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JP6475632B2 - 通信制御方法、基地局、及びユーザ端末 - Google Patents

通信制御方法、基地局、及びユーザ端末 Download PDF

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Description

本発明は、移動通信システムにおいて用いられる通信制御方法、基地局、及びユーザ端末に関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)で仕様が策定されているLTE(Long Term Evolution)は、セル間干渉を抑圧するために、ICIC(Inter−Cell Interference Coordination)が導入されている(例えば、非特許文献1参照)。
このようなICICの一つとして、時間領域ICICがある。時間領域ICICでは、第1セル(aggressor cell)から強い下りリンク干渉を受ける第2セル(victim cell)が存在する場合に、第1セルにおいて一部の下りリンクサブフレームを使用規制サブフレームとして設定することにより、第2セルを救済する。このような使用規制サブフレームは、ABS(Almost Blank Subframe)と称される。
しかしながら、上述した時間領域ICICには、使用規制サブフレーム(ABS)の有効活用を図る点において、改善の余地がある。
3GPP技術仕様書 「TS36.300 V11.7.0」 2013年9月
第1の特徴に係る通信制御方法は、第1セルから第2セルへの干渉を抑圧するために前記第1セルにおいて使用規制サブフレームを設定する移動通信システムにおいて用いられる。前記通信制御方法は、前記使用規制サブフレームにおいて、前記第2セルと接続するユーザ端末に対して前記第1セル及び前記第2セルから協調送信を行う協調送信ステップを備える。
第2の特徴に係る基地局は、第1セルから第2セルへの干渉を抑圧するために前記第1セルにおいて使用規制サブフレームを設定する移動通信システムにおいて、少なくとも前記第1セルを管理する。前記基地局は、前記使用規制サブフレームにおいて、前記第2セルと接続するユーザ端末に対して前記第2セルとの協調送信を行うよう前記第1セルを制御する制御部を備える。
第3の特徴に係るユーザ端末は、第1セルから第2セルへの干渉を抑圧するために前記第1セルにおいて使用規制サブフレームを設定する移動通信システムにおいて、前記第2セルと接続する。前記ユーザ端末は、前記使用規制サブフレームにおいて、前記第1セル及び前記第2セルから協調送信により送信されるデータを受信する受信部を備える。
図1は、実施形態に係るLTEシステムの構成図である。 図2は、実施形態に係るUEのブロック図である。 図3は、実施形態に係るeNBのブロック図である。 図4は、実施形態に係る無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。 図5は、実施形態に係る無線フレームの構成図である。 図6は、実施形態に係る動作環境を説明するための図である。 図7は、実施形態に係る通信制御方法を説明するための図である。 図8は、実施形態に係る動作シーケンス図である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る通信制御方法は、第1セルから第2セルへの干渉を抑圧するために前記第1セルにおいて使用規制サブフレームを設定する移動通信システムにおいて用いられる。前記通信制御方法は、前記使用規制サブフレームにおいて、前記第2セルと接続するユーザ端末に対して前記第1セル及び前記第2セルから協調送信を行う協調送信ステップを備える。
実施形態では、前記協調送信ステップにおいて、前記第1セルは、前記使用規制サブフレームのPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)リソースを使用することなく、前記使用規制サブフレームのPDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)リソースの少なくとも一部を使用して前記協調送信を行う。
実施形態では、前記協調送信ステップにおいて、前記第1セルは、前記使用規制サブフレームにおいて前記第2セルのCRS(Cell specific Reference Signal)リソースに対応するPDSCHリソースの使用を避けながら前記協調送信を行う。
実施形態では、前記通信制御方法は、前記第1セルを管理する第1基地局から、前記第2セルを管理する第2基地局に対して、前記使用規制サブフレームを示す情報を送信するステップと、前記第2基地局から前記第1基地局に対して、前記協調送信を行うための協調送信情報を送信するステップと、をさらに備える。前記協調送信ステップにおいて、前記協調送信情報を受信した前記第1基地局は、前記協調送信情報に基づいて前記協調送信を行う。
実施形態では、前記協調送信情報は、前記協調送信を行うことを要求する情報である。
