以下、本実施形態にかかる組電池モジュール、当該組電池モジュールを有する二次電池装置を備えた車両について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる組電池モジュールを有する二次電池装置を備えた車両の模式図である。なお、図1においては、車両100、車両100への二次電池装置の搭載箇所、および車両100の駆動モータなどは概略的に示している。
二次電池装置は、複数の組電池モジュール101(1)〜101(4)が互いに直列接続されて構成されている。ここで、組電池モジュール101(1)〜101(4)は、それぞれ独立して着脱することが可能であり、メンテナンス等において、別の組電池モジュールと交換することができる。組電池モジュール101(1)は、組電池11を有する。組電池モジュール101(2)は、組電池12を有する。また、組電池モジュール101(3)は、組電池13を有する。また、組電池モジュール101(4)は、組電池14を有する。ここで、組電池11は、直列接続された複数の二次電池セル11(1)〜11(x)[x:2以上の整数]を有する(図2参照)。なお、組電池12〜14は、組電池11と同様の構成を有している。本実施形態では、二次電池装置は、4つの組電池モジュール101(1)〜101(4)を直列接続しているが、複数の組電池モジュールを直列接続するものであれば、これに限定するものではない。
二次電池装置が備える複数の組電池モジュール101(1)〜101(4)のうち低電位側に接続された組電池モジュール101(1)の負極端子には、接続ライン31の一方の端子が接続されている。接続ライン31は、インバータ40の負極入力端子に接続されている。
また、二次電池装置が備える複数の組電池モジュール101(1)〜101(4)のうち高電位側に接続された組電池モジュール101(4)の正極端子には、接続ライン32の一方の端子が、スイッチ装置33を介して接続されている。接続ライン32の他方の端子は、インバータ40の正極入力端子に接続されている。
スイッチ装置33は、複数の組電池モジュール101(1)〜101(4)に直列接続され、複数の組電池モジュール101(1)〜101(4)の電気的な接続をオンまたはオフする。つまり、スイッチ装置33は、オンすることにより、組電池11〜14間に電流を流す。本実施形態では、スイッチ装置33は、組電池モジュール101(1)〜101(4)の組電池11〜14が有する二次電池セルの電力を負荷に供給する際にオンするメインスイッチSWM(図3参照)と、負荷へ流れ込む突入電流を防止するためのプリチャージスイッチSWP(図3参照)と、を含む。より具体的には、車両2側の負荷(例えば、モータ45など)と組電池モジュール101(1)〜101(4)をスイッチ装置33に電気的に接続する際に、プリチャージスイッチSWPをオンし、負荷との電位差が小さくなった後にメインスイッチSWMをオンする。これにより、突入電流によるメインスイッチSWMの溶着を防止する。プリチャージスイッチSWPおよびメインスイッチSWMは、リレー回路として構成されている。
インバータ40は、印加された直流電圧をモータ駆動用の3相の交流(AC)の電圧に変換する。インバータ40は、後述する電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)60または車両100の全体動作を制御するための電気制御装置71からの制御信号に基づいて、交流の電圧への変換が制御される。インバータ40の3相の出力端子は、モータ45の各3相の入力端子に接続されている。モータの回転は、例えば差動ギアユニットを介して、駆動輪WR,WLに伝達される。
電池管理装置60には、独立した外部電源70が接続されている。外部電源70は、例えば、車載アクセサリに電力を供給する定格12Vの鉛蓄電池である。また、電池管理装置60には、運転者などの操作入力に応答して車両全体の管理を行う電気制御装置71も接続されている。
