[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP6086205B2 - 位相差検出装置およびそれを備えた回転角検出装置 - Google Patents

位相差検出装置およびそれを備えた回転角検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6086205B2
JP6086205B2 JP2012271639A JP2012271639A JP6086205B2 JP 6086205 B2 JP6086205 B2 JP 6086205B2 JP 2012271639 A JP2012271639 A JP 2012271639A JP 2012271639 A JP2012271639 A JP 2012271639A JP 6086205 B2 JP6086205 B2 JP 6086205B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase difference
rotation angle
magnetic
sin
detection device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012271639A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014115260A (ja
Inventor
高木 剛
剛 高木
裕二 狩集
裕二 狩集
冷水 由信
由信 冷水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2012271639A priority Critical patent/JP6086205B2/ja
Priority to EP13196423.1A priority patent/EP2743645B1/en
Priority to CN201310665268.2A priority patent/CN103868448B/zh
Priority to US14/104,647 priority patent/US9638509B2/en
Publication of JP2014115260A publication Critical patent/JP2014115260A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6086205B2 publication Critical patent/JP6086205B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B7/00Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques
    • G01B7/30Measuring arrangements characterised by the use of electric or magnetic techniques for measuring angles or tapers; for testing the alignment of axes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01DMEASURING NOT SPECIALLY ADAPTED FOR A SPECIFIC VARIABLE; ARRANGEMENTS FOR MEASURING TWO OR MORE VARIABLES NOT COVERED IN A SINGLE OTHER SUBCLASS; TARIFF METERING APPARATUS; MEASURING OR TESTING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01D5/00Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable
    • G01D5/12Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable using electric or magnetic means
    • G01D5/244Mechanical means for transferring the output of a sensing member; Means for converting the output of a sensing member to another variable where the form or nature of the sensing member does not constrain the means for converting; Transducers not specially adapted for a specific variable using electric or magnetic means influencing characteristics of pulses or pulse trains; generating pulses or pulse trains

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Description

この発明は、2つの磁気センサの出力信号間の位相差を検出する位相差検出装置およびそれを備えた回転角検出装置に関する。
回転体の回転角を検出する回転角検出装置として、ブラシレスモータの回転に応じて回転する検出用ロータを用いて、ブラシレスモータのロータの回転角を検出する回転角検出装置が知られている。具体的には、図16に示すように、検出用ロータ201(以下、「ロータ201」という)は、ブラシレスモータのロータに設けられている磁極対に相当する複数の磁極対を有する円筒状の磁石202を備えている。ロータ201の周囲には、2つの磁気センサ221,222が、ロータ201の回転中心軸を中心として所定の角度間隔をおいて配置されている。各磁気センサ221,222からは、所定の位相差を有する正弦波信号が出力される。これらの2つの正弦波信号に基づいて、ロータ201の回転角(ブラシレスモータのロータの回転角)が検出される。
この例では、磁石202は、5組の磁極対を有している。つまり、磁石102は、等角度間隔で配置された10個の磁極を有している。各磁極は、ロータ201の回転中心軸を中心として、36°(電気角では180°)の角度間隔で配置されている。また、2つの磁気センサ221,222は、ロータ201の回転中心軸を中心として18°(電気角では90°)の角度間隔をおいて配置されている。
図16に矢印で示す方向を検出用ロータ201の正方向の回転方向とする。そして、ロータ201が正方向に回転されるとロータ201の回転角が大きくなり、ロータ201が逆方向に回転されると、ロータ201の回転角が小さくなるものとする。各磁気センサ221,222からは、図17に示すように、ロータ201が1磁極対分に相当する角度(72°(電気角では360°))を回転する期間を一周期とする正弦波信号S,Sが出力される。
ロータ201の1回転分の角度範囲を、5つの磁極対に対応して5つの区間に分け、各区間の開始位置を0°とし終了位置を360°として表したロータ201の回転角を、ロータ201の電気角θということにする。
ここでは、第1磁気センサ221からは、S=A・sinθの出力信号が出力され、第2磁気センサ222からは、S=A・cosθの出力信号が出力されるものとする。A,Aは、振幅である。両出力信号S,Sの振幅A,Aが互いに等しいとみなすと、ロータ201の電気角θは、両出力信号S,Sを用いて、次式に基づいて求めることができる。
θ=tan−1(sinθ/cosθ)
=tan−1(S/S
このようにして、求められた電気角θを使って、ブラシレスモータを制御する。
特開2008-26297号公報
前述したような従来の回転角検出装置においては、両磁気センサ221,222の出力信号S,Sの振幅A,Aが等しいとみなして回転角θを演算しているが、両出力信号S,Sの振幅A,Aは、両磁気センサ221,222の温度特性のばらつきおよび温度変化に応じて変化する。このため、両磁気センサ221,222の温度特性のばらつきおよび温度変化によって、ロータの回転角の検出に誤差が発生する。
本発明者らは、ステアリングシャフト等の回転体の回転角を検出する回転角検出装置として、回転体の回転に応じて、互いに位相差を有する正弦波信号をそれぞれ出力する2つの磁気センサと、これらの磁気センサにおける異なるタイミングでサンプリングされた複数の出力信号に基づいて回転体の回転角を演算する演算装置とを備えたものを開発した。この演算装置は、たとえば、コンピュータを含むECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)によって構成されている。
2つの磁気センサの出力信号間の位相差は、回転角の演算精度に大きな影響を及ぼすため、正確に測定する必要がある。そこで、ECUの工場出荷前において、2つの磁気センサの出力信号間の位相差を正確に測定して、ECU内の不揮発性メモリに格納することが考えられる。位相差を正確に測定するには、回転体を等速度で回転させながら、2つの磁気センサの出力信号波形をモニタリングし、得られた波形と回転体を回転速度とに基づいて位相差を測定する方法を用いることが考えられる。しかしながら、このような方法によって位相差を測定するには、回転体を等速度で回転させるための特殊な装置が必要となる。
ECUに故障等が発生し、ECUを交換する場合には、2つの磁気センサの出力信号間の位相差が不明であるため、位相差を新たに計測する必要がある。しかしながら、2つの磁気センサの出力信号間の位相差を正確に測定するには、回転体を等速度で回転させるための特殊な装置が必要であるため、簡単に位相差を計測することができない。
この発明の目的は、2つの磁気センサの出力信号間の位相差を、特殊な装置を用いることなく簡単に検出することができる位相差検出装置およびそれを備えた回転角検出装置を提供することである。
請求項1記載の発明は、回転体(8)の回転に応じて回転し、複数の磁極を有する多極磁石(61)と、前記多極磁石の回転に応じて、互いに所定の位相差を有する正弦波信号をそれぞれ出力する2つの磁気センサ(71,72)と、前記2つの磁気センサの出力信号を用いて、前記位相差を演算する位相差演算手段(77D)とを含み、一方の第1磁気センサの出力信号Sを、その振幅をA、前記第1磁気センサが検出している磁極の磁極幅誤差補正値をE、前記回転体の回転角をθとして、S=Asin(Eθ)で表し、他方の第2磁気センサの出力信号Sを、その振幅をA、前記第2磁気センサが検出している磁極の磁極幅誤差補正値をE、前記第1磁気センサの出力信号Sとの位相差をCとして、S=Asin(Eθ+C)で表し、前記多極磁石の磁極数をmとし、各磁極に対応する磁極幅誤差補正値をE(i)(iは磁極を相対的に識別するための1からmまでの自然数)で表すと、前記位相差演算手段は、前記回転体が回転しているときにおいて、前記両磁気センサが共に同じ1つの任意の磁極を検出している間の3つの異なるタイミングでサンプリングされた6つの出力信号を用いて当該任意の磁極に対応するE(i)・Cの値を演算する処理を、全ての磁極に対応するE(i)・Cの値が演算されるまで行う第1演算手段(77D,S31,S38,S39)と、前記第1演算手段によって演算された全ての磁極に対応するE(i)・Cの値と、前記多極磁石の磁極数mとを用いて、前記位相差Cを演算する第2演算手段(77D,S40)とを含む、位相差検出装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
この発明では、回転体を回転させることによって、2つの磁気センサの出力信号の位相差を自動的に演算することができる。この際、回転体を等速度で回転させる必要がないので、特殊な装置を用いることなく簡単に位相差を検出することができる。
請求項2記載の発明は、nを今回のサンプリング周期番号として、前記6つの出力信号を次式(a1)〜(a6)で表すと、前記第1演算手段は、次式(b)に基づいて前記任意の磁極のE(i)・Cの値を演算するように構成されている、請求項1に記載の位相差検出装置である。
[n]=Asin(E(i)・θ[n]) …(a1)
[n-1]=Asin(E(i)・θ[n-1]) …(a2)
[n-2]=Asin(E(i)・θ[n-2]) …(a3)
[n]=Asin(E(i)・θ[n]+C) …(a4)
[n-1]=Asin(E(i)・θ[n-1]+C) …(a5)
[n-2]=Asin(E(i)・θ[n-2]+C) …(a6)
Figure 0006086205
請求項3記載の発明は、前記第2演算手段は、次式(c) に基づいて前記位相差Cを演算するように構成されている、請求項1または2に記載の位相差検出装置である。
Figure 0006086205
請求項4記載の発明は、前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の位相差検出装置(61,71,72,77A)と、前記2つの磁気センサ(71,72)における2つの異なるタイミングでサンプリングされた4つの出力信号と、前記位相差検出装置によって検出された位相差Cとを用いて、前記回転体(8)の回転角を演算する回転角演算手段(77A)とを含む、回転角検出装置である。
