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JP6110265B2 - 基地局及びユーザ端末 - Google Patents

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JP6110265B2 JP2013199878A JP2013199878A JP6110265B2 JP 6110265 B2 JP6110265 B2 JP 6110265B2 JP 2013199878 A JP2013199878 A JP 2013199878A JP 2013199878 A JP2013199878 A JP 2013199878A JP 6110265 B2 JP6110265 B2 JP 6110265B2
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Description

本発明は、移動通信システムにおいて用いられる基地局及びユーザ端末に関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)で仕様が策定されているLTE(Long Term Evolution)では、セルを識別するためのセル識別子が各セルに割り当てられる。
セル識別子は、物理セル識別子(PCI:Physical Cell ID)及びセルグローバル識別子(ECGI:E−UTRAN Cell Global ID)などである(例えば非特許文献1参照)。
また、3GPPでは、リリース8乃至11で規定される従来型のキャリア構造とは異なる新たなキャリア構造(NCT:New Carrier Type)を導入することが検討されている。
3GPP技術仕様書 「TS36.300 V11.6.0」 2013年7月
移動通信システムにおいて利用可能なセル識別子の数は有限である。例えば、LTEの仕様では504個の物理セル識別子が規定されている。
よって、マクロセル内に多数の小セルが設けられるような通信環境においては、セル識別子が枯渇し、重複なくセル識別子を割り当てることが困難になる問題がある。
そこで、本発明は、改良されたセル識別子を実現することを目的とする。
第1の特徴に係る基地局は、複数の下りリンクサブフレームを有するフレーム構成を使用して通信を行う移動通信システムにおいて、セルを管理する。前記基地局は、前記複数の下りリンクサブフレームのうち一部の下りリンクサブフレームである参照信号サブフレームにおいて、セル固有参照信号を送信する送信部を備える。前記セルには、前記参照信号サブフレームのサブフレーム番号と関連付けられたサブフレーム番号関連部分を含むセル識別子が割り当てられている。
第2の特徴に係るユーザ端末は、複数の下りリンクサブフレームを有するフレーム構成を使用して通信を行う移動通信システムにおいて用いられる。前記ユーザ端末は、前記複数の下りリンクサブフレームのうち一部の下りリンクサブフレームである参照信号サブフレームにおいて、セルからセル固有参照信号を受信する受信部を備える。前記セルには、前記参照信号サブフレームのサブフレーム番号と関連付けられたサブフレーム番号関連部分を含むセル識別子が割り当てられている。
本発明によれば、改良されたセル識別子を実現できる。
第1実施形態及び第2実施形態に係るLTEシステムの構成図である。 第1実施形態及び第2実施形態に係るUEのブロック図である。 第1実施形態及び第2実施形態に係るeNBのブロック図である。 第1実施形態及び第2実施形態に係る無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。 第1実施形態及び第2実施形態に係る無線フレームの構成図である。 第1実施形態に係るNCTを説明するための図である。 第1実施形態及び第2実施形態に係る動作環境を説明するための図である。 第1実施形態に係るセルグループと参照信号サブフレームとの関係を説明するための図である。 第1実施形態に係るNRTを説明するための図である。 第2実施形態に係る動作を説明するための図である。 第2実施形態に係る動作パターン2を示すシーケンス図である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る基地局は、複数の下りリンクサブフレームを有するフレーム構成を使用して通信を行う移動通信システムにおいて、セルを管理する。前記基地局は、前記複数の下りリンクサブフレームのうち一部の下りリンクサブフレームである参照信号サブフレームにおいて、セル固有参照信号を送信する送信部を備える。前記セルには、前記参照信号サブフレームのサブフレーム番号と関連付けられたサブフレーム番号関連部分を含むセル識別子が割り当てられている。
実施形態では、前記セル識別子は、前記セルの物理セル識別子を拡張したものである。前記サブフレーム番号関連部分は、前記物理セル識別子に追加される拡張部分である。
実施形態では、前記サブフレーム番号関連部分は、前記セルを含む複数のセルからなるグループを識別するグループ識別子である。
実施形態では、前記基地局は、前記セルに割り当てられた前記セル識別子に含まれる前記サブフレーム番号関連部分に応じて、前記複数の下りリンクサブフレームの中から前記参照信号サブフレームを設定する制御部をさらに備える。
