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JP6020015B2 - 脈波検出装置、脈波検出プログラム及び脈波検出方法 - Google Patents

脈波検出装置、脈波検出プログラム及び脈波検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、脈波検出装置、脈波検出プログラム及び脈波検出方法に関する。
血液の体積の変動、いわゆる脈波を検出する技術が知られている。例えば、脈波の一態様である心拍数を検出する技術の一例としては、心電計の電極を生体に装着することによって計測された心電波形のピーク、例えばP波やR波などを用いて心拍数を検出する心電図法が挙げられる。他の一例としては、指や耳たぶなどの末梢血管に赤外線を照射し、その反射光が血流および吸光特性によって周期的に変動する光学的な変化から心拍とほぼ等価な脈拍を検出する光電脈波法が挙げられる。
これら心電図法や光電脈波法を用いる場合には、電極を生体に装着したり、あるいは生体に感光面を密着させたりするので、計測器具が生体に接触しないと検出が困難である上、計測器具を装着した状態で日常を生活するのは煩わしいという問題がある。
このことから、生体に計測器具が接触しない状態で脈波を検出するために、被験者が撮影された画像を用いた脈波の検出技術が提案されている。かかる検出技術の一例としては、カメラによって被験者の顔が撮影された画像の信号成分に対し、独立成分分析(ICA:Independent Component Analysis)を適用することによって信号対雑音比を改善する方法が挙げられる。このとき、脈波の検出に用いる画像の領域を顔が写る領域のうち一部の領域に限定した場合には、その一部の領域に含まれる血管の数や光源との位置関係で、血流による輝度変化の大小が選択する領域によって異なる場合がある。ここで、血流による輝度変化が大きな領域を選択出来ればよいが、それは検出すべき脈波が既知であることに相当するため、困難である。また、任意に選択する場合は、血流による輝度変化が小さな領域を選択してしまい、脈波を検出出来ない場合が有る。このため、脈波の検出には、被験者の顔の領域全体に含まれる画素の平均値が用いられることが多い。
特開2008−301915号公報 特開2011−130996号公報 国際公開第2007−043328号
しかしながら、上記の従来技術では、脈波の検出精度が低下する場合があるという問題がある。
すなわち、脈波の伝播速度は、有限であるので、被験者の顔が撮影された画像に写る血流による輝度変化にも時差が生じる。例えば、首元にある血管と額にある血管では、血流によって体積が変動するタイミングも異なる。このため、脈波の検出時に画像に含まれる顔全体の輝度の平均値を算出した場合には、各々の画素間で互いの輝度変化のピークを鈍らせる結果、血流による輝度変化が輝度の平均値に現れにくくなる。したがって、上記の従来技術では、脈波の検出精度が低下してしまう。
1つの側面では、脈波の検出精度の低下を抑制できる脈波検出装置、脈波検出プログラム及び脈波検出方法を提供することを目的とする。
一態様の脈波検出装置は、撮像装置を用いて被験者が撮影された画像を取得する取得部と、前記画像のうち前記被験者の体表面が写る部分画像を抽出する抽出部と、前記部分画像に含まれる第1の画素と、前記第1の画素以外の第2の画素との間で前記第1の画素に対する前記第2の画素の輝度変化の遅延量を推定する推定部と、前記第1の画素に対する前記第2の画素の遅延量にしたがって前記第2の画素の輝度信号を補正した上で前記第1の画素の輝度信号および補正後の第2の画素の輝度信号を合成する合成部と、合成後の輝度信号を用いて、前記被験者の脈波を検出する検出部とを有する。
一実施形態によれば、脈波の検出精度の低下を抑制できる。
図1は、実施例1に係る脈波検出システムに含まれる各装置の機能的構成を示すブロック図である。 図2は、フレーム画像の一例を示す図である。 図3は、フレーム画像の一例を示す図である。 図4は、フレーム画像に含まれるA点およびB点の輝度信号の波形の一例を示す図である。 図5は、実施例1に係る検出処理の手順を示すフローチャートである。 図6は、応用例1に係る検出処理の手順を示すフローチャートである。 図7は、輪郭検出後のフレーム画像の一例を示す図である。 図8は、応用例2に係る検出処理の手順を示すフローチャートである。 図9は、応用例3に係る検出処理の手順を示すフローチャートである。 図10は、実施例1及び実施例2に係る脈波検出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。
以下に、本願の開示する脈波検出装置、脈波検出プログラム及び脈波検出方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[システム構成]
図1は、実施例1に係る脈波検出システムに含まれる各装置の機能的構成を示すブロック図である。図1に示すサーバ装置10は、太陽光や室内光などの環境光の下で生体に計測器具を接触させずに、被験者が撮影された画像を用いて被験者の脈波を検出する脈波検出サービスを提供するものである。ここで言う「脈波」とは、血液の体積の変動、すなわち血流の増減を表す指標を指し、いわゆる心拍数や心拍波形などが含まれる。