この発明では、2つのセンサにおける2つの異なるタイミングでサンプリングされた4つの出力信号と位相差検出装置によって検出された位相差Cとを用いて、回転体の回転角を演算しているので、前述した従来技術に比べて、精度の高い回転角を演算することが可能となる。
請求項5記載の発明は、前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の位相差検出装置(61,71,72,77A)と、前記2つの磁気センサ(71,72)における3つの異なるタイミングでサンプリングされた6つの出力信号と、前記位相差検出装置によって検出された位相差Cとを用いて、前記回転体(8)の回転角を演算する回転角演算手段(77A)とを含む、回転角検出装置である。
この発明では、2つのセンサにおける3つの異なるタイミングでサンプリングされた6つの出力信号と位相差検出装置によって検出された位相差Cとを用いて回転体の回転角を演算しているので、前述した従来技術に比べて、精度の高い回転角を演算することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る回転角検出装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、モータ制御用ECUの電気的構成を示す概略図である。 図3は、電動モータの構成を図解的に示す模式図である。 図4は、検出操舵トルクThに対するq軸電流指令値I の設定例を示すグラフである。 図5は、トルクセンサの構成を図解的に示す模式図である。 図6は、第1の磁石の構成および2つの磁気センサの配置を示す模式図である。 図7は、第1磁気センサおよび第2磁気センサの出力波形を示す模式図である。 図8は、第1の回転角演算部の動作を示すフローチャートである。 図9は、図8のステップS1の強制回転に基づく回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。 図10は、図8のステップS2の通常時の回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。 図11は、第1の位相差演算部によって実行される位相差演算処理の手順を示すフローチャートである。の動作を示すフローチャートである。 図12は、トルク演算用ECU内のメモリの内容の一部を示す模式図である。 図13は、相対的極番号の設定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 図14は、相対的極番号の設定処理を説明するための模式図である。 図15Aは、第1の位相差演算部によって実行される位相差演算処理の他の例の手順の一部を示すフローチャートである。 図15Bは、第1の位相差演算部によって実行される位相差演算処理の他の例の手順の一部を示すフローチャートである。 図16は、従来の回転角検出装置による回転角検出方法を説明するための模式図である。 図17は、第1磁気センサおよび第2磁気センサの出力信号波形を示す模式図である。
以下では、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る位相差検出装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
電動パワーステアリング装置1は、車両を操向するための操舵部材としてのステアリングホイール2と、このステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。すなわち、ステアリングホイール2が回転されると、入力軸8および出力軸9は、互いに相対回転しつつ同一方向に回転するようになっている。
ステアリングシャフト6の周囲には、本発明の一実施形態に係る位相差検出装置が適用されたトルクセンサ(トルク検出装置)11が設けられている。トルクセンサ11は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基づいて、ステアリングホイール2に与えられた操舵トルクを検出する。トルクセンサ11によって検出される操舵トルクは、モータ制御用ECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)12に入力される。
転舵機構4は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラック軸14とを含むラックアンドピニオン機構からなる。ラック軸14の各端部には、タイロッド15およびナックルアーム(図示略)を介して転舵輪3が連結されている。ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端には、ピニオン16が連結されている。
ラック軸14は、自動車の左右方向(直進方向に直交する方向)に沿って直線状に延びている。ラック軸14の軸方向の中間部には、ピニオン16に噛み合うラック17が形成されている。このピニオン16およびラック17によって、ピニオン軸13の回転がラック軸14の軸方向移動に変換される。ラック軸14を軸方向に移動させることによって、転舵輪3を転舵することができる。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン16およびラック17によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
操舵補助機構5は、操舵補助力を発生するための電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを転舵機構4に伝達するための減速機構19とを含む。電動モータ18は、この実施形態では、三相ブラシレスモータからなる。減速機構19は、ウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合うウォームホイール21とを含むウォームギヤ機構からなる。減速機構19は、伝達機構ハウジングとしてのギヤハウジング22内に収容されている。
ウォーム軸20は、電動モータ18によって回転駆動される。また、ウォームホイール21は、ステアリングシャフト6とは同方向に回転可能に連結されている。ウォームホイール21は、ウォーム軸20によって回転駆動される。
電動モータ18によってウォーム軸20が回転駆動されると、ウォームホイール21が回転駆動され、ステアリングシャフト6が回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム軸20を回転駆動することによって、転舵輪3が転舵されるようになっている。
電動モータ18のロータの回転角(ロータ回転角)は、レゾルバ等の回転角センサ25によって検出される。回転角センサ25の出力信号は、モータ制御用ECU12に入力される。電動モータ18は、モータ制御装置としてのモータ制御用ECU12によって制御される。
図2は、モータ制御用ECU12の電気的構成を示す概略図である。
モータ制御用ECU12は、トルクセンサ11によって検出される操舵トルクThに応じて電動モータ18を駆動することによって、操舵状況に応じた適切な操舵補助を実現する。モータ制御用ECU12は、マイクロコンピュータ40と、マイクロコンピュータ40によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)31と、電動モータ18に流れるモータ電流を検出する電流検出部32とを備えている。
電動モータ18は、例えば三相ブラシレスモータであり、図3に図解的に示すように、界磁としてのロータ100と、U相、V相およびW相のステータ巻線101,102,103を含むステータ105とを備えている。電動モータ18は、ロータの外部にステータを対向配置したインナーロータ型のものであってもよいし、筒状のロータの内部にステータを対向配置したアウターロータ型のものであってもよい。
各相のステータ巻線101,102,103の方向にU軸、V軸およびW軸をとった三相固定座標(UVW座標系)が定義される。また、ロータ100の磁極方向にd軸(磁極軸)をとり、ロータ100の回転平面内においてd軸と直角な方向にq軸(トルク軸)をとった二相回転座標系(dq座標系。実回転座標系)が定義される。dq座標系は、ロータ100とともに回転する回転座標系である。dq座標系では、q軸電流のみがロータ100のトルク発生に寄与するので、d軸電流を零とし、q軸電流を所望のトルクに応じて制御すればよい。ロータ100の回転角(電気角)θ-Sは、U軸に対するd軸の回転角である。dq座標系は、ロータ角θ-Sに従う実回転座標系である。このロータ角θ-Sを用いることによって、UVW座標系とdq座標系との間での座標変換を行うことができる。
マイクロコンピュータ40は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、電流指令値設定部41と、電流偏差演算部42と、PI(比例積分)制御部43と、dq/UVW変換部44と、PWM(Pulse Width Modulation)制御部45と、UVW/dq変換部46と、回転角演算部47とを含む。
回転角演算部47は、回転角センサ25の出力信号に基づいて、電動モータ18のロータの回転角(電気角。以下、「ロータ角θ」という。)を演算する。
電流指令値設定部41は、dq座標系の座標軸に流すべき電流値を電流指令値として設定する。具体的には、電流指令値設定部41は、d軸電流指令値I およびq軸電流指令値I (以下、これらを総称するときには「二相電流指令値Idq 」という。)を設定する。さらに具体的には、電流指令値設定部41は、q軸電流指令値I を有意値とする一方で、d軸電流指令値I を零とする。より具体的には、電流指令値設定部41は、トルクセンサ11によって検出される操舵トルク(検出操舵トルク)Thに基づいて、q軸電流指令値I を設定する。
検出操舵トルクThに対するq軸電流指令値I の設定例は、図4に示されている。検出操舵トルクThは、たとえば、右方向への操舵のためのトルクが正の値にとられ、左方向への操舵のためのトルクが負の値にとられている。また、q軸電流指令値I は、電動モータ18から右方向操舵のための操作補助力を発生させるべきときには正の値とされ、電動モータ18から左方向操舵のための操作補助力を発生させるべきときには負の値とされる。q軸電流指令値I は、検出操舵トルクThの正の値に対しては正をとり、検出操舵トルクThの負の値に対しては負をとる。検出操舵トルクThが零のときには、q軸電流指令値I は零とされる。そして、検出操舵トルクThの絶対値が大きくなるほど、q軸電流指令値I の絶対値が大きくなるように、q軸電流指令値I が設定されている。
電流指令値設定部41によって設定された二相電流指令値Idq は、電流偏差演算部42に与えられる。
電流検出部32は、電動モータ18のU相電流I、V相電流IおよびW相電流I(以下、これらを総称するときは、「三相検出電流IUVW」という。)を検出する。電流検出部32によって検出された三相検出電流IUVWは、UVW/dq変換部46に与えられる。
UVW/dq変換部46は、電流検出部32によって検出されるUVW座標系の三相検出電流IUVW(U相電流I、V相電流IおよびW相電流I)を、dq座標系の二相検出電流IおよびI(以下総称するときには「二相検出電流Idq」という。)に座標変換する。この座標変換には、回転角演算部47によって演算されたロータ角θが用いられる。
電流偏差演算部42は、電流指令値設定部41によって設定される二相電流指令値Idq と、UVW/dq変換部46から与えられる二相検出電流Idqとの偏差を演算する。より具体的には、電流偏差演算部42は、d軸電流指令値I に対するd軸検出電流Iの偏差およびq軸電流指令値I に対するq軸検出電流Iの偏差を演算する。これらの偏差は、PI制御部43に与えられる。
PI制御部43は、電流偏差演算部42によって演算された電流偏差に対するPI演算を行なうことにより、電動モータ18に印加すべき二相電圧指令値Vdq (d軸電圧指令値V およびq軸電圧指令値V )を生成する。この二相電圧指令値Vdq は、dq/UVW変換部44に与えられる。
dq/UVW変換部44は、二相電圧指令値Vdq を三相電圧指令値VUVW に座標変換する。この座標変換には、回転角演算部47によって演算されたロータ角θが用いられる。三相電圧指令値VUVW は、U相電圧指令値V 、V相電圧指令値V およびW相電圧指令値V からなる。この三相電圧指令値VUVW は、PWM制御部45に与えられる。
PWM制御部45は、U相電圧指令値V 、V相電圧指令値V およびW相電圧指令値V にそれぞれ対応するデューティのU相PWM制御信号、V相PWM制御信号およびW相PWM制御信号を生成し、駆動回路31に供給する。
駆動回路31は、U相、V相およびW相に対応した三相インバータ回路からなる。このインバータ回路を構成するパワー素子がPWM制御部45から与えられるPWM制御信号によって制御されることにより、三相電圧指令値VUVW に相当する電圧が電動モータ18の各相のステータ巻線101,102、103に印加されることになる。
