JP6036013B2 - 熱可塑性ポリエステルエラストマー、およびそれからなる成形体 - Google Patents
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[1] ジカルボン酸成分と主として1,4−ブタンジオールからなるジオール成分とから構成されたポリエステルからなるハードセグメントと、主として炭素数が5〜12の脂肪族ジオールをジオール成分とした脂肪族ポリカーボネートからなるソフトセグメントが結合されてなる熱可塑性ポリエステルエラストマーであって、ハードセグメントに用いられる全ジカルボン酸成分に対して、テレフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸を90〜70モル%、イソフタル酸を10〜30モル%含有することを特徴とする熱可塑性ポリエステルエラストマー。
[3] 該熱可塑性ポリエステルエラストマーの融点が、175〜225℃であることを特徴とする[1]、[2]のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステルエラストマー。
[5] [1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステルエラストマーを用いて構成される制振材料。
本発明で得られたポリエステルエラストマーは優れた制振性能を有し、耐熱性に優れているという特徴を有する。該特性により、シートをはじめとする各種成形材料として使用できる。
本発明の熱可塑性ポリエステルエラストマーにおいて、ハードセグメントのポリエステルを構成するジカルボン酸は、通常の芳香族ジカルボン酸が広く用いられ、主たる芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸又はナフタレンジカルボン酸である必要がある。該共重合成分の含有量としては、90〜70モル%である必要があり、好ましくは90〜75モル%、より好ましくは90〜80モル%である。さらにイソフタル酸は10〜30モル%である必要があり、好ましくは10〜25モル%、より好ましくは10〜20モル%である。イソフタル酸量が10モル%未満である場合、制振性能が低くなり、30モル%を超える場合、融点が下がり、耐熱性が低下する。
その他の酸成分としては、ジフェニルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの脂環族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらは樹脂の融点を大きく低下させない範囲で用いられ、その量は全酸成分の20モル%未満、より好ましくは10モル%未満である。20モル%以上含有すると、結晶性が低下し、エラストマー特性を有さない。
(1)熱可塑性ポリエステルエラストマーの還元粘度
熱可塑性ポリエステルエラストマー0.05gを25mLの混合溶媒(フェノール/テトラクロロエタン=60/40(質量比))に溶かし、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
50℃で15時間減圧乾燥した熱可塑性ポリエステルエラストマーを示差走査熱量計DSC−50(島津製作所製)を用いて室温から20℃/分で昇温し測定し、融解による吸熱のピーク温度を融点とした。 なお、測定試料は、アルミニウム製パン(TA Instruments社製、品番900793.901)に10mg計量し、アルミニウム製蓋(TA Instruments社製、品番900794.901)で密封状態にして、窒素雰囲気で測定した。
80〜100℃で5〜12時間減圧乾燥した熱可塑性ポリエステルエラストマーのペレットを200〜220℃で加熱しながら鉄板ではさみこみ、厚さ0.2〜0.5mmのシートを得た。これを用い、ASTM D638に準拠して引張り弾性率を測定した。
80〜100℃で5〜12時間減圧乾燥した熱可塑性ポリエステルエラストマーのペレットを200〜220℃で加熱しながら鉄板ではさみこみ、厚さ0.2〜0.5mmのシートを得た。この成形品を用いて動的粘弾性測定装置(UBM社製Rheogel−E4000)で測定した。
測定温度範囲:−80℃〜150℃
昇温条件:2℃/min
ここで、tanδは、試験片に11Hzの周期的な刺激を加え、その応答として歪み(または応力)をみた場合に、式tanδ=E″(動的損失弾性率)/E′(動的貯蔵弾性率)で表される関係における損失角を示している。
脂肪族ポリカーボネートジオール(宇部興産社製カーボネートジオールUH−CARB200、分子量2000、1,6−ヘキサンジオールタイプ)100質量部とジフェニルカーボネート8.6質量部とをそれぞれ仕込み、温度205℃、130Paで反応させた。2時間後、内容物を冷却し、ポリマーを取り出した。分子量10000であった。
重水素化クロロホルム(CDCl3)に脂肪族ポリカーボネートジオールサンプルを溶解させ、H−NMRを測定することにより末端基を算出し、下記式にて求めた。
分子量=1000000/((末端基量(当量/トン))/2)
上記の熱可塑性ポリエステルエラストマーの還元粘度測定方法と同様の方法で測定して求めた還元粘度(ηsp/c)の値を用いて下記式に従って算出した。
ηsp/c=1.019×10−4 × Mn0.8929−0.0167
数平均分子量30000で、11mol%イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート(PBTI)85質量部と上記方法で調製した数平均分子量10000を有するポリカーボネートジオール15質量部とを225℃〜245℃、130Pa下で1時間攪拌した。樹脂が透明になったことを確認し、内容物を取り出し、冷却し、ポリマーを得た。得られたポリマーの各物性を測定し、その結果を表1に示す。本実施例で得られた熱可塑性ポリエステルエラストマーはいずれの特性も良好であり高品質であった。
実施例1のPBTIにおけるイソフタル酸共重合量を変更したものと脂肪族ポリカーボネートジオール(数平均分子量10000)の質量比を変更したものを用いて実施例2〜5の熱可塑性ポリエステルエラストマーを得た。PBTIにおけるイソフタル酸共重合量はイソフタル酸の仕込み量を調整することで得た。本実施例で得られた熱可塑性ポリエステルエラストマーは実施例1で得られた熱可塑性ポリエステルエラストマーと同等の高品質を有していた。結果は表1に示す。
数平均分子量30000で、16mol%イソフタル酸共重合ポリブチレンナフタレート(PBNI)85質量部と上記方法で調製した数平均分子量10000を有するポリカーボネートジオール15質量部とを225℃〜250℃、130Pa下で1時間攪拌した。樹脂が透明になったことを確認し、内容物を取り出し、冷却し、ポリマーを得た。得られたポリマーの各物性を測定し、その結果を表1に示す。本実施例で得られた熱可塑性ポリエステルエラストマーはいずれの特性も良好であり高品質であった。
イソフタル酸を共重合していないポリブチレンテレフタレートを用いて、実施例1と同様の方法で比較例1の熱可塑性ポリエステルエラストマーを得た。本比較例で得られた熱可塑性ポリエステルエラストマーはtanδが低く、制振性に劣る。
実施例1のPBTIにおけるイソフタル酸共重合量を変更したものを用いて、実施例1と同様の方法で比較例3、4の熱可塑性ポリエステルエラストマーを得た。比較例3で得られた熱可塑性ポリエステルエラストマーは制振性能が低く、比較例4で得られた熱可塑性ポリエステルエラストマーは耐熱性に劣る。結果は表2に示す。
Claims (3)
- ジカルボン酸成分と主として1,4−ブタンジオールからなるジオール成分とから構成されたポリエステルからなるハードセグメントと、主として炭素数が5〜12の脂肪族ジオールをジオール成分とした脂肪族ポリカーボネートからなるソフトセグメントが結合されてなる熱可塑性ポリエステルエラストマーであって、ハードセグメントに用いられる全ジカルボン酸成分に対して、テレフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸を90〜70モル%、イソフタル酸を10〜30モル%含有する熱可塑性ポリエステルエラストマーを用いて構成される制振材料。
- 上記ハードセグメントの量が65〜95質量%であり、該熱可塑性ポリエステルエラストマーの損失正接(tanδ)の極大値が0.18以上である請求項1記載の制振材料。
- 該熱可塑性ポリエステルエラストマーの融点が、175〜225℃であることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の制振材料。
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