かかるサーバ装置10の一態様としては、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして脈波検出サービスを提供する脈波検出プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、サーバ装置10は、上記の脈波検出サービスを提供するWebサーバとして実装することとしてもよいし、アウトソーシングによって上記の脈波検出サービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。
図1に示すように、サーバ装置10及びクライアント端末30は、所望のネットワークを介して、相互に通信可能に接続される。かかるネットワークには、有線または無線を問わず、インターネット(Internet)、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。なお、図1の例では、サーバ装置10に接続されるクライアント端末30が1つである場合を図示したが、サーバ装置10には複数のクライアント端末を接続することもできる。
[クライアント端末30の構成]
クライアント端末30は、サーバ装置10によって提供される脈波検出サービスの提供を受ける端末装置である。かかるクライアント端末30の一態様としては、パーソナルコンピュータを始めとする固定端末の他、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistants)などの移動体端末も採用できる。
クライアント端末30は、図1に示すように、通信I/F(interface)部31と、カメラ32と、表示部33とを有する。なお、クライアント端末30は、図1に示した機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えばアンテナ、キャリア網を介して通信を行うキャリア通信部、GPS(Global Positioning System)受信機などを有することとしてもかまわない。
このうち、通信I/F部31は、他の装置、例えばサーバ装置10との間で通信制御を行うインタフェースである。かかる通信I/F部31の一態様としては、LANカードなどのネットワークインタフェースカードを採用できる。例えば、通信I/F部31は、カメラ32によって被験者の顔が撮影された画像をサーバ装置10へ送信したり、サーバ装置10から脈波の検出結果を受信したりする。
カメラ32は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を用いた撮像装置である。例えば、カメラ32には、R(red)、G(green)、B(blue)など3種以上の受光素子を搭載することができる。かかるカメラ32の実装例としては、デジタルカメラやWebカメラを外部端子を介して接続することとしてもよいし、携帯端末のようにカメラが出荷時から搭載されている場合にはそのカメラを流用できる。なお、ここでは、クライアント端末30がカメラ32を有する場合を例示したが、ネットワーク経由または記憶デバイス経由で画像を取得できる場合には、必ずしもクライアント端末30がカメラ32を有する必要はない。
表示部33は、各種の情報、例えばサーバ装置10から送信された脈波の検出結果などを表示する表示デバイスである。かかる表示部33の一態様としては、モニタやディスプレイを採用したり、入力部と一体化することによってタッチパネルとして実装したりすることもできる。クライアント端末30を通じて情報を表示する必要がなければ表示部33が無くても構わない。また、別のクライアント端末30などの表示部に表示することもできる。
クライアント端末30には、サーバ装置10と協働してサーバ装置10からの脈波検出サービスの提供を受けるアプリケーションプログラムがプリインストールまたはインストールされる。なお、以下では、上記のクライアント用のアプリケーションプログラムのことを「クライアント用アプリ」と記載する場合がある。
かかるクライアント用アプリは、図示しない入力デバイスを介して起動されると、カメラ32を起動する。これを受けて、カメラ32は、カメラ32の撮影範囲に収容された被写体の撮影を開始する。このとき、クライアント用アプリは、カメラ32が撮影する画像を表示部33に表示しつつ、被験者の鼻を映す目標位置を照準として表示させることもできる。これによって、被験者の眼、耳、鼻や口などの顔パーツの中でも被験者の鼻が撮影範囲の中心部分に収まった画像が撮影できるようにする。そして、クライアント用アプリは、カメラ32によって被験者の顔が撮影された画像を通信I/F部31を介してサーバ装置10へ送信する。その後、クライアント用アプリは、サーバ装置10から脈波の検出結果、例えば被験者の心拍数や心拍波形を受信すると、被験者の心拍数および心拍波形を表示部33へ表示させる。
[サーバ装置10の構成]
一方、サーバ装置10は、図1に示すように、通信I/F部11と、取得部12と、抽出部13と、画像バッファ14と、基準情報記憶部15と、推定部16と、合成部17と、検出部18と、出力部19とを有する。なお、サーバ装置10は、図1に示した機能部以外にも既知のサーバ装置が有する各種の機能部、例えば各種の入出力デバイスなどを有することとしてもかまわない。
このうち、通信I/F部11は、他の装置、例えばクライアント端末30との間で通信制御を行うインタフェースである。かかる通信I/F部11の一態様としては、LANカードなどのネットワークインタフェースカードを採用できる。例えば、通信I/F部11は、クライアント端末30から被験者の顔が撮影された画像を受信したり、脈波の検出結果をクライアント端末30へ送信したりする。
