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JP6089806B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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JP6089806B2 JP2013047356A JP2013047356A JP6089806B2 JP 6089806 B2 JP6089806 B2 JP 6089806B2 JP 2013047356 A JP2013047356 A JP 2013047356A JP 2013047356 A JP2013047356 A JP 2013047356A JP 6089806 B2 JP6089806 B2 JP 6089806B2
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Description

本発明は,着用者の股下に装着され,排泄された体液を吸収し保持するための吸収性物品に関する。具体的に説明すると,本発明の吸収性物品は,吸収体の幅方向側方に,一対の立体ギャザーを形成するサイドシートを備え,このサイドシートの接合態様などに特徴を有するものである。
従来から,着用者の股下に装着される吸収性物品として,使い捨ておむつや,尿パッド,生理用ナプキン等が知られている。例えば,使い捨ておむつや尿パッドのような吸収性物品は,乳幼児や高齢者用によって使用される。一般的な吸収性物品は,吸収体と,吸収体の肌対向面を被覆する液透過性のトップシートと,吸収体の肌非対向面を被覆する液不透過性のバックシートと,吸収体の幅方向両側に一対の立体ギャザー形成する疎水性のサイドシートと備える。また,このような構成を有する使い捨てのおむつとして,例えば,予めパンツ型に形成されたパンツ型のおむつや,着用者の胴回りを覆うサイドフラップに止着テープが設けられたテープ型のおむつ等が知られている。
上記構成を有する使い捨ておむつ等の吸収性物品は,例えば,特許文献1や特許文献2に開示されている。これらの文献に開示された吸収性物品は,液不透過性のバックシートが,液透過性のトップシートよりも幅方向の外側に延出した部分を有している。また,立体ギャザーを形成する一対のサイドシートが,このバックシートの延出部分から,トップシートに亘って接合されている。また,一対のサイドシートは,トップシートとの接合点よりも幅方向内側が,他のシートに接合されない自由端部となっており,この自由端部に,一又は複数の弾性伸縮部材が伸長状態で固定されている。これにより,一対のサイドシートは,自由端部に固定された弾性伸縮部材の収縮力を利用して,着用者の肌に接する方向に起立し,立体ギャザーを形成する。立体ギャザーは,吸収性物品と着用者の股下の間に生じする隙間を埋めることができ,着用者が尿などを排泄した際に,その尿の横漏れを防止する漏防壁として機能する。
特開2004−73285号公報 特開2013−5879号公報
ところで,上記特許文献に開示された吸収性物品は,吸収体の幅方向側方において,バックシートとトップシートを接合し,バックシートの幅方向に延出した部分とサイドシートとを接合することによって,体液が吸収体に吸収されて幅方向に拡散した場合でも,吸収体の幅方向側方から体液が漏出しないように,一応の防漏性を確保するようにしている。しかしながら,上記特許文献に示された構造の吸収性物品は,例えば,体液を吸収した吸収体に対し着用者の体圧が加わった場合など,吸収体に吸収された体液が広く拡散されたときに,主として,吸収体の幅方向側方から,体液が漏れ出すという不具合が生じていた。
ここで,上記構造を持つ吸収性物品に横漏れが生じる原因を詳しく研究したところ,体液の漏れは,バックシートとトップシートの繋ぎ目(接合部),及びバックシートの幅方向に延出した部分とサイドシートの繋ぎ目(接合部)に集中していることが判明した。すなわち,シート同士の接合には,一般的に,ホットメルト接着剤等の流動性のある接着剤が用いられるが,この接着剤を塗布した部分には細かな隙間が生じており,バックシートとトップシートの接合箇所や,バックシートとサイドシートの接合箇所から,徐々に体液が漏れ出し易くなっている。このため,従来の吸収性物品のように,バックシートとトップシート,及びバックシートとサイドシートとを,単に,一層ずつ接合しただけの構造では,吸収体の側方から体液が漏れ出すことを防止するに足りる十分な防漏性を有していなかった。
このため,現在では,排泄された体液が吸収体に吸収されて幅方向に拡散した際に,吸収体の側方からの液漏れを効果的に防止することができる吸収性物品が求められている。
そこで,本発明の発明者は,上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,トップシートよりも幅方向外側に延出したバックシートの延出部分と,立体ギャザーを形成する一対のサイドシートを接合するにあたり,このサイドシートを複数回折り返すなどして,バックシートとサイドシートの接合部において,少なくともサイドシートが2層以上に重なるようにすることで,吸収体の側方領域の防漏性を高めることができるという知見を得た。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に説明すると,本発明は,以下の構成を有する。
本発明の吸収性物品は,液透過性のトップシート10と,液不透過性のバックシート20と,トップシート10とバックシート20の間に介在する吸収体30を備える。また,吸収性物品は,トップシート10の幅方向の左右両側方に配置され,トップシート10の肌対向面に対し,第1接合部Aにおいて接合された一対のサイドシート40を備えている。