図2は、本実施形態にかかる組電池監視回路(VTM:Voltage Temperature Monitoring)の機能ブロックを示す図である。図1および図2に示すように、組電池モジュール101(1)は、組電池11と、組電池監視回路(VTM)21と、を有している。組電池モジュール101(2)は、組電池12と、組電池監視回路22と、を有する。組電池モジュール101(3)は、組電池13と、組電池監視回路23と、を有する。組電池モジュール101(4)は、組電池14と、組電池監視回路24と、を有する。なお、以下の説明では、主として、組電池モジュール101(1)の機能ブロックについて説明するが、組電池モジュール101(2)〜101(4)の機能ブロックも同様の構成となっている。
組電池監視回路21は、コネクタ51を介して電池管理装置60と接続された第1通信部211と、組電池監視回路22の第1通信部211と接続された第2通信部212と、を有している。また、組電池監視回路22は、コネクタ51を介して電池管理装置60と接続されかつ組電池監視回路21の第2通信部212と接続された第1通信部211と、組電池監視回路23の第1通信部211と接続された第2通信部212と、を有している。また、組電池監視回路23は、コネクタ51を介して電池管理装置60と接続されかつ組電池監視回路22の第2通信部212と接続された第1通信部211と、組電池監視回路24の第1通信部211と接続された第2通信部212と、を有している。また、組電池監視回路24は、コネクタ51を介して電池管理装置60と接続されかつ組電池監視回路23の第2通信部212と接続された第1通信部211と、組電池監視回路24よりも高電位側に接続された組電池監視回路がある場合に当該組電池監視回路に接続された第2通信部212と、を有している。
なお、組電池監視回路21,22間の第1通信部211と第2通信部212とを接続し、かつ組電池監視回路23,24間の第1通信部211と第2通信部212とを接続することにより、組電池監視回路21,23の第1通信部211が、コネクタ51を介して電池管理装置60に接続されるようにしても良い。この場合、組電池監視回路21,22は互いの第1通信部211および第2通信部212を介して接続され双方向通信が可能であり、また組電池監視回路23,24も互いの第1通信部211および第2通信部212を介して接続され双方向通信が可能である。
より具体的には、組電池監視回路21,22を接続する場合、組電池監視回路21の第1通信部211の情報入力出力端子は、コネクタ51を介して電池管理装置60に接続される。組電池監視回路21の第2通信部212の情報入力出力端子は、組電池監視回路22の第1通信部211の情報入力出力端子に接続される。
また、組電池監視回路23,24を接続する場合、組電池監視回路23の第1通信部211の情報入力出力端子は、コネクタ51を介して電池管理装置60に接続される。組電池監視回路23の第2通信部212の情報入力出力端子は、組電池監視回路24の第1通信部211の情報入力出力端子に接続される。
また、組電池監視回路21は、電圧検出部213、温度検出部214、均等化処理部215、および診断用回路216を備える。均等化処理部215は、組電池11が有する二次電池セル11(1)〜11(x)間の電圧を均等化する均等化処理を行う。
二次電池装置では、二次電池セルの充放電や温度のばらつきなどにより、組み合わされた二次電池セル間の電圧が不均等となってくることが知られている。二次電池セル間の電圧が不均等になることにより、二次電池装置としての機能を最大に発揮できるような効率の良い充放電を行うことができなくなってくる。
均等化処理せずに電圧が高い二次電池セルが存在する状態で充電を行うと、電圧が低い二次電池セルが満充電状態にならないまま、電圧が高い二次電池セルが早く満充電状態となり、全体充電が完了することがある。そこで、充電を行うに際して、均等化処理部215により、二次電池セル間の電圧を均等化処理する必要がある。
また、診断用回路216は、組電池モジュール101(1)の異常を通知する信号であって、予め設定された基本周波数でハイレベルまたはロウレベルに切り換わる脈動信号(矩形波信号)を出力する。
電圧検出部213は、組電池11が有する二次電池セル11(1)〜11(x)の二次電池セル毎の電圧(以下、セル電圧とする)を検出する。言い換えると、電圧検出部213は、組電池11が有する二次電池セル11(1)〜11(x)それぞれの端子間の電圧をセル電圧として検出する。そして、電圧検出部213は、検出した全てのセル電圧を表す電圧信号を、第1通信部211およびインタフェース回路604を介して電池管理装置60に入力する。
