(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置30の始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、中枠12の下部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18や中枠12に配設されたスピーカ19も演出実行手段として機能している。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、操作手段としての操作ボタン36が設けられている。前記操作ボタン36は、遊技者の手が届く前枠13の前側に配置されており、該操作ボタン36を所定のタイミングで押下することによって演出内容を変更可能に構成される。操作ボタン36は、該ボタン36を押下したときに押下信号を統括制御基板65の統括制御CPU65aに出力するよう構成される。また、操作ボタン36の内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン36の操作時期等を知らせ得るよう構成されている。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、始動入賞装置30、特別入賞装置40、球通過ゲート47、普通入賞口部材等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられると共に、前記枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23や回転案内部材24に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口31a,31bを有する始動入賞装置(始動入賞手段)30および特別入賞口を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。そして、前記始動入賞装置30の始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞(より具体的には後述する始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出)および特別入賞装置40の特別入賞口へのパチンコ球の入賞(より具体的には後述する特別入賞検出センサ44によるパチンコ球の検出)を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。
(始動入賞装置30について)
図2に示すように、前記始動入賞装置30は、前記始動入賞口31a,31bが上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)31aは、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。下側に位置する第2始動入賞口(第2始動入賞手段、可変式の始動入賞手段)31bを挟む左右両側には、該第2始動入賞口31bを開閉可能に構成された開閉部材(開閉手段)33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図8参照)の駆動に伴って一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記第2始動入賞口31bを開閉する一対の開閉部材33,33が第2始動入賞口31bを挟む左右側部に配置されて、始動入賞ソレノイド32の駆動に伴い一対の開閉部材33,33が相互に近接および離間するよう揺動される。
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口31aは、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31bは、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞が阻止されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が低確率となるよう設定される一方、開閉部材33,33が開放位置に変位した状態では、開閉部材33,33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31bに案内されて、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞する確率よりも高確率となるよう設定されている。実施例では、前記開閉部材33,33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞しないよう構成されている(入賞確率0%)。
また、前記始動入賞装置30は、前記第1および第2始動入賞口31a,31bに入賞したパチンコ球を検出する始動入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34a,34b(図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34a,34bは、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図8参照)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサ34a,34bからの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、所定の払出条件の成立に伴い、賞球の払い出し個数を決定する賞球数決定手段としての機能を有している。具体的に、第1始動入賞口31aに対応した始動入賞検出センサ34aによるパチンコ球の検出(すなわち第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。また、第2始動入賞口31bに対応した始動入賞検出センサ34bによるパチンコ球の検出(すなわち第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では1個)の賞球が払い出されるようになっている。すなわち、実施例では、前記第2始動入賞検出センサ34bによるパチンコ球の検出に伴って払出条件が成立した際には、該始動入賞検出センサ34bによるパチンコ球の検出数(すなわち1個)と同数となるようメイン制御CPU60aが賞球払い出し個数を1個に決定するよう設定されている。
また、始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口31a,31bへのパチンコ球の入賞)に伴って各種入賞情報(後述する各種乱数情報)が取得され、この取得した入賞情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定および小当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示器50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の当り表示(大当り表示や小当り表示)となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞装置40を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34a,34bが始動入賞口31a,31b毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口31aに対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34aと指称し、第2始動入賞口31bに対応するセンサを第2始動入賞検出センサ34bと指称するものとする。
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置(入賞手段)40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図8参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉扉43が前後方向へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、該開閉扉43により特別入賞口が閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図8参照)が設けられている。前記特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該特別入賞検出センサ44からメイン制御基板60への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
(特図表示器50A,50Bについて)
図2に示すように、前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域20a外の右下部位置)には、前記始動入賞装置30(第1および第2始動入賞口31a,31b)への入賞を契機として作動する特図表示器(表示手段)50A,50Bが設けられている。ここで、特図表示器50A,50Bは、前記第1始動入賞口31aへの入賞(第1始動入賞検出センサ34aの検出)を契機として変動表示を開始する第1特図表示器50Aと、第2始動入賞口31bへの入賞(第2始動入賞検出センサ34bの検出)を契機として変動表示を開始する第2特図表示器50Bとからなり、各特図表示器50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示器50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示器50Bの発光表示部が点灯・消灯する変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
ここで、前記特図は、大当りまたは小当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示器50A,50Bでは、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、小当りを認識し得る小当り表示(小当り図柄)としての1種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示器50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示器50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示器50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄、小当り図柄およびはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示器50A,50Bの何れかに、当り表示(大当り表示および小当り表示)としての特図が表示されることで、当り表示に対応した当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技および小当り遊技については後で詳細に説明する。ここで、小当り抽選(小当り判定)は、大当り抽選(大当り判定)に当選しなかった場合に行なわれるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示器50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示器50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示器50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示器50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(特図保留について)
また、図2に示すように、前記第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞した際に取得される情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部に、この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、左右に並んだ複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
(ラウンド報知について)
実施例のパチンコ機10では、大当り判定に当選した場合に、後述する複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定される。この大当り遊技には、規定ラウンド数が異なる複数種類のものが設定されており、当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド表示部57が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部に設けられている。このラウンド表示部57は、複数のLED(実施例では4個)から発光表示部が構成される。本実施例では、大当り遊技の規定ラウンド数として、「16回」および「4回」の2種類が設定されており、規定ラウンド数毎に点灯するLEDが定められて、LEDの点灯位置に応じて規定ラウンド数が報知されるようになっている。
(状態報知について)
実施例のパチンコ機10では、後述するように、大当り遊技終了後に付与される遊技状態として、確変状態および変短状態が設けられており、これらの遊技状態を報知する状態表示部58が、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部位置に設けられている。この状態表示部58は、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成されており、左側の発光表示部の点灯で確変状態であることを報知すると共に、右側の発光表示部の点灯で変短状態であることを報知するよう設定されている。なお、前記ラウンド表示部57および状態表示部58の表示領域は、図柄表示装置17で実行される演出等の表示領域に比較して極めて小さく設定されており、図柄表示装置17で実行されている各種演出に注目している遊技者にとっては、ラウンド表示部57および状態表示部58での点灯状態で各情報を簡単には認識し難くなっている。
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへの入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の図柄表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
また、前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当り、小当りまたははずれを認識できる。
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
また、前記図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの始動保留情報に基づいて行われる飾図(特図1および特図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、第1始動入賞検出センサ34aの検出に基づく図柄変動演出(第1特図変動表示)の特図変動インターバル時間として800ms(ミリ秒)が設定され、第2始動入賞検出センサ34bの検出に基づく図柄変動演出(第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間として500msが設定されている。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
ここで、第1特図表示器50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示器50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示器50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示器50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図には、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。ここで、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。なお、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、図柄表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の有効停止位置27の何れか(例えば中図柄列の有効停止位置)に特殊飾図が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技または小当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技や小当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り示唆表示となる。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17のはずれ表示となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせを所定の演出(例えば、所定の大当り遊技や小当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図が同一で、右図柄列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組み合わせとされる。
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bでの特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(球通過ゲート47について)