ここで,バックシート20は,トップシート10の幅方向両端縁11よりも,幅方向の外側に延出した延出部22を有する。
そして,一対のサイドシート40は,第1接合部Aよりも幅方向の外側に位置する部分が,バックシート20の延出部22に対し,第2接合部Bにおいて,延出部22の長手方向に亘って接合されている。
さらに,一対のサイドシート40は,少なくとも,第2接合部Bによってバックシート20の延出部22に対して接合された部分において,バックシート20の肌対向面側に,2層以上に重なっている。
上記構成のように,バックシート20の延出部22とサイドシート40が接合される第2接合部Bにおいて,サイドシート40が,例えば複数回折り返されるなどして,2層以上に重なっていることにより,バックシート20とサイドシート40の接合部分から,吸収体に保持されている体液が漏れ出す事態を効果的に防止できる。すなわち,上記構成のように,サイドシート40の複数層に重なった部分を,バックシート20上(肌対向面側)に接合することで,この接合部分の防漏性が強化される。
本発明において,一対のサイドシート40は,第2接合部Bによってバックシート20の延出部22に対して接合される部分において,バックシート20の肌対向面側に,3層に重なっていることが好ましい。
上記構成のように,第2接合部Bにおいて,バックシート20の肌対向面側に,サイドシート40が3層以上に重なっていることにより,バックシート20とサイドシート40の接合部からの体液の漏れることを,をほぼ確実に防止できる。
本発明では,第2接合部Bよりも幅方向の外側において,少なくとも一本の外側レッグ伸縮部材50が,長手方向に沿った伸長状態で,一対のサイドシート40に固定されていることが好ましい。
上記構成のように,サイドシート40の複数層に重なった部分とバックシート20とを接合する第2接合部Bよりも幅方向外側の位置に,一又は複数の外側レッグ伸縮部材50を配置することで,この外側レッグ伸縮部材50が収縮した際に,サイドシート40により形成される立体ギャザーが,上方(着用者の肌に当接する方向)に向かって立ち上がりやすくなる。このため,上記構成によれば,バックシート20とサイドシート40の接合部分における体液の漏れを防止できるとともに,立体ギャザーの起立効果を高めて,吸収性物品のフィット性を向上させることができる。
本発明では,第2接合部Bよりも幅方向の内側において,少なくとも一本の内側レッグ伸縮部材51が,長手方向に沿った伸長状態で,一対のサイドシート40に固定されていることが好ましい。
上記構成のように,サイドシート40の複数層に重なった部分とバックシート20とを接合する第2接合部Bよりも幅方向外側だけでなく,さらに,第2接合部Bよりも幅方向内側の位置に,一又は複数の内側レッグ伸縮部材51を配置することで,この内側レッグ伸縮部材51が収縮した際に,吸収体30を上方(着用者の肌に当接する方向)に向かって押し上げることができるため,吸収体30と着用者の肌の間の隙間を少なくすることができる。これにより,吸収性物品による体液の吸収・保持性能が向上する。
本発明において,第2接合部Bは,当該第2接合部Bにおいて重なるバックシート20及びサイドシート40同士を熱融着により一体的に接合することにより,形成されていることが好ましい。
上記構成のように,第2接合部Bにおいて,バックシート20と,このバックシート20の上に2層以上(好ましくは3層)に重なったサイドシート40とを,例えば,ヒートシールや超音波シール等の熱融着加工によって一体に接合することで,シート同士の結合が強化され,この第2接合部Bに尿などの体液が侵入した場合であっても,この結合部分が剥離することがなくなり,ほぼ確実に体液の横漏れを防止できる。また,バックシート20と複数層のサイドシート40を熱融着することで,これらのシートを形成する不織布等の風合いを損ねることなく,シート同士を結合させることができる。
本発明は,排泄された体液が吸収体に吸収されて幅方向に拡散した際にも,吸収体の側方からの液漏れを効果的に防止することができる吸収性物品を提供することができる。
図1は,本発明の一実施形態に係る吸収性物品の外観を示す斜視図である。 図2は,本発明の一実施形態に係る吸収性物品の展開図である。 図3は,図2におけるX−X線における断面図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本願明細書において,「長手方向」とは,吸収性物品の長手方向を意味し,吸収性物品の前身頃から後身頃を結ぶ方向(図2の上下方向)をいう。また,「幅方向」とは,吸収性物品の幅方向を意味し,上記長手方向に平面的に直交する方向(図2の左右方向)をいう。
また,本願明細書において,「肌対向面」とは,吸収性物品が装着された際に,着用者の肌に向かい合う面を意味し,「肌非対向面」とは,肌対向面とは反対側の面であり,着用者の肌に向かい合わない面を意味する。
また,本願明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味する。
以下では,本発明に係る吸収性物品として,パンツ型の使い捨ておむつを例に挙げて説明を行う。ただし,本発明の吸収性物品は,パンツ型の使い捨ておむつに限定されるものではなく,テープ型の使い捨ておむつであったり,その他の尿パッドや,生理用ナプキン等にも適用することができる。
(1.使い捨ておむつ)
