1)は、アジン骨格に4つの置換基(R〜R)を導入することが可能である。即ち、共役系の長いアジン骨格に更に種々の置換基を導入するなどの分子設計により、所望の吸光度や吸収ピーク幅である化合物が得られ易い。
(R及びRについて)
におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってよく、その炭素数が通常1以上、また、通常8以下、好ましくは5以下のものが挙げられる。
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
及びRにおける芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が5〜18であれば特に制限はないが、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、
ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、インデン環、フルオレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、アズレン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が3〜10であれば特に制限はないが、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、ピロール環、インドール環、カルバゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、イソチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ピラゾール環、インダゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、トリアゾール環、ピラン環、クロメン環、チオピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、キナゾリン環、キノキサリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、フェナントリジン環、ペリミジン環、などの基が挙げられる。
における複素環基としては、ピリドン、メルドラム酸、ピラゾリジンジオン、テトロン酸、テトラム酸、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ピロン、クマリン、カルボスチリル等の環基が挙げられる。
及びRは、化合物の安定性の点から、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリドン環、チオフェン環、ピリジン環の基が好ましい。
及びRにおけるアルキル基、芳香族環基及び複素環基が有していてもよい置換基は、例えば下記[置換基群W]の項で記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[置換基群W]
アルキル基、アリール基、−ORで表されるアルコキシ基、−OCORで表されるアシルオキシ基、−SRで表されるアルキルチオ基、−NRRで表されるアミノ基、−NHCORで表されるアシルアミノ基、−NHSORで表されるアルキルスルホニルアミノ基、−CORで表されるアシル基、−COORで表されるアルコキシカルボニル基、−CONRRで表されるアルキルカルバモイル基、−SORで表されるアルキルスルホニル基、−SONRRで表されるアルキルスルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、などが挙げられる。
尚、上記のRは、水素原子、アルキル基又は芳香族炭化水素環基を表す。
Rにおけるアルキル基及び芳香族炭化水素環基は、前記(R及びRについて)の項に記載のものと同様である。好ましい態様も同様である。
上記のRにおけるアルキル基及び芳香族炭化水素環基は、更に置換基を有していてもよい。
(R及びRについて)
における芳香族環基及び複素環基、並びにRにおける芳香族環基は、前記(Rについて)の項で記載のものと同様である。好ましい態様及び有していてもよい置換基も同様である。
及びRは、化合物の安定性の点から、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリドン環、チオフェン環、ピリジン環の基が好ましく、特に好ましくは、1個の遊離原子価を有するベンゼン環の基(フェニル基)及びピリドン環の基(ピリドニル基)である。
更に、R及びRが同一環の基である、対称性の高い化合物である場合、分子内の電子密度の勾配を共役系の半分の長さで実現することが必要であることから、強力な電子求引性基又は電子供与性基の環の基であることが好ましく、具体的には、アミノフェニル環
、アルコキシフェニル環やピリドン環が好ましい。
[化合物(2)について]
前記式(1)で表される化合物は、得られる画素の輝度がより高い点で、下記式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」と称する)であることが好ましい。
Figure 0006123223
(上記式(2)中、R及びRは、前記式(1)におけると同義である。
は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、カルボキシ基又は置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基を表す。
は、水素原子、シアノ基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいモノアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいジアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいモノアリールカルバモイル基、置換基を有していてもよいジアリールカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアリールカルバモイル基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、置換基を有していてもよいモノアルキルスルファモイル基、置換基を有していてもよいジアルキルスルファモイル基、置換基を有していてもよいモノアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいジアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、又は置換基を有していてもよいアリールスルホニル基を表す。
は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。)
[化合物(2)の構造上の特徴]
本発明の化合物(1)中、更に、化合物(2)であることが好ましい理由について、下記の通り推測する。
化合物(2)は、化合物(1)におけるRがピリドン環の基である。つまり、共役系の長いアジン骨格に、更にピリドン環の基を有することで、より共役系が延びることとなる。さらにピリドン環は値強い電子求引性基であるため分子内の電子密度の勾配がより大きくなるため、化合物の吸収スペクトルがより急峻になり易く、得られる画素の輝度が高くなる。
(Rについて)
におけるアルキル基の炭素数は、通常1以上、好ましくは10以下、更に好ましくは5以下である。該アルキル基への好ましい置換基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6−20のアリール基、水酸基、ハロゲン原子などが挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
また、アリール基の炭素数は、通常6以上、好ましくは30以下、更に好ましくは10以下である。該アリール基への好ましい置換基としては炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。アリール基の具体例としてはフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、フルオロフェニル基、などが挙げられる。
アルキルオキシカルボニル基の炭素数は、通常2以上、好ましくは11以下、更に好ましくは7以下である。該アルキルオキシカルボニル基への好ましい置換基としては炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。アルキルオキシカルボニル基の具体例としてはカルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基などが挙げられる。
としては、ピリドン環が安定化しやすい点で、水素原子、メチル基、プロピル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、エトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基などが挙げられる。
におけるアルキル基、アリール基及びアルキルオキシカルボニル基が有していてもよい置換基としては、前記(置換基群W)の項のものが挙げられる。
(Rについて)
におけるモノアルキルカルバモイル基は、炭素数が通常2以上、通常30以下、好ましくは20以下である。該モノアルキルカルバモイル基への好ましい置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
アルキルカルバモイル基の具体例としては、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、フェネチルカルバモイル基、2−エチルヘキシルカルバモイル基、2−エトキシエチルカルバモイル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチルカルバモイル基、トリクロロエチルカルバモイル基、等が挙げられる。
におけるジアルキルカルバモイル基は、炭素数が通常3以上、通常60以下、好ましくは40以下である。該ジアルキルカルバモイル基への好ましい置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
ジアルキルカルバモイル基の具体例としては、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ジシクロヘキシルカルバモイル基、エチルメチルカルバモイル基、ジ(2-エチルヘキシル)カルバモイル基、等が挙げられる。
におけるモノアリールカルバモイル基は、炭素数が通常7以上、通常21以下、好ましくは13以下である。該モノアリールカルバモイル基への好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
アリールカルバモイル基の具体例としては、フェニルカルバモイル基、ナフチルカルバモイル基、p−トリルカルバモイル基、p−メトキシフェニルカルバモイル基、等が挙げられる。
におけるジアリールカルバモイル基は、炭素数が通常13以上、通常40以下、好ましくは21以下である。該ジアリールカルバモイル基への好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
ジアリールカルバモイル基の具体例としては、ジフェニルカルバモイル基、ジナフチルカルバモイル基、ジp−トリルカルバモイル基、ジp−メトキシフェニルカルバモイル基、フェニルナフチルカルバモイル基、等が挙げられる。
におけるアルキルアリールカルバモイル基は、炭素数が通常8以上、通常31以下、好ましくは20以下である。該アルキルアリールカルバモイル基への好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
アルキルアリールカルバモイル基の具体例としては、フェニルメチルカルバモイル基、
ナフチルブチルカルバモイル基、エチルp−トリルカルバモイル基、イソブチルp−メトキシフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル基、等が挙げられる。
におけるアルキルオキシカルボニル基は、炭素数2以上、通常11以下、好ましくは9以下である。該アルキルオキシカルボニル基への好ましい置換基としては炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。アルキルオキシカルボニル基の具体例としてはカルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基などが挙げられる。
におけるアリールオキシカルボニル基は、炭素数が通常7以上、通常20以下、好ましくは10以下である。該アリールオキシカルボニル基への好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。アリールオキシカルボニル基の具体例としては、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、エトキシフェニルカルボニル基、等が挙げられる。
におけるモノアルキルスルファモイル基は、炭素数が通常1以上、通常30以下、好ましくは20以下である。該モノアルキルスルファモイル基への好ましい置換基としては、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子などが挙げられる。モノアルキルスルファモイル基の具体例としては、メチルスルファモイル基、イソプロピルスルファモイル基、メトキシエチルスルファモイル基、等が挙げられる。
におけるジアルキルスルファモイル基は、炭素数が通常2以上、通常60以下、好ましくは30以下である。該ジアルキルスルファモイル基への好ましい置換基としては、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子などが挙げられる。ジアルキルスルファモイル基の具体例としては、ジメチルスルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、ビス(メトキシエチル)スルファモイル基、ベンジルメチルスルファモイル基ビス(トリフルオロメチル)スルファモイル基等が挙げられる。
