JP6115263B2 - 脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム - Google Patents
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Description
まず、本実施例に係る脈波検出装置の機能的構成について説明する。図1は、実施例1に係る脈波検出装置の機能的構成を示すブロック図である。図1に示す脈波検出装置10は、太陽光や室内光などの一般の環境光の下で生体に計測器具を接触させずに、被験者が撮影された画像を用いて被験者の脈波、すなわち心臓の拍動に伴う血液の体積の変動を検出する脈波検出処理を実行するものである。
(B)外光分(脈波成分)
(C)画面光分(非脈波成分)
(D)画面光分(脈波成分)
次に、本実施例に係る脈波検出装置10の処理の流れについて説明する。なお、ここでは、脈波検出装置10によって実行される(1)脈波検出処理を説明した後に、脈波検出処理のサブルーチンとして実行される(2)脈波波形演算処理を説明することとする。
図6は、実施例1に係る脈波検出処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、カメラ11からカメラ画像が取得されるとともにフレームバッファ12から画面画像が取得される度に処理を起動し、両画像が取得されなくなるまで繰り返し実行される処理である。なお、図示しない入力デバイス等を介して中断操作を受け付けた場合には、脈波検出処理を中止することもできる。
図7は、実施例1に係る脈波波形演算処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図6に示したステップS104に対応する処理であり、上記のステップS103A及びステップS102Bの実行後に開始される。なお、図7には、波長成分としてG成分及びR成分を例示しているが、他の波長成分やさらに多くの波長成分も同様に処理することが可能である。
上述してきたように、本実施例に係る脈波検出装置10は、被験者の生体が撮影されたカメラ画像の輝度を、画面に表示される画面画像に由来する画面光分輝度と残りの輝度に分離し、画面光分輝度と残り輝度を用いて脈波を検出する。このため、本実施例に係る脈波検出装置10では、例えば、暗所で画面表示がなされた状態で脈波が測定された場合に、画面表示による輝度変化に脈波に対応する周波数帯が含まれたとしても、画面表示による輝度変化を打ち消して脈波を検出できる。したがって、本実施例に係る脈波検出装置10によれば、脈波の検出精度の低下を抑制できる。
上記の実施例1及び実施例2では、入力信号としてR信号およびG信号の二種類を用いる場合を例示したが、異なる複数の光波長成分を持つ信号であれば任意の種類の信号および任意の数の信号を入力信号とすることができる。例えば、R、G、B、IRおよびNIRなどの光波長成分が異なる信号のうち任意の組合せの信号を2つ用いることもできるし、また、3つ以上用いることもできる。
上記の実施例1では、脈波検出装置10が上記の脈波検出処理をスタンドアローンで実行する場合を例示したが、クライアントサーバシステムとして実装することもできる。例えば、脈波検出装置10は、脈波検出処理を実行するWebサーバとして実装することとしてもよいし、アウトソーシングによって脈波検出サービスを始めとするサービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。このように、脈波検出装置10がサーバ装置として動作する場合には、スマートフォンや携帯電話機等の携帯端末装置やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置をクライアント端末として収容することができる。これらクライアント端末からネットワークを介して被験者の顔が映った画像が取得された場合に脈波検出処理を実行し、その検出結果やその検出結果を用いてなされた診断結果をクライアント端末へ応答することによって脈波検出サービス及び診断サービスを提供できる。