図1は,使い捨ておむつ100の例を示す概略の斜視図であり,使い捨ておむつ100を前身頃外装体1側からみた状態を示している。図2は,図1に示された使い捨ておむつ100の展開図であり,使い捨ておむつ100を,吸収性本体3の肌対向面側からみた状態を示している。図1及び図2に示されるように,本実施形態に係る使い捨ておむつ100は,前身頃外装体1と,後身頃外装体2と,吸収性本体3を有している。前身頃外装体1は,装着時において着用者の腹部に接触する前身頃を形成し,後身頃外装体2は,装着時において着用者の背部に接触する後身頃を形成する。吸収性本体3は,長手方向の一端部側が前身頃外装体1に固定され,他端部側が後身頃外装体2に固定される。また,吸収性本体3は,股下域において,前身頃外装体1と後身頃外装体2のいずれにも固定されない部分を有している。このため,本実施形態では,吸収性本体3が,前身頃外装体1と後身頃外装体2との間に架橋された状態となっている。吸収性本体3を,前身頃外装体1と後身頃外装体2に固定する手段は,公知の方法を用いることができ,例えば,ホットメルト接着剤やその他流動性のある接着剤を用いた固定方法に固定することとしてもよいし,ヒートシールのような熱溶着や超音波溶着により固定することとしてもよい。
また,前身頃外装体1と後身頃外装体2は,互いに幅方向両側縁に位置するサイドシール部4において接合されることにより,前身頃外装体1及び後身頃外装体2が環状に繋がる。このため,図1に示されるように,装着時に着用者の腰周りに位置する腰周り開口部5と,装着時に着用者の脚部周りに位置する脚部周り開口部6が形成される。このようにして,パンツ型の使い捨ておむつ100が形成される。着用者は,その腹部が前身頃外装体1に接触し,背部が後身頃外装体2に接触するようにして,腰周り開口部5からに両脚部を入れ,それぞれの脚部を脚部周り開口部6から出すことで,パンツ型の使い捨ておむつ100を装着することができるようになっている。
(2.吸収性本体)
続いて,吸収性本体3の構成について,より詳しく説明する。
吸収性本体3は,使い捨ておむつ100の着用時において,着用者の股下域に位置し,着用者が排泄した尿などの体液を吸収保持するための部材である。図2に示されるように,吸収性本体3は,前身頃外装体1及び後身頃外装体2に接合される両端の辺を一対の短辺とし,一対の短辺の両端同士を結ぶ辺を一対の長辺とした略矩形状で形成されている。
図3は,図2に示されたX−X線における吸収性本体3の断面図を示している。図3に示されるように,本実施形態において,吸収性本体3は,トップシート10と,バックシート20と,吸収体30と,一対のサイドシート40と,各種弾性伸縮部材50〜52と,カバーシート60と,を有している。
(2−1.トップシート)
トップシート10は,着用者の股下の肌に直接接し,尿などの液体を吸収体に透過させるための部材である。このため,トップシート10は,柔軟性が高い液透過性材料で構成され,吸収体30の肌対向面を被覆するように配置される。ここにいう液透過性とは,例えば,標準の大気圧下において,常温の水を5mlその上に載せた場合に,1分未満の時間で水を透過する材料を意味する。トップシート10を構成する液透過性材料の例は,織布,不織布,又は多孔性フィルムである。また,例えばポリプロピレンやポリエチレン,ポリエステル,ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維を親水化処理してさらに不織布にしたものを用いることとしてもよい。また,トップシート10を構成する不織布としては,綿等の天然繊維を,スパンボンド法,スパンレース法,サーマルボンド法,メルトブローン法,又はニードルパンチ法等の加工法によって加工したものが挙げられる。図3に示されるように,トップシート10は,その幅方向両端縁11が,吸収体30よりも外側に延出している。そして,このトップシート10の延出した部分は,第3接合部Cにおいて,バックシート20の肌対向面側に接合されていることが好ましい。第3接合部Cは,ホットメルト接着剤等の流動性のある接着剤によってトップシート10とバックシート20を接着することにより形成されたものであってもよいし,トップシート10とバックシート20をヒートシールや超音波シール等の熱融着により一体に結合させることにより形成されたものであってもよい。
(2−2.バックシート)
バックシート20は,トップシート10を透過して吸収体30に吸収された液体が,外部に漏出することを防止するための部材である。このため,バックシート20は,液不透過性材料によって構成され,吸収体30の肌非対向面側を被覆するように配置される。バックシート20と吸収体30は,ホットメルト接着剤等の公知の接着剤によって固定すればよい。また,ここにいう液不透過性材料とは,例えば,標準の大気圧下において,常温の水を5mlその上に載せた場合に,1分以上経過してもその水を透過しない材料を意味する。バックシート20を構成する液不透過材料の例は,ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系の熱可塑性樹脂シートであり,少なくとも遮液性を有するシート材が用いられる。また,バックシート20としては,ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に,無機充填剤を混練してシートを成形した後,延伸することにより得られる微多孔性の通気性樹脂シートを用いることもできる。その他,バックシート20としては,ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布シートや,防水フィルムを介在して実質的な液不透過性を確保した不織布シートを用いることもできる。特に,0.1〜4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを,バックシート20として用いることが好ましい。また,上述のように,吸収体30の幅方向外側の領域において,トップシート10とバックシート20は,第3接合部Cにより,互いに接合されていることが好ましい。