電流偏差演算部42およびPI制御部43は、電流フィードバック制御手段を構成している。この電流フィードバック制御手段の働きによって、電動モータ18に流れるモータ電流が、電流指令値設定部41によって設定された二相電流指令値Idq に近づくように制御される。
図5は、トルクセンサ11の構成を図解的に示す模式図である。
入力軸8には、環状の第1の磁石(多極磁石)61が一体回転可能に連結されている。第1の磁石61の下側には、第1の磁石61の回転に応じて互いに位相差を有する正弦波状の信号をそれぞれ出力する2つの磁気センサ71,72が配置されている。
出力軸9には、環状の第2の磁石(多極磁石)62が一体回転可能に連結されている。第2の磁石62の上側には、第2の磁石62の回転に応じて互いに位相差を有する正弦波状の信号をそれぞれ出力する2つの磁気センサ74,75が配置されている。
各磁気センサ71,72,74,75の出力信号S,S,S,Sは、入力軸8に加えられる操舵トルクを演算するためのトルク演算用ECU77に入力されている。トルク演算用ECU77の電源は、イグニッションキーがオン操作されることによってオンとなる。イグニッションキーがオフ操作されたときには、そのことを示すイグニッションキーオフ操作信号が、トルク演算用ECU77に入力される。なお、磁気センサとしては、たとえば、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁界の作用により電気的特性が変化する特性を有する素子を備えたものを用いることができる。この実施形態では、磁気センサとしては、ホール素子が用いられている。
前記磁石61,62、前記磁気センサ71,72,74,75およびトルク演算用ECU77によって、トルクセンサ11が構成されている。
トルク演算用ECU77は、マイクロコンピュータを含んでいる。マイクロコンピュータは、CPUおよびメモリ(ROM,RAM,不揮発性メモリ等)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能する。この複数の機能処理部には、第1の回転角演算部77Aと、第2の回転角演算部77Bと、トルク演算部77Cと、第1の位相差演算部77Dと、第2の位相差演算部77Eとを含んでいる。
第1の位相差演算部77Dは、作業者等によってトルク演算用ECU77の動作モードが位相差検出モードに設定されたときに、2つの磁気センサ71,72の出力信号S,Sに基づいて、これらの出力信号S,Sの位相差を検出して、不揮発性メモリに記憶する。第2の位相差演算部77Eは、作業者等によってトルク演算用ECU77の動作モードが位相差検出モードに設定されたときに、2つの磁気センサ74,75の出力信号S,Sに基づいて、これらの出力信号S,Sの位相差を検出して、不揮発性メモリに記憶する。たとえば、トルク演算用ECU77が新たに交換された際に、トルク演算用ECU77の動作モードが位相差検出モードに設定される。そして、第1の位相差演算部77Dおよび第2の位相差演算部77Eによって位相差が検出されると、トルク演算用ECU77の動作モードが通常モードに戻される。第1の位相差演算部77Dおよび第2の位相差演算部77Eの動作の詳細については後述する。
第1の回転角演算部77Aは、通常モード時において、2つの磁気センサ71,72の出力信号S,Sと、不揮発性メモリに記憶されている両出力信号S,Sの位相差とに基づいて入力軸8の回転角(電気角θ)を演算する。第2の回転角演算部77Bは、通常モード時において、2つの磁気センサ74,75の出力信号S,Sと、不揮発性メモリに記憶されている両出力信号S,Sの位相差とに基づいて出力軸9の回転角(電気角θ)を演算する。
トルク演算部77Cは、通常モード時において、第1の回転角演算部77Aによって検出された入力軸8の回転角θと第2の回転角演算部77Bによって検出された出力軸9の回転角θとに基づいて、入力軸8に加えられた操舵トルクThを演算する。具体的には、操舵トルクThは、トーションバー10のバネ定数をKとし、各磁石61,62に設けられた磁極対数をNとすると、次式(1)に基づいて演算される。
Th={(θ−θ)/N}×K …(1)
第1の磁石61、磁気センサ71,72および第1の回転角演算部77Aによって、入力軸8の回転角θを検出するための第1の回転角検出装置が構成されている。また、第2の磁石62、磁気センサ74,75および第2の回転角演算部77Bによって、出力軸9の回転角θを検出するための第2の回転角検出装置が構成されている。第1の回転角検出装置(第1の回転角演算部77A)の動作と第2の回転角検出装置(第2の回転角演算部77B)動作は同様であるので、以下、第1の回転角検出装置(第1の回転角演算部77A)の動作についてのみ説明する。
図6は、第1の磁石61の構成および2つの磁気センサの配置を示す模式図である。
第1の磁石61は、周方向に等角度間隔で配された4組の磁極対(M1,M2),(M3,M4),(M5,M6),(M7,M8)を有している。つまり、第1の磁石61は、等角度間隔で配置された8個の磁極M1〜M8を有している。各磁極M1〜M8は、入力軸8の中心軸を中心として、ほぼ45°(電気角ではほぼ180°)の角度間隔(角度幅)で配置されている。各磁極M1〜M8の磁力の大きさは、ほぼ一定である。
2つの磁気センサ71,72は、第1の磁石61の下側の環状端面に対向して、配置されている。これらの磁気センサ71,72は、入力軸8の中心軸を中心として電気角で120°の角度間隔で配置されている。以下において、一方の磁気センサ71を第1磁気センサ71といい、他方の磁気センサ72を第2磁気センサ72という場合がある。
図6に矢印で示す方向を入力軸8の正方向の回転方向とする。そして、入力軸8が正方向に回転されると入力軸8の回転角が大きくなり、入力軸8が逆方向に回転されると、入力軸2の回転角が小さくなるものとする。各磁気センサ71,72からは、図7に示すように、入力軸8の回転に伴って、正弦波状の信号S,Sが出力される。なお、図6の横軸の回転角[deg]は、機械角を表している。
以下において、第1磁気センサ71の出力信号Sを第1出力信号Sまたは第1センサ値Sといい、第2磁気センサ72の出力信号Sを第2出力信号Sまたは第2センサ値Sという場合がある。
以下においては、説明の便宜上、入力軸8の回転角をθではなく、θで表すことにする。各出力信号S,Sが正弦波信号であるとみなし、入力軸8の回転角をθ(電気角)とすると、第1磁気センサ71の出力信号Sは、S=A・sinθと表され、第2磁気センサ72の出力信号Sは、S=A・sin(θ+C)と表される。A,Aは、それぞれ振幅を表している。Cは、第1出力信号Sと第2出力信号Sとの位相差を表している。
第1の回転角演算部77Aによる回転角θの演算方法の基本的な考え方について説明する。回転角θを演算する方法には、2通りの方法がある。一番目は、2つの磁気センサ71,72における2サンプリング分の出力信号に基づいて回転角θを演算する方法(以下、「第1演算方法」という。)である。二番目は、2つの磁気センサ71,72における3サンプリング分の出力信号に基づいて回転角θを演算する方法(以下、「第2演算方法」という)である。
まず、第1演算方法の基本的な考え方について説明する。第1出力信号Sと第2出力信号Sとの位相差(電気角)をCで表すことにする。また、今回のサンプリング周期の番号(今回の演算周期の番号)を[n]、前回のサンプリング周期の番号(前回の演算周期の番号)を[n-1]で表すことにする。
位相差Cおよびサンプリング周期の番号[n],[n-1]を用いると、今回サンプリングされた第1出力信号S、前回サンプリングされた第1出力信号S、今回サンプリングされた第2出力信号Sおよび前回サンプリングされた第2出力信号Sを、それぞれ次式(2a),(2b),(2c),(2d)で表すことができる。
[n]=A[n]sinθ[n] …(2a)
[n-1]=A[n-1]sinθ[n-1] …(2b)
[n]=A[n]sin(θ[n]+C) …(2c)
[n-1]=A[n-1]sin(θ[n-1]+C) …(2d)
Cが既知であるとすると、これら4つの式に含まれる未知数(A[n],A[n-1],A[n],A[n-1],θ[n],θ[n-1])の数は6となる。つまり、未知数の数が方程式の数より多いため、このままでは、4つの式からなる連立方程式を解くことができない。
そこで、サンプリング間隔(サンプリング周期)を短く設定することにより、2サンプリング間の温度変化による振幅の変化がないとみなす。つまり、2サンプリング間の第1磁気センサ71の出力信号の振幅A[n],A[n-1]が互いに等しいとみなして、これらをAで表すことにする。同様に、2サンプリング間の第2磁気センサ72の出力信号の振幅A[n],A[n-1]が互いに等しいとみなし、これらをAで表すことにする。これにより、前記式(2a),(2b),(2c)および(2d)を、それぞれ次式(3a),(3b),(3c)および(3d)で表わすことができる。
[n]=Asinθ[n] …(3a)
S1[n-1]=Asinθ[n-1] …(3b)
[n]=Asin(θ[n]+C) …(3c)
[n-1]=Asin(θ[n-1]+C) …(3d)
これら4つの式に含まれる未知数(A,A,θ[n],θ[n-1])の数は4となる。つまり、未知数の数が方程式の数以下となるため、4つの式からなる連立方程式を解くことができる。したがって、前記4つの式(3a),(3b),(3c)および(3d) からなる連立方程式を解くことにより、入力軸8の回転角θ[n]を演算することができる。
以下、両磁気センサ71,72間の位相差Cが120度である場合について、具体的に説明する。位相差Cが120度である場合には、前記4つの式(3a),(3b),(3c)および(3d)は、それぞれ次式(4a),(4b),(4c)および(4d)で表わすことができる。
[n]=Asinθ[n] …(4a)
[n-1]=Asinθ[n-1] …(4b)
[n]=Asin(θ[n]+120) …(4c)
[n-1]=Asin(θ[n-1]+120) …(4d)
前記4つの式(4a),(4b),(4c)および(4d)からなる連立方程式を解くと、入力軸8の回転角θ[n]は、次式(5) (以下、「基本演算式(5)」という。)で表わされる。
Figure 0006086205
したがって、両磁気センサ間の位相差Cが120度である場合には、4つのセンサ値S[n],S[n-1],S[n],S[n-1]と基本演算式(5)を用いて、入力軸8の回転角θ[n]を演算することができる。
ただし、基本演算式(5) に含まれている分数のいずれかの分母が零になる場合には、基本演算式(5)に基づいて回転角θ[n]を演算することはできない。そこで、この実施形態では、基本演算式(5) に含まれている分数のいずれかの分母が零になる場合には、基本演算式(5)とは異なる演算式によって回転角θ[n]を演算するようにしている。さらに、この実施形態では、基本演算式(5)によって回転角θ[n]を演算することができるけれども、より簡単な演算式によって回転角θ[n]を演算できる場合には、基本演算式(5)とは異なる演算式によって回転角θ[n]を演算するようにしている。この実施形態では、基本演算式(5)より簡単に回転角θ[n]を演算できる場合とは、S[n]=0の場合またはS[n]=0の場合である。
この実施形態では、回転角θ[n]を演算するための演算式として、基本演算式(5)を含めて10種類の演算式が用意されている。表1は、10種類の演算式と、その演算式が適用される条件とを示している。なお、回転角θ[n]を演算する際には、表1の上から順番にその条件を満たしているか否かが判別され、条件を満たしたと判別されるとそれ以降の条件判別は行われず、当該条件に対応する演算式により、回転角θ[n]が演算される。
Figure 0006086205
表1の上から1番目の演算式は、基本演算式(5)である。基本演算式(5)は、S[n]およびS[n]のいずれもが零でなく、かつ基本演算式(5) に含まれている分数のいずれの分母も零でないという条件を満たしている場合に、適用される。基本演算式(5)に含まれている分数のいずれの分母も零でないという条件は、p−p≠0でかつ、p +p+p ≠0でかつ、S[n-1]≠0でかつS[n-1]≠0である場合に満たされる。なお、S[n-1]はpの分母であり、S[n-1]はpの分母である。
ただし、p +p+p =0が成立するのは、p=p=0の場合だけであるが、第1磁気センサ71と第2磁気センサ72とは位相が120度ずれているため、両磁気センサ71,72のセンサ値S,Sが同時に零になることはない。このため、p +p+p =0が成立することはない。したがって、基本演算式(5)に含まれている分数のいずれの分母も零でないという条件は、p−p≠0でかつ、S[n-1]≠0でかつS[n-1]≠0である場合に満たされる。
表1の上から2番目の演算式は、p−p=0である場合に適用される演算式である。p−p=0が成立する場合について検討する。この場合には、p=pであるから、次式(6)が成立する。
Figure 0006086205
これを変形すると、次式(7)が得られる。
Figure 0006086205
前記式(7)が成立する場合とは、θ[n]とθ[n-1]とが等しい場合である。つまり、今回の回転角θ[n]が前回の回転角θ[n-1]に等しい場合である。そこで、S[n]およびS[n]のいずれもが零でなく、かつpの分母S[n-1]およびpの分母S[n-1]のいずれもが零でなく、かつp−p=0であるという条件を満たした場合には、前回に演算された回転角θ[n-1]が今回の回転角θ[n]として用いられる。