実施形態では、前記通信制御方法は、前記第2基地局が、前記使用規制サブフレームについて予め前記ユーザ端末のスケジューリングを行うステップをさらに備える。前記協調送信情報は、前記スケジューリングにより得られるスケジューリング情報を含む。
実施形態では、前記スケジューリング情報は、前記使用規制サブフレームにおいて前記ユーザ端末に割り当てるリソースブロック、前記使用規制サブフレームにおいて前記ユーザ端末に適用するトランスポートフォーマットのうち、少なくとも1つである。
実施形態では、前記協調送信情報は、前記使用規制サブフレームにおいて前記第2セルから前記ユーザ端末に対して送信が予定されているデータを含む。
実施形態では、前記協調送信は、前記第1セル及び前記第2セルから同一のデータを同一の時間・周波数リソースかつ同一のトランスポートフォーマットで送信するJT(Joint Transmission)である。
実施形態に係る基地局は、第1セルから第2セルへの干渉を抑圧するために前記第1セルにおいて使用規制サブフレームを設定する移動通信システムにおいて、少なくとも前記第1セルを管理する。前記基地局は、前記使用規制サブフレームにおいて、前記第2セルと接続するユーザ端末に対して前記第2セルとの協調送信を行うよう前記第1セルを制御する制御部を備える。
実施形態に係るユーザ端末は、第1セルから第2セルへの干渉を抑圧するために前記第1セルにおいて使用規制サブフレームを設定する移動通信システムにおいて、前記第2セルと接続する。前記ユーザ端末は、前記使用規制サブフレームにおいて、前記第1セル及び前記第2セルから協調送信により送信されるデータを受信する受信部を備える。
[実施形態]
以下において、LTEシステムを例に挙げて実施形態を説明する。
(システム構成)
図1は、実施形態に係るLTEシステムの構成図である。図1に示すように、実施形態に係るLTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、セル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータのルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能などを有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。E−UTRAN10及びEPC20によりLTEシステムのネットワークが構成される。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御などを行う。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。また、EPC20は、オペレータにより管理される保守監視サーバ(OAM:Operation And Maintenance)400を含む。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、複数のアンテナ101、無線送受信機110、ユーザインターフェイス120、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130、バッテリ140、メモリ150、及びプロセッサ160を備える。メモリ150は記憶部に相当する。プロセッサ160(及びメモリ150)は、制御部を構成する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
複数のアンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換して複数のアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、複数のアンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示すUE位置情報(経度・緯度など)を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160により実行されるプログラム、及びプロセッサ160による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、複数のアンテナ201、無線送受信機210、ネットワークインターフェイス220、メモリ230、及びプロセッサ240を備える。メモリ230は記憶部に相当する。プロセッサ240(及びメモリ230)は、制御部を構成する。
複数のアンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換して複数のアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、複数のアンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して近隣eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240により実行されるプログラム、及びプロセッサ240による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Media Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式)及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100は接続状態(RRC接続状態)であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態(RRCアイドル状態)である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。複信方式としては、FDD(Frequency Division Duplex)又はTDD(Time Division Duplex)が適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルによりリソースエレメント(RE)が構成される。
UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはRBにより構成され、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により構成される。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される領域である。また、各サブフレームの残りの部分は、主にユーザデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。また、各サブフレームには、セル固有参照信号(CRS:Cell specific Reference Signal)などの参照信号が分散して配置される。また、一部のサブフレームには、プライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)が配置される。
各セルには、セルを識別するためのセル識別子が割り当てられている。セル識別子は、物理セル識別子(PCI)及びセルグローバル識別子(ECGI)などである。
PCIは8ビットで構成され、主に物理層において利用される。仕様上定義されているPCIは504個である。また、CRSの信号系列は504個用意され、当該信号系列はPCIと対応付けられている。PCIは、168個のセルIDグループに分けられており、各セルIDグループには3つのセルIDが含まれる(168×3=504)。
UE100は、セルサーチの際に、セルから受信するPSS及びSSSにより、当該セルのPCIを特定する。具体的には、PSSの値はセルIDグループ中のセルID(3個)と対応付けられており、SSSの値はセルIDグループ(168個)と対応付けられている。PSS及びSSSの組み合わせによりPCIが特定される。また、PSS及びSSSにより下りリンクのフレームレベルの同期がとられる。
UE100は、PSS及びSSSの組み合わせによりセルのPCIを特定した後、PCIに基づいてCRSを受信する。CRSにより下りリンクのシンボル同期及び周波数同期がとられる。CRSは、6サブキャリア間隔で、スロット中の最初のOFDMシンボルと最後から3番目のOFDMシンボルとに設けられる。また、CRSは、PCIに応じて6つの周波数シフト量のグループ(以下、「CRS周波数シフトグループ」という)に分けられている。CRSは、モビリティ制御のためのUE測定(例えばRSRP測定)等に利用される。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、主にユーザデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。
(実施形態に係る動作環境)
図6は、実施形態に係る動作環境を説明するための図である。実施形態では、異なるカバレッジサイズを有する複数のセルからなる動作環境(いわゆる、HetNet環境)を想定する。
図6に示すように、セル#1は、カバレッジサイズが大きいセル(例えばマクロセル)である。eNB200−1は、セル#1を管理する。セル#2は、カバレッジサイズが小さいセル(例えばピコセル又はフェムトセル)である。eNB200−2は、セル#2を管理する。実施形態において、セル#1は第1セルに相当し、セル#2は第2セルに相当する。セル#2には、UE100が接続している。
セル#2は、セル#1のカバレッジ内に設けられている。また、セル#2は、セル#1が属する周波数と同じ周波数(Co−channel)に属する。よって、セル#2はセル#1から強い下りリンク干渉を受ける。このような下りリンク干渉を抑圧するために、時間領域ICICが適用されている。時間領域ICICでは、セル#1において一部の下りリンクサブフレームをABSとして設定することにより、セル#2を救済する。実施形態においてABSは使用規制サブフレームに相当する。ABSは、いくつかの物理チャネルにおいて送信電力が規制(無送信を含む)される、及び/又は活動が規制されるサブフレームである。
セル#1においてABSを設定することにより、セル#2に接続するUE100は、ABSに対応する無線リソースにおいてセル#1からの下りリンク干渉を抑圧できる。しかしながら、セル#1に着目すると、ABSに対応する無線リソースの使用が規制されることにより、無線リソースの利用効率が低下する。
(実施形態に係る通信制御方法)
図7は、実施形態に係る通信制御方法を説明するための図である。
