JP2015055253A - 車両用シフト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無効な操作が行われたときは早期にその旨をドライバーに知らせることのできる車両用シフト装置を提供する。
【解決手段】リバースレンジからドライブレンジへの切り替えを、ホーム位置からD方向に変位操作された操作部材の変位量が第1レンジ切替閾値T1を超えた状態でさらにスイッチ部が操作されたときに実行する。リバースレンジが選択されているときの操作無効の報知を、ホーム位置からR方向に変位操作された操作部材の変位量が第1レンジ切替閾値T1よりも小さい第1無効報知閾値T4を超えたときに実行する。
【選択図】図11
【解決手段】リバースレンジからドライブレンジへの切り替えを、ホーム位置からD方向に変位操作された操作部材の変位量が第1レンジ切替閾値T1を超えた状態でさらにスイッチ部が操作されたときに実行する。リバースレンジが選択されているときの操作無効の報知を、ホーム位置からR方向に変位操作された操作部材の変位量が第1レンジ切替閾値T1よりも小さい第1無効報知閾値T4を超えたときに実行する。
【選択図】図11
Description
本発明は、車両の変速レンジを切り替えるための車両用シフト装置に関する。
車両用シフト装置として、近年、シフトレバーのポジションを電気的に検出して変速を行う、いわゆるエレキシフタ装置が知られている。エレキシフタ装置は、機械式の変速機を持たない電気自動車またはハイブリッド自動車において使用されることが多かった。ところが、シフトレバーと変速機との機械的な接続が不要なエレキシフタ装置は、そのデザイン自由度の高さから、機械式の変速機を備えた車両、例えばエンジン(内燃機関)のみを動力源とする従来型の自動車に対しても徐々に用いられつつある。
また、シフトレバーの操作ストロークに制約がないエレキシフタ装置では、コンパクト化や操作性の向上を図る観点から、モメンタリ式と呼ばれる機構が用いられることが多い。具体的に、モメンタリ式のエレキシフタ装置では、シフトレバーが直立したホーム位置から所定の方向にシフトレバーが傾動操作されるとシフトレンジが変更され、その後シフトレバーから手が放されると、変更後のシフトレンジを維持したまま自動的にシフトレバーがホーム位置に復帰するようになっている。このようなモメンタリ式のエレキシフタ装置の一例として、下記特許文献1,2のものが知られている。
モメンタリ式のエレキシフタ装置は、上記のようにコンパクト化等の面でメリットがある反面、ドライバーや他の乗員がうっかりシフトレバーに触れてしまうことにより不意にシフトレンジが変更されるおそれ(誤操作の可能性)があるというデメリットがある。このようなデメリットを解消するために、特許文献1では、ホーム位置から第1の方向にシフトレバーが操作されるとニュートラルレンジに切り替わり、その時点のレバー位置(ニュートラル位置)を起点として別の方向(第2の方向)にシフトレバーが操作されると走行レンジ(ドライブレンジまたはリバースレンジ)に切り替わるようになっている。このような構成によれば、乗員の手がうっかりシフトレバーに触れることでシフトレバーが傾動変位しても、ニュートラルレンジへの変更に伴いエンジンの駆動力伝達が切断されるだけに留まり、ニュートラル位置から更に第2の方向にシフトレバーが操作されない限り走行レンジが選択されないので、仮に誤操作があってもその影響を最小限に抑えることができる。
また、特許文献2には、シフトレバーにボタンスイッチが設けられたエレキシフタ装置が開示されている。この特許文献2のエレキシフタ装置では、上記ボタンスイッチが押圧操作されるとニュートラルレンジに切り替わり、そのボタンスイッチの押圧操作が継続されたままシフトレバーが傾動操作されると走行レンジに切り替わるようになっている。このように、特許文献2では、ボタンスイッチを押圧する操作とシフトレバーを傾動させる操作とが同時に行われない限り走行レンジが選択されないので、ドライバーの意図に反して走行レンジが選択されるような事態を防止することができる。
上記特許文献1において走行レンジを選択しようと思えば、シフトレバーを第1の方向に傾動させた後さらに第2の方向に傾動させるという操作が必要となり、走行レンジを選択するために必要なトータルの操作ストロークが長くなる。このことは、素早く簡便に走行レンジを選択したいドライバーにとっては煩わしさを感じる要因となる。
また、上記特許文献2においては、ボタンスイッチを押圧操作した状態でなければ走行レンジを選択することができない。このことは、シフトレバーの誤操作対策(安全性の向上)という点では好ましいものの、やはり素早く簡便に走行レンジを選択したいドライバーにとっては煩わしいものとなる。すなわち、上記特許文献2では、ボタンスイッチの押圧操作を継続したまま(つまりシフトレバーをしっかり握ったまま)シフトレバーを傾動操作する必要があるので、レバー操作の軽快感が損なわれ、ドライバーが煩わしさを感じるおそれがある。
一方、シフトレバーがホーム位置から第1方向および第2方向の少なくとも2方向に操作可能な場合に、前進方向の走行レンジであるドライブレンジを選択するときはシフトレバーを第1方向に操作し、後退方向の走行レンジであるリバースレンジを選択するときはシフトレバーを第2方向に操作するように設定されていると、ドライブレンジが選択されている状態でシフトレバーを第1方向に操作することは無効な操作であり、変速レンジとしてはドライブレンジが維持され、一方、リバースレンジが選択されている状態でシフトレバーを第2方向に操作することも無効な操作であり、変速レンジとしてはリバースレンジが維持される。よって、このような無効な操作が行われたときは、なるべく早期にその旨をドライバーに知らせることが望ましい。
そこで、本発明は、安全性を確保しながら素早くかつ簡便に走行レンジを選択することができ、さらには、無効な操作が行われたときは早期にその旨をドライバーに知らせることのできる車両用シフト装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、操作部材と、操作部材に設けられたスイッチ部と、上記操作部材を第1方向および第2方向の少なくとも2方向に変位可能に支持するとともに変位後の操作部材を所定のホーム位置に自動的に復帰させる本体部と、上記操作部材およびスイッチ部の操作に基づいて変速レンジを制御する制御手段とを備えた車両用シフト装置であって、上記制御手段は、後退方向の走行レンジであるリバースレンジが選択されている状態で、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作されかつ上記スイッチ部が操作されたときに変速レンジを前進方向の走行レンジであるドライブレンジに切り替えるとともに、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作されたときは上記リバースレンジを維持しかつその操作が無効であることを所定の報知手段を作動させてドライバーに報知し、上記ドライブレンジが選択されている状態で、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作されかつ上記スイッチ部が操作されたときに変速レンジを上記リバースレンジに切り替えるとともに、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作されたときは上記ドライブレンジを維持しかつその操作が無効であることを上記報知手段を作動させてドライバーに報知し、上記リバースレンジからドライブレンジへの切り替えを、上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が予め定められた第1レンジ切替閾値を超えた状態でさらに上記スイッチ部が操作されたときに実行するとともに、上記リバースレンジが選択されているときの操作無効の報知を、上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が上記第1レンジ切替閾値よりも小さい第1無効報知閾値を超えたときに実行し、上記ドライブレンジからリバースレンジへの切り替えを、上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が予め定められた第2レンジ切替閾値を超えた状態でさらに上記スイッチ部が操作されたときに実行するとともに、上記ドライブレンジが選択されているときの操作無効の報知を、上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が上記第2レンジ切替閾値よりも小さい第2無効報知閾値を超えたときに実行する、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、操作部材がホーム位置から第1方向または第2方向に変位しても、それだけではドライブレンジまたはリバースレンジに切り替わらず、その状態からさらにスイッチ部が押圧された段階ではじめてドライブレンジまたはリバースレンジに切り替わるので、操作部材に誤って手が触れるなどの誤操作があったとしても、ドライブレンジまたはリバースレンジが選択されないため、ドライバーの意に反して車両が発進するような事態が回避され、車両の安全性を十分に確保することができる。
また、変速レンジをドライブレンジまたはリバースレンジに切り替えたいときは、まず操作部材を第1方向または第2方向に変位操作し、その上でスイッチ部を操作すればよいので、操作の初期段階にかかる負担が少なく済み、ドライブレンジまたはリバースレンジへの切り替え操作を素早くかつ簡便に行うことができる。すなわち、操作部材よりもスイッチ部を先に操作させるシフトパターンを採用した場合と異なり、スイッチ部の操作を維持しながら操作部材を操作する必要がないので、操作部材をしっかり握ることなく比較的軽快な操作で操作部材を動かすことができる。そして、このように操作部材を軽快に操作した後、最後にスイッチ部を操作すればドライブレンジまたはリバースレンジに切り替えることができるので、安全性を確保しながら優れた操作性を実現することができる。
一方、ドライブレンジを選択するときは操作部材を第1方向に操作し、リバースレンジを選択するときは操作部材を第2方向に操作するように設定されているので、ドライブレンジが選択されている状態で操作部材を第1方向に操作することは無効な操作であり、変速レンジとしてはドライブレンジが維持され、一方、リバースレンジが選択されている状態で操作部材を第2方向に操作することも無効な操作であり、変速レンジとしてはリバースレンジが維持される。
そして、そのような無効な操作が行われたときは、その操作が無効であることが所定の報知手段を介してドライバーに報知されるのであるが、その場合、リバースレンジからドライブレンジへの切り替えまたはドライブレンジからリバースレンジへの切り替えに際しては、第1方向または第2方向に変位操作された操作部材に関する物理量が第1レンジ切替閾値または第2レンジ切替閾値を超えることが要件の1つとされ、リバースレンジまたはドライブレンジが選択されているときの操作無効の報知に際しては、第2方向または第1方向に変位操作された操作部材に関する物理量が第1無効報知閾値または第2無効報知閾値を超えることが要件とされている。そして、第1無効報知閾値は第1レンジ切替閾値よりも小さい値に設定され、第2無効報知閾値は第2レンジ切替閾値よりも小さい値に設定されている。よって、上記のような無効な操作が行われたときは、比較的早い時期にその旨がドライバーに報知される。
以上により、本発明によれば、安全性を確保しながら素早くかつ簡便に走行レンジを選択することができ、さらには、無効な操作が行われたときは早期にその旨をドライバーに知らせることのできる車両用シフト装置が提供される。
本発明においては、上記制御手段は、非走行レンジが選択されている状態で、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作されかつ上記スイッチ部が操作されたときに変速レンジをドライブレンジに切り替えるとともに、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作されかつ上記スイッチ部が操作されたときは変速レンジをリバースレンジに切り替え、上記非走行レンジからドライブレンジへの切り替えを、上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が上記第1レンジ切替閾値を超えた状態でさらに上記スイッチ部が操作されたときに実行するとともに、上記非走行レンジからリバースレンジへの切り替えを、上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が上記第2レンジ切替閾値を超えた状態でさらに上記スイッチ部が操作されたときに実行することが好ましい(請求項2)。
この構成によれば、非走行レンジが選択されている状態で、ドライブレンジを選択するときは操作部材を第1方向に操作し、リバースレンジを選択するときは操作部材を第2方向に操作するように設定されており、その場合、非走行レンジからドライブレンジまたはリバースレンジへの切り替えに際しては、第1方向または第2方向に変位操作された操作部材に関する物理量が第1レンジ切替閾値または第2レンジ切替閾値を超えることが要件の1つとされている。そのため、非走行レンジからドライブレンジに切り替えるときと、リバースレンジからドライブレンジに切り替えるときとで、相互に同じタイミング(操作部材に関する物理量が共通の第1レンジ切替閾値を超えるタイミング)でスイッチ部を操作することができる。同様に、非走行レンジからリバースレンジに切り替えるときと、ドライブレンジからリバースレンジに切り替えるときとで、相互に同じタイミング(操作部材に関する物理量が共通の第2レンジ切替閾値を超えるタイミング)でスイッチ部を操作することができる。これにより、レンジ切り替え時の操作性が向上する。
