JP6070727B2 - 車両用シフト装置 - Google Patents
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Description
本発明は、車両の変速レンジを切り替え操作するためのシフト装置に関する。
車両用シフト装置として、近年、シフトレバーのポジションを電気的に検出して変速を行う、いわゆるエレキシフタが知られている。エレキシフタは、機械式の変速機を持たない電気自動車またはハイブリッド自動車において使用されることが多かった。ところが、シフトレバーと変速機との機械的な接続が不要なエレキシフタは、そのデザイン自由度の高さから、機械式の変速機を備えた車両、例えばエンジン(内燃機関)のみを動力源とする従来型の自動車に対しても徐々に用いられつつある。
また、シフトレバーの操作ストロークに制約がないエレキシフタでは、コンパクト化や操作性の向上を図る観点から、モメンタリ式と呼ばれる機構が採用されることが多い。具体的に、モメンタリ式のエレキシフタでは、ホーム位置を起点にシフトレバーが所定の方向に傾動操作されると変速レンジが変更され、その後シフトレバーから手が放されると、変更後の変速レンジを維持したまま自動的にシフトレバーがホーム位置に復帰させられる。
モメンタリ式のエレキシフタは、上記のようにコンパクト化等の面でメリットがある反面、ドライバーや他の乗員がうっかりシフトレバーに触れてしまうことにより不意に変速レンジが変更されるおそれ(誤操作の可能性)があるというデメリットがある。
このようなデメリットを考慮して考案されたエレキシフタとして、下記特許文献1のものが知られている。この特許文献1のエレキシフタは、シフトレバーと、シフトレバーに設けられたボタンスイッチとを有している。そして、ボタンスイッチが押圧操作されるとニュートラルレンジが選択され、そのボタンスイッチの押圧操作が継続されたままシフトレバーが傾動操作されると走行レンジが選択されるように、変速パターンが設定されている。このように、特許文献1では、ボタンスイッチを押圧する操作とシフトレバーを傾動させる操作とが同時に行われない限り走行レンジが選択されないので、ドライバーの意図に反して走行レンジが選択されるような事態を防止することができる。
しかしながら、上記特許文献1では、ボタンスイッチを押すだけでニュートラルレンジが選択されるので、例えば走行レンジが選択された状態で車両が走行しているときに、乗員の手が誤ってボタンスイッチに触れるなどすると、乗員の意に反して変速レンジが走行レンジからニュートラルレンジに切り替わることがある。
そこで、ボタンスイッチを押すだけでは足りない複雑な操作をしなければニュートラルレンジに切り替わらないようなシフトパターンを採用することが考えられる。しかしながら、このようにすると、ニュートラルレンジを選択するときの操作の負担感が増し、当該操作をドライバーが煩わしいと感じるおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、優れた操作性と高い安全性とを兼ね備えた車両用シフト装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、前進方向の走行レンジであるドライブレンジ、後退方向の走行レンジであるリバースレンジ、およびニュートラルレンジの間で車両の変速レンジを切り替え可能な車両用シフト装置であって、操作部材と、当該操作部材に設けられたスイッチ部と、上記操作部材を第1方向およびその反対側の第2方向に変位可能に支持するとともに、変位後の操作部材を所定のホーム位置に自動的に復帰させる本体部と、上記操作部材が上記第1方向に変位操作されるとドライブレンジが選択され、上記スイッチ部がONの状態で上記操作部材が上記第2方向に変位操作されるとリバースレンジが選択され、上記スイッチ部がOFFの状態で上記操作部材が上記第2方向に変位操作されかつ当該操作が所定時間以上保持されるとニュートラルレンジが選択されるように、上記操作部材およびスイッチ部の操作に応じて車両の変速レンジを切り替え制御するレンジ制御部とを備えた、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、ニュートラルレンジを選択するときに必要な操作が、スイッチ部をOFFにしたまま操作部材を第2方向に変位操作するだけのシンプルな操作で済むので、ニュートラルレンジを容易に選択することができる。ただしこの場合に、当該変位操作の保持時間にかかわらずニュートラルレンジへの切り替えが許可されると、例えば乗員の手が誤って操作部材に触れただけでも変速レンジがニュートラルレンジに切り替わってしまうおそれがある。このような変速レンジの切り替わりは、ドライバーの意に反したものであり、車両の安全性上好ましくない。このような問題に対し、本発明では、スイッチ部がOFFの状態で操作部材が第2方向に変位操作されたとしても、当該操作が所定時間以上保持されない限りニュートラルレンジに切り替わらないので、ドライバーの意に反してニュートラルレンジが選択されるような事態が起き難くなり、走行中の車両の安全性を向上させることができる。
一方、リバースレンジを選択したいときは、スイッチ部をONにした状態で操作部材を前方に変位させる必要がある。このように、車両を後退させる(そのためより慎重さが求められる)リバースレンジの選択時に、スイッチ部のON操作と操作部材の変位操作とが同時に要求されるので、ドライバーが意図せずリバースレンジを選択してしまう誤操作の発生を効果的に防止でき、安全性をより高めることができる。
さらに、操作部材の変位方向が直線上の2方向(第1方向および第2方向)に設定されているため、シフト装置の構造を簡素化できるとともに、操作部材の変位方向に直交する方向のシフト装置の寸法を短縮することができる。
本発明の車両用シフト装置は、好ましくは、現在の変速レンジがドライブレンジであるときに、上記スイッチ部がOFFの状態で上記第2方向に変位操作された上記操作部材の操作保持時間が上記所定時間に満たない不十分操作が行われた場合に、ドライバーに対し所定の報知を行う報知手段をさらに備える(請求項2)。
この構成によれば、ドライバーが変速レンジを錯誤している可能性があるときに注意を促すことができ、安全性をより高めることができる。
すなわち、スイッチ部をOFFにしたまま操作部材を第2方向に変位操作するという、本来はニュートラルレンジを選択するための操作が行われた場合であっても、操作部材の操作保持時間が所定時間よりも短ければ、ドライバーがした操作は、ニュートラルレンジではなくリバースレンジへの切り替えを意図したものである可能性がある。しかしながら、スイッチ部がOFFであったことから、実際にはリバースレンジに切り替わることはなく、しかも、操作部材の操作保持時間が短かったことから、ニュートラルレンジに切り替わることもない(つまりドライブレンジのまま維持される)。この状態で、例えばブレーキペダルがリリースされると、ドライバーの意図している方向とは反対側(前方)に車両が動き出すことになる。これに対し、上記構成では、ドライバーに注意を促すべく報知手段による報知が行われるので、上記のような事態が生じるのを回避でき、安全性をより高めることができる。
本発明の車両用シフト装置は、好ましくは、現在の変速レンジがニュートラルレンジでありかつ路面が下り坂であるときに、上記スイッチ部がOFFの状態で上記第2方向に変位操作された上記操作部材の操作保持時間が上記所定時間に満たない不十分操作が行われた場合に、ドライバーに対し所定の報知を行う報知手段をさらに備える(請求項3)。
この場合も、ドライバーはリバースレンジに切り替える意図をもっている可能性があるが、スイッチ部がOFFのため、実際の変速レンジはニュートラルレンジのまま維持される。しかも、路面が下り坂であるので、例えばこの状態でブレーキペダルがリリースされると、ドライバーの意図している方向とは反対側(前方)に車両が動き出すことになる。これに対し、上記構成では、ドライバーに注意を促すべく報知手段による報知が行われるので、上記のような事態が生じるのを回避でき、安全性をより高めることができる。
上記報知手段は、現在の変速レンジがリバースレンジであるときに上記不十分操作が行われた場合にも上記報知を行ってもよい(請求項4)。
すなわち、リバースレンジ選択中の不十分操作は、ニュートラルレンジを選択する意図で行われた操作である可能性もある。仮にニュートラルレンジを選択する意図であった場合、例えばブレーキペダルをリリースしたときに、ドライバーの意図に反して車両が後退することになる。そこで、このような場合にも報知手段による報知を行ってドライバーに注意を促すことにより、安全性をより高めることができる。
上記シフト装置は、上記報知手段による報知が行われる条件のときに、車両に備わる電動式のパーキングブレーキを締結させるブレーキ制御部をさらに備えることが好ましい(請求項5)。
この構成によれば、仮にドライバーが上記報知に気付かずにブレーキペダルをリリースしたとしても、車両が動き出すことがないので、安全性をさらに高めることができる。
上記シフト装置は、上記報知手段による報知を禁止する操作を受け付けるキャンセルスイッチをさらに備えることが好ましい(請求項6)。
この構成によれば、例えばシフト装置の操作に習熟したドライバーがキャンセルスイッチを用いて報知を禁止することができるので、当該報知によりドライバーが煩わしさを感じるのを回避することができる。
以上説明したように、本発明によれば、優れた操作性と高い安全性とを兼ね備えた車両用シフト装置を提供することができる。
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかるシフト装置1が適用された車両の車室前部を示す図である。本図に示すように、車室前部には、メータユニット3やステアリングハンドル4等が設けられるインストルメントパネル2と、インストルメントパネル2の車幅方向中央部から車両後方に向かって延びるセンターコンソール5とが設置されている。シフト装置1は、センターコンソール5の上面に設けられている。
図1は、本発明の一実施形態にかかるシフト装置1が適用された車両の車室前部を示す図である。本図に示すように、車室前部には、メータユニット3やステアリングハンドル4等が設けられるインストルメントパネル2と、インストルメントパネル2の車幅方向中央部から車両後方に向かって延びるセンターコンソール5とが設置されている。シフト装置1は、センターコンソール5の上面に設けられている。