図1、図2に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート47が設けられている。前記球通過ゲート47には通過球検出センサ48(図8参照)が配設されており、該球通過ゲート47を通過するパチンコ球を通過球検出センサ48で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ48は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該通過球検出センサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわち通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過))に伴って各種情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33,33が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、通過球検出センサ48によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第2始動入賞口31bを開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
(普図表示器55について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図表示器55が配設されている。この普図表示器55では、通過球検出センサ48のパチンコ球の検出(球通過ゲート47のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて3種類の普図を表示するようになっている。具体的には、右側LEDだけが点灯する発光態様、および左側LEDだけが点灯する発光態様、および左右のLEDが何れも点灯する発光態様により普図を示している。なお、実施例において、左右のLEDが点灯することにより示される普図を普図Aとし、説明の都合上、左側のLEDだけが点灯することにより示される普図を普図Bとし、右側のLEDだけが点灯することにより表示される普図を普図Cとする。そして、前記普図表示器55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示器55に普図Aまたは普図Bが表示され、はずれの場合に普図Cが表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。
(普図保留について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記球通過ゲート47をパチンコ球が通過した際に取得される情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された普図保留表示部56が配設されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記普図保留表示部56は、複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が左から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が左から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
(確変について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、164/65536)から高確率(実施例では、1399/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてからの図柄変動演出(特図変動表示)の変動回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第2始動入賞口31bを開放する開閉部材33,33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33,33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33,33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
すなわち、実施例では、非変短状態において普図表示器55で行われる普図変動表示の変動時間が3600msに設定され、変短状態において普図表示器55で行われる普図変動表示の変動時間が560msに設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示器55で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。また、非変短状態における普図当り確率が低確率(実施例では、1125/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り確率が高確率(実施例では、65535/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、520msに設定されている。
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材33,33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33が開放してから所定時間(実施例では300ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、始動入賞装置30の開閉部材33,33は開放してから所定時間(実施例では5800ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行うようになっている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、始動入賞装置30の開閉部材33,33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31bへの入賞を許容する入賞上限数(実施例では10個)が設定されており、前記開閉部材33,33を開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達することで、開閉部材33,33を閉鎖させるようになっている。
また、実施例では、大当りに当選した大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が変化するよう構成されている。具体的には、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄A〜Eおよび図柄a,f〜h)である場合に、次回の大当りが生起されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定され、大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(実施例において後述する図柄Iおよび図柄j)である場合に、所定回数(実施例では20回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されるまでの間、変短状態が付与されるよう設定されている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。図3に示すように、大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50A,50Bに大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出OPと、オープニング演出終了後に行われる規定ラウンド数(実施例では4ラウンドまたは16ラウンド)だけラウンド間インターバル時間を挟んで繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出EDとにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当り遊技の種類に応じた開閉動作で特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口に規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉扉43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記開閉扉43が各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行う。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉扉43の開閉態様(開閉パターン)は、パチンコ球を連続的に発射する条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図3に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類(実施例では11種類)の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、11種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示器50Aに表示可能な大当り図柄としての特図1(実施例では100種類の特図1)は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E、図柄Iの6つのグループに分類されており、第1特図表示器50Aに確定停止表示された特図1が大当り図柄の場合に、その大当り図柄の種類(図柄A〜E、図柄I)に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示器50Bに表示可能な大当り図柄としての特図2(実施例では100種類の特図2)は、図柄a、図柄f、図柄g、図柄h、図柄jの5つのグループに分類されており、第2特図表示器50Bに確定停止表示された特図2が大当り図柄の場合に、その大当り図柄の種類(図柄a、図柄f〜h、図柄j)に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。
ここで、100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄Aに37種類、図柄Bに5種類、図柄Cに1種類、図柄Dに10種類、図柄Eに22種類、図柄Iに25種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄aに40種類、図柄fに10種類、図柄gに3種類、図柄hに22種類、図柄jに25が夫々振り分けられている。
(特別確変大当り遊技)
ここで、図柄A、図柄Bに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄a、図柄hに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として特別確変大当り遊技(特別当り遊技)が付与されるようになっている。特別確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。そして、特別確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記特別確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、特別確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で所定回数(規定ラウンド数)の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、規定ラウンド数が異なる複数(実施例では2種類)の特別確変大当り遊技が設定されている。具体的には、規定ラウンド数を「16回」とした第1の特別確変大当り遊技と、規定ラウンド数を「4回」とした第2の特別確変大当り遊技とが設定されており、第1特図表示器50Aおよび第2特図表示器50Bに表示される図柄の種類に応じて、何れかの特別確変大当り遊技が付与されるようになっている。なお、実施例では、図柄A、図柄Bに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示されるか、図柄aに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に第1の特別確変大当り遊技が付与され、図柄hに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合に第2の特別確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、各特別確変大当り遊技において、各ラウンド遊技の入賞上限個数(規定個数)は「9個」に設定されている。すなわち、各特別確変大当り遊技は、規定ラウンド数が異なることで1回の大当り遊技において獲得可能な賞球数が異なることで、遊技者に与える価値(特典量)が異なる大当り遊技である。すなわち、実施例の特別確変大当り遊技は、第2の特別確変大当り遊技<第1の特別確変大当り遊技の順で、1回の大当り遊技において遊技者に与える価値(特典量)が高くなるよう設定されている。
各特別確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、特別確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「12.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が設定されている。また、特別確変大当り遊技におけるラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。そして、図柄A、図柄a、図柄hに分類される大当り図柄が決定された場合に、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行し、図柄Bに分類される大当り図柄が決定された場合に、大当り遊技後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
(第1の特殊確変大当り遊技)
図柄Cに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Sに表示された場合には、大当り遊技として第1の特殊確変大当り遊技(以下、ジャンプアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ジャンプアップ確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
ジャンプアップ確変大当り遊技では、図3に示す如く、1ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では16回)開放させ、2ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技においてラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技は、複数回(16回)の短時間開放動作を開閉扉43に繰り返し行わせた後にラウンド遊技の終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を行う特殊ラウンド遊技で構成され、該2ラウンド目のラウンド遊技以降の残りラウンド遊技(15ラウンド分)が全開放ラウンド遊技で構成されている。
ここで、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放16回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放17回目の開閉扉43の開放時間が「24.36(秒)」に設定されている。また、開放1回目から開放17回目の間の16回分のラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×16+24.36(秒)」からなる「57.0(秒)」に設定されていることになる。そして、ジャンプアップ確変大当り遊技における2ラウンド目以降の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。なお、ジャンプアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.06(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が夫々設定されている。また、ジャンプアップ確変大当り遊技のラウンド間インターバルは、「2.0(秒)」に設定されている。そして、図柄Cに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
(突然確変大当り遊技)
図柄D、図柄Eに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合には、大当り遊技として突然確変大当り遊技が付与されるようになっている。実施例では、規定ラウンド数が「16回」に設定された突然確変大当り遊技(以下、16R突然確変大当り遊技という)と、規定ラウンド数が「4回」に設定された突然確変大当り遊技(以下、4R突然確変大当り遊技という)とが設定されており、図柄Dに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合に16R突然確変大当り遊技が付与され、図柄Eに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合に4R突然確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、何れの突然確変大当り遊技の場合にも、各ラウンド遊技の入賞上限個数は「9個」に設定されている。そして、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技の各ラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を短時間開放する短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、16R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返す一方、4R突然確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で4回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。