取得部12は、被験者が撮影された画像を取得する処理部である。一態様としては、取得部12は、クライアント端末30のカメラ32によって撮影された画像を取得する。他の一態様としては、取得部12は、被験者が撮影された画像を蓄積するハードディスクや光ディスクなどの補助記憶装置またはメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどのリムーバブルメディアから画像を取得することもできる。このとき、取得部12は、画像を取得する場合に、所定の圧縮符号化方式によってエンコードされた動画を取得することもできるし、被験者が映る静止画を連続して取得することもできる。ここで、以下では、クライアント端末30のカメラ32によって被験者の顔が撮影された動画が取得される場合を想定する。さらに、以下では、動画を形成するフレームのことを「フレーム画像」と記載する場合がある。
抽出部13は、取得部12によって取得された画像のうち被験者の体表面が写る部分画像を抽出する処理部である。一態様としては、抽出部13は、取得部12によって動画のフレームが取得される度に、フレーム画像からエッジ検出等の画像処理を実行することによって被験者の顔部分の輪郭を検出する。そして、抽出部13は、先に検出された被験者の顔部分の輪郭をもとに、フレーム画像のうち顔部分に対応する部分画像を抽出する。その上で、抽出部13は、このようにして抽出された部分画像を画像バッファ14へ格納する。
画像バッファ14は、画像を蓄積するバッファである。一態様としては、画像バッファ14には、抽出部13によってフレーム画像から抽出された部分画像が登録される。例えば、画像バッファ14には、所定のフレーム数にわたって部分画像を形成するK個の画素1〜画素Kの輝度信号f(n)〜f(n)が保存される。ここで言う「n」は、部分画像を含むフレーム画像のフレーム番号を指す。なお、画像バッファ14は、人から計測され得る最長の心拍周期よりも大きな期間にわたって部分画像を蓄積可能なバッファサイズNを持つものとする。
基準情報記憶部15は、画像を形成する画素のうち画素間で輝度変化の遅延量を算出する場合に基準として用いる基準画素を記憶する記憶部である。一態様としては、基準情報記憶部15は、画像に含まれる各画素の位置に割り当てられている番号のうち基準画素とする画素の番号を記憶する。かかる基準画素は、動画のフレーム画像のうち被験者の顔が写ると想定される画素であれば任意の画素であってよく、また、1つの画素でなく複数の画素が集まった領域であってよく、さらに、領域を形成する画素同士は隣接せずともフレーム画像上で画素が点在していてもよい。なお、ここでは、基準画素が予め設定されている場合を例示するが、動画のフレーム画像が取得されて処理が起動する度に、任意の画素を基準画素として選択することとしてもよい。
推定部16は、画像バッファ14に蓄積された基準画素の輝度信号と他の画素の輝度信号との間で輝度変化の遅延量を推定する処理部である。ここで、以下では、例えば、K個の画素1〜画素Kのうち画素1を基準画素として基準情報記憶部15に設定されており、画素2〜画素Kの遅延量を推定する場合を例示する。一態様としては、推定部16は、基準情報記憶部15を参照して、部分画像に含まれる基準画素1以外の他の画素2〜画素Kの各々に当該画素と基準画素との間で輝度変化の遅延量を変数とする相互相関関数を設定する。例えば、推定部16は、基準画素の輝度変化の時系列順位を反転した信号、すなわち下記の式(1)を基準信号として設定する。かかる式(1)における「N」は、画像バッファ14のバッファサイズを指し、また、「n」は、部分画像を含むフレーム画像のフレーム番号を指す。その上で、推定部16は、画素2〜画素Kの各々に下記の式(2)の畳み込み関数〜下記の式(3)の畳み込み関数を設定し、各々について畳み込み演算を実行する。そして、画素2〜画素Kの各相互相関関数で計算された値の最大値を探索し、そのときの変数値が各々の画素2〜画素Kの遅延量τ〜τとして決定される。なお、基準画素1の遅延時間τは、ゼロであることとする。
合成部17は、推定部16によって基準画素以外の他の画素ごとに推定された遅延量にしたがって他の画素の輝度信号を補正した上で基準画素および基準画素以外の他の画素の輝度信号を合成する処理部である。一態様としては、合成部17は、各々の画素2の遅延量τ〜画素Kの遅延量τの符号を反転させた各値をオフセット値とし、各々の画素2の輝度信号f(n)〜画素Kの輝度信号f(n)を時間軸方向へシフトさせる。その上で、合成部17は、基準画素1の輝度信号f(n)および補正後の画素2の輝度信号f(n)〜画素Kの輝度信号f(n)のうち少なくとも2つ以上の任意の画素の輝度信号を用い、各々のフレームの輝度信号を積算したり、あるいは平均したりすることによって輝度信号を合成する。例えば、画素1〜画素KのK個の画素を脈波の検出に用いる場合には、下記の式(4)に画素1の遅延量τ〜画素Kの遅延量τを代入することによって合成後の輝度信号が得られる。このようにして得られた合成後の輝度信号が脈波の検出に使用される。以下では、合成後の輝度信号のことを「脈波検出用信号」と記載する場合がある。