当実施形態において、車両は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等の内燃機関からなるエンジン(図示省略)を動力源とする自動車である。このため、車両には、エンジンの駆動力を減速しつつ車輪に伝達する自動変速機50(図8)が搭載されている。自動変速機50は、遊星歯車機構を含み、当該歯車機構によって実現される複数の減速比の中から車速やエンジン負荷等に応じた適切な減速比を自動的に選択する有段式の変速機(AT)である。この自動変速機50の変速レンジには、駆動力の伝達が切断されるニュートラルレンジと、駆動力の伝達が切断された上に出力軸がロックされるパーキングレンジと、車両を前進させる方向に駆動力を伝達するドライブレンジ(前進走行レンジ)と、車両を後退させる方向に駆動力を伝達するリバースレンジ(後退走行レンジ)とが含まれる。シフト装置1は、これら複数の変速レンジの中から所望のレンジを選択するために操作される。
また、当実施形態の車両は、図8に示すように、電動アクチュエータの駆動力により車輪をホールドする電動式のパーキングブレーキ52と、車両の走行速度を検出する車速センサ56と、車両(路面)の傾斜角度を検出する勾配センサ57とを備えている。
図2は、シフト装置1を拡大して示す斜視図である。この図2および先の図1に示すように、シフト装置1は、メイン操作部7と、パーキングスイッチ8と、インジケータ9とを備えている。なお、図2において、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Lは車両の左方を示している(言い換えると、矢印Fの反対側が車両後方、矢印Lの反対側が右方である)。このことは、図2以降の他の図面でも同様である。
パーキングスイッチ8は、自動変速機50の変速レンジをパーキングレンジに切り替えるときに操作されるON/OFF式のボタンスイッチである。また、パーキングスイッチ8の上面には、パーキングレンジを表す「P」の文字盤が設けられ、パーキングレンジが選択されるとLED等の光源により「P」の文字が強調表示されるようになっている。
メイン操作部7は、自動変速機50の変速レンジをパーキングレンジ以外のレンジ(つまりドライブ、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジ)に切り替えるときに操作されるものである。
インジケータ9は、現在選択されている変速レンジを表示するものである。詳しい図示は省略するが、インジケータ9には、リバースレンジを表す「R」、ニュートラルレンジを表す「N」、ドライブレンジを表す「D」の文字盤が、所定のパターンで配置されており、メイン操作部7の操作によりドライブ、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジが選択されたときには、その選択中のレンジに対応した文字(R,N,Dのいずれか)が強調表示されるようになっている。
さらに、上記のようなインジケータ9による変速レンジの表示に加えて、当実施形態では、メータユニット3にも変速レンジが表示されるようになっている。すなわち、メータユニット3は、その所定箇所(例えばスピードメータとタコメータとの間)に液晶画面等からなる表示部を有しており、その表示部に、選択中の変速レンジに対応した文字(P,R,N,Dのいずれか)が表示されるようになっている。
また、詳細は後述するが、上記メータユニット3の表示部は、シフト装置1が操作されたときに、必要に応じて、ドライバーに注意を促すための所定のメッセージを表示する機能を有している。加えて、この注意メッセージをドライバーに確実に視認させるために、当実施形態では、例えば所定パターンの音声からなるアラーム音が車室内に向けて発せられる。すなわち、当実施形態の車両は、シフト装置1の操作時に必要に応じてアラーム音を発生させるアラーム音生成部54(図8)を有している。これらメータユニット3の表示部とアラーム音生成部54とは、請求項にいう「報知手段」に相当する。
次に、シフト装置1のメイン操作部7の具体的構造について、主に図3〜図7を用いて説明する。これらの図に示すように、メイン操作部7は、シフトレバー10と、プッシュスイッチ19と、本体部20と、変位量センサ28と、ディテント機構30とを備えている。
シフトレバー10は、請求項にいう「操作部材」に相当するものである。具体的に、当実施形態のシフトレバー10は、ドライバーにより把持されるシフトノブ11と、シフトノブ11から下方に延びる棒状のレバー部12と、レバー部12の下端に設けられた球体状の基部13と、基部13から下方に突出する円錐筒状の下方延長部14と、基部13から左右に延びる一対の支軸部15とを有している。
プッシュスイッチ19は、請求項にいう「スイッチ部」に相当するものであり、当実施形態ではON/OFF式のボタンスイッチとされている。プッシュスイッチ19は、シフトレバー10の上端部(シフトノブ11の上面)に設けられている。すなわち、シフトノブ11の上面に凹部が形成され、当該凹部内に、バネ等の付勢部材(図示省略)により上方に押圧された状態でプッシュスイッチ19が支持されている。このようなプッシュスイッチ19は、押圧操作を受けて下方に沈み込み、押圧操作の解除に伴い自動的に元の位置に戻される。シフトレバー10を操作するドライバーは、シフトノブ11を把持しながら、その手の親指等を用いてプッシュスイッチ19を押圧操作することが可能である。
プッシュスイッチ19には図外の接点が内蔵されており、プッシュスイッチ19が押圧操作されるのに伴い上記接点が閉じて所定の信号が発信されるようになっている。なお、以下では、プッシュスイッチ19が押圧操作された状態を「ON」、押圧操作が解除された状態を「OFF」として表す。
本体部20は、シフトレバー10を前後方向に傾動変位可能に支持するものである。本体部20は、少なくとも上面が開口した箱状の筐体22と、筐体22の上面を覆うように取り付けられるカバー部21とを有している。なお、図4の分解斜視図では、車幅方向にほぼ2等分するように切断した状態で筐体22を図示している。
カバー部21は、前後方向に延びる長孔からなるガイド溝21aを有しており、このガイド溝21aにシフトレバー10のレバー部12が挿通されている。ガイド溝21aは、シフトレバー10の変位方向を規定するとともに、シフトレバー10の可動範囲を規定する役割を果たしている。すなわち、シフトレバー10は、そのレバー部12がガイド溝21aの前縁に当接する位置からガイド溝21aの後縁に当接する位置までの範囲に限り、前後方向に傾動変位することが可能である。
筐体22の左右の側壁23には、シフトレバー10の左右の支軸部15を挿入するための支持孔23aがそれぞれ形成されている。シフトレバー10は、当該支持孔23aに支軸部15が挿入された状態で支持されており、支軸部15の軸心を中心に前後方向に傾動変位することが可能である。
変位量センサ28は、シフトレバー10の前後方向の変位量を検出するためのセンサである。変位量センサ28は、筐体22の外側面、より詳しくは、筐体22の左側壁23の外面における支持孔23aに対応する位置に取り付けられている。一方、シフトレバー10の左側の支軸部15は、左側壁23の支持孔23aを貫通して変位量センサ28まで到達するように設けられている。シフトレバー10が前後方向に傾動変位すると、その変位量に比例した角度だけ支軸部15が回転するとともに、その回転角度が変位量センサ28によって電気的に検出される。すなわち、当実施形態の変位量センサ28は、シフトレバー10の前後方向の変位量として、シフトレバー10の支軸部15の回転角度を検出する。
ディテント機構30は、傾動変位後のシフトレバー10を自動的に元の位置(後述するホーム位置)に戻すための機構である。ディテント機構30は、シフトレバー10の下方延長部14に設けられた押付け部材31と、筐体22の内部に設けられた誘導部材32とを有している。
押付け部材31は、その基端側の一部が下方延長部14の内部に収容され、かつ先端側の一部が下方延長部14から外部に露出するように設けられている。また、下方延長部14の内部には圧縮スプリング(図示省略)が設けられ、この圧縮スプリングが押付け部材31を常時下方に押圧している。これにより、押付け部材31は、圧縮スプリングを押し戻す上向きの力を受けて上昇し、その力が減少すると下降するというように、下方延長部14に対し進退自在に設けられている。
誘導部材32は、その上面に、側面視円弧状に凹入した凹面33を有している。この凹面33には、シフトレバー10の下端部から突設された押付け部材31の先端部が、上述した圧縮スプリングによる押圧力を受けて常時押し付けられている。そして、押付け部材31は、凹面33のうち下方への凹み量が最も大きい部分である中心部に当接しているときに、シフトレバー10の下方延長部14から最も進出する。一方で、押付け部材31の当接位置が凹面33の中心部から前方または後方に離れるほど、押付け部材31は圧縮スプリングの押圧力に抗して後退する(上方に押し戻される)。後退した押付け部材31は、圧縮スプリングにより凹面33に強く押し付けられ、その押し付け力が、押付け部材31を凹面33の中心部に戻そうとする力に変換される。このため、シフトレバー10に対し乗員の手による操作力(シフトレバー10を傾動させる力)が加えられていない状態では、図5および図6に示すように、シフトレバー10は、押付け部材31が凹面33の中心部に位置する状態に保持される。このように押付け部材31が凹面33の中心部に位置しているとき、シフトレバー10はほぼ鉛直方向に起立した姿勢となる。以下では、この状態(図5、図6の状態)におけるシフトレバー10の位置を「ホーム位置」と称する。
これに対し、図7(a)または(b)に示すように、上記ホーム位置にあるシフトレバー10が操作力を受けて前方または後方に傾動変位すると、押付け部材31の前後位置が凹面33の中心部から離れることにより、押付け部材31が上方に押し戻される。例えば、図7(a)のように、シフトレバー10が後方に傾動操作されると、押付け部材31が凹面33の前半分に沿って前方に移動しつつ上方に押し戻される。また、図7(b)のように、シフトレバー10が前方に傾動操作されると、押付け部材31が凹面33の後半分に沿って後方に移動しつつ上方に押し戻される。そして、これら図7(a)(b)いずれの場合でも、上記圧縮スプリングの押圧力が増大することにより、押付け部材31を凹面33の中心部に戻そうとする力が発生する。このため、前方または後方に傾動操作されたシフトレバー10は、その操作力が解除されるのに伴って、おのずと上記ホーム位置に復帰することになる。