本発明においては、上記報知手段は、操作が無効である旨を示す文字または記号を表示する表示手段、および上記操作部材に振動を付与する振動付与手段の少なくともいずれか1つであることが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、ドライバーに視覚や触覚を通じて操作の無効を通知しまたは気付かせることができる。
本発明においては、上記第1、第2無効報知閾値は、上記第1、第2レンジ切替閾値のいずれよりも小さい同一の値に設定されていることが好ましい(請求項4)。
この構成によれば、第1無効報知閾値および第2無効報知閾値が第1レンジ切替閾値および第2レンジ切替閾値のいずれよりも小さく、かつ相互に同じ値であるから、ドライバーが無効な方向に操作部材を操作した場合、操作部材をホーム位置から第1方向または第2方向に同じ物理量で変位操作したときに、操作無効の報知が行われる。そのため、ドライバーが操作部材を第1方向に操作したときも第2方向に操作したときも操作無効の報知が同じタイミングで起きるので、ドライバーに違和感を与えることが避けられる。
本発明においては、上記物理量は、上記操作部材の変位操作の距離および操作力の少なくともいずれか1つであることが好ましい(請求項5)。
この構成によれば、操作部材を変位操作するときの操作部材の移動距離(ストローク)や操作力が上記閾値を超えたか否かにより、変速レンジの切り替えや、操作無効の報知が実行される。
以上説明したように、本発明によれば、安全性を確保しながら素早くかつ簡便に走行レンジを選択することができ、さらには、無効な操作が行われたときは早期にその旨をドライバーに知らせることのできる車両用シフト装置が提供される。
<第1実施形態>
(1)全体構成
図1は、本発明の第1実施形態にかかる車両の車室前部の構成を示す図である。本図に示すように、車室前部には、車幅方向に延びるインストルメントパネル2が設けられている。インストルメントパネル2の運転席側(図1では左側)にはメータユニット3が設けられ、このメータユニット3の後方にはステアリングハンドル4が設けられている。インストルメントパネル2の車幅方向中央部から車両後方に向かってセンターコンソール5が設けられ、このセンターコンソール5上にシフト装置1が設けられている。
(1)全体構成
図1は、本発明の第1実施形態にかかる車両の車室前部の構成を示す図である。本図に示すように、車室前部には、車幅方向に延びるインストルメントパネル2が設けられている。インストルメントパネル2の運転席側(図1では左側)にはメータユニット3が設けられ、このメータユニット3の後方にはステアリングハンドル4が設けられている。インストルメントパネル2の車幅方向中央部から車両後方に向かってセンターコンソール5が設けられ、このセンターコンソール5上にシフト装置1が設けられている。
第1実施形態において、車両は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等の内燃機関からなるエンジン(図示省略)と、エンジンの駆動力を減速しつつ車輪に伝達する多段式の自動変速機50(図8)とを備えている。自動変速機50は、車速やエンジン負荷等に応じて自動的に減速比を選択する変速機(AT)である。この自動変速機50の変速レンジには、駆動力伝達が切断されるニュートラルレンジと、駆動力伝達が切断された上に出力軸がロックされるパーキングレンジと、車両を前進させる方向に駆動力を伝達するドライブレンジ(前進走行レンジ)と、車両を後退させる方向に駆動力を伝達するリバースレンジ(後退走行レンジ)とが存在する。シフト装置1は、このように複数存在する自動変速機の変速レンジの中から所望のレンジを選択するために操作されるものである。
図2は、シフト装置1を拡大して示す平面図である。この図2および先の図1に示すように、シフト装置1は、メイン操作部7と、パーキングスイッチ8と、インジケータ9とを備えている。なお、図2において、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Lは車両の左方を示している。このことは、図2以降の他の図面でも同様である。
パーキングスイッチ8は、自動変速機50の変速レンジをパーキングレンジに切り替えるときに操作されるプッシュ式のボタンスイッチである。また、パーキングスイッチ8の上面には、「P」という文字の文字盤が設けられ、パーキングレンジが選択されるとLED等の光源により上記「P」の文字が強調表示されるようになっている。すなわち、パーキングスイッチ8は、パーキングレンジに切り替えるためのスイッチとしての機能だけでなく、パーキングレンジが選択されていることを表示するインジケータとしての機能も兼ね備えている。
メイン操作部7は、自動変速機50の変速レンジをパーキングレンジ以外のレンジ(つまりドライブ、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジ)に切り替えるときに操作されるものである。詳しくは後述するが、第1実施形態におけるメイン操作部7は、前後方向に傾動させる等の操作が可能である。このメイン操作部7に対する操作パターンの違いにより、自動変速機50の変速レンジがドライブ、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジに切り替わるようになっている。
インジケータ9は、現在選択されている変速レンジを表示するものである。図2に例示されるインジケータ9の場合、リバースレンジを表す「R」、ニュートラルレンジを表す「N」、ドライブレンジを表す「D」の文字盤が、前方から順に設けられている。そして、メイン操作部7の操作に応じてドライブ、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジが選択されたときには、その選択中のレンジに対応した文字(R,N,Dのいずれか)が強調表示されるようになっている。
さらに、上記のようなインジケータ9による変速レンジの表示に加えて、第1実施形態では、メータユニット3にも変速レンジが表示されるようになっている。すなわち、メータユニット3は、その所定箇所(例えばスピードメータとタコメータとの間)に液晶画面等からなる表示部3a(図12参照)を有しており、その表示部3aに、選択中の変速レンジに対応した文字(P,R,N,D)が表示されるようになっている。
次に、シフト装置1のメイン操作部7の具体的構造について、図2〜図7を用いて説明する。これらの図に示すように、メイン操作部7は、シフトレバー10と、シフトレバー10を前後方向に傾動可能に支持する本体部20とを有している。
シフトレバー10は、請求項にいう「操作部材」に相当するものであり、ドライバーにより把持されるシフトノブ11と、シフトノブ11から下方に延びる棒状のレバー部12と、レバー部12の下端に設けられた球体部13と、球体部13から斜め下方に突出するディテント用脚部14およびガイド用脚部15とを有している。
シフトノブ11にはプッシュボタン40が設けられている。プッシュボタン40は、請求項にいう「スイッチ部」に相当するものであり、押圧操作されることで所定の信号を発信する接点(図示省略)を内蔵したプッシュ式のボタンスイッチである。シフトレバー10を操作するドライバーは、シフトノブ11を把持しながら、その手の親指等を用いてプッシュボタン40を押圧操作することが可能である。
ディテント用脚部14は、球体部13の下面から斜め下方に延びる中空状の脚本体14bと、脚本体14bの先端からさらに下方に突出する付勢部14aとを有している。付勢部14aは、脚本体14bの内部に設けられた圧縮スプリング(図示省略)により下方に押圧されている。このような付勢部14aは、圧縮スプリングを押し戻す上向きの力を受けて上昇し、その力が減少すると下降するというように、脚本体14bに対し進退自在に支持されている。
ガイド用脚部15は、球体部13の下面から斜め下方に延びる棒状の部材である。第1実施形態では、ディテント用脚部14が左側に傾斜しているのに対し、ガイド用脚部15は右側に傾斜するように設けられている。
本体部20は、上面が開口した箱状の筐体21と、筐体21の上面の開口を覆うように取り付けられるカバー部22とを有している。
カバー部22には、シフトレバー10のレバー部12が挿通される円形の挿通穴22aが形成されている。この挿通穴22aの内径は、レバー部12の外径よりも所定量大きい値に設定されている。
筐体21の内部には、シフトレバー10の球体部13を包み込んで支持するレバー支持部23が、その左右の連結部24を介して架設されている。レバー支持部23は、上面および下面が開口した中空状の部材であり、球体部13の外周面に沿うように形成された部分球面状の内周面を有している。このようなレバー支持部23に支持された球体部13は、レバー支持部23の内部で自在に回転することが可能である。
筐体21は、その下壁部に、V字状に傾斜した第1傾斜面部21aおよび第2傾斜面部21bを有している。第1傾斜面部21aは、シフトレバー10のディテント用脚部14と対向し、ディテント用脚部14の軸心と略直交する面に沿って形成されている。第2傾斜面部21bは、シフトレバー10のガイド用脚部15と対向し、ガイド用脚部15の軸心と略直交する面に沿って形成されている。
第1傾斜面部21aの上面には、下方に凹んだ部分球面状の球状受け面25aを有する誘導部材25が設けられている。球状受け面25aには、シフトレバー10のディテント用脚部14の先端部、つまり付勢部14aが、圧縮スプリングによる押圧力を受けて常時押し付けられている。
付勢部14aは、球状受け面25aの中心部(凹球面の底部)に当接しているときに脚本体14bから最も進出し、付勢部14aの当接位置が球状受け面25aの中心部から離れるほど、圧縮スプリングの押圧力に反して後退する。後退した付勢部14aは、圧縮スプリングにより球状受け面25aに強く押し付けられ、その押し付け力が、付勢部14aを球状受け面25aの中心部に戻そうとする力に変換される。このため、シフトレバー10に対し乗員の手による操作力(シフトレバー10を傾動させる力)が加えられていない状態では、シフトレバー10は、付勢部14aが球状受け面25aの中心部に位置する状態に保持される。このように付勢部14aが球状受け面25aの中心部に位置しているとき、シフトレバー10は鉛直方向に起立した姿勢となるが、以下では、この状態におけるシフトレバー10の位置を「ホーム位置」と称する。
一方で、上記ホーム位置にあるシフトレバー10が操作力を受けて所定の方向に傾動変位すると、付勢部14aが球状受け面25aの中心部から離間し、それに伴い上述したとおり、付勢部14aを球状受け面25aの中心部に戻そうとする力が発生する。このため、上記シフトレバー10に対する操作力が解除されると、シフトレバー10はおのずと上記ホーム位置に復帰することになる。
以上のように、第1実施形態では、凹状の部分球面からなる球状受け面25aと、これに常時押し付けられる付勢部14aとにより、変位後のシフトレバー10をホーム位置に自動的に復帰させるディテント機構30が構成されている。言い換えると、このようなディテント機構30を備えた第1実施形態のシフト装置1は、いわゆるモメンタリ式のシフト装置の部類に属する。
図5、図6に示すように、第2傾斜面部21bの上面には、前後方向に延びるガイド溝27を有したガイド部材26が設けられている。ガイド溝27には、シフトレバー10のガイド用脚部15の先端部が摺動可能に嵌合されている。シフトレバー10は、このようにガイド用脚部15がガイド溝27に嵌合された状態で上述したレバー支持部23により支持されることで、ガイド溝27に沿って前後方向にのみ傾動変位することが可能とされている。
図7(a)は、シフトレバー10が上記ホーム位置にあるときの状態を示している。シフトレバー10がホーム位置にあるとき、つまり、付勢部14aが球状受け面25aの中心部にあってシフトレバー10が鉛直方向に起立しているとき、ガイド用脚部15の先端部は、ガイド溝27の前後方向の中央に配置される。
この状態から、図7(b)のようにシフトレバー10が前方に傾動変位すると、ガイド用脚部15の先端部がガイド溝27に沿って後方に移動する。また、図7(c)のようにシフトレバー10が後方に傾動変位すると、ガイド用脚部15の先端部がガイド溝27に沿って前方に移動する。そして、ガイド用脚部15がガイド溝27の後端部27bに当接した時点で、シフトレバー10はそれ以上前方に変位することができなくなり、ガイド用脚部15がガイド溝27の前端部27aに当接した時点で、シフトレバー10はそれ以上後方に変位することができなくなる。言い換えると、シフトレバー10は、ガイド用脚部15がガイド溝27の前端部27aに当接する位置から後端部27bに当接する位置までの範囲に限り、前後方向に自由に傾動変位することができる。なお、本体部20のカバー部22に設けられた挿通穴22aの内径は、ガイド用脚部15がガイド溝27の前端部27aから後端部27bまで移動するのに伴うレバー部12の前後方向移動を許容し得る大きさに設定されている。