ここで、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.06(秒)」が設定されている。また、16R突然確変大当り遊技のエンディング演出時間として「0.04(秒)」が設定され、4R突然確変大当り遊技のエンディング演出時間として「1.836(秒)」が設定さている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。すなわち、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技における各ラウンド遊技時間(2.04(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞装置40に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このため、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技での入賞球は殆ど発生することはなく、各ラウンド遊技において入賞上限個数のパチンコ球の入賞の可能性がある前記ジャンプアップ確変大当り遊技とは、遊技者に与える価値が異なる遊技である。
また、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変大当り遊技におけるオープニング演出時間は、前述したジャンプアップ確変大当り遊技のオープニング演出時間と同一時間に設定されている。また、16R突然確変大当り遊技および4R突然確変当り遊技におけるラウンド遊技時間は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目における開放1回目から開放2回目における特別入賞装置の開閉扉43の開放時間と同一時間に設定されている。そして、突然確変大当り遊技において、1ラウンド目で開閉扉43が開放してから2ラウンド目で開閉扉43が閉鎖するまでのラウンド間インターバル時間(「2.0(秒)」)は、ジャンプアップ確変大当り遊技の1ラウンド目におけるラウンド内インターバル時間(「2.0(秒)」)と同一時間とされている。従って、ジャンプアップ確変大当り遊技が開始してから開閉扉43が16回開閉するまでの開閉扉43の開閉動作は、16R突然確変大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっており、開閉扉43の開閉動作からジャンプアップ確変大当り遊技か、16R突然確変大当り遊技かを見分けることは不可能になっている。そして、図柄D、図柄Eに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
(通常非確変大当り遊技)
図柄Iに分類された大当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合には、大当り遊技として通常非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記通常非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、通常非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では20回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。通常非確変大当り遊技における各ラウンド遊技での開閉扉43の開閉態様は、前述した特別確変大当り遊技と同じである。すなわち、通常非確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、前記非確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、通常非確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉43が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で16回の開閉動作を開閉扉43が繰り返すようになっている。なお、通常非確変大当り遊技におけるオープニング演出時間、エンディング演出時間およびラウンド間インターバル時間は、前述した特別確変大当り遊技と同じである。そして、図柄Iに分類される特図1が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
(第2の特殊確変大当り遊技)
図柄fに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として第2の特殊確変大当り遊技(以下、ステップアップ確変大当り遊技という)が付与されるようになっている。前記ステップアップ確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定されている。そして、ステップアップ確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。
このステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技および10ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技は、特別入賞装置40の開閉扉43を複数回(実施例では8回)開放させるように設定されている。すなわち、ステップアップ確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成され、次の1回のラウンド遊技が短時間開放動作および長時間開放動作を開閉扉43に行わせる特殊ラウンド遊技で構成されると共に、該特殊ラウンド遊技以降の残りの回数(7ラウンド分)のラウンド遊技が全開放ラウンド遊技で構成されている。ここで、前記ステップアップ確変大当り遊技の特殊ラウンド遊技(9ラウンド目のラウンド遊技)では、後述する短縮大当り遊技(短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技)における9ラウンド目〜16ラウンド目となる短時間ラウンド遊技の回数分(8回)だけ、該短時間ラウンド遊技と略同じ開放時間となる短時間開放動作を開閉扉43に行わせた後は該特殊ラウンド遊技終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定される。そして、図柄fに分類された大当り図柄としての特図2が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードとして後述する確変モードに移行するよう設定されている。
ここで、ステップアップ確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目および10ラウンド目〜16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放8回目における開閉扉43の開放時間が「0.04(秒)」に夫々設定され、開放9回目の開閉扉43の開放時間が「24.68(秒)」に設定されている。また、開放1回目〜開放8回目の開放後には、ラウンド内インターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技時間は、「{0.04(秒)+2.0(秒)}×8+24.68(秒)」からなる「41.0(秒)」に設定されていることになる。
また、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間(「16.32(秒)」)は、後述する短縮大当り遊技において9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。なお、ステップアップ確変大当り遊技では、オープニング演出時間として「12.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が夫々設定されている。また、ラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。従って、ステップアップ確変大当り遊技が開始してから9ラウンド目において開閉扉43が8回目に閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作は、短縮大当り遊技が開始してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの開閉扉43の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行うようになっている。
(短縮確変大当り遊技、短縮非確変大当り遊技)
図柄gに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として短縮確変大当り遊技が付与されるようになっている。また、図柄jに分類された大当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、大当り遊技として短縮非確変大当り遊技が付与されるようになっている。前記短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「9個」に設定される。そして、短縮確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および変短状態が継続して付与されるようになっている。一方、短縮非確変大当り遊技では、大当り判定の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態とされる)と共に、大当り遊技終了時から予め決められた変短回数(実施例では20回)の特図変動表示が行われるまでの間だけ変短状態が付与されるようになっている。
この短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。一方で、短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技の9ラウンド目以降のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放させるものの、8ラウンド目までに開閉扉43に行わせる前記長時間開放動作よりも特別入賞口の開放時間が短くなる短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。すなわち、短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせる全開放ラウンド遊技で構成される一方、残りの回数(8ラウンド分)のラウンド遊技が短時間開放動作を開閉扉43に行わせる短時間ラウンド遊技で構成されている。
ここで、短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目〜16ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング演出時間として「12.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「10.0(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。これにより、短縮確変大当り遊技および短縮非確変大当り遊技において、9ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が開放してから16ラウンド目で特別入賞装置40の開閉扉43が閉鎖するまでの時間(「16.3(秒)」)は、ステップアップ確変大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉43の1回目の開放から8回目の閉鎖までの時間と同一時間とされる。そして、図柄fに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後の遊技演出モードが後述する確変モードに移行し、図柄jに分類される大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技後の遊技演出モードが後述する潜伏モードに移行するよう設定されている。
(小当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ10で付与される小当り遊技について説明する。小当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50A,50Bに小当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、発生した小当り遊技の種類に応じた開閉動作で特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作した後に、小当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われるよう設定されている。ここで、小当り遊技では、パチンコ球を連続的に発射する条件において、数個のパチンコ球が入賞可能か或いはパチンコ球が入賞不能な時間だけ特別入賞装置40の開閉扉43が開放する開閉動作が行われるよう構成される。すなわち、前記小当り遊技は、短時間開放動作を含んだ開放動作を特別入賞装置40の開閉扉43に行なわせる当り遊技を構成している。そして、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り判定の当選時における遊技状態のまま継続させるようになっている。すなわち、小当り判定の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも確変状態が継続して付与される一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも確変状態が付与されることはない。また、小当り判定の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも変短状態が継続して付与される一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも変短状態が付与されることはない。
また、実施例のパチンコ機では、図3に示すように、小当り判定に当選した場合に、所定種類(実施例では2種類)の小当り遊技の中から1つの小当り遊技が決定され、その決定された小当り遊技が付与される。ここで、小当り遊技の内で何れの小当り遊技が付与されるかは、小当り判定に当選した際に決定される小当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例では、第1特図表示器50Aに表示可能な小当り図柄としての特図1(実施例では1種類の特図1)は、図柄Kに分類されており、第1特図表示器50Aに確定停止表示された特図1が小当り図柄の場合に、その小当り図柄(図柄K)の種類に応じた小当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示器50Bに表示可能な小当り図柄として特図2(実施例では1種類の特図2)は、図柄kに分類されており、第2特図表示器50Bに確定停止表示された特図2が小当り図柄の場合に、その小当り図柄(図柄k)の種類に応じた小当り遊技が付与されるようになっている。
実施例のパチンコ機10では、図柄Kに分類された小当り図柄としての特図1が第1特図表示器50Aに表示された場合には、小当り遊技として第1の小当り遊技が付与され、図柄kに分類された小当り図柄としての特図2が第2特図表示器50Bに表示された場合には、小当り遊技として第2の小当り遊技が付与されるようになっている。実施例における第1および第2の小当り遊技は、1回の開放時間が「1.0(秒)」に設定された開放動作を特別入賞装置40の開閉扉43に1回行わせるよう設定されている。なお、複数種類の小当り遊技における開閉扉43の開閉態様(開放回数や開放時間)を異ならせることも可能である。また、第1の小当り遊技では、エンディング演出時間として「6.0(秒)」が設定され、第2の小当り遊技では、エンディング演出時間として「0.668(秒)」が設定されている。すなわち、第2の小当り遊技では第1の小当り遊技に比べて短時間で終了し、スピード感のある遊技が進行するようになっている。
(遊技演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では4つ)の遊技演出モードを備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。ここで、実施例では、大当り遊技の発生および大当り遊技後の図柄変動(第1または第2特図変動表示)の変動回数(実施例では20回)がモード移行条件とされている。
実施例に係る遊技演出モードには、メイン制御CPU60aにより確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(非確変・非変短状態)に対応する通常モードと、確変状態および変短状態を何れも付与することが決定された遊技状態(確変・変短状態)に対応した確変モードと、確変状態が付与されていることを示唆する遊技状態(すなわち、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある)に対応した潜伏モードとが設定されている。また、実施例のパチンコ機10には、確変状態において小当り判定の判定が肯定となったことをモード移行条件とする特殊モードが設定されている。なお、遊技演出モードの種類としては、これらに限定されるものではなく、その他の遊技演出モードを設定することもでき、例えば確変状態を付与しないことが決定されると共に変短状態を付与することが決定された遊技状態(非確変・変短状態)に対応した時短モードを設けることも可能である。また、各遊技演出モード(通常モード、確変モードおよび潜伏モード)の夫々において図柄表示装置17に表示される遊技状態示唆画像は1種類である必要はなく、これらの遊技演出モード毎に複数種類の遊技状態示唆画像を設定することができる。