以上のように、当実施形態では、側面視円弧状の凹面33を有する誘導部材32と、凹面33に弾性的に押し付けられる押付け部材31とにより、変位後のシフトレバー10をホーム位置に自動的に復帰させるディテント機構30が構成されている。言い換えると、このようなディテント機構30を備えた当実施形態のシフト装置1は、いわゆるモメンタリ式のシフト装置の部類に属する。
(2)制御系統
図8は、当実施形態のシフト装置1に関する制御系統を示すブロック図である。本図に示されるコントローラ60は、周知のCPU、RAM、ROM等を含むマイクロコンピュータからなるもので、シフト装置1の操作状態に応じて自動変速機50の変速動作を制御する等の機能を有している。なお、図8ではコントローラ60が一体のブロックとして表されているが、コントローラ60は、例えば車体側と自動変速機50側とにそれぞれ分割して設けられた複数のマイクロコンピュータから構成されるものであってもよい。
図8は、当実施形態のシフト装置1に関する制御系統を示すブロック図である。本図に示されるコントローラ60は、周知のCPU、RAM、ROM等を含むマイクロコンピュータからなるもので、シフト装置1の操作状態に応じて自動変速機50の変速動作を制御する等の機能を有している。なお、図8ではコントローラ60が一体のブロックとして表されているが、コントローラ60は、例えば車体側と自動変速機50側とにそれぞれ分割して設けられた複数のマイクロコンピュータから構成されるものであってもよい。
コントローラ60は、上述したパーキングスイッチ8、変位量センサ28、プッシュスイッチ19、車速センサ56、勾配センサ57、メータユニット3、インジケータ9、自動変速機50(より詳しくはその変速アクチュエータ50a)、パーキングブレーキ52、およびアラーム音生成部54と電気的に接続されている。なお、自動変速機50の変速アクチュエータ50aとは、例えば、自動変速機50に内蔵されるクラッチやブレーキ等の摩擦締結要素の締結・解放を切り替えるソレノイドバルブ等のことである。
コントローラ60は、判定部60a、レンジ制御部60b、表示制御部60c、報知制御部60d、およびブレーキ制御部60eを論理的に有している。
判定部60aは、パーキングスイッチ8、シフトレバー10、およびプッシュスイッチ19のそれぞれの操作状態の判定を含む各種判定を実行するものである。例えば、判定部60aは、パーキングスイッチ8に内蔵された接点からの信号に基づいて、パーキングスイッチ8がON/OFFいずれの状態にあるかを判定する。また、プッシュスイッチ19に内蔵された接点からの信号に基づいて、プッシュスイッチ19がON/OFFいずれの状態にあるかを判定する。さらに、変位量センサ28からの信号に基づいて、シフトレバー10が前後いずれの方向にどの程度傾動操作されたかを判定する。
レンジ制御部60bは、判定部60aにより判定されるシフト装置1の操作状態に基づいて、自動変速機50の変速レンジの切り替え制御を実行するものである。
表示制御部60cは、メータユニット3の表示部に、現在選択されている変速レンジに対応した文字(P,R,N,Dのいずれか)を表示させる制御や、現在の変速レンジに対応したインジケータ9の文字盤を強調表示させる制御を実行するものである。
報知制御部60dは、シフト装置1に対し不適切な操作が行われた場合に、ドライバーに注意を促すべく、メータユニット3の表示部に所定のメッセージを表示させるとともに、アラーム音生成部54に所定のアラーム音を発生させる制御を実行するものである。
ブレーキ制御部60eは、上記報知制御部60dによる報知が行われる条件のときに、電動式のパーキングブレーキ52を締結方向に駆動して車輪をホールドする制御を実行するものである。
(3)シフトパターン
次に、図9の表を用いて、自動変速機50の変速レンジがレンジ制御部60bによってどのようなパターンで制御されるのかについて説明する。
次に、図9の表を用いて、自動変速機50の変速レンジがレンジ制御部60bによってどのようなパターンで制御されるのかについて説明する。
(パーキングレンジからのシフトパターン)
現在の変速レンジがパーキングレンジであるときに、プッシュスイッチ19が押圧操作されたONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されると、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。一方、プッシュスイッチ19が押圧操作されていないOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されたときは、変速レンジがニュートラルレンジに切り替えられる。
現在の変速レンジがパーキングレンジであるときに、プッシュスイッチ19が押圧操作されたONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されると、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。一方、プッシュスイッチ19が押圧操作されていないOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されたときは、変速レンジがニュートラルレンジに切り替えられる。
また、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されたとき、および、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されたときは、変速レンジがドライブレンジに切り替えられる。
以上をまとめると、現在の変速レンジがパーキングレンジであるときのシフトパターンは、図9において「現レンジ」=「P」の列にも示されるとおり、
・スイッチON&前方へのレバー操作 → リバースレンジ
・スイッチOFF&前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作(スイッチON/OFF問わず) → ドライブレンジ
のようになる。
・スイッチON&前方へのレバー操作 → リバースレンジ
・スイッチOFF&前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作(スイッチON/OFF問わず) → ドライブレンジ
のようになる。
(リバースレンジからのシフトパターン)
現在の変速レンジがリバースレンジであるときに、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されると、変速レンジは切り替えられず、リバースレンジのまま維持される。一方、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されたときは、変速レンジがニュートラルレンジに切り替えられる。
現在の変速レンジがリバースレンジであるときに、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されると、変速レンジは切り替えられず、リバースレンジのまま維持される。一方、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されたときは、変速レンジがニュートラルレンジに切り替えられる。
また、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されたとき、および、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されたときは、変速レンジがドライブレンジに切り替えられる。
以上をまとめると、現在の変速レンジがリバースレンジであるときのシフトパターンは、図9において「現レンジ」=「R」の列にも示されるとおり、
・スイッチON&前方へのレバー操作 → 現状維持(リバースレンジ)
・スイッチOFF&前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作(スイッチON/OFF問わず) → ドライブレンジ
のようになる。
・スイッチON&前方へのレバー操作 → 現状維持(リバースレンジ)
・スイッチOFF&前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作(スイッチON/OFF問わず) → ドライブレンジ
のようになる。
(ニュートラルレンジからのシフトパターン)
現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときに、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されると、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。一方、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されたときは、変速レンジは切り替えられず、ニュートラルレンジのまま維持される。
現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときに、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されると、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。一方、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されたときは、変速レンジは切り替えられず、ニュートラルレンジのまま維持される。
また、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されたとき、および、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されたときは、変速レンジがドライブレンジに切り替えられる。
以上をまとめると、現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときのシフトパターンは、図9において「現レンジ」=「N」の列にも示されるとおり、
・スイッチON&前方へのレバー操作 → リバースレンジ
・スイッチOFF&前方へのレバー操作 → 現状維持(ニュートラルレンジ)
・後方へのレバー操作(スイッチON/OFF問わず) → ドライブレンジ
のようになる。
・スイッチON&前方へのレバー操作 → リバースレンジ
・スイッチOFF&前方へのレバー操作 → 現状維持(ニュートラルレンジ)
・後方へのレバー操作(スイッチON/OFF問わず) → ドライブレンジ
のようになる。
