JP6123223B2 - 着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 - Google Patents
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Description
顔料分散法は、例えば感光性樹脂に顔料を分散した組成物をガラス等の透明基板上に塗布し、形成した塗膜にフォトマスクを介して放射線照射による露光を行い、未露光部を有機又は無機の現像液で現像処理することにより除去してパターンを形成するものである。
カラーフィルタで用いられる色材としては、耐熱及び耐光性等の観点から主に顔料が用いられている。このような顔料として、例えば、黄色画素を形成するために、C.I.(カラーインデックス)ピグメントイエロー150やC.I.ピグメントイエロー138が用いられてきた。また、これらの黄色顔料は、赤色画素や緑色画素の補色用としても用いられてきた。
緑色画素として、例えば特許文献2では、C.I.ピグメントグリーン36にC.I.ピグメントイエロー139とC.I.ピグメントイエロー150等の2種の黄色顔料を併用することが開示されている。更に、例えば特許文献3〜5では、臭素化亜鉛フタロシアニン顔料とC.I.ピグメントイエロー138とを併用することが開示されている。
また、特許文献3〜5に開示されているC.I.ピグメントイエロー138(以下、「Y138」と称する場合がある)との併用でも透過率は不十分な場合があった。
ために顔料を粒径1μm以下、好ましくは100nm以下に微分散する必要がある。そのためには、顔料の1次粒子をソルトミリング法等により微細化する工程と、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体をほぐして1次粒子に近い状態の分散体を得る工程を必要とする。また、この1次粒子の分散性と分散安定性を高めるために、分散剤や分散助剤など様々な添加剤を添加する必要があった。
本発明はまた、輝度に優れたカラーフィルタ、並びに高品質の液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、(A)染料、(B)溶剤、(C)バインダー樹脂を含み、 該(A)染料が、下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」と称する)を含有することを特徴とする着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置に存する。
R1及びR3は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、
R2及びR4は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。
本発明のカラーフィルタは輝度が高く、また高品質の液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することが可能となる。
また、化合物(1)を色材に用いることで、顔料を用いた場合に要する微粒化・分散工程を必要としないため、より生産性が高い着色樹脂組成物を提供することが可能となる。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アク
リル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味するものとする。
また「全固形分」とは、後記する溶剤成分以外の本発明の着色樹脂組成物の全成分を意味するものとする。
本発明における「色材」とは、「染料」と「顔料」の双方を意味するものとする
C.I.とは、カラーインデックスを意味する。
本発明の着色樹脂組成物は、(A)染料、(B)溶剤及び(C)バインダー樹脂を含み、更に該(A)染料として化合物(1)を含有し、更に(D)顔料、(E)分散剤、(F)重合性モノマー並びに(G)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含有することが好ましく、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。
先ず、化合物(1)について詳説する。
[化合物(1)について]
R1及びR3は、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、
R2及びR4は、各々独立に、置換基を有していてもよい芳香族環基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。)
(構造上の特徴)
本発明の化合物とすることで、得られる画素の輝度が高い理由について、下記の通り推測する。
また、化合物(1)は、アジン骨格に4つの置換基(R1〜R4)を導入することが可能である。即ち、共役系の長いアジン骨格に更に種々の置換基を導入するなどの分子設計により、所望の吸光度や吸収ピーク幅である化合物が得られ易い。
R1におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってよく、その炭素数が通常1以上、また、通常8以下、好ましくは5以下のものが挙げられる。
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が5〜18であれば特に制限はないが、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、
ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、インデン環、フルオレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、アズレン環などの基が挙げられる。
R1及びR3は、化合物の安定性の点から、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリドン環、チオフェン環、ピリジン環の基が好ましい。
R1及びR3におけるアルキル基、芳香族環基及び複素環基が有していてもよい置換基は、例えば下記[置換基群W]の項で記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキル基、アリール基、−ORで表されるアルコキシ基、−OCORで表されるアシルオキシ基、−SRで表されるアルキルチオ基、−NRRで表されるアミノ基、−NHCORで表されるアシルアミノ基、−NHSO2Rで表されるアルキルスルホニルアミノ基、−CORで表されるアシル基、−COORで表されるアルコキシカルボニル基、−CONRRで表されるアルキルカルバモイル基、−SO2Rで表されるアルキルスルホニル基、−SO2NRRで表されるアルキルスルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、などが挙げられる。
Rにおけるアルキル基及び芳香族炭化水素環基は、前記(R1及びR3について)の項に記載のものと同様である。好ましい態様も同様である。
上記のRにおけるアルキル基及び芳香族炭化水素環基は、更に置換基を有していてもよい。
R2における芳香族環基及び複素環基、並びにR4における芳香族環基は、前記(R1について)の項で記載のものと同様である。好ましい態様及び有していてもよい置換基も同様である。
R2及びR4は、化合物の安定性の点から、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリドン環、チオフェン環、ピリジン環の基が好ましく、特に好ましくは、1個の遊離原子価を有するベンゼン環の基(フェニル基)及びピリドン環の基(ピリドニル基)である。