そして、図柄表示装置17には、遊技演出モードに対応した内容の遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、遊技演出モード毎に、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容(後述する変動パターンや演出パターン)の一部または全部が異なっており、これらの遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図8に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34a,34b、特別入賞検出センサ44、通過球検出センサ48等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示器55、普図保留表示部56等の各表示器が接続されて、各検出センサ34a,34b,44,48の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50A,50Bの表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、前記始動入賞装置30および特別入賞装置40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42を駆動させることで、対応する開閉部材33,33や開閉扉43が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じた開閉態様で開閉扉43が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉扉43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉扉43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての判定用乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが取得する判定用乱数(入賞情報)としては、当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数、普図決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ34a,34bの検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じた判定用乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)を発生するか否かの当り判定(大当り判定および小当り判定)で用いる乱数である。実施例では、当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示器50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「101」の全102通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、小当りの当選を示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示器50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示器50Aに確定停止表示される特図1が特定され、第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示器50Bに確定停止表示される特図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特図1および特図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。同様に、前記小当り図柄としての特図1および特図2は、小当り遊技の種類毎に分類されており、特図1または特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される小当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。
また、演出実行判定用乱数は、前述した当り判定(大当り判定または小当り判定)における判定結果が否定となった場合に(大当りおよび小当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。前記変動パターン振分用乱数は、図柄変動演出における図柄変動の変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、変動パターン振分用乱数として、「0」〜「99」の全100通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。
実施例のパチンコ機では、当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、および変動パターン振分用乱数は、第1始動入賞口31aまたは第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aまたは第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口31a,31bへの入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1399個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では164個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当りが発生し易くなっている。
また、メイン制御ROMには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示器50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示器50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した102種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「101」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、小当りを発生させることを示す小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、大当り判定の結果が否定の場合に、前記当り判定用乱数を用いて小当りか否かの判定(小当り判定)で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(実施例では「0」〜「65535」までの全65536通りの整数)の中から所定数(実施例では9個)の判定値が定められている。すなわち、当り判定用乱数は、大当り判定および小当り判定において使用される乱数である。なお、当り判定用乱数として、大当り判定用の大当り判定用乱数と、小当り判定用の小当り判定用乱数とを個別に設定することも可能である。ここで、小当り判定値は、第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得されたか、第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得されたかに応じて判定値の設定数が異なっている。具体的には、第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に設定される小当り判定値の数(実施例では250個)は、第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に設定される小当り判定値の数(実施例では450個)よりも少なく設定されている。すなわち、第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機とした場合よりも、第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機とした場合の方に、小当り遊技が発生し易くなっている。
また、メイン制御ROMには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「238」までの全239通りの整数の中から定められている。ここで、演出実行判定値は、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合と、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出したこと)を契機として行われる演出実行判定の場合とで、判定値の設定数が異なっている。また、演出実行判定値は、演出実行判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否か、および当該時点で変短状態が付与されているか否かに応じても、判定値の設定数が異なっている。
すなわち、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、確変状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非確変状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。また、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が多くなるよう設定されている。なお、実施例では、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ非変短状態の場合に35個の演出実行判定値が設定され、非確変状態かつ変短状態の場合に1個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態の場合に2個の演出実行判定値が設定されている。なお、第1始動入賞口31aへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
そして、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、変短状態のときに設定される演出実行判定値の数よりも非変短状態のときに設定される演出実行判定値の数の方が少なくなるよう設定されている。なお、実施例では、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ変短状態の場合に5個の演出実行判定値が設定され、確変状態かつ変短状態の場合に1個の演出実行判定値が設定されている。また、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合において、非確変状態かつ非変短状態の場合に演出実行判定値が0個に設定される。(なお仕様書では設定がありません)なお、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するようにしてもよい。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、該設定数を設定することができる。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「4」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1125個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
更にまた、メイン制御ROM60bには、変動内容を特定する複数種類の変動パターンが記憶されており、各変動パターンに対応して変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。変動パターン振分判定値は、前記変動パターン振分用乱数を用いて変動パターンの決定に用いる判定値であり、変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された変動パターン振分用乱数に対応する変動パターン振分判定値が割り当てられた変動パターンが特定されるようになっている。
メイン制御ROM60bに記憶される変動パターンには、当り用の変動パターンと、はずれ用の変動パターンとに分類されており、遊技演出モードに応じて変動パターン毎に特定の変動パターン振分判定値が定められている。なお、当り用の変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合または小当り判定の結果が肯定の場合に決定可能な変動パターンである。また、はずれ用の変動パターンは、当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果が否定の場合に選択される当り変動パターンである。そして、はずれ用の変動パターンには、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとする演出実行判定の結果が肯定の場合に決定可能なはずれリーチ変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとする演出実行判定の結果が否定の場合に決定可能なはずれ変動パターンとがある。なお、リーチ演出は、図柄変動演出においてリーチ表示となる有効図柄の図柄組み合わせが図柄表示装置17に表示されてから、当り表示(大当り表示や小当り表示)またははずれ表示となる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図8に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
すなわち、始動入賞装置30への入賞を契機として当り(大当りまたは小当り)か否かを判定する当り判定手段、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。具体的に、実施例のメイン制御CPU60aは、始動入賞装置30への入賞を契機として大当り判定する大当り判定手段としての機能と、該大当り判定手段が否定判定の場合に小当り判定する小当り判定手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60aは、前記始動入賞装置30への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60bが記憶する複数の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する確変決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31bへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを判定する入賞率向上状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の大当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態付与期間として決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞装置30への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、図柄表示装置17で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示器50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示器50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示器50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報第として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図処理および特図開始処理について具体的に説明する。
(特図処理について)
特図入力処理では、図4に示すように、始動入賞装置30の第1始動入賞口31aにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口31aに対応する第1始動入賞検出センサ34aがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
また、ステップA15では、始動入賞装置30の第2始動入賞口31bにパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31bに対応する第2始動入賞検出センサ34bがパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)。これにより、特図入力処理が終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示器50A,50Bおよび図柄表示装置17において特図1または特図2が変動表示中であるか、または大当り遊技または小当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示器53の表示を変更させる。
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1399/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示器50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技演出モード(遊技状態)を示す遊技演出モードフラグを設定する。具体的には、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。このように、確変フラグおよび変短フラグにより遊技演出モードが特定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB25)。
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、前述したように、第2始動入賞検出センサ34bの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、450/65536に設定されている。そして、ステップB27における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB28)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示器50Bに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特図2)を決定する(ステップB29)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図2の小当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図2を決定することで小当り図柄を決定することになる。なお、実施例のパチンコ機10では、小当り判定した時点の確変フラグおよび変短フラグの値を維持するよう設定されており、小当りの場合に確変フラグおよび変短フラグの値を変化させないよう構成されている。そして、小当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の変動パターン(当り変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB30)。