ただし、ニュートラルレンジからリバースレンジへの切り替えは、車両が実質的に停止しているときにしか許可されない。このため、ニュートラルレンジが選択されかつ車両が走行(惰性走行)しているときには、たとえリバースレンジを選択する操作(スイッチON&前方へのレバー操作)が行われても、その操作は無効とされる。
(ドライブレンジからのシフトパターン)
現在の変速レンジがドライブレンジであるときに、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されると、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。一方、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されたときは、変速レンジがニュートラルレンジに切り替えられる。
現在の変速レンジがドライブレンジであるときに、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されると、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。一方、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されたときは、変速レンジがニュートラルレンジに切り替えられる。
また、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されたとき、および、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されたときは、変速レンジは切り替えられず、ドライブレンジのまま維持される。
以上をまとめると、現在の変速レンジがドライブレンジであるときのシフトパターンは、図9において「現レンジ」=「D」の列にも示されるとおり、
・スイッチON&前方へのレバー操作 → リバースレンジ
・スイッチOFF&前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作(スイッチON/OFF問わず) → 現状維持(ドライブレンジ)
のようになる。
・スイッチON&前方へのレバー操作 → リバースレンジ
・スイッチOFF&前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作(スイッチON/OFF問わず) → 現状維持(ドライブレンジ)
のようになる。
ただし、ドライブレンジからリバースレンジへの切り替えは、車両が実質的に停止しているときにしか許可されない。このため、ドライブレンジが選択されかつ車両が走行(前進)しているときには、たとえリバースレンジを選択する操作(スイッチON&前方へのレバー操作)が行われても、その操作は無効とされる。
なお、以上のようなパーキング、リバース、ニュートラル、およびドライブの各レンジからのシフトパターンにおいて、ドライブレンジを選択するためにシフトレバー10を「後方」に傾動操作することは、請求項にいう「第1方向」への変位操作に相当し、ニュートラルレンジまたはリバースレンジを選択するためにシフトレバー10を「前方」に傾動操作することは、請求項にいう「第2方向」への変位操作に相当する。
(操作保持時間)
ここで、図9のシフトパターン表の最下段に示される「操作保持時間」とは、シフトレバー10を前方または後方に傾動操作した状態を保持する時間のことであり、当該時間の「T1(短)」「T2(長)」とは、レンジ切り替え時に要求される操作保持時間として2種類の時間が設定されていることを表している。具体的に、当実施形態では、ドライブレンジまたはリバースレンジを選択する際に要求されるシフトレバー10の操作保持時間T1に比べて、ニュートラルレンジを選択する際に要求されるシフトレバー10の操作保持時間T2の方が長く設定されている。なお、以下では、短い方の要求操作保持時間T1を「第1基準時間」、長い方の要求操作保持時間T2を「第2基準時間」と称する。
ここで、図9のシフトパターン表の最下段に示される「操作保持時間」とは、シフトレバー10を前方または後方に傾動操作した状態を保持する時間のことであり、当該時間の「T1(短)」「T2(長)」とは、レンジ切り替え時に要求される操作保持時間として2種類の時間が設定されていることを表している。具体的に、当実施形態では、ドライブレンジまたはリバースレンジを選択する際に要求されるシフトレバー10の操作保持時間T1に比べて、ニュートラルレンジを選択する際に要求されるシフトレバー10の操作保持時間T2の方が長く設定されている。なお、以下では、短い方の要求操作保持時間T1を「第1基準時間」、長い方の要求操作保持時間T2を「第2基準時間」と称する。
図10は、シフトレバー10の変位量の変化とレンジ切り替えタイミングとの関係を示すグラフであり、(a)はシフトレバー10が前方に傾動操作されたときのもの、(b)はシフトレバー10が後方に傾動操作されたときのものである。図10(a)において、シフトレバー10の前方への変位量(縦軸)の値Pは、シフトレバー10の前方への変位限界(ガイド溝21aの前縁に当接する位置)に対応した値である。また、値Xは、シフトレバー10の前方への傾動操作を認識するための閾値である。つまり、シフトレバー10は、変位量センサ28により特定される前方への変位量が当該閾値Xを超えたときに、前方に傾動操作されたと認識される。このため、シフトレバー10が前方に傾動操作されたときの操作保持時間とは、シフトレバー10の前方への変位量が当該閾値Xを超えている状態が継続している時間のことである。同様に、図10(b)において、シフトレバー10の後方への変位量(縦軸)の値Qは、シフトレバー10の後方への変位限界(ガイド溝21aの後縁に当接する位置)に対応した値である。また、値Yは、シフトレバー10の後方への傾動操作を認識するための閾値である。つまり、シフトレバー10は、変位量センサ28により特定される後方への変位量が当該閾値Yを超えたときに、後方に傾動操作されたと認識される。このため、シフトレバー10が後方に傾動操作されたときの操作保持時間とは、シフトレバー10の後方への変位量が当該閾値Yを超えた状態が継続している時間のことである。なお、当実施形態において、閾値X,Yは、それぞれ限界変位量P,Qよりも若干小さい値に設定されているが、限界変位量P,Qと同一に設定することも可能である。
変速レンジをリバースレンジ以外のレンジからリバースレンジに切り替えるときは、上述したとおり、プッシュスイッチ19をONにしつつシフトレバー10を前方に傾動操作する必要がある。このとき、当該操作に伴って変速レンジがリバースレンジに切り替わるタイミングは、図10(a)に示すように、シフトレバー10の前方への変位量が閾値Xを超えた状態が第1基準時間T1だけ継続したタイミング、つまり、シフトレバー10の前方への操作保持時間が第1基準時間T1に達した時点aである。
変速レンジをニュートラルレンジ以外のレンジからニュートラルレンジに切り替えるときは、上述したとおり、プッシュスイッチ19をOFFにしたままシフトレバー10を前方に傾動操作する必要がある。このとき、当該操作に伴って変速レンジがニュートラルレンジに切り替わるタイミングは、図10(a)に示すように、シフトレバー10の前方への変位量が閾値Xを超えた状態が第2基準時間T2だけ継続したタイミング、つまり、シフトレバー10の前方への操作保持時間がリバースレンジ選択時に要求される操作保持時間(第1基準時間T1)よりも長い第2基準時間T2に達した時点bである。なお、第2基準時間T2は、請求項にいう「所定時間」に相当する。この第2基準時間T2(所定時間)は適宜の値に設定され得るが、例えば1秒以上、より詳しくは1〜2秒のいずれかに設定される。
変速レンジをドライブレンジ以外のレンジからドライブレンジに切り替えるときは、上述したとおり、シフトレバー10を後方に傾動操作する必要がある。このとき、当該操作に伴って変速レンジがドライブレンジに切り替わるタイミングは、図10(b)に示すように、シフトレバー10の後方への変位量が閾値Yを超えた状態が第1基準時間T1だけ継続したタイミング、つまり、シフトレバー10の後方への操作保持時間がリバースレンジ選択時に要求される操作保持時間と同じ第1基準時間T1に達した時点cである。
(4)不適切操作時の対策制御
ここで、当実施形態のように、ニュートラルレンジを選択するときのシフトレバー10の操作方向とリバースレンジを選択するときのシフトレバー10の操作方向とが同一の方向(ここでは前方)に設定され、かつシフトレバー10の必要操作保持時間がニュートラルレンジとリバースレンジとで異なっている場合には、例えば不慣れなドライバーがシフト装置1(シフトレバー10)を操作したときに、時間の長短を勘違いして不適切な操作をすることが想定される。もちろん、車両の走行中は、リバースレンジへの切り替えが禁止されるなど、誤ってリバースレンジが選択されることがないように対策されているが、車両が実質的に停止しているときは、いずれのレンジからもリバースレンジへ切り替えることが可能になるので、ドライバーが意図せずリバースレンジを選択してしまうことが起こり易いといえる。例えば、ドライバーはニュートラルレンジを意図していたのに実際にはリバースレンジが選択されることが起こり得る。また、その逆に、ドライバーはリバースレンジを意図していたのに実際にはニュートラルレンジが選択されることも起こり得る。そこで、当実施形態では、シフト装置1(シフトレバー10)に対するドライバーの操作が適切でなく、ドライバーがニュートラルレンジを選択したいのかリバースレンジを選択したいのかが明確に判別できないときに、危険な状況を生じさせないための対策制御を実施するようにしている。以下では、図11〜図14を用いて、このような対策制御の内容を中心に説明する。
ここで、当実施形態のように、ニュートラルレンジを選択するときのシフトレバー10の操作方向とリバースレンジを選択するときのシフトレバー10の操作方向とが同一の方向(ここでは前方)に設定され、かつシフトレバー10の必要操作保持時間がニュートラルレンジとリバースレンジとで異なっている場合には、例えば不慣れなドライバーがシフト装置1(シフトレバー10)を操作したときに、時間の長短を勘違いして不適切な操作をすることが想定される。もちろん、車両の走行中は、リバースレンジへの切り替えが禁止されるなど、誤ってリバースレンジが選択されることがないように対策されているが、車両が実質的に停止しているときは、いずれのレンジからもリバースレンジへ切り替えることが可能になるので、ドライバーが意図せずリバースレンジを選択してしまうことが起こり易いといえる。例えば、ドライバーはニュートラルレンジを意図していたのに実際にはリバースレンジが選択されることが起こり得る。また、その逆に、ドライバーはリバースレンジを意図していたのに実際にはニュートラルレンジが選択されることも起こり得る。そこで、当実施形態では、シフト装置1(シフトレバー10)に対するドライバーの操作が適切でなく、ドライバーがニュートラルレンジを選択したいのかリバースレンジを選択したいのかが明確に判別できないときに、危険な状況を生じさせないための対策制御を実施するようにしている。以下では、図11〜図14を用いて、このような対策制御の内容を中心に説明する。
