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JP5916954B2 - タイヤ保持装置、タイヤ試験システム - Google Patents

タイヤ保持装置、タイヤ試験システム Download PDF

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Description

この発明は、タイヤ保持装置、タイヤ試験システムに関する。
タイヤの均一性を測定するユニフォーミティマシン等のタイヤ試験システムが知られている。この種のタイヤ試験システムにおいては、ベルトコンベアを用いてタイヤを搬送した後、上リム、および、下リムによってタイヤのビード部を挟み込むことでタイヤを保持するタイヤ保持装置を備える場合が多い。
特許文献1には、搬送方向に延び互いに間をあけて配置された一対のベルトコンベアによって試験機の中央にタイヤを搬送し、その後、ベルトコンベアを下降させて下リムにタイヤを受け渡す搬送方法が開示されている。
特許文献2には、タイヤの上下ビード領域に対して潤滑剤を塗布する手段を備えることが記載されている。このようにタイヤの上下ビード領域に潤滑剤を塗布することで、上下リムに対する密封性、除去特性を向上することが可能となっている。
特許文献3には、入口コンベアに搬入されたタイヤを、コンベアの中央に正確に配置するセンタリング装置を備え、このセンタリングされたタイヤを測定位置の中央にコンベア搬送して測定を行うタイヤ試験システムが記載されている。
特開2011−169768号公報 特開2007−279057号公報 特開昭61−212742号公報
引用文献2に記載のタイヤ試験システムは、上下リムに対する密封性、除去特性を向上できるが、潤滑剤がコンベアのベルトに付着してしまう場合がある。潤滑剤がコンベアに付着すると、コンベアに対してタイヤが滑ってしまう可能性がある。すると、測定位置までタイヤを搬送するためにコンベアを所定量作動させたとしても、コンベアに対するタイヤの位置が搬送方向にずれてしまう。この他に、コンベアに対するタイヤの搬送方向への位置ずれは、コンベアベルトの経年劣化、タイヤ形状の違いによるタイヤとコンベアベルトとの接触面積の不足、および、搬送方向のコンベアの継ぎ目などによっても生じる可能性がある。
タイヤの位置が搬送方向にずれてしまうと、特許文献3のようにセンタリングをしたとしても、タイヤに対して上下リムを精度良く嵌め込むことができない。このように上下リムへの嵌め込み精度が悪くなってしまうと、タイヤの意図しない部分が上下リムによって挟み込まれて、タイヤが損傷してしまう可能性がある。
この発明は、上リム、および、下リムをタイヤに対して精度よく嵌め込むことが可能となり、タイヤの損傷を抑制できるタイヤ保持装置、タイヤ試験システムを提供することを目的とする。
この発明の第一態様によれば、タイヤ保持装置は、間隔をあけて配された一対のコンベアにより中心軸が上下方向を向いた状態で搬送されるタイヤを上リムおよび下リムによって上下方向両側から挟んで保持する。このタイヤ保持装置は、前記一対のコンベアと、前記上リムおよび前記下リムの何れか一方のリムとを相対移動させることで、前記コンベアによって搬送される前記タイヤを、前記上リムおよび前記下リムの何れか一方のリムに接近させる昇降装置を備える。前記タイヤ保持装置は、平面視で前記一対のコンベアの間に設けられるとともに、タイヤ搬送方向で前記上リムおよび前記下リムの何れか一方のリムの上流側および下流側の少なくとも一方に設けられ、前記タイヤが前記昇降装置により前記上リムおよび前記下リムの何れか一方のリムに接近するに従い、タイヤ搬送方向で前記タイヤの中心が前記上リムおよび前記下リムの何れか一方のリムの中心と一致するように前記タイヤを案内するガイド、を更に備える。
この発明の第二態様によれば、タイヤ保持装置は、第一態様のタイヤ保持装置におけるガイドが、搬送方向で前記上リムまたは前記下リム側に凹となる凹面状のガイド面を有していてもよい。
この発明の第三態様によれば、タイヤ保持装置は、第一又は第二態様のタイヤ保持装置におけるガイドが、上下方向に転動するローラーを有していてもよい。