更に、R2及びR4が同一環の基である、対称性の高い化合物である場合、分子内の電子密度の勾配を共役系の半分の長さで実現することが必要であることから、強力な電子求引性基又は電子供与性基の環の基であることが好ましく、具体的には、アミノフェニル環
、アルコキシフェニル環やピリドン環が好ましい。
前記式(1)で表される化合物は、得られる画素の輝度がより高い点で、下記式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」と称する)であることが好ましい。
R5は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、カルボキシ基又は置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基を表す。
R6は、水素原子、シアノ基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいモノアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいジアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいモノアリールカルバモイル基、置換基を有していてもよいジアリールカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアリールカルバモイル基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、置換基を有していてもよいモノアルキルスルファモイル基、置換基を有していてもよいジアルキルスルファモイル基、置換基を有していてもよいモノアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいジアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、又は置換基を有していてもよいアリールスルホニル基を表す。
R7は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す。)
本発明の化合物(1)中、更に、化合物(2)であることが好ましい理由について、下記の通り推測する。
化合物(2)は、化合物(1)におけるR4がピリドン環の基である。つまり、共役系の長いアジン骨格に、更にピリドン環の基を有することで、より共役系が延びることとなる。さらにピリドン環は値強い電子求引性基であるため分子内の電子密度の勾配がより大きくなるため、化合物の吸収スペクトルがより急峻になり易く、得られる画素の輝度が高くなる。
R5におけるアルキル基の炭素数は、通常1以上、好ましくは10以下、更に好ましくは5以下である。該アルキル基への好ましい置換基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6−20のアリール基、水酸基、ハロゲン原子などが挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ベンジル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
アルキルオキシカルボニル基の炭素数は、通常2以上、好ましくは11以下、更に好ましくは7以下である。該アルキルオキシカルボニル基への好ましい置換基としては炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。アルキルオキシカルボニル基の具体例としてはカルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基などが挙げられる。
R5におけるアルキル基、アリール基及びアルキルオキシカルボニル基が有していてもよい置換基としては、前記(置換基群W)の項のものが挙げられる。
R6におけるモノアルキルカルバモイル基は、炭素数が通常2以上、通常30以下、好ましくは20以下である。該モノアルキルカルバモイル基への好ましい置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
アルキルカルバモイル基の具体例としては、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、フェネチルカルバモイル基、2−エチルヘキシルカルバモイル基、2−エトキシエチルカルバモイル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチルカルバモイル基、トリクロロエチルカルバモイル基、等が挙げられる。
ジアルキルカルバモイル基の具体例としては、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ジシクロヘキシルカルバモイル基、エチルメチルカルバモイル基、ジ(2-エチルヘキシル)カルバモイル基、等が挙げられる。
アリールカルバモイル基の具体例としては、フェニルカルバモイル基、ナフチルカルバモイル基、p−トリルカルバモイル基、p−メトキシフェニルカルバモイル基、等が挙げられる。
ジアリールカルバモイル基の具体例としては、ジフェニルカルバモイル基、ジナフチルカルバモイル基、ジp−トリルカルバモイル基、ジp−メトキシフェニルカルバモイル基、フェニルナフチルカルバモイル基、等が挙げられる。
アルキルアリールカルバモイル基の具体例としては、フェニルメチルカルバモイル基、
ナフチルブチルカルバモイル基、エチルp−トリルカルバモイル基、イソブチルp−メトキシフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル基、等が挙げられる。
、メチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、メトキシエチルスルホニル基、クロロメチルスルホニル基、フェネチルスルホニル基、等が挙げられる。
R6としては、電子密度の勾配を形成しやすいという点で、水素原子、シアノ基、エトキシカルボニル基、フェニルスルホニル基、等が挙げられる。
R7におけるアルキル基は、炭素数が通常1以上、好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。該アルキル基が有していてもよい基としては、炭素数1〜15のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル基等が挙げられる。
ェニル基が挙げられる。
<具体例>
以下に、化合物(1)の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の化合物(1)の分子量は、通常200以上、また通常1000以下、好ましくは700以下である。
上記範囲内であると、合成が容易である点で好ましい。
<合成法>
本発明の化合物(1)は、公知の例えば、下記式で表される反応(2分子のカルボニル化合物と1分子のヒドラジンとの反応)を行うことで合成することが可能である。
また、カルボニル化合物は各種公知の方法で製造できる。例えばビルスマイヤー反応などホルミル化反応、フリーデルクラフツ反応などアシル化反応などが挙げられる。
また、エナミン、エノールエーテルなどカルボニル等価体を用いてもよい。
本発明の着色樹脂組成物は、化合物(1)を全固形分中、通常0.1重量%以上好まし
くは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、また通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下の割合で含有する。
