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JP5972503B1 - 電力用回路装置 - Google Patents

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JP5972503B1
JP5972503B1 JP2016518208A JP2016518208A JP5972503B1 JP 5972503 B1 JP5972503 B1 JP 5972503B1 JP 2016518208 A JP2016518208 A JP 2016518208A JP 2016518208 A JP2016518208 A JP 2016518208A JP 5972503 B1 JP5972503 B1 JP 5972503B1
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Abstract

コモンモードコイルの両端に対地コンデンサを備えた場合でも、負荷から金属筺体に流れ出るノイズがあり、系統電源へのノイズの伝搬量を抑制する必要があった。このため、整流回路、インバータ、前記整流回路の正極側と前記インバータを接続する第1配線、前記整流回路の負極側と前記インバータを接続する第2配線、前記インバータの出力端子に接続される負荷を接続し得る接地線端子、および前記第1配線または前記第2配線の少なくとも一方と前記接地線端子とを接続する導電板によってノイズループを形成した。

Description

この発明は、系統電源から入力される交流を、直流に変換した後に再び交流に変換するインバータを備えた電力用回路装置に関する。
一般に電子機器は、電気的なノイズを発生しており、対策が不十分な機器は、様々な問題を引き起こす要因となる。特に、交流電源で動作する電気機器の場合には、共通の電源ラインを通して接続されることが多く、他の電気機器で発生したノイズによる誤動作や、逆に自己の装置で発生したノイズによって他の装置を誤動作させることがある。
ノイズの発生源としては、インバータなどの半導体による電気的スイッチ、各種モータ類での微小な放電などがあり、ノイズ対策として、ノイズの発生源での発生エネルギーを弱くすることおよびノイズの伝達経路において、伝達されにくくすることが行われている。
ノイズの伝搬は、その伝わり方によって二つの種類に分けられ、一つ目は、信号ライン間や電源ライン間に発生するノーマルモードノイズで、電源線路間で発生し、電源の電流や信号と同じ方向に流れるノイズ成分である。このノーマルモードにおけるノイズの電流の方向は、行きと帰りのそれぞれ逆向きのためノイズ成分が相殺されて小さくなるため、放射ノイズが小さく、信号ラインや電源ラインにフィルタを使用することによって対策される。二つ目は、信号ラインや電源ラインとグランドとの間に発生するコモンモードノイズで、このノイズは信号パターンとSG(シグナルグランド)へ同じ方向に流れ、金属筐体を通り、浮遊容量などを通って信号源に戻るものである。
このコモンモードにおけるノイズは大きな電源ループを形成し、小さなノイズ電流でも大きなノイズを放射することからノイズ対策として重要である。このノイズに対しては、正負の信号ラインおよび正負の電源ラインにフィルタを使用することが行われる。
系統電源から入力される交流を直流に変換した後に再び交流に変換する電力用回路装置において、コモンモードノイズの対策として、特に放射ノイズを抑制するために、金属筐体にコモンモードノイズ電流を直接流さないように、導電板を設け、導電板と電源回路を構成する回路のバイパス用コンデンサとを接続し、コモンモードノイズ電流を取り込み、インダクタを介して、金属筐体に一点で接続することにより、金属筐体から直接放射ノイズが出ることを抑制することが特許文献1にて提案されている。
また、コモンモードノイズ電流の経路として、交流を直流に変換する第1の変換器と直流を交流に変換する第2の変換器のそれぞれの変換器に設けられた第1及び第2の放熱器をインピーダンス素子によって接続し、コモンモードノイズ電流がインピーダンス素子を必ず流れるようにしてコモンモードノイズ電流の波高値を低減することが特許文献2において提案されている。
特開2000−341951号公報 特開2006−115649号公報