また,図3の断面図に示されるように,バックシート20は,その幅方向両端縁21が,トップシート10の幅方向両端縁11よりも,幅方向の左右外側に位置している。このため,バックシート20は,トップシート10の幅方向両端縁11よりも幅方向の外側まで延出した延出部22を有する。バックシート20の延出部22の幅方向における長さは,特に限定されるものではないが,少なくとも5mm以上であることが好ましく,例えば,5mm〜20mm,又は10mm〜15mm程度の長さとすればよい。
また,図3に示されるように,バックシート20の肌非対向面側には,バックシート20を補強し,かつ,その手触りを良くするためのカバーシート60が貼り合わされている。また,カバーシート60は,サイドシート40の一部に重畳して貼り合わせられるものであってもよい。カバーシート60を構成する材料としては,織布や不織布が好適である。特に,カバーシート60を構成する材料として,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステルのような熱可塑性樹脂からなる不織布又は湿式不織布を用いることが好ましい。
(2−3.吸収体)
吸収体30は,尿などの液体を吸収し,吸収した液体を保持するための部材である。吸収体30は,液透過性のトップシート10と,液不透過性のバックシート20の間に配置される。吸収体30は,トップシート10を透過した液体を吸収する機能を有し,吸収性材料により構成される。吸収体30を構成する吸収性材料には,公知の材料を採用することができる。吸収性材料としては,例えば,フラッフパルプ,高吸収性ポリマー,又は親水性シートを用いることとしてもよい。また,吸収性材料には,フラッフパルプ,高吸収性ポリマー,又は親水性シートのうち1種類を単独で用いてもよいし,2種類以上を併用することとしてもよい。吸収性材料は,通常,単層又は複数層のマット状に形成され,用いられる。また,吸収体30は,トップシート10とバックシート20の間の領域に封入される。トップシート10とバックシート20は,吸収体30の周囲を囲うようして,互いに接合されることが好ましい。すなわち,トップシート10とバックシート20は,吸収体30の幅方向と長さ方向の縁に沿って,吸収体30を封入するように互いに接合される。
また,吸収体30は,その形状を,使い捨ておむつの形状や,大きさ,用途に合せて適宜設計することができる。例えば,吸収体30の形状は,図2の展開図に示されるように,砂時計型であることが好ましい。砂時計型とは,前身頃側と後身頃側において,吸収体30の両側縁が,幅方向外側に向かって突出した突出部を有することを意味する。砂時計型では,吸収体30の四隅に突出部が形成されることにより,吸収体30の長さ方向中央部に,吸収体30の内方に向かって湾曲又は屈折したくびれ部が形成される。また,吸収体30は,一般的な使い捨ておむつに使用されている,矩形型,楕円形型,又はひょうたん型とすることとしてもよい。
(2−4.サイドシート)
一対のサイドシート40は,吸収体30の両側縁部に沿って起立する立体ギャザーを形成し,着用者が排泄した尿の横漏れを防止するための部材である。立体ギャザーは,起立した状態(弾性伸縮部材が収縮した状態)において尿の防漏壁となるため,トップシート10を透過しなかった尿や,吸収体30により吸収しきれなった尿が,使い捨ておむつの脚部周り開口部などから漏出する事態を防止できる。本実施形態において,立体ギャザーのそれぞれは,一枚のサイドシート40により構成されている。ただし,立体ギャザーのそれぞれは,複数枚のサイドシート40をシール加工やホットメルト接着剤等によって,繋ぎ合わせて形成されるものであってもよい。
図3に示されるように,一対のサイドシート40は,バックシート20の幅方向両端縁21に沿って長手方向に延びて配置される。また,図3に示されるように,各サイドシート40の幅方向の一端部分は,このバックシート20の肌非対向面に接合されて,裏面層41を形成している。各サイドシート40は,この裏面層41において,例えば,ホットメルト接着剤等によって,バックシート20の肌非対向面に接合されている。また,各サイドシート40の裏面層41の幅方向端縁は,少なくとも,吸収体30と重なる位置まで延在していることが好ましい。すなわち,肌対向面側から,トップシート10,吸収体30,バックシート20,及びサイドシート40の裏面層41が,この順に重なる領域が存在することが好ましい。
また,図3に示されるように,各サイドシート40は,裏面層41と繋がる部分が,バックシート20よりも幅方向外側に位置する第1折返部40aにおいて,肌対向面側に向かって折り返され,表面層42を形成している。各サイドシート40の表面層42は,トップシート10よりもさらに上方(肌当対向面側)に位置する。そして,サイドシート40の表面層42の一部は,第1接合部Aにおいて,トップシート10の肌対向面に対し接合されている。第1接合部Aは,各サイドシート40の長手方向の全長に亘って,サイドシート40を,トップシート10上に固定する。第1接合部Aは,ホットメルト接着剤等の流動性のある接着剤によってトップシート10とサイドシート40を接着することにより形成されたものであってもよいし,トップシート10とサイドシート40をヒートシールや超音波シール等の熱融着により一体に結合させることにより形成されたものであってもよい。
また,図3に示されるように,各サイドシート40の表面層42は,第1接合部Aよりも幅方向外側に位置する固定部分43と,第1接合部Aよりも幅方向内側に位置する自由部分44とに区分される。表面層42の固定部分43は,第2接合部Bにおいて,バックシート20に対し接合される部分である。表面層42の自由部分44は,おむつの股下域においては,トップシート10等の他のシート部材に接合されず自由に開放された部分である。また,表面層42の自由部分44には,この自由部分44を構成するシートの層間に一又は複数の立体ギャザー伸縮部材52が,長手方向に沿った伸長状態で固定されている。このため,表面層42の自由部分44は,立体ギャザー伸縮部材52が収縮した際に,第1接合部Aを起点として肌対向面側に起立して,漏防壁として機能する。なお,各サイドシート40の自由部分44は,少なくとも長手方向の両端部分において,トップシート10又は他のシート部材に固定されている。