また、後述の(D)顔料に対して、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、特に好ましくは10重量%以上、また好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、特に好ましくは40重量%以下の割合で含有する。
本発明の着色樹脂組成物中には、化合物(1)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
また、緑色画素を形成するための着色樹脂組成物とする場合、着色樹脂組成物中の全黄色染料の含有量は、組成物中、好ましくは1重量%以上、又は好ましくは30重量%以下である。
この場合、更に化合物(1)の含有量は、該全黄色染料の固形分中、30重量%以上であることが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、(B)溶剤を含有する。溶剤は、着色樹脂組成物に含まれる各成分を溶解または分散させ、粘度を調節する機能を有する。
該(B)溶剤としては、着色樹脂組成物を構成する各成分を溶解または分散させることができるものであればよく、沸点が100〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価または多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状または環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、例えば任意成分として後述する(D)顔料を含む場合には、塗布性、表面張力などのバランスがよく、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、溶剤としてさらにグリコールアルキルエーテルアセテート類を混合して使用することがより好ましい。なお、顔料を含む組成物中では、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、顔料を凝集させる傾向があり、着色樹脂組成物の粘度を上げる等、保存安定性を低下させる場合がある。このため、グリコールモノアルキルエーテル類の使用量は過度に多くない方が好ましく、(B)溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5〜50重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。
上記範囲内であると、スリットノズル先端で顔料などが析出・固化することによる異物欠陥が起き難く、また乾燥速度が適度である為、後述するカラーフィルタ製造工程における、減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡などが起き難い。
の溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
本発明の着色樹脂組成物は、インクジェット法によるカラーフィルタ製造に供してもよいが、インクジェット法によるカラーフィルタ製造においては、ノズルから発せられるインクは数〜数十pLと非常に微小であるため、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固する傾向がある。これを回避するためには溶剤の沸点は高い方が好ましく、具体的には、(B)溶剤が沸点180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。特に、沸点が200℃以上、とりわけ沸点が220℃以上の溶剤を含有することが好ましい。また、沸点180℃以上である高沸点溶剤は、(B)溶剤中50重量%以上であることが好ましい。このような高沸点溶剤の割合が50重量%未満である場合には、インク液滴からの溶剤の蒸発防止効果が十分に発揮されないおそれがある。
(C)バインダー樹脂は、着色樹脂組成物の硬化手段により好ましいものが異なる。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C−2)(以下、「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレー
ト5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
ル基を表す。尚、R96とR98とが、互いに連結して環を形成していてもよい。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(8)で表される構造中、特に下記構造式(8a)、(8b)、又は(8c)で表されるものが好ましい。
前記式(8)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の比は、2.0〜5.0が好ましい。
すぎると、膜荒れが生じる場合がある。
着色樹脂組成物における(C)バインダー樹脂の含有量は、全固形分中、通常0.1〜80重量%、好ましくは1〜60重量%である。
上記範囲内であると、基板への密着性が良好であり、また露光部への現像液の浸透性が適度で、画素の表面平滑性や感度が良好である点で好ましい。
本発明の顔料分散液は、(D)顔料を含有する。
(D)顔料として、通常、赤色顔料、緑色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料等各種の色の顔料を使用することができる。
各種顔料の化学構造としては、例えばアゾ系、キナクリドン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。これらの他に種々の無機顔料等も利用可能である。
尚、本発明に使用できる顔料は、以下にその具体例をピグメントナンバーで示すが、これら例示によって限定されるものではない。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180
、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、及び下記<顔料Y>で定義される顔料(以下、「顔料Y」と称する)が挙げられる。
下記構造式で表されるアゾバルビツール酸のニッケルとの1:1錯体又はその互換異性体に、他の化合物が挿入されてなる化合物。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6を挙げることができる。
9、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79等を挙げることができる。これらの中で、好ましくはピグメントオレンジ38、71等である。
又、本発明に使用可能な無機顔料として、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム等が挙げられる。
又、本発明における顔料は、その平均一次粒径が、通常100nm以下、好ましくは80nm以下、より好ましくは10nm以上70nm以下である。本発明は、高度に微粒化された顔料を含む組成物の場合に特に有効であるため、平均一次粒径10nm以上60nm以下である顔料を含む場合が特に好ましい。
尚、顔料の一次粒径は次の方法で求めることができる。
先ず、顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。但し、有機顔料の場合は、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個(通常200〜300個程度)の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求める。得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し平均粒径を求める。