この発明の第四態様によれば、タイヤ保持装置は、第三態様のタイヤ保持装置におけるローラーが、上下方向に加えて、さらに搬送方向と交差する水平方向に転動してもよい。
この発明の第五態様によれば、タイヤ保持装置は、第一から第四態様の何れか一つの態様における昇降装置が、前記下リムの位置を固定した状態で、前記コンベアの位置を下方に移動させて、前記タイヤを前記ガイドに案内させるようにしてもよい。
この発明の第六態様によれば、タイヤ保持装置は、第五態様において、前記コンベアの位置が前記タイヤを搬送する搬送位置のときに、前記ガイドが、前記コンベアよりも下方に位置するようにしてもよい。
この発明の第七態様によれば、タイヤ保持装置は、第一から第六態様の何れか一つの態様における前記ガイドが、前記タイヤの位置ずれが、予め設定された位置ずれの許容範囲を超えたことを検知する検知部を備えていてもよい。
この発明の第八態様によれば、タイヤ保持装置は、第一から第七態様の何れか一つの態様において、搬送方向における前記ガイドの位置を調整する調整機構を備えていてもよい。このタイヤ保持装置は、前記ガイド体を、前記タイヤをガイドするガイド位置と、退避位置との間で進退させる進退機構と、を更に有していてもよい。
この発明の第九態様によれば、タイヤ試験システムは、第一から第八態様の何れか一つの態様におけるタイヤ保持装置と、前記タイヤ保持装置により保持されたタイヤを計測する計測装置と、を備える。
上述したタイヤ保持装置、タイヤ試験システムによれば、上リム、および、下リムをタイヤに対して精度よく嵌め込むことが可能となり、タイヤの損傷を抑制できる。
この発明の第一実施形態におけるタイヤ試験システムの正面図である。 この発明の第一実施形態におけるタイヤ試験システムの側面図である。 この発明の実施形態におけるガイドの断面図であり、ガイドをガイド位置に移動する動作を示している。 この発明の実施形態におけるガイドの上面図であり、ガイドをガイド位置に移動する動作を示している。 この発明の実施形態におけるローラー部材の正面図である。 この発明の実施形態における被試験タイヤを計測部に搬入した状態を示している。 図6のVII方向から見た図である。 この発明の実施形態におけるベルトコンベアを下降させている途中の状態を示している。 この発明の実施形態における上リムを下降させて被試験タイヤを上リムと下リムとによって挟み込んだ状態を示している。 この発明の実施形態におけるガイドを退避位置に移動させた状態を示している。
以下、この発明の実施形態に係るタイヤ保持装置、および、タイヤ試験システムについて説明する。
図1は、この発明の第一実施形態におけるタイヤ試験システムの正面図である。図2は、この発明の第一実施形態におけるタイヤ試験システムの側面図である。
この実施形態におけるタイヤ試験システムは、タイヤユニフォーミティマシンである。
図1、図2に示すように、タイヤ試験システム1は、タイヤ搬送方向の上流側(図1中、右側)から順次、ビード潤滑やタイヤのセンタリングを行う前装置10と、計測装置としての計測部20と、マーキングや研削等を行う後装置40とを備えている。
前装置10は、被試験タイヤTのセンタリング、および、被試験タイヤTの上下ビード部Ta,Tbにそれぞれ潤滑を塗布する。この実施形態における前装置10は、被試験タイヤTを、その軸線が鉛直方向を向く姿勢で搬送するベルトコンベア11を備えている。このベルトコンベア11によって、被試験タイヤTは、計測部20に向けて適宜のタイミングで搬送される。ここで、被試験タイヤTのセンタリングとは、前装置10が備えるセンタリング装置12によって、被試験タイヤTを把持することでベルトコンベア11の幅方向の中央に被試験タイヤTの中心を一致させることである。
計測部20は、試験機本体21に回転駆動可能に支持された被試験タイヤTに対して、タイヤ搬送方向と直交するタイヤトレッドTcに対向する方向に配置されたロードホイール23(図2参照)や寸法計測センサー等(図示せず)によりその均一性を計測する。