各サイドシート40の表面層42の構成について詳しく説明すると,本実施形態において,この表面層42は,シート部材が3層に重ねられて構成されている。すなわち,各サイドシート40の表面層42を形成するシート部材は,複数回折り返されることにより,最も外側に位置する外層45と,最も内側に位置する内層46と,外層45と内層46の間に位置する中層47の3層が形成されている。
本実施形態において,まず,第1折返部40aを介して裏面層41と繋がっている部分が外層45を構成する。外層45は,第1折返部40aが位置する固定部分43から,第1接合部Aを越えて,自由部分44に至る位置まで形成されている。また,外層45に繋がるシート部分は,自由部分44の幅方向内側の先端に相当する第2折返部40bにおいて,肌非対向面側に向かって折り返される。第2折返部40bにおいて肌非対向面側に向かって折り返された部分が,内層46を構成する。内層46は,第2折返部40bが位置する自由部分44から,第1接合部Aを越えて,固定部分43に至る位置まで形成されている。さらに,内層46に繋がるシート部分は,第3折返部40cにおいて,外層45と内層46の間に挿入されるように折り返されている。特にこの第3折返部40cは,各サイドシート40とバックシート20を接合する第2接合部Bよりも,幅方向外側の位置に形成される。そして,この第3折返部40cにおいて外層45と内層46の間に折り返された部分が,中層47を構成する。中層47は,第3折返部40cが位置する固定部分43から,第1接合部Aを越えて,自由部分44に至る位置まで延在している。
また,図3に示されるように,各サイドシート40の自由部分44には,複数の立体ギャザー伸縮部材52が,長手方向に沿った伸長状態で固定されている。複数の立体ギャザー伸縮部材52のうち,少なくとも一本は,各サイドシート40の中層47と外層45の間,又は中層47と内層46の間に固定されたものであることが好ましい。このように,中層47の端縁47aが,立体ギャザー伸縮部材52の固定位置に届くように延在していることで,中層47の端縁47aが,立体ギャザー伸縮部材52に塗布された接着剤によって固定される。このため,中層47が,外層45と内層46との間で,ヨレたり弛んだりすることを防止できる。
ここで,本発明では,図3に示されるように,各サイドシート40の固定部分43に,サイドシート40を構成する各層と,バックシート20の延出部22とを接合するための第2接合部Bが形成されている。本実施形態においては,図3に示されるように,バックシート20の延出部22は,肌非対向面側から,サイドシート40の裏面層41によって被覆され,肌対向面側から,サイドシート40の表面層42によって被覆されている。ここで,このサイドシート40の表面層42では,上述した通り,外層45,内層46,及び中層47の3層が重ね合わされている。このため,バックシート20の延出部22の肌対向面側には,サイドシート40の外層45,内層46,及び中層47が重なり,延出部22の肌非対向面側には,サイドシート40の裏面層41が重なっている。そして,第2接合部Bは,バックシート20の延出部22と,この延出部22の肌対向面側に積層したサイドシート40の外層45,内層46,及び中層47を,少なくとも接合するものであることが好ましい。また,第2接合部Bは,更に,バックシート20の延出部22と,この延出部22の肌非対向面を被覆するサイドシート40の裏面層41を,接合するものであることが好ましい。すなわち,第2接合部Bは,肌非対向面側から順にみて,サイドシート40の裏面層41,バックシート20の延出部22,サイドシート40の内層46,中層47,及び外層45を,一体的に接合することで形成されたものであることが好ましい。
このように,第2接合部Bにおいて,バックシート20の肌対向面側に,複数回折り返されたサイドシート40が3層で重なっているため,バックシート20とサイドシート40の接合部分の防漏性が高まり,この接合部分から吸収体に保持されている体液が漏れ出す事態を効果的に防止できる。また,第2接合部Bは,第バックシート20の延出部22の肌非対向面側においても,この延出部22とサイドシート40の裏面層41を接合しているため,さらに,この第2接合部Bにおける防漏効果は向上する。
また,第2接合部Bは,上記のように,複数のシート部材を一体に接合したものであることが好ましく,このような接合を実現するためには,例えば,ヒートシール加工や超音波シール加工のように,熱可塑性樹脂を含むシート部材を熱融着させて一体的に結合させる接合手段を採用することが好ましい。このように,第2接合部Bにおいて,バックシート20と,このバックシート20の上に重なったサイドシート40とを,例えば,ヒートシールや超音波シール等の熱融着加工によって一体に接合することで,シート同士の結合が強化され,この第2接合部Bに尿などの体液が侵入した場合であっても,この結合部が剥離することがなくなり,ほぼ確実に体液の横漏れを防止できる。また,バックシート20と複数層のサイドシート40を熱融着することで,これらのシートを形成する不織布等の風合いを損ねることなく,シート同士を結合させることができる。