図2及び図3は、フレーム画像の一例を示す図である。図4は、フレーム画像に含まれるA点およびB点の輝度信号の波形の一例を示す図である。このうち、図2は、A点の輝度が最大である瞬間のフレーム画像を示し、また、図3は、B点の輝度が最大である瞬間のフレーム画像を示す。また、図2に示すフレーム画像の時刻はt0[s]であり、図3に示すフレーム画像の時刻はt0+0.35[s]であることとする。図4に示すグラフの横軸は、時刻[s]であり、グラフの縦軸は、輝度を指す。なお、図4では、説明の便宜上、A点およびB点の輝度信号の波形がモデル化されていることとする。
図2及び図3に示すように、フレーム画像において首もとにあるA点と目尻にあるB点とでは、心臓からの距離が異なるので、血流の体積が変化するタイミングも異なる。このため、A点及びB点の間では、輝度が最大となる瞬間も異なる。これは、図4に示す輝度信号の波形、すなわち太い実線で表されたA点の輝度信号の波形と細い点線で表されたB点の輝度信号の波形とのピーク位置が異なることからも容易に推定できる。これらA点及びB点の輝度信号を平均して合成した場合には、図4に示す細い方の一点鎖線のように、互いの輝度信号のピークが鈍ってしまう。このため、A点の輝度信号に対するB点の輝度信号の遅延量τA←Bの分、B点の輝度信号を左へシフトさせることによってB点の輝度変化の遅延が等価された補正後の輝度信号、すなわち図4に示す太い点線で表された輝度信号を得る。その上で、A点の輝度信号および補正後のB点の輝度信号を平均することによって互いの輝度変化のピークが鈍っていない合成信号、すなわち図4に示す太い一点鎖線で表された脈波検出用信号を得ることができる。
検出部18は、脈波検出用信号を用いて、被験者の脈波を検出する処理部である。一態様としては、検出部18は、脈波検出用信号の時系列データを脈波の一態様である心拍波形として出力する。他の一態様としては、検出部18は、脈波検出用信号の時系列データを周波数成分へ変換する。そして、検出部18は、BPF(Band-Pass Filter)を用いて、脈波の一態様である心拍数が採り得る周波数帯、例えば42bpm以上240bpm未満の周波数帯の周波数成分を抽出する。その上で、検出部18は、脈波検出用信号の周波数成分のピーク値を持つ周波数を心拍数として検出する。なお、脈波検出用信号を周波数成分へ展開する手法の一例としては、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)、フーリエ変換、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)や離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)などが用いられる。
出力部19は、被験者の脈波の検出結果をクライアント端末30へ出力する処理部である。一態様としては、出力部19は、検出部18によって検出された被験者の心拍数をクライアント端末30へ出力する。このとき、出力部19は、心疾患の有無を診断する診断プログラム、例えばサーバ装置10に実装されているWebアプリケーションへ被験者の心拍数を出力する。そして、出力部19は、診断プログラムによって被験者の心疾患を診断させた診断結果を心拍数とともにクライアント端末30へ出力することもできる。例えば、診断プログラムでは、高血圧の人物が頻脈、例えば100回/分以上である場合に狭心症や心筋梗塞の疑いがあると診断したり、心拍数を用いて不整脈や精神疾患、例えば緊張やストレスを診断したりする。かかる診断結果を併せて出力することによって、院外、例えば在宅や在席のモニタリングサービスも可能になる。他の一態様としては、出力部19は、検出部18によって検出された被験者の心拍波形をクライアント端末30へ出力する。
なお、取得部12、抽出部13、推定部16、合成部17、検出部18及び出力部19には、各種の集積回路や電子回路を採用できる。例えば、集積回路としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。また、電子回路としては、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などが挙げられる。
また、上記の画像バッファ14や基準情報記憶部15には、半導体メモリ素子や記憶装置を採用できる。例えば、半導体メモリ素子の一例としては、VRAM(Video Random Access Memory)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ(flash memory)などが挙げられる。また、記憶装置の一例としては、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置が挙げられる。
[処理の流れ]
続いて、本実施例に係るサーバ装置10の処理の流れについて説明する。図5は、実施例1に係る検出処理の手順を示すフローチャートである。この検出処理は、サーバ装置10上で上記の脈波検出プログラムが起動している限り、繰り返し実行される処理である。
図5に示すように、取得部12によってフレーム画像が取得されると(ステップS101)、抽出部13は、フレーム画像のうち被験者の体表面が写る部分画像を抽出する(ステップS102)。その上で、抽出部13は、ステップS102で抽出された部分画像を画像バッファ14へ格納する(ステップS103)。
その後、推定部16は、基準情報記憶部15を参照して、画像バッファ14に蓄積された部分画像に含まれる基準画素1以外の他の画素2〜画素Kの各々に当該画素と基準画素との間で輝度変化の遅延量毎の相互相関を計算し、相互相関関数を設定する(ステップS104)。
