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JP5994595B2 - ワイヤハーネス - Google Patents

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JP5994595B2 JP2012254953A JP2012254953A JP5994595B2 JP 5994595 B2 JP5994595 B2 JP 5994595B2 JP 2012254953 A JP2012254953 A JP 2012254953A JP 2012254953 A JP2012254953 A JP 2012254953A JP 5994595 B2 JP5994595 B2 JP 5994595B2
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Description

本発明は、導電路と、この導電路が挿通される樹脂製の外装部材とを含むワイヤハーネスに関する。
従来のワイヤハーネスとしては、例えばハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される高圧の機器間を電気的に接続するものが知られる。
下記特許文献1に開示されたワイヤハーネスは、複数本の導電路と、この複数本の導電路を一括して収容する樹脂製のコルゲートチューブ及び樹脂製のプロテクタとを含んで構成される。コルゲートチューブは、可撓性を有する蛇腹管形状に形成され、ワイヤハーネスの長手方向に複数本並んで設けられる。プロテクタは、経路規制を必要とする部分に配置される。また、プロテクタは、隣り合うコルゲートチューブ同士を連結する位置に設けられる。コルゲートチューブ及びプロテクタは、外装部材として用いられる。
特開2010−51042号公報
上記従来技術にあっては、経路規制を必要とする部分にプロテクタが用いられる構造であるが、本願発明者はプロテクタではなく剛性のある直管を採用し、この剛性のある直管を蛇腹管に一体成型する構造の方がワイヤハーネスの経路規制に有効であると考えている。しかしながら、この構造は成型性に配慮する必要がある。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、経路規制に有効であり成型性に配慮された外装部材を構成に含むワイヤハーネスを提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明は、一又は複数本の導電路と、該導電路を覆う樹脂製で管体形状の外装部材とを含むワイヤハーネスにおいて、前記外装部材は、可撓性を有する可撓管部と、該可撓管部のような可撓性を持たない非可撓管部とを含んで構成され、前記可撓管部は、該可撓管部の周方向にのび且つ前記外装部材の管軸方向に交互に連続する複数の凹凸にて蛇腹管形状に形成され、前記非可撓管部における非可撓管部本体は、この外面から突出し且つ該外面の周方向にのび且つ該周方向に一又は複数となる凸部を有するとともに前記可撓性を持たない状態に形成され、前記周方向に一又は複数となる前記凸部は、前記管軸方向に間隔をあけて配置される複数、又は一つのみで形成されるとともに、前記可撓管部における前記蛇腹管形状の前記凸に比べて高さが低くなるように形成され且つ幅も狭くなるように形成され且つ前記間隔も広くなるように配置されることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、曲げの必要がある部分に可撓管部を配置し、また、経路規制を必要とする部分に非可撓管部を配置すれば、所望の経路でワイヤハーネスを配索することができる。また、本発明によれば、直線的な樹脂成型が可能な成型装置(実施例の欄で具体的に説明をする)を使用することができ、この成型装置を使用することで、可撓管部と非可撓管部とを含む外装部材の樹脂成型をすることができる。上記成型装置を使用するにあたっては、外装部材の少なくとも非可撓管部に周方向の凸部を形成することで、直線的な樹脂成型を良好にすることができる。これは凸部を活用することで、外装部材を直線的に押し出して成型をすることができるからである。つまり、本発明によれば、成型性の向上を図ることができる。尚、上記成型装置を使用することで、装置の大型化を抑えることもできる。この他、凸部を形成することで表面積を大きくすることができ、以て成形時における冷却時間を短くすることができる。また、冷却時間を短くすることで、型開きを早くすることができる。これにより、成型性の向上を図ることができる。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のワイヤハーネスにおいて、前記非可撓管部の内面で前記凸部の裏側となる位置には、前記内面を凹ます凹形状部分が形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、非可撓管部の内面に凹形状部分を形成することで、凸部の肉厚が厚くならず、そのため凸部が存在しない部分との肉厚の均一化を図ることができる。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載のワイヤハーネスにおいて、前記凹形状部分は、この凹み幅が前記管軸方向の凹み無し部分の長さよりも短くなるように形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、凹形状部分の凹み幅を短くすることで、外装部材に導電路を挿通する際の引っ掛かりを起こり難くすることができる。
請求項4に記載の本発明は、請求項2又は3に記載のワイヤハーネスにおいて、前記凹形状部分の凹み縁部には、曲面又はテーパが形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、外装部材に導電路を挿通する際の引っ掛かりを、より一層起こり難くすることができる。
請求項5に記載の本発明は、請求項1、2、3又は4に記載のワイヤハーネスにおいて、前記非可撓管部には、この外面から突出する一又は複数の第二の凸部が形成され、該第二の凸部は、前記管軸方向にのびて形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、非可撓管部に第二の凸部を形成することで、表面積を更に大きくすることができる。これにより、成形時における冷却時間を更に短くすることができる。また、管軸方向にのびるように第二の凸部を形成することで、非可撓管部の剛性を高めることができる。
請求項6に記載の本発明は、請求項1、2、3、4又は5に記載のワイヤハーネスにおいて、前記導電路は、車両床下を通り該車両床下の前後に跨る長さに形成され、前記外装部材も前記車両床下を通り該車両床下の前後に跨る長さに形成されることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、長尺なワイヤハーネスの経路規制のために適用することができる。
請求項1に記載された本発明によれば、経路規制に有効であり成型性に配慮された形状の外装部材を構成に含むことができるという効果を奏する。
請求項2に記載された本発明によれば、請求項1の効果に加え次のような効果も奏する。すなわち、形状の安定化や、成型性の更なる向上を図ることができるという効果を奏する。
請求項3に記載された本発明によれば、請求項2の効果に加え次のような効果も奏する。すなわち、導電路の挿通作業をスムーズにすることができるという効果を奏する。
請求項4に記載された本発明によれば、請求項2又は3の効果に加え次のような効果も奏する。すなわち、導電路の挿通作業を更にスムーズにすることができるという効果を奏する。
請求項5に記載された本発明によれば、請求項1、2、3又は4の効果に加え次のような効果も奏する。すなわち、成型性の更なる向上や剛性アップを図ることができるという効果を奏する。
請求項6に記載された本発明によれば、請求項1、2、3、4又は5の効果に加え次のような効果も奏する。すなわち、長尺なワイヤハーネスの経路規制のために適用することができるという効果を奏する。
本発明のワイヤハーネスの配索状態を示す模式図である(実施例1)。 ワイヤハーネスの断面図である。 外装部材の構成図及び要部断面図である。 外装部材の製造装置を示す斜視図である。 図4の製造装置の要部を示す平面図である。 輸送時のワイヤハーネスを示す図である。 経路配索時のワイヤハーネスを示す図である。 ワイヤハーネスの変形例を示す断面図である(実施例2)。 ワイヤハーネスの変形例を示す断面図である(実施例3)。
ワイヤハーネスは、導電路と樹脂製の外装部材とを含んで構成される。ワイヤハーネスは、外装部材により経路規制がなされる。外装部材は、可撓管部と非可撓管部とを含み、非可撓管部には、この外面から突出し周方向へのびる凸部が形成される。
以下、図面を参照しながら実施例1を説明する。図1は本発明のワイヤハーネスの配索状態を示す模式図である。また、図2はワイヤハーネスの断面図、図3は外装部材の構成図及び要部断面図、図4は外装部材の製造装置を示す斜視図、図5は図4の製造装置の要部を示す平面図、図6は輸送時のワイヤハーネスを示す図、図7は経路配索時のワイヤハーネスを示す図である。
本実施例においては、ハイブリッド自動車(電気自動車や一般的な自動車であってもよいものとする)に配索されるワイヤハーネスに対し本発明を採用するものとする。
図1において、引用符号1はハイブリッド自動車を示す。ハイブリッド自動車1は、エンジン2及びモータユニット3の二つの動力をミックスして駆動する車両であって、モータユニット3にはインバータユニット4を介してバッテリー5(電池パック)からの電力が供給される。エンジン2、モータユニット3、及びインバータユニット4は、本実施例において前輪等がある位置のエンジンルーム6に搭載される。また、バッテリー5は、後輪等がある自動車後部7に搭載される(エンジンルーム6の後方に存在する自動車室内に搭載してもよいものとする)。
モータユニット3とインバータユニット4は、高圧のワイヤハーネス8により接続される。また、バッテリー5とインバータユニット4も高圧のワイヤハーネス9により接続される。ワイヤハーネス9は、この中間部10が車両床下11に配索される。また、車両床下11に沿って略平行に配索される。車両床下11は、公知のボディであるとともに所謂パネル部材であって、所定位置には貫通孔(符号省略)が形成される。この貫通孔には、ワイヤハーネス9が水密に挿通される。
ワイヤハーネス9とバッテリー5は、このバッテリー5に設けられるジャンクションブロック12を介して接続される。ジャンクションブロック12には、ワイヤハーネス9の後端13が公知の方法で電気的に接続される。ワイヤハーネス9の前端14側は、インバータユニット4に対し公知の方法で電気的に接続される。
モータユニット3は、モータ及びジェネレータを構成に含むものとする。また、インバータユニット4は、インバータ及びコンバータを構成に含むものとする。モータユニット3は、シールドケースを含むモータアッセンブリとして形成されるものとする。また、インバータユニット4もシールドケースを含むインバータアッセンブリとして形成されるものとする。バッテリー5は、Ni−MH系やLi−ion系のものであって、モジュール化してなるものとする。尚、例えばキャパシタのような蓄電装置を使用することも可能であるものとする。バッテリー5は、ハイブリッド自動車1や電気自動車に使用可能であれば特に限定されないものとする。
先ず、ワイヤハーネス9の構成及び構造について説明をする。
図2において、ワイヤハーネス9は、高圧導電路15(導電路)と、この高圧導電路15を収容保護する外装部材16と、高圧導電路15の端末に設けられるシールドコネクタ17(接続部材。図6及び図7参照)と、外装部材16の外面に取り付けられる複数のクランプ18(固定部材。図6及び図7参照)と、同じく外装部材16の外面に水密に取り付けられるグロメット19(止水部材。図6及び図7参照)とを備えて構成される。
尚、ワイヤハーネス9は、高圧導電路15と一緒に低圧導電路も外装部材16に収容保護されるような構成としてもよいものとする。この場合、例えば図2の引用符号Wで示すような位置に配置されるものとする。
高圧導電路15は、二本の高圧回路20と、この二本の高圧回路20を覆うシールド部材21と、シールド部材21の外側に設けられるシース22とを備えて構成される(一例であるものとする)。
高圧回路20は、ここでは公知の高圧電線であって、導体23と、この導体23を被覆する絶縁体24とを備えて構成される。高圧回路20は、電気的な接続に必要な長さを有するように形成される。高圧回路20は、ワイヤハーネス9がインバータユニット4とバッテリー5(ジャンクションブロック12)とを電気的に接続する(図1参照)ことから、長尺なものに形成される。
導体23は、銅や銅合金、或いはアルミニウムやアルミニウム合金により製造される。導体23に関しては、素線を撚り合わせてなる導体構造のものや、断面矩形又は丸形となる棒状の導体構造(例えば平角単心や丸単心となる導体構造であり、この場合、電線自体も棒状となる)のもののいずれであってもよいものとする。以上のような導体23は、この外面に絶縁性の樹脂材料からなる絶縁体24が押出成型される。
尚、高圧回路20として、本実施例では公知の高圧電線の構成を採用するが、この限りでないものとする。すなわち、公知のバスバーに絶縁体を設けて高圧回路としたもの等を採用してもよいものとする。
シールド部材21は、二本の高圧回路20を一括して覆う電磁シールド用の部材(電磁波対策用のシールド部材)であって、多数の素線を筒状に編んでなる公知の編組が採用される。シールド部材21は、二本の高圧回路20の全長とほぼ同じ長さに形成される。シールド部材21は、この端部が上記シールドコネクタ17(図6及び図7参照)を介してインバータユニット4(図1参照)のシールドケース等(図示省略)に接続される。
シールド部材21は、電磁波対策をすることが可能であれば、例えば導電性を有する金属箔や、この金属箔を含む部材を採用してもよいものとする。
シース22は、絶縁性を有する樹脂材料を所定の厚さでシールド部材21の外側に押出成型してなるものであり、高圧導電路15の最外層となる位置に配置される。シース22は、ワイヤハーネス9の製造においてシールド部材21が所定長さで露出するように端末加工される。尚、端末加工後の状態としては、例えば外装部材16よりも若干長い状態になるものとする。
高圧導電路15以外としては、公知のシールド電線が挙げられるものとする。本数は一又は複数本であるものとする。また、一本でプラス回路及びマイナス回路を同軸で有するように、或いは一本で三回路以上を同軸で有するように構成される高圧同軸複合導電路(図示省略)等も挙げられるものとする。
図2及び図3において、外装部材16は、上記高圧導電路15を覆う樹脂製の管体であって、高圧導電路15の収容に必要な長さ、及び保護に必要な厚みを有する形状に形成される。また、外装部材16は、この外面25から内面26へと通じる継ぎ目やスリットのない形状にも形成される。外装部材16は、高圧導電路15を水分から遠ざける(防水する)ことができる形状に、また、長尺な形状に形成される。
外装部材16は、本実施例において断面円形状に形成される(断面形状は一例であるものとする。後述する実施例2、3のような長円形状、或いは楕円形状や矩形状であってもよいものとする)。外装部材16は、可撓性を有する複数の可撓管部27と、この可撓管部27のような可撓性を持たない複数の非可撓管部28とを有して、例えば図3に示す形状に形成される。
可撓管部27と非可撓管部28は、可撓管部27を撓ませない状態で全体が直線状となるように一体に樹脂成型される。可撓管部27と非可撓管部28は、管軸方向に交互に連続するように配置形成される。
可撓管部27は、車両取付形状(ワイヤハーネス配索先の形状。固定対象の形状)に合わせた位置に配置される。また、可撓管部27は、車両取付形状に合わせた長さにも形成される。尚、可撓管部27の長さを管軸方向に異ならせることで、車両取付形状に合わせて必要な長さで撓ませることができる。このような可撓管部27は、ワイヤハーネス9の後述する梱包状態や輸送時、車両への経路配索時に、それぞれ所望の角度で撓ませることができる(図6及び図7参照)。
可撓管部27は、撓ませて曲げ形状にすることができるとともに、元のストレートな形状に戻すことも当然にできるものとする。
可撓管部27は、本実施例において蛇腹管形状に形成される。具体的には、周方向の凹部29及び凸部30を有するとともに、これら凹部29及び凸部30が管軸方向に交互に連続するように形成される。
可撓管部27は、経路配索時に撓ませられる経路配索時用可撓管部31と、ワイヤハーネス9の梱包状態及び輸送時に撓ませられる梱包輸送時用可撓管部32とを含んで構成される。尚、撓ませる必要がない部分であっても可撓管部27を配置形成することは可能であるものとする。
外装部材16は、この端末側に可撓管部27を配置する形状に形成される。また、外装部材16は、この端末側に配置された可撓管部27の端部がシールドコネクタ17(図6及び図7参照)の近傍まで延在するような長さに形成される。尚、シールドコネクタ17の近傍とは、シールドコネクタ17によるインバータユニット4(図1参照)等への電気的な接続作業に支障を来さない程度の近さや、高圧導電路15の端末加工に支障を来さない程度の近さであるものとする。可撓管部27は、上記の如く可撓性を有することから、かなり近くまで延在させることができるのは勿論である。
端末側に配置された可撓管部27の端部には、シールドコネクタ17(図6及び図7参照)まで延在する柔軟な防水部材が取り付けられる。防水部材としては、例えばゴム製のブーツ33(図6及び図7参照)などが挙げられる。ブーツ33は、可撓管部27の端部から引き出された高圧導電路15の端末部分34(図6及び図7参照)や、可撓管部27の端部開口部分を覆うために取り付けられる。尚、取り付けは任意であるものとする。ブーツ33を代替するものとしては、防水性を有するテープの巻き付けによりなるテープ巻部等が挙げられるものとする。
外装部材16における複数の可撓管部27のうち、車両床下11(図1参照)の上記貫通孔の位置に合わせた配置の可撓管部27には、この外面に水密となり、且つ貫通孔にも水密となる止水部材が取り付けられる。止水部材としては、例えばゴム製のグロメット19(図6及び図7参照)などが挙げられる。グロメット19は、貫通孔を介しての水分の浸入を防止する部材として取り付けられる。
外装部材16は、可撓管部27の配置部分が恰もコルゲートチューブとなる形状に形成される。言い換えれば、部分的にコルゲートチューブが存在する形状に形成される。外装部材16は、上記の如くコルゲートチューブの部分を有することから、「コルチューブ」や「部分形成コルゲートチューブ」などと呼ぶこともできるものとする。
外装部材16は、この管軸方向に沿ってスリットを設けない(腹割きのない)形状に形成される。スリットを設けない理由としては、外装部材16内への水分の浸入を防止して防水性の向上を図る点が挙げられる。また、例えば撓ませた部分において高圧導電路15のはみ出しを生じさせない点も挙げられる。さらには、外装部材16自体の剛性アップを図る点も挙げられる。この他、外装部材16は、周方向の継ぎ目がない形状にも形成される。理由としては、上記スリットと同様である。
尚、外装部材16は、上記の点を満足することができれば所定位置で分割されるような形状に形成されてもよいものとする。この場合、接着や溶着、或いは連結するための後付け部材等により一体化されるものとする。後付け部材に関しては、連結部分での高圧導電路15が外装部材16の内面26に対し浮いた状態にならない構造が好ましいものとする。この理由としては、高圧導電路15で発生した熱を、高圧導電路15の接触により外装部材16へ伝えて、外装部材16の外面25から放熱させるためである。
非可撓管部28は、凸部35及び第二の凸部37を有する非可撓管部本体36を含んで構成される。非可撓管部本体36は、後述する梱包状態や輸送時、経路配索時に曲がらない部分として形成される(曲がらない部分とは、可撓性を積極的に持たせない部分という意味である)。非可撓管部本体36は、断面円形状のストレートチューブ形状に形成される(断面円形状に限らず、長円形状、或いは楕円形状や矩形状であってもよいものとする)。
非可撓管部28は、図示の如く直管形状に形成される。そのため、「直管部」や「ストレート部」などと呼ぶこともできるものとする。非可撓管部28は、可撓管部27と比べ、リジッドな部分に形成される。非可撓管部28も上記車両取付形状に合わせた位置や長さに形成される。
外装部材16は、非可撓管部28として、車両床下11(図1参照)に配索される床下用非可撓管部38を有する。この床下用非可撓管部38は、車両床下11に配索されることから(例えばリーンホースに沿わせるように配索されることから)長尺に形成される。床下用非可撓管部38は非可撓管部28の一種であるものとする。
凸部35は、非可撓管部28の外面25から突出するように、また、周方向に環状に形成される。さらに、凸部35は、管軸方向に複数配置形成される(凸部35は、周方向に複数並ぶ突起となるように形成されてもよいものとする。また、管軸方向に間隔をあけて複数配置されるのでなく、一つだけ配置されてもよいものとする)。凸部35は、非可撓管部28の外面25側が凸形状部分35aとして形成される。また、内面26側は、凹形状部分35bとして形成される。凸部35は、後述する製造装置51からも分かるようになるが、外装部材16の成型性を向上させる部分として有効である。
ここで、凹形状部分35bの凹み幅をDとし、凹形状部分35bとこの隣の凹形状部分35bとの管軸方向の間隔(凹み無し部分の長さ)をCとすると、凹形状部分35bの凹み幅Dは、管軸方向の間隔Cよりも短くなるように形成される。これにより、外装部材16に高圧導電路15を挿通する際の引っ掛かりを起こり難くすることができる。尚、凹形状部分35bの深さは、任意の深さに設定されるものとする(本実施例においては、第二の凸部37よりも浅くなる深さに設定される)。
凸部35の凹み縁部には、曲面35c(又はテーパ)が形成される。この曲面35cは、高圧導電路15の挿通先端部分の引っ掛かりを生じさせないようにするために形成される。
第二の凸部37は、凸部35と同様に非可撓管部28の外面25から突出するように形成される。また、管軸方向にのびて形成される。さらに、第二の凸部37は、周方向に複数配置形成される(90度ピッチでの配置は一例であるものとする)。第二の凸部37は、非可撓管部28の外面25側が凸形状部分37aとして形成される。また、内面26側は、凹形状部分37bとして形成される。第二の凸部37の凹み縁部には、曲面37c(又はテーパ)が形成される。
凸部35及び第二の凸部37は、上記以外に表面積を確保する部分としても有効である(表面積を大きくすることで、成形時における冷却時間を短くすることができる。また、冷却時間を短くすることで、型開きを早くすることができる)。また、図からも分かるように、凸部35及び第二の凸部37は、剛性を確保する部分としても有効である。
この他、凸部35及び第二の凸部37は、クランプ18(図6及び図7参照)等の後付け部材の移動を規制する部分として、また、後付け部材の取り付け位置を認識させる部分として、さらには、後付け部材の回り止めをする部分としても有効である。
以上のような外装部材16は、次のような製造装置や製造方法にて製造される。図4や図5を参照しながら以下に説明をする。
図4において、引用符号51は外装部材16(図3及び図5参照)を樹脂成型するための製造装置を示す。この製造装置51(樹脂成型装置)は、樹脂押出部52と、成型部53と、冷却部54と、切断部55とを備えて構成される。
樹脂押出部52の下流側には、成型部53が連続する。また、成型部53の下流側には、冷却部54が連続する。切断部55は、冷却部54の端末に配設され(装置端末に配置され)、外装部材16を所定長さにする際に作動する。
樹脂押出部52は、樹脂材料を投入する部分としてのホッパ56と、このホッパ56に連続して水平方向に伸びる押出部本体57と、押出部本体57の端部から突出するダイス58とを備えて構成される。ダイス58は、樹脂材押出口59を有し、この樹脂材押出口59は、成型部53の入口60(図5参照)内に配置される。
図5において、成型部53は、入口60から出口61にかけて直線的に樹脂成型を行う部分であって、一対の成型構造部62を有する。この一対の成型構造部62は、ダイス58(図4参照)の樹脂材押出口59から導出された柔軟で筒状の樹脂材63(樹脂材料)の左右両側に配置されて一対となる。一対の成型構造部62は、樹脂材63を所定形状に成型することができるように構成される。
成型構造部62は、樹脂材63の進行方向に沿って一対となるタイミングプーリー64と、この一対のタイミングプーリ64により図中矢印方向へ移動する無端ベルト65と、無端ベルト65に取り付けられて移動する金型ブロック集合体66とを備えて構成される。
金型ブロック集合体66は、複数の金型ブロック67を有する。各金型ブロック67は、無端ベルト65の直線部分において隙間無しの状態に並べられる。各金型ブロック67は、無端ベルト65に対し取り替え自在に固定される。
各金型ブロック67は、無端ベルト65により移動し、型開きの際には凸部35(図3参照)を恰も引っ掛けて外装部材16を矢印方向へ押し出すように作用する。外装部材16の離型は、凸部35により良好になる。凸部35は、外装部材16の樹脂成型に有効な部分であると言える。
凸部35(図3参照)は、直線的な樹脂成型を良好にすることができる。凸部35を活用することで、外装部材16を直線的に押し出して成型をすることができる。
尚、上記製造装置51や製造方法は一例であるものとする。上記の他には、例えばブロー式のものもある。
図6及び図7において、外装部材16に取り付けられるクランプ18は、公知のものが用いられる。
クランプ18は、非可撓管部28の外形形状に合わせて形成される管体取付部43と、この管体取付部43に連続する固定部44とを有する。固定部44には、ボルト挿通孔45が貫通形成される。ワイヤハーネス9は、ボルト挿通孔45に挿通されたボルト46を介して車両床下11等の固定対象47に取り付け固定される(固定対象47の形状は一例であるものとする)。ワイヤハーネス9は、固定対象47に対し取り付け固定されると、図7に示す如く経路配索が完了する。
ワイヤハーネス9の両端末には、公知のシールドコネクタ17がそれぞれ設けられる。一方のシールドコネクタ17はインバータ側のシールドコネクタであり、他方のシールドコネクタ17はバッテリー側のシールドコネクタである。シールドコネクタ17は、可撓管部27から引き出された高圧導電路15の端末部分34に接続固定される。可撓管部27の端部からシールドコネクタ17にかけては、ブーツ33が取り付けられる。
次に、ワイヤハーネス9の製造、輸送、及び経路配索について説明をする。ワイヤハーネス9は、全体が略直線状に成型された外装部材16に高圧導電路15を挿通し、この後に高圧導電路15の端末部分34にシールドコネクタ17を設けることにより、また、ワイヤハーネス9は、外装部材16の外面所定位置にブーツ33やグロメット19、さらにはクランプ18を取り付けることにより製造が完了する。
ワイヤハーネス9は、曲げの必要がある部分に可撓管部27が配置され、また、経路規制を必要とする部分には非可撓管部28が配置されて製造される。
ワイヤハーネス9の製造後は、図6に示す如く所定の可撓管部27の部分で折り畳むように曲げると、ワイヤハーネス9は非可撓管部28同士(図中では非可撓管部28と床下用非可撓管部38)が略平行な状態に配置される。より具体的には、長い床下用非可撓管部38に対し他の非可撓管部28が沿うように略平行な状態に配置される。このような状態により、ワイヤハーネス9の全長が短くなるとともに、ワイヤハーネス9は最小限の幅で梱包される。すなわち、ワイヤハーネス9全体はコンパクトな状態で梱包される。そして、このコンパクトな状態のままでワイヤハーネス9は輸送される。
ワイヤハーネス9は、図7に示す如くクランプ18を用いて固定対象47に対し取り付け固定されると、経路配索が完了する。ワイヤハーネス9は、上記構成及び構造から分かるように、一方のシールドコネクタ17から他方のシールドコネクタ17にかけて、高圧導電路15全体を水分から遠ざける(防水する)ように配索される。
以上、図1ないし図7を参照しながら説明してきたように、ワイヤハーネス9は、外装部材16の構成及び構造により所望の経路で配索される。
以下、図面を参照しながら実施例2を説明する。図8はワイヤハーネスの変形例を示す断面図である。尚、上記実施例1と基本的に同じ構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図8において、ワイヤハーネス9は、高圧導電路15と、この高圧導電路15を収容保護する外装部材16と、高圧導電路15の端末に設けられるシールドコネクタ17(図6及び図7参照)とを備えて構成される。外装部材16は、実施例1のような断面円形状でなく、高圧導電路15の外形形状に合わせて断面長円形状に形成される。外装部材16は、凸部35及び第二の凸部37をそれぞれ複数有する。
外装部材16は、断面長円形状に形成されることから、この高さ寸法が実施例1よりも低くなり、車両床下11(図1参照)に取り付け固定された際には、地面からの距離を稼ぐことができるという効果を奏する。また、外装部材16は、断面長円形状に形成されることから、内部空間において高圧導電路15の占有率を高めることができ、以て高圧導電路15の熱を外装部材16へと伝え易くすることができるという効果も奏する。断面長円形状は、高圧導電路15との接触面積が大きくなる。
以下、図面を参照しながら実施例3を説明する。図9はワイヤハーネスの変形例を示す断面図である。尚、上記実施例1と基本的に同じ構成部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図9(a)において、ワイヤハーネス9は、高圧導電路15と、この高圧導電路15を収容保護する外装部材16と、高圧導電路15の端末に設けられるシールドコネクタ17(図6及び図7参照)とを備えて構成される。外装部材16は、実施例1のような断面円形状でなく、断面楕円形状に形成される。或いは、図9(b)に示すような断面矩形状に形成される。外装部材16は、凸部35及び第二の凸部37をそれぞれ複数有する。ワイヤハーネス9は、以上のような断面形状の外装部材16を構成に含んでもよいものとする。
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
変形例を挙げるとすると、実施例1〜実施例3の外装部材16の外面に、外部からの熱を反射する熱反射部を複数箇所設ける例が挙げられる。また、高圧であることを識別させるための識別部を外装部材16の外面全体や、所望の箇所に複数設ける例も挙げられる。
1…ハイブリッド自動車、 2…エンジン、 3…モータユニット、 4…インバータユニット、 5…バッテリー、 6…エンジンルーム、 7…自動車後部、 8、9…ワイヤハーネス、 10…中間部、 11…車両床下、 12…ジャンクションブロック、 13…後端、 14…前端、 15…高圧導電路(導電路)、 16…外装部材、 17…シールドコネクタ(接続部材)、 18…クランプ、 19…グロメット(止水部材)、 20…高圧回路、 21…シールド部材、 22…シース、 23…導体、 24…絶縁体、 25…外面、 26…内面、 27…可撓管部、 28…非可撓管部、 29…凹部、 30…凸部、 31…経路配索時用可撓管部、 32…輸送時用可撓管部、 33…ブーツ(防水部材)、 34…端末部分(端末)、 35…凸部、 35a…凸形状部分、 35b…凹形状部分、 35c…曲面、 36…非可撓管部本体、 37…第二の凸部、 37a…凸形状部分、 37b…凹形状部分、 37c…曲面、 38…床下用非可撓管部、 43…管体取付部、 44…固定部、 45…ボルト挿通孔、 46…ボルト、 47…固定対象

Claims (6)

  1. 一又は複数本の導電路と、該導電路を覆う樹脂製で管体形状の外装部材とを含むワイヤハーネスにおいて、
    前記外装部材は、可撓性を有する可撓管部と、該可撓管部のような可撓性を持たない非可撓管部とを含んで構成され、
    前記可撓管部は、該可撓管部の周方向にのび且つ前記外装部材の管軸方向に交互に連続する複数の凹凸にて蛇腹管形状に形成され、
    前記非可撓管部における非可撓管部本体は、この外面から突出し且つ該外面の周方向にのび且つ該周方向に一又は複数となる凸部を有するとともに前記可撓性を持たない状態に形成され、
    前記周方向に一又は複数となる前記凸部は、前記管軸方向に間隔をあけて配置される複数、又は一つのみで形成されるとともに、前記可撓管部における前記蛇腹管形状の前記凸に比べて高さが低くなるように形成され且つ幅も狭くなるように形成され且つ前記間隔も広くなるように配置される
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 請求項1に記載のワイヤハーネスにおいて、
    前記非可撓管部の内面で前記凸部の裏側となる位置には、前記内面を凹ます凹形状部分が形成される
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
  3. 請求項2に記載のワイヤハーネスにおいて、
    前記凹形状部分は、この凹み幅が前記管軸方向の凹み無し部分の長さよりも短くなるように形成される
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
  4. 請求項2又は3に記載のワイヤハーネスにおいて、
    前記凹形状部分の凹み縁部には、曲面又はテーパが形成される
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
  5. 請求項1、2、3又は4に記載のワイヤハーネスにおいて、
    前記非可撓管部には、この外面から突出する一又は複数の第二の凸部が形成され、
    該第二の凸部は、前記管軸方向にのびて形成される
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
  6. 請求項1、2、3、4又は5に記載のワイヤハーネスにおいて、
    前記導電路は、車両床下を通り該車両床下の前後に跨る長さに形成され、
    前記外装部材も前記車両床下を通り該車両床下の前後に跨る長さに形成される
    ことを特徴とするワイヤハーネス。
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