上記顔料の中でも、特に、緑色画素を形成する為の着色樹脂組成物とする場合、緑色顔料と化合物(1)とを組み合わせることが好ましく、特にC.I.ピグメントグリーン58との組合せであることが好ましい。この場合、更にその他の顔料を含んでいてもよい。
また、本発明における(D)顔料の含有量は、着色樹脂組成物の全固形分に対して、通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下、更に好ましくは30重量%以下、また通常3重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上である。
御等に悪影響を及ぼすことなく、且つ十分な画像形成性が得られるうえ、顔料の分散状態も維持され、凝集や沈降が生じにくく、結果として、増粘や輝度・コントラストの低下などといった問題を解消することができる点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物が、(D)顔料を含む場合、更に分散剤を含有することが好ましい。
本発明における分散剤は、顔料が分散し、安定を保つことができれば特に種類を問わない。
係るアクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックは、4級アンモニウム塩基、及び/又はアミノ基を有する単位構造を有し、顔料吸着機能を持つ部位である。
このようなブロック共重合体としては、例えば、特開2009−025813号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物が、顔料を含有する場合、分散剤の全固形分中の含有量は、顔料の総含有量の2〜1000重量%、特に5〜500重量%、とりわけ10〜250重量%の範囲内となるように用いることが好ましい。
上記範囲内とすることで、化合物(1)の耐熱性に影響を及ぼすことなく、良好な顔料分散性を確保することができ、また顔料の分散安定性がより良好となる点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、(F)重合性モノマーを含有することが好ましい。
(F)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)が好ましい。
エチレン性化合物は、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述する光重合開始成分の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。尚、本発明における(F)重合性モノマーは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する。
酸等の不飽和カルボン酸;モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル;ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物;等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルは、単一物であってもよく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
おいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。
また、必要に応じて(F)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
また、(F)重合性モノマーの前記(A)染料に対する比率は、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、また、通常200重量%以下、好ましくは100重量%以下、更に好ましくは80重量%以下である。
上記範囲内であると、光硬化が適度であり、現像時の密着不良が置き難く、また現像後の断面が逆テーパー形状になり難く、更に溶解性低下による剥離現象・抜け不良が置き難いため好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(E)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色樹脂組成物が、(C)成分としてエチレン性二重結合を有する樹脂を含む場合や、(D)成分としてエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始成分及び/又は熱によって重合活性ラジカルを発生する熱重合開始成分を含有することが好ましい。なお、本発明において光重合開始成分としての(E)成分とは、光重合開始剤(以下、任意に「(E1)成分」とも称する)に重合加速剤(以下、任意に「(E2)成分」とも称する)、増感色素(以下、任意に「(E3)成分」とも称する)などの付加剤が併用されている混合物を意味する。
本発明における(E)光重合開始成分は、通常、(E1)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(E2)重合加速剤及び(E3)増感色素等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
2396号、特開昭61−151197号各公報等に記載のチタノセン誘導体類;特開平10−300922号、特開平11−174224号、特開2000−56118号各公報等に記載されるヘキサアリールビイミダゾール誘導体類;特開平10−39503号公報等に記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体類、ハロメチル−s−トリアジン誘導体類、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノアルキルフェノン誘導体類;特開2000−80068号公報等に記載のオキシムエステル系誘導体類等が挙げられる。
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、オキシムエステル系誘導体類、ビイミダゾール誘導体類、アセトフェノン誘導体類、及びチオキサントン誘導体類がより好ましい。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。
nは、0又は1の整数を表す。
mは、0〜20の整数を表す。
Xは、−CR94R95−、−C(=CR96R97)−、−CR98=CR99−及び−C≡C−からなる群より選ばれる1つの基又はこれらが2以上結合してなる基を表す。
R94、R95及びR101は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、それぞれ置換基を有していてもよい、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数2〜20の1価の非芳香族ヘテロ環基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基、炭素数2〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20のN-置換アミノ基、炭素数1〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜20のアリールスルホニル基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜20のアリールスルフィニル基、カルバモイル基、炭素数2〜20のアルキルカルバモイル基、炭素数7〜20のアリールカルバモイル基、炭素数1〜20のアミノオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜12のアルキルスルファニル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数3〜