表1の上から3番目および4番目の演算式は、pの分母S[n-1]が零となる場合に適用される演算式である。S[n-1]=Asinθ[n-1]であるので、sinθ[n-1]=0のときに、S[n-1]=0となる。つまり、θ[n-1]が0度または180度のときに、S[n-1]が零となる。S[n-1]=Asin(θ[n-1]+120)であるので、θ[n-1]が0度のときにはS[n-1]>0となり、θ[n-1]が180度のときにはS[n-1]<0となる。したがって、S[n-1]=0でかつS[n-1]>0のときにはθ[n-1]=0となり、S[n-1]=0でかつS[n-1]<0のときにはθ[n-1]=180となる。
θ[n-1]=0である場合には、前記式 (4c),(4d)は、それぞれ次式(8c),(8d)で表される。
[n]=Asin(θ[n]+120) …(8c)
[n-1]=Asin120=√3/2・ A…(8d)
前記式(8d)から、次式(9)が得られる。
=(2/√3)・S[n-1] …(9)
前記式(9)を前記式(8c)に代入すると、次式(10)が得られる。
sin(θ[n]+120)=(√3/2)・(S[n]/S[n-1]) …(10)
したがって、回転角θ[n]は、次式(11)により演算することができる。
Figure 0006086205
つまり、表1の上から3番目に示すように、S[n]およびS[n]のいずれもが零でなく、かつpの分母S[n-1]が零でなく、かつpの分母S[n-1]が零であり、かつS[n-1]>0であるという条件を満たした場合には、前記式(11)で表される演算式に基づいて回転角θ[n]が演算される。
一方、θ[n-1]=180である場合には、前記式 (4c),(4d)は、それぞれ次式(12c),(12d)で表される。
[n]=Asin(θ[n]+120) …(12c)
[n-1]=Asin300=−√3/2・ A…(12d)
前記式(12d)から、次式(13)が得られる。
=(−2/√3)・S[n-1] …(13)
前記式(13)を前記式(12c)に代入すると、次式(14)が得られる。
sin(θ[n]+120)=(−√3/2)・(S[n]/S[n-1]) …(14)
したがって、回転角θ[n]は、次式(15)により演算することができる。
Figure 0006086205
つまり、表1の上から4番目に示すように、S[n]およびS[n]のいずれもが零でなく、かつpの分母S[n-1]が零でなく、かつpの分母S[n-1]が零であり、かつS[n-1]<0であるという条件を満たした場合には、前記式(15)で表される演算式に基づいて回転角θ[n]が演算される。
表1の上から5番目および6番目の演算式は、S[n]=0となる場合に適用される演算式である。S[n]=Asin(θ[n]+120)であるので、sin(θ[n]+120)=0のときに、S[n]=0となる。つまり、θ[n]が−120度または60度のときに、S[n]=0となる。S[n]=Asinθ[n]であるので、θ[n]が−120度のときにはS[n]<0となり、θ[n]が60度のときにはS[n]>0となる。したがって、S[n]=0でかつS[n]>0のときにはθ[n]=60となり、S[n]=0でかつS[n]<0であればθ[n]=−120となる。
つまり、表1の上から5番目に示すように、S[n]が零でなく、かつpの分母S[n-1]が零でなく、かつS[n]=0であり、かつS[n]>0であるという条件を満たした場合には、回転角θ[n]は60度として演算される。また、表1の上から6番目に示すように、S[n]が零でなく、かつpの分母S[n-1]が零でなく、かつS[n]=0であり、かつS[n]>0であるという条件を満たした場合には、回転角θ[n]は−120度として演算される。
表1の上から7番目および8番目の演算式は、pの分母S[n-1]が零となる場合に適用される演算式である。S[n-1]=Asin(θ[n-1]+120)であるので、sin(θ[n-1]+120)=0のときに、S[n-1]=0となる。つまり、θ[n-1]が−120度または60度のときに、S[n-1]が零となる。S[n-1]=Asinθ[n-1]であるので、θ[n-1]が−120度のときにはS[n-1]<0となり、θ[n-1]が60度のときにはS[n-1]>0となる。したがって、S[n-1]=0でかつS[n-1]>0のときにはθ[n-1]=60となり、S[n-1]=0でかつS[n-1]<0のときにはθ[n-1]=−120となる。
θ[n-1]=60である場合には、前記式 (4a),(4b)は、それぞれ次式 (16a),(16b)で表される。
[n]=Asinθ[n] …(16a)
[n-1]=Asin60=√3/2・ A…(16b)
前記式(16b)から、次式(17)が得られる。
=(2/√3)・S[n-1] …(17)
前記式(17)を前記式(16a)に代入すると、次式(18)が得られる。
sinθ[n]=(√3/2)・(S[n]/S[n-1]) …(18)
したがって、回転角θ[n]は、次式(19)により演算することができる。
Figure 0006086205
つまり、表1の上から7番目に示すように、S[n]が零でなく、かつpの分母S[n-1]が零であり、かつS[n-1]>0であるという条件を満たした場合には、前記式(19)で表される演算式に基づいて回転角θ[n]が演算される。
一方、θ[n-1]=−120である場合には、前記式 (4a),(4b)は、それぞれ次式 (20a),(20b)で表される。
[n]=Asinθ[n] …(20a)
[n-1]=Asin(−120)=−√3/2・ A …(20b)
前記式(20b)から、次式(21)が得られる。
=(−2/√3)・S[n-1] …(21)
前記式(21)を前記式(20a)に代入すると、次式(22)が得られる。
sinθ[n]=(−√3/2)・(S[n]/S[n-1]) …(22)
したがって、θ[n]は、次式(23)により演算することができる。
Figure 0006086205
つまり、表1の上から8番目に示すように、S[n]が零でなく、かつpの分母S[n-1]が零であり、かつS[n-1]<0であるという条件を満たした場合には、前記式(23)で表される演算式に基づいて回転角θ[n]が演算される。
表1の上から9番目および10番目の演算式は、S[n]=0となる場合に適用される演算式である。S[n]=Asinθ[n]であるので、sinθ[n]=0のときに、S[n]=0となる。つまり、θ[n]が0度または180度のときに、S[n]=0となる。S[n]=Asin(θ[n]+120]であるので、θ[n]が0度のときにはS[n]>0となり、θ[n]が180度のときにはS[n]<0となる。したがって、S[n]=0でかつS[n]>0であればθ[n]=0となり、S[n]=0でかつS[n]<0であればθ[n]=180となる。
つまり、表1の上から9番目に示すように、S[n]が零であり、かつS[n]>0であるという条件を満たした場合には、回転角θ[n]は0度として演算される。また、表1の上から10番目に示すように、S[n]が零であり、かつS[n]<0であるという条件を満たした場合には、回転角は180度として演算される。
第1演算方法では、2つの磁気センサ71,72における2サンプリング分の出力信号に基づいて入力軸8の回転角θ[n]を演算しているので、精度の高い回転角を演算することが可能となる。また、第1演算方法では、入力軸8の回転角θ[n]の演算に用いられる数式の数が、これらの数式に含まれている本来の未知数の数より少なくても、入力軸8の回転角θ[n]を演算することができるので、入力軸8の回転角θ[n]を演算するために必要なセンサ値の数を少なくすることが可能となる。
第1演算方法では、サンプリング周期を短く設定することによって、2サンプリング間での同じ磁気センサの出力信号の振幅(A[n]とA[n-1],A[n]とA[n-1])が互いに等しいとみなしている。2サンプリング間での同じ磁気センサの出力信号の振幅は、温度変化の影響によって異なる値となる可能性がある。しかしながら、サンプリング間隔が小さい場合には、2サンプリング間の温度変化は非常に小さいので、2サンプリング間での同じ磁気センサの出力信号の振幅は等しいとみなすことができる。したがって、第1演算方法では、2サンプリング間での温度変化の影響による振幅のばらつきを補償することができる。また、第1演算方法では、磁気センサ71,72間の振幅A,Aは、別々の未知数として扱っているので、各磁気センサ71,72間の温度特性のばらつきの影響を補償することができる。これにより、精度の高い回転角を検出することができる。
次に、第2演算方法の基本的な考え方について説明する。第1出力信号Sと第2出力信号Sとの位相差(電気角)をCで表すことにする。また、今回のサンプリング周期の番号(今回の演算周期の番号)を[n]、前回のサンプリング周期の番号を[n-1]、前々回のサンプリング周期の番号を[n-2]で表すことにする。また、各磁極M1〜M8の角度幅(ピッチ幅)のばらつきに基づく回転角演算誤差を補正するための補正値を、角度幅誤差補正値(磁極幅誤差補正値)といい、Eで表すことにする。
位相差C、サンプリング周期の番号[n],[n-1],[n-2]および角度幅誤差補正値Eを用いると、今回、前回および前々回にサンプリングされた第1出力信号Sならびに今回、前回および前々回にサンプリングされた第2出力信号Sを、それぞれ次式(24a),(24b),(24c),(24d),(24e),(24f)で表すことができる。
[n]=A[n]sin(E[n]θ[n]) …(24a)
[n-1]=A[n-1]sin(E[n-1]θ[n-1]) …(24b)
[n-2]=A[n-2]sin(E[n-2]θ[n-2]) …(24c)
[n]=A[n]sin(E[n]θ[n]+C) …(24d)
[n-1]=A[n-1]sin(E[n-1]θ[n-1]+C) …(24e)
[n-2]=A[n-2]sin(E[n-2]θ[n-2]+C) …(24f)
前記式(24a)〜(24f)において、E[x]は、x番目の演算周期において第1磁気センサ71が検出している磁極に対応する角度幅誤差補正値である。E[x]は、x番目の演算周期において第2磁気センサ72が検出している磁極に対応する角度幅誤差補正値である。
磁石61の磁極数をmとする。また、iを、磁極を相対的に識別するための1からmまでの自然数とする。任意の磁極の角度幅をw(i)(電気角)で表し、その磁極の角度幅誤差をθerr(i)(電気角)で表すことにすると、θerr(i)は、次式(25)で定義される。
θerr(i)=w(i)−180 …(25)
その磁極に対する角度幅誤差補正値をE(i)で表すと、E(i)は次式(26)で定義される。
E(i)=180/w(i)
=180/(θerr(i)+180) …(26)
各磁極の角度幅誤差補正値E(i)は、各磁極のピッチ幅に関する情報である。なお、各磁極のピッチ幅に関する情報は、各磁極の角度幅w(i)であってもよいし、各磁極の角度幅誤差θerr(i)であってもよい。
Cが既知であるとすると、前記式(24a)〜(24f)で表される6つの式に含まれる未知数の数は16となる。つまり、未知数の数が方程式の数より多いため、このままでは、6つの式からなる連立方程式を解くことができない。
そこで、サンプリング間隔(サンプリング周期)を短く設定することにより、3サンプリング間の温度変化による振幅の変化がないとみなす。つまり、3サンプリング間の第1磁気センサ71の出力信号の振幅A[n],A[n-1],A[n-2]が互いに等しいとみなして、これらをAとする。同様に、3サンプリング間の第2磁気センサ72の出力信号の振幅A[n],A[n-1],A[n-2]が互いに等しいとみなし、これらをAとする。
さらに、3サンプリング間において、両磁気センサ71,72が共に同じ1つの磁極を検出しているとみなす。つまり、3サンプリング分の両磁気センサ71,72の出力信号に含まれている角度幅誤差補正値E[n],E[n-1],E[n-2],E[n],E[n-1],E[n-2]の全てが同じ磁極に対応する角度幅誤差補正値であるとみなし、E(i)で表すことにする。これにより、前記式(24a)〜(24f)を、それぞれ次式(27a)〜(27f)で表わすことができる。
[n]=Asin(E(i)・θ[n]) …(27a)
[n-1]=Asin(E(i)・θ[n-1]) …(27b)
[n-2]=Asin(E(i)・θ[n-2]) …(27c)
[n]=Asin(E(i)・θ [n]+C) …(27d)
[n-1]=Asin(E(i)・θ[n-1]+C) …(27e)
[n-2]=Asin(E(i)・θ[n-2]+C) …(27f)
これら6つの式に含まれる未知数(A,A,E(i),θ[n],θ[n-1],θ[n-2])の数は6となる。つまり、未知数の数が方程式の数以下となるため、6つの式からなる連立方程式を解くことができる。したがって、前記6つの式(27a)〜(27f) からなる連立方程式を解くことにより、入力軸8の回転角θ[n]を演算することができる。
以下、両磁気センサ間の位相差Cが120度である場合について、具体的に説明する。位相差Cが120度である場合には、前記6つの式(27a)〜(27f) は、それぞれ次式(28a)〜(28f)で表わすことができる。