また,図2及び図3に示されるように,第2接合部Bは,例えば超音波シール等によって,各サイドシート40とバックシート20とを,各サイドシート40の長手方向の全長に亘って接合している。図2の展開図に示されるように,第2接合部Bは,長手方向に沿って直線的(ライン状)形成されたものであることが好ましい。他方,第2接合部Bは,サイドシート40の表面層42とバックシート20の延出部22を幅方向の全体に亘って接合するのではなく,幅方向の一部のみ接合するものであることが好ましい。例えば,第2接合部Bを形成する幅は,2mm〜20mm,又は2mm〜10mm程度であることが好ましい。これにより,図3に示されるように,第2接合部Bよりも幅方向外側と幅方向内側には,サイドシート40の表面層42とバックシート20の延出部22とが接合されていない領域も存在するようになる。このように,第2接合部Bにおいて,サイドシート40の表面層42とバックシート20の延出部22を幅方向の一部のみ接合することで,横漏れを防止しつつ,サイドシート40の柔らかさを維持することができる。また,サイドシート40の表面層42とバックシート20を,第2接合部Bのみで接合し,その他の部分ではあえて非接合状態とすることで,第2接合部Bよりも幅方向内側であって,サイドシート40の表面層42とバックシート20の間に,空間(ポケット)を形成できる。この第2接合部Bよりも幅方向内側に生じた空間(ポケット)は,吸収体30から滲み出した体液を一時的に貯めこむための貯蔵部として機能する。すなわち,空間(ポケット)は,疎水性のサイドシート40と液透過性のバックシート20によって囲われたものであるため,体液を一時的に貯蔵するのに適している。例えば,第2接合部Bと第3接合部Cの間に形成される非接合領域(空間)の幅方向の長さは,5mm〜15mm程度であることが好ましい。これにより,使い捨ておむつの防漏性が向上する。
また,図3に示されるように,各サイドシート40の裏面層41の肌対向面側には,複数の弾性伸縮部材50,51が,長手方向に沿った伸長状態で固定されている。弾性伸縮部材50,51を,各サイドシート40の裏面層41に固定する際には,公知のホットメルト塗布装置等(例えばノードソン株式会社製シュアラップノズル等)を利用して,各弾性伸縮部材50,51に対して直接接着剤を塗布した後,この接着剤が塗布された各弾性伸縮部材50,51を,各サイドシート40の裏面層41に固定するようにすることが好ましい。このサイドシート40の裏面層41に固定される弾性伸縮部材50,51は,収縮した際に,サイドシート40を縮ませでレッグギャザーを形成する。また,弾性伸縮部材50,51が収縮すると,各サイドシート40が上方に持ち上がり,吸収性本体3と着用者の脚周りの隙間が少なくなるため,使い捨ておむつのフィット性が向上する。
この弾性伸縮部材50,51について具体的に説明すると,本実施形態において,各サイドシート40の裏面層41の肌対向面側には,第2接合部Bよりも幅方向外側に,複数の外側レッグ伸縮部材50が固定されている。このように,第2接合部Bよりも幅方向外側の位置に外側レッグ伸縮部材50を配置することで,この外側レッグ伸縮部材50が収縮した際に,サイドシート40により形成される立体ギャザーが,上方(着用者の肌に当接する方向)に向かって立ち上がりやすくなる。
さらに具体的に説明すると,図3に示されるように,複数の外側レッグ伸縮部材50のうち,少なくとも1本は,各サイドシート40の裏面層41とバックシート20の延出部22の間に,挟持されていることが好ましい。このように,第2接合部Bよりも幅方向外側において,各サイドシート40の裏面層41とバックシート20の延出部22の間に外側レッグ伸縮部材50を挟み込むことで,この外側レッグ伸縮部材50が収縮した際に,各サイドシート40と共にバックシート20も上方に持ち上がるため,吸収性本体3が全体的に,着用者の肌に密着しやすくなる。
さらに,図3に示されるように,複数の外側レッグ伸縮部材50のうち,少なくとも1本は,各サイドシート40の裏面層41とバックシート20の延出部22の間に固定されずに,各サイドシート40の裏面層41と表面層42との間に固定されていることが好ましい。このような,各サイドシート40の裏面層41と表面層42との間に固定される外側レッグ伸縮部材50は,サイドシート40の第1折返部40aの近傍に配置される。このように,外側レッグ伸縮部材50を,各サイドシート40の裏面層41と表面層42のみの間に固定することで,サイドシート40の第1折返部40aの手触りが柔軟になる。すなわち,サイドシート40の第1折返部40aは,使い捨ておむつの装着時に,着用者の肌に触れやすい部分であるが,この第1折返部40a近傍にまでバックシート20が延在していると,第1折返部40aの手触りが固くなり,着用者の肌に擦れた際などに,その肌を傷つけてしまう恐れもある。そこで,図3に示されるように,第1折返部40aにもっと近い位置に配置される外側レッグ伸縮部材50は,各サイドシート40の裏面層41とバックシート20の延出部22の間ではなく,この裏面層41と表面層42の間に固定することで,第1折返部40a近傍の手触りが固くなることを防止できる。従って,サイドシート40の第1折返部40aの近傍に,手触りが柔軟なギャザーを形成できる。
また,本実施形態において,各サイドシート40の裏面層41の肌対向面側には,第2接合部Bよりも幅方向内側に,複数の内側レッグ伸縮部材51が固定されている。このように,第2接合部Bよりも幅方向外側だけでなく,さらに,第2接合部Bよりも幅方向内側の位置に,複数の内側レッグ伸縮部材51を配置することで,この内側レッグ伸縮部材51が収縮した際に,吸収体30を上方(着用者の肌に当接する方向)に向かって押し上げることができるため,吸収体30と着用者の肌の間の隙間を少なくすることができる。これにより,吸収性物品による体液の吸収・保持性能が向上する。