実施形態では、前記制御部は、前記セルの運用を開始する前において、近隣セルとのネゴシエーションを行う。前記制御部は、前記ネゴシエーションの結果に基づいて、前記セルのセル固有参照信号が設けられるリソースエレメント及び/又はサブフレームを設定する。
実施形態では、前記セルは、マクロセルのカバレッジ内に配置可能な小セルである。
実施形態では、前記セルは、プライマリセルとペアで運用されるセカンダリセルである。
実施形態に係るユーザ端末は、複数の下りリンクサブフレームを有するフレーム構成を使用して通信を行う移動通信システムにおいて用いられる。前記ユーザ端末は、前記複数の下りリンクサブフレームのうち一部の下りリンクサブフレームである参照信号サブフレームにおいて、セルからセル固有参照信号を受信する受信部を備える。前記セルには、前記参照信号サブフレームのサブフレーム番号と関連付けられたサブフレーム番号関連部分を含むセル識別子が割り当てられている。
実施形態では、前記ユーザ端末は、前記セル識別子に含まれる前記サブフレーム番号関連部分に基づいて、前記参照信号サブフレームを特定する制御部をさらに備える。
実施形態では、前記セル識別子は、前記セルの物理セル識別子を拡張したものである。前記サブフレーム番号関連部分は、前記物理セル識別子に追加される拡張部分である。
実施形態では、前記サブフレーム番号関連部分は、前記セルを含む複数のセルからなるグループを識別するグループ識別子である。
[第1実施形態]
以下において、本発明をLTEシステムに適用する場合の実施形態を説明する。
(システム構成)
図1は、第1実施形態に係るLTEシステムの構成図である。図1に示すように、第1実施形態に係るLTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、接続先のセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータのルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能などを有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。E−UTRAN10及びEPC20によりLTEシステムのネットワークが構成される。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御などを行う。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、複数のアンテナ101、無線送受信機110、ユーザインターフェイス120、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130、バッテリ140、メモリ150、及びプロセッサ160を備える。メモリ150は記憶部に相当する。プロセッサ160(及びメモリ150)は、制御部を構成する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
複数のアンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換して複数のアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、複数のアンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報(経度・緯度など)を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160により実行されるプログラム、及びプロセッサ160による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、複数のアンテナ201、無線送受信機210、ネットワークインターフェイス220、メモリ230、及びプロセッサ240を備える。メモリ230は記憶部に相当する。プロセッサ240(及びメモリ230)は、制御部を構成する。
複数のアンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換して複数のアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、複数のアンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して近隣eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240により実行されるプログラム、及びプロセッサ240による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Media Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式)及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100は接続状態(RRC接続状態)であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態(RRCアイドル状態)である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルによりリソースエレメントが構成される。
UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより構成され、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により構成される。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される領域である。また、各サブフレームの残りの部分は、主にユーザデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、主にユーザデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。
(セル識別子の概要)
LTEシステムにおいて、各セルには、セルを識別するためのセル識別子が割り当てられている。セル識別子は、物理セル識別子(PCI)及びセルグローバル識別子(ECGI)などである。ECGIは、MCC、MNC、ECIで構成されており、ECIは、PCIとeNB識別子との組み合わせにより構成される。
PCIは8ビットで構成され、主に物理層において利用される。仕様上定義されているPCIは504個である。また、セル固有参照信号(CRS)の信号系列は504個用意され、当該信号系列はPCIと対応付けられている。PCIは、168個のセルIDグループに分けられており、各セルIDグループには3つのセルIDが含まれる(168×3=504)。
UE100は、セルサーチの際に、セルから受信するプライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)により、当該セルのPCIを特定する。具体的には、PSSの値はセルIDグループ中のセルID(3個)と対応付けられており、SSSの値はセルIDグループ(168個)と対応付けられており、PSS及びSSSの組み合わせによりPCIが特定される。また、PSS及びSSSにより下りリンクのフレームレベルの同期がとられる。
UE100は、PSS及びSSSの組み合わせによりセルのPCIを特定した後、PCIに基づいてCRSを受信する。CRSにより下りリンクのシンボル同期及び周波数同期がとられる。CRSは、6サブキャリア間隔で、スロット中の最初のOFDMシンボルと最後から3番目のOFDMシンボルとに設けられる。また、CRSは、PCIに応じて6つの周波数シフトのグループ(以下、「CRS周波数シフトグループ」という)に分けられている。
なお、ECGIは、RRC層で送受信されるシステム情報ブロック(SIB)によりセルから報知される。
(第1実施形態に係るNCT)
3GPPでは、リリース8乃至11で規定される従来型のキャリア構造とは異なる新たなキャリア構造(NCT)を導入することが検討されている。
複数のコンポーネントキャリア(CC)を束ねて通信に使用するキャリアアグリゲーション(CA)において、プライマリ・コンポーネントキャリア(PCC)にNCTが適用されるケースと、セカンダリ・コンポーネントキャリア(SCC)にNCTが適用されるケースとがある。SCCは、単独では使用されないCCであり、PCCのペアとして使用され、専らユーザデータを伝送するために使用される。なお、PCCはプライマリセルとも称され、SCCはセカンダリセルとも称される。
第1実施形態では、下りリンクにおいて、NCTが適用されたSCCを使用するケースを主として想定する。図6は、第1実施形態に係るNCTを説明するための図である。
図6に示すように、NCTが適用されるSCCは、ユーザデータを割り当て可能な領域を増加させるために、複数の下りリンクサブフレームのうちCRSが配置されるサブフレーム(以下、「参照信号サブフレーム」という)が間欠的に設けられる。図6の例では、5サブフレームのうち1サブフレームにのみCRSが配置される。具体的には、サブフレーム#0乃至#4のうちサブフレーム#0にのみCRSが配置され、サブフレーム#5乃至#9のうちサブフレーム#5にのみCRSが配置される。
この場合、CRSは、データ復調のためのチャネル推定には利用されず、PCCとの同期ずれの補正に利用される。より詳細には、CRSは、当該キャリア(SCC)の周波数同期・フレームタイミング同期のために利用される。なお、データ復調のためのチャネル推定には、ユーザデータに付随する復調参照信号(DMRS)が利用される。
(第1実施形態に係る動作)
図7は、第1実施形態に係る動作環境を説明するための図である。
図7に示すように、第1実施形態では、マクロセルMC内に多数の小セルSCが設けられる環境(いわゆる、HetNet環境)を想定する。小セルSCは、例えばピコセル又はフェムトセルである。
図7の例では、eNB200−1は、3つのマクロセルMC#1乃至MC#3を管理しており、各マクロセルMC内に多数の小セルSCが設けられる。小セルSCのそれぞれは、1つのeNB200により管理されている。但し、複数の小セルSCが1つのeNB200により管理されてもよい。各セルには、PCIなどのセル識別子が割り当てられている。
また、マクロセルMCが属する周波数F1と小セルSCが属する周波数F2とが異なっている。第1実施形態では、マクロセルMCをPCC(プライマリセル)とし、小セルSCをSCC(セカンダリセル)としたCAが適用され、かつ、上述したNCTが小セルSCに適用されるケースを主として想定する。