[n]=Asin(E(i)・θ[n]) …(28a)
[n-1]=Asin(E(i)・θ[n-1]) …(28b)
[n-2]=Asin(E(i)・θ[n-2]) …(28c)
[n]=Asin(E(i)・θ[n]+120) …(28d)
[n-1]=Asin(E(i)・θ[n-1]+120) …(28e)
[n-2]=Asin(E(i)・θ[n-2]+120) …(28f)
前記基本演算式(5)より、E(i)・θ[n]は次式(29)で表される。
Figure 0006086205
また、前記6つの式(28a)〜(28f)からなる連立方程式を解くことにより、角度幅誤差補正値E(i)は、次式(30)で表わされる。
Figure 0006086205
したがって、前記式(29)により演算されたE(i)・θ[n]を、前記式(30)により演算された角度幅誤差補正値E(i)で除することにより、θ[n]を求めることができる。つまり、次式(31)により、θ[n]を求めることができる。
θ[n]=E(i)・θ[n]/E(i) …(31)
ただし、E(i)・θ[n]については、前記表1にしたがって、条件に応じた演算式に基づいて演算を行う。また、角度幅誤差補正値E(i)については、前記式(30) に含まれている分数のいずれかの分母が零になる場合には、前記式(30)に基づいて角度幅誤差補正値E(i)を演算することができない。そこで、この実施形態では、前記式(30) に含まれている分数のいずれかの分母が零になる場合には、前回に演算された角度幅誤差補正値E(i)を今回の角度幅誤差補正値E(i)として用いるようにしている。
なお、前記式(30) に含まれている分数のいずれかの分母が零になる場合とは、次式(32),(33),(34)でそれぞれ表される3つの条件のうちの少なくとも1つの条件を満たす場合である。
Figure 0006086205
第2演算方法では、2つの磁気センサ71,72における3サンプリング分の出力信号に基づいて入力軸8の回転角θ[n]を演算しているので、精度の高い回転角を演算することが可能となる。また、第2演算方法では、入力軸8の回転角θ[n]の演算に用いられる数式の数が、これらの数式に含まれている本来の未知数の数より少なくても、入力軸8の回転角θ[n]を演算することができるので、入力軸8の回転角θ[n]を演算するために必要なセンサ値の数を少なくすることが可能となる。
第2演算方法では、3サンプリング間での同じ磁気センサの出力信号の振幅(A[n]とA[n-1] とA[n-2],A[n]とA[n-1] とA[n-2])が互いに等しいとみなしている。3サンプリング間での同じ磁気センサの出力信号の振幅は、温度変化の影響によって異なる値となる可能性がある。しかしながら、サンプリング間隔が小さい場合には、3サンプリング間の温度変化は非常に小さいので、3サンプリング間での同じ磁気センサの出力信号の振幅は等しいとみなすことができる。したがって、第2演算方法では、3サンプリング間での温度変化の影響による振幅のばらつきを補償することができる。また、第2演算方法では、磁気センサ71,72間の振幅A,Aは、別々の未知数として扱っているので、各磁気センサ71,72間の温度特性のばらつきの影響を補償することができる。これにより、精度の高い回転角を検出することができる。
また、第2演算方法では、回転角θ[n]の演算に用いられる6つの数式に含まれている全ての角度幅誤差補正値Eが互いに等しいとみなしている。各磁極の角度幅誤差補正値E(i)は、磁極毎に異なる。このため、回転角θ[n]の演算に用いられる6つの出力信号S[n],S[n-1],S[n-2],S[n],S[n-1] ,S[n-2]を表す数式に含まれている角度幅誤差補正値E(i)は、全て同じ値になるとは限らない。しかしながら、2つの磁気センサ71,72が、3サンプリング間において共に同じ1つの磁極を検出している場合には、これらの複数の出力信号を表す数式に含まれている角度幅誤差補正値E(i)は全て同じ値となる。したがって、第2演算方法では、2つの磁気センサ71,72が、3サンプリング間において共に同じ1つの磁極を検出している場合には、磁石61の各磁極M1〜M8の角度幅(ピッチ幅)のばらつきをも補償できるので、より精度の高い回転角を検出することが可能となる。
図8は、第1の回転角演算部77Aの動作を示すフローチャートである。
トルク演算用ECU77の電源がオンすると、第1の回転角演算部77Aは、強制回転に基づく回転角演算処理を行う(ステップS1)。この処理は、電動モータ18を一時的に強制回転させることにより、入力軸8(出力軸9)を回転させ、入力軸8の回転角θを演算する処理である。この処理の詳細については後述する。
前述した第1演算方法および第2演算方法では、前回のサンプリング時点と今回のサンプリング時点とにおいて、各磁気センサ71,72の出力信号S,Sが変化していない場合には、p=pとなるため、前回演算された回転角θ[n]が回転角θ[n]として用いられる(表1の上から2番目の演算式を参照)。しかしながら、イグニッションキーがオン操作されることによって、トルク演算用ECU77の電源がオンされた時点では、前回演算された回転角θ[n]は存在しないため、トルク演算用ECU77の電源がオンされた後に、各磁気センサ71,72の出力信号S,Sが変化していない場合には、回転角θ[n]を演算できなくなる。そこで、回転角θ[n]の前回値を作成するために、強制回転に基づく回転角演算処理を行っている。
強制回転に基づく回転角演算処理が終了すると、第1の回転角演算部77Aは、通常時の回転角演算処理を行う(ステップS2)。この処理の詳細については後述する。通常時の回転角演算処理は、イグニッションキーのオフ操作が行われるまで継続して行われる。イグニッションキーのオフ操作が行われると(ステップS3:YES)、第1の回転角演算部77Aは通常時の回転角演算処理を終了する。
図9は、図8のステップS1の強制回転に基づく回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。
強制回転に基づく回転角演算処理では、短時間ではあるがステアリングホイール2が自動的に回転する。このため、運転者は何らかの故障が発生したと誤解するおそれがある。そこで、第1の回転角演算部77Aは、運転者への警告を行う(ステップS11)。具体的には、第1の回転角演算部77Aは、車内に設けられた表示装置(図示略)、音声出力装置(図示略)等を制御するための映像音声制御装置(図示略)に、警告出力指令を送信する。映像音声制御装置は、この警告出力指令を受信すると、「ステアリングホイールが強制的に回転しますが故障ではありません」等のメッセージを表示装置に表示したり、音声出力装置によって音声出力したりする。
次に、第1の回転角演算部77Aは、第1方向に電動モータ18を回転駆動させる(ステップS12)。具体的には、第1の回転角演算部77Aは、第1方向に電動モータ18を回転駆動させるための第1強制回転指令をモータ制御用ECU12に送信する。モータ制御用ECU12は、この第1強制回転指令を受信すると、第1方向に電動モータ18を回転駆動させる。
第1の回転角演算部77Aは、各磁気センサ71,72のセンサ値S[n], S[n]を取得する(ステップS13)。トルク演算用ECU77内のメモリには、所定回数前に取得されたセンサ値から最新に取得されたセンサ値までの複数回分(3回以上)のセンサ値が記憶されるようになっている。第1の回転角演算部77Aは、第1方向に電動モータ18が回転駆動された後において、M回分のセンサ値S, Sを取得したか否かを判別する(ステップS14)。後述するステップS18において入力軸8の回転角θ[n]を前述した第1演算方法に基づいて演算する場合には、Mは2に設定され、入力軸8の回転角θ[n]を前述した第2演算方法に基づいて演算する場合には、Mは3に設定される。
M回分のセンサ値S, Sを取得していない場合には(ステップS14:NO)、第1の回転角演算部77Aは、ステップS13に戻り、センサ値S[n], S[n]を取得する。ステップS13の処理が繰り返される際のセンサ値S[n], S[n]のサンプリング周期は予め定められている。
前記ステップS14において、M回分のセンサ値S, Sを取得したと判別された場合には(ステップS14:YES)、第1の回転角演算部77Aは、第1方向とは反対方向である第2方向に電動モータ18を回転駆動させる(ステップS15)。具体的には、第1の回転角演算部77Aは、第2方向に電動モータ18を回転駆動させるための第2強制回転指令をモータ制御用ECU12に送信する。モータ制御用ECU12は、この第2強制回転指令を受信すると、第2方向に電動モータ18を回転駆動させる。
この後、第1の回転角演算部77Aは、各磁気センサ71,72のセンサ値S[n], S[n]を取得する(ステップS16)。そして、第1の回転角演算部77Aは、第2方向に電動モータ18が回転駆動された後において、M回分のセンサ値S, Sを取得したか否かを判別する(ステップS17)。M回分のセンサ値S, Sを取得していない場合には(ステップS14:NO)、第1の回転角演算部77Aは、ステップS16に戻り、センサ値S[n], S[n]を取得する。ステップS16の処理が繰り返される際のセンサ値S[n], S[n]のサンプリング周期は予め定められている。
前記ステップS17において、M回分のセンサ値S, Sを取得したと判別された場合には(ステップS17:YES)、第1の回転角演算部77Aは、M回分のセンサ値S, Sに基づいて、入力軸8の回転角θ[n]を演算して記憶する(ステップS18)。なお、メモリには、最新のM回分のセンサ値S, Sが記憶されるようになっている。Mが2に設定されている場合には、第1の回転角演算部77Aは、前述した第1演算方法に基づいて入力軸8の回転角θ[n]を演算する。一方、Mが3に設定されている場合には、第1の回転角演算部77Aは、前述した第2演算方法に基づいて入力軸8の回転角θ[n]を演算する。
この後、第1の回転角演算部77Aは、電動モータ18の駆動を停止させるとともに運転者への警告を停止させる(ステップS19)。具体的には、第1の回転角演算部77Aは、電動モータ18の駆動停止指令をモータ制御用ECU12に送信するとともに、映像音声制御装置に警告停止指令を送信する。モータ制御用ECU12は、電動モータ18の駆動停止指令を受信すると電動モータ18の駆動を停止させる。映像音声制御装置は、警告停止指令を受信すると、警告表示、警告音声出力等を停止させる。これにより、強制回転に基づく回転角演算処理が終了する。
図10は、図8のステップS2の通常時の回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。図10の処理は、所定の演算周期(サンプリング周期)毎に繰り返し実行される。
第1の回転角演算部77Aは、センサ値S[n], S[n]を取得する(ステップS21)。そして、第1の回転角演算部77Aは、今回取得したセンサ値S[n], S[n]を含めた最新のM回分のセンサ値S, Sに基づいて、入力軸8の回転角θ[n]を演算する(ステップS21)。Mが2に設定されている場合には、第1の回転角演算部77Aは、前述した第1演算方法に基づいて入力軸8の回転角θ[n]を演算する。一方、Mが3に設定されている場合には、第1の回転角演算部77Aは、前述した第2演算方法に基づいて入力軸8の回転角θ[n]を演算する。
なお、前回取得したセンサ値S[n-1], S[n-1]および前回演算された回転角θ[n-1]は、それぞれ前々回取得したセンサ値S[n-2], S[n-2]および前々回演算された回転角θ[n-2]として記憶される。また、今回取得したセンサ値S[n], S[n]および今回演算された回転角θ[n]は、それぞれ前回取得したセンサ値S[n-1], S[n-2]および前回演算された回転角θ[n-1]として記憶される。
次に、第1の位相差演算部77Dおよび第2の位相差演算部77Eの動作について説明する。第2の位相差演算部77Eの動作は、第1の位相差演算部77Dの動作と同様であるので、第1の位相差演算部77Dの動作についてのみ説明する。
まず、第1の位相差演算部77Dによる位相差の演算方法の考え方について説明する。
第2演算方法で説明したように、2つの磁気センサ71,72における3サンプリング分の出力信号は、前記式(24a)〜(24f)で表される。
[n]=A[n]sin(E[n]θ[n]) …(24a)
[n-1]=A[n-1]sin(E[n-1]θ[n-1]) …(24b)
[n-2]=A[n-2]sin(E[n-2]θ[n-2]) …(24c)
[n]=A[n]sin(E[n]θ[n]+C) …(24d)
[n-1]=A[n-1]sin(E[n-1]θ[n-1]+C) …(24e)
[n-2]=A[n-2]sin(E[n-2]θ[n-2]+C) …(24f)
そして、サンプリング間隔を短く設定することにより、3サンプリング間の温度変化による振幅の変化がないとみなすとともに、3サンプリング間において、両磁気センサ71,72が共に同じ1つの磁極を検出しているとみなすと、前記式(24a)〜(24f)は前記式(27a)〜(27f)で表される。
[n]=Asin(E(i)・θ[n]) …(27a)
[n-1]=Asin(E(i)・θ[n-1]) …(27b)
[n-2]=Asin(E(i)・θ[n-2]) …(27c)
[n]=Asin(E(i)・θ[n]+C) …(27d)