続いて、推定部16は、ある画素の相互相関関数について最大値を探索し、そのときの変数値をその画素の遅延量として推定する(ステップS105)。そして、画素2〜画素Kの全画素について遅延量が推定されるまで(ステップS106No)、推定部16は、上記のステップS105を繰り返し実行する。
その後、画素2〜画素Kの全画素について遅延量推定がなされた場合(ステップS106Yes)に、合成部17は、ステップS106で基準画素以外の他の画素ごとに推定された遅延量にしたがって他の画素の輝度信号を補正する(ステップS107)。
その上で、基準画素以外の全画素の遅延が補正されるまで(ステップS108No)、合成部17は、上記のステップS107を繰り返し実行する。その後、基準画素以外の全画素の遅延補正がなされた場合(ステップS108Yes)に、合成部17は、基準画素の輝度信号と、ステップS107で遅延が補正された基準画素以外の他の画素の輝度信号を合成する(ステップS109)。
続いて、検出部18は、ステップS109の合成によって得られた脈波検出用信号を用いて、被験者の脈波、例えば心拍波形や心拍数を検出する(ステップS110)。最後に、出力部19は、被験者の脈波の検出結果をクライアント端末30へ出力し(ステップS111)、処理を終了する。
[実施例1の効果]
上述してきたように、本実施例に係るサーバ装置10は、被験者が撮影された画像のうち体表面が写る部分画像を対象に基準画素に対する他の画素の輝度変化の遅延量を推定し、各画素の遅延量に従って輝度信号を補正した上で基準画素と他の画素の輝度信号を合成する。このため、本実施例に係るサーバ装置10では、画素間で互いの輝度変化のピークが鈍っていない合成信号を脈波検出用信号として得ることができる。したがって、本実施例に係るサーバ装置10によれば、脈波の検出精度の低下を抑制できる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
[応用例1]
例えば、上記の実施例1では、動画のフレームが取得される度に遅延量を推定する例について説明したが、必ずしも動画のフレームが取得される度に遅延量を推定する必要はない。例えば、サーバ装置10は、遅延量を推定したフレーム画像が取得されてから所定のフレーム数に対応する期間、例えば3秒などが経過するまで遅延量を算出する処理をとばしてもよい。また、若干の性能低下を許容し、処理量を削減するために、サーバ装置10は、基準画素以外の他の画素のうち基準画素以外の各画素の遅延量の平均値との差の絶対値が所定の閾値以下となる画素を抽出する。これらの画素は、基準画素に対する遅延量が無視できるものとして扱い、遅延補正無しで輝度信号を合成することとしてもよい。
図6は、応用例1に係る検出処理の手順を示すフローチャートである。この検出処理も、図5に示した検出処理と同様の条件で処理が実行される。なお、図6のフローチャートでは、図5に示したフローチャートと同一の処理を実行する部分については同一のステップ番号を付与している。
図6に示すように、取得部12によってフレーム画像が取得されると(ステップS101)、抽出部13は、フレーム画像のうち被験者の体表面が写る部分画像を抽出する(ステップS102)。その上で、抽出部13は、ステップS102で抽出された部分画像を画像バッファ14へ格納する(ステップS103)。
ここで、推定部16は、前回に画素抽出を行ってから所定の期間が経過しているか否かを判定する(ステップS301)。なお、所定の期間が経過していなければ(ステップS301No)、ステップS303の処理へ移行する。
一方、前回に画素抽出をしてから所定の期間が経過している場合(ステップS301Yes)には、推定部16は、基準情報記憶部15を参照して、画像バッファ14に蓄積された部分画像に含まれる基準画素1以外の他の画素2〜画素Kの各々に当該画素と基準画素との間で輝度変化の遅延量毎の相互相関を計算し、相互相関関数を設定する(ステップS104)。
続いて、推定部16は、ある画素の相互相関関数について最大値を探索し、そのときの変数値をその画素の遅延量として推定する(ステップS105)。そして、画素2〜画素Kの全画素について遅延量が推定されるまで(ステップS106No)、推定部16は、上記のステップS105を繰り返し実行する。
その後、画素2〜画素Kの全画素について遅延量推定がなされた場合(ステップS106Yes)に、合成部17は、基準画素以外の他の画素のうち基準画素以外の各画素の遅延量の平均値との差の絶対値が所定の閾値以下となる画素を代表画素として抽出する(ステップS302)。そして、合成部17は、ステップS302で抽出された画素の輝度信号を合成する(ステップS303)。
続いて、検出部18は、ステップS303の合成によって得られた脈波検出用信号を用いて、被験者の脈波、例えば心拍波形や心拍数を検出する(ステップS110)。最後に、出力部19は、被験者の脈波の検出結果をクライアント端末30へ出力し(ステップS111)、処理を終了する。
なお、図6に示したフローチャートでは、基準画素との間で輝度変化のピークのばらつきが小さいので、遅延量を用いて輝度信号を補正せずに合成を行う場合を例示したが、抽出された画素の輝度信号の遅延量を用いて各々の輝度信号を補正することとしてもかまわない。