温度検出部214は、組電池11が有する二次電池セル11(1)〜11(x)の二次電池セル毎または複数の二次電池セルの近傍の温度を検出する。そして、温度検出部214は、検出された全ての温度を表す温度信号を、通信部211およびインタフェース回路604を介して電池管理装置60に入力する。
図3は、本実施形態にかかる電池管理装置の全体ブロックを示す図である。図3に示すように、電池管理装置60は、電流検出回路602と、コネクタ51を介して組電池監視回路21〜24の第1通信部211と接続されたインタフェース回路604と、組電池監視回路21〜24の診断用回路216から送信された脈動信号および制御回路CTRから送信されたアラート信号を受信しかつ組電池モジュール101(1)〜101(4)および電池管理装置60における異常を表すアラート信号を出力するアラートシグナルプロセッサ605と、外部電源70から電源電圧の電力が供給される電源供給管理部606と、スイッチ駆動回路608と、メモリ607と、二次電池装置の動作を制御する制御回路(MPU:Micro Processing Unit)CTRと、を備えている。
メモリ607は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)である。メモリ607は、制御回路CTRの動作を規定するプログラムが記録されている。
組電池監視回路21〜24からインタフェース回路604には、電圧検出部213から入力された電圧信号、温度検出部214から入力された温度信号、診断用回路216から入力された脈動信号等が、コネクタ51を介して供給される。インタフェース回路604から組電池監視回路21〜24には、制御回路CTRから入力された各種信号(例えば、ロジック信号など)がコネクタ51を介して送信される。
インタフェース回路604は、電圧検出部213から入力された電圧信号、温度検出部214から入力された温度信号等を双方向シリアル通信により制御回路CTRに供給し、診断用回路216から入力された脈動信号をアラートシグナルプロセッサ605に供給する。
アラートシグナルプロセッサ605は、インタフェース回路604から供給された脈動信号および制御回路CTRから供給されたアラート信号が正常か異常かを判断する。脈動信号または制御回路CTRから供給されたアラート信号が正常である場合には、アラートシグナルプロセッサ605は、予め設定された周波数でハイレベルまたはロウレベルに切り換わるアラート信号を出力する。脈動信号または制御回路CTRから供給されたアラート信号がハイレベル切り換わったままロウレベルに切り換わらない場合には、アラートシグナルプロセッサ605は、例えば、正常時のロウレベルのアラート信号をハイレベルのアラート信号として出力する。
アラートシグナルプロセッサ605から出力されたアラート信号は、制御回路CTR、スイッチ駆動回路608、およびコネクタCN2を介して接続された電気制御装置71に供給される。
スイッチ駆動回路608は、制御回路CTRの制御により、スイッチ装置33のプリチャージスイッチSWPの動作を制御する信号S1と、メインスイッチSWMの動作を制御する信号S2とを出力する。
信号S1,S2は、コネクタCN1を介してスイッチ装置33(図1参照)に供給される。プリチャージスイッチSWPおよびメインスイッチSWMは、信号S1,S2によってオンまたはオフするリレー回路である。
例えば、脈動信号が異常である場合には、制御回路CTRは、供給されたアラート信号により対応する組電池監視回路に異常があると判断し、スイッチ駆動回路608を制御して、プリチャージスイッチSWPおよびメインスイッチSWMをオフさせる。
電源供給管理部606は、電流検出回路602、アラートシグナルプロセッサ605、メモリ607、および制御回路CTRに電力を供給する。電源供給管理部606は、制御回路CTRへの電力の供給をオンまたはオフする切替回路606Sと、当該切替回路606Sに対して起動を指示するウェイクアプ信号を切替回路606Sに出力するタイマTMと、を備えている。
タイマTMには、外部電源70により印加された12Vの電源電圧がタイマTMの前段に配置されたDC/DC変換回路CAにより5Vの直流電圧に変換されて印加される。そして、タイマTMは、印加された5Vの直流電圧の電力により駆動して、切替回路606Sにウェイクアップ信号を出力する。切替回路606Sには、スタート信号STA、外部充電器信号CHG、および制御回路CTRからの切替制御信号、タイマTMからのウェイクアップ信号、および外部電源70からの電力が供給されている。