さらに具体的に説明すると,図3に示されるように,複数の内側レッグ伸縮部材51のうち,少なくとも1本は,各サイドシート40の裏面層41,バックシート20,吸収体30,及びトップシート10が,厚み方向に重なった位置において,サイドシート40の裏面層41とバックシート20の間に固定されていることが好ましい。このように,吸収体30の下方に位置する部分に,内側レッグ伸縮部材51を固定することで,使い捨ておむつの装着時において,吸収体30の幅方向両側部が上方に向かって持ち上がり,吸収体30が全体的に椀状に湾曲するようになる。従って,吸収体30の幅方向中央部分に,主として,排泄された体液が流れこむようになり,吸収体30の幅方向外側に体液が漏れ出すことを防止できる。
さらに,図3に示されるように,複数の内側レッグ伸縮部材51のうち,少なくとも1本は,第2接合部Bよりも幅方向内側であって,且つ,第1接合部Aよりも幅方向外側の位置おいて,サイドシート40の裏面層41とバックシート20の間に固定されていることが好ましい。このような位置は,サイドシート40の自由部分44によって形成される立体ギャザーの略真下に位置する。このため,このような位置に内側レッグ伸縮部材51を配設することで,内側レッグ伸縮部材51が収縮した際に立体ギャザーが上方に向かって押し上げられるようになり,立体ギャザーと着用者の肌の密着性が向上し,体液の横漏れ防止に繋がる。
上述した一対のサイドシート40は,疎水性材料で形成されることが好ましい。各サイドシート40を構成する疎水性の材料として,例えば,ポリエチレン,ポリプリピロピレン,又はポリエステル等の樹脂等が挙げられる。さらに,具体的には,疎水性材料としては,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステル,ポリエチレン−ポリエステル等からなる不織布,メッシュシート,又はフィルム等を用いることができる。また,撥水性材料からなるシート材等を用いることによって,防漏性を向上させることができる。撥水性材料としては,例えば,スパンボンドやカードエンボス等の不織布を用いることができる。不織布としては,SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド),SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)は,耐水圧が高いという利点があり,好適に用いることができる。
また,疎水性材料で形成されたサイドシート40の特性について,さらに詳しく説明すると,このサイドシート40は,坪量が,10〜20g/mの不織布であることが好ましい。このような坪量の不織布によってサイドシート40を形成することにより,柔らかさと,強度のバランスを維持することができる。また,サイドシート40を形成する不織布は,KES曲げ剛性計測器(カトーテック社製:KES−FB2)によって測定した曲げ剛性が,0.010g・cm/cm以下であり,KES風合い計測器(カトーテック社製:KES−SE)によって測定した平均摩擦係数が,0.25以下であることが好ましい。例えば,サイドシート40を形成する不織布は,曲げ剛性が0.001〜0.010g・cmであり,平均摩擦係数が0.01〜0.25であることが好ましい。このような物理的特性の不織布を利用することで,サイドシート40の柔らかさが向上する。また,サイドシート40を形成する不織布は,耐水圧(JIS L 1092の試験方法により測定)が,150mmHO以上であることが好ましい。例えば,不織布は,耐水圧は,150mmHO〜250mmHOであることが好ましい。このような耐水圧性を有する不織布を利用することで,サイドシート40の防漏性が高まる。
(2−5.各種弾性伸縮部材)
上記したとおり,本実施形態において,吸収性本体3には,外側レッグ伸縮部材50,内側レッグ伸縮部材51,及び立体ギャザー伸縮部材52といった各種弾性伸縮部材が配置されている。これら各種弾性伸縮部材50〜52には,公知の糸状又は帯状の弾性伸縮部材を用いることができる。例えば,これらの伸縮部材には,糸状弾性ゴムを適用することが好ましい。このようなゴム材としては,スチレン系ゴム,オレフィン系ゴム,ウレタン系ゴム,エステル系ゴム,ポリウレタン,ポリエチレン,ポリスチレン,スチレンブタジエン,シリコーン,又はポリエステル等の素材を用いることができる。なお,伸縮部材の材料は必ずしもこれらの材料に限定されるものではなく,例えば熱可塑性エラストマー,プラスチックシート,又はゴムシート等の伸縮性を有する公知の種々のものを用いることができる。また,弾性伸縮部材を,シート部材に固定するときの伸長率は,120%〜250%程度とすればよい。なお,ここにいう伸長率とは,自然状態の弾性伸縮部材の長さを100%とした場合に,シート部材に固定するときに弾性伸縮部材がどの程度伸長されているかを示す比率であり,例えば,自然状態で10cmの弾性伸縮部材を20cmに伸張すると,その伸長率は200%となる。
(3.前身頃外装体及び後身頃外装体)
前身頃外装体1及び後身頃外装体2は,図2の展開図に示されるように,使い捨ておむつの装着時において着用者の腹部及び背部に接触するとともに,股下部に位置する吸収性本体3を,吊持するための部材である。
前身頃外装体1と後身頃外装体2は,おむつの幅方向の左右両側縁部に,一対のサイドシール部4を有している。前身頃外装体1と後身頃外装体2は,おむつの幅方向の左右両側縁部を互いに重ね合わせた状態で,一対のサイドシール部4において接合される。例えば,この一対のサイドシール部4は,おむつの長さ方向に延びて直線的に形成される。サイドシール部4において,前身頃外装体1と後身頃外装体2は,例えば熱エンボス溶着や超音波エンボス溶着のような公知の接合手段により接合される。
