JP6164900B2 - 硫黄系ガス吸着用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1] 芳香族ビニルモノマー由来の繰返し単位及びジエンモノマー由来の繰返し単位を有する芳香族ビニル−ジエン系共重合体を含むバインダー、並びに硫化水素を化学的に吸着する無機吸着剤を含む、硫黄系ガス吸着用樹脂組成物。
[2] 前記芳香族ビニルモノマーが、スチレン、α―メチルスチレン、o―メチルスチレン、p―メチルスチレン、m―メチルスチレン、及びビニルナフタレン並びにこれらの混合物からなる群より選択される、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記ジエンモノマーが、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数4〜10の脂肪族ジエン又は脂環族ジエン及びこれらの混合物から選択されるである、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記ジエンモノマーが、1,3−ブタジエン、イソプレン、及び1,3−ペンタジエン並びにこれらの混合物からなる群より選択される、[3]に記載の樹脂組成物。
[5] 前記共重合体が、スチレン−ブタジエン共重合体である、[1]に記載の樹脂組成物。
[6] 前記無機吸着剤が、銅、鉄、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、及びランタノイド元素から選ばれる少なくとも1種の金属を含む化合物を含む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[7] 前記無機吸着剤が、銅(II)ケイ酸塩である、[6]に記載の樹脂組成物。
[8] 前記バインダーが、前記芳香族ビニル−ジエン系共重合体以外の熱可塑性樹脂をさらに含む、[1]〜[7]のいずれか一つに記載の樹脂組成物。
[9] 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である、[8]に記載の樹脂組成物。
[10] 前記バインダーの重量に対して、前記芳香族ビニル−ジエン系共重合体が、20重量%以上である、[8]又は[9]に記載の樹脂組成物。
[11] [1]〜[10]に記載の樹脂組成物の成形体。
本発明の樹脂組成物は、芳香族ビニルモノマー由来の繰返し単位及びジエンモノマー由来の繰返し単位を有する芳香族ビニル−ジエン系共重合体を含むバインダー、並びに硫化水素を化学的に吸着する無機吸着剤を含む。通常、吸着剤を樹脂中に分散させると、樹脂のガス透過性の低さに起因して、吸着剤の性能は大きく低下する。しかしながら、本発明者らは、本発明の構成の樹脂組成物においては、硫黄系ガスの吸着能力に関して、予想外にも性能が一定程度維持できることを発見した。理論に拘束されるものではないが、これは、上記芳香族ビニル−ジエン系共重合体に対する硫黄系ガスの透過性が高いことに起因していると推測される。ここで硫黄系ガスとは、硫化水素、及びチオール、例えばメタンチオール、エタンチオール等をいう。
本発明の樹脂組成物に用いられるバインダーには、芳香族ビニルモノマー由来の繰返し単位及びジエンモノマー由来の繰返し単位を有する芳香族ビニル−ジエン系共重合体が含まれる。芳香族ビニル−ジエン系共重合体は、バインダーの全重量に対して、好ましくは10重量%、20重量%、30重量%、40重量%以上、50重量%以上、又は70重量%以上含まれ、バインダーが全て芳香族ビニル−ジエン系共重合体から構成されていてもよい。
本発明で用いる硫黄系ガス吸着剤は、硫化水素を化学的に吸着する無機吸着剤である。すなわち、本発明で用いる硫黄系ガス吸着剤は、その表面で硫化水素と反応して硫化物を形成することにより吸着する、硫化水素を配位結合によって吸着する等の吸着機構を有する無機吸着剤である。この無機吸着剤は、本発明の組成物が含む樹脂100重量部に対して、混練性及び吸着性能を考慮して、0.1重量部以上、1重量部以上、3重量部以上、5重量部以上又は10重量部以上含むことが好ましく、500重量部以下、300重量部以下、100重量部以下、50重量部以下、40重量部以下、又は30重量部以下で含むことが好ましい。
本発明の硫黄系ガス吸着用樹脂組成物は、上記の共重合体及び吸着剤、随意にポリオレフィンを混練することによって製造することができる。混練は、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールなどのバッチ式混練機や、2軸混練機などの連続混練機などが用いられる。