におけるモノアリールスルファモイル基は、炭素数が通常6以上、通常30以下、好ましくは20以下である。該モノアリールスルファモイル基への好ましい置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。モノアリールスルファモイル基の具体例としては、フェニルスルファモイル基、ナフチルスルファモイル基、イソプロポキシフェニルスルファモイル基、o−フルオロフェニルスルファモイル基、等が挙げられる。Rにおけるジアリールスルファモイル基は、炭素数が通常12以上、通常60以下、好ましくは30以下である。該ジアリールスルファモイル基への好ましい置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。ジアリールスルファモイル基の具体例としては、ジフェニルスルファモイル基、ジナフチルスルファモイル基、(イソプロポキシフェニル)(p−トリル)スルファモイル基、ビス(ペンタフルオロフェニル)スルファモイル基、等が挙げられる。
におけるアルキルアリールスルファモイル基は、炭素数が通常7以上、通常30以下、好ましくは20以下である。該アルキルアリールスルファモイル基への好ましい置換基としては、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子などが挙げられる。アルキルアリールスルファモイル基の具体例としては、フェニルメチルスルファモイル基、イソブチルナフチルスルファモイル基、シクロヘキシルイソプロポキシフェニルスルファモイル基、フェニル(メトキシエチル)スルファモイル基、等が挙げられる。
におけるアルキルスルホニル基は、炭素数が通常1以上、通常20以下、好ましくは10以下である。該アルキルスルホニル基への好ましい置換基としては、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子などが挙げられる。アルキルスルホニル基の具体例としては
、メチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、メトキシエチルスルホニル基、クロロメチルスルホニル基、フェネチルスルホニル基、等が挙げられる。
におけるアリールスルホニル基は、炭素数が通常6以上、通常20以下、好ましくは10以下である。該アリールスルホニル基への好ましい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。アリールスルホニル基の具体例としては、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、メチルフェニルスルホニル基、ブトキシフェニルスルホニル基、パーフルオロフェニルスルホニル基、等が挙げられる。
としては、電子密度の勾配を形成しやすいという点で、水素原子、シアノ基、エトキシカルボニル基、フェニルスルホニル基、等が挙げられる。
(Rについて)
におけるアルキル基は、炭素数が通常1以上、好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。該アルキル基が有していてもよい基としては、炭素数1〜15のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル基等が挙げられる。
におけるアリール基は、炭素数が通常6以上、また好ましくは30以下、更に好ましくは25以下である。該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等があげられる。該アリール基に置換していてもよい基としては、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
におけるアリール基は、炭素数6以上、通常30以下、好ましくは10以下である。該アリール基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルカルバモイル基、ハロゲン原子などが挙げられる。アリール基の具体例としてはフェニル基、ナフチル基、イソプロピルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、フルオロフェニル基、などが挙げられる。
における複素環基は、炭素数が通常3以上、また好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。該1価の複素環基としては、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾチアゾリニル基、フタルイミドイル基、ベンズイミダゾロニル基、フリル基、チオフェニル基等が挙げられる。該1価の複素環基に置換していてもよい基としては、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基ななどが挙げられる。1価の複素環基の具体例としては、2−ピロリル基、2−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、2−チアゾリル基、2−オキサゾリル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、4−ピリジニル基、2−ピリミジニル基、4,6−ジアミノ−2−トリアジニル基、8−キノリニル基、8−イソキノリニル基、2−ベンゾチアゾリニル基、6−メチル−7−スルホ−2−ベンゾチアゾリニル基、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル基、1H−ベンズイミダゾール−2−イル基、2−フリル基、2−チオフ
ェニル基が挙げられる。
としては、化合物の、溶剤に対する溶解度を調整しやすいという点で、水素原子、2−エチルヘキシル基、エトキシカルボニルブチル基、p−ペンチルフェニル基、等が挙げられる。
<具体例>
以下に、化合物(1)の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006123223
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Figure 0006123223
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(分子量)
本発明の化合物(1)の分子量は、通常200以上、また通常1000以下、好ましくは700以下である。
上記範囲内であると、合成が容易である点で好ましい。
<合成法>
本発明の化合物(1)は、公知の例えば、下記式で表される反応(2分子のカルボニル化合物と1分子のヒドラジンとの反応)を行うことで合成することが可能である。
Figure 0006123223
尚、カルボニル化合物とヒドラジンのカップリングは、逐次行いヒドラゾン化合物を経由してもよいし、一度にカップリングさせてもよい。
また、カルボニル化合物は各種公知の方法で製造できる。例えばビルスマイヤー反応などホルミル化反応、フリーデルクラフツ反応などアシル化反応などが挙げられる。
また、エナミン、エノールエーテルなどカルボニル等価体を用いてもよい。
(含有量)
本発明の着色樹脂組成物は、化合物(1)を全固形分中、通常0.1重量%以上好まし
くは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下の割合で含有する。
また、後述の(D)顔料に対して、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、特に好ましくは10重量%以上、また好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、特に好ましくは40重量%以下の割合で含有する。
上記上限以下であると、塗膜の硬化性が低下し難く、膜強度が十分であるため好ましい。また、上記下限以上であると、着色力が十分であることから、所望の濃度の色度が得られ易く、また膜厚が厚くなり難いため好ましい。
本発明の着色樹脂組成物中には、化合物(1)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
更に、他の染料の1種又は2種以上が含まれていてもよい。
また、緑色画素を形成するための着色樹脂組成物とする場合、着色樹脂組成物中の全黄色染料の含有量は、組成物中、好ましくは1重量%以上、又は好ましくは30重量%以下である。
この場合、更に化合物(1)の含有量は、該全黄色染料の固形分中、30重量%以上であることが好ましい。
[(B)溶剤]
本発明の着色樹脂組成物は、(B)溶剤を含有する。溶剤は、着色樹脂組成物に含まれる各成分を溶解または分散させ、粘度を調節する機能を有する。
該(B)溶剤としては、着色樹脂組成物を構成する各成分を溶解または分散させることができるものであればよく、沸点が100〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。
このような溶剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジアミルエーテル
、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価または多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状または環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記溶剤中、前述の本発明に係る(A)染料の溶解性の点から、グリコールモノアルキルエーテル類が好ましい。中でも、特に組成物中の各種構成成分の溶解性の点からプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
また、例えば任意成分として後述する(D)顔料を含む場合には、塗布性、表面張力などのバランスがよく、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、溶剤としてさらにグリコールアルキルエーテルアセテート類を混合して使用することがより好ましい。なお、顔料を含む組成物中では、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、顔料を凝集させる傾向があり、着色樹脂組成物の粘度を上げる等、保存安定性を低下させる場合がある。このため、グリコールモノアルキルエーテル類の使用量は過度に多くない方が好ましく、(B)溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5〜50重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。
また、最近の大型基板等に対応したスリットコート方式への適性という観点からは、150℃以上の沸点をもつ溶剤を併用することも好ましい。この場合、このような高沸点溶剤の含有量は、(B)溶剤全体に対して3〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましく、5〜30重量%が特に好ましい。
上記範囲内であると、スリットノズル先端で顔料などが析出・固化することによる異物欠陥が起き難く、また乾燥速度が適度である為、後述するカラーフィルタ製造工程における、減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡などが起き難い。
なお、沸点150℃以上の溶剤は、グリコールアルキルエーテルアセテート類であっても、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上
の溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
本発明の着色樹脂組成物は、インクジェット法によるカラーフィルタ製造に供してもよいが、インクジェット法によるカラーフィルタ製造においては、ノズルから発せられるインクは数〜数十pLと非常に微小であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、(B)溶剤が沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。特に、沸点が200℃以上、とりわけ沸点が220℃以上の溶剤を含有することが好ましい。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は、(B)溶剤中50重量%以上であることが好ましい。このような高沸点溶剤の割合が50重量%未満である場合には、インク液滴からの溶剤の蒸発防止効果が十分に発揮されないおそれがある。
本発明の着色樹脂組成物において、(B)溶剤の含有量に特に制限はないが、その上限は通常99重量%とする。組成物中の(B)溶剤の含有量が99重量%を超える場合は、(B)溶剤を除く各成分の濃度が小さくなり過ぎて、塗布膜を形成するには不適当となるおそれがある。一方、(B)溶剤の含有量の下限値は、塗布に適した粘性等を考慮して、通常75重量%、好ましくは80重量%、更に好ましくは82重量%である。
[(C)バインダー樹脂]
(C)バインダー樹脂は、着色樹脂組成物の硬化手段により好ましいものが異なる。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、又は該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られる、アルカリ可溶性樹脂(以下、「樹脂(C−1)」と称す場合がある。)
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C−2)(以下、「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
尚、樹脂(C−2)〜(C−5)は、アルカリ性の現像液によって溶解され、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有するものであれば何でもよく、各々、特開2009−025813号公報の同項目として記載のものと同様である。好ましい態様も同様である。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレー
ト5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
そのエポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等が例示できる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。これらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと共重合させる他のラジカル重合性単量体としては、本発明の効果を損わない限り特に制限はなく、例えば、ビニル芳香族類、ジエン類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、ビニル化合物類、不飽和ジカルボン酸ジエステル類、モノマレイミド類などが挙げられるが、特に下記式(7)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
下記式(7)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、10〜70モル%含有するものが更に好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
Figure 0006123223
上記式(7)中、R89は水素原子又はメチル基を示し、R90は下記式(8)で表される構造を示す。
Figure 0006123223
上記式(8)中、R91〜R98は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキ
ル基を表す。尚、R96とR98とが、互いに連結して環を形成していてもよい。
96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(8)で表される構造中、特に下記構造式(8a)、(8b)、又は(8c)で表されるものが好ましい。
Figure 0006123223
尚、前記式(8)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記式(8)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
上記モノマー群から選択された少なくとも1種に由来する繰返し単位の含有量が、1〜70モル%であるものが好ましく、3〜50モル%であるものが更に好ましい。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記範囲内であると、後述の重合性成分及びアルカリ可溶性成分の付加量が十分であり、また、耐熱性や膜の強度が十分であるため好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、α−位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基などで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましくは(メタ)アクリル酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂に重合性を付与することができる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させたときに生じる水酸基に付加させる多塩基酸無水物としては、公知のものが使用できる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような成分を付加させることにより、本発明で用いるバインダー樹脂にアルカリ可溶性を付与することができる。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
上記範囲内であると、現像時の残膜率及び溶解性が十分であるため好ましい。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
上述のバインダー樹脂(C−1)の、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3000〜100000が好ましく、5000〜50000が特に好ましい。上記範囲内であると、耐熱性や膜強度、更に現像液に対する溶解性が良好である点で好ましい。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
なお、バインダー樹脂(C−1)の酸価は、通常10〜200mg−KOH/g、好ましくは15〜150mg−KOH/g、更に好ましくは25〜100mg−KOH/gである。酸価が低くなりすぎると、現像液に対する溶解性が低下する場合がある。逆に、高
すぎると、膜荒れが生じる場合がある。
着色樹脂組成物における(C)バインダー樹脂の含有量は、全固形分中、通常0.1〜80重量%、好ましくは1〜60重量%である。
上記範囲内であると、基板への密着性が良好であり、また露光部への現像液の浸透性が適度で、画素の表面平滑性や感度が良好である点で好ましい。
[(D)顔料]
本発明の顔料分散液は、(D)顔料を含有する。
(D)顔料として、通常、赤色顔料、緑色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料等各種の色の顔料を使用することができる。
各種顔料の化学構造としては、例えばアゾ系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。これらの他に種々の無機顔料等も利用可能である。
尚、本発明に使用できる顔料は、以下にその具体例をピグメントナンバーで示すが、これら例示によって限定されるものではない。
先ず赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276等を挙げることができる。これらの中で、本発明の特定の不飽和基含有樹脂との親和性が高く、より本発明の効果が得られ易い点で、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254等であり、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、242、254等であり、特に好ましくはC.I.ピグメントレッド177及び254である。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58等を挙げることができる。これらの中で、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36、58等であり、特に好ましくはC.I.ピグメントグリーン58である。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180
、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、及び下記<顔料Y>で定義される顔料(以下、「顔料Y」と称する)が挙げられる。
<顔料Y>
下記構造式で表されるアゾバルビツール酸のニッケルとの1:1錯体又はその互換異性体に、他の化合物が挿入されてなる化合物。
Figure 0006123223
また、前記他の化合物としては、下記式(I−1)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0006123223
これらの中で、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、154、155、180、185、及び前記2公報記載の顔料等であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、180、及び顔料Y等である。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6を挙げることができる。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等を挙げることができる。これらの中で、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23等であり、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23等である。
オレンジ顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、4
9、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79等を挙げることができる。これらの中で、好ましくはピグメントオレンジ38、71等である。
又、本発明の顔料分散液を使用し、後述するように着色樹脂組成物を調製してカラーフィルタの樹脂ブラックマトリックスを形成してもよく、その場合には、黒色顔料を使用することができる。尚、黒色顔料は、単独で使用してもよく、赤色、緑色、青色等の顔料を混合して使用してもよい。又、無機顔料であっても有機顔料であってもよい。
又、本発明に使用可能な無機顔料として、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム等が挙げられる。
尚、上記各種の顔料は、複数種を併用することもできる。例えば、色度の調整のために、(D)顔料として、赤色顔料と黄色顔料とを併用したり、緑色顔料と黄色顔料とを併用したりすることができる。
又、本発明における顔料は、その平均一次粒径が、通常100nm以下、好ましくは80nm以下、より好ましくは10nm以上70nm以下である。本発明は、高度に微粒化された顔料を含む組成物の場合に特に有効であるため、平均一次粒径10nm以上60nm以下である顔料を含む場合が特に好ましい。
使用する顔料の平均一次粒径を上記範囲とすることにより、消偏特性を良好に保ち、高いコントラストや透過率などを実現し、又、分散安定性が良好で、耐熱性や耐光性にも優れたカラーフィルタ用顔料分散液及び着色樹脂組成物を得ることができる。
尚、顔料の一次粒径は次の方法で求めることができる。
先ず、顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。但し、有機顔料の場合は、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個(通常200〜300個程度)の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求める。得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し平均粒径を求める。
Figure 0006123223
こうして得られた顔料は、単独で使用してもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で1種又は2種以上の顔料を混合して用いることができる。
上記顔料の中でも、特に、緑色画素を形成する為の着色樹脂組成物とする場合、緑色顔料と化合物(1)とを組み合わせることが好ましく、特にC.I.ピグメントグリーン58との組合せであることが好ましい。この場合、更にその他の顔料を含んでいてもよい。
本発明における(D)顔料の含有量は、顔料分散液の全固形分に対し、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下であり、又、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上である。
また、本発明における(D)顔料の含有量は、着色樹脂組成物の全固形分に対して、通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下、更に好ましくは30重量%以下、また通常3重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上である。
上記範囲内であると、色濃度に対する膜厚が適度であり、液晶セル化の際のギャップ制
御等に悪影響を及ぼすことなく、且つ十分な画像形成性が得られるうえ、顔料の分散状態も維持され、凝集や沈降が生じにくく、結果として、増粘や輝度・コントラストの低下などといった問題を解消することができる点で好ましい。
[分散剤]
本発明の着色樹脂組成物が、(D)顔料を含む場合、更に分散剤を含有することが好ましい。
本発明における分散剤は、顔料が分散し、安定を保つことができれば特に種類を問わない。
例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、ブロック共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩又はリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等を挙げることができる。これら分散剤の中で、ブロック共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポリマーが好ましい。特にブロック共重合体が好ましく、この中でも親溶剤性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体が好ましい。
具体的には、窒素原子含有官能基を有するBブロックとして、側鎖に4級アンモニウム塩基、及び/又はアミノ基を有する単位構造が挙げられ、一方、親溶剤性のAブロックとして、4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有さない単位構造が挙げられる。
係るアクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックは、4級アンモニウム塩基、及び/又はアミノ基を有する単位構造を有し、顔料吸着機能を持つ部位である。
又、係るBブロックとして、4級アンモニウム塩基を有する場合、当該4級アンモニウム塩基は、直接主鎖に結合していてもよいが、2価の連結基を介して主鎖に結合していてもよい。
このようなブロック共重合体としては、例えば、特開2009−025813号公報に記載のものが挙げられる。
また、本発明の着色樹脂組成物は、上記した以外の分散剤を含んでいてもよい。その他の分散剤としては、例えば、例えば特開2006−343648号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物が、顔料を含有する場合、分散剤の全固形分中の含有量は、顔料の総含有量の2〜1000重量%、特に5〜500重量%、とりわけ10〜250重量%の範囲内となるように用いることが好ましい。