このように、図6に示した検出処理を実行することで、遅延量の小さい画素のみを抽出して使用し、また、画素抽出のための遅延量が一旦推定されてからは所定の期間が経過するまでステップS104〜ステップS106までの処理を省略できる結果、処理量を削減することができる。このため、上記の脈波検出プログラムがクライアント端末30上で動作する場合には、サーバ装置10に比べて性能が劣るクライアント端末30で動作不良が起こるのを抑制できる。
[応用例2]
また、サーバ装置10は、上記の応用例1とは異なる方法によって遅延量の演算量を削減することもできる。例えば、サーバ装置10は、部分画像を所定の複数の領域に分割する。図7は、輪郭検出後のフレーム画像の一例を示す図である。図7に示すように、部分画像に含まれる顔領域の中でも、同じ高さに位置する画素同士は、心臓からの距離も略同一であるので、高さが異なる画素同士の遅延量のばらつきと比べて小さいとみなすことができる。このため、サーバ装置10は、部分画像を高さ方向に区切ることによって横長の領域が高さ方向に層状に連なるM個の領域1〜領域Mに分割する。その上で、サーバ装置10は、領域1〜領域Mの領域ごとに当該領域に属する画素の遅延量の分散を算出する。そして、サーバ装置10は、若干の性能低下を許容し、処理量を削減するために、遅延量の分散が最小の領域に含まれる画素を抽出する。これらの画素は、基準画素に対する遅延量が無視できるものとして扱い、遅延補正無しで輝度信号を合成することとしてもよい。なお、応用例2においても、上記の応用例1と同様に、遅延量を推定したフレーム画像が取得されてから所定のフレーム数に対応する期間が経過するまで遅延量を算出する処理をとばしてもよい。
図8は、応用例2に係る検出処理の手順を示すフローチャートである。この検出処理も、図5に示した検出処理と同様の条件で処理が実行される。なお、図8のフローチャートでは、図5に示したフローチャートと同一の処理を実行する部分については同一のステップ番号を付与している。
図8に示すように、取得部12によってフレーム画像が取得されると(ステップS101)、抽出部13は、フレーム画像のうち被験者の体表面が写る部分画像を抽出する(ステップS102)。その上で、抽出部13は、ステップS102で抽出された部分画像を画像バッファ14へ格納する(ステップS103)。
ここで、推定部16は、前回に画素抽出を行ってから所定の期間が経過しているか否かを判定する(ステップS501)。なお、所定の期間が経過していなければ(ステップS501No)、ステップS505の処理へ移行する。
一方、前回に画素抽出をしてから所定の期間が経過している場合(ステップS501Yes)には、推定部16は、基準情報記憶部15を参照して、画像バッファ14に蓄積された部分画像に含まれる基準画素1以外の他の画素2〜画素Kの各々に当該画素と基準画素との間で輝度変化の遅延量毎の相互相関を計算し、相互相関関数を設定する(ステップS104)。
続いて、推定部16は、ある画素の相互相関関数について最大値を探索し、そのときの変数値をその画素の遅延量として推定する(ステップS105)。そして、画素2〜画素Kの全画素について遅延量が推定されるまで(ステップS106No)、推定部16は、上記のステップS105を繰り返し実行する。
その後、画素2〜画素Kの全画素について遅延量推定がなされた場合(ステップS106Yes)に、合成部17は、部分画像を所定の複数の領域1〜領域Mに分割する(ステップS502)。続いて、合成部17は、領域1〜領域Mの領域ごとに当該領域に属する画素の遅延量の分散を算出する(ステップS503)。
その上で、合成部17は、遅延量の分散が最小の領域に含まれる画素を代表画素として抽出する(ステップS504)。そして、合成部17は、ステップS504で抽出された画素の輝度信号を合成する(ステップS505)。
続いて、検出部18は、ステップS505の合成によって得られた脈波検出用信号を用いて、被験者の脈波、例えば心拍波形や心拍数を検出する(ステップS110)。最後に、出力部19は、被験者の脈波の検出結果をクライアント端末30へ出力し(ステップS111)、処理を終了する。
なお、図8に示したフローチャートでは、基準画素との間で輝度変化のピークのばらつきが小さいので、遅延量を用いて輝度信号を補正せずに合成を行う場合を例示したが、抽出された画素の輝度信号の遅延量を用いて各々の輝度信号を補正することとしてもかまわない。
このように、図8に示した検出処理を実行することで、遅延量の小さい画素のみを抽出して使用し、また、画素抽出のための遅延量が一旦推定されてからは所定の期間が経過するまでステップS104〜ステップS106までの処理を省略できる結果、処理量を削減することができる。このため、上記の脈波検出プログラムがクライアント端末30上で動作する場合には、サーバ装置10に比べて性能が劣るクライアント端末30で動作不良が起こるのを抑制できる。
[応用例3]
また、上記の実施例1では、基準画素以外の全画素の遅延量を推定する場合を例示したが、必ずしも全画素について遅延量を算出する必要はない。一態様としては、サーバ装置10は、画素単位ではなく、領域単位で遅延量を推定することもできる。例えば、サーバ装置10は、部分画像を高さ方向に区切ることによって横長の領域が高さ方向に層状に連なるM個の領域1〜領域Mに分割する。その上で、サーバ装置10は、領域1〜領域Mの領域ごとに当該領域に属する画素の輝度信号を積算または平均することによって合成する。その後、サーバ装置10は、領域1〜領域Mのうち基準画素が属する基準領域の合成輝度信号に対する基準領域以外の合成輝度信号の遅延量を推定し、以降の処理を領域単位で実行する。