特許文献1において示されたスイッチング電源装置では、インバータと電線を介して接続する負荷から金属筺体に流れ出るコモンモードノイズ電流に対して、コモンモードコイルの両端(整流回路側と系統電源側)に対地コンデンサを備えて減衰量を増大させようとしても、コモンモードコイルを通らずに、整流回路、前記対地コンデンサのうち整流回路側の対地コンデンサ、導電板、前記対地コンデンサのうち系統電源側の対地コンデンサ、系統電源、グランド、金属筺体、金属筺体と導電板の間の浮遊容量、バイパス用コンデンサ、および整流回路によってノイズ伝搬経路が形成されることになり、ノイズ伝搬量の減衰効果は期待の通りとならないという課題があった。
また、特許文献2で示された電力変換装置では、金属筺体にノイズを流さずに半導体モジュールを冷却するための放熱器にノイズを流すものが提案されているが、放熱器を用いると放熱器に繋がる半導体モジュールと放熱器の寄生容量によって新たな伝搬経路が生じることになり、ノイズの伝搬経路が複雑になるため、ノイズを減衰させることが難しくなるという課題があった。
この発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであり、コモンモードコイルの両端に対地コンデンサを備えた場合でも、負荷から金属筺体に流れ出るノイズの系統電源への伝搬量を抑制できる電力用回路装置を得ることを目的としている。
この発明に係る電力用回路装置は、整流回路、インバータ、前記整流回路の入力側に設けられたコモンモードコイル、前記コモンモードコイルと前記整流回路の正極側と前記インバータを接続する第1配線、前記コモンモードコイルと前記整流回路の負極側と前記インバータを接続する第2配線、導電板、前記第1配線および前記第2配線と前記導電板との間に接続されたバイパス用コンデンサ、前記インバータの出力端子に接続される負荷を接地電位に接続し得る接地端子、および金属筺体を備え、前記金属筐体は、第1金属筺体と第2金属筺体に分かれ、前記第1金属筺体は、インダクタによって前記導電板に接続され、前記第2金属筺体は、前記接地線端子に接続され、前記第1配線または前記第2配線の少なくとも一方と前記バイパス用コンデンサと前記導電板と前記接地線端子とによってノイズループを形成したものである。
この発明によれば、整流回路の入力側に設けられたコモンモードコイル、および金属筺体を備え、前記金属筐体は、第1金属筺体と第2金属筺体に分かれ、前記第1金属筺体は、インダクタによって前記導電体に接続され、前記第2金属筺体は、前記接地線端子に接続され、前記コモンモードコイルと前記整流回路の正極側と前記インバータを接続する前記第1配線または前記コモンモードコイルと前記整流回路の負極側と前記インバータを接続する前記第2配線の少なくとも一方と前記バイパス用コンデンサと前記導電板と前記接地線端子とによってノイズループを形成したことによって、負荷から伝搬されるノイズが接地線端子を通じて導電板に伝搬されて、負荷から系統電源に流れ出るノイズを抑制することができるものである。
この発明の実施の形態1による電力用回路装置の回路図である。 この発明の実施の形態1による電力用回路装置の斜視図である。 この発明の実施の形態1による電力用回路装置の側面図である。 この発明の実施の形態2による電力用回路装置の斜視図である。 この発明の実施の形態2による電力用回路装置の側面図である。 この発明の実施の形態3による電力用回路装置の側面図である。 この発明の実施の形態4による電力用回路装置の回路図である。 この発明の実施の形態5による電力用回路装置の回路図である。 この発明の実施の形態5による電力用回路装置の斜視図である。 この発明の実施の形態6による電力用回路装置の斜視図である。 この発明の実施の形態7による電力用回路装置の側面図である。 この発明の実施の形態8による電力用回路装置の回路図である。 この発明の実施の形態9による電力用回路装置の回路図である。 この発明の実施の形態10による電力用回路装置の回路図である。 この発明の実施の形態11による電力用回路装置の回路図である。 この発明の実施の形態12よる電力用回路装置の回路図である。 この発明の実施の形態13による電力用回路装置の回路図である。 この発明の実施の形態14による電力用回路装置の回路図である。 この発明の実施の形態15による電力用回路装置の回路図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による電力用回路装置1を示す回路図で、この図1では、電力用回路装置1に接続される系統電源100および負荷6を含めて図示している。図2は、この発明の実施の形態1による電力用回路装置1を示す斜視図であり、ここでは、系統電源100を図示していない。図3は、この発明の実施の形態1による電力用回路装置1の整流回路4、昇圧回路10、インバータ5の部分の側面図である。