ステップB27の小当り判定の判定結果が否定の場合には(すなわち大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB31)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB30の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB32)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の変動パターン(はずれリーチ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB33)。
また、ステップB31での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示器50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図2)として決定する(ステップB34)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の変動パターン(はずれ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB35)。
ここで、ステップB25,B30,B33,B35において変動パターンおよび最終停止図柄(特図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示器50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図2を指示するための特図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示器50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値および変動パターン振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31bへの入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口31aへの入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB36)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1399/65536に設定されている。そして、ステップB36における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB37)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示器50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB38)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技演出モード(遊技状態)を示す遊技演出モードフラグ(すなわち確変フラグ、変短フラグ)を設定する。大当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の変動パターンの中から1つの変動パターンを決定する(ステップB39)。
一方、ステップB36の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB41)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、前述したように、第1始動入賞検出センサ34aの検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、250/65536に設定されている。そして、ステップB41における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB42)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示器50Aに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特図1)を決定する(ステップB43)。ここで、特図決定用乱数の値は、特図1の小当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特図1を決定することで小当り図柄を決定することになる。なお、実施例のパチンコ機10では、小当り判定した時点の確変フラグおよび変短フラグの値を維持するよう設定されており、小当りの場合に確変フラグおよび変短フラグの値を変化させないよう構成されている。そして、小当り図柄(特図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り用の変動パターン(当り変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB44)。
また、ステップB41の小当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB45)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。そして、ステップB45の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB46)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の変動パターン(はずれリーチ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB47)。
また、ステップB45での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示器50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特図1)として決定する(ステップB48)。次に、メイン制御CPU60aは、変動パターン振分用乱数の値に基づいてはずれ用の変動パターン(はずれ変動パターン)の中から1つの変動パターンを決定する(ステップB49)。
ここで、ステップB39,B44,B47,B49において変動パターンおよび最終停止図柄(特図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB40)。具体的には、メイン制御CPU60aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力すると共に、変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示器50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特図1を指示するための特図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示器50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。ここで、統括制御CPU65aが選択可能な演出パターンは、遊技演出モード毎に分類されており、当該遊技演出モードにおいて選択可能な演出パターンから変動パターンに対応する演出パターンが選択される。また、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定され、特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指定された図柄が小当り図柄の場合には、小当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。
また、メイン制御CPU60aから出力される特図1指定コマンドおよび特図2指定コマンドに基づいて、次の図柄変動演出を実行する際に演出パターンを決定する基準となる遊技演出モード(遊技状態)を示す遊技演出モードフラグを統括制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、確変状態を付与する大当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に確変フラグを「0」に設定する。また、特図1指定または特図2指定コマンドで特定される特図1または特図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短フラグを「0」に設定する。
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU60aは、変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
前記統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力する特図1指定コマンドまたは特図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の開始および終了に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、遊技演出モードの種類を決定し、当該決定した遊技演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。遊技演出モードフラグは、現在滞在している遊技演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御RAM65cに設定される。統括制御CPU65aは、遊技演出モードフラグを更新すると、遊技演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。また、表示制御CPU70aは、モード指定コマンドが入力されると、指示された遊技演出モードに対応する背景画像を表示させる。
ここで、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する図柄変動演出決定手段としての機能を有している。
(遊技演出モードの変動パターンについて)
ここで、実施例のパチンコ機10にいて確変状態が付与された状態におけるメイン制御CPU60aによる変動パターンの決定に関して具体的に説明する。
前記メイン制御CPU60aが決定可能な変動パターンが遊技演出モード(遊技状態)毎に定められており、遊技演出モード毎に定められた変動パターンの種類の中からメイン制御CPU60aが1つの変動パターンを決定することで、これらの遊技演出モード毎に特有の演出が実行されるよう構成されている。具体的に、メイン制御ROM60bに設定された各変動パターンに対する変動パターン振分判定値の割当数が遊技演出モード毎に定められており、各遊技演出モードにおいて変動パターン振分判定値の割り当てにより定められる変動パターンテーブルの中から、取得した変動パターン振分用乱数に対応する変動パターンをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、遊技演出モードとして通常モード、確変モードおよび潜伏モードが設定されていることから、通常モードの場合に変動パターン振分判定値が割り当てられる通常モード用の変動パターンテーブルと、確変モードの場合に変動パターン振分判定値が割り当てられる確変モード用の変動パターンテーブルと、潜伏モードの場合に変動パターン振分判定値が割り当てられる潜伏モード用の変動パターンテーブルとが定められて、各遊技演出モードにおいて対応の変動パターンテーブルの中から、メイン制御CPU60aが1つの変動パターンを決定するようになっている。なお、各遊技演出モードにおいて変動パターン振分判定値が割り当てられる変動パターンが全て異なっている必要はなく、各遊技演出モードにおいて同じ変動パターンに対して変動パターン振分判定値を割り当てるようにしてもよい。すなわち、各変動パターンテーブルに含まれる変動パターンの種類は、全て異なっている必要はなく、部分的に共通するようにすることも可能である。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、確変状態において前記メイン制御CPU60aが決定可能な変動パターンを定めた変動パターンテーブルとして、図10〜図12に示すように、前記確変モード用の変動パターンテーブルPG1および潜伏モード用の変動パターンテーブルPG2がメイン制御ROM60bに設定されており、決定された遊技演出モードに応じて確変モード用の変動パターンテーブルPG1および潜伏モード用の変動パターンテーブルPG2の何れかに基づいて変動パターンをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。また、メイン制御ROM60bには、前記確変モード用の変動パターンテーブルPG1および潜伏モード用の変動パターンテーブルPG2とは別に、確変状態において前記メイン制御CPU60aが決定可能な変動パターンを定めた変動パターンテーブルPG3として、特殊変動パターンテーブルPG3が設定されており、所定条件が成立することで特殊変動パターンテーブルPG3に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するようになっている。なお、以下の説明において、確変モード用の変動パターンテーブルを第1の確変用変動パターンテーブルPG1と指称し、潜伏モード用の変動パターンテーブルTA1を第2の確変用変動パターンテーブルPG2と指称する場合がある。
実施例のパチンコ機10では、図9に示すように、確変状態において前記小当り判定の判定が肯定となった場合に、小当り遊技後の遊技においてメイン制御CPU60aが特殊変動パターンテーブルPG3に含まれる変動パターンの中から決定するよう設定されている。従って、確変状態で小当り遊技が行われる(小当り判定に当選する)ことが、特殊変動パターンテーブルPG3に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する条件として設定されている。また、確変状態において前記小当り判定の判定が肯定となった場合には、小当り遊技が行われる前の遊技演出モードが確変モードおよび潜伏モードの何れであっても、共通の特殊モードに移行して、当該特殊モードにおいて選択可能な演出パターンから変動パターンに対応する演出パターンを統括制御CPU65aが選択するようになっており、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容から特殊モードへの移行を遊技者が容易に把握し得るようになっている。
次に、前記第1の確変用変動パターンテーブルPG1、第2の確変用変動パターンテーブルPG2および特殊変動パターンテーブルPG3の夫々に設定される変動パターンについて説明する。
(第1の確変用変動パターンテーブルPG1について)
前記第1の確変用変動パターンテーブルPG1は、図10に示すように、特定される変動時間が異なった所定数のはずれ変動パターンP11〜P14、はずれリーチ変動パターンP21および当り変動パターンP31〜P32,P41を含んでおり、これらの変動パターンP11〜P14,P21,P31〜P32,P41に対して変動パターン振分判定値が割り当てられている。すなわち、確変モードの場合には、大当り判定、小当り判定および演出実行判定の何れにも当選しない場合には、変動パターン振分用乱数の値に基づいて所定のはずれ変動パターンP11〜P14の中からメイン制御CPU60aが変動パターンを決定し、大当り判定および小当り判定に当選することなく演出実行判定に当選した場合には、変動パターン振分用乱数の値に基づいて所定のはずれリーチ変動パターンP21の中からメイン制御CPU60aが変動パターンを決定し、大当り判定および小当り判定に当選した場合には、変動パターン振分用乱数の値に基づいて所定の当り変動パターンP31〜P32,P41の中からメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するようになっている。なお、実施例における第1の確変用変動パターンテーブルPG1には、特定される変動時間が異なる4種類のはずれ変動パターンP11〜P14と、1種類のリーチ変動パターンP21と、特定される変動時間が異なる3種類の当り変動パターンP31〜P32,P41が設定されている。以下の説明において、はずれ変動パターンP11〜P14で特定される変動時間をT11〜T14と表し、はずれリーチ変動パターンP21で特定される変動時間をT21と表し、当りリーチ変動パターンP31〜P32,P41で特定される変動時間をT31〜T32,T41として表す場合がある。なお、前述した第1の確変用変動パターンテーブルPG1に含まれる変動パターンの数や種類は一例に過ぎず、これに限られるものでないことは当然である。
ここで、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に含まれるはずれ変動パターンP11〜P14は、メイン制御CPU60aが変動パターンを決定する時点でメイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報の保留数(記憶数)に応じて、各はずれ変動パターンP11〜P14に対する変動パターン振分判定値の割当数が異なるよう設定されている。すなわち、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に基づいて変動パターンを決定する場合に、メイン制御ROM60bにおける特図始動保留情報の保留数に応じてメイン制御CPU60aがはずれ変動パターンP11〜P14の内から1つの変動パターンを決定すると共に、このときメイン制御CPU60aが決定する変動パターンの選択割合が変化するようになっている。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報の保留数(記憶数)が多くなるほど、短い変動時間を特定するはずれ変動パターンP11〜P14に対する変動パターン振分判定値の割当数が増えるよう設定されて、保留数に応じて変動時間が可変するようになっている。