図3〜図5に示すように、筐体21の一側面部には、シフトレバー10の前後方向の変位量を検出する変位量センサ29が設けられている。具体的に、変位量センサ29は、シフトレバー10の前後方向の変位量として、シフトレバー10の球体部13から左右に突出する回転軸28の回転角を検出する。回転軸28は、レバー支持部23と筐体21の左右側壁との間に設けられた連結部24の内部を軸方向に延びるように設けられており、その一端部が変位量センサ29まで延びている。シフトレバー10が前後方向に傾動変位すると、その変位量に比例した角度だけ回転軸28が回転するとともに、その回転角度が変位量センサ29によって電気的に検出される。
(2)制御系統
図8は、第1実施形態のシフト装置1に関する制御系統を示すブロック図である。本図に示されるコントローラ60は、周知のCPU、RAM、ROM等を含むマイクロコンピュータからなるもので、請求項にいう「制御手段」に相当するものである。すなわち、コントローラ60は、シフト装置1の操作状態に応じて自動変速機50の変速動作を制御する等の機能を有している。なお、図8ではコントローラ60が一体のブロックとして表されているが、コントローラ60は、例えば車体側と自動変速機50側とにそれぞれ分割して設けられた複数のマイクロコンピュータから構成されるものであってもよい。
図8は、第1実施形態のシフト装置1に関する制御系統を示すブロック図である。本図に示されるコントローラ60は、周知のCPU、RAM、ROM等を含むマイクロコンピュータからなるもので、請求項にいう「制御手段」に相当するものである。すなわち、コントローラ60は、シフト装置1の操作状態に応じて自動変速機50の変速動作を制御する等の機能を有している。なお、図8ではコントローラ60が一体のブロックとして表されているが、コントローラ60は、例えば車体側と自動変速機50側とにそれぞれ分割して設けられた複数のマイクロコンピュータから構成されるものであってもよい。
コントローラ60は、上述したパーキングスイッチ8、変位量センサ29、プッシュボタン40、自動変速機50(より詳しくはその変速アクチュエータ50a)、インジケータ9、およびメータユニット3と電気的に接続されている。なお、自動変速機50の変速アクチュエータ50aとは、例えば、自動変速機50に内蔵されるクラッチやブレーキ等の摩擦締結要素の締結・解放を切り替えるソレノイドバルブ等のことである。
また、車両には、ブレーキペダルが踏み込み操作されているか否かを検出するためのブレーキセンサ(ブレーキスイッチ)42が設けられており、このブレーキセンサ42もコントローラ60と電気的に接続されている。
コントローラ60は、パーキングスイッチ8に内蔵された接点からの信号に応じてパーキングスイッチ8が押圧操作されたか否かを判定する。また、変位量センサ29からの信号に応じてシフトレバー10が前後方向のいずれに傾動操作されたか否かを判定するとともに、プッシュボタン40に内蔵された接点からの信号に応じてプッシュボタン40が押圧操作されたか否かを判定する。そして、このようにして判定されるシフト装置1の操作状態に基づいて、自動変速機50の変速レンジの切り替え制御や、インジケータ9およびメータユニット3の表示制御(現在の変速レンジを表示する制御)等を実行する。
また、コントローラ60は、いわゆるシフトロック機能を有する。すなわち、コントローラ60は、ブレーキセンサ42からの信号に基づいてブレーキペダルがオフ状態である(ブレーキペダルが踏み込まれていない)ことが確認された場合に、パーキングレンジから他のレンジへの切り替えを禁止する機能を有している。
さらに、この制御系統には、報知手段70が備えられている。報知手段70は、メータユニット3の表示部3aと振動付与手段80とを含み、それぞれコントローラ60と電気的に接続されている。
報知手段70は、ドライバーが無効なシフトレバー10の操作を行ったときに、コントローラ60からの指令を受けて、その操作が無効であることをドライバーに報知するものである。
表示部3aは、操作が無効である旨を示す文字または記号を液晶画面等にメッセージとして表示するものである(図12参照)。
振動付与手段80は、例えばシフトノブ11に内蔵されたバイブレータなどであり、上記表示部3aによる視覚を通じての操作無効の通知とともにシフトレバー10に振動を付与し、これによりドライバーが触覚を通じて異常の発生に気付くことを企図したものである。
(3)変速パターン
以上のようなコントローラ60の制御の下、第1実施形態では、シフト装置1のシフトパターンが、図9(a)〜(d)および図10のように設定されている。以下、各図の内容について詳しく説明する。
以上のようなコントローラ60の制御の下、第1実施形態では、シフト装置1のシフトパターンが、図9(a)〜(d)および図10のように設定されている。以下、各図の内容について詳しく説明する。
(パーキングレンジからのシフトパターン)
図9(a)は、現在の変速レンジがパーキングレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図において、中央に表記された「P」は、シフトレバー10がホーム位置に保持されているデフォルト状態でパーキングレンジが選択されていることを示している。また、この「P」の前方に表記された「N」は、シフトレバー10がホーム位置から前方に傾動操作されるとニュートラルレンジに切り替わることを示している。同様に、「P」の後方に表記された「N」は、シフトレバー10がホーム位置から後方に傾動操作されるとニュートラルレンジに切り替わることを示している。
図9(a)は、現在の変速レンジがパーキングレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図において、中央に表記された「P」は、シフトレバー10がホーム位置に保持されているデフォルト状態でパーキングレンジが選択されていることを示している。また、この「P」の前方に表記された「N」は、シフトレバー10がホーム位置から前方に傾動操作されるとニュートラルレンジに切り替わることを示している。同様に、「P」の後方に表記された「N」は、シフトレバー10がホーム位置から後方に傾動操作されるとニュートラルレンジに切り替わることを示している。
さらに、前方側の「N」の右側に白抜き矢印(button push)を挟んで表記された「R」は、シフトレバー10の前方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40が押圧操作されるとリバースレンジに切り替わることを示している。同様に、後方側の「N」の右側に白抜き矢印(button push)を挟んで表記された「D」は、シフトレバー10の後方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40が押圧操作されるとドライブレンジに切り替わることを示している。
以上をまとめると、現在の変速レンジがパーキングレンジであるときのシフトパターンは、図10において「現レンジ」=「P」の列にも示されるとおり、
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
のようになる。
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
のようになる。
なお、このようなシフトパターンにおいて、ドライブレンジに切り替えるためにシフトレバー10を「後方」に傾動操作することは、請求項にいう「第1方向」への変位操作に相当し、リバースレンジに切り替えるためにシフトレバー10を「前方」に傾動操作することは、請求項にいう「第2方向」への変位操作に相当する。
(リバースレンジからのシフトパターン)
図9(b)は、現在の変速レンジがリバースレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図において、中央の「R」の前方に表記された「空」と、さらにその右側に表記された「空」は、リバースレンジが選択されている状態でシフトレバー10がホーム位置から前方に傾動操作され、あるいは、その状態からさらにプッシュボタン40が押圧操作されても、それらの操作が無効とされることを示している。操作が無効である場合、現在の変速レンジ(ここではリバースレンジ)が維持された上で、例えばメータユニット3内の所定の表示部3aに、操作が無効である旨を報知するメッセージが表記される(図12参照)。
図9(b)は、現在の変速レンジがリバースレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図において、中央の「R」の前方に表記された「空」と、さらにその右側に表記された「空」は、リバースレンジが選択されている状態でシフトレバー10がホーム位置から前方に傾動操作され、あるいは、その状態からさらにプッシュボタン40が押圧操作されても、それらの操作が無効とされることを示している。操作が無効である場合、現在の変速レンジ(ここではリバースレンジ)が維持された上で、例えばメータユニット3内の所定の表示部3aに、操作が無効である旨を報知するメッセージが表記される(図12参照)。
逆に、リバースレンジが選択されている状態でシフトレバー10がホーム位置から後方に傾動操作された場合には、変速レンジがリバースレンジからニュートラルレンジに切り替えられる。さらに、シフトレバー10の後方への傾動操作に加えてプッシュボタン40の押圧操作が行われた場合には、変速レンジがドライブレンジに切り替えられる。
以上をまとめると、現在の変速レンジがリバースレンジであるときのシフトパターンは、図10において「現レンジ」=「R」の列にも示されるとおり、
・前方へのレバー操作 → 無効
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → 無効
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
のようになる。
・前方へのレバー操作 → 無効
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → 無効
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
のようになる。
(ニュートラルレンジからのシフトパターン)
図9(c)は、現在の変速レンジがニュートラルレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図によれば、現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から前方または後方に傾動操作されても、変速レンジはニュートラルレンジのまま変化しない。なお、操作自体が無効(空)とされているわけではないので、メータユニット3には特にメッセージは表示されない。一方、ニュートラルレンジからリバースまたはドライブレンジに切り替えるには、上述した図9(a)のパターン(パーキングレンジからのシフトパターン)と同様の操作が必要である。すなわち、リバースレンジに切り替えるには、シフトレバー10の前方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40の押圧操作を行う必要があり、ドライブレンジに切り替えるには、シフトレバー10の後方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40の押圧操作を行う必要がある。
図9(c)は、現在の変速レンジがニュートラルレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図によれば、現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から前方または後方に傾動操作されても、変速レンジはニュートラルレンジのまま変化しない。なお、操作自体が無効(空)とされているわけではないので、メータユニット3には特にメッセージは表示されない。一方、ニュートラルレンジからリバースまたはドライブレンジに切り替えるには、上述した図9(a)のパターン(パーキングレンジからのシフトパターン)と同様の操作が必要である。すなわち、リバースレンジに切り替えるには、シフトレバー10の前方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40の押圧操作を行う必要があり、ドライブレンジに切り替えるには、シフトレバー10の後方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40の押圧操作を行う必要がある。
以上をまとめると、現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときのシフトパターンは、図10において「現レンジ」=「N」の列にも示されるとおり、
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ(現状維持)
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ(現状維持)
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
のようになる。