図7に示すように、実施形態に係る通信制御方法は、セル#1からセル#2への干渉を抑圧するためにセル#1においてABSを設定する移動通信システムにおいて用いられる。通信制御方法は、ABSにおいて、セル#2と接続するUE100に対して、セル#1及びセル#2から協調送信を行う協調送信ステップを備える。セル#2と接続するUE100は、ABSにおいて、セル#1及びセル#2から協調送信により送信されるデータを受信する。これにより、ABSに対応する無線リソースを利用してUE100における受信品質を改善することができるため、ABSの有効活用を図ることができる。
実施形態では、協調送信ステップにおいて、セル#1は、ABSのPDCCHリソースを使用することなく、ABSのPDSCHリソースの少なくとも一部を使用して協調送信を行う。言い換えると、セル#1は、ABSのPDCCHリソースの使用を規制しつつ、ABSのPDSCHリソースの少なくとも一部の使用規制を解除して協調送信を行う。これにより、ABSのPDCCHリソースの使用を規制する(使用しない)ことにより、ABSのPDCCHリソースに対応するセル#2のPDCCHリソースの干渉を抑圧できる。
実施形態では、協調送信ステップにおいて、セル#1は、ABSにおいてセル#2のCRSリソース(すなわち、CRSが配置されるリソースエレメント)に対応するPDSCHリソースの使用を避けながら協調送信を行う。これにより、ABSにおいて協調送信を行う場合でも、セル#2においてCRSの干渉を抑圧できる。セル#2のCRSリソースは、セル#2のPCIから特定できる。或いは、セル#2のCRS関連情報をセル#2からセル#1に通知することにより、セル#2のCRSリソースを特定してもよい。
実施形態では、通信制御方法は、セル#1を管理するeNB200−1から、セル#2を管理するeNB200−2に対して、ABSを示す情報を送信するステップと、eNB200−2からeNB200−1に対して、協調送信を行うための協調送信情報を送信するステップと、をさらに備える。協調送信ステップにおいて、協調送信情報を受信したeNB200−1は、協調送信情報に基づいて協調送信を行う。これにより、eNB200間で自律的に協調送信を行うことができる。
ABSを示す情報は、X2インターフェイス上で伝送される「ABS Information」に含まれる「ABS Pattern Info」である。協調送信情報は、X2インターフェイス上で伝送される。或いは、協調送信情報は、S1インターフェイス上で伝送されてもよい。
実施形態では、協調送信情報は、協調送信を行うことを要求する情報である。これにより、eNB200−2からeNB200−1に対して協調送信の実施を要求できる。eNB200−2は、セル#2に接続する複数のUE100の中に受信状態の劣悪なUE100が存在する場合に、協調送信の実施を要求してもよい。受信状態の劣悪なUE100とは、例えばセル#2のカバレッジ端(すなわち、セルエッジ)に位置するUE100である。
実施形態では、通信制御方法は、eNB200−2が、ABSについて予めUE100のスケジューリングを行うステップをさらに備える。協調送信情報は、当該スケジューリング(プレスケジューリング)により得られるスケジューリング情報を含む。スケジューリング情報は、ABSにおいてUE100に割り当てるリソースブロック、ABSにおいてUE100に適用するトランスポートフォーマットのうち、少なくとも1つである。これにより、協調送信情報を受信したeNB200−1は、セル#2に合わせたリソースブロック及び/又はトランスポートフォーマットによりセル#1から送信を行うことができる。ここで、「ABSについて予めUE100のスケジューリングを行う」とは、少なくとも当該ABSよりも前のタイミングにおいて、当該ABSに対応するリソースブロック及び/又はトランスポートフォーマットを決定することを意味する。当該スケジューリングは、X2インターフェイス(又はS1インターフェイス)の遅延時間を考慮して、当該ABSよりも数サブフレーム前のタイミングで行なってもよい。
実施形態では、協調送信情報は、ABSにおいてセル#2からUE100に対して送信が予定されているデータ(具体的には、ユーザデータ)を含む。これにより、協調送信情報を受信したeNB200−1は、セル#2がUE100に送信するデータと同じデータをセル#1から送信することができる。ここで、当該データは、上述したトランスポートフォーマットが適用されたデータであってもよい。この場合、上述したスケジューリング情報は、ABSにおいてUE100に適用するトランスポートフォーマットを含まなくてもよい。
実施形態では、協調送信は、セル#1及びセル#2から同一のデータを同一の時間・周波数リソースかつ同一のトランスポートフォーマットで送信するJT(Joint Transmission)である。これにより、UE100においてデータの合成による利得を得ることができる。ここで、「同一の時間・周波数リソース」とは、同一のサブフレームかつ同一のリソースブロックである。
(実施形態に係る動作シーケンス)
図8は、実施形態に係る動作シーケンス図である。図8において、UE100は、セル#2との接続を確立した状態にある。