なお、タイマTMからのウェイクアップ信号は、設定された時間毎にハイレベルとなる信号である。ウェイクアップ信号がハイレベルとなるタイミングは制御回路CTRによって設定される。
ところで、電池管理装置60には、コネクタCN1を介して、電源電圧、スタート信号STA、および外部充電器信号CHGが、外部電源70、スタートボタン(図示しない)が押下されたことを検知するスタート検知部(図示しない)、および外部充電器(図示しない)から供給されている。また、電池管理装置60は、コネクタCN2を介して、電気制御装置71との間で信号の送信および受信を行っている。
スタート信号STAは、スタート検知部(図示しない)によりスタートボタン(図示しない)が押下されたことが検知されるとハイレベルとなり、再度スタートボタン(図示しない)が押下されたことが検知されるとロウレベルとなる信号である。外部充電器信号CHGは、外部充電器が二次電池装置に接続されたらハイレベルとなり、接続が解除されたらロウレベルとなる信号である。ウェイクアップ信号、スタート信号STA、および外部充電器信号CHGは、制御回路CTRにも供給されている。
なお、二次電池装置が車両以外の機器に搭載される場合には、スタート信号STAは、二次電池装置が搭載された機器の電源オン操作が成された場合にハイレベルとなり、電源オフ操作が成された場合にはロウレベルとなる信号となる。
スタート信号STA、外部充電器信号CHG、およびウェイクアップ信号のうち少なくとも1つがハイレベルとなることにより、切替回路606Sは、外部電源70から印加された12Vの電源電圧を内部のDC/DC変換回路によって5Vの直流電圧に変換して、アラートシグナルプロセッサ605および制御回路CTRに印加する。
また、スタート信号STA、外部充電器信号CHG、およびウェイクアップ信号のうち少なくとも1つがハイレベルとなることにより、切替回路606Sは、外部電源70から印加された12Vの電源電圧を内部のDC/DC変換回路によって所定の大きさの直流電圧に変換して、電流検出回路602に印加する。
制御回路CTRには、タイマTMからウェイクアップ信号が供給され、コネクタCN1を介してスタート信号STA、および外部充電器信号CHGが供給される。そのため、制御回路CTRは、切替回路606Sにより5Vの直流電圧が印加された場合に、供給された信号のうちいずれの信号がハイレベルになったかを検出することにより、いずれの信号がハイレベルになったことにより切替回路606Sがオンされたかを検出することができる。いずれの信号により電力が供給されたかを検出できたら、制御回路CTRは、切替制御信号をハイレベルとし、切替回路606Sから電力が供給されている状態を維持させる。
また、制御回路CTRは、ウェイクアップ信号、スタート信号STA、および外部充電器信号CHGを監視し、全ての信号がロウレベルになると、切替制御信号をロウレベルとし、切替回路606Sをオフさせる。したがって、制御回路CTR、アラートシグナルプロセッサ605、および電流検出回路602への電力の供給が停止される。
制御回路CTRは、エネルギー偏差算出部601および放電時間換算部603を備える。エネルギー偏差算出部601は、電圧検出部213から入力された電圧信号を、第1通信部211およびインタフェース回路604を介して取り込むとともに、電流検出回路602にから入力された電流信号を取り込む。
放電時間換算部603は、取り込まれた電圧信号が表すセル電圧が予め定めた特定電圧に到達するまでの到達時間と、取り込まれた電流信号が表す電流値とから二次電池セル間の容量差を算出し、算出した容量差および到達時間から、二次電池セルの残り容量を同じにするため(すなわち、均等化処理部215により均等化処理を行うため)の各二次電池セルの放電時間を算出する。
さらに、制御回路CTRは、組電池監視回路21〜24に動作を制御するための信号をインタフェース回路604に供給する。