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ(現状維持)
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ(現状維持)
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
のようになる。
(ドライブレンジからのシフトパターン)
図9(d)は、現在の変速レンジがドライブレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図によれば、現在の変速レンジがドライブレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から後方に傾動操作されたり、さらにその状態からプッシュボタン40が押圧操作されても、それらの操作は無効とされる。逆に、シフトレバー10が前方に傾動操作された場合には、変速レンジがドライブレンジからニュートラルレンジに切り替えられ、シフトレバー10の前方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40の押圧操作が行われた場合には、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。
図9(d)は、現在の変速レンジがドライブレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図によれば、現在の変速レンジがドライブレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から後方に傾動操作されたり、さらにその状態からプッシュボタン40が押圧操作されても、それらの操作は無効とされる。逆に、シフトレバー10が前方に傾動操作された場合には、変速レンジがドライブレンジからニュートラルレンジに切り替えられ、シフトレバー10の前方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40の押圧操作が行われた場合には、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。
以上をまとめると、現在の変速レンジがドライブレンジであるときのシフトパターンは、図10において「現レンジ」=「D」の列にも示されるとおり、
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → 無効
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → 無効
のようになる。
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → 無効
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → 無効
のようになる。
なお、図示を省略しているが、現在の変速レンジがいずれであるかにかかわらず、シフトレバー10をホーム位置に保持したままプッシュボタン40を押圧操作した場合、その押圧操作は無効とされる。
また、パーキングレンジ以外の変速レンジからパーキングレンジに切り替えたい場合には、シフトレバー10を用いずに、パーキングスイッチ8を押圧操作する。すなわち、現在の変速レンジがリバース、ニュートラル、ドライブのいずれかのレンジであるときにパーキングスイッチ8を押圧操作すると、それだけで変速レンジがパーキングレンジに切り替わる。
そして、以上のような図9(a)〜(d)に示すシフトパターンに従ったシフトレバー10の操作は、図2に示したパーキングスイッチ8の「P」という文字およびインジケータ9に表された「R」、「N」、「D」の文字盤の配列に全体として擬似的に一致するようになっている。
(走行レンジ切り替え時の判定ロジック)
ここで、走行レンジへの切り替えを許可するか否かの判定手順について具体的に説明する。なお、ここでいう走行レンジとは、駆動力が車輪に伝達される(車両の走行を許可する)変速レンジのことであり、第1実施形態ではドライブレンジおよびリバースレンジのいずれかのことである。逆に、非走行レンジとは、車輪への駆動力伝達が切断される変速レンジのことであり、第1実施形態ではパーキングレンジおよびニュートラルレンジのいずれかのことである。
ここで、走行レンジへの切り替えを許可するか否かの判定手順について具体的に説明する。なお、ここでいう走行レンジとは、駆動力が車輪に伝達される(車両の走行を許可する)変速レンジのことであり、第1実施形態ではドライブレンジおよびリバースレンジのいずれかのことである。逆に、非走行レンジとは、車輪への駆動力伝達が切断される変速レンジのことであり、第1実施形態ではパーキングレンジおよびニュートラルレンジのいずれかのことである。
上述したように、変速レンジを非走行レンジ(パーキングレンジまたはニュートラルレンジ)から走行レンジ(ドライブレンジまたはリバースレンジ)に切り替えるには、図9(a)または(c)に示したように、シフトレバー10を前方または後方に傾動操作した上でさらにプッシュボタン40を押圧操作することが必要である。このとき、コントローラ60は、ドライブまたはリバースレンジに切り替えてよいか否かの判定を、変位量センサ29から得られるシフトレバー10の変位量(前方または後方への回転角度)と、プッシュボタン40からの信号(ボタン押圧時に発せられる信号)の有無とに基づいて行う。すなわち、コントローラ60は、(i)シフトレバー10の後方への変位量がある値を超えていること、(ii)プッシュボタン40からの信号入力があること、の2つの要件がともに成立したときに、ドライブレンジへの切り替えを許可する。また、(iii)シフトレバー10の前方への変位量がある値を超えていること、(iv)プッシュボタン40からの信号入力があること、の2つの要件がともに成立したときには、リバースレンジへの切り替えを許可する。
図11は、シフトレバー10に関する上記要件(i)(iii)の成立をどのように判定するのかを説明するためのグラフである。本グラフにおいて、横軸はシフトレバー10の変位量を、縦軸は変位量センサ29の出力値をそれぞれ表している。なお、横軸については、ドライブレンジに切り替わる方向(D方向)にシフトレバー10が変位したときの変位量を中心(変位量=0)よりも右側に示し、リバースレンジに切り替わる方向(R方向)にシフトレバー10変位したときの変位量を中心よりも左側に示している。上述したように、第1実施形態では、ドライブレンジに切り替えたいときはシフトレバー10を後方に傾動操作し、リバースレンジに切り替えたいときはシフトレバー10を前方に傾動操作させるので、グラフ中のD方向とは後方のことであり、R方向とは前方のことである。また、図11では、シフトレバー10を限界まで(つまり図7(b)(c)のようにガイド用脚部15がガイド溝27の前後端部27a,27bに当接するまで)変位させた場合の変位量を「変位限界」として示している。変位限界は、後方(D方向)側でも前方(R方向)側でも同一とされている。
図11のグラフに特性線Xとして示すように、変位量センサ29の出力値は、シフトレバー10がホーム位置から前後方向に傾動変位するのに伴い比例的に変化する。具体的には、シフトレバー10がホーム位置にあるときのセンサ出力をγとすると、シフトレバー10が後方(D方向)に傾動操作されたときのセンサ出力は、後方への変位量に比例して増大し(γよりも大きくなり)、シフトレバー10が前方(R方向)に傾動操作されたときのセンサ出力は、前方への変位量に比例して減少する(γよりも小さくなる)。
図11のグラフにおいて、シフトレバー10の後方(D方向)への変位量T1と、前方(R方向)への変位量T2とは、それぞれ、上記要件(i)(iii)の成立を判定するための閾値である。以下では、T1を第1閾値、T2を第2閾値とする。
コントローラ60は、変位量センサ29の出力値が所定値αよりも大きくなると、シフトレバー10の後方への変位量が第1閾値T1を超えたことを認識し、そのことをもって、変速レンジをドライブレンジに切り替えるための上記要件(i)が成立したと判定する。そして、この要件(i)の成立に加えて、プッシュボタン40が押圧操作されて上記要件(ii)が成立した場合に、変速レンジをドライブレンジに切り替える。すなわち、第1閾値T1は、特許請求の範囲にいう「第1レンジ切替閾値」に相当する。
また、コントローラ60は、変位量センサ29の出力値が所定値βよりも小さくなると、シフトレバー10の前方への変位量が第2閾値T2を超えたことを認識し、そのことをもって、変速レンジをドライブレンジに切り替えるための上記要件(iii)が成立したと判定する。そして、この要件(iii)の成立に加えて、プッシュボタン40が押圧操作されて要件(iv)が成立した場合に、変速レンジをリバースレンジに切り替える。すなわち、第2閾値T2は、特許請求の範囲にいう「第2レンジ切替閾値」に相当する。
以上説明したことは、走行レンジ間での切り替え、つまり、リバースレンジからドライブレンジへの切り替えもしくはその逆のドライブレンジからリバースレンジへの切り替えを行うときでも同様である。例えば、変速レンジをリバースレンジからドライブレンジに切り替えるときにはシフトレバー10を後方に傾動操作し、変速レンジをドライブレンジからリバースレンジに切り替えるときにはシフトレバー10を前方に傾動操作するが(図9(b)(d)参照)、それぞれの場合に用いられるシフトレバー10の変位量の閾値としては、上述した第1閾値T1および第2閾値T2が共通して用いられる。
すなわち、現在の変速レンジがリバースレンジである場合(図9(b))は、シフトレバー10の後方への変位量が第1閾値T1を超えた状態でプッシュボタン40が押圧操作されたときに、変速レンジがリバースレンジからドライブレンジに切り替えられる。また、現在の変速レンジがドライブレンジである場合(図9(d))は、シフトレバー10の前方への変位量が第2閾値T2を超えた状態でプッシュボタン40が押圧操作されたときに、変速レンジがドライブレンジからリバースレンジに切り替えられる。
(操作無効報知時の判定ロジック)
次に、シフトレバー10の操作が無効であることを報知するか否かの判定手順について具体的に説明する。
次に、シフトレバー10の操作が無効であることを報知するか否かの判定手順について具体的に説明する。
上述したように、例えばリバースレンジが選択されている状態で(図9(b)参照)、シフトレバー10がホーム位置から前方に変位操作されたときは、その操作は無効であり、現在の変速レンジ(リバースレンジ)が維持されるから、ドライバーに今のシフト操作は無効であることを報知することが必要である(図12参照)。同様に、ドライブレンジが選択されている状態で(図9(d)参照)、シフトレバー10がホーム位置から後方に変位操作されたときも、その操作は無効であり、現在の変速レンジ(ドライブレンジ)が維持されるから、ドライバーに今のシフト操作は無効であることを報知することが必要である。
このとき、コントローラ60は、操作無効の報知をしてよいか否かの判定を、変位量センサ29から得られるシフトレバー10の前後の変位量(前方または後方への回転角度)に基づいて行う。すなわち、コントローラ60は、リバースレンジにおいて、(v)シフトレバー10の前方への変位量がある値を超えていること、という要件が成立したときに、操作無効の報知を許可する。また、コントローラ60は、ドライブレンジにおいて、(vi)シフトレバー10の後方への変位量がある値を超えていること、という要件が成立したときに、操作無効の報知を許可する。
ここで、図9(b)(d)に示すように、リバースレンジで変速レンジをドライブレンジに切り替える際のシフトレバー10の傾動操作の方向と、ドライブレンジで無効なシフトレバー10の傾動操作の方向とは、共に後方で一致している。また、ドライブレンジで変速レンジをリバースレンジに切り替える際のシフトレバー10の傾動操作の方向と、リバースレンジで無効なシフトレバー10の傾動操作の方向とは、共に前方で一致している。
図11のグラフにおいて、シフトレバー10の前方(R方向)への変位量T4と、後方(D方向)への変位量T3とは、それぞれ、上記要件(v)(vi)の成立を判定するための閾値である。以下では、T3を第3閾値、T4を第4閾値とする。
コントローラ60は、変位量センサ29の出力値が所定値δよりも大きくなると、シフトレバー10の後方への変位量が第3閾値T3を超えたことを認識し、そのことをもって、ドライブレンジで操作無効を報知するための上記要件(vi)が成立したと判定する。そして、図8に示した報知手段70、すなわち表示部3aおよび振動付与手段80を介して、ドライバーに今のシフト操作は無効であることや、変速レンジが変わっていない(今までのドライブレンジがそのまま維持されている)ことなどを通知しあるいは気付かせる。すなわち、第3閾値T3は、特許請求の範囲にいう「第2無効報知閾値」に相当する。
また、コントローラ60は、変位量センサ29の出力値が所定値εよりも小さくなると、シフトレバー10の前方への変位量が第4閾値T4を超えたことを認識し、そのことをもって、リバースレンジで操作無効を報知するための上記要件(v)が成立したと判定する。そして、図8に示した報知手段70、すなわち表示部3aおよび振動付与手段80を介して、ドライバーに今のシフト操作は無効であることや、変速レンジが変わっていない(今までのリバースレンジがそのまま維持されている)ことなどを通知しあるいは気付かせる。すなわち、第4閾値T4は、特許請求の範囲にいう「第1無効報知閾値」に相当する。