図8に示すように、ステップS1において、eNB200−1は、セル#1において設定するABSを示す情報をeNB200−2に送信する。当該情報を受信したeNB200−2は、当該情報に基づいて、セル#1において設定されるABSを特定する。ステップS1に先立ち、セル#1におけるABSの設定をeNB200−2からeNB200−1に対して要求してもよい。
ステップS2において、UE100は、チャネル状態情報(CSI)及び測定報告をセル#2に送信する。具体的には、UE100は、セル#2から受信するCRS又はCSI−RSに基づいて、セル#2との間のチャネル状態に関するCSIを生成し、CSIをセル#2にフィードバックする。また、UE100は、サービングセル(セル#2)及び近隣セル(セル#1)のそれぞれから受信するCRSに基づいて、各セルについての受信状態に関する測定報告を生成し、測定報告をセル#2に送信する。
ステップS3において、eNB200−2は、UE100からのCSIに基づいて、ABSについて予めUE100のスケジューリング(すなわち、プレスケジューリング)を行う。上述したように、プレスケジューリングにより、ABSにおいてUE100に割り当てるリソースブロック、ABSにおいてUE100に適用するトランスポートフォーマット等を決定する。
ステップS4において、eNB200−2は、セル#1から協調送信を行うことを要求するデータ送信要求(協調送信情報)をeNB200−1に送信する。ステップS4は、ステップS2又はステップS3の前に行なわれてもよい。
ステップS5において、eNB200−2は、プレスケジューリングにより得られるスケジューリング情報(協調送信情報)をeNB200−1に送信する。
ステップS6において、eNB200−2は、ABSにおいてセル#2からUE100に対して送信が予定されているデータ(協調送信情報)をeNB200−1に送信する。これにより、ABSにおいてセル#2からUE100に対して送信が予定されているデータがeNB200−1及びeNB200−2で共有される。
ステップS7において、eNB200−1は、eNB200−2からの協調送信情報に基づいて、ABSにおける協調送信を行うか否かを判断する。ステップS7は、ステップS4の直後に行なわれてもよい。ここでは、ABSにおける協調送信を行うと判断したと仮定して説明を進める。
ステップS8において、eNB200−1は、協調送信を行うことを示す応答をeNB200−2に送信する。また、eNB200−1は、セル#1の近隣のセルがセル#2以外にも存在する場合で、セル#2以外の近隣セルに対してABSを通知している場合には、ABSにおいて送信を行うことを示す通知を当該近隣セルに送信してもよい。当該通知は、送信を行うリソースブロックを示す情報を含む。
ステップS9において、eNB200−2(セル#2)は、セル#1が設定するABSにおいて、データをUE100に送信する。また、eNB200−1(セル#1)は、当該ABSにおいて、協調送信情報に基づく協調送信により、データをUE100に送信する。
(実施形態のまとめ)
実施形態に係る通信制御方法は、セル#1からセル#2への干渉を抑圧するためにセル#1においてABSを設定する移動通信システムにおいて用いられる。通信制御方法は、ABSにおいて、セル#2と接続するUE100に対してセル#1及びセル#2から協調送信を行う協調送信ステップを備える。これにより、ABSに対応する無線リソースを利用してUE100における受信品質を改善することができるため、ABSの有効活用を図ることができる。
[変更例]
上述した実施形態では、協調送信ステップにおいて、eNB200−1(セル#1)は、ABSにおいてセル#2のCRSリソースに対応するPDSCHリソースの使用を避けながら協調送信を行っていた。しかしながら、そのような方法に代えて次のような方法としてもよい。具体的には、eNB200−1(セル#1)は、ABSにおいて、セル#2のCRSリソースと同じリソースエレメントで、セル#2のCRSと同じ系列を有するCRSを送信する。これにより、ABSにおいて協調送信を行う場合でも、セル#2においてCRSの干渉を抑圧できる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態では、協調送信の一例としてJT(Joint Transmission)を説明した。しかしながら、協調送信は、JTに限らず、DPS(Dynamic Point Selection)又はCS(Coordinated Scheduling)であってもよい。DPS及びCSでは、セル#1及びセル#2が、同一の無線リソースを確保して、UE100に対して選択的に送信を行う。
また、協調送信は、JT、DPS、CSに限らず、CB(Coordinated Beamforming)であってもよい。CBは、複数のセルが協調してビームフォーミング/ヌルステアリングを行う。例えば、セル#1は、ABSにおいて、セル#1及び#2以外のセルに接続するUE100に対してJTによる協調送信を行いながら、セル#2に接続するUE100に対してヌルステアリングを行う。
上述した実施形態では、HetNetに対して本発明を適用する一例を説明したが、HetNetに限らず、同種のセル(同じカバレッジサイズのセル)からなるネットワークに対して本発明を適用してもよい。
また、上述した実施形態では、異なるeNB200によりセル#1及びセル#2が管理されていたが、異なるeNB200に限らず、同一のeNB200によりセル#1及びセル#2が管理されてもよい。