図1に示すように、コモンモードコイル2の両端に対地コンデンサ3が取り付けられている。この対地コンデンサ3の容量の上限値は、漏洩電流の観点から4700pF程度としている。コモンモードコイル2の一方は、系統電源100に繋がっており、他方は整流回路4に繋がっている。整流回路4は、インダクタ、半導体素子、ダイオードで形成される昇圧回路10に繋がっている。昇圧回路10は、電解コンデンサを介してインバータ5に繋がっている。整流回路4、昇圧回路10、およびインバータ5の正極側は、第1配線7を形成し、負極側は、第2配線8を形成している。言い換えれば、整流回路4の正極側とインバータ5は第1配線7によって接続され、整流回路4の負極側とインバータ5は第2配線8によって接続されているということになる。
また、負荷6は、電力用回路装置1の出力配線23および接地線端子22aに接続されている。また、負荷6の電線は浮遊容量を介して金属筺体9に接続されている。金属筺体9は、電力用回路装置1に含まれるシャーシであって、図1においては、金属筺体9の上に負荷6が搭載されている様に描かれているが、これは負荷6との電気的な接続関係を表すために示したもので、実際の構造とは異なっている。接地線22は、導電板21と繋がれており、コモンモードコイル2の整流回路4側と導電板21は、整流回路4よりも系統電源100側に繋がれたバイパス用コンデンサ20で繋がれている。
この構成によって、整流回路4から、昇圧回路10を含む第1配線7、インバータ5、出力配線23、負荷6、接地線端子22a、接地線22、導電板21、およびバイパス用コンデンサ20によってノイズループ15が形成されることになる。
なお、整流回路4およびインバータ5には、放熱のためにヒートシンク30が設けられており、ヒートシンク30と導電板21は、回路基板11の両側の面に、回路基板11を挟み込むように配置されている。ヒートシンク30は、図1では1つのものとして図示したが、整流回路4とインバータ5で1つのヒートシンク30を共用するように配置しても良いし、整流回路4とインバータ5で別々のものとしても良い。
このような構成によれば、インバータ5および昇圧回路10から負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れるノイズを、ノイズループ15により導電板21に導くことによって金属筺体9への流れを低減することができる。これによって、負荷6から金属筺体9に流れ出るノイズを抑制し、系統電源100へのノイズの伝搬量を抑制できる。電解コンデンサのように高さのある部品を用い、かつ、整流回路4とインバータ5を電解コンデンサと同じ側に配置した場合でも、ノイズループ15を形成することができる。
なお、ノイズループ15は、インバータ5、インバータと負荷6をつなぐ電線、負荷6、負荷6の浮遊容量、接地線22、導電板21、バイパス用コンデンサ20、整流回路4、昇圧回路10、インバータ5で形成される。図1では第1配線7を通るループを示したが、ノイズループは第2配線8を通るループでも良い。
このように電力用回路装置1を構成することにより、コモンモードコイル2の両端に対地コンデンサ3を設けてコモンモードコイル2および対地コンデンサ3で形成されるノイズフィルタの減衰量を増大させようとした場合に、インバータ5および昇圧回路10から負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れるノイズを導くことができるノイズループ15を設けているため、負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れ出るノイズの系統電源100への伝搬量を抑制できる。
なお、図1では電力用回路装置1が金属筺体9で囲われている状態の図を示したが、金属筺体9は、電力用回路装置1を囲わなくても、電力用回路装置1の下に設置されているだけでも良い。
また、接地線22は、電力用回路装置1と負荷6を結ぶシールド線のシールドでも良い。この構成により、インバータ5および昇圧回路10から負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れるノイズを回収できるノイズループ15を形成して、負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れ出るノイズの系統電源100への伝搬量を抑制できるだけでなく、出力配線23と負荷6を繋ぐケーブルから放射するノイズも抑制することが可能となる。
実施の形態2.