具体的には、制御回路CTRは、組電池監視回路21〜24の起動を指示する起動信号をインタフェース回路604に入力する。本実施形態では、制御回路CTRは、ロウレベルまたはハイレベルに切り換わる起動信号をインタフェース回路604に入力する。制御回路CTRは、ウェイクアップ信号、スタート信号STA、および外部充電器信号CHGのいずれかがハイレベルとなって組電池監視回路21〜24を起動させる際、ハイレベルに切り換えた起動信号をインタフェース回路604に入力する。
また、制御回路CTRは、組電池監視回路21〜24の停止を指示する停止信号をインタフェース回路604に入力する。本実施形態では、制御回路CTRは、ロウレベルまたはハイレベルに切り換わる停止信号をインタフェース回路604に入力する。制御回路CTRは、ウェイクアップ信号、スタート信号STA、および外部充電器信号CHGの全て信号がロウレベルとなって組電池監視回路21〜24を停止させる際、ハイレベルに切り換えた停止信号をインタフェース回路604に入力する。
図4は、第1の実施形態にかかるインタフェース回路および組電池モジュールの構成例を示す図である。なお、図4には、コネクタ51を介して接続された組電池モジュール101(1)およびインタフェース回路604を示しているが、コネクタ51を介して接続された組電池モジュール101(2)〜101(4)およびインタフェース回路604も同様の構成を有している。
まず、組電池モジュール101(1)の構成について説明する。図4に示すように組電池モジュール101は、組電池11、および組電池監視回路21を備えている。そして、組電池監視回路21は、被駆動部409を備える。被駆動部409は、所定電圧VDDSが印加される第1端子T1と、第1端子T1に所定電圧VDDSを印加するための信号を出力する第2端子T2と、を有している。そして、被駆動部409は、第1端子T1に所定電圧VDDSが印加された場合に組電池11の電力により起動するとともに、第2端子T2から信号を出力して第1端子T1に所定電圧を印加することにより駆動状態を維持する。また、被駆動部409は、第1端子T1に印加される電圧が所定電圧VDDS(ハイレベルに相当)から第2所定電圧SHDN(ロウレベルに相当)になった場合に、第2端子T2からの信号の出力を停止する。
本実施形態では、被駆動部409は、AFE−IC(Analog Front End Integrated Circuit)等として構成され、組電池11が有する二次電池セル11(1)〜11(x)のうち高電位側に接続された二次電池セル11(x)の正極端子、および二次電池セル11(1)〜11(x)のうち低電位側に接続された二次電池セル11(1)の負極端子に接続されている。
そして、被駆動部409は、第1端子T1に所定電圧VDDSが印加されると、組電池11の電力により起動するとともに、第2端子T2から信号を出力して組電池11の電圧を調整して第2端子T2に印加する。なお、本実施形態では、被駆動部409は、起動後、上述した第2通信部212、電圧検出部213、温度検出部214、診断用回路216、均等化処理部215、第1通信部211として機能するものとする。一方、被駆動部409は、第2所定電圧SHDNが第1端子T1に印加されると、停止状態にするとともに、第2端子T2からの信号の出力を停止する。
次に、インタフェース回路604の構成について説明する。図4に示すように、インタフェース回路604は、発電部401、第1インバータ402、抵抗403、スイッチ部404、第2インバータ405、抵抗406、ダイオード407、および分圧回路408を備えている。
第1インバータ402は、電池管理装置60から起動信号が入力され、入力された起動信号の論理を反転させる。抵抗403は、第1インバータ402により反転された起動信号がロウレベルになり、第1インバータ402より後述する発電部401が高電位となって電源D1から発電部401に電流が流れた場合に、発電部401に印加される電圧を分圧する。これにより、発電部401に高い電圧が印加されて発電部401が故障することを防止することができる。
発電部401は、電池管理装置60から起動信号が入力された場合に、発電して所定電圧VDDSを第1端子T1に印加する。本実施形態では、発電部401は、電池管理装置60から入力された起動信号が、ハイレベルに切り換わった場合に、発電して所定電圧VDDSを第1端子T1に印加する。