図9は、応用例3に係る検出処理の手順を示すフローチャートである。この検出処理も、図5に示した検出処理と同様の条件で処理が実行される。なお、図9のフローチャートでは、図5に示したフローチャートと同一の処理を実行する部分については同一のステップ番号を付与している。
図9に示すように、取得部12によってフレーム画像が取得されると(ステップS101)、抽出部13は、フレーム画像のうち被験者の体表面が写る部分画像を抽出する(ステップS102)。その上で、抽出部13は、ステップS102で抽出された部分画像を画像バッファ14へ格納する(ステップS103)。
その後、推定部16は、部分画像を所定の複数の領域1〜領域Mに分割する(ステップS701)。その上で、推定部16は、領域1〜領域Mの各領域ごとに当該領域に属する画素の輝度信号を積算または平均することによって合成する(ステップS702)。そして、推定部16は、領域1〜領域Mのうち基準画素が属する基準領域以外の領域に当該領域と基準領域との間で輝度変化の遅延量毎の相互相関を計算し、相互相関関数を設定する(ステップS703)。
続いて、推定部16は、ある領域の相互相関関数について最大値を探索し、そのときの変数値をその領域の遅延量として推定する(ステップS704)。そして、基準領域以外の全領域について遅延量が推定されるまで(ステップS705No)、推定部16は、上記のステップS704を繰り返し実行する。
その後、基準領域以外の全領域について遅延量推定がなされた場合(ステップS705Yes)に、合成部17は、ステップS704で基準領域以外の他の領域ごとに推定された遅延量にしたがって他の領域の輝度信号を補正する(ステップS706)。
その上で、基準領域以外の全領域の遅延が補正されるまで(ステップS707No)、合成部17は、上記のステップS706を繰り返し実行する。その後、基準領域以外の全領域の遅延補正がなされた場合(ステップS707Yes)に、合成部17は、基準領域の輝度信号と、ステップS706で遅延が補正された基準領域以外の他の領域の輝度信号を合成する(ステップS708)。
続いて、検出部18は、ステップS708の合成によって得られた脈波検出用信号を用いて、被験者の脈波、例えば心拍波形や心拍数を検出する(ステップS110)。最後に、出力部19は、被験者の脈波の検出結果をクライアント端末30へ出力し(ステップS111)、処理を終了する。
このように、図9に示した検出処理を実行することで、複数の画素を代表する領域単位でステップS703〜ステップS708の処理を実行できる結果、一定の検出精度を維持しながらも、遅延量の演算処理量を削減することができる。このため、上記の脈波検出プログラムがクライアント端末30上で動作する場合には、サーバ装置10に比べて性能が劣るクライアント端末30で動作不良が起こるのを抑制できる。
[分散および統合]
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、サーバ装置10が有する取得部12、抽出部13、推定部16、合成部17、検出部18または出力部19などの機能部に対応する処理を実行する脈波検出プログラムをクライアント端末30で実行させることによってクライアント端末30をスタンドアローンで動作させることも可能である。また、取得部12、抽出部13、推定部16、合成部17、検出部18及び出力部19のうち一部の機能部をサーバ装置10の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。
[脈波検出プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図10を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する脈波検出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
図10は、実施例1及び実施例2に係る脈波検出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。図10に示すように、コンピュータ100は、操作部110aと、スピーカ110bと、カメラ110cと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、CPU150と、ROM160と、HDD170と、RAM180とを有する。これら110〜180の各部はバス140を介して接続される。
HDD170には、図10に示すように、上記の実施例1で示した取得部12、抽出部13、推定部16、合成部17、検出部18及び出力部19と同様の機能を発揮する脈波検出プログラム170aが予め記憶される。この脈波検出プログラム170aについては、図1に示した各々の取得部12、抽出部13、推定部16、合成部17、検出部18及び出力部19の各構成要素と同様、適宜統合又は分離しても良い。すなわち、HDD170に格納される各データは、常に全てのデータがHDD170に格納される必要はなく、処理に必要なデータのみがHDD170に格納されれば良い。