ここで、図11から明らかなように、リバースレンジでの操作無効の報知判定のための第4閾値T4は、リバースレンジからドライブレンジへの切り替え判定のための第1閾値T1よりも小さい値に設定されている(T4<T1)。同様に、ドライブレンジでの操作無効の報知判定のための第3閾値T3は、ドライブレンジからリバースレンジへの切り替え判定のための第2閾値T2よりも小さい値に設定されている(T3<T2)。
さらに、図11から明らかなように、リバースレンジでの操作無効の報知判定のための第4閾値T4およびドライブレンジでの操作無効の報知判定のための第3閾値T3は、リバースレンジからドライブレンジへの切り替え判定のための第1閾値T1およびドライブレンジからリバースレンジへの切り替え判定のための第2閾値T2のいずれよりも小さい同一の値に設定されている(T4=T3<T1,T2)。
(4)作用等
以上説明したように、第1実施形態にかかる車両用シフト装置1は、シフトレバー10と、シフトレバー10に設けられたプッシュボタン40と、シフトレバー10をホーム位置から後方および前方の2方向に変位可能に支持するとともに変位後のシフトレバー10をホーム位置に自動的に復帰させる本体部20と、シフトレバー10およびプッシュボタン40の操作に基づいて変速レンジを制御するコントローラ60とを備えている。
以上説明したように、第1実施形態にかかる車両用シフト装置1は、シフトレバー10と、シフトレバー10に設けられたプッシュボタン40と、シフトレバー10をホーム位置から後方および前方の2方向に変位可能に支持するとともに変位後のシフトレバー10をホーム位置に自動的に復帰させる本体部20と、シフトレバー10およびプッシュボタン40の操作に基づいて変速レンジを制御するコントローラ60とを備えている。
コントローラ60は、後退方向の走行レンジであるリバースレンジが選択されている状態で、シフトレバー10がホーム位置から後方(D方向)に変位操作されかつプッシュボタン40が操作されたときに変速レンジを前進方向の走行レンジであるドライブレンジに切り替えるとともに、シフトレバー10がホーム位置から前方(R方向)に変位操作されたときはリバースレンジを維持しかつその操作が無効であることを報知手段70(表示部3aおよび振動付与手段80)を作動させてドライバーに報知する。
また、ドライブレンジが選択されている状態で、シフトレバー10がホーム位置から前方に変位操作されかつプッシュボタン40が操作されたときに変速レンジをリバースレンジに切り替えるとともに、シフトレバー10がホーム位置から後方に変位操作されたときはドライブレンジを維持しかつその操作が無効であることを報知手段70を作動させてドライバーに報知する。
また、リバースレンジからドライブレンジへの切り替えを、ホーム位置から後方に変位操作されたシフトレバー10の変位量が予め定められた第1閾値T1を超えた状態でさらにプッシュボタン40が操作されたときに実行するとともに、リバースレンジが選択されているときの操作無効の報知を、ホーム位置から前方に変位操作されたシフトレバー10の変位量が第1閾値T1よりも小さい第4閾値T4を超えたときに実行する。
また、ドライブレンジからリバースレンジへの切り替えを、ホーム位置から前方に変位操作されたシフトレバー10の変位量が第2閾値T2を超えた状態でさらにプッシュボタン40が操作されたときに実行するとともに、ドライブレンジが選択されているときの操作無効の報知を、ホーム位置から後方に変位操作されたシフトレバー10の変位量が第2閾値T2よりも小さい第3閾値T3を超えたときに実行する。
本実施形態によれば、シフトレバー10がホーム位置から後方または前方に変位しても、それだけではドライブレンジまたはリバースレンジに切り替わらず、その状態からさらにプッシュボタン40が押圧された段階ではじめてドライブレンジまたはリバースレンジに切り替わるので、シフトレバー10に誤って手が触れるなどの誤操作があったとしても、ドライブレンジまたはリバースレンジが選択されないため、ドライバーの意に反して車両が発進するような事態が回避され、車両の安全性を十分に確保することができる。
また、変速レンジをドライブレンジまたはリバースレンジに切り替えたいときは、まずシフトレバー10を後方または前方に変位操作し、その上でプッシュボタン40を操作すればよいので、操作の初期段階にかかる負担が少なく済み、ドライブレンジまたはリバースレンジへの切り替え操作を素早くかつ簡便に行うことができる。すなわち、シフトレバー10よりもプッシュボタン40を先に操作させるシフトパターンを採用した場合と異なり、プッシュボタン40の操作を維持しながらシフトレバー10を操作する必要がないので、シフトレバー10をしっかり握ることなく比較的軽快な操作でシフトレバー10を動かすことができる。そして、このようにシフトレバー10を軽快に操作した後、最後にプッシュボタン40を操作すればドライブレンジまたはリバースレンジに切り替えることができるので、安全性を確保しながら優れた操作性を実現することができる。
一方、ドライブレンジを選択するときはシフトレバー10を後方に操作し、リバースレンジを選択するときはシフトレバー10を前方に操作するように設定されているので、ドライブレンジが選択されている状態でシフトレバー10を後方に操作することは無効な操作であり、変速レンジとしてはドライブレンジが維持され、一方、リバースレンジが選択されている状態でシフトレバー10を前方に操作することも無効な操作であり、変速レンジとしてはリバースレンジが維持される。
そして、そのような無効な操作が行われたときは、その操作が無効であることが報知手段70を介してドライバーに報知されるのであるが、その場合、リバースレンジからドライブレンジへの切り替えまたはドライブレンジからリバースレンジへの切り替えに際しては、後方または前方に変位操作されたシフトレバー10の変位量が第1閾値T1または第2閾値T2を超えることが要件の1つとされ、リバースレンジまたはドライブレンジが選択されているときの操作無効の報知に際しては、前方または後方に変位操作されたシフトレバー10の変位量が第4閾値T4または第3閾値T3を超えることが要件とされている。そして、第4閾値T4は第1閾値T1よりも小さい値に設定され、第3閾値T3は第2閾値T2よりも小さい値に設定されている。よって、上記のような無効な操作が行われたときは、比較的早い時期にその旨がドライバーに報知される。
以上により、本実施形態によれば、安全性を確保しながら素早くかつ簡便に走行レンジを選択することができ、さらには、無効な操作が行われたときは早期にその旨をドライバーに知らせることのできる車両用シフト装置1が提供される。
本実施形態においては、コントローラ60は、非走行レンジ(パーキングレンジまたはニュートラルレンジ)が選択されている状態で、シフトレバー10がホーム位置から後方に変位操作されかつプッシュボタン40が操作されたときに変速レンジをドライブレンジに切り替えるとともに、シフトレバー10がホーム位置から前方に変位操作されかつプッシュボタン40が操作されたときは変速レンジをリバースレンジに切り替え、非走行レンジからドライブレンジへの切り替えを、ホーム位置から後方に変位操作されたシフトレバー10の変位量が第1閾値T1を超えた状態でさらにプッシュボタン40が操作されたときに実行するとともに、非走行レンジからリバースレンジへの切り替えを、ホーム位置から前方に変位操作されたシフトレバー10の変位量が第2閾値T2を超えた状態でさらにプッシュボタン40が操作されたときに実行する。
この構成によれば、非走行レンジが選択されている状態で、ドライブレンジを選択するときはシフトレバー10を後方に操作し、リバースレンジを選択するときはシフトレバー10を前方に操作するように設定されており、その場合、非走行レンジからドライブレンジまたはリバースレンジへの切り替えに際しては、後方または前方に変位操作されたシフトレバー10の変位量が第1閾値T1または第2閾値T2を超えることが要件の1つとされている。そのため、非走行レンジからドライブレンジに切り替えるときと、リバースレンジからドライブレンジに切り替えるときとで、相互に同じタイミング(シフトレバー10の変位量が共通の第1閾値T1を超えるタイミング)でプッシュボタン40を操作することができる。同様に、非走行レンジからリバースレンジに切り替えるときと、ドライブレンジからリバースレンジに切り替えるときとで、相互に同じタイミング(シフトレバー10の変位量が共通の第2閾値T2を超えるタイミング)でプッシュボタン40を操作することができる。これにより、レンジ切り替え時の操作性が向上する。
本実施形態においては、上記報知手段70は、操作が無効である旨を示す文字または記号を表示する表示手段3aおよびシフトレバー10に振動を付与する振動付与手段80を含む。
この構成によれば、ドライバーに視覚や触覚を通じて操作の無効を通知しまたは気付かせることができる。
本実施形態においては、第4閾値T4および第3閾値T3は、第1閾値T1および第2閾値T2のいずれよりも小さい同一の値に設定されている。
この構成によれば、第4閾値T4および第3閾値T3が第1閾値T1および第2閾値T2のいずれよりも小さく、かつ相互に同じ値であるから、ドライバーが無効な方向にシフトレバー10を操作した場合、シフトレバー10をホーム位置から後方または前方に同じ変位量で変位操作したときに、操作無効の報知が行われる。そのため、ドライバーがシフトレバー10を後方に操作したときも前方に操作したときも操作無効の報知が同じタイミングで起きるので、ドライバーに違和感を与えることが避けられる。
<第2実施形態>
図13に示すように、報知手段70の表示部3aに代えて、音声発生部3bを採用してもよい。音声発生部3bは、操作が無効である旨を示す音声をスピーカ等からメッセージとして発生するものである。図12に示すように、音声発生部3bは、メータユニット3に配設されている。表示部3aと音声発生部3bとを併せて採用することもできる。
図13に示すように、報知手段70の表示部3aに代えて、音声発生部3bを採用してもよい。音声発生部3bは、操作が無効である旨を示す音声をスピーカ等からメッセージとして発生するものである。図12に示すように、音声発生部3bは、メータユニット3に配設されている。表示部3aと音声発生部3bとを併せて採用することもできる。
<第3実施形態>
図14〜図22は、本発明の第3実施形態にかかるシフト装置100の機械的または電気的構成を示す図である。先の第1実施形態のシフト装置1は、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、およびドライブレンジの4種類の間で変速レンジを切り替るものであったが、第4実施形態のシフト装置100は、これら4種類のレンジに加えて、マニュアルレンジへの切り替えをも可能としたものである。マニュアルレンジは、車両を前進させる方向に駆動力を伝達する変速レンジであり、その意味ではドライブレンジと同じである。ただし、マニュアルレンジの場合は、ドライブレンジにはない特有の機能として、シフトレバー10を用いて前進時のギヤ段を故意に切り替える操作が可能になる。例えば、自動変速機50のギヤ段が前進6段である場合には、1〜6速の間でギヤ段を順に増やすアップシフトや、ギヤ段を順に減らすダウンシフトの操作が可能になる。
図14〜図22は、本発明の第3実施形態にかかるシフト装置100の機械的または電気的構成を示す図である。先の第1実施形態のシフト装置1は、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、およびドライブレンジの4種類の間で変速レンジを切り替るものであったが、第4実施形態のシフト装置100は、これら4種類のレンジに加えて、マニュアルレンジへの切り替えをも可能としたものである。マニュアルレンジは、車両を前進させる方向に駆動力を伝達する変速レンジであり、その意味ではドライブレンジと同じである。ただし、マニュアルレンジの場合は、ドライブレンジにはない特有の機能として、シフトレバー10を用いて前進時のギヤ段を故意に切り替える操作が可能になる。例えば、自動変速機50のギヤ段が前進6段である場合には、1〜6速の間でギヤ段を順に増やすアップシフトや、ギヤ段を順に減らすダウンシフトの操作が可能になる。
上記のようにマニュアルレンジが追加されたことに伴い、第3実施形態のインジケータ109(図14)には、第1実施形態のインジケータ9(図2)と異なり、リバースレンジを表す「R」、ニュートラルレンジを表す「N」、ドライブレンジを表す「D」の文字盤に加えて、マニュアルレンジを表す「M」の文字盤が設けられている。
また、第3実施形態では、メイン操作部107の構造についても第1実施形態のものとは異なっている。具体的に、第3実施形態のメイン操作部107では、ドライブレンジからマニュアルレンジへの切り替えまたはその逆方向の切り替えを可能にするため、シフトレバー10が前後方向だけでなく左右方向にも傾動可能に支持されている。この点を除いては、基本的に先の第1実施形態のメイン操作部7と同様であるから、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第3実施形態のメイン操作部107は、第1実施形態のメイン操作部7と同様に、シフトレバー10と、シフトレバー10を傾動可能に支持する本体部20とを有している。ただし、第1実施形態とは異なる点として、第4実施形態のシフトレバー10は、シフトノブ11、レバー部12、球体部13、ディテント用脚部14、およびガイド用脚部15に加えて、揺動子91を有している。揺動子91は、球体部13から一旦下方に延びた後に屈曲して前方に延びるように設けられている。