(現レンジがドライブレンジのとき)
図11は、現在の変速レンジがドライブレンジであるときに行われる対策制御の内容を説明するためのフローチャートであり、当該対策制御に関連してコントローラ60の各部(判定部60a、レンジ制御部60b、報知制御部60d、ブレーキ制御部60e)によって行われる制御動作を示している。このフローチャートに示す処理がスタートすると、判定部60aは、車速センサ56により検出される車速の値に基づいて、車両が停止しているか否かを判定する(ステップS1)。なお、ここでの判定は、車両が完全停止しているか否か(つまり車速が0km/hか否か)を判定するものに限られない。例えば、ドライブレンジまたはニュートラルレンジからリバースレンジへの切り替えが0km/hより若干大きい所定の閾値(例えば5km/h)以下で許可されるようになっている場合には、車速が当該閾値以下であれば車両が停止(実質停止)しているものとして、ステップS1の判定がYESとなる。
図11は、現在の変速レンジがドライブレンジであるときに行われる対策制御の内容を説明するためのフローチャートであり、当該対策制御に関連してコントローラ60の各部(判定部60a、レンジ制御部60b、報知制御部60d、ブレーキ制御部60e)によって行われる制御動作を示している。このフローチャートに示す処理がスタートすると、判定部60aは、車速センサ56により検出される車速の値に基づいて、車両が停止しているか否かを判定する(ステップS1)。なお、ここでの判定は、車両が完全停止しているか否か(つまり車速が0km/hか否か)を判定するものに限られない。例えば、ドライブレンジまたはニュートラルレンジからリバースレンジへの切り替えが0km/hより若干大きい所定の閾値(例えば5km/h)以下で許可されるようになっている場合には、車速が当該閾値以下であれば車両が停止(実質停止)しているものとして、ステップS1の判定がYESとなる。
上記ステップS1でYESと判定されて車両が停止していることが確認された場合、判定部60aは、現在選択されている変速レンジがドライブレンジであるか否かを判定する(ステップS2)。
上記ステップS2でYESと判定されてドライブレンジが選択されていることが確認された場合、判定部60aは、プッシュスイッチ19の接点からの信号に基づいて、プッシュスイッチ19が押圧操作されているか否か、つまりプッシュスイッチ19がONの状態にあるか否かを判定する(ステップS3)。
一方、上記ステップS2での判定がNOであった場合は、後述する図12のフローに移行する。
上記ステップS3でYESと判定されてプッシュスイッチ19がONの状態にあることが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10が前方に傾動操作されたか否かを判定する(ステップS4)。具体的に、判定部60aは、変位量センサ28から入力される信号に基づいて、シフトレバー10の前方への変位量が図10(a)に示した閾値Xを超えたか(X以下の値からXを超える値にまで増大したか)否かを判定し、閾値Xを超えた場合にシフトレバー10が前方に傾動操作されたと判定する。
上記ステップS4でYESと判定されてシフトレバー10が前方に傾動操作されたことが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10の前方への操作保持時間、つまりシフトレバー10の前方への変位量が閾値Xを超えた状態の継続時間が、図10(a)に示した第1基準時間T1以上になったか否かを判定する(ステップS5)。
上記ステップS5でYESと判定されて操作保持時間が第1基準時間T1以上になったことが確認された場合、レンジ制御部60bは、自動変速機50の変速レンジをドライブレンジからリバースレンジに切り替える(ステップS6)。
上記ステップS6においてリバースレンジが選択された後、判定部60aは、シフトレバー10の前方への傾動操作が依然として継続されているか、つまり、シフトレバー10の前方への変位量が閾値Xを超えているか否かを判定する(ステップS7)。
上記ステップS7でYESと判定されてシフトレバー10の前方への傾動操作が継続されていることが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10の前方への操作保持時間が、図10(a)に示した第2基準時間T2以上になったか否かを判定する(ステップS8)。
上記ステップS8でYESと判定されて操作保持時間が第2基準時間T2以上になったことが確認された場合、報知制御部60dは、ドライバーに注意を促すための報知制御を実行する(ステップS9)。すなわち、ステップS8での判定がYESであるということは、リバースレンジを選択するために必要な時間(第1基準時間T1)を超えてシフトレバー10が過剰に継続操作され、その継続時間(操作保持時間)がニュートラルレンジを選択するに必要な時間(第2基準時間T2)にまで達したことを意味する。以下では、このような操作のことを過剰操作という。シフトレバー10が過剰操作された場合、ドライバーが選択したい変速レンジは実はリバースレンジではなくニュートラルレンジである可能性がある。そこで、報知制御部60dは、当該ステップS9において、例えば、現在選択されている変速レンジがリバースレンジである(またはニュートラルレンジでない)ので注意すべきである旨のメッセージをメータユニット3の表示部に表示させるとともに、アラーム音生成部54から所定のアラーム音を発生させる。
また、ブレーキ制御部60eは、上記ステップS9の報知制御と同時に、パーキングブレーキ52を締結させる制御を実行する(ステップS10)。
一方、上記ステップS7でNOと判定された場合、つまり、シフトレバー10の操作保持時間が第1基準時間T1以上かつ第2基準時間T2未満であった場合には、上記ステップS9,S10の制御(対策制御)は実行されない。
次に、上記ステップS3での判定がNOであった場合、つまり、プッシュスイッチ19がOFFの状態にあった場合の制御動作について説明する。この場合、判定部60aは、シフトレバー10が前方に傾動操作されたか否かを判定する(ステップS11)。
上記ステップS11でYESと判定されてシフトレバー10が前方に傾動操作されたことが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10の前方への操作保持時間が第2基準時間T2以上になったか否かを判定する(ステップS12)。
上記ステップS12でYESと判定されて操作保持時間が第2基準時間T2以上になったことが確認された場合、レンジ制御部60bは、自動変速機50の変速レンジをドライブレンジからニュートラルレンジに切り替える(ステップS13)。
一方、上記ステップS12でNOと判定されて操作保持時間が第2基準時間T2未満であることが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10の前方への傾動操作が解除されたか否か、つまり、シフトレバー10の前方への変位量が閾値X以下になったか否かを判定する(ステップS14)。
上記ステップS14でYESと判定されてシフトレバー10の操作が解除されたことが確認された場合、報知制御部60dは、ドライバーに注意を促すための報知制御を実行する(ステップS15)。すなわち、ステップS14での判定がYESであるということは、シフトレバー10が前方に傾動操作されたものの、その継続時間(操作保持時間)がニュートラルレンジを選択するに必要な時間(第2基準時間T2)に満たなかったことを意味する。以下では、このような操作のことを不十分操作という。シフトレバー10が不十分操作された場合、ドライバーが選択したい変速レンジは実はニュートラルレンジではなくリバースレンジである可能性がある。そこで、報知制御部60dは、当該ステップS15において、例えば、現在選択されている変速レンジがドライブレンジである(またはリバースレンジでない)ので注意すべきである旨のメッセージをメータユニット3の表示部に表示させるとともに、アラーム音生成部54から所定のアラーム音を発生させる。
また、ブレーキ制御部60eは、上記ステップS15の報知制御と同時に、パーキングブレーキ52を締結させる制御を実行する(ステップS16)。
図14(a)は、以上のような制御動作の内容を表にまとめたものである。この表からも理解されるように、現在の変速レンジがドライブレンジであるときに行われる制御は、プッシュスイッチ19のON/OFFとシフトレバー10の前方への操作保持時間の長短とによって以下の5種類の制御に分類される。
例えば、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作された場合の制御は、(i)シフトレバー10の操作保持時間が第1基準時間T1未満であればドライブレンジに維持する、(ii)操作保持時間が第1基準時間T1以上第2基準時間T2未満であればリバースレンジに切り替える、(iii)操作保持時間が第2基準時間T2以上であればリバースレンジに切り替えた上で対策制御(報知&ブレーキ)を行う、という3種類の制御のいずれかである。
また、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作された場合の制御は、(iv)シフトレバー10の操作保持時間が第2基準時間T2未満であればドライブレンジに維持した上で対策制御(報知&ブレーキ)を行う、(v)操作保持時間が第2基準時間T2以上であればニュートラルレンジに切り替える、という2種類の制御のいずれかである。
(現レンジがリバースレンジのとき)
図12は、現在の変速レンジがリバースレンジであるときに行われる対策制御の内容を説明するためのフローチャートであり、図11のステップS2の判定がNOであった場合に行われる制御動作を示している。このフローチャートに示す処理がスタートすると、判定部60aは、現在選択されている変速レンジがリバースレンジであるか否かを判定する(ステップS20)。