より具体的には、図10に示すように、メイン制御CPU60aが変動パターンを決定する時点での保留数が0個または1個の場合には、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に含まれるはずれ変動パターンP11〜P14の内で、最も長い変動時間T11(実施例ではT11=12100ms)を特定するはずれ変動パターンP11に対して全て(実施例では100個の判定値)の変動パターン振分判定値が割り当てられ、メイン制御CPU60aによりはずれ変動パターンP11が決定されるようになっている。また、当該変動パターンを決定する時点での保留数が2個の場合には、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に含まれるはずれ変動パターンP11〜P14の内で、2番目に長い変動時間T12(実施例ではT12=9700ms)を特定するはずれ変動パターンP12および3番目に長い変動時間(実施例ではT3=6500ms)を特定するはずれ変動パターンP13に対して変動パターン振分判定値が割り当てられると共に、はずれ変動パターンP13よりも、はずれ変動パターンP12に対する変動パターン振分判定値の割当数(実施例でははずれ変動パターンP12に対して60個の判定値が割り当てられ、はずれ変動パターンP13に対して40個の判定値が割り当てられ、)が多く設定されており、2番目に長い変動時間T12(実施例ではT12=9700ms)を特定するはずれ変動パターンP12がメイン制御CPU60aにより決定され易くなっている。
更に、当該変動パターンを決定する時点での保留数が3個の場合には、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に含まれるはずれ変動パターンP11〜P14の内で、はずれ変動パターンP12およびはずれ変動パターンP13に対して変動パターン振分判定値が割り当てられると共に、はずれ変動パターンP12よりもはずれ変動パターンP13に対する変動パターン振分判定値の割当数(実施例でははずれ変動パターンP12に対して40個の判定値が割り当てられ、はずれ変動パターンP13に対して60個の判定値が割り当てられ、)が少なく設定されており、3番目に長い変動時間T13(実施例ではT13=6500ms)を特定するはずれ変動パターンP13がメイン制御CPU60aにより決定され易くなっている。そして、当該変動パターンを決定する時点での保留数が4個の場合には、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に含まれるはずれ変動パターンP11〜P14の内で、最も短い変動時間T14(実施例ではT14=3300ms)を特定するはずれ変動パターンP14に対して全て(実施例では100個の判定値)の変動パターン振分判定値が割り当てられ、メイン制御CPU60aによりはずれ変動パターンP14が決定されるようになっている。
ここで、実施例では、第1始動入賞検出センサ34aの検出に基づいてメイン制御CPU60aが第1の確変用変動パターンテーブルPG1からはずれ変動パターンP11〜P14を決定する場合には、第1始動保留情報の保留数を基準としてはずれ変動パターンP11〜P14に対する変動パターン振分判定値の割当数が定められるよう構成されている。また、第2始動入賞検出センサ34bの検出に基づいてメイン制御CPU60aが第1の確変用変動パターンテーブルPG1からはずれ変動パターンP11〜P14を決定する場合には、第2始動保留情報の保留数を基準としてはずれ変動パターンP11〜P14に対する変動パターン振分判定値の割当数が定められるようになっている。なお、第1始動保留情報の保留数および第2始動保留情報の保留数を累積した保留数を基準としてはずれ変動パターンP11〜P14に対する変動パターン振分判定値の割当数が定まるようにしてもよい。
また、実施例の第1の確変用変動パターンテーブルPG1には、はずれリーチ変動パターンP21に対して全ての変動パターン振分判定値が割り当てられている。実施例の第1の確変用変動パターンテーブルPG1に対しては、図10に示すように、前記はずれ変動パターンP11〜P14で特定される最長の変動時間より長い変動時間(実施例ではT21=23400ms)を特定するはずれリーチ変動パターンP21に対して全ての変動パターン振分判定値が設定されており、はずれ変動パターンP11〜P14で特定される最長の変動時間より長い図柄変動演出(特図変動表示)が行われることで、当り遊技の発生に対する期待感を高めている。
また、実施例の第1の確変用変動パターンテーブルPG1に設定された複数種類(実施例では3種類)の当り変動パターンP31〜P32,P41は、決定された当り遊技の種類に応じてメイン制御CPU60aが決定可能な当り変動パターンP31〜P32,P41が定められている。具体的に第1の確変用変動パターンテーブルPG1には、決定された当り遊技が特定当り遊技の場合にメイン制御CPU60aが決定可能な特定当り変動パターンP41と、決定された当り遊技が特定当り遊技以外の当り遊技の場合にメイン制御CPU60aが決定可能な通常当り変動パターンP31〜P32とが設定されている。すなわち、メイン制御CPU60aにより決定された当り遊技が特定当り遊技の場合には、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に含まれる変動パターンの内で、特定当り変動パターンP41に対して割り当てられた変動パターン振分判定値に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するようになっている。また、メイン制御CPU60aにより決定された当り遊技が特定当り遊技以外の当り遊技の場合には、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に含まれる変動パターンの内で、通常当り変動パターンP31〜P32に対して割り当てられた変動パターン振分判定値に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するようになっている。なお、実施例の第1の確変用変動パターンテーブルPG1には、前記通常当り変動パターンとして2種類の当り変動パターンP31〜P32が設定され、前記特定当り変動パターンとして1種類の当り変動パターンP41が設定されている。ここで、実施例のパチンコ機10では、前記特定当り遊技として、小当り遊技、ジャンプアップ確変大当り遊技、突然確変大当り遊技が設定されており、これら小当り遊技、ジャンプアップ確変大当り遊技および突然確変大当り遊技の何れかがメイン制御CPU60aにより決定された場合に、前記特定当り変動パターンP41をメイン制御CPU60aが決定するようになっている。
また、実施例の第1の確変用変動パターンテーブルPG1では、図10に示すように、通常当り変動パターンP31〜P32において最短の変動時間(実施例ではT31=25100ms)を特定する通常当り変動パターンP31に対する変動パターン振分判定値の割当数を、該当り変動パターンP31より長い変動時間T32(実施例ではT32=36900ms)を特定する通常当り変動パターンP32に対する変動の割当数よりも多く設定されており、特定当り遊技以外の当り遊技が決定された場合には、変動時間が短い通常当り変動パターンP31がメイン制御CPU60aにより決定され易いように設定されている。また、実施例の第1の確変用変動パターンテーブルPG1では、特定当り変動パターンP41として1種類が設定されていることから、当該1種類の特定当り変動パターンP41に対して全ての変動パターン振分判定値が割り当てられており、特定当り遊技以外の当り遊技が決定された場合には、特定当り変動パターンP41がメイン制御CPU60aにより決定されるように設定されている。ここで、前記特定当り変動パターンP41により特定される変動時間T41(実施例ではT41=1100ms)は、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に設定された変動パターンにより特定される変動時間の中で最短の変動時間となるよう設定されている。すなわち、確変モードにおいて特定当り遊技が決定された場合には、図柄変動演出(特図変動表示)が速やかに終了して決定された当り遊技が付与され得ようになっている。
(第2の確変用変動パターンテーブルPG1について)
実施例の第2の確変用変動パターンテーブルPG2に含まれる変動パターンは、前述した第1の確変用変動パターンテーブルPG1に含まれる変動パターンと多くが共通するよう設定されている。具体的に、前記第2の確変用変動パターンテーブルPG2は、図11に示すように、特定される変動時間が異なった所定数のはずれ変動パターンP11〜P14、はずれリーチ変動パターンP21〜P22および当り変動パターンP31〜P33,P41を含んでおり、これらの変動パターンP11〜P14,P21〜P22,P31〜P33,P41に対して変動パターン振分判定値が割り当てられている。すなわち、潜伏モードの場合には、大当り判定、小当り判定および演出実行判定の何れにも当選しない場合には、変動パターン振分用乱数の値に基づいて所定のはずれ変動パターンP11〜P14の中からメイン制御CPU60aが変動パターンを決定し、大当り判定および小当り判定に当選することなく演出実行判定に当選した場合には、変動パターン振分用乱数の値に基づいて所定のはずれリーチ変動パターンP21〜P22の中からメイン制御CPU60aが変動パターンを決定し、大当り判定および小当り判定に当選した場合には、変動パターン振分用乱数の値に基づいて所定の当り変動パターンP31〜P33,P41の中からメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するようになっている。なお、実施例における第2の確変用変動パターンテーブルPG2には、特定される変動時間が異なる4種類のはずれ変動パターンP11〜P14と、2種類のリーチ変動パターンP21〜P22と、特定される変動時間が異なる4種類の当り変動パターンP31〜P33,P41が設定されている。すなわち、第2の確変用変動パターンテーブルPG2は、第1の確変用変動パターンテーブルPG1と比べて、はずれリーチ変動パターンP22および当り変動パターン(通常当り変動パターン)P33が追加されており、以下の説明において、はずれリーチ変動パターンP22で特定される変動時間をT22と表し、当りリーチ変動パターンP33で特定される変動時間をT33として表す場合がある。なお、前述した第2の確変用変動パターンテーブルPG2に含まれる変動パターンの種類や数は一例に過ぎず、これに限られるものでないことは当然である。
ここで、第2の確変用変動パターンテーブルPG2に含まれるはずれ変動パターンP11〜P14は、メイン制御CPU60aが変動パターンを決定する時点でメイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報の保留数(記憶数)に応じて、各はずれ変動パターンP11〜P14に対する変動パターン振分判定値の割当数が異なるよう設定されている。なお、実施例において、第2の確変用変動パターンテーブルPG2に含まれるはずれ変動パターンP11〜P14に対する変動パターン振分判定値の割当数は、前述した第1の確変用変動パターンテーブルPG1に含まれるはずれ変動パターンP11〜P14に対する変動パターン振分判定値の割当数と同じであることから、詳細な説明は省略する。すなわち、確変モードおよび潜伏モードでは、大当り判定、小当り判定および演出実行判定の何れにも当選しない場合に、同じ条件ではずれ変動パターンP11〜P14をメイン制御CPU60aが決定するようになっている。このように、確変モードおよび潜伏モードにおいて、確変状態および変短状態が付与された状態では、当り(大当りおよび小当り)やリーチの当選条件が等しくなっていることから、リーチすることなくはずれとなる1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)が同じになる。
また、実施例の第2の確変用変動パターンテーブルPG2には、図11に示すように、前記はずれリーチ変動パターンP21〜P22として特定される変動時間が異なる2種類の変動パターンが設定されており、各はずれリーチ変動パターンP21〜P22に対して所定数の変動パターン振分判定値が割り当てられている。実施例の第2の確変用変動パターンテーブルPG2では、短い変動時間(実施例ではT21=23400ms)を特定するはずれリーチ変動パターンP21に対する変動パターン振分判定値の割当数が、長い変動時間T22(実施例ではT21=50900ms)を特定するはずれリーチ変動パターンP22に対する変動パターン振分判定値の割当数よりも多く設定されており、大当り遊技や小当り遊技の発生しないリーチ演出の時間が短くなるよう構成されている。このように、潜伏モードで行われる図柄変動演出(特図変動表示)では、第2の確変用変動パターンテーブルPG2に基づいてはずれリーチ変動パターンP21〜P22が決定されることで、確変モードで行われる図柄変動演出(特図変動表示)と比べて大当り判定および小当り判定が何れも否定であった場合のはずれとなるリーチ演出の変動時間が長くなるよう設定されており、確変状態であるか否かを推測させるための演出を行ない得るようになっている。このように、確変モードおよび潜伏モードにおいて、確変状態および変短状態が付与された状態では、当り(大当りおよび小当り)やリーチの当選条件が等しくなっていることから、はずれとなるリーチ演出が行われる1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)は、確変モードよりも潜伏モードの方が長くなる。
また、実施例の第2の確変用変動パターンテーブルPG2に設定された複数種類(実施例では4種類)の当り変動パターンP31〜P33,P41は、決定された当り遊技の種類に応じてメイン制御CPU60aが決定可能な当り変動パターンP31〜P33,P41が定められている。具体的に第2の確変用変動パターンテーブルPG2には、決定された当り遊技が特定当り遊技の場合にメイン制御CPU60aが決定可能な特定当り変動パターンP41と、決定された当り遊技が特定当り遊技以外の当り遊技の場合にメイン制御CPU60aが決定可能な通常当り変動パターンP31〜P33とが設定されている。すなわち、メイン制御CPU60aにより決定された当り遊技が特定当り遊技の場合には、第2の確変用変動パターンテーブルPG2に含まれる変動パターンの内で、特定当り変動パターンP41に対して割り当てられた変動パターン振分判定値に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するようになっている。また、メイン制御CPU60aにより決定された当り遊技が特定当り遊技以外の当り遊技の場合には、第2の確変用変動パターンテーブルPG2に含まれる変動パターンの内で、通常当り変動パターンP31〜P33に対して割り当てられた変動パターン振分判定値に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するようになっている。なお、実施例の第2の確変用変動パターンテーブルPG2には、前記通常当り変動パターンとして3種類の当り変動パターンP31〜P33が設定され、前記特定当り変動パターンとして1種類の当り変動パターンP41が設定されている。
第2の確変用変動パターンテーブルPG2では、図11に示すように、通常当り変動パターンP31〜P33において最短の変動時間T31(実施例ではT31=25100ms)を特定する通常当り変動パターンP31および最長の変動時間T33(実施例ではT33=52600ms)を特定する通常当り変動パターンP33に対して同数の変動パターン振分判定値が割り当てられると共に、中間の変動時間T32(実施例ではT32=36900ms)を特定する通常当り変動パターンP32に対する変動パターン振分判定値の割当数が、通常当り変動パターンP31,P33に対する割当数よりも少なく設定されている。また、実施例の第2の確変用変動パターンテーブルPG2では、特定当り変動パターンP41として1種類が設定されていることから、当該1種類の特定当り変動パターンP41に対して全ての変動パターン振分判定値が割り当てられており、特定当り遊技以外の当り遊技が決定された場合には、特定当り変動パターンP41がメイン制御CPU60aにより決定されるように設定されている。ここで、前記特定当り変動パターンP41により特定される変動時間(実施例ではT41=1100ms)は、第2の確変用変動パターンテーブルPG2に設定された変動パターンにより特定される変動時間の中で最短の変動時間となるよう設定されている。すなわち、変短モードにおいて特定当り遊技が決定された場合には、図柄変動演出(特図変動表示)が速やかに終了して決定された当り遊技が付与され得ようになっている。
ここで、前記第2の確変用変動パターンテーブルPG2に設定された通常当り変動パターンP31に対する変動パターン振分判定値の割当数は、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に設定された通常当り変動パターンP31に対する変動パターン振分判定値の割当数よりも少なく設定されている。このため、確変モードおよび潜伏モードにおいて、確変状態および変短状態が付与された状態では、当り(大当りおよび小当り)やリーチの当選条件が等しくなっていることから、当り遊技が発生する場合の1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)は、確変モードよりも潜伏モードの方が長くなる。このように、実施例では、確変モードおよび潜伏モードにおいて、確変状態および変短状態が付与された状態では、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合と比べて、第2の確変用変動パターンテーブルPG2に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合の方が、1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)が長くなるように設定されている。
(特殊変動パターンテーブルPG3について)