12のアルケニルオキシカルボニル基、炭素数3〜12のアルキニルオキシカルボニル基、炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基、炭素数3〜12のヘテロアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜12のアルキルスルファニルカルボニル基、炭素数3〜12のアルケニルスルファニルカルボニル基、炭素数3〜12のアルキニルスルファニルカルボニル基、炭素数7〜12のアリールスルファニルカルボニル基、炭素数3〜12のヘテロアリールスルファニルカルボニル基、炭素数2〜12のアルキルスルファニルアルコキシ基、−O−N=CR30R31、−N(OR30)−OCO−R31又は下記式(4)で表される基
R101は、Zと結合して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
R102は、置換基を有していてもよい、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜25のアルケニルカルボニル基、炭素数4〜8のシクロアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリールカルボニル基基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を表す。
R104〜R109は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。)
Zは、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。
該芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。
芳香族炭化水素環基としては、単環であっても縮合環であってもよく、環を形成する炭素数が5〜18であれば特に制限はないが、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環、インデン環などの基が挙げられる。
ン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環、アクリジン環、キサンテン環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、ベンゾチアゾール環などの基が挙げられる。
尚、Zにおける芳香族環基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記[置換基群W]の項に記載のものが挙げられる。
炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、スルホ基及びカルボキシ基。
(nについて)
nは、0又は1の整数を表す。
スプレー現像における画像の形成との効果が、より良好に得られ易い点で、nは0であることが好ましい。
mは、0〜20の整数を表す。
グラム当たりのラジカル活性種の発生量が高く、更に製造が簡便な点で、mは、0〜5であることが好ましい。
Xは、−CR94R95−、−C(=CR96R97)−、−CR98=CR99−及び−C≡C−からなる群より選ばれる1つの基又はこれらが2以上結合してなる基を表す。
mが2以上である場合、一分子中に含まれる複数のXは、同じでもよく、また異なっていてもよい。
R96〜R99は、各々独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
R101は、Zと結合して環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
R102は、置換基を有していてもよい、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜25のアルケニルカルボニル基、炭素数4〜8のシクロアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリールカルボニル基基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を表す。)
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。中でも求核置換反応に対して比較的安定なフッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
ドリニル基が挙げられる。
−エトキシエチル)アミノ基、ジフェネチルエチルアミノ基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられる。該アルキルカルバモイル基の具体例としては、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、フェネチルカルバモイル基、2−エチルヘキシルカルバモイル基、2−エトキシエチルカルバモイル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等が挙げられる。
bで表され、R17bは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。R18bは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R11b及びR12bのアルキル基の場合に例示したものと同様である。該アリール基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R13bのアリール基の場合に例示したものと同様である。該N-置換アミノ基の具体例としては
、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジ(2−エトキシエチル)アミノ基、ジフェネチルエチルアミノ基、シクロヘキシルエチル基、フ
ェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(p−トリル)アミノ基、ジ(p−メトキシフェニル)アミノ基、エチルフェニルアミノ基、n−ブチルフェニルアミノ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基は、−CO−OR2
4bで表され、R24bは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。該アルキル基の好ましい炭素数、有していてもよい置換基の例は、前記R11b及びR12bのアルキル基の場合に例示したものと同様である。該アルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、2−エトキシエトキシカルボニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数3〜12のアルキニルオキシカルボニル基は、−CO−OR26bで表され、R26bは置換基を有していてもよいアルキニル基を表す。該アルキニル基は、炭素数が通常1以上、また通常11以下、好ましくは8以下である。該アルキニル基に置換していてもよい基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基などが挙げられる。アルキニル基の具体例としては、メチニル基、プロピニル基、ブチニル基等が挙げられる。アルキニルオキシカルボニル基の具体例としては、メチニルオキシカルボニル基、プロピニルオキシカルボニル基などの炭素数3〜12のアルキニルオキシカルボニル基が挙げられる。