後装置40は、計測部20で均一性が計測された被試験タイヤTの必要とされる部位にマーキングを施したりする。
計測部20は、上部スピンドル22Aと下部スピンドル22Bとを備える。下部スピンドル22Bは、試験機本体21の基台21a上にて回転駆動される。下部スピンドル22Bには、サーボモータ24の駆動力がベルト25を介して伝達される。また、下部スピンドル22Bには、被試験タイヤTの下ビード部Tbを保持する下リム26Bが装着されている。
試験機本体21の下部フレーム21bは、タイヤ搬送ラインの一部を構成するベルトコンベア27を支持している。ベルトコンベア27は、リニアガイド等の案内手段28を介して下部フレーム21bに昇降可能に支持されている。このベルトコンベア27は、サーボモータ(図示せず)を備える昇降装置29により、タイヤ搬送ラインである上昇限の位置(図1および図2中の実線位置)と被試験タイヤTを下リム26Bに預ける位置よりさらに下方の下降限の位置(図1および図2中の鎖線位置)との間で昇降される。
図2に示すように、ベルトコンベア27は、互いに所定距離離間した一対のベルト27a,27bを有している。ベルトコンベア27は、その昇降の際に、一対のベルト27a,27b間を下部スピンドル22B、および、下リム26Bが通過可能となっている。
試験機本体21の上部フレーム21cには、リムエレベータ30が支持されている。リムエレベータ30は、リニアガイド等の案内手段31を介して昇降可能に支持されている。このリムエレベータ30は、ベルト等の巻き掛け伝動装置32を介してサーボモータ等の駆動手段33の駆動力が伝達されることで昇降する。リムエレベータ30には、上部スピンドル22Aが支持されている。この上部スピンドル22Aは、チャック装置(図示せず)、および、チャック開閉シリンダ34を介してリムエレベータ30に着脱可能に支持されている。上部スピンドル22Aには、予め上リム26Aが装着されている。
リムエレベータ30は、上部スピンドル22Aの軸芯を、下部スピンドル22Bの軸芯と一致させた状態で昇降する。これにより、リムエレベータ30の下降時には、上部スピンドル22Aの下部が下部スピンドル22Bの内部に挿入される。上部スピンドル22Aは、下部スピンドル22Bに設けられたロック機構(図示せず)により所定の挿入位置で係止される。
このように構成される計測部20は、タイヤ搬送ラインに沿ってベルトコンベア27上に搬送されてきた被試験タイヤT(図1および図2参照)を、予め所定の検査位置で被試験タイヤTの上ビード部Taを上リム26Aに嵌め合わせ、下ビード部Tbを下リム26Bに嵌め合わせる。次いで、計測部20は、上リム26A、下リム26Bの間にエアを供給して被試験タイヤTをインフレートし、所定の検査処理が開始される。
図3は、この発明の実施形態におけるガイドの正面図である。図4は、この発明の実施形態におけるガイドの上面図である。
図3、図4に示すように、計測部20は、ガイド50を更に備えている。ガイド50は、被試験タイヤTを、下リム26Bに案内する。より具体的には、ガイド50は、軸心(中心)が上下方向を向いた状態の被試験タイヤTを、下リム26Bに近づくにつれて、その軸心が下部スピンドル22Bの搬送方向の中心軸(中心)と一致するように案内する。ここで、被試験タイヤTの軸心と、下部スピンドル22Bの中心軸とが一致するとは、下部スピンドル22Bの延長上に被試験タイヤTの軸心が配されることである。
ガイド50は、平面視で(上方から見て)ベルトコンベア27のベルト27a,27bの間に配されている。つまり、ガイド50は、ベルトコンベア27が昇降する際に、ベルト27a,27bに干渉しないようになっている。
この実施形態におけるガイド50は、一対のガイド体51a,51bからなる。これらガイド体51a,51bは、下リム26Bの搬送方向の上流側と下流側とにそれぞれ配置されている。これらガイド体51a,51bは、搬送方向で下リム26B側を向いて凹となり互いに対向する凹面状のガイド面52を有している。
この実施形態における各ガイド面52は、それぞれ横断面が円弧状に形成されている。この実施形態の一例におけるガイド面52の曲率半径は、このタイヤ試験システム1で取り扱う最も大きいサイズの被試験タイヤTの半径と同等とされている。
ガイド面52は、少なくともその上部に傾斜面53を備えている。これら二つのガイド面52が備える各傾斜面53は、上方に向かうほど互いの間隔が広がるように傾斜している。ここで、傾斜面53が形成される位置は、ガイド面52の上部のみに限られない。例えば、ガイド面52の全体を、下方に向かって互いの間隔が漸次短くなる傾斜面としてもよい。
ここで、ガイド体51a,51bが、最も大きいサイズの被試験タイヤTに対応する曲率半径のガイド面52を備える場合を一例に説明した。しかし、被試験タイヤTの種類毎に専用のガイド体51a,51bを用意して各種の被試験タイヤTの外径に応じてこれらガイド体51a,51bを使い分けるようにしてもよい。
ガイド体51a,51bは、ガイド面52の全域に渡って複数のローラー部材54を備えている。これらローラー部材54は、上下方向、および、ベルトコンベア27の幅方向に互いに間隔をあけて配されている。これらローラー部材54によって被試験タイヤTとガイド面52との摩擦が低減されている。そのため、被試験タイヤTの姿勢が崩れることなく、被試験タイヤTを下リム26Bまで円滑に導くことができる。
図5は、この発明の実施形態におけるローラー部材の正面図である。
ローラー部材54は、いわゆるオムニホイールによって構成される。すなわち、ローラー部材54は、ガイド体51a,51bの上下方向に回転可能な本体54aと、幅方向(言い換えれば、搬送方向と交差する水平方向)に回転可能な複数のローラー54bとを備えている。本体54aは、ガイド体51a,51bに回転自在に支持され、ローラー54bは、本体54aに回転自在に支持されている。
さらに、ガイド体51a,51bは、被試験タイヤTのタイヤ搬送方向の位置ずれが、予め設定された位置ずれの許容範囲を超えたことを検知するセンサー(検知部)55を備えている。センサー55は、ガイド体51a,51bの上端部に取り付けられている。これにより、センサー55に対して被試験タイヤTのショルダー部やサイドウォール部が接触した場合には、これを検出することができる。センサー55は、その検知信号を、タイヤ試験システムを駆動制御する制御装置(図示せず)等に向けて出力する。ここで、制御装置(図示せず)は、センサー55からの検知信号に基づいて、被試験タイヤTの位置が異常か否かを判定し、その判定結果に基づいて、警報出力や装置の停止処理などを行う。
ガイド50は、前装置10、および、後装置40のそれぞれのフレーム下部に支持されるか、又は、計測部20に支持されている。ガイド50は、調整機構57、および、進退機構58を介して上記フレーム下部、又は、計測部20に支持されている。
調整機構57は、搬送方向におけるガイド50の位置を調整する。言い換えれば、調整機構57は、2つのガイド体51a,51b同士の間隔を調整する。ガイド体51a,51b同士の間隔は、被試験タイヤTの外径に応じて設定される。この調整機構57は、例えば、ボールネジを備え、ボールネジの回転によりガイド体51a,51b同士の間隔を精度よく調整可能となっている。
進退機構58は、2つのガイド体51a,51bを、被試験タイヤTをガイドするガイド位置と、被試験タイヤTをインフレートする際の退避位置との間で進退させる。進退機構58は、エアシリンダ等の流体圧シリンダによりガイド体51a,51bを、調整機構57よりも迅速に進退させることが可能となっている。
ここで、上述したガイド位置とは、被試験タイヤTの搬送方向で、ガイド体51a,51bを下リム26Bに接近させた位置である。一方で、退避位置とは、相対的にガイド体51a,51bを下リム26Bから離間させた位置である。退避位置とは、例えば、被試験タイヤTにエアを注入して膨らんだ際に、被試験タイヤTが一対のガイド体51a,51bに干渉しないように、ガイド体51a,51bをそれぞれ被試験タイヤTの搬送方向の上流側、および、下流側へ十分に退避させた位置を意味している。また、退避位置においては、被試験タイヤTの測定時に、他装置、例えばロードホイール23等に一対のガイド体51a,51bが干渉しないようになっている。
調整機構57と進退機構58とは、直列に連結されている。進退機構58としてエアシリンダを用い、調整機構57としてボールネジを用いた場合を一例にして説明すると、まずボールネジのナット部(図示せず)が前装置10、後装置40のフレームに固定されている。さらにボールネジの先端に流体圧シリンダの例えばシリンダケースが取り付けられている。また、この流体圧シリンダの例えばロッド先端にガイド体51a,51bが取り付けられている。ここで、ボールネジは、アクチュエータを用いて動作させてもよく、また手動で動作するようにしてもよい。
この発明におけるタイヤ保持装置は、上述した実施形態の上部スピンドル22A、下部スピンドル22B、リムエレベータ30、昇降装置29、および、ガイド50によって構成されている。
次に、上述したタイヤ試験システム1における被試験タイヤTの保持動作について図面を参照しながら説明する。
図6は、この発明の実施形態における被試験タイヤを計測部に搬入した状態を示している。図7は、図6のVII方向から見た図である。図8は、この発明の実施形態におけるベルトコンベアを下降させている途中の状態を示している。図9は、この発明の実施形態における上リムを下降させて被試験タイヤを上リムと下リムとによって挟み込んだ状態を示している。図10は、この発明の実施形態におけるガイドを退避位置に移動させた状態を示している。
被試験タイヤTに対する所要の検査処理を開始するに当たり、被試験タイヤTの外径に合わせて、予め一対のガイド体51a,51bの間隔を調整機構57により調整する。ここで、この実施形態においては、下リム26B側で被試験タイヤTとガイド体51a,51bとの隙間が、所定の調整隙間(例えば、10mm以下)となるようにガイド体51a,51b同士の間隔が調整される。
図3、図4に示すように、まずガイド体51a,51bを、退避位置からガイド位置に移動させる。この状態で、図6、図7に示すように、前装置10によって予めセンタリングされた被試験タイヤTを、ベルトコンベア27を用いて計測部20に搬入する。計測部20に搬入された被試験タイヤTは、ベルトコンベア27の回転量制御により所定の検査位置で停止される。この際、被試験タイヤTの位置は、ベルトコンベア27の搬送中の滑り等により、所定の検査位置から搬送方向に僅かに(上述した調整隙間よりも大きく)ずれる場合がある。一方で被試験タイヤTの位置ずれは、ベルトコンベア27の幅方向では殆んど生じない。
次いで、図8に示すように、ベルトコンベア27を下降させる。これにより、ベルトコンベア27上に載っている被試験タイヤTもベルトコンベア27と共に下降する。この際、被試験タイヤTは、ベルトコンベア27上に載っている状態を保ちつつ、その搬送方向の上流側と下流側とがガイド体51a,51bにより案内される。
より具体的には、被試験タイヤTは、タイヤ搬送方向で上流側に位置ずれが生じている場合には、上流側のガイド体51aの傾斜面53に当接する。これによって、被試験タイヤTは、下リム26Bに接近するにつれて下流側に位置が修正される。一方で、被試験タイヤTは、タイヤ搬送方向で下流側に位置ずれが生じている場合には、下流側のガイド体51bの傾斜面53に当接する。これによって、被試験タイヤTは、下リム26Bに接近するにつれて上流側に位置が修正される。その結果、被試験タイヤTが下リム26Bと接触する際には、下リム26Bのタイヤ搬送方向の中心と、被試験タイヤTのタイヤ搬送方向の中心とが一致した状態となる。
ここで、ベルトコンベア27を下降させる際、ベルトコンベア27が下リム26Bに近づくにつれて、ベルトコンベア27の下降速度を低くしてもよい。このようにすることで、被試験タイヤTの姿勢が乱れることを抑制しつつガイド50により被試験タイヤTを案内できる。ベルトコンベア27は、その上面が下リム26Bよりも僅かに下方の位置まで移動する。これにより被試験タイヤTは、ベルトコンベア27、および、下リム26Bによって下方から支持される状態となる。
また、ベルトコンベア27を下降させる際、ベルトコンベア27の上面が下リム26Bよりも僅かに下方の位置まで移動する前に、ベルトコンベア27の上面の位置と下リム26Bの位置とが上下方向でほぼ一致したタイミングでベルトコンベア27の下降を一旦停止させてもよい。このようにすることで、被試験タイヤTが昇降中に不安定となって揺動しようとしても、下リム26Bとベルトコンベア27の双方にて被試験タイヤTを支持することができる。そのため、被試験タイヤTの揺動を抑制して、下リム26Bへの被試験タイヤTの嵌り込みが阻害されることを低減できる。
次に、図9に示すように、上部スピンドル22Aを下降させて、上リム26Aおよび下リム26Bによって被試験タイヤTを挟み込む。上部スピンドル22Aは、下部スピンドル22Bに対してロック機構により係止される。上リム26Aは、被試験タイヤTの上ビード部Taに嵌り込み、下リム26Bは被試験タイヤTの下ビード部Tbに嵌り込んだ状態となる。
その後、被試験タイヤTの内部へのエアが供給されるインフレートが行われる。このインフレートの直前に、図10に示すように、ガイド体51a,51bは、ガイド位置から退避位置へ移動し、このガイド体51a,51bの移動と同時に、ベルトコンベア27が、下降限の位置まで移動する。その後、上部スピンドル22A、および、下部スピンドル22Bを回転させて、ロードホイール23や寸法計測センサー等(図示せず)により被試験タイヤTの均一性等が測定される。
計測部20での検査終了後、被試験タイヤTは、エアが抜かれる。さらに、上部スピンドル22Aと下部スピンドル22Bとの係止状態が解除され、上部スピンドル22Aが上方に移動する。次いで、ベルトコンベア27が上方の搬送位置まで移動する。これにより、被試験タイヤTは、ベルトコンベア27と共に搬送位置まで移動する。その後、被試験タイヤTは、ベルトコンベア27によって、計測部20から後装置40へと搬出され、マーキング等の処理が行われる。
したがって、上述した実施形態によれば、被試験タイヤTを下リム26Bに接近させる際に、ガイド50によって被試験タイヤTを案内して、被試験タイヤTの中心の位置と、下リム26Bの中心の位置とを一致させることができる。その結果、上リム26A、および、下リム26Bを被試験タイヤTに対して精度よく嵌め込むことが可能となり、被試験タイヤTの損傷を抑制できる。
さらに、一対のガイド体51a,51bが凹面状のガイド面52を有しているため、ベルトコンベア27の幅方向に被試験タイヤTの位置がずれることを抑制することができる。また、下リム26Bに対してガイド体51a,51bが搬送方向の上流側と下流側とにそれぞれ配置されるため、被試験タイヤTの搬送方向における位置ずれを修正することができる。
さらに、ガイド体51a,51bのガイド面52に上下方向に転動可能な複数のローラー部材54を備えていることで、被試験タイヤTとガイド面52との摩擦が低減される。そのため、被試験タイヤTの姿勢が崩れることなく、被試験タイヤTを下リム26Bまで円滑に導くことができる。また、ローラー部材54が搬送方向と交差する水平方向にも転動可能となっていることで、ガイド体51a,51bに対して被試験タイヤTの回転方向への変位が可能となる。そのため、被試験タイヤTに対するガイド体51a、51bの摩擦を更に低減することができる。
さらに、ベルトコンベア27が被試験タイヤTを搬送する搬送位置に配されるときに、ガイド50が、ベルトコンベア27よりも下方に位置するため、被試験タイヤTの搬送を妨げることがない。そのため、被試験タイヤTの搬送時にガイド50を搬送経路上から退避させる必要が無いため、タクトタイムが伸びることを抑制できる。
さらに、ガイド体51a,51bにセンサー55が取り付けられていることで、被試験タイヤTの位置ずれが、許容範囲を超えたことを検知できる。そのため、被試験タイヤTがガイド体51a,51bにより案内できない状態であることを、例えば、オペレータ等に報知することができる。また、例えば、被試験タイヤTがガイド体51a,51bにより案内できない状態である場合に、自動的に装置を停止させることもできる。
さらに、進退機構58を備えていることで、ガイド体51a,51bをガイド位置と退避位置との間で迅速に移動させることができる。一方で、調整機構57を備えていることで、ガイド体51a,51bの搬送方向の位置を精度よく調整することができる。その結果、タクトタイムの短縮を図るとともに精度よく被試験タイヤTを上リム26Aおよび下リム26Bに嵌め合わせることができる。
さらに、上リム26A、および、下リム26Bに対して被試験タイヤTを精度よく嵌めることが可能となるため、より精度よく被試験タイヤTの計測を行うことが可能となる。
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、ベルトコンベア27を下方に移動させることで、ベルトコンベア27と下リム26Bとを相対移動させる場合について説明した。しかし、ベルトコンベア27と下リム26Bとを相対移動させる手法は、この手法に限られない。例えば、下リム26Bを上方に移動させるようにしてもよい。この場合は、下リム26Bと共に、ガイド50を上方に移動させる。
また、上述した実施形態においては、計測部20に搬入された被試験タイヤTを、まず下リム26Bに預けてから上リム26Aを下降させて上リム26Aおよび下リム26Bで挟み込む場合について説明した。しかし、計測部20に搬入された被試験タイヤTを、上リム26Aに接触させ、その後、下リム26Bを被試験タイヤTに接近させることで、被試験タイヤTを上リム26Aおよび下リム26Bにより挟み込むようにしてもよい。この場合、上リム26Aの上流側および下流側にガイド体51a,51bを配置する。この際、ガイド50は、タイヤ搬送方向で被試験タイヤTの中心が上リム26Aの中心と一致するように被試験タイヤTを案内する。
さらに、上述した実施形態においては、ガイド体51a,51bの横断面を円弧状とすることで、ガイド体51a,51bに凹面状のガイド面52を形成する場合について説明した。しかし、ガイド体51a,51bの形状は上述した形状に限られない。例えば、横断面が円弧状となる以外の凹面状のガイド面52であってもよい。また、ガイド体51a,51bは、搬送方向の上流側および下流側において、それぞれガイド体51a,51bが一体に形成される場合について説明した。しかし、被試験タイヤTを案内できる形状であればよく、例えば、ガイド体51a,51bを、複数のガイド分割体から形成するようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態においては、ガイド体51a,51bがセンサー55を備える場合について説明したが、センサー55は、接触型のセンサーおよび非接触型のセンサーのどちらでもよい。また、センサー55は、適宜設ければよく省略するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、ガイド体51a,51bがローラー部材54を備える場合について説明した。しかし、ローラー部材54に代えて、低摩擦係数の材料からなる層をガイド体51a,51bのガイド面52の表面に形成するようにしてもよい。また、ガイド体51a,51bの表面における滑りが十分ある場合には、ローラー部材54や、低摩擦係数の材料からなる層は省略してもよい。
また、上述した実施形態においては、調整機構57がボールネジで形成され、進退機構58が流体圧シリンダにより形成される場合を一例に説明した。しかし、ボールネジや流体圧シリンダに限られない。また、調整機構57のみを設けて進退機構58を省略するようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態においては、下リム26Bの搬送方向の上流側と下流側とに配される一対のガイド体51a,51bを有する場合について説明した。しかし、この構成に限られず、例えば、ガイド体51a,51bのいずれか一方のガイド体のみを設置する形態としてもよい。例えば、下流側のガイド体51bのみを設けた場合、ベルトコンベア27の送り量を予め規定量より長く設定し、必ず被試験タイヤTが下流側へずれるように搬送すればよい。これにより、下流側のガイド体51bのみで被試験タイヤTの中心が下リム26Bの中心と一致するように被試験タイヤTを案内することができる。また同様に、上流側のガイド体51aのみを設けた場合、ベルトコンベア27の送り量を予め規定量より短く設定し、必ず被試験タイヤTが上流側へずれるように搬送すればよい。これにより上流側のガイド体51aのみで被試験タイヤTの中心が下リム26Bの中心と一致するように被試験タイヤTを案内することができる。
さらに、上述した実施形態においては、タイヤ試験システム1として、タイヤユニフォーミティマシンを一例に説明した。しかし、タイヤ試験システム1は、タイヤユニフォーミティマシンに限られない。また、この発明のタイヤ保持装置を適用する装置は、タイヤユニフォーミティマシンに限られるものではない。
この発明は、間隔を有して配された一対のコンベアによって搬送されるタイヤを保持するタイヤ保持装置において、上リム、および、下リムをタイヤに対して精度よく嵌めることができる。
10 前装置
11 ベルトコンベア
12 センタリング装置
20 計測部
21 試験機本体
21a 基台
21b 下部フレーム
21c 上部フレーム
22A 上部スピンドル
22B 下部スピンドル
23 ロードホイール
26A 上リム
26B 下リム
27 ベルトコンベア
27a ベルト(コンベア)
27b ベルト(コンベア)
28 案内手段
29 昇降装置
30 リムエレベータ
Ta 上ビード部
Tb 下ビード部
40 後装置
50 ガイド
51a ガイド体(ガイド)
51b ガイド体(ガイド)
52 ガイド面
53 傾斜面
54 ローラー部材
55 センサー(検知部)
57 調整機構
58 進退機構

Claims (9)

  1. 間隔をあけて配された一対のコンベアにより中心軸が上下方向を向いた状態で搬送されるタイヤを上リムおよび下リムによって上下方向両側から挟んで保持するタイヤ保持装置であって、
    前記一対のコンベアと、前記上リムおよび前記下リムの何れか一方のリムとを相対移動させることで、前記コンベアによって搬送される前記タイヤを、前記上リムおよび前記下リムの何れか一方のリムに接近させる昇降装置と、
    平面視で前記一対のコンベアの間に設けられるとともに、タイヤ搬送方向で前記上リムおよび前記下リムの何れか一方のリムの上流側および下流側の少なくとも一方に設けられ、前記タイヤが前記昇降装置により前記上リムおよび前記下リムの何れか一方のリムに接近するに従い、タイヤ搬送方向で前記タイヤの中心が前記上リムおよび前記下リムの何れか一方のリムの中心と一致するように前記タイヤを案内するガイドと、を備えるタイヤ保持装置。
  2. 前記ガイドは、搬送方向で前記上リムまたは前記下リム側に凹となる凹面状のガイド面を有する請求項1に記載のタイヤ保持装置。
  3. 前記ガイドは、
    上下方向に転動するローラーを有する請求項1又は2に記載のタイヤ保持装置。
  4. 前記ローラーは、上下方向に加えて、さらに搬送方向と交差する水平方向に転動する請求項3に記載のタイヤ保持装置。
  5. 前記昇降装置は、
    前記下リムの位置を固定した状態で、前記コンベアの位置を下方に移動させて、前記タイヤを前記ガイドに案内させる請求項1から4の何れか一項に記載のタイヤ保持装置。
  6. 前記コンベアの位置が前記タイヤを搬送する搬送位置のときに、前記ガイドは、前記コンベアよりも下方に配されている請求項5に記載のタイヤ保持装置。
  7. 前記ガイドは、
    前記タイヤの位置ずれが、予め設定された位置ずれの許容範囲を超えたことを検知する検知部を備える請求項1から6の何れか一項に記載のタイヤ保持装置。
  8. 搬送方向における前記ガイドの位置を調整する調整機構と、
    前記ガイドを、前記タイヤをガイドするガイド位置と、退避位置との間で進退させる進退機構と、を有する請求項1から7の何れか一項に記載のタイヤ保持装置。
  9. 請求項1から8の何れか一項に記載のタイヤ保持装置と、
    前記タイヤ保持装置により保持されたタイヤを計測する計測装置と、を備えるタイヤ試験システム。
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