[n-1]=Asin(E(i)・θ[n-1]+C) …(27e)
[n-2]=Asin(E(i)・θ[n-2]+C) …(27f)
これらの6つの式から、E(i)・Cを求めるための演算式を導くことができる。E(i)・Cを求めるための演算式は、次式(35)となる。
Figure 0006086205
全ての磁極のピッチ幅のばらつきθerr(i)の総和は零となるので、次式(36)が成り立つ。
Figure 0006086205
mは、前述したように磁石61に組まれる磁極の数である。
前記式(26)を変形すると、θerr(i)=180/E(i)−180となる。この式を前記式(36) に代入すると、次式(37)となる。
Figure 0006086205
前記式(37) を変形すると、次式(38)が得られる。
Figure 0006086205
前記式(38) をさらに変形すると、次式(39)が得られる。
Figure 0006086205
前記式(39)の両辺をCで除算すると、次式(40)が得られる。
Figure 0006086205
したがって、Cは次式(41)で表される。
Figure 0006086205
つまり、第1の位相差演算部77Dは、入力軸8が回転しているときにおいて、両磁気センサ71,72が共に同じ1つの任意の磁極を検出している間の3つの異なるタイミングでサンプリングされた6つの出力信号を用いて当該任意の磁極に対応するE(i)・Cの値を演算する。第1の位相差演算部77Dは、このような処理を、全ての磁極に対応するE(i)・Cの値が演算されるまで行う。全ての磁極に対応するE(i)・Cの値が演算されると、第1の位相差演算部77Dは、全ての磁極に対応するE(i)・Cと前記式(41)とを用いて、両出力信号S,S間の位相差Cを演算する。位相差Cを演算するために、入力軸8を回転させる必要があるが、入力軸8を等速度で回転させる必要がないので、入力軸8を等速度で回転させるための特殊な装置は不要である。
E(i)・Cを演算するための前記式(35) に含まれている分数のいずれかの分母が零になる場合には、前記式(35)に基づいてE(i)・Cを演算することはできない。つまり、次式(42),(43),(44)のいずれかが成立する場合には、前記式(35)に基づいてE(i)・Cを演算することはできない。そこで、次式(42),(43) ,(44)のいずれかが成立するときには、第1の位相差演算部77Dは、E(i)・Cを演算しないようにする。
Figure 0006086205
図11は、第1の位相差演算部77Dによって実行される位相差演算処理の手順を示すフローチャートである。この位相差演算処理は、トルク演算用ECU77の動作モードが、特定の作業者等によって位相差演算モードに設定されたときに、実行される。作業者等は、トルク演算用ECU77の動作モードを位相差演算モードに設定すると、ステアリングホイール2を、一定期間、手動で回転させる。
位相差演算処理開始時において第1磁気センサ71が検出している磁極を基準磁極として、各磁極に相対的な番号を割り当てた場合の各磁極の番号を相対的極番号と定義する。第1磁気センサ71が検出している磁極の相対的極番号(以下、「第1相対的極番号」という)を変数r1で表し、第2磁気センサ72が検出している磁極の相対的極番号(以下、「第2相対的極番号」という)を変数r2で表すことにする。なお、各相対的極番号r1,r2は、1〜8の整数をとり、1より1少ない相対的極番号は8となり、8より1大きい相対的極番号は1となるものとする。この実施形態では、位相差演算処理開始時において第1磁気センサ71が検出している磁極(基準磁極)がN極の磁極である場合には、当該磁極に”1”の相対的極番号が割り当てられる。一方、位相差演算処理の開始時において第1磁気センサ71が検出している磁極(基準磁極)がS極の磁極である場合には、当該磁極に”2”の相対的極番号が割り当てられる。
トルク演算用ECU77内のメモリには、図12に示すように、1〜8の相対的磁極番号毎にE(i)・Cの値を記憶するためのエリアe1、複数演算周期分の第1相対的極番号r1[n-k]〜r1[n](kは、3以上の自然数)を記憶するためのエリアe2と、複数演算周期分の第2相対的極番号r2 [n-k]〜r2[n]を記憶するためのエリアe3等が設けられている。
図11に戻り、動作モードが位相差演算モードに設定されると、第1の位相差演算部77Dは、各磁気センサ71,72のセンサ値S[n], S[n]を取得する(ステップS31)。このステップS31の処理は、全ての磁極に対応するE(i)・Cが演算されるまでは、所定の演算周期毎に繰り返し行われる。操舵トルク演算用ECU77内のメモリには、所定回数前に取得されたセンサ値から最新に取得されたセンサ値までの複数回分(3回以上)のセンサ値が記憶されるようになっている。
第1の位相差演算部77Dは、今回の処理が位相差演算処理開始後の初回の処理であるか否かを判別する(ステップS32)。今回の処理が位相差演算処理開始後の初回の処理である場合には(ステップS32:YES)、第1の位相差演算部77Dは、相対的極番号の設定処理を行う(ステップS33)。
図13は、相対的極番号の設定処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
第1の位相差演算部77Dは、まず、第1出力信号Sが0より大きいか否かを判別する(ステップS51)。第1出力信号Sが0より大きい場合には(ステップS51:YES)、第1の位相差演算部77Dは、第1磁気センサ71が検出している磁極がN極の磁極であると判別し、第1相対的極番号r1を1に設定する(ステップS54)。そして、ステップS56に進む。
一方、第1出力信号Sが0以下である場合には(ステップS51:NO)、第1の位相差演算部77Dは、第1出力信号Sが0より小さいか否かを判別する(ステップS52)。第1出力信号Sが0より小さい場合には(ステップS52:YES)、第1の位相差演算部77Dは、第1磁気センサ71が検出している磁極がS極の磁極であると判別し、第1相対的極番号r1を2に設定する(ステップS55)。そして、ステップS56に進む。
前記ステップS52において、第1出力信号Sが0以上であると判別された場合には(ステップS52:NO)、つまり、第1出力信号Sが0である場合には、第1の位相差演算部77Dは、入力軸8の回転角が0°であるか180°であるかを判別するために、第2出力信号Sが0より大きいか否かを判別する(ステップS53)。第2出力信号Sが0より大きい場合には(ステップS53:YES)、第1の位相差演算部77Dは、入力軸8の回転角が0°であると判別し、第1相対的極番号r1を1に設定する(ステップS54)。そして、ステップS56に進む。
一方、第2出力信号Sが0以下である場合には(ステップS53:NO)、第1の位相差演算部77Dは、入力軸8の回転角が180°であると判別し、第1相対的極番号r1を2に設定する(ステップS55)。そして、ステップS56に進む。
ステップS56では、第1の位相差演算部77Dは、「S≧0かつS>0」または「S≦0かつS<0」の条件を満たしているか否かを判別する。この条件を満たしている場合には(ステップS56:YES)、第1の位相差演算部77Dは、第2磁気センサ72が検出している磁極の極番号は、第1磁気センサ71が検出している磁極の極番号と同じであると判別し、第2相対的極番号r2に第1相対的極番号r1と同じ番号(r2=r1)を設定する(ステップS57)。そして、図11のステップS36に移行する。
一方、前記ステップS56の条件を満たしていない場合には(ステップS56:NO)、第1の位相差演算部77Dは、第2磁気センサ72が検出している磁極の極番号は、第1磁気センサ71が検出している磁極の極番号より1だけ大きい番号であると判別し、第2相対的極番号r2に、第1相対的極番号r1より1だけ大きい番号(r2=r1+1)を設定する(ステップS58)。そして、図11のステップS36に移行する。
前記ステップS56の条件に基づいて第2相対的極番号r2を決定している理由について説明する。たとえば、磁石61における磁極M1と磁極M2とからなる磁極対が第1磁気センサ71を通過する際の、第1および第2出力信号S,Sの信号波形を模式的に表すと、図14の(a),(b)のようになる。
図14において、Q1およびQ4で示す領域においては、第2磁気センサ72が検出している磁極の極番号は、第1磁気センサ71が検出している磁極の極番号と同じである。一方、Q2,Q3,Q5およびQ6で示す領域においては、第2磁気センサ72が検出している磁極の極番号は、第1磁気センサ71が検出している磁極の極番号より1だけ大きい。
領域Q1においては、両センサ値S,Sは、S≧0かつS>0の第1条件を満たす。領域Q2およびQ3においては、両センサ値S,Sは、S>0かつS≦0の第2条件を満たす。領域Q4においては、両センサ値S,Sは、S≦0かつS<0の第3条件を満たす。領域Q5およびQ6においては、両センサ値S,Sは、S<0かつS≧0の第4条件を満たす。そこで、第1の位相差演算部77Dは、第1条件および第3条件の一方を満たしているときには、第2磁気センサ72が検出している磁極の極番号が、第1磁気センサ71が検出している磁極の極番号と同じであると判別している。一方、第1条件および第3条件のいずれの条件をも満たしていないときには、第1の位相差演算部77Dは、第2磁気センサ72が検出している磁極の極番号が、第1磁気センサ71が検出している磁極の極番号より1だけ大きいと判別している。
図11に戻り、前記ステップS32において、今回の処理が位相差演算処理開始後の初回の処理ではないと判別された場合には(ステップS32:NO)、ステップS34に移行する。
ステップS34では、第1の位相差演算部77Dは、メモリに記憶されているセンサ値S,Sに基づいて、センサ値S,S毎に、センサ値の符号が反転するゼロクロスを検出したか否かを判別する。ゼロクロスが検出されなかったときには(ステップS34:NO)、第1の位相差演算部77Dは、ステップS36に移行する。
前記ステップS34において、いずれかのセンサ値S,Sに対してゼロクロスが検出された場合には(ステップS34:YES)、第1の位相差演算部77Dは、相対的極番号の更新処理を行なう(ステップS35)。具体的には、第1の位相差演算部77Dは、前記ステップS34でゼロクロスが検出された磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号r1またはr2を、入力軸8(磁石61)の回転方向に応じて、1だけ大きい番号または1だけ小さい番号に変更する。
入力軸8の回転方向が正方向(図6に矢印で示す方向)である場合には、第1の位相差演算部77Dは、前記ステップS34でゼロクロスが検出された磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号r1またはr2を、1だけ大きい番号に更新する。一方、入力軸8の回転方向が逆方向である場合には、第1の位相差演算部77Dは、ゼロクロスが検出された磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号r1またはr2を、1だけ小さい番号に更新する。ただし、前述したように、”1”の相対的極番号に対して、1だけ小さい相対的極番号は、”8”となる。また、”8”の相対的極番号に対して、1だけ大きい相対的極番号は、”1”となる。
なお、入力軸8の回転方向は、例えば、ゼロクロスが検出された出力信号の前回値および今回値と、他方の出力信号の今回値とに基づいて判定することができる。具体的には、ゼロクロスが検出された出力信号が第1出力信号Sである場合には、「第1出力信号Sの前回値が0より大きくかつその今回値が0以下であり、第2出力信号Sが0より小さい」という条件、または「第1出力信号Sの前回値が0未満でかつその今回値が0以上であり、第2出力信号Sが0より大きい」という条件を満たしている場合には、回転方向は正方向(図6に矢印で示す方向)であると判定される。
一方、「第1出力信号Sの前回値が0以上でかつその今回値が0未満であり、第2出力信号Sが0より大きい」という条件、または「第1出力信号Sの前回値が0以下でかつその今回値が0より大きく、第2出力信号Sが0より小さい」という条件を満たしている場合には、回転方向は逆方向であると判定される。
ゼロクロスが検出された出力信号が第2出力信号Sである場合には、「第2出力信号Sの前回値が0より大きくかつその今回値が0以下であり、第1出力信号Sが0より大きい」という条件、または「第2出力信号Sの前回値が0未満でかつその今回値が0以上であり、第1出力信号Sが0より小さい」という条件を満たしている場合には、回転方向は正方向(図6に矢印で示す方向)であると判定される。一方、「第2出力信号Sの前回値が0以上でかつその今回値が0未満であり、第1出力信号Sが0より小さい」という条件、または「第2出力信号Sの前回値が0以下でかつその今回値が0より大きく、第1出力信号Sが0より大きい」という条件を満たしている場合には、回転方向は逆方向であると判定される。