図12は、現在の変速レンジがリバースレンジであるときに行われる対策制御の内容を説明するためのフローチャートであり、図11のステップS2の判定がNOであった場合に行われる制御動作を示している。このフローチャートに示す処理がスタートすると、判定部60aは、現在選択されている変速レンジがリバースレンジであるか否かを判定する(ステップS20)。
上記ステップS20でYESと判定されてリバースレンジが選択されていることが確認された場合、判定部60aは、プッシュスイッチ19がONの状態にあるか否かを判定する(ステップS21)。
一方、上記ステップS20での判定がNOであった場合は、後述する図13のフローに移行する。
上記ステップS21でYESと判定されてプッシュスイッチ19がONの状態にあることが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10が前方に傾動操作されたか否かを判定する(ステップS22)。
上記ステップS22でYESと判定されてシフトレバー10が前方に傾動操作されたことが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10の前方への操作保持時間が第2基準時間T2以上になったか否かを判定する(ステップS23)。
上記ステップS23でYESと判定されて操作保持時間が第2基準時間T2以上になったことが確認された場合、報知制御部60dは、ドライバーに注意を促すための報知制御を実行する(ステップS24)。すなわち、現在の変速レンジがリバースレンジであるときに、プッシュスイッチ19をONにしつつシフトレバー10を前方に傾動させる操作を行っても、変速レンジは変わらずにリバースレンジのまま維持される。しかしながら、上記ステップS23での判定がYESであって、シフトレバー10の操作を第2基準時間T2以上継続する過剰操作が行われたということは、ドライバーはニュートラルレンジに切り替えるつもりでシフトレバー10を操作した可能性がある。そこで、報知制御部60dは、当該ステップS24において、例えば、現在選択されている変速レンジがリバースレンジである(またはニュートラルレンジでない)ので注意すべきである旨のメッセージをメータユニット3の表示部に表示させるとともに、アラーム音生成部54から所定のアラーム音を発生させる。
また、ブレーキ制御部60eは、上記ステップS24の報知制御と同時に、パーキングブレーキ52を締結させる制御を実行する(ステップS25)。
次に、上記ステップS21での判定がNOであった場合、つまり、プッシュスイッチ19がOFFの状態にあった場合の制御動作について説明する。この場合、判定部60aは、シフトレバー10が前方に傾動操作されたか否かを判定する(ステップS26)。
上記ステップS26でYESと判定されてシフトレバー10が前方に傾動操作されたことが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10の前方への操作保持時間が第2基準時間T2以上になったか否かを判定する(ステップS27)。
上記ステップS27でYESと判定されて操作保持時間が第2基準時間T2以上になったことが確認された場合、レンジ制御部60bは、自動変速機50の変速レンジをリバースレンジからニュートラルレンジに切り替える(ステップS28)。
図14(b)は、以上のような制御動作の内容を表にまとめたものである。この表からも理解されるように、現在の変速レンジがリバースレンジであるときに行われる制御は、プッシュスイッチ19のON/OFFとシフトレバー10の前方への操作保持時間の長短とによって以下の4種類の制御に分類される。
例えば、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作された場合の制御は、(i)シフトレバー10の操作保持時間が第2基準時間T2未満であればリバースレンジのまま維持する、(ii)操作保持時間が第2基準時間T2以上であればリバースレンジに維持しつつ対策制御(報知&ブレーキ)を行う、という2種類の制御のいずれかである。
また、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作された場合の制御は、(iii)シフトレバー10の操作保持時間が第2基準時間T2未満であればリバースレンジのまま維持する、(iv)操作保持時間が第2基準時間T2以上であればニュートラルレンジに切り替える、という2種類の制御のいずれかである。
(現レンジがニュートラルレンジのとき)
図13は、現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときに行われる対策制御の内容を説明するためのフローチャートであり、図12のステップS20の判定がNOであった場合に行われる制御動作を示している。このフローチャートに示す処理がスタートすると、判定部60aは、現在選択されている変速レンジがニュートラルレンジであるか否かを判定する(ステップS30)。
図13は、現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときに行われる対策制御の内容を説明するためのフローチャートであり、図12のステップS20の判定がNOであった場合に行われる制御動作を示している。このフローチャートに示す処理がスタートすると、判定部60aは、現在選択されている変速レンジがニュートラルレンジであるか否かを判定する(ステップS30)。
上記ステップS30でYESと判定されてニュートラルレンジが選択されていることが確認された場合、判定部60aは、プッシュスイッチ19がONの状態にあるか否かを判定する(ステップS31)。
上記ステップS31でYESと判定されてプッシュスイッチ19がONの状態にあることが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10が前方に傾動操作されたか否かを判定する(ステップS32)。
上記ステップS32でYESと判定されてシフトレバー10が前方に傾動操作されたことが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10の前方への操作保持時間が第1基準時間T1以上になったか否かを判定する(ステップS33)。
上記ステップS33でYESと判定されて操作保持時間が第1基準時間T1以上になったことが確認された場合、レンジ制御部60bは、自動変速機50の変速レンジをニュートラルレンジからリバースレンジに切り替える(ステップS34)。
次に、上記ステップS31での判定がNOであった場合、つまり、プッシュスイッチ19がOFFの状態にあった場合の制御動作について説明する。この場合、判定部60aは、シフトレバー10が前方に傾動操作されたか否かを判定する(ステップS35)。
上記ステップS35でYESと判定されてシフトレバー10が前方に傾動操作されたことが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10の前方への操作保持時間が第2基準時間T2以上になったか否かを判定する(ステップS36)。
上記ステップS36でNOと判定されて操作保持時間が第2基準時間T2未満であることが確認された場合、判定部60aは、シフトレバー10の前方への傾動操作が解除されたか否かを判定する(ステップS37)。
上記ステップS37でYESと判定されてシフトレバー10の操作が解除されたことが確認された場合、判定部60aは、路面が下り坂であるか否かを判定する(ステップ38)。具体的に、判定部60aは、勾配センサ57により検出される傾斜角度が、車両が実質的に前下がりに傾斜していることを表す所定の閾値以上である場合に、路面が下り坂であると判定する。
上記ステップS38でYESと判定されて路面が下り坂であることが確認された場合、報知制御部60dは、ドライバーに注意を促すための報知制御を実行する(ステップS39)。すなわち、現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときに、プッシュスイッチ19をOFFにしたままシフトレバー10を前方に傾動させる操作を行っても、変速レンジは変わらずにニュートラルレンジのまま維持される。しかしながら、シフトレバー10の操作を第2基準時間T2に満たない時点で解除する不十分操作が行われたということは、ドライバーはリバースレンジに切り替えるつもりでシフトレバー10を操作した可能性がある。しかもこのとき、路面が下り坂であれば、例えばドライバーがブレーキペダルから足を離すのに伴い車両が前進することになる。そこで、報知制御部60dは、当該ステップS39において、例えば、現在選択されている変速レンジがニュートラルレンジである(またはリバースレンジでない)ので注意すべきである旨のメッセージをメータユニット3の表示部に表示させるとともに、アラーム音生成部54から所定のアラーム音を発生させる。
また、ブレーキ制御部60eは、上記ステップS39の報知制御と同時に、パーキングブレーキ52を締結させる制御を実行する(ステップS40)。
図14(c)は、以上のような制御動作の内容を表にまとめたものである。この表からも理解されるように、現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときに行われる制御は、プッシュスイッチ19のON/OFFとシフトレバー10の前方への操作保持時間の長短と路面の傾斜状態とによって以下の4種類の制御に分類される。
例えば、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作された場合の制御は、(i)シフトレバー10の操作保持時間が第1基準時間T1未満であればニュートラルレンジのまま維持する、(ii)操作保持時間が第1基準時間T1以上であればリバースレンジに切り替える、という2種類の制御のいずれかである。
また、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作された場合の制御は、(iii)シフトレバー10の操作保持時間が第2基準時間T2未満でかつ路面が下り坂であればニュートラルレンジに維持しつつ対策制御(報知&ブレーキ)を行う、(iv)操作保持時間が第2基準時間T2以上であるかまたは路面が下り坂でなければ(つまり平地か登り坂であれば)ニュートラルレンジのまま維持する、という2種類の制御のいずれかである。
(5)作用