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限らず、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
なお、日本国特許出願第2013−224774号(2013年10月29日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
本発明によれば、使用規制サブフレーム(ABS)の有効活用を図ることができる。

Claims (9)

  1. 第1セルから第2セルへの干渉を抑圧するために前記第1セルにおいて使用規制サブフレームを設定する移動通信システムにおいて用いられる通信制御方法であって、
    前記第2セルを管理する第2基地局から、前記第1セルを管理する第1基地局に対して、前記使用規制サブフレームにおいて前記第1及び第2セルから前記第2セルに接続するユーザ端末に対して協調送信を行うことを要求するための協調送信情報を送信するステップであって、前記協調送信情報は、前記第2セルから前記ユーザ端末に対して送信が予定されているデータを含む、ステップと
    前記使用規制サブフレームにおいて、前記ユーザ端末に対して前記第1セル及び前記第2セルから前記協調送信を行う協調送信ステップを備え、
    前記協調送信ステップにおいて、前記ユーザ端末に対して前記第1セル及び前記第2セルから前記データを送信することを特徴とする通信制御方法。
  2. 前記協調送信ステップにおいて、前記第1セルは、前記使用規制サブフレームのPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)リソースを使用することなく、前記使用規制サブフレームのPDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)リソースの少なくとも一部を使用して前記協調送信を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
  3. 前記協調送信ステップにおいて、前記第1セルは、前記使用規制サブフレームにおいて前記第2セルのCRS(Cell specific Reference Signal)リソースに対応するPDSCHリソースの使用を避けながら前記協調送信を行うことを特徴とする請求項2に記載の通信制御方法。
  4. 記第1基地局から、前記第2基地局に対して、前記使用規制サブフレームを示す情報を送信するステップをさらに備え、
    前記協調送信ステップにおいて、前記協調送信情報を受信した前記第1基地局は、前記協調送信情報に基づいて前記協調送信を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
  5. 前記第2基地局が、前記使用規制サブフレームについて予め前記ユーザ端末のスケジューリングを行うステップをさらに備え、
    前記協調送信情報は、前記スケジューリングにより得られるスケジューリング情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の通信制御方法。
  6. 前記スケジューリング情報は、前記使用規制サブフレームにおいて前記ユーザ端末に割り当てるリソースブロック、前記使用規制サブフレームにおいて前記ユーザ端末に適用するトランスポートフォーマットのうち、少なくとも1つであることを特徴とする請求項に記載の通信制御方法。
  7. 前記協調送信は、前記第1セル及び前記第2セルから同一のデータを同一の時間・周波数リソースかつ同一のトランスポートフォーマットで送信するJT(Joint Transmission)であることを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
  8. 前記協調送信ステップにおいて、前記第1セルは、前記使用規制サブフレームにおいて前記第2セルのCRSリソースと同じリソースエレメントで、前記第2セルのCRSと同じ系列を有するCRSを送信することを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
  9. 第1セルから第2セルへの干渉を抑圧するために前記第1セルにおいて使用規制サブフレームを設定する移動通信システムにおいて、少なくとも前記第1セルを管理する第1基地局であって、
    前記第2セルを管理する第2基地局から、前記使用規制サブフレームにおいて前記第1及び第2セルから前記第2セルに接続するユーザ端末に対して協調送信を行うことを要求するための協調送信情報を受信する受信部であって、前記協調送信情報は、前記第2セルから前記ユーザ端末に対して送信が予定されているデータを含む、受信部と
    前記使用規制サブフレームにおいて、前記ユーザ端末に対して前記第2セルとの前記協調送信を行うよう前記第1セルを制御する制御部を備え
    前記制御部は、前記協調送信において、前記ユーザ端末に対して前記データを送信することを特徴とする基地局。
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