基、n−プロピルスルファニルカルボニル基、イソプロピルスルファニルカルボニル基、n−ブチルスルファニルカルボニル基、n−ヘキシルスルファニルカルボニル基、n−オクチルスルファニルカルボニル基、n−ドデシルスルファニルカルボニル基などの炭素数2〜12のアルキルスルファニルカルボニル基等が挙げられる。
尚、R101はZと結合し、環を形成していてもよく、該環は置換基を有していてもよい。
R102は、置換基を有していてもよい、炭素数2〜20のアルキルカルボニル基、炭素数3〜25のアルケニルカルボニル基、炭素数4〜8のシクロアルキルカルボニル基、炭素数7〜20のアリールカルボニル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリールカルボニル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を表す。
炭素数3〜25のアルケニルカルボニル基としては、クロトノイル基、アクリロイル基等が挙げられ、好ましくはクロトノイル基である。炭素数は、好ましくは3〜12、より好ましくは3〜7である。
炭素数7〜20のアリールカルボニル基としては、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられ、好ましくはベンゾイル基である。炭素数は、好ましくは7〜12、より好ましくは7〜10である。
炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、p−メチルフェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはフェノキシカルボニル基である。炭素数は、好ましくは7〜15、より好ましくは7〜10である。
炭素数3〜20のヘテロアリールカルボニル基としては、チオフェンカルボニル基、ピロリルカルボニル基、ピリジンカルボニル基等が挙げられ、好ましくはチオフェンカルボニル基である。炭素数は、好ましくは5〜15、より好ましくは7〜10である。
上述した各基のうち、露光感度の点から、R102としてはアルキルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基が好ましく、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基がより好ましい。
尚、R102として上述した各基が有しうる置換基については後述するが、上述した各基としては、置換基を有さないものが特に好ましい。
尚、R102として上述した各基が有していてもよい置換基としては、例えば、下記[置換基群W1]の項に記載のものが挙げられる。
炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、水酸基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基及びカルボキシ基。
(R103について)
R103は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基又は6〜20のアリール基を表す。
該アリール基は、前記(X及びR101について)の項で記載のものと同様である。
尚、R103として上述した各基が有しうる置換基については後述するが、上述した各基としては、置換基を有さないものが特に好ましい。
尚、R103として上述した各基が有していてもよい置換基としては、例えば、上記[置換基群W1]の項に記載のものが挙げられる。
グラム当たりのラジカル活性種の発生量が高く、更に製造が簡便な点で、R103は、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、特にエチル基であることが好ましい。
R104〜R109は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。
グラム当たりのラジカル活性種の発生量が高く、更に製造が簡便な点で、R104〜R109は、水素原子であることが特に好ましい。
その他に、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン誘導体類;2−メチル−(4’−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン等のアセトフェノン誘導体類、2−エチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体類、安息香酸エステル誘導体類、アクリジン誘導体類、フェナジン誘導体類、アンスロン誘導体類等も挙げられる。
必要に応じて用いられる(E2)重合加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、(E3)増感色素が用いられる。増感色素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4−221958号、特開平4−219756号各公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3−
239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の複素環を有するクマリン系色素;特開平3−239703号、特開平5−289335号各公報等に記載の3−ケトクマリン系色素;特開平6−19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47−2528号、特開昭54−155292号、特公昭45−37377号、特開昭48−84183号、特開昭52−112681号、特開昭58−15503号、特開昭60−88005号、特開昭59−56403号、特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号各公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(E)光重合開始成分の含有量は、全固形分中、通常0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下の範囲である。
((E)熱重合開始成分)
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい(E)熱重合開始成分の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号等に記載の熱重合開始成分を用いることができる。
これらの熱重合開始成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、前記(A)染料及び(C)バインダー樹脂を、(B)溶剤及び必要に応じて用いられる任意成分と共に混合することで調製できる。