上記範囲内とすることで、化合物(1)の耐熱性に影響を及ぼすことなく、良好な顔料分散性を確保することができ、また顔料の分散安定性がより良好となる点で好ましい。
[(F)重合性モノマー]
本発明の着色樹脂組成物は、(F)重合性モノマーを含有することが好ましい。
(F)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)が好ましい。
エチレン性化合物は、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述する光重合開始成分の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。尚、本発明における(F)重合性モノマーは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する。
(F)重合性モノマーにおけるエチレン性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル
酸等の不飽和カルボン酸;モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル;ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物;等が挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、これら(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリル酸部分を、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、或いは、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、単一物であってもよく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ〔1,1,1−トリ(メタ)アクリロイルオキシメチル〕プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応物が挙げられる。
その他、本発明に用いられるエチレン性化合物の例としては、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、エチレン性化合物は酸価を有するモノマーであってもよい。酸価を有するモノマーとしては、例えば、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能単量体が好ましく、特に好ましくは、このエステルに
おいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。
これらの単量体は1種を単独で用いてもよいが、製造上、単一の化合物を得ることは難しいことから、2種以上の混合物を使用してもよい。
また、必要に応じて(F)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。
上記範囲内であると、現像溶解特性が低下しにくく、また製造や取り扱いが容易である。更に、光重合性能が落ち難く、画素の表面平滑性等の硬化性が良好であるため好ましい。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(F)重合性モノマーの含有量は、全固形分中、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上であり、また、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下、更に好ましくは50重量%以下、特に好ましくは40重量%以下である。
また、(F)重合性モノマーの前記(A)染料に対する比率は、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、また、通常200重量%以下、好ましくは100重量%以下、更に好ましくは80重量%以下である。
上記範囲内であると、光硬化が適度であり、現像時の密着不良が置き難く、また現像後の断面が逆テーパー形状になり難く、更に溶解性低下による剥離現象・抜け不良が置き難いため好ましい。
[(E)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分]
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(E)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色樹脂組成物が、(C)成分としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、(D)成分としてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始成分及び/又は熱によって重合活性ラジカルを発生する熱重合開始成分を含有することが好ましい。なお、本発明において光重合開始成分としての(E)成分とは、光重合開始剤(以下、任意に「(E1)成分」とも称する)に重合加速剤(以下、任意に「(E2)成分」とも称する)、増感色素(以下、任意に「(E3)成分」とも称する)などの付加剤が併用されている混合物を意味する。
[(E)光重合開始成分]
本発明における(E)光重合開始成分は、通常、(E1)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(E2)重合加速剤及び(E3)増感色素等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
光重合開始成分を構成する(E1)光重合開始剤としては、例えば、特開昭59−15
2396号、特開昭61−151197号各公報等に記載のチタノセン誘導体類;特開平10−300922号、特開平11−174224号、特開2000−56118号各公報等に記載されるヘキサアリールビイミダゾール誘導体類;特開平10−39503号公報等に記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体類、ハロメチル−s−トリアジン誘導体類、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノアルキルフェノン誘導体類;特開2000−80068号公報等に記載のオキシムエステル系誘導体類等が挙げられる。
具体的には、例えば国際公開第2009/107734号パンフレット等に記載の光重合開始剤等が挙げられる。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
また、オキシムエステル系誘導体類としては、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(o−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕,1−(o−アセチルオキシム)、及び下記式(3)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006123223
(上記式(3)中、
Zは、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。
nは、0又は1の整数を表す。
mは、0〜20の整数を表す。
Xは、−CR9495−、−C(=CR9697)−、−CR98=CR99−及び−C≡C−からなる群より選ばれる1つの基又はこれらが2以上結合してなる基を表す。
96〜R99は、各々独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
94、R95及びR101は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、それぞれ置換基を有していてもよい、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数2〜20の1価の非芳香族ヘテロ環基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のN-置換アミノ基、炭素数1〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜20のアリールスルフィニル基、カルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルカルバモイル基、炭素数7〜20のアリールカルバモイル基、炭素数1〜20のアミノオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルキルスルファニル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜
12のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数3〜12のアルキニルオキシカルボニル基、炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基、炭素数3〜12のヘテロアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜12のアルキルスルファニルカルボニル基、炭素数3〜12のアルケニルスルファニルカルボニル基、炭素数3〜12のアルキニルスルファニルカルボニル基、炭素数7〜12のアリールスルファニルカルボニル基、炭素数3〜12のヘテロアリールスルファニルカルボニル基、炭素数2〜12のアルキルスルファニルアルコキシ基、−O−N=CR3031、−N(OR30)−OCO−R31又は下記式(4)で表される基
Figure 0006123223
(R30及びR31は、各々独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表す。)
101は、Zと結合して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
102は、置換基を有していてもよい、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜25のアルケニルカルボニル基、炭素数4〜8のシクロアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリールカルボニル基基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を表す。
103は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基又は6〜20のアリール基を表し、
104〜R109は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。)
(Zについて)
Zは、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。
該芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が5〜18であれば特に制限はないが、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環、インデン環などの基が挙げられる。
また、芳香族複素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が3〜10であれば特に制限はないが、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェ
ン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環、アクリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、ベンゾチアゾール環などの基が挙げられる。
尚、Zにおける芳香族環基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記[置換基群W]の項に記載のものが挙げられる。
[置換基群W]
炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基。
(nについて)
nは、0又は1の整数を表す。
スプレー現像における画像の形成との効果が、より良好に得られ易い点で、nは0であることが好ましい。
(mについて)
mは、0〜20の整数を表す。
グラム当たりのラジカル活性種の発生量が高く、更に製造が簡便な点で、mは、0〜5であることが好ましい。
(X及びR101について)
Xは、−CR9495−、−C(=CR9697)−、−CR98=CR99−及び−C≡C−からなる群より選ばれる1つの基又はこれらが2以上結合してなる基を表す。
mが2以上である場合、一分子中に含まれる複数のXは、同じでもよく、また異なっていてもよい。
96〜R99は、各々独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
94、R95及びR101は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、それぞれ置換基を有していてもよい、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数2〜20の1価の非芳香族ヘテロ環基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のN-置換アミノ基、炭素数1〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜20のアリールスルフィニル基、カルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルカルバモイル基、炭素数7〜20のアリールカルバモイル基、炭素数1〜20のアミノオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルキルスルファニル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜12のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数3〜12のアルキニルオキシカルボニル基、炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基、炭素数3〜12のヘテロアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜12のアルキルスルファニルカルボニル基、炭素数3〜12のアルケニルスルファニルカルボニル基、炭素数3〜12のアルキニルスルファニルカルボニル基、炭素数7〜12のアリールスルファニルカルボニル基、炭素数3〜12のヘテロアリールスルファニルカルボニル基、炭素数2〜12のアルキルスルファニルアルコキシ基、−O−N=CR3031、−N(OR30)−OCO−R31又は下記式(4)で表される基