そして、CPU150が、脈波検出プログラム170aをHDD170から読み出してRAM180に展開する。これによって、図10に示すように、脈波検出プログラム170aは、脈波検出プロセス180aとして機能する。この脈波検出プロセス180aは、HDD170から読み出した各種データを適宜RAM180上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開した各種データに基づいて各種処理を実行する。なお、脈波検出プロセス180aは、図1に示した取得部12、抽出部13、推定部16、合成部17、検出部18及び出力部19にて実行される処理、例えば図5、図6、図8や図9に示す処理を含む。また、CPU150上で仮想的に実現される各処理部は、常に全ての処理部がCPU150上で動作する必要はなく、処理に必要な処理部のみが仮想的に実現されれば良い。
なお、上記の脈波検出プログラム170aについては、必ずしも最初からHDD170やROM160に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ100がこれらから各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
10 サーバ装置
11 通信I/F部
12 取得部
13 抽出部
14 画像バッファ
15 基準情報記憶部
16 推定部
17 合成部
18 検出部
19 出力部
30 クライアント端末

Claims (7)

  1. 撮像装置を用いて被験者が撮影された画像を取得する取得部と、
    前記画像のうち前記被験者の体表面が写る部分画像を抽出する抽出部と、
    前記部分画像に含まれる第1の画素と、前記第1の画素以外の第2の画素との間で前記第1の画素に対する前記第2の画素の輝度変化の遅延量を推定する推定部と、
    前記第1の画素に対する前記第2の画素の遅延量にしたがって前記第2の画素の輝度信号を補正した上で前記第1の画素の輝度信号および補正後の第2の画素の輝度信号を合成する合成部と、
    合成後の輝度信号を用いて、前記被験者の脈波を検出する検出部と
    を有することを特徴とする脈波検出装置。
  2. 前記推定部は、前記第1の画素の輝度信号前記第2の画素の輝度信号との相互相関関数を設定し、前記相互相関関数が最大となる変数値を当該第2の画素の遅延量として推定することを特徴とする請求項1に記載の脈波検出装置。
  3. 前記推定部は、前記第1の画素に対する前記第2の画素の輝度変化の遅延量を算出した後に所定の期間が経過するまで処理の実行を待機し、
    前記合成部は、前記部分画像に含まれる第2の画素のうち遅延量の平均値との差の絶対値が所定の閾値以下となる遅延量を持つ第2の画素を抽出し、前記抽出部によって部分画像が抽出される度に前記推定部の処理が再度実行されるまで前記抽出された第2の画素の輝度信号を合成する処理を繰り返し実行することを特徴とする請求項1または2に記載の脈波検出装置。
  4. 前記推定部は、前記第1の画素に対する前記第2の画素の輝度変化の遅延量を算出した後に所定の期間が経過するまで処理の実行を待機し、
    前記合成部は、前記部分画像が分割された複数の領域ごとに当該領域に属する第2の画素の遅延量の分散を算出した上で前記遅延量の分散が最小となる領域に含まれる第2の画素を抽出し、前記抽出部によって部分画像が抽出される度に前記推定部の処理が再度実行されるまで前記抽出された第2の画素の輝度信号を合成する処理を繰り返し実行することを特徴とする請求項1または2に記載の脈波検出装置。
  5. 前記部分画像を複数の領域に分割する分割部をさらに有し、
    前記推定部は、複数の領域のうち前記第1の画素を含む第1の領域と、前記第1の画素を含まない第2の領域との間で前記第1の領域に対する前記第2の領域の輝度変化の遅延量を推定し、
    前記合成部は、前記第1の領域に対する前記第2の領域の遅延量にしたがって前記第2の領域の輝度信号を補正した上で前記第1の領域の輝度信号および補正後の第2の領域の輝度信号を合成することを特徴とする請求項1または2に記載の脈波検出装置。
  6. コンピュータに、
    撮像装置を用いて被験者が撮影された画像を取得し、
    前記画像のうち前記被験者の体表面が写る部分画像を抽出し、
    前記部分画像に含まれる第1の画素と、前記第1の画素以外の第2の画素との間で前記第1の画素に対する前記第2の画素の輝度変化の遅延量を推定し、
    前記第1の画素に対する前記第2の画素の遅延量にしたがって前記第2の画素の輝度信号を補正した上で前記第1の画素の輝度信号および補正後の第2の画素の輝度信号を互いに合成し、
    合成後の輝度信号を用いて、前記被験者の脈波を検出する
    処理を実行させることを特徴とする脈波検出プログラム。
  7. コンピュータが、
    撮像装置を用いて被験者が撮影された画像を取得し、
    前記画像のうち前記被験者の体表面が写る部分画像を抽出し、
    前記部分画像に含まれる第1の画素と、前記第1の画素以外の第2の画素との間で前記第1の画素に対する前記第2の画素の輝度変化の遅延量を推定し、
    前記第1の画素に対する前記第2の画素の遅延量にしたがって前記第2の画素の輝度信号を補正した上で前記第1の画素の輝度信号および補正後の第2の画素の輝度信号を互いに合成し、
    合成後の輝度信号を用いて、前記被験者の脈波を検出する
    処理を実行することを特徴とする脈波検出方法。
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