また、第3実施形態の本体部20には、ガイド用脚部15が嵌合するガイド溝97を有したガイド部材96が設けられている。このガイド溝97は、第1実施形態のガイド溝27と異なり、平面視十字状に形成されている。
具体的に、ガイド溝97は、前後方向に延びる第1溝部97Aと、左右方向に延びて第1溝部97Aと交差する第2溝部97Bとを有している。このような十字形状のガイド溝97にガイド用脚部15が摺動自在に嵌合することにより、シフトレバー10は、前後方向および左右方向にそれぞれ傾動可能に支持されている。
図18(a)は、シフトレバー10がホーム位置にあるときの状態を示している。シフトレバー10がホーム位置にあるとき、つまり、付勢部14aが球状受け面25aの中心部にあってシフトレバー10が鉛直方向に起立しているとき、ガイド用脚部15の先端部は、ガイド溝97の中央部、つまり第1溝部97Aと第2溝部97Bとの交差部分に配置される。
この状態から、図18(b)のようにシフトレバー10が前方に傾動変位すると、ガイド用脚部15の先端部が第1溝部97Aに沿って後方に移動する。また、図18(c)のようにシフトレバー10が後方に傾動変位すると、ガイド用脚部15の先端部が第1溝部97Aに沿って前方に移動する。そして、ガイド用脚部15が第1溝部97Aの後端部97Abに当接した時点で、シフトレバー10はそれ以上前方に変位することができなくなり、ガイド用脚部15が第1溝部97Aの前端部97Aaに当接した時点で、シフトレバー10はそれ以上後方に変位することができなくなる。言い換えると、シフトレバー10は、ガイド用脚部15が第1溝部97Aの前端部97Aaに当接する位置から後端部97Abに当接する位置までの範囲に限り、前後方向に自由に傾動変位することができる。
図19(a)は、図18(a)と同じくシフトレバー10がホーム位置にある状態を示している。この状態から、図19(b)のようにシフトレバー10が左方に傾動変位すると、ガイド用脚部15の先端部が第2溝部97Bに沿って右方に移動する。また、図19(c)のようにシフトレバー10が右方に傾動変位すると、ガイド用脚部15の先端部が第2溝部97Bに沿って左方に移動する。そして、ガイド用脚部15が第2溝部97Bの右端部97Bbに当接した時点で、シフトレバー10はそれ以上左方に変位することができなくなり、ガイド用脚部15が第2溝部97Bの左端部97Baに当接した時点で、シフトレバー10はそれ以上右方に変位することができなくなる。言い換えると、シフトレバー10は、ガイド用脚部15が第2溝部97Bの左端部97Baに当接する位置から右端部97Bbに当接する位置までの範囲に限り、左右方向に自由に傾動変位することができる。
図15および図16に示すように、本体部20の内部には、シフトレバー10の左右方向の変位量を検出する左右変位量センサ92が設けられている。具体的に、左右変位量センサ92は、シフトレバー10の左右方向の変位量として、筐体21の前壁部21cの内面に枢着された揺動部材93の揺動量を検出する。揺動部材93は、上下方向に長尺な板状部材からなり、その下部が揺動軸94を介して筐体21の前壁部21cに枢着されることにより、揺動軸94を中心にして左右方向に揺動可能に支持されている。揺動部材93の上下方向の中間部には、上下方向に長尺な長穴93aが形成されており、この長穴93aにはシフトレバー10の揺動子91の端部が挿入されている。このように長穴93aに挿入された揺動子91は、シフトレバー10が左右方向に傾動するのに伴い揺動部材93を逆方向に押動し、これに伴い左右方向に揺動する揺動部材93の上端部の揺動量が、左右変位量センサ92によって検出されるようになっている。
図20のブロック図に示すように、左右変位量センサ92はコントローラ60と電気的に接続されている。コントローラ60には、左右変位量センサ92により検出された揺動部材93の揺動量(つまりシフトレバー10の左右方向の変位量)が電気信号として入力される。なお、図20に示される前後変位量センサ29は、先の第1実施形態の変位量センサ29と同じものであり、シフトレバー10の前後方向の変位量として、回転軸28(図16)の回転角を検出するものである。
コントローラ60は、前後変位量センサ29および左右変位量センサ92から入力される回転角および揺動量の検出信号に基づいてシフトレバー10の操作状態(ホーム位置から前後左右のいずれの方向に操作されたか)を判定するとともに、プッシュボタン40の接点から入力される信号の有無に基づいて、プッシュボタン40が押圧操作されたか否かを判定する。そして、それぞれの判定結果に基づいて、自動変速機50の変速レンジ(またはギヤ段)を制御する。以下では、その変速制御のパターンを、図21(a)〜(e)および図22を用いて説明する。
(パーキングレンジからのシフトパターン)
図21(a)は、現在の変速レンジがパーキングレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図に示すように、現在の変速レンジがパーキングレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から前方または後方に傾動操作されると、変速レンジがニュートラルレンジに切り替わる。また、シフトレバー10の後方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40が押圧操作されると、変速レンジがドライブレンジに切り替わり、シフトレバー10の前方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40が押圧操作されると、変速レンジがリバースレンジに切り替わる。
図21(a)は、現在の変速レンジがパーキングレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図に示すように、現在の変速レンジがパーキングレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から前方または後方に傾動操作されると、変速レンジがニュートラルレンジに切り替わる。また、シフトレバー10の後方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40が押圧操作されると、変速レンジがドライブレンジに切り替わり、シフトレバー10の前方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40が押圧操作されると、変速レンジがリバースレンジに切り替わる。
一方、現在の変速レンジがパーキングレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から左方または右方に傾動操作されると、その操作は無効とされる。つまり、現在の変速段(ここではパーキングレンジ)が維持された上で、例えばメータユニット3内の所定の表示部3aに、操作が無効である旨を報知するメッセージが表記される。
以上をまとめると、現在の変速レンジがパーキングレンジであるときのシフトパターンは、図22において「現レンジ」=「P」の列にも示されるとおり、
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
・左方へのレバー操作 → 無効
・右方へのレバー操作 → 無効
のようになる。
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
・左方へのレバー操作 → 無効
・右方へのレバー操作 → 無効
のようになる。
(リバースレンジからのシフトパターン)
図21(b)は、現在の変速レンジがリバースレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図に示すように、現在の変速レンジがリバースレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から前方に傾動操作され、あるいは、その状態からさらにプッシュボタン40が押圧操作されても、それらの操作は無効とされる。逆に、シフトレバー10がホーム位置から後方に傾動操作された場合には、変速レンジがリバースレンジからニュートラルレンジに切り替えられ、さらに、シフトレバー10の後方への傾動操作に加えてプッシュボタン40の押圧操作が行われた場合には、変速レンジがドライブレンジに切り替えられる。また、シフトレバー10がホーム位置から左方または右方に傾動操作された場合には、それらの操作は無効とされる。
図21(b)は、現在の変速レンジがリバースレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図に示すように、現在の変速レンジがリバースレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から前方に傾動操作され、あるいは、その状態からさらにプッシュボタン40が押圧操作されても、それらの操作は無効とされる。逆に、シフトレバー10がホーム位置から後方に傾動操作された場合には、変速レンジがリバースレンジからニュートラルレンジに切り替えられ、さらに、シフトレバー10の後方への傾動操作に加えてプッシュボタン40の押圧操作が行われた場合には、変速レンジがドライブレンジに切り替えられる。また、シフトレバー10がホーム位置から左方または右方に傾動操作された場合には、それらの操作は無効とされる。
以上をまとめると、現在の変速レンジがリバースレンジであるときのシフトパターンは、図22において「現レンジ」=「R」の列にも示されるとおり、
・前方へのレバー操作 → 無効
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → 無効
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
・左方へのレバー操作 → 無効
・右方へのレバー操作 → 無効
のようになる。
・前方へのレバー操作 → 無効
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → 無効
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
・左方へのレバー操作 → 無効
・右方へのレバー操作 → 無効
のようになる。
(ニュートラルレンジからのシフトパターン)
図21(c)は、現在の変速レンジがニュートラルレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図に示すように、現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から前方または後方に傾動操作されても、変速レンジはニュートラルレンジのまま変化しない。シフトレバー10の後方への傾動操作に加えてプッシュボタン40の押圧操作が行われた場合には、変速レンジがドライブレンジに切り替えられ、シフトレバー10の前方への傾動操作に加えてプッシュボタン40の押圧操作が行われた場合には、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。また、シフトレバー10がホーム位置から左方または右方に傾動操作された場合には、それらの操作は無効とされる。
図21(c)は、現在の変速レンジがニュートラルレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図に示すように、現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から前方または後方に傾動操作されても、変速レンジはニュートラルレンジのまま変化しない。シフトレバー10の後方への傾動操作に加えてプッシュボタン40の押圧操作が行われた場合には、変速レンジがドライブレンジに切り替えられ、シフトレバー10の前方への傾動操作に加えてプッシュボタン40の押圧操作が行われた場合には、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。また、シフトレバー10がホーム位置から左方または右方に傾動操作された場合には、それらの操作は無効とされる。
以上をまとめると、現在の変速レンジがニュートラルレンジであるときのシフトパターンは、図22において「現レンジ」=「N」の列にも示されるとおり、
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ(現状維持)
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ(現状維持)
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
・左方へのレバー操作 → 無効
・右方へのレバー操作 → 無効
のようになる。
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ(現状維持)
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ(現状維持)