Figure 0006123223
(R30及びR31は、各々独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表す。)
101は、Zと結合して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
102は、置換基を有していてもよい、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜25のアルケニルカルボニル基、炭素数4〜8のシクロアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリールカルボニル基基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を表す。)
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。中でも求核置換反応に対して比較的安定なフッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基は、好ましくは炭素数が6以上、12以下で、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。該アリール基に置換していてもよい基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、p−メトキシフェニル基、メシチル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基は、ヘテロ原子として窒素原子、硫黄原子及び酸素原子のいずれか一つを含む芳香族環で、好ましくは炭素数が2以上、12以下である。ヘテロアリール基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。該1価の非芳香族ヘテロ環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾチアゾリニル基、フタルイミドイル基、ベンズイミダゾロニル基、フリル基、チオフェニル基、ピラニル基、インドリニル基、イソインドリニル基等が挙げられる。該ヘテロアリール基に置換していてもよい基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。ヘテロアリール基の具体例としては、2−ピロリル基、2−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、2−チアゾリル基、2−オキサゾリル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、4−ピリジニル基、2−ピリミジニル基、4,6−ジアミノ−2−トリアジニル基、8−キノリニル基、8−イソキノリニル基、2−ベンゾチアゾリニル基、6−メチル−7−スルホ−2−ベンゾチアゾリニル基、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル基、1H−ベンズイミダゾール−2−イル基、2−フリル基、2−チオフェニル基、1−インドリニル基、2−イソイン
ドリニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2〜20の1価の非芳香族ヘテロ環基は、ヘテロ原子として窒素原子、硫黄原子及び酸素原子のいずれか一つを含む非芳香族環で、好ましくは炭素数が2以上、12以下である。1価の非芳香族ヘテロ環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。該1価の非芳香族ヘテロ環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、ピペリジニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基等が挙げられる。該1価の非芳香族ヘテロ環基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。1価の非芳香族ヘテロ環基の具体例としては、1−ピペリジニル基、1−ピロリジニル基、1−イミダゾリジニル基、1−ピラゾリジニル基、1−ピペラジニル基、1−モルホリニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基は、好ましくは炭素数が1以上、10以下である。該アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−アミルオキシ基、t−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ヒドロキシエトキシ基、1,2−ジヒドロキシプロポキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ基、2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ基、2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等の炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルコキシ基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基は、好ましくは炭素数が6以上、14以下である。該アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセニルオキシ基等が挙げられる。該アリールオキシ基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基、3−トリルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−シクロヘキシルフェノキシ基等の置換基を有していてもよいアリールオキシ基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜20のアルキルカルバモイル基は、−CO−NR11b12bで表され、R11b及びR12bは、各々独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。該アルキル基は、炭素数が通常1以上、また通常19以下、好ましくは12以下である。該アルキル基に置換していてもよい基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。該アルキルアミノ基の具体例としては、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジ(2
−エトキシエチル)アミノ基、ジフェネチルエチルアミノ基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられる。該アルキルカルバモイル基の具体例としては、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、フェネチルカルバモイル基、2−エチルヘキシルカルバモイル基、2−エトキシエチルカルバモイル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアリールカルバモイル基は、−CO−NR13b14bで表され、R13bは置換基を有していてもよいアリール基を表す。R14bは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R11b及びR12bのアルキル基の場合に例示したものと同様である。
該アリール基は、炭素数が通常6以上、また通常19以下、好ましくは12以下で、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。該アリール基に置換していてもよい基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、p−メトキシフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。該アリールカルバモイル基の具体例としては、フェニルカルバモイル基、ナフチルカルバモイル基、p−トリルカルバモイル基、p−メトキシフェニルカルバモイル基、フェニルメチルカルバモイル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基は、−COR15bで表され、R15bは置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R11b及びR12bのアルキル基の場合に例示したものと同様である。該アリール基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R48のアリール基の場合に例示したものと同様である。該アシル基の具体例としては、アセチル基、エチルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、ベンゾイル基、p−トリルカルボニル基、m−トリルカルボニル基、p−メトキシフェニルカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシルオキシ基は、−O−COR16bで表され、R16bは置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R11b及びR12bのアルキル基の場合に例示したものと同様である。該アリール基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R13bのアリール基の場合に例示したものと同様である。該アシル基の具体例としては、アセトキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−トリルカルボニルオキシ基、m−トリルカルボニルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のN-置換アミノ基は、−NR17b18
で表され、R17bは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。R18bは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R11b及びR12bのアルキル基の場合に例示したものと同様である。該アリール基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R13bのアリール基の場合に例示したものと同様である。該N-置換アミノ基の具体例としては
、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジ(2−エトキシエチル)アミノ基、ジフェネチルエチルアミノ基、シクロヘキシルエチル基、フ
ェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(p−トリル)アミノ基、ジ(p−メトキシフェニル)アミノ基、エチルフェニルアミノ基、n−ブチルフェニルアミノ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基は、好ましくは炭素数が3以上、12以下である。該シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、デカリニル基等が挙げられる。該シクロアルキル基に置換していてもよい基としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、デカリニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基は、−SO−R19bで表され、R19bは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R11b及びR12bのアルキル基の場合に例示したものと同様である。該アルキルスルホニル基の具体例としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェネチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、2−エトキシエチルスルホニル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールスルホニル基は、−SO−R20bで表され、R20bは置換基を有していてもよいアリール基を表す。該アリール基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R13bのアリール基の場合に例示したものと同様である。該アリールスルホニル基の具体例としては、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、p−トリルスルホニル基、p−メトキシフェニルスルホニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基は、−SO−R21bで表され、R21bは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R11b及びR12bのアルキル基の場合に例示したものと同様である。該アルキルスルフィニル基の具体例としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェネチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、2−エトキシエチルスルフィニル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチルスルフィニル基、トリフルオロメチルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールスルフィニル基は、−SO−R22bで表され、R22bは置換基を有していてもよいアリール基を表す。該アリール基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R13bのアリール基の場合に例示したものと同様である。該アリールスルフィニル基の具体例としては、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、p−トリルスルフィニル基、p−メトキシフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキルスルファニル基は、−S−R23bで表され、R23bは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R11b及びR12bのアルキル基の場合に例示したものと同様である。該アルキルスルファニル基の具体例としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、フェネチルスルファニル基、2−エチルヘキシルスルファニル基、2−エトキシエチルスルファニル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチルスルファニル基、トリフルオロメチルスルファニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基は、−CO−OR
4bで表され、R24bは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R11b及びR12bのアルキル基の場合に例示したものと同様である。該アルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、2−エトキシエトキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜12のアルケニルオキシカルボニル基は、−CO−OR25bで表され、R25bは置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。該アルケニル基は、炭素数が通常1以上、また通常11以下、好ましくは8以下である。該アルケニル基に置換していてもよい基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、メタニル基等が挙げられる。アルケニルオキシカルボニル基の具体例としては、ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基などの炭素数3〜12のアルケニルオキシカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜12のアルキニルオキシカルボニル基は、−CO−OR26bで表され、R26bは置換基を有していてもよいアルキニル基を表す。該アルキニル基は、炭素数が通常1以上、また通常11以下、好ましくは8以下である。該アルキニル基に置換していてもよい基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルキニル基の具体例としては、メチニル基、プロピニル基、ブチニル基等が挙げられる。アルキニルオキシカルボニル基の具体例としては、メチニルオキシカルボニル基、プロピニルオキシカルボニル基などの炭素数3〜12のアルキニルオキシカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基は、−CO−OR27bで表され、R27bは置換基を有していてもよいアリール基を表す。該アリール基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R13bのアリール基の場合に例示したものと同様である。アリールオキシカルボニル基の具体例は、フェニルオキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、p−トリルオキシカルボニル基、p−メトキシフェニルオキシカルボニル基などの炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜12のヘテロアリールオキシカルボニル基は、−CO−OR28bで表され、R28bは置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。該ヘテロアリール基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R94、R95及びR101におけるヘテロアリール基が有していてもよい置換基と同様である。ヘテロアリールオキシカルボニル基の具体例は、8−キノリニルオキシカルボニル基、2−フラニルオキシカルボニル基、3−フラニルオキシカルボニル基、2−ピリジルオキシカルボニル基、3−ピリジルオキシカルボニル基、4−ピリジルオキシカルボニル基、2−ベンゾチアゾリルオキシカルボニル基などの炭素数3〜12のヘテロアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルキルスルファニルカルボニル基は、−CO−SR29bで表され、R29bは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R11b及びR12bのアルキル基の場合に例示したものと同様である。該アルキルスルファニルカルボニル基の具体例としては、メチルスルファニルカルボニル基、エチルスルファニルカルボニル
基、n−プロピルスルファニルカルボニル基、イソプロピルスルファニルカルボニル基、n−ブチルスルファニルカルボニル基、n−ヘキシルスルファニルカルボニル基、n−オクチルスルファニルカルボニル基、n−ドデシルスルファニルカルボニル基などの炭素数2〜12のアルキルスルファニルカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜12のアルケニルスルファニルカルボニル基は、−CO−SR30bで表され、R30bは置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R25bのアルケニル基の場合に例示したものと同様である。アルケニルスルファニルカルボニル基の具体例としては、ビニルスルファニルカルボニル基、アリルスルファニルカルボニル基などの炭素数3〜12のアルケニルスルファニルカルボニルが挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜12のアルキニルスルファニルカルボニル基は、−CO−SR31bで表され、R31bは置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R26bのアルケニル基の場合に例示したものと同様である。アルキニルスルファニルカルボニル基の具体例としては、メチニルオキシカルボニル基、プロピニルオキシカルボニル基などの炭素数3〜12のアルキニルスルファニルカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数7〜12のアリールスルファニルカルボニル基は、−CO−SR32bで表され、R32bは置換基を有していてもよいアリール基を表す。該アリール基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R13bのアリール基の場合に例示したものと同様である。アリールスルファニルカルボニル基の具体例は、フェニルスルファニルカルボニル基、1−ナフチルスルファニルカルボニル基、2−ナフチルスルファニルカルボニル基、p−トリルスルファニルカルボニル基、p−メトキシフェニルスルファニルカルボニル基などの炭素数7〜12のアリールスルファニルカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜12のヘテロアリールスルファニルカルボニル基は、−CO−SR33bで表され、R33bは置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。該ヘテロアリール基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R94、R95及びR101におけるヘテロアリール基が有していてもよい置換基と同様である。ヘテロアリールスルファニルカルボニル基の具体例は、8−キノリニルスルファニルカルボニル基、2−フラニルスルファニルカルボニル基、3−フラニルスルファニルカルボニル基、2−ピリジルスルファニルカルボニル基、3−ピリジルスルファニルカルボニル基、4−ピリジルスルファニルカルボニル基、2−ベンゾチアゾリルスルファニルカルボニル基などの炭素数3〜12のヘテロアリールスルファニルカルボニル基が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルキルスルファニルアルコキシ基は、炭素数1〜10のアルキルスルファニル基が置換したアルコキシ基を指す。該アルキルスルファニルアルコキシ基中のアルキルスルファニル基は、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、水酸基等が置換していてもよい。該アルキルスルファニルアルコキシ基中のアルコキシ基は、アルキルスルファニル基以外に、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、水酸基等が置換していてもよい。アルキルスルファニルアルコキシ基の具体例は、メチルチオメトキシ基、メチルチオエトキシ基、エチルチオメトキシ基、エチルチオエトキシ基、メチルチオプロポキシ基、エチルチオプロポキシ基などの炭素数2〜12のアルキルチオアルコキシ基が挙げられる。
尚、R101はZと結合し、環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
(R102について)
102は、置換基を有していてもよい、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜25のアルケニルカルボニル基、炭素数4〜8のシクロアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリールカルボニル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を表す。
炭素数2〜12のアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基等が挙げられ、好ましくはアセチル基である。炭素数は、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜7である。
炭素数3〜25のアルケニルカルボニル基としては、クロトノイル基、アクリロイル基等が挙げられ、好ましくはクロトノイル基である。炭素数は、好ましくは3〜12、より好ましくは3〜7である。
炭素数4〜8のシクロアルキルカルボニル基としては、シクロヘキシルカルボニル基、メチルシクロヘキシルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基等が挙げられ、好ましくはシクロヘキシルカルボニル基である。炭素数は、好ましく4〜7である。
炭素数7〜20のアリールカルボニル基としては、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられ、好ましくはベンゾイル基である。炭素数は、好ましくは7〜12、より好ましくは7〜10である。
炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはメトキシカルボニル基である。炭素数は、好ましくは2〜8である。
炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、p−メチルフェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはフェノキシカルボニル基である。炭素数は、好ましくは7〜15、より好ましくは7〜10である。
炭素数2〜20のヘテロアリール基としては、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基等が挙げられ、好ましくはチエニル基である。炭素数は、好ましくは2〜12、より好ましくは2〜7である。
炭素数3〜20のヘテロアリールカルボニル基としては、チオフェンカルボニル基、ピロリルカルボニル基、ピリジンカルボニル基等が挙げられ、好ましくはチオフェンカルボニル基である。炭素数は、好ましくは5〜15、より好ましくは7〜10である。
炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基としては、モルホリノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基等が挙げられ、好ましくはジメチルアミノカルボニル基である。炭素数は、好ましくは2〜12、より好ましくは2〜10である。
上述した各基のうち、露光感度の点から、R102としてはアルキルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基が好ましく、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基がより好ましい。
尚、R102として上述した各基が有しうる置換基については後述するが、上述した各基としては、置換基を有さないものが特に好ましい。
尚、R102として上述した各基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記[置換基群W]の項に記載のものが挙げられる。
[置換基群W
炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基。
(R103について)