また、電解コンデンサのように高さのある部品を用い、かつ、整流回路4とインバータ5を回路基板11の裏面側、すなわち、電解コンデンサが設けられた面とは逆側に配置した場合、図4および図5のように導電板21を、回路基板11に対してヒートシンク30と同じ側に配置された第1の導電板21aと、回路基板11に対してヒートシンク30と逆側に配置された第2の導電板21bから構成し、第1の導電板21aと第2の導電板21bを、ビアホール31で接続された構成にしても良い。
この構成によれば、電解コンデンサのように高さのある部品を用い、かつ、整流回路4とインバータ5を、回路基板11の電解コンデンサを設けた面とは逆側に配置した場合でも、ノイズループ15を形成することができる。
実施の形態3.
また、図6のように、導電板21に対して第1配線7と第2配線8とが両側から挟みこむように配置して、サンドイッチ構造としても良い。この場合においても、整流回路4の正極側と第1配線7とが接続され、整流回路4の負極側と第2配線8とが接続され、インバータ5の正極側と第1配線7とが接続されており、インバータ5の負極側と第2配線8とが接続されている。さらに同様に、電解コンデンサの正極側と第1配線7とが繋がれており、電解コンデンサの負極側と第2配線8とが繋がれている。
この構成によれば、インバータ5、インバータ5と負荷6をつなぐ電線、負荷6、負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、接地線22、導電板21、バイパス用コンデンサ20、整流回路4、昇圧回路10、インバータ5によってノイズループ15が構成されている。この実施の形態3においては、ノイズループ15のインダクタンスを実施の形態1および2に比べてさらに小さくできるため、インバータ5および昇圧回路10から負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れるノイズの回収がより効率的にできることから、負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れ出るノイズの伝搬を抑制でき、系統電源100への伝搬量を抑制できることになる。
実施の形態4.
また、実施の形態1から実施の形態3においては、ヒートシンク30が金属筺体9に非接地の場合を示しているが、図7のように、ヒートシンク30が金属筺体9に接地されていても良い。ヒートシンク30と金属筺体9の接地の箇所とは負荷6と金属筺体9との接触箇所の近傍に1箇所でおこなうことが望ましい。また、ヒートシンク30と導電板21の接地は、導電板21から整流回路4もしくはインバータ5を介してヒートシンク30へ、金属製のネジや固定具などで止めることで実現できる。
この構成によれば、ヒートシンク30が金属筺体9に接地されている場合でも、インバータ5、インバータ5と負荷6とをつなぐ電線、負荷6、負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、接地線22、導電板21、バイパス用コンデンサ20、整流回路4、昇圧回路10、インバータ5によってノイズループ15を形成することができる。この形態のノイズループ15においても、ほかの実施の形態と同様に、インバータ5および昇圧回路10から負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れるノイズを導くことができ、負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れ出るノイズの系統電源100への伝搬量を抑制できる。
実施の形態5.
図8は、この発明の実施の形態5による電力用回路装置1を示す回路図である。図9は、この発明の実施の形態5による電力用回路装置1を示す斜視図である。図8および図9に示すように、この電力用回路装置1においては、コモンモードコイル2の両端に対地コンデンサ3が配置され、コモンモードコイル2の片側は、系統電源100に繋がっており、もう一方は整流回路4に繋がっている。整流回路4は、昇圧回路10に繋がっている。昇圧回路10は、電解コンデンサを介してインバータ5に繋がっており、整流回路4および昇圧回路10、インバータ5の正極側は、第1配線7を形成し、一方、負極側は、第2配線8を形成している。インバータ5は、負荷6に接続され、負荷6の電線は、浮遊容量を介して金属筺体9に繋がっている。負荷6は、接地線端子22aを介して導電板21と繋がれており、昇圧回路10のインバータ5側と導電板21は、バイパス用コンデンサ20で繋がれている。整流回路4およびインバータ5の放熱のためにヒートシンク30が設けられており、ヒートシンク30および導電板21は、整流回路4およびインバータ5の配置とは異なった回路基板11の面に配置されている。
このような構成によれば、インバータ5および昇圧回路10から負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れるノイズを、ノイズループ15により金属筺体9に流れにくくし、インバータと電線を介して接続する負荷から金属筺体に流れ出るノイズの系統電源への伝搬量を抑制できる。電解コンデンサのように高さのある部品を用い、かつ、整流回路4とインバータ5を電解コンデンサと同じ側に配置した場合でも、ノイズループ15を形成することができる。