このように、マクロセル内に多数の小セルが設けられる環境においては、PCIが枯渇し、PCIの割り当ての自由度が低下する。例えば、相互に近接する複数のセルに対して、同一のCRS周波数シフトグループに属するPCIが割り当てられている場合、当該複数のセルが同一のリソースエレメントにおいてCRSを送信することにより、CRS同士で干渉を与え合い、CRSを正常に伝送することができない問題(以下、「第1の問題」という)がある。
また、同一のマクロセルMC内の複数の小セルSCに同一のPCIが割り当てられる場合、マクロセルMC内の小セルSCをPCIにより一意に識別することができない問題(以下、「第2の問題」という)がある。
第1実施形態では、上述したNCTが適用される小セルSCを管理するeNB200は、複数の下りリンクサブフレームのうち一部の下りリンクサブフレームである参照信号サブフレームにおいて、CRSを送信する。ここで、小セルSCには、参照信号サブフレームのサブフレーム番号と関連付けられたサブフレーム番号関連部分を含むセル識別子が割り当てられている。以下においては、このような新規なセル識別子を拡張物理セル識別子(E−PCI)と称する。
このように、E−PCIを参照信号サブフレームと関連付けることにより、サブフレーム番号関連部分に応じて参照信号サブフレームを異ならせることができる。よって、相互に近接する複数のセルに対して、同一のCRS周波数シフトグループに属するPCIが割り当てられている場合であっても、当該複数のセルの参照信号サブフレームが異なっていればCRSの衝突が回避されるため、上述した第1の問題を解決できる。
また、第1実施形態では、E−PCIは、セルのPCIを拡張したものである。サブフレーム番号関連部分は、PCIに追加される拡張部分である。よって、同一のマクロセルMC内の複数の小セルSCに同一のPCIが割り当てられていても、E−PCIにより小セルSCを一意に識別できるため、上述した第2の問題を解決できる。
第1実施形態では、小セルSCを管理するeNB200は、当該小セルSCに割り当てられたE−PCIに含まれるサブフレーム番号関連部分に応じて、複数の下りリンクサブフレームの中から参照信号サブフレームを設定する。これにより、例えば小セルSCに対して適切なE−PCIを割り当てることにより、適切な参照信号サブフレームを自動的に設定できる。
UE100は、参照信号サブフレームにおいて小セルSCからCRSを受信する。UE100は、小セルSCのE−PCIを把握している場合に、E−PCIに含まれるサブフレーム番号関連部分に基づいて当該小セルSCの参照信号サブフレームを特定する。例えば、プライマリセルとして機能するマクロセルMCが、セカンダリセルである小セルSCのE−PCIをUE100に通知することにより、UE100が小セルSCのE−PCIを把握できる。
或いは、UE100は、小セルSCのE−PCIを把握していない場合でも、一旦UE100が小セルSCからのCRSを受信すれば、当該CRSの信号系列からPCIを特定し、かつ、当該CRSに対応する参照信号サブフレームのサブフレーム番号からサブフレーム番号関連部分を特定することにより、当該小セルSCのE−PCIを把握できる。
また、第1実施形態では、サブフレーム番号関連部分は、複数のセルからなるグループ(以下、「セルグループ」という)を識別するグループ識別子として利用できる。セルグループは、セルの属性(セル種別、PCIなど)に応じて設定できる。例えば、フェムトセルからなるセルグループを定義してもよく、PCIの数値範囲ごとのセルグループを定義してもよい。
図8は、セルグループと参照信号サブフレームとの関係を説明するための図である。図8に示すように、5サブフレーム周期で参照信号サブフレームが設定される場合、セルグループ0乃至4の合計5つのセルグループが設定される。セルグループnに属する小セルSCは、サブフレーム#n及びサブフレーム#(n+5)を参照信号サブフレームとして設定する。
さらに、E−PCIを近隣関係テーブル(NRT)に含めることで、E−PCIをハンドオーバのための測定報告手順において利用できる。図9は、実施形態に係るNRTを説明するための図である。例えば、マクロセルMCを管理するeNB200−1は、当該マクロセルMCに対応するNRTを管理する。
図9に示すように、eNB200−1は、近隣の小セルSCに割り当てられたE−PCIである近隣E−PCIを含むNRTを管理する。NRTは、複数の近隣セルのそれぞれのE−PCI(近隣E−PCI)を含む。近隣E−PCIは、近隣セルのPCIと、当該近隣セルに対応するサブフレーム番号関連部分(グループID)と、を含む。
(第1実施形態のまとめ)
上述したように、NCTが適用される小セルSCを管理するeNB200は、複数の下りリンクサブフレームのうち一部の下りリンクサブフレームである参照信号サブフレームにおいて、CRSを送信する。第1実施形態では、小セルSCには、参照信号サブフレームのサブフレーム番号と関連付けられたサブフレーム番号関連部分を含むE−PCIが割り当てられている。