以上説明したとおり、当実施形態では、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されるとニュートラルレンジが、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されるとリバースレンジが、プッシュスイッチ19がONまたはOFFの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されるとドライブレンジが選択されるシフト装置1において、ニュートラルレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の前方への操作保持時間(第2基準時間)T2が、リバースレンジまたはドライブレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間(第1基準時間)T1よりも長く設定されているので、良好な操作性と高い安全性とを両立できるという利点がある。
以上説明したとおり、当実施形態では、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されるとニュートラルレンジが、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が前方に傾動操作されるとリバースレンジが、プッシュスイッチ19がONまたはOFFの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されるとドライブレンジが選択されるシフト装置1において、ニュートラルレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の前方への操作保持時間(第2基準時間)T2が、リバースレンジまたはドライブレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間(第1基準時間)T1よりも長く設定されているので、良好な操作性と高い安全性とを両立できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、ニュートラルレンジを選択するときに必要な操作が、プッシュスイッチ19をOFFにしたままシフトレバー10を前方に傾動操作するだけのシンプルな操作で済むので、ニュートラルレンジを容易に選択することができる。ただしこの場合に、要求されるシフトレバー10の操作保持時間が短過ぎると、例えば乗員の手が誤ってシフトレバー10に触れるなどしてシフトレバー10が一瞬前方に傾動変位しただけでも、変速レンジがニュートラルレンジに切り替わってしまう。特に、このような不意なニュートラルレンジへの切り替わりが、車両が上り坂を力行しているとき(アクセルペダルが踏み込まれた状態で登り坂を走行しているとき)に起きると、駆動トルクの抜けに伴って車両が意に反して減速することになり、好ましくない。このような問題に対し、上記実施形態では、ニュートラルレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間(第2基準時間)T2が相対的に長く設定されているので、シフトレバー10を前方に押す動作をある程度継続しなければニュートラルレンジを選択することができない。これにより、ドライバーの意に反してニュートラルレンジが選択されるような事態が起き難くなり、走行中の車両の安全性を向上させることができる。
一方、リバースレンジを選択したいときは、プッシュスイッチ19をONにした状態でシフトレバー10を前方に傾動変位させる必要がある。このように、車両を後退させる(そのためより慎重さが求められる)リバースレンジの選択時に、スイッチのON操作とレバーの傾動操作とが同時に要求されるので、ドライバーが意図せずリバースレンジを選択してしまう誤操作の発生を効果的に防止でき、安全性をより高めることができる。しかも、リバースレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間(第1基準時間)T1が、ニュートラルレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間(第2基準時間)T2よりも短く設定されているので、リバースレンジを選択するときのドライバーの負担が過度に増えることがなく、シフト装置1の操作性と安全性とを両立させることができる。
また、ドライブレンジを選択したいときは、シフトレバー10を後方に傾動操作しさえすれば、プッシュスイッチ19のON/OFFにかかわらずドライブレンジへの切り替えが許可されるので、最も使用頻度の高いドライブレンジを選択する操作を容易かつ確実に行うことができる。しかも、ドライブレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間が、リバースレンジのときと同じ時間(第1基準時間)T1とされ、ニュートラルレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間(第2基準時間)T2よりも短くされるので、ドライブレンジを選択する操作の容易性を高めつつ、ドライブレンジおよびリバースレンジ選択時の操作性をバランスよく確保することができる。
さらに、シフトレバー10の変位方向が直線上の2方向(ここでは前方および後方)に設定されているため、シフト装置1の構造を簡素化できるとともに、シフト装置1の車幅方向の寸法を短縮することができる。
また、上記実施形態では、車両が実質的に停止しているときにシフト装置1に対し行われた操作がニュートラルレンジを意図したものなのかリバースレンジを意図したものなのかが分からない場合に、メータユニット3およびアラーム音生成部54によって所定の報知が行われる。このような構成によれば、ドライバーが変速レンジを錯誤している可能性があるときに注意を促すことができ、安全性をより高めることができる。
例えば、上記実施形態では、現在の変速レンジがドライブレンジであるときに不十分操作が行われた場合、つまり、プッシュスイッチ19をOFFにしたままシフトレバー10を前方に傾動させる操作が行われ、かつシフトレバー10の操作保持時間が第2基準時間T2に満たなかった場合に、メータユニット3およびアラーム音生成部54による報知が行われる。すなわち、プッシュスイッチ19をOFFにしたままシフトレバー10を前方に傾動操作するという、本来はニュートラルレンジを選択するための操作が行われた場合であっても、シフトレバー10の操作保持時間が本来の規定値(第2基準時間T2)よりも短ければ、ドライバーがした操作は、ニュートラルレンジではなくリバースレンジへの切り替えを意図したものである可能性がある。しかしながら、プッシュスイッチ19がOFFであったことから、実際にはリバースレンジに切り替わることはなく、しかも、シフトレバー10の操作保持時間が短かったことから、ニュートラルレンジに切り替わることもない(つまりドライブレンジのまま維持される)。この状態で、例えばブレーキペダルがリリースされると、ドライバーの意図している方向とは反対側(前方)に車両が動き出すことになる。これに対し、上記実施形態では、ドライバーに注意を促すべくメータユニット3およびアラーム音生成部54による報知が行われるので、上記のような事態が生じるのを回避でき、安全性をより高めることができる。
また、上記実施形態では、現在の変速レンジがニュートラルレンジでありかつ路面が下り坂であるときに上記不十分操作が行われた場合にも、メータユニット3およびアラーム音生成部54による報知が行われる。この場合も、ドライバーはリバースレンジに切り替える意図をもっている可能性があるが、プッシュスイッチ19がOFFのため、実際の変速レンジはニュートラルレンジのまま維持される。しかも、路面が下り坂であるので、例えばこの状態でブレーキペダルがリリースされると、ドライバーの意図している方向とは反対側(前方)に車両が動き出すことになる。これに対し、上記実施形態では、ドライバーに注意を促すための報知が行われるので、上記のような事態が生じるのを回避でき、安全性をより高めることができる。
また、上記実施形態では、現在の変速レンジがドライブレンジであるときに過剰操作が行われた場合、つまり、プッシュスイッチ19をONにしたままシフトレバー10を前方に傾動させる操作が行われ、かつシフトレバー10の操作保持時間が第2基準時間T2以上であった場合に、メータユニット3およびアラーム音生成部54による報知が行われる。すなわち、プッシュスイッチ19をONにしつつシフトレバー10を前方に傾動操作するという、本来はリバースレンジを選択するための操作が行われた場合であっても、シフトレバー10の操作保持時間が本来の規定値(第1基準時間T1)よりも長い第2基準時間T2以上であったとすれば、ドライバーがした操作は、リバースレンジではなくニュートラルレンジへの切り替えを意図したものである可能性がある。しかしながら、プッシュスイッチ19がONであったことから、実際にはニュートラルレンジではなくリバースレンジに切り替わってしまう。この状態で、例えばニュートラルレンジであると思い込んだドライバーが誤ってブレーキペダルをリリースしたり、さらには車両から離れたりした場合、ドライバーの意図に反して車両が後退することになる。これに対し、上記実施形態では、ドライバーに注意を促すための報知が行われるので、上記のような事態が生じるのを回避でき、安全性をより高めることができる。
また、上記実施形態では、現在の変速レンジがリバースレンジであるときに上記過剰操作が行われた場合にも、メータユニット3およびアラーム音生成部54による報知が行われる。この場合も、ドライバーはニュートラルレンジに切り替える意図をもっている可能性があるが、プッシュスイッチ19がONのため、実際の変速レンジはリバースレンジのまま維持される。したがって、例えばこの状態でブレーキペダルがリリースされたりドライバーが車両から離れたりすると、ドライバーの意図に反して車両が後退することになる。これに対し、上記実施形態では、ドライバーに注意を促すための報知が行われるので、上記のような事態が生じるのを回避でき、安全性をより高めることができる。
また、上記実施形態では、メータユニット3およびアラーム音生成部54による報知が行われる条件のときに、電動式のパーキングブレーキ52が締結される。このような構成によれば、仮にドライバーが上記報知に気付かずにブレーキペダルをリリースしたとしても、車両が動き出すことがないので、安全性をさらに高めることができる。
(6)変形例
