JP6166605B2 - 接着剤組成物及び接着シート - Google Patents
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Description
上記アクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーを必須のモノマー成分(単量体成分)として構成(又は形成)されたポリマーであれば、特に限定されないが、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(a)、シアノ基含有モノマー(b)が用いられていることが好ましい。更に、カルボキシル基含有モノマー(c)が用いられていることが特に好ましい。中でも、モノマー成分全量に対して、(メタ)アクリル酸C2-14アルキルエステル(a)を50〜85重量%、シアノ基含有モノマー(b)を10〜45重量%、及び、カルボキシル基含有モノマー(c)を0.1〜7重量%の割合で含むモノマー成分から構成されていることが好ましい。尚、モノマー成分としては、上記以外の他のモノマー成分が用いられてもよい。
上記フェノール樹脂としては、特に制限されず、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂や、各種の変性フェノール樹脂(例えば、アルキル変性フェノール樹脂等)等から適宜選択して用いることができる。中でも、レゾール型フェノール樹脂が好ましい。尚、フェノール樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記エポキシ樹脂としては接着剤の分野で一般的に使用されている樹脂を用いることができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等を使用し得る。中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂が好適に使用される。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記着色剤としては、特には限定されないが、従来公知の顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、カリオン、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、酸化鉄系、水酸化鉄系、酸化クロム系、スピネル型焼成系、クロム酸系、クロムバーミリオン系、紺青系、アルミニウム粉末系、ブロンズ粉末系、リン酸カルシウム等の無機顔料や、フタロシアニン系、アゾ系、縮合アゾ系、アゾレーキ系、アンスラキノン系、ペリレン・ペリノン系、インジゴ・チオインジゴ系、イソインドリノン系、アゾメチンアゾ系、ジオキサジン系、キナクリドン系、アニリンブラック系、トリフェニルメタン系、カーボンブラック系等の有機顔料が挙げられる。
上記接着剤組成物中には、アクリル系ポリマー、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び着色剤以外に、必要に応じて、老化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤等の公知の添加剤を含有してもよい。上記接着剤組成物は、これらの各成分を混合することにより調製することができる。
本発明に係る接着シートは、上記接着剤組成物により形成された接着剤層を有するシートである。接着シートは、上記接着剤層を有していれば、基材を有していてもよく、基材を有していなくてもよい。
上記接着剤層は、前述のように、上記接着剤組成物により形成されている。上記接着剤層は、常温では、安定した保存性を有しており、更に、加熱することにより、硬化反応が生じて、接着強度が増して、強固に且つ優れた耐熱性で接着させることが可能な接着性を有している熱硬化型接着剤層であることが好ましい。
接着シートが基材を有している場合、基材としては、特に制限されず、例えば、紙等の紙系基材;布、不織布、ネット等の繊維系基材;金属箔、金属板等の金属系基材;各種樹脂(オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等)によるフィルムやシート等のプラスチック系基材;ゴムシート等のゴム系基材;発泡シート等の発泡体や、これらの積層体(特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体等)等の適宜な薄葉体を用いることができる。
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌機を備えた反応器に、2,2´−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド(商品名「VA−060」、和光純薬工業(株)製)(開始剤)0.279g及びイオン交換水100gを投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。これを60℃に保ち、ここに、ブチルアクリレート72重量部、アクリロニトリル27重量部、アクリル酸1重量部、ドデカンチオール(連鎖移動剤)0.04重量部及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(乳化剤)2重量部をイオン交換水41重量部に添加して乳化したもの(モノマー原料のエマルジョン)400gを3時間かけて徐々に滴下して乳化重合反応を進行させた。モノマー原料エマルジョンの滴下終了後、更に3時間同温度に保持して熟成させた。このようにして重合したアクリル系ポリマーの水分散液(エマルション)を乾燥し、アクリル系ポリマーを得た。
表1に記載の成分及び仕込み量に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行ない、各熱硬化型接着シートを作製した。
各実施例及び比較例で得られた接着シートについて、下記の評価を行った。
ポリイミドフィルム25μm/接着剤層25μm/Cu配線層35μm/接着剤層15μm/ポリイミドフィルム25μm/接着剤層15μm/Cu配線層35μm/接着剤層25μm/ポリイミドフィルム25μmの層構成からなるモデルフレキシブル印刷回路基板(FPC、サイズ:5cm×8cm、厚み:0.2mm、Cu配線層の幅150μm、Cu配線間の隙間100μm)と、実施例及び比較例で得られた接着シートとを130℃でラミネートした。FPCを裏返し、FPCの透過部分(Cu配線層間の隙間)を介して、他方の面から1m離れたところでテープ貼りあわせの有無が明確に確認できた場合を○、確認できた場合を△、確認できなかった場合を×とした。
実施例及び比較例で得られた接着シートにおける硬化後の接着剤層について、23℃における接着力(N/cm)を以下の方法で評価した。
銅張積層板(CCL;ポリイミド/銅の積層体、サイズ:5cm×8cm、厚み:45μm)と、接着シートとを130℃でラミネートした後、1cm幅に切断した(接着シートはCCLのポリイミド面の全面にラミネートされている)。これを、ポリイミド板(PI;サイズ:5cm×5cm、厚み:0.13mm)に貼り付け、130℃でラミネートした後、160℃、2MPaで90秒間加熱圧着した。更に、150℃で3時間キュアして試験体を作製した。
実施例及び比較例で得られた接着シートを、それぞれ、5cm×5cmのサイズで剥離ライナーから剥がし、平均孔径0.2μmの孔を有する多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工(株)製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量とする。なお、該浸漬前重量は、接着剤層と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸との総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸の合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量とする。
(式(1)において、Aは浸漬後重量であり、Bは包袋重量であり、Cは浸漬前重量で
ある。)
着色剤1 黒色顔料(商品名「AT DN102ブラック」、大日精化工業社製)
着色剤2 白色顔料(商品名「NPE-1006」、大日精化工業社製)
着色剤3 白色顔料(商品名「R-2228」、大日精化工業社製)
着色剤4 青色染料(商品名「ORIPACS GN-28」、オリエント化学工業社製)
着色剤5 緑色染料(商品名「OPLAS GREEN 533」、オリエント化学工業社製)
着色剤6 緑色染料(商品名「OIL GREEN 502」、オリエント化学工業社製)
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
Claims (5)
- ポリイミドに貼り付けられる接着シートを形成するための接着剤組成物であって、
アクリル系ポリマーと、フェノール樹脂と、エポキシ樹脂と、着色剤とを含有し、
前記フェノール樹脂として、前記アクリル系ポリマー100重量部に対して5〜20重量部のレゾール型フェノール樹脂を含有し、
前記着色剤として、前記アクリル系ポリマー100重量部に対して10重量部以下の黒色、青色または緑色の着色剤を含有する、接着剤組成物。 - アクリル系ポリマー100重量部に対して、上記エポキシ樹脂を5〜20重量部含有する請求項1記載の接着剤組成物。
- 上記着色剤が、染料又は顔料である請求項1又は2記載の接着剤組成物。
- 上記着色剤が染料である、請求項3記載の接着剤組成物。
- 請求項1〜4の何れか1項記載の接着剤組成物により形成された接着シート。
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