このように、E−PCIを参照信号サブフレームと関連付けることにより、サブフレーム番号関連部分に応じて参照信号サブフレームを異ならせることができる。よって、相互に近接する複数のセルに対して、同一のCRS周波数シフトグループに属するPCIが割り当てられている場合であっても、当該複数のセルの参照信号サブフレームが異なっていればCRSの衝突が回避されるため、CRS同士で干渉を与え合う問題を解決できる。
また、第1実施形態では、E−PCIは、セルのPCIを拡張したものである。サブフレーム番号関連部分は、PCIに追加される拡張部分である。よって、同一のマクロセルMC内の複数の小セルSCに同一のPCIが割り当てられていても、E−PCIにより小セルSCを一意に識別できる。
[第2実施形態]
第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。第2実施形態は、システム構成及び動作環境については第1実施形態と同様である。
上述した第1実施形態では、オペレータにより各セルにE−PCI(PCI)が割り当てられるケースを想定していた。これに対し、第2実施形態では、eNB200間の協調により各セルにE−PCI(PCI)が自律に割り当てられる。
(第2実施形態に係る動作)
(1)動作概要
第2実施形態では、eNB200は、自セルの運用を開始する前において、近隣セルとのネゴシエーションを行う。eNB200は、ネゴシエーションの結果に基づいて、自セルのCRSが設けられるリソースエレメント(CRSリソースエレメント)を設定する。これにより、近隣のセル間で、CRSリソースエレメントが重複しないように自律的にE−PCI(PCI)を設定できる。具体的には、図10に示すように、近隣マクロセルMCのCRSリソースエレメントを避けて、小セルSCのCRSリソースエレメントを設定する。これにより、マクロセルMCからのCRSの強い干渉を防ぎ、小セルSCのカバレッジエリアを拡大できる。
(2)動作パターン1
動作パターン1では、マクロセルMCを管理するeNB200−1が起点となってE−PCI(PCI)を設定する。
先ず、マクロセルMCを管理するeNB200−1は、マクロセルMCのカバレッジに小セルSCが設置された際に、自マクロセルMC及び近隣マクロセルMCのそれぞれのCRSリソースエレメントを確認し、確認結果に関するCRSリソースエレメント関連情報を例えばX2インターフェイス上で当該小セルSCに通知する。なお、E−PCI(PCI)はリソースエレメントと関連付けられているため、eNB200−1は、自身で管理しているNRTに基づいて、近隣マクロセルMCのCRSリソースエレメントを確認してもよい。
CRSリソースエレメント関連情報は、自マクロセルMC及び近隣マクロセルMCのそれぞれのCRSリソースエレメントを示す情報である。或いは、CRSリソースエレメント関連情報は、当該小セルSCが使用可能なCRSリソースエレメントを示す情報であってもよい。或いは、CRSリソースエレメントを示す情報をCRSリソースエレメント関連情報とすることに代えて、E−PCI(PCI)をCRSリソースエレメント関連情報としてもよい。
次に、小セルSCを管理するeNB200は、CRSリソースエレメント関連情報を受信すると、当該CRSリソースエレメント関連情報に基づいて、マクロセルMCのCRSリソースエレメントを避けるように、当該小セルSCのCRSリソースエレメントを選択し、選択したCRSリソースエレメントに対応するE−PCI(PCI)を特定する。そして、特定したE−PCI(PCI)を当該小セルに設定する。なお、当該小セルSCを管理するeNB200は、当該小セルSCに割り当てたE−PCI(PCI)或いはCRSリソースエレメントを、マクロセルMCを管理するeNB200−1に通知してもよい。なお、EPC20に含まれるOAM(Operation And Maintenance)装置に対して、当該E−PCI(PCI)を通知してもよい。
(3)動作パターン2
動作パターン2では、小セルSCを管理するeNB200が起点となってE−PCI(PCI)を設定する方法である。図11は、動作パターン2を示すシーケンス図である。
図11に示すように、ステップS101において小セルSCが設置されると、ステップS102において、当該小セルSCを管理するeNB200は、当該小セルSCのCRSリソースエレメントを仮決定する。当該小セルSCのPCIがプリセットされている場合、又はX2/S1インターフェイス上で通知された場合には、それに従う。或いは、当該小セルSCがセルフモニタリング機能を有している場合は、それを活用する。
ステップS103において、eNB200は、例えばX2インターフェイス上で、自ら仮決定したCRSリソースエレメントが使用可能であるかを、マクロセルMCを管理するeNB200−1に問い合わせる。なお、当該CRSリソースエレメントが使用可能であるかを、EPC20に含まれるOAM装置に問い合わせてもよい。
ステップS104において、eNB200−1は、通知された仮CRSリソースエレメントが使用できるかどうかを判断する。判断方法については、動作パターン1と同様に、自マクロセルMC及び近隣マクロセルMCのそれぞれのCRSリソースエレメントを確認することにより判断する。
ステップS105において、eNB200−1は、判断結果(OK/NG)をeNB200に通知する。
ステップS106において、eNB200は、判断結果が「OK」の場合は、仮CRSリソースエレメントを本CRSリソースエレメントに設定し、当該本CRSリソースエレメントに対応するE−PCI(PCI)を特定する。