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ドライブレンジ
・左方へのレバー操作 → 無効
・右方へのレバー操作 → 無効
のようになる。
(ドライブレンジからのシフトパターン)
図21(d)は、現在の変速レンジがドライブレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図に示すように、現在の変速レンジがドライブレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から後方に傾動操作され、あるいは、その状態からさらにプッシュボタン40が押圧操作されても、それらの操作は無効とされる。逆に、シフトレバー10がホーム位置から前方に傾動操作された場合には、変速レンジがリバースレンジからニュートラルレンジに切り替えられ、さらに、シフトレバー10の後方への傾動操作に加えてプッシュボタン40の押圧操作が行われた場合には、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。
図21(d)は、現在の変速レンジがドライブレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図に示すように、現在の変速レンジがドライブレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から後方に傾動操作され、あるいは、その状態からさらにプッシュボタン40が押圧操作されても、それらの操作は無効とされる。逆に、シフトレバー10がホーム位置から前方に傾動操作された場合には、変速レンジがリバースレンジからニュートラルレンジに切り替えられ、さらに、シフトレバー10の後方への傾動操作に加えてプッシュボタン40の押圧操作が行われた場合には、変速レンジがリバースレンジに切り替えられる。
シフトレバー10がホーム位置から左方に傾動操作された場合には、変速レンジがドライブレンジからマニュアルレンジに切り替えられる。これに対し、シフトレバー10がホーム位置から右方に傾動操作された場合には、その操作は無効とされる。
以上をまとめると、現在の変速レンジがドライブレンジであるときのシフトパターンは、図22において「現レンジ」=「D」の列にも示されるとおり、
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → 無効
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → 無効
・左方へのレバー操作 → マニュアルレンジ
・右方へのレバー操作 → 無効
のようになる。
・前方へのレバー操作 → ニュートラルレンジ
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → リバースレンジ
・後方へのレバー操作 → 無効
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → 無効
・左方へのレバー操作 → マニュアルレンジ
・右方へのレバー操作 → 無効
のようになる。
(マニュアルレンジからのシフトパターン)
図21(e)は、現在の変速レンジがマニュアルレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図に示すように、現在の変速レンジがマニュアルレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から後方に傾動操作された場合には、ギヤ段を1つ上げるアップシフトが実行される。これに対し、シフトレバー10がホーム位置から前方に傾動操作された場合には、ギヤ段を1つ下げるダウンシフトが実行される。なお、シフトレバー10の前方または後方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40が押圧操作された場合、プッシュボタン40の押圧操作については無効とされる(レバー操作は無効でないので、アップシフトまたはダウンシフトは実行される)。
図21(e)は、現在の変速レンジがマニュアルレンジである状態から変速操作を開始した場合のシフトパターンを示している。本図に示すように、現在の変速レンジがマニュアルレンジであるときにシフトレバー10がホーム位置から後方に傾動操作された場合には、ギヤ段を1つ上げるアップシフトが実行される。これに対し、シフトレバー10がホーム位置から前方に傾動操作された場合には、ギヤ段を1つ下げるダウンシフトが実行される。なお、シフトレバー10の前方または後方への傾動操作の後さらにプッシュボタン40が押圧操作された場合、プッシュボタン40の押圧操作については無効とされる(レバー操作は無効でないので、アップシフトまたはダウンシフトは実行される)。
シフトレバー10がホーム位置から右方に傾動操作された場合には、変速レンジがマニュアルレンジからドライブレンジに切り替えられる。これに対し、シフトレバー10がホーム位置から左方に傾動操作された場合には、その操作は無効とされる。
以上をまとめると、現在の変速レンジがドライブレンジであるときのシフトパターンは、図22において「現レンジ」=「M」の列にも示されるとおり、
・前方へのレバー操作 → ダウンシフト
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ダウンシフト(ボタンプッシュ無効)
・後方へのレバー操作 → アップシフト
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → アップシフト(ボタンプッシュ無効)
・左方へのレバー操作 → 無効
・右方へのレバー操作 → ドライブレンジ
のようになる。
・前方へのレバー操作 → ダウンシフト
・前方へのレバー操作&ボタンプッシュ → ダウンシフト(ボタンプッシュ無効)
・後方へのレバー操作 → アップシフト
・後方へのレバー操作&ボタンプッシュ → アップシフト(ボタンプッシュ無効)
・左方へのレバー操作 → 無効
・右方へのレバー操作 → ドライブレンジ
のようになる。
なお、図示を省略しているが、現在の変速レンジがいずれであるかにかかわらず、シフトレバー10をホーム位置に保持したままプッシュボタン40を押圧操作した場合、その押圧操作は無効とされる。
また、現在の変速レンジがいずれであるかにかかわらず、シフトレバー10をホーム位置から左方または右方に傾動操作した後さらにプッシュボタン40を押圧操作した場合、プッシュボタン40の押圧操作については無効とされる。
(走行レンジ切り替え時の判定ロジック)
上述した変速パターンのうち、マニュアルレンジ以外のレンジからドライブレンジまたはリバースレンジに切り替えるケース(図21(a)〜(d)参照)において、その切り替えを実行するか否かの判定は、先の第1実施形態と同様、前後変位量センサ29から得られるシフトレバー10の変位量(前方または後方への回転角度)と、プッシュボタン40からの信号(ボタン押圧時に発せられる信号)の有無とに基づいて行われる。すなわち、ホーム位置から後方に傾動操作されたシフトレバー10の変位量が第1閾値T1(図11)を超えた状態でさらにプッシュボタン40が押圧操作されたことがコントローラ60により認識された時点で、走行レンジがドライブレンジに切り替えられる。また、ホーム位置から前方に傾動操作されたシフトレバー10の変位量が第2閾値T2(図11)を超えた状態でさらにプッシュボタン40が押圧操作されたことがコントローラ60により認識された時点で、走行レンジがリバースレンジに切り替えられる。この場合において、リバースレンジへの切り替え時に用いられる第2閾値T2は、ドライブレンジへの切り替え時に用いられる第1閾値T1よりも大きく設定されている。
上述した変速パターンのうち、マニュアルレンジ以外のレンジからドライブレンジまたはリバースレンジに切り替えるケース(図21(a)〜(d)参照)において、その切り替えを実行するか否かの判定は、先の第1実施形態と同様、前後変位量センサ29から得られるシフトレバー10の変位量(前方または後方への回転角度)と、プッシュボタン40からの信号(ボタン押圧時に発せられる信号)の有無とに基づいて行われる。すなわち、ホーム位置から後方に傾動操作されたシフトレバー10の変位量が第1閾値T1(図11)を超えた状態でさらにプッシュボタン40が押圧操作されたことがコントローラ60により認識された時点で、走行レンジがドライブレンジに切り替えられる。また、ホーム位置から前方に傾動操作されたシフトレバー10の変位量が第2閾値T2(図11)を超えた状態でさらにプッシュボタン40が押圧操作されたことがコントローラ60により認識された時点で、走行レンジがリバースレンジに切り替えられる。この場合において、リバースレンジへの切り替え時に用いられる第2閾値T2は、ドライブレンジへの切り替え時に用いられる第1閾値T1よりも大きく設定されている。
以上のような第3実施形態によれば、第1実施形態のときと同様、安全性を確保しながら素早くかつ簡便に走行レンジを選択することができ、さらには、無効な操作が行われたときは早期にその旨をドライバーに知らせることのできる等の利点がある。
<第4実施形態>
以上説明した第1〜第3実施形態では、請求項にいう「操作部材」として前後2方向(もしくは前後左右の4方向に)傾動操作されるシフトレバー10を採用したが、操作部材は少なくとも特定の2方向に変位可能であればよく、その具体的構成は適宜変更可能である。その一例を第4実施形態として説明する。
以上説明した第1〜第3実施形態では、請求項にいう「操作部材」として前後2方向(もしくは前後左右の4方向に)傾動操作されるシフトレバー10を採用したが、操作部材は少なくとも特定の2方向に変位可能であればよく、その具体的構成は適宜変更可能である。その一例を第4実施形態として説明する。
第4実施形態のシフト装置200は、図23〜図25に示すように、スライド操作部材210と、スライド操作部材210を前後方向にスライド自在に支持する本体部220とを有している。
スライド操作部材210は、請求項にいう「操作部材」に相当するものであり、特に図25に示すように、パソコンで用いられるマウスに似た形状の把持部211と、上端部が支軸219を介して把持部211に枢支された角柱状のレバー部212と、レバー部212の下端に設けられた球体部213と、球体部213から下方に延びるディテント用脚部214とを有している。
把持部211の前部上面には、プッシュ式のボタンスイッチからなるプッシュボタン240が設けられている。
ディテント用脚部214は、脚本体214bと、図略の圧縮スプリングにより押圧された状態で脚本体214の先端から突設された付勢部214aとを有している。
本体部220は、箱状の筐体221と、筐体221の上面の開口を覆うように取り付けられたカバー部222とを有している。カバー部222には、スライド操作部材210のレバー部212が摺動可能に挿入されるスリット222aが形成されている。
筐体221の内部には、スライド操作部210の球体部213を包み込んで支持する支持部223が、前後の連結部224を介して架設されている。また、筐体221の下壁221aの上面には、凹球面状の球状受け面225aを有した誘導部材225が設けられている。そして、この誘導部材225の球状受け面225aに上記ディテント用脚部214の付勢部214aが押し付けられることにより、スライド操作部材210を所定のホーム位置(図25の状態)に自動的に復帰させるためのディテント機構230が構成されている。
以上のような本体部220に支持されたスライド操作部材210は、ドライバーから把持部211に加えられる操作力を受けて変位する。ただし、その変位方向は、カバー部222に設けられたスリット222aの延設方向、つまり前後方向のみに規制される。
ドライバーからの操作力に応じて把持部211がカバー部222の上面を前後方向にスライド移動すると、レバー部212が支軸219を中心に前後方向に傾くように傾動し、スリット222aの内部を前後方向に摺動する。つまり、スライド操作部材210は、レバー部212がスリット222aの前縁に当接する位置からスリット222aの後縁に当接する位置までの範囲に限り、前後方向に変位することができる。
上記のようなスライド操作部材210の変位操作後、把持部211に対する操作力が解除された場合、スライド操作部材210は、ホーム位置、つまり、レバー部212がスリット222aの中央に配置されかつ付勢部214aが球状受け面225aの中心部に配置される図25の状態に自動的に復帰させられる。
把持部211の裏面には、把持部211の前後方向の移動量を検出する変位量センサ229(図24)が設けられている。この変位量センサ229は、パソコン用の光学式マウスに用いられているのと同じもので、カバー部222の上面に光を照射するLED等の光源とその光源の照射面のイメージを読み取る撮像素子とを備えた光センサである。
以上のような第4実施形態のシフト装置200は、先の第1実施形態のコントローラ60と同様のコントローラ(図示省略)を有している。コントローラは、変位量センサ229による検出信号と、プッシュボタン240に内蔵された接点からの信号とを受け付け、それらの信号に基づいて自動変速機の変速レンジを制御する。この場合のシフトパターンとしては、先の第1実施形態と同様のパターン(図9、図10)が採用される。