上記実施形態では、リバースレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間と、ドライブレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間とを、同一の第1基準時間T1とした上で、ニュートラルレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間を、当該第1基準時間T1よりも長い第2基準時間T2に設定したが、これら操作保持時間の大小関係は適宜変更することが可能である。ただし、少なくともニュートラルレンジ選択時の操作保持時間については、例えばシフトレバー10に誤って手が触れた程度でニュートラルレンジが選択されることのないように、比較的長め(例えば1秒以上)の時間に設定する必要がある。一方、ドライブ/ニュートラルレンジ選択時の操作保持時間については、ニュートラルレンジ選択時の操作保持時間と同一であってもよいし、これより短くてもよい。
上記実施形態では、リバースレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間と、ドライブレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間とを、同一の第1基準時間T1とした上で、ニュートラルレンジ選択時に要求されるシフトレバー10の操作保持時間を、当該第1基準時間T1よりも長い第2基準時間T2に設定したが、これら操作保持時間の大小関係は適宜変更することが可能である。ただし、少なくともニュートラルレンジ選択時の操作保持時間については、例えばシフトレバー10に誤って手が触れた程度でニュートラルレンジが選択されることのないように、比較的長め(例えば1秒以上)の時間に設定する必要がある。一方、ドライブ/ニュートラルレンジ選択時の操作保持時間については、ニュートラルレンジ選択時の操作保持時間と同一であってもよいし、これより短くてもよい。
また、上記実施形態では、図14(b)に示したように、現在の変速レンジがリバースレンジであるときに不十分操作が行われた場合(つまりプッシュスイッチ19がOFFのままシフトレバー10が前方に傾動操作されかつ操作保持時間が第2基準時間T2未満であった場合)には、変速レンジをリバースレンジに維持したままとし、特に報知等の対策制御は行わなかったが、図15に示すように、同様の条件で報知を含む対策制御を行うようにしてもよい。すなわち、リバースレンジ選択中の不十分操作は、ニュートラルレンジを選択する意図で行われた操作である可能性もある。仮にニュートラルレンジを選択する意図であった場合、例えばブレーキペダルをリリースしたときに、ドライバーの意図に反して車両が後退することになる。そこで、このような場合にも報知等を行ってドライバーに注意を促すようにすれば、安全性をより高めることができる。
また、上記実施形態では、特定の条件で不十分操作または過剰操作が行われたときに、メータユニット3およびアラーム音生成部54による報知を行うとともに、電動式のパーキングブレーキ52を自動締結するようにしたが、このような自動ブレーキの制御は省略してもよい。
また、上記実施形態では、ドライバーへの報知として、メータユニット3の表示部にメッセージを表示するとともにアラーム音生成部54からアラーム音を発生させるようにしたが、ドライバーへの報知は、ドライバーに注意を促すことができる態様で行えばよく、上記のような態様に限られない。例えば、カーナビゲーション用の画面にメッセージを表示してもよいし、メッセージを音声で読み上げるようにしてもよい。
ここで、シフト装置1の操作方法をよく理解したドライバーにとっては、上記のような報知がなされることを煩わしく感じるおそれがある。そこで、図16に示すようなキャンセルスイッチ58を設けてもよい。このキャンセルスイッチ58は、上記のような報知を禁止するためにシフト装置1の近傍等の適宜の場所に設けられるスイッチである。例えば、キャンセルスイッチ58を1回操作すると報知が禁止され、この状態で再びキャンセルスイッチ58を操作すると報知が許可される。このようなキャンセルスイッチ58を設けた場合には、例えばシフト装置1の操作に習熟したドライバーはキャンセルスイッチ58を用いて報知を禁止することができるので、当該報知によりドライバーが煩わしさを感じるのを回避することができる。なお、上記実施形態のように、報知とともにパーキングブレーキ52の自動締結を行う場合には、キャンセルスイッチ58の操作に応じて、報知を禁止するだけでなくパーキングブレーキ52の自動締結を禁止してもよい。
また、上記実施形態では、シフトレバー10が後方に傾動操作されたときは、そのときのプッシュスイッチ19の状態がON/OFFいずれであっても、ドライブレンジへの切り替えを許可するようにしたが、プッシュスイッチ19がONの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されたときに限りドライブレンジへの切り替えを許可するか、あるいは、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が後方に傾動操作されたときに限りドライブレンジへの切り替えを許可するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、請求項にいう「操作部材」として、前方および後方に傾動変位可能なシフトレバー10を採用したが、操作部材の具体例はこれに限られない。例えば、乗員が把持し易いようにデザインされた部品(例えばパソコン用のマウスに似た形状の部品)を前後方向にスライド可能に設け、このスライド可能なデザイン部品を上記操作部材として用いてもよい。
また、上記実施形態では、操作部材としてのシフトレバー10が前方および後方に傾動変位可能であったが、操作部材が変位可能な方向等はこれに限られない。操作部材は、少なくとも同一直線上の2方向(第1方向とその反対側の第2方向)に変位可能であればよく、操作部材の変位方向を具体的にどの方向(前後、左右、斜め)に設定するかは、求められる性能や法規等に応じて種々変更され得る。
また、上記実施形態のシフト装置1は、パーキング、リバース、ニュートラル、およびドライブの4種類のレンジの間で変速レンジを切り替えるものであったが、これら4種類のレンジ以外の別の変速レンジをさらに用意してもよい。例えば、前進時における自動変速機50のギヤ段を故意に切り替える操作が可能となるマニュアルレンジを用意し、パーキング、リバース、ニュートラル、およびドライブの各レンジを選択するときのいずれの操作とも異なる所定の操作がなされたときに、変速レンジをマニュアルレンジに切り替えるようにしてもよい。マニュアルレンジが選択されたときには、例えば、プッシュスイッチ19がOFFの状態でシフトレバー10が前方または後方に傾動操作されるのに伴い、自動変速機50のギヤ段を低下または増大させることが考えられる。
また、上記実施形態では、請求項にいう「スイッチ部」として、ON/OFF式のボタンスイッチからなるプッシュスイッチ19を採用したが、スイッチ部の具体例はこれに限られず、例えばトグルスイッチを採用してもよい。さらには、ドライバーの指から入力される圧力の大きさに基づいてスイッチ操作の有無を検出する感圧センサを「スイッチ部」として用いてもよい。
また、上記実施形態のシフト装置1は、エンジン(内燃機関)と車輪との間に介設された有段式の自動変速機50の変速レンジを切り替え操作するものであったが、本発明が適用可能な変速機は、有段式の自動変速機に限られず、例えば無段式の自動変速機(CVT)であってもよい。さらには、電気自動車に用いられる変速機のように、前進/後退を電気的に切り替えるものにも本発明を適用することができる。
1 シフト装置
3 メータユニット3(報知手段)
10 シフトレバー(操作部材)
19 プッシュスイッチ(スイッチ部)
20 本体部
52 パーキングブレーキ
54 アラーム音生成部(報知手段)
58 キャンセルスイッチ
60b レンジ制御部
60e ブレーキ制御部
T2 第2基準時間(所定時間)
3 メータユニット3(報知手段)
10 シフトレバー(操作部材)
19 プッシュスイッチ(スイッチ部)
20 本体部
52 パーキングブレーキ
54 アラーム音生成部(報知手段)
58 キャンセルスイッチ
60b レンジ制御部
60e ブレーキ制御部
T2 第2基準時間(所定時間)
Claims (6)
- 前進方向の走行レンジであるドライブレンジ、後退方向の走行レンジであるリバースレンジ、およびニュートラルレンジの間で車両の変速レンジを切り替え可能な車両用シフト装置であって、
操作部材と、
当該操作部材に設けられたスイッチ部と、
上記操作部材を第1方向およびその反対側の第2方向に変位可能に支持するとともに、変位後の操作部材を所定のホーム位置に自動的に復帰させる本体部と、
上記操作部材が上記第1方向に変位操作されるとドライブレンジが選択され、上記スイッチ部がONの状態で上記操作部材が上記第2方向に変位操作されるとリバースレンジが選択され、上記スイッチ部がOFFの状態で上記操作部材が上記第2方向に変位操作されかつ当該操作が所定時間以上保持されるとニュートラルレンジが選択されるように、上記操作部材およびスイッチ部の操作に応じて車両の変速レンジを切り替え制御するレンジ制御部とを備えた、ことを特徴とする車両用シフト装置。 - 請求項1記載の車両用シフト装置において、
現在の変速レンジがドライブレンジであるときに、上記スイッチ部がOFFの状態で上記第2方向に変位操作された上記操作部材の操作保持時間が上記所定時間に満たない不十分操作が行われた場合に、ドライバーに対し所定の報知を行う報知手段をさらに備えた、ことを特徴とする車両用シフト装置。 - 請求項1記載の車両用シフト装置において、
現在の変速レンジがニュートラルレンジでありかつ路面が下り坂であるときに、上記スイッチ部がOFFの状態で上記第2方向に変位操作された上記操作部材の操作保持時間が上記所定時間に満たない不十分操作が行われた場合に、ドライバーに対し所定の報知を行う報知手段をさらに備えた、ことを特徴とする車両用シフト装置。 - 請求項2または3に記載の車両用シフト装置において、
上記報知手段は、現在の変速レンジがリバースレンジであるときに上記不十分操作が行われた場合にも上記報知を行う、ことを特徴とする車両用シフト装置。 - 請求項2〜4のいずれか1項に記載の車両用シフト装置において、
上記報知手段による報知が行われる条件のときに、車両に備わる電動式のパーキングブレーキを締結させるブレーキ制御部をさらに備えた、ことを特徴とする車両用シフト装置。 - 請求項2〜5のいずれか1項に記載の車両用シフト装置において、
上記報知手段による報知を禁止する操作を受け付けるキャンセルスイッチをさらに備えた、ことを特徴とする車両用シフト装置。
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