103は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基又は6〜20のアリール基を表す。
該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6である。
該アルケニル基としては、アリル基、メタニル基等が挙げられる。炭素数は、好ましくは3〜4である。
該アリール基は、前記(X及びR101について)の項で記載のものと同様である。
尚、R103として上述した各基が有しうる置換基については後述するが、上述した各基としては、置換基を有さないものが特に好ましい。
尚、R103として上述した各基が有していてもよい置換基としては、例えば、上記[置換基群W]の項に記載のものが挙げられる。
グラム当たりのラジカル活性種の発生量が高く、更に製造が簡便な点で、R103は、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、特にエチル基であることが好ましい。
(R104〜R109について)
104〜R109は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。
グラム当たりのラジカル活性種の発生量が高く、更に製造が簡便な点で、R104〜R109は、水素原子であることが特に好ましい。
その他に、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン誘導体類;2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン誘導体類、2−エチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類、安息香酸エステル誘導体類、アクリジン誘導体類、フェナジン誘導体類、アンスロン誘導体類等も挙げられる。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、チオキサントン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類がより好ましい。特に、オキシムエステル系誘導体類が好ましい。
必要に応じて用いられる(E2)重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
これらの(E1)光重合開始剤及び(E2)重合加速剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、(E3)増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号、特開平4−219756号各公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−
239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の3−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号、特開昭54−155292号、特公昭45−37377号、特開昭48−84183号、特開昭52−112681号、特開昭58−15503号、特開昭60−88005号、特開昭59−56403号、特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号各公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
(E3)増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(E)光重合開始成分の含有量は、全固形分中、通常0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下の範囲である。
上記範囲内であると、露光光線に対する感度が良好で、また未露光部分の現像駅に対する溶解性も良好で、現像不良などを誘起し難い点で好ましい。
((E)熱重合開始成分)
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい(E)熱重合開始成分の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号等に記載の熱重合開始成分を用いることができる。
これらの熱重合開始成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[着色樹脂組成物の調製方法]
本発明において、着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、前記(A)染料及び(C)バインダー樹脂を、(B)溶剤及び必要に応じて用いられる任意成分と共に混合することで調製できる。
また、(A)染料として顔料を含む場合の調製方法としては、顔料を含む(A)染料を溶剤中、分散剤及び必要に応じて添加する分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して着色分散液を調製する。該着色分散液に、(A)染料、(C)バインダー樹脂、必要に応じて、(F)重合性モノマー、(E)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分、などを添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
[着色樹脂組成物の応用]
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解或いは分散された状態である。このような着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、およびそれらを用いた液晶表示装置(パネル)および有機EL表示装置について、説明する。
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製
造方法はこれに限定されるものではない。
まず、基板の表面上に、必要に応じて、画素を形成する部分を区画するようにブラックマトリックスを形成し、この基板上に、本発明の着色樹脂組成物を塗布したのち、プレベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去し、その後ポストベークすることにより、赤色、緑色、青色の各画素パターンを形成して、カラーフィルタを作製することができる。
画素を形成する際に使用される基板としては、透明で適度な強度を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂、各種ガラスなどが挙げられる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などによる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施してもよい。
着色樹脂組成物を基板に塗布する際には、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、スリット・アンド・スピン法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法が好ましい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは0.8〜5.0μmである。
上記範囲内であると、パターン現像や液晶セル化工程でのギャップ調整が容易であり、また所望の色発現がし易い点で好ましい。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
画像露光に使用される、波長190〜450nmの放射線を用いるための光源は、特に限定されるものではないが、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源;アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
放射線の露光量は、10〜10,000J/mが好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−・ジ−・又はトリ−エタノールアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−メチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−エチルアミン、モノ−・又はジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
前記アルカリ現像液には、例えばイソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
現像処理の条件には特に制限はないが、現像温度は通常10℃以上、中でも15℃以上、更には20℃以上、また、通常50℃以下、中でも45℃以下、更には40℃以下の範囲が好ましい。
現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
このようにして作製されたカラーフィルタを液晶表示装置に使用する場合には、このままの状態で画像上にITO等の透明電極を形成して、カラーディスプレイ、液晶表示装置等の部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることもできる。また、一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)等の用途においては、透明電極を形成しないこともある。また、垂直配向型駆動方式(MVAモード)では、リブを形成することもある。また、ビーズ散布型スペーサに代わり、フォトリソグラフィー法による柱構造(フォトスペーサー)を形成することもある。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
<有機EL表示装置>
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
有機発光体500の積層方法としては、カラーフィルタ上面へ透明陽極50、正孔注入層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、及び陰極55を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法などが挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100は、パッシブ駆動方式の有機EL表示装置にもアクティブ駆動方式の有機EL表示装置にも適用可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、下記実施例において「部」は「重量部」を表わす。
[染料の合成]
(合成例1:化合物(A)の合成)
サリチルアルデヒドヒドラゾン(1.36g)、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド(1.49g)、N,N’−ジシクロヘキシルカーボジイミド(2.06g)を塩化メチ
レン(35ml)に溶解させた。トリフルオロ酢酸(0.2ml)を添加し、80℃で1
時間撹拌した。室温まで冷却後、固体を濾別、濾液を濃縮し粗生成物を得た。粗生成物をメタノールで洗浄、結晶を乾燥して、化合物(A)(1.28g)を得た。
Figure 0006123223
(合成例2:化合物(B)の合成)
4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド(5.8g)をメタノール(60ml)に溶解させ、80%ヒドラジン1水和物(1.03g)を滴下した。析出した固体を濾別、
乾燥して化合物(B)(5.74g)を得た。
Figure 0006123223
(合成例3:化合物(C)の合成)
合成例2において、4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒドを4−(ジブチルアミノ)サリチルアルデヒドに変更した以外は、合成例2と同様に行い、収率32%で化合物(C)を得た。
Figure 0006123223
(合成例4:化合物(D)の合成)
2−メトキシベンズアルデヒドヒドラゾン(2.32g)、3−シアノ−5−ホルミル−6−ヒドロキシ−1,4−ジメチルピリドン(2.96g)をメタノール50mlに加え、室温で撹拌した。析出した固体を濾別、乾燥して化合物(D)(4.56g)を得た。
Figure 0006123223
(合成例5:化合物(E)の合成)CDY-128
合成例4において、2−メトキシベンズアルデヒドヒドラゾンを下記式(E−1)で表される化合物に変更した他は、合成例4と同様にして合成し、収率87%で化合物(E)を得た。
Figure 0006123223
(合成例6:化合物(F)の合成)
1−ブチル−3−シアノ−6−ヒドロキシ−4−メチルピリドン(1.73g)をオルソギ酸トリエチル(6.2ml)に加え、80℃で1時間撹拌した。その後1−(2−チアゾリル)エタノンヒドラゾン(1.19g)とエタノール(20ml)を加えさらに室温で撹拌した。得られた結晶を濾別、乾燥し化合物(F)(2.44g)を得た。
Figure 0006123223
(合成例7:化合物(G)の合成)
合成例4において、2−メトキシベンズアルデヒドヒドラゾンを下記式(G−1)で表される化合物に変更した他は、合成例4と同様に行い、収率95%で化合物(G)を得た。
Figure 0006123223
(合成例8:化合物(H)の合成)
合成例6において、1−ブチル−3−シアノ−6−ヒドロキシ−4−メチルピリドンを下記式(H−1)で表される化合物に、1−(2−チアゾリル)エタノンヒドラゾンを下記式(H−2)で表される化合物に変更した他は、合成例6と同様に合成した後、カラム
精製(クロロホルム)を加え収率57%で化合物(H)を得た。
Figure 0006123223
(合成例9:化合物(I)の合成)
合成例6において、1−ブチル−3−シアノ−6−ヒドロキシ−4−メチルピリドンを下記式(I−1)で表される化合物に変更した他は、実施例6と同様に行い、収率82%で化合物(I)を得た。
Figure 0006123223
(合成例10:化合物(J)の合成)