前記特殊変動パターンテーブルPG3は、図12に示すように、特定される変動時間が異なった所定数のはずれ変動パターンP15および当り変動パターンP31,P41を含んでおり、これらの変動パターンP15,P31,P41に対して変動パターン振分判定値が割り当てられている。すなわち、確変状態において前記小当り判定の判定が肯定となった後の図柄変動演出(特図変動表示)では、大当り判定および小当り判定の何れにも当選しない場合には、変動パターン振分用乱数の値に基づいて特殊変動パターンテーブルPG3の中からメイン制御CPU60aがはずれ変動パターンP15を決定し、大当り判定および小当り判定に当選した場合には、変動パターン振分用乱数の値に基づいて当り変動パターンP31,P41の中からメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するようになっている。ここで、実施例の特殊変動パターンテーブルPG3には、はずれリーチ変動パターンが設定されておらず、特殊変動パターンテーブルPG3に基づいて変動パターンを決定する際に、演出実行判定に判定結果が肯定の場合は、特殊変動パターンテーブルPG3の中からメイン制御CPU60aがはずれ変動パターンP15を決定するよう設定されている。ここで、実施例における特殊変動パターンテーブルPG3には、1種類のはずれ変動パターンP15と、特定される変動時間が異なる2種類の当り変動パターンP31,P41が設定されている。すなわち、確変状態において前記小当り判定の判定が肯定となった後に特殊変動パターンテーブルPG3に基づいて行われる図柄変動演出(特図変動表示)では、大当り遊技または小当り遊技に当選しない限りはずれ変動パターンP15が選択されるようになっている。なお、以下の説明において、はずれ変動パターンP15で特定される変動時間をT15と表す。なお、前述した特殊変動パターンテーブルPG3に含まれる変動パターンの種類や数は一例に過ぎず、これに限られ得ものでないことは当然である。
ここで、前記特殊変動パターンテーブルPG3に含まれるはずれ変動パターンP15により特定される変動時間T15は、前述した確変用変動パターンテーブル(第1の確変用変動パターンテーブルPG1または第2の確変用変動パターンテーブルPG2)に含まれる変動パターンにより特定される最短の変動時間以下となるよう設定されている。具体的に、前記はずれ変動パターンP15により特定される変動時間T15は、第1の確変用変動パターンテーブルPG1または第2の確変用変動パターンテーブルPG2に含まれる変動パターンの内で最短の変動時間T41(実施例ではT41=1100ms)を特定している特定当り変動パターンP41と同一の時間(すなわちT15=1100ms)に設定されている。また、前述したように特殊変動パターンテーブルPG3に含まれる当り変動パターンP31により特定される変動時間T31は25100msであり、特定当り変動パターンP41により特定される変動時間T41は1100msである。
すなわち、前記特殊変動パターンテーブルPG3には、該特殊変動パターンテーブルPG3に含まれる変動パターンP15,P31,P41の内で最短となる変動時間T15を定めたはずれ変動パターンP15が設定されており、特殊変動パターンテーブルPG3に基づいてはずれ変動パターンを決定する際には、当該最短の変動時間T15を定めたはずれ変動パターンP15がメイン制御CPU60aにより決定されるようになっている。また、前述したように、実施例のパチンコ機10では、確変状態における大当り確率は1399/65536であり、また小当り確率は450/65536または250/65536であることから、確変状態であっても実行される図柄変動演出(特図変動表示)の多くは当り遊技の発生しないはずれ変動となる。すなわち、実施例において前記特殊変動パターンテーブルPG3に基づいて変動パターンを決定する際には、当該特殊変動パターンテーブルPG3に含まれる変動パターンP15,P31,P41の内で、最短の変動時間を定めたはずれ変動パターンP15をメイン制御CPU60aが決定する割合が最も高くなるよう構成されている。
ここで、特殊変動パターンテーブルPG3に基づいて当り変動パターンP31,P41をメイン制御CPU60aが決定する際には、該メイン制御CPU60aにより決定された当り遊技の種類に応じてメイン制御CPU60aが決定する当り変動パターンP31,P41が変わるよう変動パターン振分判定値が当り変動パターンP31,P41の夫々に割り当てられている。具体的に、実施例では、メイン制御CPU60aにより決定された当り遊技が前述した特定当り遊技(具体的には小当り遊技、ジャンプアップ確変大当り遊技、突然確変大当り遊技)の場合に、メイン制御CPU60aにより特定当り変動パターンP41が決定されるよう変動パターン振分判定値が割り当てられると共に、該特定当り遊技以外の当り遊技(具体的には特別確変大当り遊技、通常非確変大当り遊技、ステップアップ確変大当り遊技、短縮大当り遊技)の場合、メイン制御CPU60aにより当り変動パターンP31が決定されるよう変動パターン振分判定値が割り当てられている。
また、実施例では、前記確変用変動パターンテーブル(第1の確変用変動パターンテーブルPG1および第2の確変用変動パターンテーブルPG2)に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合と比べて、前記特殊変動パターンテーブルPG3に基づいて変動パターンを決定する場合の方が、メイン制御CPU60aにより変動時間の短い変動パターンが決定される確率が高くなるよう構成されている。言い換えると、確変状態および変短状態が付与された状態において、前記特殊変動パターンテーブルPG3に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合における1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)は、確変用変動パターンテーブル(第1の確変用変動パターンテーブルPG1および第2の確変用変動パターンテーブルPG2)に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合における1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)と比べて短くなるよう構成されている。
具体的に、実施例の特殊変動パターンテーブルPG3には、はずれ用の変動パターンとしてはずれリーチ変動パターンP15のみが設定されており、このはずれリーチ変動パターンP15により特定される変動時間T15は、第1および第2の確変用変動パターンテーブルPG1,PG2においてはずれ用の変動パターンとして設定されたはずれ変動パターンP11〜P14およびはずれリーチ変動パターンP21〜P22の何れにより特定される変動時間T11〜T14,T21〜T22よりも短く設定されている。実施例において、確変状態および変短状態が付与された状態では、当り(大当りおよび小当り)やリーチの当選条件が等しくなっていることから、はずれとなる1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)は、確変用変動パターンテーブル(第1の確変用変動パターンテーブルPG1および第2の確変用変動パターンテーブルPG2)に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合に比べて、特殊変動パターンテーブルPG3に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合の方が短くなっている。
更に、特殊変動パターンテーブルPG3には、当り用の変動パターンとして当り変動パターンP31,P41が設定されており、第1の確変用変動パターンテーブルPG1には、当り変動用の変動パターンとして通常当り変動パターンP31〜P32,P41が設定され、第2の確変用変動パターンテーブルPG2には、当り変動用の変動パターンとして当り変動パターンP31〜P33,P41が設定されている。
ここで、特定当り遊技以外の当り遊技(具体的には特別確変大当り遊技、通常非確変大当り遊技、ステップアップ確変大当り遊技、短縮大当り遊技)をメイン制御CPU60aが決定したときに、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に基づいて変動パターンを決定する場合には、通常当り変動パターンP31〜P32の何れかをメイン制御CPU60aが決定し、第2の確変用変動パターンテーブルPG2に基づいて変動パターンを決定する場合には、当り変動パターンP31〜P33の何れかをメイン制御CPU60aが決定し、特殊変動パターンテーブルPG3に基づいて変動パターンを決定する場合には、当り変動パターンP31をメイン制御CPU60aが決定する。ここで、特殊変動パターンテーブルPG3に設定された当り変動パターンP31により特定される変動時間T31は、第1および第2の確変用変動パターンテーブルPG1,PG2において当り用の変動パターンとして設定された変動パターンP32〜P33により特定される変動時間T32〜T33よりも短く設定されている。すなわち、確変状態および変短状態が付与された状態では、当り(大当りおよび小当り)やリーチの当選条件が等しくなっていることから、特定当り遊技以外の当り遊技が発生する当りとなる1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)は、確変用変動パターンテーブル(第1の確変用変動パターンテーブルPG1および第2の確変用変動パターンテーブルPG2)に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合に比べて、特殊変動パターンテーブルPG3に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合の方が短くなっている。
また、特定当り遊技(具体的には小当り遊技、ジャンプアップ確変大当り遊技、突然確変大当り遊技)をメイン制御CPU60aが決定したときには、第1および第2の確変用変動パターンテーブルPG1,PG2および特殊変動パターンテーブルPG3の何れに基づいて変動パターンを決定する場合であっても、特定当り変動パターンP41をメイン制御CPU60aが決定することから、変動パターンを決定する基準となる第1および第2の確変用変動パターンテーブルPG1,PG2および特殊変動パターンテーブルPG3による変動時間の差はない。すなわち、確変状態および変短状態が付与された状態では、当り(大当りおよび小当り)やリーチの当選条件が等しくなっていることから、当り遊技が発生する当りとなる1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)は、確変用変動パターンテーブル(第1の確変用変動パターンテーブルPG1および第2の確変用変動パターンテーブルPG2)に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合に比べて、特殊変動パターンテーブルPG3に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合の方が短くなっている。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例のパチンコ機10の作用につき説明する。
実施例のパチンコ機10では、大当り判定の判定結果が肯定となった場合に決定される大当り遊技の種類に応じて、大当り遊技後の遊技状態として確変状態や変短状態が付与されるか否かがメイン制御CPU60aにより決定されると共に、大当り遊技後の遊技演出モードを確変モードおよび潜伏モードの何れとするかが決定される。そして、大当り遊技後には、遊技演出モード毎にメイン制御CPU60aが決定可能な変動パターンを定めた変動パターンテーブルの中から変動パターンが決定されると共に、該変動パターンに対応した演出パターンが決定されることで、遊技演出モード毎に特有の演出が実行されるようになっている。なお、非確変大当り遊技(通常非確変大当り遊技または短縮非確変大当り遊技)に当選した場合には、所定の変短回数(実施例では20回)の図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示の合計回数)が実行されると、潜伏モードから通常モードに移行し、通常モードに対応した変動パターンテーブルの中から変動パターンが決定される。
ここで、実施例のパチンコ機10では、大当り判定の当選に伴い、確変状態を付与する大当り遊技が決定され、大当り遊技後の遊技状態として確変状態を付与することが決定された場合には、当選した大当り遊技の種類に応じて確変モードまたは潜伏モードの何れかに移行し、確変モードに対応した第1の確変用変動パターンテーブルPG1に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するか、潜伏モードに対応した第2の確変用変動パターンテーブルPG2に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定することになる。
実施例のパチンコ機10では、確変モードおよび潜伏モードにおいて確変状態が付与された状態で小当り判定に当選した場合に、当該小当り遊技後の遊技において特殊変動パターンテーブルPG3に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定するよう設定してあるから、確変状態における小当り判定への当選を契機として、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出(特図表示器50A,50Bに行われる特変動表示)の変動時間を変更することができる。ここで、前記特殊変動パターンテーブルPG3に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合には、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合や、第2の確変用変動パターンテーブルPG2に基づいてメイン制御CPU60aが変動パターンを決定する場合と比べて、変動時間の短い変動パターンが決定される割合が高くなるよう構成されているから、確変状態において小当り判定の当選前後で変動表示が行われるリズムを変化させ、遊技にメリハリを付けることができる。
また、特殊変動パターンテーブルPG3により定まる1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)は、第1の確変用変動パターンテーブルPG1により定まる1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)や第2の確変用変動パターンテーブルPG2により定まる1変動当りの図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間の期待値(平均変動時間)より短くなっているから、確変状態で当選した小当り遊技後の遊技における変動時間を、小当り遊技前の遊技における変動時間より短縮化することが可能となる。従って、小当り判定への当選を契機として単位時間当りにより多くの図柄変動演出(特図変動表示)を実行することが可能となり、次回の大当り遊技が発生するまでの間隔を短縮することができる。このように、確変状態における小当り遊技への当選を契機として、メイン制御CPU60aが変動パターンを決定する変動パターンテーブルが第1の確変用変動パターンテーブルPG1や第2の確変用変動パターンテーブルPG2から特殊変動パターンテーブルPG3に切り替わることで、早期の次回大当りに対する遊技者の関心を高めることができ、今までにない新たな遊技性を付与して遊技の興趣向上に繋がる。
また、潜伏モードでは、内部的に確変状態の場合と非確変状態の場合とがある。ここで、潜伏モードで遊技が行われている状態で小当り遊技に当選した場合に、メイン制御CPU60aが変動パターンを決定する変動パターンテーブルが第2の確変用変動パターンテーブルPG2から特殊変動パターンテーブルPG3に切り替わることで、確変状態であることを遊技者が認識することができる。すなわち、確変状態および非確変状態に共通した潜伏モードの場合には、小当り遊技の当選が確変状態か否かを報知する報知手段としても機能するため、潜伏モード中の小当り遊技の当選に対する遊技者の関心も高まり、小当りに対して今までにない新たな遊技性を付与することができる。
また、実施例では、第1の確変用変動パターンテーブルPG1に対してはずれ変動パターンP11〜P14、はずれリーチ変動パターンP21、通常当り変動パターンP31〜P32および特定当り変動パターンP41が設定されると共に、第2の確変用変動パターンテーブルPG2に対してはずれ変動パターンP11〜P14、はずれリーチ変動パターンP21〜P22、通常当り変動パターンP31〜P33および特定当り変動パターンP41が設定されるのに対して、特殊変動パターンテーブルPG3に対してはずれ変動パターンP15、通常当り変動パターンP31および特定当り変動パターンP41が設定されている。
このように、確変用変動パターンテーブル(第1の確変用変動パターンテーブルPG1や第2の確変用変動パターンテーブルPG2)に設定された変動パターンにより特定される最短の変動時間(実施例では、T41=1100ms)以下となる変動時間T15,T41を定めた変動パターンP15,P41を設定すると共に、特殊変動パターンテーブルPG3に基づいて変動パターンを決定する際に、当該特殊変動パターンテーブルPG3に含まれる変動パターンの内で、最短の変動時間T15を定めたはずれ変動パターンP15をメイン制御CPU60aが決定する割合が最も高くなるよう設定することで、確変状態で当選した小当り遊技後の遊技における変動表示の変動時間を短縮することが可能となる。
また、実施例のパチンコ機では、確変状態となっている確変モードや潜伏モードにおいて小当り判定に当選する前は、メイン制御ROM60bが記憶する始動保留情報の記憶数(保留数)に応じて第1の確変用変動パターンテーブルPG1や第2の確変用変動パターンテーブルPG2からメイン制御CPU60aが決定するはずれ変動パターンP11〜P14が変化するのに対して、確変状態となっている確変モードや潜伏モードにおいて小当り判定に当選した後は、メイン制御ROM60bが記憶する始動保留情報の記憶数(保留数)に関わらず特殊変動パターンテーブルPG3から変動時間が最短となるはずれ変動パターンP15が決定される。すなわち、確変状態において小当り判定に当選することで、パチンコ機10で行われる遊技の大部分を占めているはずれとなる図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間が最短の変動時間T15となるよう設定することで、小当り判定への当選前後における遊技性の変化を際立たせることができる。しかも、確変状態において小当り判定に当選した後の遊技において、はずれとなる図柄変動演出(特図変動表示)の変動時間が最短となる変動パターンP15をメイン制御CPU60aが決定するようにすることで、はずれの遊技をテンポよく進行させることができ、遊技の興趣の向上を図り得る。