また、(A)染料として顔料を含む場合の調製方法としては、顔料を含む(A)染料を溶剤中、分散剤及び必要に応じて添加する分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して着色分散液を調製する。該着色分散液に、(A)染料、(C)バインダー樹脂、必要に応じて、(F)重合性モノマー、(E)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分、などを添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解或いは分散された状態である。このような着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、およびそれらを用いた液晶表示装置(パネル)および有機EL表示装置について、説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製
造方法はこれに限定されるものではない。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などによる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施してもよい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは0.8〜5.0μmである。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の無機アルカリ性化合物;モノ−・ジ−・又はトリ−エタノールアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−メチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−エチルアミン、モノ−・又はジ−イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−・又はトリ−イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
尚、下記実施例において「部」は「重量部」を表わす。
[染料の合成]
(合成例1:化合物(A)の合成)
サリチルアルデヒドヒドラゾン(1.36g)、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド(1.49g)、N,N’−ジシクロヘキシルカーボジイミド(2.06g)を塩化メチ
レン(35ml)に溶解させた。トリフルオロ酢酸(0.2ml)を添加し、80℃で1
時間撹拌した。室温まで冷却後、固体を濾別、濾液を濃縮し粗生成物を得た。粗生成物をメタノールで洗浄、結晶を乾燥して、化合物(A)(1.28g)を得た。
4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド(5.8g)をメタノール(60ml)に溶解させ、80%ヒドラジン1水和物(1.03g)を滴下した。析出した固体を濾別、
乾燥して化合物(B)(5.74g)を得た。
合成例2において、4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒドを4−(ジブチルアミノ)サリチルアルデヒドに変更した以外は、合成例2と同様に行い、収率32%で化合物(C)を得た。
2−メトキシベンズアルデヒドヒドラゾン(2.32g)、3−シアノ−5−ホルミル−6−ヒドロキシ−1,4−ジメチルピリドン(2.96g)をメタノール50mlに加え、室温で撹拌した。析出した固体を濾別、乾燥して化合物(D)(4.56g)を得た。
合成例4において、2−メトキシベンズアルデヒドヒドラゾンを下記式(E−1)で表される化合物に変更した他は、合成例4と同様にして合成し、収率87%で化合物(E)を得た。
1−ブチル−3−シアノ−6−ヒドロキシ−4−メチルピリドン(1.73g)をオルソギ酸トリエチル(6.2ml)に加え、80℃で1時間撹拌した。その後1−(2−チアゾリル)エタノンヒドラゾン(1.19g)とエタノール(20ml)を加えさらに室温で撹拌した。得られた結晶を濾別、乾燥し化合物(F)(2.44g)を得た。
合成例4において、2−メトキシベンズアルデヒドヒドラゾンを下記式(G−1)で表される化合物に変更した他は、合成例4と同様に行い、収率95%で化合物(G)を得た。
合成例6において、1−ブチル−3−シアノ−6−ヒドロキシ−4−メチルピリドンを下記式(H−1)で表される化合物に、1−(2−チアゾリル)エタノンヒドラゾンを下記式(H−2)で表される化合物に変更した他は、合成例6と同様に合成した後、カラム
精製(クロロホルム)を加え収率57%で化合物(H)を得た。
合成例6において、1−ブチル−3−シアノ−6−ヒドロキシ−4−メチルピリドンを下記式(I−1)で表される化合物に変更した他は、実施例6と同様に行い、収率82%で化合物(I)を得た。
合成例8において、化合物(H−1)を下記式(J−1)で表される化合物に変更した他は、実施例8と同様にして行い、収率52%で化合物(J)を得た。
四つ口フラスコに4−アセトアミドベンゼンスルホニルクロリド117重量部と塩化メチレン1600重量部、トリエチルアミン56重量部、4−ジメチルアミノピリジン3重量部を加え、5℃に冷却した。続いて、1,5−ジメチルヘキシルアミン71重量部を15分間かけて滴下し、続いて室温で6時間撹拌した。1mol/L塩酸1000重量部で
2回有機層を洗浄し、続いて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液1000重量部で洗浄し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ別後、溶媒を留去し、白色固体の中間体(K−1)154重量部を得た。
1−(2−エチルヘキシル)−1,2−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−3−ピリジンカルボニトリル26重量部をメタノール80重量部と水50重量部の混合溶液に加え、5℃に冷却し、上記のジアゾニウム塩を含む液を水酸化ナトリウムでpHを8に保持しながら滴下した。この反応液を吸引ろ過することによりオレンジ色固体を得た。この固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、黄色固体の化合物(K)66重量部を得た。
(参考合成例1:樹脂Aの合成)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400重量部を仕込み、窒素置換したあと、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
PCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量12300、酸価107mg−KOH/gの40重量%の樹脂Aを得た。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10重量部、グリシジルメタクリレート85.2重量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成社製FA
−513M)66重量部を滴下し、および2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47重量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7重量部およびハイドロキノン0.12重量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2重量部、トリエチルアミン0.7重量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られた樹脂BのGPCにより測定した重量平均分子量Mwは約8400、酸価80mg−KOH/gであった。さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分濃度を40%に調整した。