合成例8において、化合物(H−1)を下記式(J−1)で表される化合物に変更した他は、実施例8と同様にして行い、収率52%で化合物(J)を得た。
Figure 0006123223
(比較合成例1:比較化合物(K))
四つ口フラスコに4−アセトアミドベンゼンスルホニルクロリド117重量部と塩化メチレン1600重量部、トリエチルアミン56重量部、4−ジメチルアミノピリジン3重量部を加え、5℃に冷却した。続いて、1,5−ジメチルヘキシルアミン71重量部を15分間かけて滴下し、続いて室温で6時間撹拌した。1mol/L塩酸1000重量部で
2回有機層を洗浄し、続いて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1000重量部で洗浄し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、溶媒を留去し、白色固体の中間体(K−1)154重量部を得た。
Figure 0006123223
四つ口フラスコに中間体(K−1)98重量部と5重量%塩酸250重量部を加え、90℃で5時間攪拌したところ、白色固体の(K−2)を得た。この白色固体は精製することなく、次の反応に用いた。
Figure 0006123223
上記(K−2)を含む懸濁液に水1000重量部、濃塩酸24重量部を加え、5℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム8重量部を加え、30分間攪拌した。
1−(2−エチルヘキシル)−1,2−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−3−ピリジンカルボニトリル26重量部をメタノール80重量部と水50重量部の混合溶液に加え、5℃に冷却し、上記のジアゾニウム塩を含む液を水酸化ナトリウムでpHを8に保持しながら滴下した。この反応液を吸引ろ過することによりオレンジ色固体を得た。この固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、黄色固体の化合物(K)66重量部を得た。
Figure 0006123223
[樹脂の合成]
(参考合成例1:樹脂Aの合成)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400重量部を仕込み、窒素置換したあと、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
一方、モノマー槽中にジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート10重量部、メタクリル酸15重量部、メタクリル酸メチル20重量部、メタクリル酸ベンジル55重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート2.6重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量部を仕込み、連鎖移動剤槽にn−ドデシルメルカプタン4.0重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27重量部を仕込み、反応槽の温度が90℃に安定してからモノマー槽および連鎖移動剤槽から滴下を開始し、重合を開始させた。温度を90℃に保ちながら滴下をそれぞれ135分かけて行い、滴下が終了して60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。 3時間、110℃を維持した後、室温にまで冷却した。こうして、G
PCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量12300、酸価107mg−KOH/gの40重量%の樹脂Aを得た。
(参考合成例2:樹脂Bの合成)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10重量部、グリシジルメタクリレート85.2重量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成社製FA
−513M)66重量部を滴下し、および2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47重量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7重量部およびハイドロキノン0.12重量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2重量部、トリエチルアミン0.7重量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られた樹脂BのGPCにより測定した重量平均分子量Mwは約8400、酸価80mg−KOH/gであった。さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分濃度を40%に調整した。
[顔料分散液の調製]
[1]黄色顔料分散液(1)の調製
顔料としてC.I.ピグメントイエロー138(大日精化社製)を15.1重量部、分散剤として、「BYK−LPN6919」(ビックケミー社製)を固形分換算で6.0重量部、参考合成例1で合成した分散樹脂Aを固形分換算で4.6重量部を混合し、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えることで固形分濃度を25.7%に調整した。この混合溶液に径0.5mmのジルコニアビーズ200重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて黄色顔料分散液(1)を調製した。
[2]黄色顔料分散液(2)の調製
顔料として「E4GN−GT」(ランクセス社製)を11.4重量部、分散剤として、「BYK−LPN6919」(ビックケミー社製)を固形分換算で3.7重量部、参考合成例1で合成した分散樹脂Aを固形分換算で4.9重量部を混合し、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えることで固形分濃度を20.0%に調整した。この混合溶液に径0.5mmのジルコニアビーズ200重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて黄色顔料分散液(2)を調製した。
<溶液中の極大吸収波長及びグラム吸光係数の測定>
前記合成例1で合成した化合物(A)(10mg)、N−メチルピロリドン(0.49g)を秤量し、5分間超音波照射して溶液を作成した。N−メチルピロリドン溶液(50mg)を100mlメスフラスコに秤量し、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート:プロピレングリコール1−モノメチルエーテル=9:1(重量比)の溶液でメスアップし、10mg/Lの測定サンプルを調製した。分光光度計U−3300(日立製作所製)を用いてセル長1cmの石英セルで800nmから280nmまでの波長領域の吸収スペクトルを測定した。
これから、極大吸収波長の読み取り及びグラム吸光係数の算出を行った。
また、化合物(B)〜(J)、顔料分散液(1)及び(2)、比較化合物(K)についても、同様にして吸収スペクトルを測定し、極大吸収波長及びグラム吸光係数の算出を行った。
結果を表1に纏めた。
Figure 0006123223
表1に示すが如く、本発明の化合物はいずれも高いグラム吸光係数を有しているため、着色力に優れる。
また、グラム吸光係数が高いことから、スペクトル形状も急峻であることが分かり、これより得られる画素の輝度が高いことが分かる。
<着色樹脂組成物の調製>
下記表2に記載の組成となるように、着色樹脂組成物を調製した。
尚、表1中の数値は、固形分(溶剤以外の成分)の含有量(重量部)である。
Figure 0006123223
表2中の各化合物は、各々以下の通りである。
PE4A:ペンタエリスリト−ルテトラアクリレート
Irgacure OXE02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイ
ル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)「OXE−02
」(BASF社製)
F475:フッ素系界面活性剤(DIC社製)
BYK330:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン溶液(ビックケミー社製)
[1]着色膜の形成及び膜における透過スペクトルの測定
5cm角に切断したガラス基板AN100(旭硝子社製)上に、上記各着色樹脂組成物をスピンコート法により塗布した。その後、1分間減圧乾燥した後に、80℃のホットプレートにて3分加熱することで十分に乾燥させて、着色膜を形成した。該着色膜の分光透過率を分光光度計U−3310(日立製作所製)にて測定した。膜厚は430nmにおける吸光度が3.5になるように決めた。
結果を、図2に示した。
図2に示すが如く、本発明の化合物(1)は、膜中であっても、透過スペクトルが急峻である。つまり、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成された画素は、輝度が高いものとなる。
[2]色度及び輝度の測定
上記と同様に着色膜を形成した後、60mJ/cmの露光量にて全面露光し、オーブンにて230℃で30分焼成した。調製した着色膜の分光透過率を分光光度計U−3310(日立製作所製)にて測定し、XYZ表色系における色度及び輝度(C光源)を算出した。
尚、膜厚はsy=0.460になるように決めた。
結果を表3に纏めた。
Figure 0006123223
表3に示すが如く、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成された画素は、輝度が高い。その為、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を含有するカラーフィルタ、並びに該カラーフィルタを含む液晶表示装置及び有機EL表示装置は、高品質である。
100 有機EL素子
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
500 有機発光体
51 正孔注入層
54 電子注入層

Claims (11)

  1. (A)染料、(B)溶剤、(C)バインダー樹脂を含み、
    該(A)染料が、下記式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする、カラーフィルタ製造用着色樹脂組成物。
    Figure 0006123223
    (上記式(1)中、
    1及びR3は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、
    2及びR4は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
  2. 前記式(1)で表される化合物のR2及び/又はR4が、置換基を有していてもよいベンゼン環基又は置換基を有していてもよいピリドン環基であることを特徴とする、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
  3. 前記式(1)で表される化合物が、下記式(2)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
    Figure 0006123223
    (上記式(2)中、R1及びR2は、前記式(1)におけると同義である。
    5は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基を表す。
    6は、水素原子、シアノ基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいモノアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいジアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいモノアリールカルバモイル基、置換基を有していてもよいジアリールカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアリールカルバモイル基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、置換基を有していてもよいモノアルキルスルファモイル基、置換基を有していてもよいジアルキルスルファモイル基、置換基を有していてもよいモノアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいジアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、又は置換基を有していてもよいアリールスルホニル基を表す。
    7は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、
    置換基を有していてもよい複素環基を表す。)
  4. 更に、(D)顔料を含有することを特徴とする、請求項1〜3に記載の着色樹脂組成物。
  5. 前記(D)顔料が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有することを特徴とする、請求項4に記載の着色樹脂組成物。
  6. 更に、(E)分散剤を含有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の着色樹脂組成物。
  7. 更に、(F)重合性モノマーを含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  8. 更に、(G)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
  10. 請求項9に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、液晶表示装置。
  11. 請求項9に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、有機EL表示装置。
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