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、第1取得部13a、第2取得部13b、抽出部14、第1代表値算出部15a、第2代表値算出部15b、第1画面光分離部16a、第2画面光分離部16b、第1脈波波形演算部17a、第2脈波波形演算部17b、第3脈波波形演算部18または検出部19を脈波検出装置10の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、第1取得部13a、第2取得部13b、抽出部14、第1代表値算出部15a、第2代表値算出部15b、第1画面光分離部16a、第2画面光分離部16b、第1脈波波形演算部17a、第2脈波波形演算部17b、第3脈波波形演算部18または検出部19を別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記の脈波検出装置10の機能を実現するようにしてもよい。
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図8を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する脈波検出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
前記カメラ画像から生体領域の部分画像を抽出する抽出部と、
所定の表示部の画面に表示される画面画像に関する情報を取得する第2取得部と、
前記画面画像の輝度を用いて、前記部分画像の輝度を当該画面画像に由来する画面光分輝度と残りの輝度に分離する分離部と、
前記画面光分輝度と前記残りの輝度を用いて脈波を検出する検出部と
を有することを特徴とする脈波検出装置。
前記画面光分輝度と前記残りの輝度とを演算することによって脈波成分が除去された部分画像の輝度を算出し、当該脈波成分が除去された部分画像の輝度を用いて前記脈波を検出することを特徴とする付記1に記載の脈波検出装置。
前記部分画像の輝度と前記画面画像の輝度とを計算することによって前記画面画像の輝度が前記部分画像の輝度へ与える影響の度合いを表す反射係数から脈波成分を除去した非脈波の反射係数を演算し、
前記非脈波の反射係数と前記画面画像の輝度を計算することによって前記画面光分輝度の非脈波成分を演算し、
前記部分画像の輝度と前記画面光分輝度の非脈波成分を演算した上で脈波成分を除去することによって外光に由来する部分画像の輝度の非脈波成分を演算し、
前記画面光分輝度の非脈波成分と前記外光に由来する部分画像の輝度の非脈波成分を演算することによって前記部分画像の非脈波輝度を演算することを特徴とする付記1または付記2に記載の脈波検出装置。
前記検出部は、
各波長成分の間で脈波波形同士を演算することによって前記脈波を検出することを特徴とする付記4に記載の脈波検出装置。
前記部分画像の輝度と前記画面画像の輝度との所定の期間の履歴から単回帰モデルの傾きを前記非脈波の反射係数を算出することを特徴とする付記3、4または5に記載の脈波検出装置。
前記画面画像の輝度の所定の期間の履歴から算出された輝度の分散が所定の閾値未満である場合に、前記非脈波の反射係数の算出を中止し、当該分散が算出されるよりも前のフレームで算出していた非脈波の反射係数を代用することを特徴とする付記3〜6のいずれか一つに記載の脈波算出装置。
カメラによって生体が撮影されたカメラ画像を取得し、
前記カメラ画像から生体領域の部分画像を抽出し、
所定の表示部の画面に表示される画面画像に関する情報を取得し、
前記画面画像の輝度を用いて、前記部分画像の輝度を当該画面画像に由来する画面光分輝度と残りの輝度に分離し、
前記画面光分輝度と前記残りの輝度を用いて脈波を検出する
処理を実行することを特徴とする脈波検出方法。
カメラによって生体が撮影されたカメラ画像を取得し、
前記カメラ画像から生体領域の部分画像を抽出し、
所定の表示部の画面に表示される画面画像に関する情報を取得し、
前記画面画像の輝度を用いて、前記部分画像の輝度を当該画面画像に由来する画面光分輝度と残りの輝度に分離し、
前記画面光分輝度と前記残りの輝度を用いて脈波を検出する
処理を実行させることを特徴とする脈波検出プログラム。
11 カメラ
12 フレームバッファ
13a 第1取得部
13b 第2取得部
14 抽出部
15a 第1代表値算出部
15b 第2代表値算出部
16a 第1画面光分離部
16b 第2画面光分離部
17a 第1脈波波形演算部
17b 第2脈波波形演算部
18 第3脈波波形演算部
19 検出部
Claims (6)
- カメラによって生体が撮影されたカメラ画像を取得する第1取得部と、
前記カメラ画像から生体領域の部分画像を抽出する抽出部と、