具体的には、本実施形態では、発電部401は、フォトカプラ等により構成され、電池管理装置60から入力された起動信号がハイレベルに切り換わった場合に発光するフォトダイオードなどの発光素子401a、および発光素子401aが発光すると発電して第1端子T1に所定電圧VDDSを印加する太陽電池などの発電部401bを備えている。
そして、電池管理装置60から第1インバータ402に入力された起動信号がハイレベルに切り換わると、第1インバータ402は、起動信号を反転したロウレベルに切り換わった信号を出力する。第1インバータ402からロウレベルに切り換わった信号が出力されると、第1インバータ402よりも発電部401が高電位となるため、電源D1から発光素子401aに電流が流れる。発光素子401aは、電源D1から流れた電流を光に変換する。発光素子401aが発光すると、発電部401bは、発光素子401aが発光すると発電して所定電圧VDDSを第1端子T1に印加する。
第2インバータ405は、電池管理装置60からハイレベルの停止信号が入力され、入力された停止信号の論理を反転させる。抵抗406は、第2インバータ405の出力端子の信号レベルがロウレベルに切り換わり、第2インバータ405より後述するスイッチ部404が高電位となって電源D2からスイッチ部404に流れる電流を制限し、スイッチ部404に高い電圧が印加されてスイッチ部404が故障することを防止している。
スイッチ部404は、電池管理装置60からハイレベルの停止信号が入力された場合に、第1端子T1に印加される電圧を所定電圧VDDS(ハイレベルに相当)から第2所定電圧(ロウレベルに相当)にする。本実施形態では、スイッチ部404は、電池管理装置60から入力された停止信号が、ハイレベルに切り換わった場合に、第2端子T2をグランドと導通させて、第1端子T1にロウレベルの第2所定電圧SHDNを印加する。
本実施形態では、スイッチ部404は、フォトカプラ等により構成され、電池管理装置60から入力された停止信号がハイレベルに切り換わった場合に発光するフォトダイオードなどの発光素子404a、および発光素子404aが発光すると第2端子T2をグランドに導通させて第1端子T1に第2所定電圧SHDNを印加するフォトトランジスタなどの印加部404bを備えている。
そして、電池管理装置60から入力された停止信号がハイレベルに切り換わると、第2インバータ405は、停止信号を反転したロウレベルに切り換わった信号を出力する。第2インバータ405からロウレベルに切り換わった信号が出力されると、第2インバータ405よりスイッチ部404が高電位となるため、電源D2からスイッチ部404に電流が流れる。発光素子404aは、電源D2から流れた電流を光に変換する。発光素子404aが発光すると、印加部404bは、第2端子T2をグランドに導通させる。これにより、第2端子T2から第1端子T1に流れる電流が減少し、第1端子T1にロウレベルに相当する第2所定電圧SHDNが印加されるため、被駆動部409は停止状態となる。
ダイオード407は、第2端子T2にアノード端子が接続され、カソード端子から信号を出力する。ダイオード407は、第2端子T2から出力された信号により第1端子T1に印加される電圧より高い電圧が第2端子T2に印加されて、第2端子T2への電流の流れ込みを防止する。本実施形態では、ダイオード407は、ツェナーダイオード等により構成され、第2端子T2にアノードが接続されかつ第1端子T1にカソード端子が接続される。これにより、被駆動部409の駆動時において、第2端子T2に過電圧が印加されることを防止することができる。
分圧回路408は、第2端子T2に直列接続された複数の分圧抵抗408a,408bを有する。そして、分圧回路408は、分圧抵抗408a,408b間の電圧を第1端子T1に出力する。これにより、分圧回路408は、第2端子T2から出力された信号により第1端子T1に印加される電圧を分圧して第2所定電圧SHDNを生成する。本実施形態では、分圧回路408は、ダイオード407のカソード端子に直列接続された2つの分圧抵抗408a,408bを有する。そして、分圧回路408は、分圧抵抗408aと分圧抵抗408bとの間の電圧である第2所定電圧SHDNを第1端子T1に印加する。これにより、被駆動部409の駆動開始時において、第1端子T1に過電圧が印加されることを防止することができる。