前身頃外装体1と後身頃外装体2は,例えば,インナーシートとアウターシートの2枚のシート部材を貼り合わせることにより構成されている。インナーシートは,着用者の肌に接する面(肌当接面)側に配置され,アウターシートは,着用者の肌に接しない面(肌非当接面)側に配置される。インナーシートとアウターシートは,別途形成されたシート材であってもよいし,例えば一枚のシート材を使い捨ておむつの腰周り開口部の端縁に相当する位置で折り返すことにより一体的に形成されたものであってもよい。また,インナーシートとアウターシートの間には,他のシート部材が介在するものであってもよい。インナーシートとアウターシートは,例えば,柔軟な繊維不織布やプラスチックシートや,それらのラミネートシートによって形成されている。インナーシートとアウターシートの間は,例えばホットメルト接着剤によって接着される。さらに,インナーシートとアウターシートの間には,使い捨ておむつの幅方向に沿って配置された複数本の弾性伸縮部材が,長さ方向に間隔をおいて伸長状態で固定されている。前身頃外装体1と後身頃外装体2に配置された弾性伸縮部材は,前身頃外装体1及び後身頃外装体2の腰周りや腹周りにギャザーを形成する。ギャザーを形成することで,前身頃外装体1及び後身頃外装体2の柔軟性や密着性を高めることができる。複数本の弾性伸縮部材には,糸状弾性ゴムを適用することが好ましく,このようなゴム材としては,スチレン系ゴム,オレフィン系ゴム,ウレタン系ゴム,エステル系ゴム,ポリウレタン,ポリエチレン,ポリスチレン,スチレンブタジエン,シリコーン,又はポリエステル等の公知の素材を採用できる。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を中心に説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
例えば,本発明において,一対のサイドシート40は,第2接合部Bにおいて2層以上に重なっているものであればよく,一枚のシート部材から構成されるサイドシート40を折り返して,第2接合部Bにおいて2層以上に重ねることとしてもよいし,サイドシート40を二枚以上のシート部材によって構成することで,第2接合部Bにおいて2層以上に重ねることとしてもよい。
また,サイドシート40を一枚のシート部材から構成する場合に,その折り返し方は,図3に示された実施形態のものに限定されず,種々の折り返し方により,サイドシート40を第2接合部Bにおいて2層以上に重ねることができる。例えば,図3の実施形態に示された第3折返部40cでは,中層47に相当する部分を,外層45と内層46の間に折り返さずに,内層46のさらに内側となるように折り返すこともできる。
本発明は,使い捨ておむつや,尿パッド,生理用ナプキン等の吸収性物品の製造産業において好適に利用しうる。
1…前身頃外装体 2…後身頃外装体
3…吸収性本体 4…サイドシール部
10…トップシート 11…幅方向両端縁
20…バックシート 21…幅方向両端縁
22…延出部 30…吸収体
40…サイドシート 41…裏面層
42…表面層 43…固定部分
44…自由部分 45…外層
46…内層 47…中層
40a…第1折返部 40b…第2折返部
40c…第3折返部 50…外側レッグ伸縮部材
51…内側レッグ伸縮部材 52…立体ギャザー伸縮部材
60…カバーシート 100…使い捨ておむつ(吸収性物品)
A…第1接合部 B…第2接合部
C…第3接合部

Claims (4)

  1. 液透過性のトップシート(10)と,
    液不透過性のバックシート(20)と,
    前記トップシート(10)と前記バックシート(20)の間に介在する吸収体(30)と,
    前記トップシート(10)の幅方向の左右両側方に配置され,前記トップシート(10)の肌対向面に対し,第1接合部(A)において接合された一対のサイドシート(40)と,
    を有する吸収性物品であって,
    前記バックシート(20)は,前記トップシート(10)の幅方向両端縁(11)よりも,幅方向の外側に延出した延出部(22)を有し,
    前記一対のサイドシート(40)は,前記第1接合部(A)よりも幅方向の外側に位置する部分が,前記バックシート(20)の延出部(22)に対し,第2接合部(B)において,前記延出部(22)の長手方向に亘って接合されており,
    さらに,前記一対のサイドシート(40)は,少なくとも,前記第2接合部(B)によって前記バックシート(20)の延出部(22)に対して接合される部分において,前記バックシート(20)の肌対向面側に,2層以上に重なっており,
    前記一対のサイドシート(40)の幅方向の一端部分は,前記バックシート(20)の肌非対向面に接合されて裏面層(41)を形成しており,
    少なくとも1本の内側レッグ伸縮部材(51)が,前記第2接合部(B)よりも幅方向内側であって,且つ,前記第1接合部(A)よりも幅方向外側の位置において,前記一対のサイドシート(40)の裏面層(41)と前記バックシート(20)との間に,長手方向に沿った伸長状態で固定されている
    吸収性物品。
  2. 前記一対のサイドシート(40)は,前記第2接合部(B)によって前記バックシート(20)の延出部(22)に対して接合される部分において,前記バックシート(20)の肌対向面側に,3層に重なっている
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記第2接合部(B)よりも幅方向の外側において,少なくとも一本の外側レッグ伸縮部材(50)が,長手方向に沿った伸長状態で,前記一対のサイドシート(40)に固定されている
    請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記第2接合部(B)は,当該第2接合部(B)において重なる前記バックシート(20)及び前記サイドシート(40)同士を熱融着により一体的に接合することにより,形成されている
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の吸収性物品。
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