例えば、パーキング、リバース、ニュートラルのいずれかのレンジからドライブレンジに切り替えるには、スライド操作部材210の把持部211を後方にスライド操作した上で、プッシュボタン240を押圧操作する(図9(a)(b)(c))。また、パーキング、ニュートラル、ドライブのいずれかのレンジからリバースレンジに切り替えるには、スライド操作部材210の把持部211を前方にスライド操作した上で、プッシュボタン240を押圧操作する(図9(a)(b)(d))。
上記のようなドライブレンジまたはリバースレンジへの切り替え時にプッシュボタン240の押圧操作が受け付けられるには、スライド操作部材210の把持部211の前後方向の変位量が所定の閾値を超える必要がある。第4実施形態においても、この場合の閾値の設定の仕方は、先の第1実施形態と同様である。すなわち、リバースレンジでの操作無効の報知判定のための第4閾値T4は、リバースレンジからドライブレンジへの切り替え判定のための第1閾値T1よりも小さい値に設定されている(T4<T1)。同様に、ドライブレンジでの操作無効の報知判定のための第3閾値T3は、ドライブレンジからリバースレンジへの切り替え判定のための第2閾値T2よりも小さい値に設定されている(T3<T2)(図11参照)。
以上のような第4実施形態によれば、第1実施形態のときと同様、安全性を確保しながら素早くかつ簡便に走行レンジを選択することができ、さらには、無効な操作が行われたときは早期にその旨をドライバーに知らせることのできる等の利点がある。
<その他の変形例>
上述した第1〜第4実施形態では、シフトレバー10(請求項にいう「操作部材」に相当)を前後2方向に傾動可能、もしくは前後左右の4方向に傾動可能としたが、例えば、前後方向と左右いずれか一方との合計3方向に傾動可能としてもよい。この場合は、ドライブレンジが選択されている状態で左右いずれか一方にシフトレバー10が傾動操作されるとマニュアルレンジに切り替わり、その状態で再び上記一方の方向にシフトレバー10が傾動操作されるとドライブレンジに切り替わるというようなシフトパターンを採用することができる。ただし、シフトレバー10は少なくとも特定の2方向に変位可能であればよいので、2つ以上のいくつの方向に変位可能とするか、あるいは変位する方向をどの方向(前後、左右、斜め)に向けるかは、適宜変更することが可能である。このことは、操作部材としてスライド操作部材210を用いる第4実施形態でも同様である。
上述した第1〜第4実施形態では、シフトレバー10(請求項にいう「操作部材」に相当)を前後2方向に傾動可能、もしくは前後左右の4方向に傾動可能としたが、例えば、前後方向と左右いずれか一方との合計3方向に傾動可能としてもよい。この場合は、ドライブレンジが選択されている状態で左右いずれか一方にシフトレバー10が傾動操作されるとマニュアルレンジに切り替わり、その状態で再び上記一方の方向にシフトレバー10が傾動操作されるとドライブレンジに切り替わるというようなシフトパターンを採用することができる。ただし、シフトレバー10は少なくとも特定の2方向に変位可能であればよいので、2つ以上のいくつの方向に変位可能とするか、あるいは変位する方向をどの方向(前後、左右、斜め)に向けるかは、適宜変更することが可能である。このことは、操作部材としてスライド操作部材210を用いる第4実施形態でも同様である。
また、上記各実施形態では、請求項にいう「スイッチ部」としてプッシュ式のボタンスイッチ(プッシュボタン40または240)を採用したが、スイッチ部の具体例はこれに限られず、例えばトグルスイッチを採用してもよい。さらには、シフトノブ11あるいは把持部211に感圧センサを設けておき、所定圧力以上の入力にてスイッチ部操作があったと判定するようにしてもよい。
図11に符号T2’で示すように、リバースレンジ切り替え用の第2閾値の値をドライブレンジ切り替え用の第1閾値T1の値よりも大きくしてもよい(T2’>T1)。これにより、車両を後退させるリバースレンジへの切り替え時に、操作部材をより大きく操作することがドライバーに求められる。そのため、車両を後退させようとするドライバーに対しより慎重な操作を促すことができるので、安全性をより高めることができる。この場合、T3,T4<T1<T2’に設定される。
報知手段70は、表示部3a、音声発生部3b、振動付与手段80のうちの1つのみ含んでもよい。
変位操作された操作部材に関する物理量として、操作距離つまり変位量に代えて、または操作距離とともに、操作力を採用することもできる。これにより、操作部材を変位操作するときの操作部材の移動距離(ストローク)や操作力が上記閾値を超えたか否かにより、変速レンジへの切り替えや、操作無効の報知が実行される。操作部材の操作力を検出する手段としては、例えば、図6に示すガイド溝27の前端部27aおよび後端部27bに圧力センサを設け、この圧力センサでガイド用脚部15がガイド溝27の前端部27aおよび後端部27bを押圧する力を検出すること等が提案される。
また、上記各実施形態のシフト装置は、エンジン(内燃機関)と車輪との間に介設された多段式の自動変速機50の変速レンジを切り替え操作するものであったが、本発明が適用可能な変速機は、多段式の自動変速機に限られず、例えば無段変速機(CVT)であってもよい。さらには、電気自動車に用いられる変速機のように、前進/後退を電気的に切り替えるものにも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態は、いわゆる左ハンドル車についてのものであったが(図1参照)、右ハンドル車に本発明を適用することももちろん可能である。その場合、例えば、図10(a)〜(e)に示したシフトパターン等は、車両前後方向について左右逆に配置することが好ましい。
1,200 シフト装置
3a 表示部
3b 音声発生部
10 シフトレバー(操作部材)
20,220 本体部
40,240 プッシュボタン(スイッチ部)
60 コントローラ(制御手段)
70 報知手段
80 振動付与手段
210 スライド操作部材(操作部材)
T1 第1閾値(第1レンジ切替閾値)
T2 第2閾値(第2レンジ切替閾値)
T3 第3閾値(第2無効報知閾値)
T4 第4閾値(第1無効報知閾値)
3a 表示部
3b 音声発生部
10 シフトレバー(操作部材)
20,220 本体部
40,240 プッシュボタン(スイッチ部)
60 コントローラ(制御手段)
70 報知手段
80 振動付与手段
210 スライド操作部材(操作部材)
T1 第1閾値(第1レンジ切替閾値)
T2 第2閾値(第2レンジ切替閾値)
T3 第3閾値(第2無効報知閾値)
T4 第4閾値(第1無効報知閾値)
Claims (5)
- 操作部材と、操作部材に設けられたスイッチ部と、上記操作部材を第1方向および第2方向の少なくとも2方向に変位可能に支持するとともに変位後の操作部材を所定のホーム位置に自動的に復帰させる本体部と、上記操作部材およびスイッチ部の操作に基づいて変速レンジを制御する制御手段とを備えた車両用シフト装置であって、
上記制御手段は、
後退方向の走行レンジであるリバースレンジが選択されている状態で、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作されかつ上記スイッチ部が操作されたときに変速レンジを前進方向の走行レンジであるドライブレンジに切り替えるとともに、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作されたときは上記リバースレンジを維持しかつその操作が無効であることを所定の報知手段を作動させてドライバーに報知し、
上記ドライブレンジが選択されている状態で、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作されかつ上記スイッチ部が操作されたときに変速レンジを上記リバースレンジに切り替えるとともに、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作されたときは上記ドライブレンジを維持しかつその操作が無効であることを上記報知手段を作動させてドライバーに報知し、
上記リバースレンジからドライブレンジへの切り替えを、上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が予め定められた第1レンジ切替閾値を超えた状態でさらに上記スイッチ部が操作されたときに実行するとともに、上記リバースレンジが選択されているときの操作無効の報知を、上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が上記第1レンジ切替閾値よりも小さい第1無効報知閾値を超えたときに実行し、
上記ドライブレンジからリバースレンジへの切り替えを、上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が予め定められた第2レンジ切替閾値を超えた状態でさらに上記スイッチ部が操作されたときに実行するとともに、上記ドライブレンジが選択されているときの操作無効の報知を、上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が上記第2レンジ切替閾値よりも小さい第2無効報知閾値を超えたときに実行する、ことを特徴とする車両用シフト装置。 - 請求項1記載の車両用シフト装置において、
上記制御手段は、
非走行レンジが選択されている状態で、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作されかつ上記スイッチ部が操作されたときに変速レンジをドライブレンジに切り替えるとともに、上記操作部材が上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作されかつ上記スイッチ部が操作されたときは変速レンジをリバースレンジに切り替え、
上記非走行レンジからドライブレンジへの切り替えを、上記ホーム位置から上記第1方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が上記第1レンジ切替閾値を超えた状態でさらに上記スイッチ部が操作されたときに実行するとともに、上記非走行レンジからリバースレンジへの切り替えを、上記ホーム位置から上記第2方向に変位操作された上記操作部材に関する物理量が上記第2レンジ切替閾値を超えた状態でさらに上記スイッチ部が操作されたときに実行する、ことを特徴とする車両用シフト装置。 - 請求項1または2に記載の車両用シフト装置において、
上記報知手段は、操作が無効である旨を示す文字または記号を表示する表示手段、および上記操作部材に振動を付与する振動付与手段の少なくともいずれか1つである、ことを特徴とする車両用シフト装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用シフト装置において、
上記第1、第2無効報知閾値は、上記第1、第2レンジ切替閾値のいずれよりも小さい同一の値に設定されている、ことを特徴とする車両用シフト装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用シフト装置であって、
上記物理量は、上記操作部材の変位操作の距離および操作力の少なくともいずれか1つである、車両用シフト装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013186864A JP2015055253A (ja) | 2013-09-10 | 2013-09-10 | 車両用シフト装置 |
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JP2013186864A JP2015055253A (ja) | 2013-09-10 | 2013-09-10 | 車両用シフト装置 |
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JP2015055253A true JP2015055253A (ja) | 2015-03-23 |
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JP2013186864A Pending JP2015055253A (ja) | 2013-09-10 | 2013-09-10 | 車両用シフト装置 |
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JP (1) | JP2015055253A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009216215A (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-24 | Denso Corp | シフトレンジ切替制御装置 |
JP2012101578A (ja) * | 2010-11-08 | 2012-05-31 | Mitsubishi Motors Corp | シフトレバー |
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- 2013-09-10 JP JP2013186864A patent/JP2015055253A/ja active Pending
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