相対的極番号の更新処理が終了すると、第1の位相差演算部77Dは、ステップS36に移行する。ステップS36では、第1の位相差演算部77Dは、第1および第2磁気センサ71,72が、共に同じ1つの磁極を3演算周期連続して検出しているという条件を満たしているか否かを判別する。これは、E(i)・Cを演算するために用いられる前記式(35)は、両磁気センサ71,72における3サンプリング分のセンサ値に含まれる全ての角度幅誤差補正値E(i)が等しいことを前提として導かれているからである。各演算周期において、各磁気センサ71,72が検出している磁極の相対的番号は、それぞれ第1相対的磁極番号r1および第2相対的磁極番号r2によって認識することができる。したがって、所定演算周期前から今演算周期までの複数演算周期分の各相対的磁極番号r1,r2をメモリに記憶することにより、第1の位相差演算部77Dは、ステップS36の判別を行うことができる。
ステップS36の条件を満たしていない場合には(ステップS36:NO)、第1の位相差演算部77Dは、ステップS31に戻る。一方、ステップS36の条件を満たしている場合には(ステップS36:YES)、第1の位相差演算部77Dは、E(i)・Cの演算式(前記式(35))に含まれている分数のいずれの分母も零でないという条件を満たしているか否かを判別する(ステップS37)。第1の位相差演算部77Dは、前記3つの式(42),(43),(44)のいずれもが成立していないときに、前記条件を満たしていると判別する。
ステップS37において、ステップS37の条件を満たしていないときには(ステップS37:NO)、第1の位相差演算部77Dは、ステップS31に戻る。一方、ステップS37において、ステップS37の条件を満たしていると判別された場合には(ステップS37:YES)、第1の位相差演算部77Dは、両磁気センサ71,72の3サンプリング分のセンサ値と前記式(35)とを用いてE(i)・Cを演算して、メモリのエリアe1(図12参照)に記憶する(ステップS38)。具体的には、第1の位相差演算部77Dは、メモリのエリアe1内の記憶場所のうち、両磁気センサ71,72が検出している磁極の相対的極番号(現在設定されているr1(=r2)の値)に対応する記憶場所に、前記E(i)・Cを記憶する。なお、メモリのエリアe1内の記憶場所のうち、現在設定されているr1(=r2)の値に対応する記憶場所に、既にE(i)・Cの値が記憶されている場合には、第1の位相差演算部77Dは、既に記憶されているE(i)・Cの値を今回演算されたE(i)・Cの値に置き換える(上書きする)。
この後、第1の位相差演算部77Dは、全ての磁極に対応するE(i)・Cがメモリに記憶されたか否かを判別する(ステップS39)。全ての磁極に対応するE(i)・Cがメモリに記憶されていない場合には(ステップS39:NO)、第1の位相差演算部77Dは、ステップS31に戻る。一方、全ての磁極に対応するE(i)・Cがメモリに記憶されている場合には(ステップS39:YES)、第1の位相差演算部77Dは、メモリに記憶されている全ての磁極に対応するE(i)・Cと、前記式(41)とを用いて、位相差Cを演算して、不揮発性メモリに記憶する(ステップS40)。そして、位相差演算処理を終了する。
前述の実施形態では、図11のステップS38では、メモリのエリアe1内の記憶場所のうち、現在設定されているr1(=r2)の値に対応する記憶場所に既にE(i)・Cの値が記憶されている場合には、今回演算されたE(i)・Cの値を上書きしているが、このような場合には今回演算されたE(i)・Cを記憶させないようにしてもよい。
図15Aおよび図15Bは、第1の位相差演算部77Dによって実行される位相差演算処理の他の例の手順を示すフローチャートである。図15Aおよび図15Bにおいて、図11に示された各ステップと同様の処理が行われるステップには、図11中と同一参照符号を付して示す。
図11の位相差演算処理では、ある磁極に対応するE(i)・Cが演算されてメモリに記憶された後においても、その磁極に対応するE(i)・Cの演算が行われるようになっている。図15Aおよび図15Bの位相差演算処理では、ある磁極に対応するE(i)・Cが演算されてメモリに記憶された後においては、その磁極に対応するE(i)・Cの演算が行われないようにしている。
図15Aおよび図15Bの位相差演算処理では、図11の位相差演算処理に比べてステップS41およびステップS42が追加されているだけなので、これらのステップS41,S42についてのみ説明する。
図15Aおよび図15Bの位相差演算処理では、ステップS33の相対的極番号の設定処理が終了したとき、ステップS34のゼロクロス検出処理においてゼロクロスが検出されなかったとき、またはステップS35の相対的極番号の更新処理が終了したときには、第1の位相差演算部77DはステップS41に移行する。
ステップS41では、第1の位相差演算部77Dは、現在設定されている第1相対的番号r1と第2相対的番号r2とが等しいか否かを判別する。第1相対的番号r1と第2相対的番号r2とが等しくない場合には(ステップS41:NO)、第1の位相差演算部77DはステップS31に戻る。
ステップS41において、第1相対的番号r1と第2相対的番号r2とが等しいと判別された場合には(ステップS41:YES)、第1の位相差演算部77Dは、メモリのエリアe1内の記憶場所のうち、現在設定されているr1(=r2)の値に対応する記憶場所に既にE(i)・Cの値が既に記憶されているか否かを判別する(ステップS42)。前記記憶場所に既にE(i)・Cの値が既に記憶されている場合には(ステップS42:YES)、第1の位相差演算部77DはステップS31に戻る。ステップS42において、前記記憶場所に既にE(i)・Cの値が既に記憶されていないと判別された場合には(ステップS42:NO)、第1の位相差演算部77Dは、ステップS36に移行する。
なお、この発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…電動パワーステアリング装置、8…入力軸、9…出力軸、12…モータ制御用ECU、18…電動モータ、61,62…磁石、71,72,74,75…磁気センサ、77…トルク演算用ECU、77A…第1の回転角演算部、77B…第2の回転角演算部、77D…第1の位相差演算部、77E…第2の位相差演算部

Claims (5)

  1. 回転体の回転に応じて回転し、複数の磁極を有する多極磁石と、
    前記多極磁石の回転に応じて、互いに所定の位相差を有する正弦波信号をそれぞれ出力する2つの磁気センサと、
    前記2つの磁気センサの出力信号を用いて、前記位相差を演算する位相差演算手段とを含み、
    一方の第1磁気センサの出力信号Sを、その振幅をA、前記第1磁気センサが検出している磁極の磁極幅誤差補正値をE、前記回転体の回転角をθとして、S=Asin(Eθ)で表し、他方の第2磁気センサの出力信号Sを、その振幅をA、前記第2磁気センサが検出している磁極の磁極幅誤差補正値をE、前記第1磁気センサの出力信号Sとの位相差をCとして、S=Asin(Eθ+C)で表し、前記多極磁石の磁極数をmとし、各磁極に対応する磁極幅誤差補正値をE(i)(iは磁極を相対的に識別するための1からmまでの自然数)で表すと、
    前記位相差演算手段は、
    前記回転体が回転しているときにおいて、前記両磁気センサが共に同じ1つの任意の磁極を検出している間の3つの異なるタイミングでサンプリングされた6つの出力信号を用いて当該任意の磁極に対応するE(i)・Cの値を演算する処理を、全ての磁極に対応するE(i)・Cの値が演算されるまで行う第1演算手段と、
    前記第1演算手段によって演算された全ての磁極に対応するE(i)・Cの値と、前記多極磁石の磁極数mとを用いて、前記位相差Cを演算する第2演算手段とを含む、位相差検出装置。
  2. nを今回のサンプリング周期番号として、前記6つの出力信号を次式(a1)〜(a6)で表すと、前記第1演算手段は、次式(b)に基づいて前記任意の磁極のE(i)・Cの値を演算するように構成されている、請求項1に記載の位相差検出装置。
    [n]=Asin(E(i)・θ[n]) …(a1)
    [n-1]=Asin(E(i)・θ[n-1]) …(a2)
    [n-2]=Asin(E(i)・θ[n-2]) …(a3)
    [n]=Asin(E(i)・θ[n]+C) …(a4)
    [n-1]=Asin(E(i)・θ[n-1]+C) …(a5)
    [n-2]=Asin(E(i)・θ[n-2]+C) …(a6)
    Figure 0006086205
  3. 前記第2演算手段は、次式(c) に基づいて前記位相差Cを演算するように構成されている、請求項1または2に記載の位相差検出装置。
    Figure 0006086205
  4. 前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の位相差検出装置と、
    前記2つの磁気センサにおける2つの異なるタイミングでサンプリングされた4つの出力信号と、前記位相差検出装置によって検出された位相差Cとを用いて、前記回転体の回転角を演算する回転角演算手段とを含む、回転角検出装置。
  5. 前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の位相差検出装置と、
    前記2つの磁気センサにおける3つの異なるタイミングでサンプリングされた6つの出力信号と、前記位相差検出装置によって検出された位相差Cとを用いて、前記回転体の回転角を演算する回転角演算手段とを含む、回転角検出装置。
JP2012271639A 2012-12-12 2012-12-12 位相差検出装置およびそれを備えた回転角検出装置 Expired - Fee Related JP6086205B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012271639A JP6086205B2 (ja) 2012-12-12 2012-12-12 位相差検出装置およびそれを備えた回転角検出装置
EP13196423.1A EP2743645B1 (en) 2012-12-12 2013-12-10 Phase difference detector and rotation angle detection device including the same
CN201310665268.2A CN103868448B (zh) 2012-12-12 2013-12-10 相位差检测装置以及具备其的旋转角检测装置
US14/104,647 US9638509B2 (en) 2012-12-12 2013-12-12 Phase difference detector and rotation angle detection device including the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012271639A JP6086205B2 (ja) 2012-12-12 2012-12-12 位相差検出装置およびそれを備えた回転角検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014115260A JP2014115260A (ja) 2014-06-26
JP6086205B2 true JP6086205B2 (ja) 2017-03-01

Family

ID=49753040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012271639A Expired - Fee Related JP6086205B2 (ja) 2012-12-12 2012-12-12 位相差検出装置およびそれを備えた回転角検出装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9638509B2 (ja)
EP (1) EP2743645B1 (ja)
JP (1) JP6086205B2 (ja)
CN (1) CN103868448B (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3207338A1 (en) * 2014-10-13 2017-08-23 Robert Bosch GmbH A device and method to define and identify absolute mechanical position for a rotating element
EP3211382B1 (en) * 2014-10-20 2020-01-08 Mitsubishi Electric Corporation Rotation angle detection device, rotating electrical machine, and elevator hoisting machine
JP6657584B2 (ja) * 2015-03-31 2020-03-04 株式会社ジェイテクト 回転検出装置、回転角検出装置および電動パワーステアリング装置
FR3038724B1 (fr) * 2015-07-10 2019-06-14 Safran Landing Systems Dispositif de mesure d'une vitesse relative de rotation et/ou d'une position angulaire relative entre deux elements tournants