本発明の硫黄系ガス吸着用樹脂組成物を、製造後に他の容器等に入れて用いることができ、また成形した後に成形体として用いることができる。または本発明の組成物を、他の基材と共に用いることができ、例えば繊維に含浸させて用いることができる。これらを、硫黄系ガスが存在する場所又は発生する場所に与えて、本発明の硫黄系ガス吸着用樹脂組成物又はその成形体を用いることができる。
上記の硫黄系ガス吸着用樹脂組成物を成形体、例えばフィルム状、シート状、球体状、円柱状、直方体状、リング状、筒状等の様々な形状に成形して用いることができる。例えば、上記の硫黄系ガス吸着用樹脂組成物を、プレス成型、インフレーション法、Tダイ法、共押出等の押出成型又は射出成型等することによりフィルム状又はシート状に形成することができるが、特にこの場合、インフレーション法、Tダイ法が好ましい。
下記の表1に記載の樹脂100重量部と、硫黄系ガス吸着剤であるケスモンNS−20C(東亞合成社製)11.1重量部(phr)とをバンバリーミキサーで、回転数50rpm、温度140℃で10分混練し、吸着剤を含有する混練体を得た。上記混練体をプレス機で温度140℃圧力20MPaで30秒間プレスし、厚み50μmの硫黄系ガス吸着用シートを得た。但し、比較例5においては、吸着剤を含有させなかった。
次に、11.1phrの吸着剤(ケスモンNS−20C(東亞合成))を、PE(ペトロセン342(東ソー株式会社))又はPP(ノバテックFL02A(日本ポリプロ株式会社)及びSBR(アサプレン432(旭化成ケミカルズ株式会社))と、バンバリーミキサーで回転数50rpm、一定温度で10分混練した。これを例1と同じ方法でシート状に成形し、さらに例1と同じ方法で吸着性能を評価した。さらにTAインスツルメント製DMA Q−800でそれらの軟化温度を調べた。
Claims (11)
- 芳香族ビニルモノマー由来の繰返し単位及びジエンモノマー由来の繰返し単位を有する芳香族ビニル−ジエン系共重合体を含むバインダー、並びに硫化水素を化学的に吸着する無機吸着剤を含み、かつ
前記無機吸着剤が、銅、亜鉛、マンガン、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属ケイ酸塩を含む、
硫黄系ガス吸着用樹脂組成物の混練体(ただし、発泡体を除く)。 - 前記芳香族ビニルモノマーが、スチレン、α―メチルスチレン、o―メチルスチレン、p―メチルスチレン、m―メチルスチレン、及びビニルナフタレン並びにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の混練体。
- 前記ジエンモノマーが、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数4〜10の脂肪族ジエン又は脂環族ジエン及びこれらの混合物から選択されるである、請求項1又は2に記載の混練体。
- 前記ジエンモノマーが、1,3−ブタジエン、イソプレン、及び1,3−ペンタジエン並びにこれらの混合物からなる群より選択される、請求項3に記載の混練体。
- 前記共重合体が、スチレン−ブタジエン共重合体である、請求項1に記載の混練体。
- 前記無機吸着剤が、銅(II)ケイ酸塩である、請求項1に記載の混練体。
- 前記バインダーが、前記芳香族ビニル−ジエン系共重合体以外の熱可塑性樹脂をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の混練体。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂である、請求項7に記載の混練体。
- 前記バインダーの重量に対して、前記芳香族ビニル−ジエン系共重合体が、20重量%以上である、請求項7又は8に記載の混練体。
- フィルム状又はシート状の形状である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の混練体の硫黄系ガス吸着用成形体。
- 芳香族ビニルモノマー由来の繰返し単位及びジエンモノマー由来の繰返し単位を有する芳香族ビニル−ジエン系共重合体を含むバインダー、並びに硫化水素を化学的に吸着する無機吸着剤を混練することを含み、かつ
前記無機吸着剤が、銅、亜鉛、マンガン、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属ケイ酸塩を含む、
発泡体ではない硫黄系ガス吸着用樹脂組成物の製造方法。
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