所定の表示部の画面に表示される画面画像に関する情報を取得する第2取得部と、
前記部分画像の輝度および前記画面画像の輝度から、前記画面画像の輝度が前記部分画像の輝度へ与える影響の度合いを表す反射係数から脈波に対応する周波数成分である脈波対応成分が除去された非脈波対応成分の反射係数を演算する第1演算部と、
前記非脈波対応成分の反射係数および前記画面画像の輝度から、前記部分画像の輝度のうち前記画面画像に由来する画面光分輝度の非脈波対応成分を演算する第2演算部と、
前記部分画像の輝度から前記画面光分輝度の非脈波対応成分が分離された残りの輝度から、脈波に対応する周波数成分である脈波対応成分を除去することにより、前記部分画像の輝度のうち外光に由来する外光分輝度の非脈波対応成分を演算する第3演算部と、
前記画面光分輝度の非脈波対応成分および前記外光分輝度の非脈波対応成分から、前記部分画像の輝度の非脈波対応成分を演算する第4演算部と、
前記部分画像の輝度の非脈波対応成分および前記部分画像の輝度から脈波を検出する検出部と
を有することを特徴とする脈波検出装置。 - 前記第4演算部は、第1の波長成分および前記第1の波長成分とヘモグロビンの吸光特性が異なる第2の波長成分ごとに、前記部分画像の輝度の非脈波対応成分を演算することを特徴とする請求項1に記載の脈波検出装置。
- 前記部分画像の輝度の非脈波対応成分と、前記部分画像の輝度とを前記第1の波長成分および前記第2の波長成分ごとに演算することによって前記第1の波長成分の脈波波形および前記第2の波長成分の脈波波形を演算する脈波波形演算部をさらに有し、
前記検出部は、
前記第1の波長成分および前記第2の波長成分の間で脈波波形同士を演算することによって前記脈波を検出することを特徴とする請求項2に記載の脈波検出装置。 - 前記第2取得部は、前記画面画像に関する情報として、前記カメラ画像のうち前記生体領域を除く領域の画像を取得することを特徴とする請求項1、2または3に記載の脈波検出装置。
- コンピュータが、
カメラによって生体が撮影されたカメラ画像を取得し、
前記カメラ画像から生体領域の部分画像を抽出し、
所定の表示部の画面に表示される画面画像に関する情報を取得し、
前記部分画像の輝度および前記画面画像の輝度から、前記画面画像の輝度が前記部分画像の輝度へ与える影響の度合いを表す反射係数から脈波に対応する周波数成分である脈波対応成分が除去された非脈波対応成分の反射係数を演算し、
前記非脈波対応成分の反射係数および前記画面画像の輝度から、前記部分画像の輝度のうち前記画面画像に由来する画面光分輝度の非脈波対応成分を演算し、
前記部分画像の輝度から前記画面光分輝度の非脈波対応成分が分離された残りの輝度から、脈波に対応する周波数成分である脈波対応成分を除去することにより、前記部分画像の輝度のうち外光に由来する外光分輝度の非脈波対応成分を演算し、
前記画面光分輝度の非脈波対応成分および前記外光分輝度の非脈波対応成分から、前記部分画像の輝度の非脈波対応成分を演算し、
前記部分画像の輝度の非脈波対応成分および前記部分画像の輝度から脈波を検出する
処理を実行することを特徴とする脈波検出方法。 - コンピュータに、
カメラによって生体が撮影されたカメラ画像を取得し、
前記カメラ画像から生体領域の部分画像を抽出し、
所定の表示部の画面に表示される画面画像に関する情報を取得し、
前記部分画像の輝度および前記画面画像の輝度から、前記画面画像の輝度が前記部分画像の輝度へ与える影響の度合いを表す反射係数から脈波に対応する周波数成分である脈波対応成分が除去された非脈波対応成分の反射係数を演算し、
前記非脈波対応成分の反射係数および前記画面画像の輝度から、前記部分画像の輝度のうち前記画面画像に由来する画面光分輝度の非脈波対応成分を演算し、
前記部分画像の輝度から前記画面光分輝度の非脈波対応成分が分離された残りの輝度から、脈波に対応する周波数成分である脈波対応成分を除去することにより、前記部分画像の輝度のうち外光に由来する外光分輝度の非脈波対応成分を演算し、
前記画面光分輝度の非脈波対応成分および前記外光分輝度の非脈波対応成分から、前記部分画像の輝度の非脈波対応成分を演算し、
前記部分画像の輝度の非脈波対応成分および前記部分画像の輝度から脈波を検出する
処理を実行させることを特徴とする脈波検出プログラム。
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