なお、ノイズループ15は、インバータ5、インバータ5と負荷6とをつなぐ電線、負荷6、負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、接地線22、導電板21、バイパス用コンデンサ20、インバータ5で形成される。なお、図8では、第1配線7を通るループを記載したが、ノイズループは第2配線8を通るループでも良い。
このように電力用回路装置1を構成することにより、コモンモードコイル2の両端に対地コンデンサ3を設けて減衰量を増大させようとした場合に、昇圧回路10およびインバータ5から負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れるノイズを導くことができるノイズループ15を設けているため、負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れ出るノイズの伝搬を抑制することができ、系統電源100への伝搬量を抑制できる。
なお、接地線22は電力用回路装置1と負荷6を結ぶシールド線のシールドでも良い。この構成により、インバータ5および昇圧回路10から、負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れるノイズを導くことができるノイズループ15を形成して負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れ出るノイズの系統電源100への伝搬量を抑制できるだけでなく、出力配線23と負荷6を繋ぐケーブルから放射するノイズも抑制することが可能となる。
また、図8では電力用回路装置1が金属筺体9で囲われている図を示したが、金属筺体9は電力用回路装置1を囲わなくても、電力用回路装置1の下に設置されているだけでも良い。
実施の形態6.
また、実施の形態2では整流回路4よりも系統電源100側にバイパスコンデンサ20が繋がれている場合について述べたが、昇圧回路10のインバータ5側と導電板21がバイパス用コンデンサ20で繋がれている場合は、次のように実施できる。
すなわち、電解コンデンサのように高さのある部品を用い、かつ、整流回路4とインバータ5を、回路基板11の、電解コンデンサとは異なる面に配置した場合、図10のように導電板21を、電解コンデンサと同じ側に配置する構成にする。
この構成によれば、電解コンデンサのように高さのある部品を用い、かつ、整流回路4とインバータ5を電解コンデンサとは異なった面に配置した場合でも、ノイズループ15を形成することができる。
実施の形態7.
また、実施の形態3では整流回路4よりも系統電源100側にバイパスコンデンサ20が繋がれている場合について述べたが、昇圧回路10のインバータ5側と導電板21がバイパス用コンデンサ20で繋がれている場合は、次のように実施できる。
すなわち、図11のように、第1配線7と第2配線8とを導電板21に対して両側から挟みこむように配置したサンドイッチ構造とする。この構造では、インバータ5の正極側と第1配線7とが繋がれており、インバータ5の負極側と第2配線8とが繋がれている。さらに同様に、電解コンデンサの正極側と第1配線7とが繋がれており、電解コンデンサの負極側と第2配線8とが繋がれている。
この構成によれば、インバータ5、インバータ5と負荷6とをつなぐ電線、負荷6、負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、接地線22、導電板21、バイパス用コンデンサ20、インバータ5によってノイズループ15を形成し、このノイズループ15のインダクタンスを実施の形態5および実施の形態6に比べてさらに小さくできるため、ノイズループ15によって、負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れるノイズを導くことができ、金属筺体9から系統電源100へのノイズの伝搬量を抑制できる。
実施の形態8.
また、実施の形態5から実施の形態7では、ヒートシンク30が金属筺体9に非接地の場合について述べたが、実施の形態4の図7で示したと同様に、図12のようにヒートシンク30を金属筺体9に接地するようにしても良い。ヒートシンク30と金属筺体9の接地の箇所は負荷6と金属筺体9の接触箇所の近傍に1箇所でおこなうことが望ましい。また、ヒートシンク30と導電板21の接地は導電板21から整流回路4もしくはインバータ5を介してヒートシンクへ、金属製のネジや固定具などで止めることで実現できる。
この構成によれば、ヒートシンク30が接地されている場合でも、インバータ5、インバータと負荷をつなぐ電線、負荷6、負荷6の浮遊容量、接地線22、導電板21、バイパス用コンデンサ20、インバータ5で形成されるノイズループ15を形成でき、このノイズループ15によって、インバータ5および昇圧回路10から負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れるノイズを導くことができ、金属筺体9に流れ出るノイズの伝搬を抑制し、系統電源100へのノイズの伝搬量を抑制できる。
実施の形態9.