DE102016100254B4 (de) * 2016-01-08 2023-03-02 Infineon Technologies Ag Vorrichtung und Verfahren zur Unterscheidung von Daten einer Mehrzahl von mehrdimensionalen Magnetfeldsensoren
JP6809398B2 (ja) * 2017-06-29 2021-01-06 トヨタ自動車株式会社 信号処理方法、スリップ検出方法、車両の制御方法、車両の制御装置及び車両
JP7010081B2 (ja) * 2018-03-15 2022-01-26 株式会社デンソー モータ制御装置、及び、モータ駆動システム
US11243095B2 (en) * 2018-04-13 2022-02-08 Asahi Kasei Microdevices Corporation Rotational angle detection apparatus and rotational angle detection method

Family Cites Families (50)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000205811A (ja) 1999-01-08 2000-07-28 Alps Electric Co Ltd 回転型センサ
US20020124663A1 (en) * 1999-04-07 2002-09-12 Yoshitomo Tokumoto Rotational angle detecting device, torque detecting device and steering apparatus
JP2001174289A (ja) 1999-12-17 2001-06-29 Alps Electric Co Ltd 回転角検出装置
JP2002213944A (ja) 2001-01-18 2002-07-31 Niles Parts Co Ltd 回転角測定装置
DE10130988A1 (de) 2001-06-27 2003-01-16 Philips Corp Intellectual Pty Justierung eines magnetoresistiven Winkelsensors
JP4143436B2 (ja) 2003-02-17 2008-09-03 トヨタ自動車株式会社 磁気式回転検出装置
JP4042049B2 (ja) 2003-04-16 2008-02-06 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置の操舵角検出装置
JP4316960B2 (ja) 2003-08-22 2009-08-19 株式会社半導体エネルギー研究所 装置
US7382295B2 (en) 2003-11-04 2008-06-03 Nsk Ltd. Control unit for electric power steering apparatus
JP2005186759A (ja) 2003-12-25 2005-07-14 Koyo Seiko Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP4613513B2 (ja) 2004-04-28 2011-01-19 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置
JP2006078392A (ja) 2004-09-10 2006-03-23 Tamagawa Seiki Co Ltd レゾルバ信号の異常検出方法
JP2007033412A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Nsk Ltd 位置検出器の誤差パラメータ抽出装置および誤差補正機能を備える位置検出器
JP4797721B2 (ja) 2005-10-20 2011-10-19 株式会社デンソー 回転角度検出装置
JP4254777B2 (ja) 2005-11-11 2009-04-15 トヨタ自動車株式会社 車輌用操舵制御装置
JP4559982B2 (ja) 2006-03-02 2010-10-13 株式会社東海理化電機製作所 回転角度検出装置及びその初期設定方法
WO2007139030A1 (ja) 2006-05-31 2007-12-06 Nsk Ltd. 電動式パワーステアリング装置
JP2008026297A (ja) * 2006-06-21 2008-02-07 Nsk Ltd 回転角度位置検出装置
JP4329792B2 (ja) 2006-08-10 2009-09-09 トヨタ自動車株式会社 電動パワーステアリング装置
JP4656024B2 (ja) 2006-08-22 2011-03-23 株式会社デンソー 回転角検出装置のための異常検出装置
JP4419997B2 (ja) 2006-08-28 2010-02-24 トヨタ自動車株式会社 電動パワーステアリング装置
JP4273363B2 (ja) 2006-11-21 2009-06-03 日立金属株式会社 回転角度検出装置、回転機、及び回転角度検出法
CN101460698B (zh) 2006-12-15 2013-01-02 哈里伯顿能源服务公司 具有旋转天线结构的天线耦合元件测量工具
JP4997472B2 (ja) 2007-01-09 2012-08-08 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置
JP2008241411A (ja) 2007-03-27 2008-10-09 Jtekt Corp 舵角検出装置
JP4330083B2 (ja) 2007-05-18 2009-09-09 株式会社日本自動車部品総合研究所 回転角度検出装置
JP4794509B2 (ja) * 2007-06-28 2011-10-19 本田技研工業株式会社 レゾルバを用いて回転体の回転位置を検出するための装置
JP2009098094A (ja) 2007-10-19 2009-05-07 Niles Co Ltd 回転角度検出装置
DE102009006581B4 (de) * 2008-01-29 2017-06-01 Infineon Technologies Ag Prädiktions-Phasenregelschleifensystem
JP2009247181A (ja) 2008-03-31 2009-10-22 Jtekt Corp モータ制御装置および電動パワーステアリング装置
JP2010048760A (ja) 2008-08-25 2010-03-04 Jtekt Corp レゾルバの異常検出装置および電気式動力舵取装置
JP2010110147A (ja) 2008-10-31 2010-05-13 Jtekt Corp モータ駆動制御装置及び電動パワーステアリング装置
JP5221494B2 (ja) * 2008-12-24 2013-06-26 Ntn株式会社 回転検出装置および回転検出装置付き軸受
JP5557021B2 (ja) * 2009-08-26 2014-07-23 株式会社ジェイテクト 回転角検出装置
JP5287635B2 (ja) * 2009-09-24 2013-09-11 株式会社ジェイテクト 回転角センサ、モータ、回転角検出装置、及び電動パワーステアリング装置
JP4877397B2 (ja) 2010-01-22 2012-02-15 株式会社デンソー 電流センサの異常診断装置、およびセンサの異常診断装置
US8957675B2 (en) 2010-03-03 2015-02-17 Jtekt Corporation Rotation angle detection device
EP2559971B1 (en) * 2010-04-16 2018-03-21 JTEKT Corporation Rotation angle detection device
JP5229642B2 (ja) 2010-08-06 2013-07-03 株式会社デンソー モータ、および、それを用いた電動パワーステアリング装置
JP2012093215A (ja) 2010-10-27 2012-05-17 Omron Automotive Electronics Co Ltd 回転角度検出装置
JP5807770B2 (ja) 2010-12-15 2015-11-10 株式会社ジェイテクト 回転角検出装置
JP5776925B2 (ja) * 2010-12-17 2015-09-09 株式会社ジェイテクト 回転角検出装置
JP5716954B2 (ja) 2011-01-17 2015-05-13 株式会社ジェイテクト 回転角検出装置
JP5720932B2 (ja) 2011-01-17 2015-05-20 株式会社ジェイテクト 回転角検出装置
JP5389101B2 (ja) 2011-04-26 2014-01-15 三菱電機株式会社 モータ制御装置
JP5942337B2 (ja) 2011-04-28 2016-06-29 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
JP6024970B2 (ja) * 2012-12-12 2016-11-16 株式会社ジェイテクト 回転角検出装置およびそれを備えた電動パワーステアリング装置
JP6024969B2 (ja) * 2012-12-12 2016-11-16 株式会社ジェイテクト 回転角検出装置およびそれを備えた電動パワーステアリング装置
EP2743647B1 (en) * 2012-12-12 2015-09-16 JTEKT Corporation Rotation angle detection device
JP6024971B2 (ja) * 2012-12-12 2016-11-16 株式会社ジェイテクト 回転角検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN103868448A (zh) 2014-06-18
EP2743645B1 (en) 2015-09-09
US20140163923A1 (en) 2014-06-12
CN103868448B (zh) 2018-01-16
EP2743645A1 (en) 2014-06-18
EP2743645A8 (en) 2014-08-13
JP2014115260A (ja) 2014-06-26
US9638509B2 (en) 2017-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6086205B2 (ja) 位相差検出装置およびそれを備えた回転角検出装置
JP6024969B2 (ja) 回転角検出装置およびそれを備えた電動パワーステアリング装置
JP5250979B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
WO2010150745A1 (ja) モータ制御装置および電動パワーステアリング装置
JP6024971B2 (ja) 回転角検出装置
JP2012189377A (ja) 回転角検出装置
JP6024970B2 (ja) 回転角検出装置およびそれを備えた電動パワーステアリング装置
JP2011097679A (ja) 回転角検出装置の製造方法、回転角検出装置、モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
JP2018057084A (ja) モータ制御装置
JP2014219364A (ja) 回転角検出装置
JP2015229385A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2017229216A (ja) モータ制御装置
JP5699972B2 (ja) ツインレゾルバ式トルクセンサ及び電動パワーアシスト装置
JP2014139054A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6202302B2 (ja) 回転角検出装置
JP2019144056A (ja) 回転角検出装置、モータ制御装置、電動パワーステアリング装置、及び回転角検出方法
JP2014142322A (ja) 回転角検出装置
JP6024976B2 (ja) 操舵角センサの信頼性判定装置
JP5645062B2 (ja) モータ制御装置
JP2017083422A (ja) 回転角検出装置
JP2019156110A (ja) 車両用操舵装置
JP2005106613A (ja) 回転角度検出装置及びトルク検出装置
JP2019124670A (ja) 回転角検出装置、モータ制御装置、電動パワーステアリング装置、及び回転角検出方法
JP6221307B2 (ja) 回転角検出装置及び電動パワーステアリング装置
JP2014178178A (ja) 磁気遮蔽部材およびトルク検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6086205

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees