JP5904808B2 - 電動車両 - Google Patents
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Description
また、電動車両において、上記乗り心地とは別に、バッテリを含む車体搭載部品に対する外部からの保護が望まれている。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、乗り心地及び運転性の向上と、車体搭載部品の保護とを可能にする電動車両を提供することを目的としている。
また、リヤフレームの前部にリヤクッションユニットの前端部が連結されることで、リヤクッションユニットを車体の前後方向中央に近づけて配置することができ、バッテリに加えて重量物であるリヤクッションユニットを車体前後方向中央へ集中させることができて、電動車両の旋回性等の運転性を向上させることができる。
更に、車体前後方向に長いリヤクッションユニットを車体の側方に車体前後方向の広い範囲に亘って配置することが可能になり、リヤクッションユニットでバッテリ及び車体搭載部品を側方から覆って保護することができる。また、重量物であるバッテリを支持するリヤフレームは高剛性であり、このような剛性の高いリヤフレームにリヤクッションユニットの前端部を連結することでリヤクッションユニットに作用する引張力及び圧縮力を十分に受け止めることができる。
また、上記構成において、前記クッション後端支持部(72,103a)は、前記スイングアーム(37,103)の後端から上方且つ前方に傾斜するように延びていても良い。この構成によれば、スイングアームの上下方向の揺動運動を効果的にリヤクッションユニットの軸方向の伸縮運動に変換することができる。
また、上記構成において、前記リヤクッションユニット(41)は、乗員が乗車しない非乗車状態では、前記リヤフレーム(27)とほぼ平行に配置され、前記リヤクッションユニット(41)と前記リヤフレーム(27)との間に、リヤクッションユニット(41)の揺動を許容する空間(86,108)が確保されていても良い。この構成によれば、スイングアームの揺動に伴うリヤクッションユニットの伸縮時に、リヤクッションユニットの上下方向の揺動を許容しつつリヤフレームに対してリヤクッションユニットをコンパクトに配置することができる。
また、リヤフレームの前部にリヤクッションユニットの前端部が連結されるので、リヤクッションユニットを車体の前後方向中央に近づけて配置することができ、バッテリに加えて重量物であるリヤクッションユニットを車体前後方向中央へ集中させることができて、電動車両の旋回性等の運転性を向上させることができる。
更に、車体前後方向に長いリヤクッションユニットを車体の側方に車体前後方向の広い範囲に亘って配置することが可能になり、リヤクッションユニットでバッテリ及び車体搭載部品を側方から覆って保護することができる。また、重量物であるバッテリを支持するリヤフレームは高剛性であり、このような剛性の高いリヤフレームにリヤクッションユニットの前端部を連結することでリヤクッションユニットに作用する引張力及び圧縮力を十分に受け止めることができる。
また、クッション後端支持部は、スイングアームの後端から上方且つ前方に傾斜するように延びているので、スイングアームの上下方向の揺動運動を効果的にリヤクッションユニットの軸方向の伸縮運動に変換することができる。
また、リヤクッションユニットは、乗員が乗車しない非乗車状態では、リヤフレームとほぼ平行に配置され、リヤクッションユニットとリヤフレームとの間に、リヤクッションユニットの揺動を許容する空間が確保されているので、スイングアームの揺動に伴うリヤクッションユニットの伸縮時に、リヤクッションユニットの上下方向の揺動を許容しつつリヤフレームに対してリヤクッションユニットをコンパクトに配置することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態を適用した電動車両10を示す左側面図である。
電動車両10は、車体フレーム11、前輪12、この前輪12を操舵するバーハンドル13、シート14、このシート14に着座した乗員が足を載せるフロアステップ16、後輪17、この後輪17の駆動源となる電動モータ18、この電動モータ18の駆動制御を行うパワードライブユニット(PDU)19、電動モータ18に電力を供給するバッテリ21を主要な構成とするスクータ型の自動二輪車であり、車体の側部に車体前後方向に延びる左右一対のリヤクッションユニット41,41(手前側の符号41のみ図示)が配置されている。
車体カバー44は、バーハンドル13の中央部を覆うハンドルカバー46と、ヘッドパイプ23及びフロントフォーク31の上部を前方から覆うフロントカバー51と、このフロントカバー51の左右及び左右の下方に延びて運転者の脚部を前方から覆うレッグシールド52と、このレッグシールド52の下端から後方に延びるフロアステップ16と、このフロアステップ16の左右下方を覆うフロアサイドカバー54,54(手前側の符号54のみ図示)と、シート14の前部の下方及びシート14の両側部の下方を覆うサイドカバー57と、このサイドカバー57に連なるように後方へ延びる左右一対のリヤサイドカバー58,58(手前側の符号58のみ図示)とからなる。
ここで、符号60はヘッドランプ、61は前輪12を上方から覆うフロントフェンダ、62はサイドスタンド、63は荷台、64はテールランプ、65は後輪17を上方から覆うリヤフェンダである。
図2(A)に示すように、後輪17を懸架するリヤサスペンション70は、スイングアーム37と、このスイングアーム37の後端部に形成された左右一対の上部取付部37aに支軸71を介して揺動自在に連結された左右一対の下部アーム72,72(手前側の符号72のみ図示)と、リヤフレーム27,27(手前側の符号27のみ図示)の前部傾斜部27a,27a(手前側の符号27aのみ図示)に設けられた左右一対の前部ブラケット73,73(手前側の符号73のみ図示)に前端部41aが支軸74を介して揺動自在に連結されるとともに後端部41bが下部アーム72に連結ピン76を介して連結された左右一対のリヤクッションユニット41,41と、一端部がリヤフレーム27,27の後部水平部27b,27b(手前側の符号27bのみ図示)に設けられた左右一対の後部ブラケット77,77(手前側の符号77のみ図示)に支軸78を介して連結されるとともに他端部が連結ピン76に連結された左右一対の上部アーム79,79とからなる。なお、符号81はバッテリ21を載せるために左右のリヤフレーム27,27に取付けられたバッテリ載置台である。
リヤクッションユニット41は、リヤフレーム27の真下に配置され、乗員が乗車していない非乗車状態では、ほぼ水平に配置されて車体前後方向に延び、側面視では、リヤクッションユニット41の一部がバッテリ21の側方に位置している。
更に、非乗車状態では、側面視で、リヤクッションユニット41とリヤフレーム27の後部水平部27b、リヤクッションユニット41とスイングアーム37は、それぞれほぼ平行に配置されている。なお、符号85はスイングアーム37とリヤクッションユニット41との間の空間、86はリヤクッションユニット41とリヤフレーム27との間の空間であり、これらの空間85,86によってリヤクッションユニット41がスイングアーム37及びリヤフレーム27と干渉せずに揺動可能となっている。
左右のリヤクッションユニット41,41は、それぞれリヤフレーム27,27の下方に重なるように配置されている。丸パイプ状のリヤフレーム27の外径はD1、リヤクッションユニット41の外径をD2とすると、リヤクッションユニット41の外径D2は、リヤフレーム27の外径D1よりも大きい(D2>D1)。
また、リヤフレーム27の前部傾斜部27aにリヤクッションユニット41の前端部41aが連結されることで、リヤクッションユニット41を車体の前後方向中央に近づけて配置することができ、バッテリ21に加えて重量物であるリヤクッションユニット41を車体前後方向中央へ集中させることができて、電動車両10の旋回性等の運転性を向上させることができる。
更に、車体前後方向に長いリヤクッションユニット41を車体の側方に車体前後方向の広い範囲に亘って配置することが可能になり、リヤクッションユニット41でバッテリ21及び車体搭載部品(例えば、バッテリ21の近傍に配置された充電器などの電動車両10に特有の部品や他の電装品)を側方から覆って保護することができる。また、重量物であるバッテリ21を支持するリヤフレーム27は高剛性であり、このような剛性の高いリヤフレーム27にリヤクッションユニット41の前端部41aを連結することでリヤクッションユニット41に作用する引張力及び圧縮力を十分に受け止めることができる。
また、下部アーム72は、連結ピン76が後輪17の車軸38よりも車体前方に位置するように車体前側に延びているので、スイングアーム37の上下方向の揺動運動を効果的にリヤクッションユニット41の軸方向の伸縮運動に変換することができる。
また、下部アーム72は、スイングアーム37の後端から上方且つ前方に傾斜するように延びているので、スイングアーム37の上下方向の揺動運動を効果的にリヤクッションユニット41の軸方向の伸縮運動に変換することができる。
また、図2(A)に示したように、リヤクッションユニット41は、乗員が乗車しない非乗車状態では、リヤフレーム27とほぼ平行に配置され、リヤクッションユニット41とリヤフレーム27との間に、リヤクッションユニット41の揺動を許容する空間86が確保されているので、スイングアーム37の揺動に伴うリヤクッションユニット41の伸縮時に、リヤクッションユニット41の上下方向の揺動を許容しつつリヤフレーム27に対してリヤクッションユニット41をコンパクトに配置することができる。
図4は、本発明の第2実施形態を適用した電動車両100を示す左側面図である。図1に示した第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
電動車両100は、図1に示した電動車両10のリヤサスペンション70に対してリヤサスペンション101が異なっている。
即ち、電動車両100は、左右のピボットプレート28,28にピボット軸36を介して上下揺動自在に支持されたスイングアーム103と、このスイングアーム103に内蔵された電動モータ18およびPDU19と、スイングアーム103の後端部に車軸38を介して回転自在に支持された後輪17と、前端部が左右のリヤフレーム27,27に揺動自在に連結されるとともに後端部がスイングアーム103の後端部に揺動自在に連結された左右一対のリヤクッションユニット41,41(手前側の符号41のみ図示)とを備え、後輪17がリヤサスペンション101によって懸架されている。
図5(A)に示すように、後輪17を懸架するリヤサスペンション101は、スイングアーム103と、リヤフレーム27,27(手前側の符号27のみ図示)の各前部傾斜部27aに設けられた左右一対の前部ブラケット73,73(手前側の符号73のみ図示)にそれぞれの前端部41aが支軸74を介して揺動自在に連結されるとともにそれぞれの後端部41bがスイングアーム103の後端部に形成された左右一対のクッション後端支持部103a,103a(手前側の符号103aのみ図示)に支軸106を介して揺動自在に連結された左右一対のリヤクッションユニット41,41(手前側の符号41のみ図示)とからなる。
更に、非乗車状態では、側面視で、リヤクッションユニット41とリヤフレーム27の後部水平部27b、リヤクッションユニット41とスイングアーム103は、それぞれほぼ平行に配置されている。なお、符号107はスイングアーム103とリヤクッションユニット41との間の空間、108はリヤクッションユニット41とリヤフレーム27との間の空間であり、これらの空間107,108によってリヤクッションユニット41がスイングアーム103及びリヤフレーム27と干渉せずに揺動可能となっている。
また、図5(A)に示したように、リヤクッションユニット41は、乗員が乗車しない非乗車状態では、リヤフレーム27とほぼ平行に配置され、リヤクッションユニット41とリヤフレーム27との間に、リヤクッションユニット41の揺動を許容する空間108が確保されている。
図6は、電動車両のリヤサスペンション111(第3実施形態)を示す左側面図である。図1に示した第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
電動車両のリヤサスペンション111は、図1に示した電動車両10のリヤサスペンション70に対して以下に示すリンク機構114及びリンク機構114の取付位置が異なっている。
後輪17を懸架するリヤサスペンション111は、スイングアーム112と、このスイングアーム112の上部に形成された上部取付部112aに支軸71を介して揺動自在に連結された左右一対の下部アーム113,113(手前側の符号113のみ図示)と、リヤフレーム27,27(手前側の符号27のみ図示)の前部傾斜部27a,27a(手前側の符号27aのみ図示)に設けられた左右一対の前部ブラケット73,73(手前側の符号73のみ図示)に前端部41aが支軸74を介して揺動自在に連結されるとともに後端部41bが下部アーム113に連結ピン76を介して連結された左右一対のリヤクッションユニット41,41と、一端部がリヤフレーム27,27の後部水平部27b,27b(手前側の符号27bのみ図示)に設けられた左右一対の後部ブラケット77,77(手前側の符号77のみ図示)に支軸78を介して連結されるとともに他端部が連結ピン76に連結された左右一対の上部アーム79,79とからなる。
リヤクッションユニット41は、リヤフレーム27の真下に配置され、乗員が乗車していない非乗車状態では、ほぼ水平に配置されて車体前後方向に延び、側面視では、リヤクッションユニット41の一部がバッテリ21の側方に位置している。
更に、非乗車状態では、側面視で、リヤクッションユニット41とリヤフレーム27の後部水平部27b、リヤクッションユニット41とスイングアーム37は、それぞれほぼ平行に配置されている。
また、スイングアーム112の上部取付部112aは、スイングアーム112の全長の中間部に設けられ、上部取付部112aに設けられた支軸71は、連結ピン76よりも車体前方に配置されている。
例えば、上記実施形態において、図1に示したリヤクッションユニット41は、圧縮コイルばね及びショックアブソーバからなる緩衝装置であるが、これに限らず、板ばね等の他の種類のばね、ゴム等の他の弾性部材や摩擦材、流体を用いたものでも良い。
また、上記実施形態では、ステップフロア16を備えるスクータ型の自動二輪車に本発明を適用する場合を説明したが、これに限らない。例えば、他の種類の自動二輪車や自動二輪車以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
11 車体フレーム
16 フロアステップ
17 後輪
18 電動モータ
21 バッテリ
26 アンダーフレーム
27 リヤフレーム
28 ピボットプレート
37,103 スイングアーム
38 車軸
39 リンク機構
41 リヤクッションユニット
72 下部アーム(クッション後端支持部、第1アーム)
76 連結ピン(連結部)
79 上部アーム(第2アーム)
86,108 空間
103a クッション後端支持部
Claims (6)
- 車体フレーム(11)に、運転者が足を載せるフロアステップ(16)を支持する左右一対のアンダーフレーム(26)と、これらのアンダーフレーム(26)から後方上方に延びる左右一対のリヤフレーム(27)と、後端に後輪(17)が取付けられたスイングアーム(37)を上下揺動自在に支持するために前記リヤフレーム(27)に取付けられた左右一対のピボットプレート(28)とを備え、前記スイングアーム(37,103)に前記後輪(17)を駆動する電動モータ(18)が配置され、前記左右のリヤフレーム(27)間に前記電動モータ(18)に電力を供給するバッテリ(21)が配置されるとともに前記リヤフレーム(27)に前記バッテリ(21)が支持された電動車両において、
前記リヤフレーム(27)の前部(27a)に車体前後方向に延びるリヤクッションユニット(41)の前端部が連結され、前記スイングアーム(37,103)の後端部に設けられたクッション後端支持部(72,103a)が上方に延出しており、該クッション後端支持部(72,103a)に前記リヤクッションユニット(41)の後端部が連結され、
前記左右のリヤフレーム(27)にバッテリ載置台(81)が取付けられ、前記バッテリ載置台(81)に前記バッテリ(21)が設けられ、前記バッテリ(21)が側方から前記リヤクッションユニット(41)で覆われることを特徴とする電動車両。 - 前記クッション後端支持部は、前記スイングアーム(37)と前記リヤフレーム(27)とを連結するリンク機構(39)の一部を構成する第1アーム(72)であり、該第1アーム(72)の一端は前記スイングアーム(37)に揺動自在に連結され、前記第1アーム(72)の他端は、前記リヤフレーム(27)の後部(27b)に一端が揺動自在に連結された第2アーム(79)の他端に揺動自在に連結され、これらの第1アーム(72)と第2アーム(79)との連結部(76)が前記リヤクッションユニット(41)の後端部に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
- 前記第1アーム(72)は、前記連結部(76)が前記後輪(17)の車軸(38)よりも車体前方に位置するように車体前側に延びていることを特徴とする請求項2に記載の電動車両。
- 前記クッション後端支持部(72,103a)は、前記スイングアーム(37,103)の後端から上方且つ前方に傾斜するように延びていることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
- 前記リヤクッションユニット(41)は、その長手方向が前記リヤフレーム(27)の長手方向に沿うように上面視で該リヤフレーム(27)と重なることを特徴とする請求項1又は4に記載の電動車両。
- 前記リヤクッションユニット(41)は、乗員が乗車しない非乗車状態では、前記リヤフレーム(27)とほぼ平行に配置され、前記リヤクッションユニット(41)と前記リヤフレーム(27)との間に、リヤクッションユニット(41)の揺動を許容する空間(86,108)が確保されていることを特徴とする請求項1、4又は5のいずれか一項に記載の電動車両。
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