このように、第1の実施形態の組電池モジュールによれば、電池管理装置60から被駆動部409の起動を指示する起動信号が入力された場合に、発電して所定電圧VDDSを第1端子T1に印加する発電部401を備えることにより、被駆動部409の駆動を組電池11の電圧を用いずに行えるので、組電池11と第1端子T1とを接続する配線を減らすことができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、電池管理装置から第2起動信号が入力された場合に、トランス回路で発電するとともに、電池管理装置から起動信号が入力された場合に、第1端子とトランス回路とを導通させることにより、第1端子に所定電圧を印加する。なお、以下の説明では、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略し、第1の実施形態と異なる箇所について説明する。
図5は、第2の実施形態にかかるインタフェース回路および組電池モジュールの構成例を示す図である。なお、図5には、コネクタ51を介して接続された組電池モジュール101(1)およびインタフェース回路501を示しているが、コネクタ51を介して接続された組電池モジュール101(2)〜101(4)およびインタフェース回路501も同様の構成を有している。
本実施形態にかかるインタフェース回路501は、図5に示すように、発電部502、バッファ505、第1インバータ402、抵抗403、スイッチ部404、第2インバータ405、抵抗406、ダイオード407、および分圧回路408を備えている。
なお、本実施形態では、制御回路CTRは、起動信号および停止信号に加えて、被駆動部409の起動を指示する第2起動信号をインタフェース回路604に入力する。本実施形態では、制御回路CTRは、起動信号に同期してロウレベルまたはハイレベルに切り換わる第2起動信号をインタフェース回路604に供給する。
バッファ505は、制御回路CTRから入力された第2起動信号の増幅等を行って出力する。
発電部502は、第2スイッチ部503、およびトランス回路504を備えている。トランス回路504は、制御回路CTRからされた第2起動信号が入力された場合に発電する。本実施形態では、トランス回路504は、第2起動信号がハイレベルに切り換わった場合に、コイルに電流を流して発電し、第2スイッチ部503を介して第1端子T1に所定電圧VDDSを印加する。
第2スイッチ部503は、制御回路CTRから起動信号が入力された場合にトランス回路504の発電により所定電圧VDDSを第1端子T1に印加する。本実施形態では、第2スイッチ部503は、フォトカプラ等によって構成され、制御回路CTRから入力された起動信号が、ハイレベルに切り換わった場合に発光するフォトダイオードなどの発光素子503a、および発光素子503aが発光すると第1端子T1をトランス回路504と導通させて、第1端子T1に所定電圧VDDSを印加するフォトトランジスタなどの印加部503bを備えている。
そして、バッファ505から出力された第2起動信号がハイレベルに切り換わると、トランス回路504は、コイルに電流を流して、発電する。第1インバータ402は、バッファ505に同期して、起動信号を反転したロウレベルを出力する。第1インバータ402からロウレベルが出力されると、第1インバータ402よりも第2スイッチ部503が高電位となるため、電源D1から発光素子503aに電流が流れる。発光素子503aは、電源D1から流れた電流を光に変換する。発光素子503aが発光すると、印加部503bは、第1端子T1をトランス回路504と導通させる。これにより、発電部502は、トランス回路504の発電により所定電圧VDDSを第1端子T1に印加する。
このように、第2の実施形態の組電池モジュール101(1)〜(4)によれば、電池管理装置60から第2起動信号が入力された場合に、トランス回路504により発電するとともに、電池管理装置60から起動信号が入力された場合に、第1端子T1とトランス回路504とを導通させて、第1端子T1に所定電圧VDDSを印加することにより、被駆動部409の起動を組電池11の電圧を用いずに行えるので、組電池11と第1端子T1とを接続する配線を減らすことができる。
以上説明したとおり、第1,2の実施形態によれば、組電池と被駆動部を起動させるための電圧を第1端子に印加するための配線を減らすことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。