[1]黄色顔料分散液(1)の調製
顔料としてC.I.ピグメントイエロー138(大日精化社製)を15.1重量部、分散剤として、「BYK−LPN6919」(ビックケミー社製)を固形分換算で6.0重量部、参考合成例1で合成した分散樹脂Aを固形分換算で4.6重量部を混合し、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えることで固形分濃度を25.7%に調整した。この混合溶液に径0.5mmのジルコニアビーズ200重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて黄色顔料分散液(1)を調製した。
顔料として「E4GN−GT」(ランクセス社製)を11.4重量部、分散剤として、「BYK−LPN6919」(ビックケミー社製)を固形分換算で3.7重量部、参考合成例1で合成した分散樹脂Aを固形分換算で4.9重量部を混合し、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えることで固形分濃度を20.0%に調整した。この混合溶液に径0.5mmのジルコニアビーズ200重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて黄色顔料分散液(2)を調製した。
前記合成例1で合成した化合物(A)(10mg)、N−メチルピロリドン(0.49g)を秤量し、5分間超音波照射して溶液を作成した。N−メチルピロリドン溶液(50mg)を100mlメスフラスコに秤量し、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート:プロピレングリコール1−モノメチルエーテル=9:1(重量比)の溶液でメスアップし、10mg/Lの測定サンプルを調製した。分光光度計U−3300(日立製作所製)を用いてセル長1cmの石英セルで800nmから280nmまでの波長領域の吸収スペクトルを測定した。
また、化合物(B)〜(J)、顔料分散液(1)及び(2)、比較化合物(K)についても、同様にして吸収スペクトルを測定し、極大吸収波長及びグラム吸光係数の算出を行った。
結果を表1に纏めた。
また、グラム吸光係数が高いことから、スペクトル形状も急峻であることが分かり、これより得られる画素の輝度が高いことが分かる。
<着色樹脂組成物の調製>
下記表2に記載の組成となるように、着色樹脂組成物を調製した。
尚、表1中の数値は、固形分(溶剤以外の成分)の含有量(重量部)である。
PE4A:ペンタエリスリト−ルテトラアクリレート
Irgacure OXE02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイ
ル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)「OXE−02
」(BASF社製)
F475:フッ素系界面活性剤(DIC社製)
BYK330:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン溶液(ビックケミー社製)
5cm角に切断したガラス基板AN100(旭硝子社製)上に、上記各着色樹脂組成物をスピンコート法により塗布した。その後、1分間減圧乾燥した後に、80℃のホットプレートにて3分加熱することで十分に乾燥させて、着色膜を形成した。該着色膜の分光透過率を分光光度計U−3310(日立製作所製)にて測定した。膜厚は430nmにおける吸光度が3.5になるように決めた。
結果を、図2に示した。
図2に示すが如く、本発明の化合物(1)は、膜中であっても、透過スペクトルが急峻である。つまり、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成された画素は、輝度が高いものとなる。
上記と同様に着色膜を形成した後、60mJ/cm2の露光量にて全面露光し、オーブンにて230℃で30分焼成した。調製した着色膜の分光透過率を分光光度計U−3310(日立製作所製)にて測定し、XYZ表色系における色度及び輝度(C光源)を算出した。
結果を表3に纏めた。
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
500 有機発光体
51 正孔注入層
54 電子注入層
Claims (11)
- 前記式(1)で表される化合物のR2及び/又はR4が、置換基を有していてもよいベンゼン環基又は置換基を有していてもよいピリドン環基であることを特徴とする、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
- 前記式(1)で表される化合物が、下記式(2)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
R5は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基を表す。
R6は、水素原子、シアノ基、カルバモイル基、置換基を有していてもよいモノアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいジアルキルカルバモイル基、置換基を有していてもよいモノアリールカルバモイル基、置換基を有していてもよいジアリールカルバモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアリールカルバモイル基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、置換基を有していてもよいモノアルキルスルファモイル基、置換基を有していてもよいジアルキルスルファモイル基、置換基を有していてもよいモノアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいジアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいアルキルアリールスルファモイル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、又は置換基を有していてもよいアリールスルホニル基を表す。
R7は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、
置換基を有していてもよい複素環基を表す。) - 更に、(D)顔料を含有することを特徴とする、請求項1〜3に記載の着色樹脂組成物。
- 前記(D)顔料が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有することを特徴とする、請求項4に記載の着色樹脂組成物。
- 更に、(E)分散剤を含有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の着色樹脂組成物。
- 更に、(F)重合性モノマーを含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- 更に、(G)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とする、カラーフィルタ。
- 請求項9に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、液晶表示装置。
- 請求項9に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする、有機EL表示装置。
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