ステップS107において、eNB200は、特定したE−PCI(PCI)を当該小セルSCに設定し、当該小セルSCの運用を開始する。
(第2実施形態のまとめ)
第2実施形態では、近隣マクロセルMCのCRSリソースエレメントを避けて、小セルSCのCRSリソースエレメントを設定する。これにより、マクロセルMCからのCRSの強い干渉を防ぎ、小セルSCのカバレッジエリアを拡大できる。
[その他の実施形態]
上述した第1実施形態では、E−PCIは、PCIを拡張したものであった。しかしながら、E−PCIは、必ずしもセルのPCIを拡張したものではなくてもよい。例えば、既存のPCIに含まれる一部ビットをサブフレーム番号関連部分に置き換える構成とし、既存のPCIのビット長(8ビット)を維持してもよい。
上述した第2実施形態では、CRSリソースエレメントが重複しないように周波数方向に調整していたが、周波数方向に調整する場合に限らず、参照信号サブフレームが重複しないように時間方向に調整してもよい。
また、上述した各実施形態では、セル種別の異なるセルからなるネットワークであるHetNetに対して本発明を適用する一例を説明したが、同種のセルからなるネットワークに対して本発明を適用してもよい。
上述した各実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
10…E−UTRAN、20…EPC、100…UE、101…アンテナ、110…無線送受信機、120…ユーザインターフェイス、130…GNSS受信機、140…バッテリ、150…メモリ、160…プロセッサ、200…eNB、201…アンテナ、210…無線送受信機、220…ネットワークインターフェイス、230…メモリ、240…プロセッサ、300…MME/S−GW

Claims (11)

  1. 複数の下りリンクサブフレームを有するフレーム構成を使用して通信を行う移動通信システムにおいて、セルを管理する基地局であって、
    前記複数の下りリンクサブフレームのうち一部の下りリンクサブフレームである参照信号サブフレームにおいて、セル固有参照信号を送信する送信部を備え、
    前記セルには、前記参照信号サブフレームのサブフレーム番号と関連付けられたサブフレーム番号関連部分を含むセル識別子が割り当てられていることを特徴とする基地局。
  2. 前記セル識別子は、前記セルの物理セル識別子を拡張したものであり、
    前記サブフレーム番号関連部分は、前記物理セル識別子に追加される拡張部分であることを特徴とする請求項1に記載の基地局。
  3. 前記サブフレーム番号関連部分は、前記セルを含む複数のセルからなるグループを識別するグループ識別子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の基地局。
  4. 前記セルに割り当てられた前記セル識別子に含まれる前記サブフレーム番号関連部分に応じて、前記複数の下りリンクサブフレームの中から前記参照信号サブフレームを設定する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の基地局。
  5. 前記制御部は、前記セルの運用を開始する前において、近隣セルとのネゴシエーションを行い、
    前記制御部は、前記ネゴシエーションの結果に基づいて、前記セルのセル固有参照信号が設けられるリソースエレメント及び/又はサブフレームを設定することを特徴とする請求項4に記載の基地局。
  6. 前記セルは、マクロセルのカバレッジ内に配置可能な小セルであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の基地局。
  7. 前記セルは、プライマリセルとペアで運用されるセカンダリセルであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の基地局。
  8. 複数の下りリンクサブフレームを有するフレーム構成を使用して通信を行う移動通信システムにおいて用いられるユーザ端末であって、
    前記複数の下りリンクサブフレームのうち一部の下りリンクサブフレームである参照信号サブフレームにおいて、セルからセル固有参照信号を受信する受信部を備え、
    前記セルには、前記参照信号サブフレームのサブフレーム番号と関連付けられたサブフレーム番号関連部分を含むセル識別子が割り当てられていることを特徴とするユーザ端末。
  9. 前記セル識別子に含まれる前記サブフレーム番号関連部分に基づいて、前記参照信号サブフレームを特定する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のユーザ端末。
  10. 前記セル識別子は、前記セルの物理セル識別子を拡張したものであり、
    前記サブフレーム番号関連部分は、前記物理セル識別子に追加される拡張部分であることを特徴とする請求項8又は9に記載のユーザ端末。
  11. 前記サブフレーム番号関連部分は、前記セルを含む複数のセルからなるグループを識別するグループ識別子であることを特徴とする請求項8乃至10の何れか一項に記載のユーザ端末。
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