ところで、小当り判定への当選に伴い変動時間が短縮化された場合に、図柄変動演出(特図変動表示)の実行契機(すなわち始動入賞検出センサ34a,34bによるパチンコ球の検出)が増えなければ、遊技を行っているにも関わらず図柄変動演出(特図変動表示)が実行されない時間が長くなる懸念がある。実施例では、確変モードおよび潜伏モードの何れにおいても変短状態が付与されるようになっている。このように、小当りを契機として変動パターンを決定する変動パターンテーブルが特殊変動パターンテーブルPG3に切り替わって1変動当りの変動時間が短縮された場合であっても、変短状態が付与されていることで第2始動入賞口31bへのパチンコ球の入賞を維持することができ、1回毎の図柄変動演出(特図変動表示)が短時間で終了しても継続して図柄変動演出(特図変動表示)を行わせることができる。
しかも、実施例では、第2始動入賞検出センサ34bの検出(すなわち第2始動入賞口31bへの入賞)に伴って賞球の払出条件が成立した際に、第2始動入賞検出センサ34bの検出数と同数のパチンコ球が賞球として払い出されるよう構成してあるから、第2始動入賞検出センサ34bの検出(すなわち第2始動入賞口31bへの入賞)によって遊技者が扱うパチンコ球が純増するのを防止できる。これにより、小当り判定への当選に伴い変動時間を短縮化した際に、第2始動入賞検出センサ34bの検出頻度(すなわち第2始動入賞口31bへの入賞頻度)を高めたとしても、過剰な賞球が遊技者に払い出されるのを防止することができるから、小当り判定への当選に伴い変動時間が短縮化された状態において図柄変動演出(特図変動表示)が行われる機会を適切に確保することが可能となり、図柄変動演出(特図変動表示)が実行されない時間が長くなるといった遊技者を不快にさせる事態を抑制することができる。
(変更例)
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、特殊変動パターンテーブルPG3に対して、該特殊変動パターンテーブルPG3に含まれる変動パターンの内で最短となる変動時間T41が設定された特定当り変動パターン(短時間当り変動パターン)P41と、該特定当り変動パターンP41で定まる変動時間T41より長い変動時間T31が設定された通常当り変動パターン(長時間当り変動パターン)P31とを設定して、特定当り遊技としての小当り遊技、ジャンプアップ確変大当り遊技および突然確変大当り遊技の何れかに当選した場合に、特定当り変動パターンP41をメイン制御CPU60aが決定するよう構成したが、これに限られるものではない。例えば、確変決定手段としてのメイン制御CPU60aが確変状態の付与を決定した場合に、前記特定当り変動パターンを決定するよう設定し、メイン制御CPU60aが確変状態を付与しないことを決定した場合に通常当り変動パターンを決定するよう設定するようにしてもよい。具体的に、実施例に示した特別確変大当り遊技、第1の特殊確変大当り遊技、第2の特殊確変大当り遊技、突然確変大当り遊技および短縮確変の全て或いはこれらから適宜に選択した確変大当り遊技を前記特定当り遊技として、該特定当り遊技が決定された場合に特定当り変動パターンP41が決定されるようにすることができる。なお、メイン制御CPU60aが確変状態の付与を決定した場合に、特定当り変動パターンが必ず決定される必要はなく、確変状態の付与を決定した場合に決定可能な複数の変動パターンの中に特定当り変動パターンP41が含まれるようにして、変動パターン振分用乱数により変動パターンP41と他の変動パターンとを振り分けるようにしてもよい。もよい。このように、確変状態において小当り判定へ当選した後は、特殊変動パターンテーブルPG3に基づいて変動パターンを決定することで、変動時間が短い特定当り変動パターンP41に基づいて行われた図柄変動演出(特図変動表示)で大当り遊技が発生することにより、大当り遊技後に確変状態が付与されることが確定するから、変動時間を短縮するだけでなく、大当り遊技後の遊技状態も遊技者の利益を高めることができる。
(2) 実施例では、2種類の確変用変動パターンテーブルを設定するようにしたが、これに限られるものではなく、確変用変動パターンテーブルを1種類だけ設定するものであってもよく、また3種類以上の確変用変動パターンテーブルを設定してもよい。ここで、確変用変動パターンテーブルを複数種類設定する場合には、実施例のように、各確変用変動パターンテーブルに基づいて変動パターンが決定される場合に比べて、特殊変動パターンテーブルに基づいて変動パターンが決定される場合に最も変動時間の短い変動パターンが決定され易いように構成することで、確変状態において小当り遊技に当選した場合に、小当り遊技後の遊技における変動時間を短縮化することができ、小当り判定への当選を契機として新たな遊技性を付加することが可能となる。
(3) 実施例では、確変状態において小当り判定に当選することを契機として、変動パターンを決定する基準となる変動パターンテーブルが特殊変動パターンテーブルに切り替わるよう設定したが、これに限られるものではなく、確変状態に関わらず小当り判定に当選することを契機として、変動パターンを決定する基準となる変動パターンテーブルが特殊変動パターンテーブルに切り替わるようにすることもできる。この場合には、小当り判定への当選時に確変状態であるか否かに関わらず、小当り判定への当選を契機として、図柄表示装置(特図表示器)で行われる変動表示の変動時間を変更することができる。また、特殊変動パターンテーブルに切り替わる契機としては確変状態が付与されているか否かに限られるものではない。例えば、変短状態が付与されている場合に小当り遊技に当選することを契機として、メイン制御CPU60aが変動パターンを決定する変動パターンテーブルを切り替えるようにしてもよく、また確変状態および変短状態が付与されている状態で小当り遊技に当選することを契機として、メイン制御CPU60aが変動パターンを決定する変動パターンテーブルを切り替えるようにしてもよい。
(4) また、記憶手段としてのメイン制御ROM60bに記憶された各変動パターンテーブルに含まれる変動パターンの種類や数は、実施例に示したものに限定されるものではなく、特殊変動パターンテーブルに含まれる変動パターンにより定まる平均変動時間は、確変用変動パターンテーブルに設定された変動パターンにより定まる平均変動時間に比べて短くなるようにすることもできる。
(5) 実施例では、特殊変動パターンテーブルに設定された変動パターンで特定される最短の変動時間T15を、確変用変動パターンテーブルに設定された変動パターンで特定される最短の変動時間T41と同一時間に設定したが、特殊変動パターンテーブルに設定された変動パターンで特定される最短の変動時間T15をより短い時間に設定することもできる。すなわち、特殊変動パターンテーブルに設定された変動パターンで特定される最短の変動時間は、確変用変動パターンテーブルに設定された変動パターンで特定される最短の変動時間以下の時間に設定し、当該特殊変動パターンテーブルに含まれる変動パターンの内で、最短の変動時間を定めた変動パターンが決定される割合が最も高くなるよう設定することができる。
(6) 実施例の特殊変動パターンテーブルには、変動パターンで特定される最短の変動時間T15を特定する1つのはずれ変動パターンP15を設定したが、はずれ変動パターンを複数種類設定して、変動パターン振分用乱数により変動パターンの振分を行うようにしてもよい。すなわち、特殊変動パターンテーブルに複数のはずれ変動パターンを設定した場合であっても、特殊変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定した場合に、確変用変動パターンテーブルや他の変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定した場合と比べて、変動時間が短い変動パターンの選択割合が高くなるようにすればよい。例えば、最短の変動時間T15を特定するはずれ変動パターンP15の他に、変動時間T15より長い変動時間を特定するはずれ変動パターン(実施例で示した変動時間T11を特定するはずれ変動パターンP11等)を特殊変動パターンテーブルPG3に設定すると共に、はずれ変動パターンP15に対する変動パターン振分判定値の割当数を、当該長い変動時間を特定するはずれ変動パターンに対する割当数よりも多くして、他の変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定した場合と比べて、変動時間が短い変動パターンの選択割合が高くなるようにして平均変動時間を短くすることもできる。一例を挙げれば、変動時間T11を特定するはずれ変動パターンP11と、変動時間T15を特定するはずれ変動パターンP15を特殊変動パターンテーブルPG3に設定した場合に、はずれ変動パターンP15に対する変動パターン振分判定値の割当数を99/100に設定すると共に、はずれ変動パターンP11に対する変動パターン振分判定値の割当数を1/100に設定するようなことも可能である。なお、特殊変動パターンテーブルにおける通常当り変動パターンおよび特定当り変動パターンに関しても、同様に複数種類を設定して変動パターン振分用乱数により変動パターンの振分を行うようにしてもよい。
(7)また、実施例では、実施例の特殊変動パターンテーブルに対して変動パターンで特定される最短の変動時間T15を特定するはずれ変動パターンP15を設定したが、当該特殊変動パターンテーブルのはずれ変動パターンを、変動パターンで特定される最短の変動時間T15を特定するはずれ変動パターンP15以外のはずれ変動パターンとすることもできる。例えば、特定当り変動パターンP41により特定される変動時間T41(1100ms)より長い変動時間(例えば1500ms)を特定するはずれ変動パターンを、特殊変動パターンテーブルに設定するようにしてもよく、特殊変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定した場合に、確変用変動パターンテーブルや他の変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定した場合と比べて、変動時間が短い変動パターンの選択割合が高くすることで、小当り遊技後の遊技における変動時間の短縮化を実現することも可能である。
(8) 実施例では、遊技機の遊技状態として、非確変・非変短状態、非確変・変短状態および確変・変短状態の3つの状態を設定し、確変状態において小当り判定の判定結果が肯定の場合に、小当り遊技後に必ず特殊変動パターンテーブルに基づいて変動パターンが決定されるよう設定したが、これに限られるものではない。確変・非変短状態(確変状態が付与される一方で変短状態が付与されていない状態)を設定して、該確変・非変短状態において小当り判定の判定結果が肯定となった場合には、当該小当り遊技後の遊技において確変用変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定し、確変・変短状態において小当り判定の判定結果が肯定となった場合に、当該小当り遊技後の遊技において特殊変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定するよう構成することもできる。すなわち、確変状態および変短状態が付与されていることを特殊変動パターンテーブルへの切り替え条件とすることで、変動時間の短縮化に伴って変動表示(図柄変動演出や特図変動表示)の変動が途切れるのを防止できる。
(9) また、実施例では、確変状態において小当り判定に当選した場合に、変動パターンを決定する変動パターンテーブルが特殊変動パターンテーブルに切り替わるようにしたが、確変状態において小当り判定に当選した場合に、変動パターンを決定する変動パターンテーブルを特殊変動パターンテーブルに切り替えるか否かをメイン制御CPU60aが判定するようにしてもよい。このような切替判定手段を設けることで、特殊変動パターンテーブルに基づいて変動表示(図柄変動演出や特図変動表示)が行われることへの期待感を高めることができる。
(10) 実施例では、確変状態において小当り判定の結果が肯定であることを条件として、小当り遊技後の遊技において変動パターン決定手段としてのメイン制御CPUが特殊変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定するよう構成したが、これに限られるものではなく、確変状態や変短状態といった遊技状態に関わりなく、小当り判定の結果が肯定であることを条件として、小当り遊技後の遊技において変動パターン決定手段としてのメイン制御CPUが特殊変動パターンテーブルルに基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。この場合には、前記特殊変動パターンテーブルに設定された変動パターンにより定まる平均変動時間が、確変用変動パターンテーブルや通常モードに対応した変動パターンテーブル等の他の変動パターンテーブルに設定された変動パターンにより定まる平均変動時間に比べて短くなるよう設定される。このようにすることで、小当り判定への当選を契機として、表示手段(図柄表示装置や特図表示器)で行われる変動表示の変動時間を変更することができ、これにより小当り判定に当選する前後で変動表示が行われるリズムを変化させることができる。また、特殊変動パターンテーブルにより定まる平均変動時間を、特殊変動パターンテーブル以外の変動パターンテーブルにより定まる平均変動時間より短くすることで、小当り遊技後の遊技における変動時間を短縮化することが可能となる。従って、小当り判定への当選を契機として単位時間当りにより多くの変動表示を実行することができ、小当り判定への当選を契機として新たな遊技性を付与することが可能となる。
(11) 実施例では、第1始動入賞検出手段(第1始動入賞検出センサ34a)が遊技球を検出したことを契機として行われる演出実行判定の場合と、第2始動入賞検出手段(第2始動入賞検出センサ34b)がパチンコ球を検出したことを契機として行われる演出実行判定の場合とで、演出実行判定値の設定数を異ならせるようにしたが、これらの場合において演出実行判定値の設定数を変えることなく同じにするようにしてもよい。また、小当り判定への当選を契機として、小当り遊技前および小当り遊技後における演出実行判定値の設定数を異ならせるようにしてもよい。具体的に、小当り判定の判定結果が肯定判定となる前(小当り遊技前)に行われる演出実行判定の場合に設定される演出実行判定値の数よりも、小当り判定の判定結果が肯定判定となった前後(小当り遊技後)に行われる演出実行判定の場合に設定される演出実行判定値の数の方が少なくなるようにすることで、小当り判定への当選を契機として単位時間当りにより多くの変動表示を実行することができ、小当り判定への当選を契機として新たな遊技性を付与することが可能となる。ここで、変動パターンを決定する変動パターンテーブルが特殊変動パターンテーブルに切り替わること(実施例の場合であれば確変状態において小当り判定手段の判定が肯定となること)を契機として、演出実行判定値の設定数が少なくなるように設定することで、小当り遊技後の遊技におけるリーチ演出の発生確率を低減して変動時間を短縮化することが可能となる。更に、特殊変動パターンテーブルへの切り替わりを契機として演出実行判定値の設定数を「0」にして、リーチ演出が行われないようにしてもよい。
(12) 実施例では、始動入賞検出手段による入賞球の検出に伴い払出条件が成立した際に、該始動入賞検出手段による遊技球の検出数と同数となるよう賞球払い出し個数を決定するよう設定したが、これに限られるものではなく、遊技球の検出数を超える賞球払い出し個数に設定することもできる。
(13) 実施例では、1つの始動入賞装置に遊技領域内で常時開放する第1始動入賞口(第1始動入賞手段)と、入賞口を開閉する第2始動入賞口(可変始動入賞口、第2始動入賞手段)とを備えるよう構成したが、これに限られるものではなく、該第1始動入賞口と第2始動入賞口とを別々の装置に設けるようにすることもできる。このとき、第1始動入賞口および第2始動入賞口は、実施例のような上下の配置である必要はなく、遊技盤おいて遊技球が流下する遊技領域内の適宜の位置に個々の始動入賞口を配置することができる。例えば、第2始動入賞口を遊技領域内の右側に偏らせて配置し、所謂右打ち時にパチンコ球を第2始動入賞口に入賞させ得る構成であってもよい。
(14) 同様に、実施例では、始動入賞装置(特別入賞手段)の下方位置に特別入賞装置を配置するよう構成したが、これに限られるものではなく、遊技盤おいて遊技球が流下する遊技領域内の適宜の位置に特別入賞装置(特別入賞手段)を配置することができる。例えば、特別入賞装置を遊技領域内の右側に偏らせて配置し、所謂右打ち時にパチンコ球を特別入賞装置に入賞させ得る構成とすることも可能である。
(15) 実施例では、遊技球が一定の確率で入賞可能な第1始動入賞手段と、遊技球の入賞確率を可変可能な第2始動入賞手段とを始動入賞手段として備え、各始動入賞具手段毎に検出手段を設けて個別に遊技球の入賞を検出するよう構成したが、該第1および第2入賞検出手段の入賞検出手段を共通にしてもよい。すなわち、第1始動入賞手段への入賞と、第2入賞検出手段への入賞とを区別しないよう構成してもよい。
(16) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(17) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を統括制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御手段(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(18) 実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(19) 実施例では、演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
また、実施例には例えば次のような技術的思想が含まれている。
請求項4に記載の構成を含む遊技機に関して、
所定の払出条件の成立に伴い、賞球の払い出し個数を決定する賞球数決定手段を備え、
前記賞球数決定手段は、前記始動入賞検出手段による入賞球の検出に伴い払出条件が成立した際に、該始動入賞検出手段による遊技球の検出数と同数となるよう賞球払い出し個数を決定するよう設定されたことを要旨とする。
このように、始動入賞検出手段の検出に伴い払出条件が成立した際に、該始動入賞検出手段の検出数と同数の遊技球を賞球として払い出されることで、始動入賞検出手段の検出によって遊技球が純増するのを防止できる。これにより、変動表示が行われる機会を確保することが可能となり、小当り判定への当選に伴い変動時間が短縮化した際に、遊技者を不快にさせるのを抑制することができる。