図13は、この発明の実施の形態6による電力用回路装置1を示す回路図である。図13に示すように、この電力用回路装置1において、図8に示した金属筺体9は、第1金属筺体9aと第2金属筺体9bに分かれている。第1金属筺体9aおよび第2金属筺体9bは、電気的に接続されておらず、第2金属筺体9bは接地線端子22aに接続されている。
このような構成によれば、インバータ5および昇圧回路10から負荷6の浮遊容量を介して第2金属筺体9bに流れるノイズを、ノイズループ16により第1金属筺体9aに流れ難くし、系統電源への伝搬量を抑制できる。
なお、ノイズループ16は、インバータ5、インバータ5と負荷6とをつなぐ電線、負荷6、負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、接地線22、導電板21、バイパス用コンデンサ20、インバータ5で形成される。
なお、図13では、第1配線7を通るループを記載したが、ノイズループ16は、第2配線8を通るループでも良い。また、バイパス用コンデンサ20が整流回路4のインバータ5側に配置されても良く、この場合、ノイズループ16は、インバータ5、インバータ5と負荷6とをつなぐ電線、負荷6、負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、接地線22、導電板21、バイパス用コンデンサ20、インバータ5で形成される。
このように電力用回路装置1を構成することにより、コモンモードコイル2の両端に対地コンデンサ3を設けて減衰量を増大させようとした場合に、昇圧回路10およびインバータ5から負荷6の浮遊容量を介して金属筺体9に流れるノイズを導くことができるノイズループ16を設けているため、負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筐体9b、接地線22、導電板21を介して第1金属筺体9aおよび系統電源100に流れ出るノイズの伝搬を抑制することができ、系統電源100への伝搬量を抑制できる。
なお、接地線22は、電力用回路装置1と負荷6を結ぶシールド線のシールドでも良い。この構成により、インバータ5および昇圧回路10から、負荷6の浮遊容量を介して第2金属筺体9bに流れるノイズを導くことができるノイズループ16を形成して負荷6の浮遊容量を介して第2金属筺体9bに流れ出るノイズの系統電源100への伝搬量を抑制できるだけでなく、インバータ5と負荷6をつなぐ電線から放射するノイズも抑制することが可能となる。
また、図13では電力用回路装置1の下に第1金属筺体9aと第2金属筺体9bとが設置されている図を示したが、第1金属筺体9aと第2金属筺体9bは電力用回路装置1を囲んでいても良い。
また、実施の形態6においては、ヒートシンク30が金属筺体9に非接地の場合を示しているが、ヒートシンク30が第1金属筺体9aもしくは第2金属筺体9bに接地されていても良い。ヒートシンク30と第1金属筺体9aもしくは第2金属筺体9bの接地の箇所とは負荷6と第1金属筺体9aもしくは第2金属筺体9bとの接触箇所の近傍に1箇所でおこなうことが望ましい。また、ヒートシンク30と導電板21の接地は、導電板21から整流回路4もしくはインバータ5を介してヒートシンク30へ、金属製のネジや固定具などで止めることで実現できる。
実施の形態10.
図13では第1金属筺体9aと第2金属筺体9bが電気的に接続されていない場合を示したが、図14のように導電板21と第1金属筺体9aがインダクタ32で繋がれていて、導電板21と第2金属筺体9bが接地線22で接続されていても良い。この場合、インダクタ32の値は、ノイズループ16よりもノイズループ17が高いインピーダンスとなるよう、決定される。
なお、ノイズループ16は、インバータ5、インバータ5と負荷6とをつなぐ電線、負荷6、負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、接地線22、導電板21、バイパス用コンデンサ20、インバータ5で形成される。また、ノイズループ17は、インバータ5、インバータ5と負荷6とをつなぐ電線、負荷6、負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、接地線22、導電板21、インダクタ32、第1金属筺体9a、対地コンデンサ3、整流回路4、インバータ5で形成される。
なお、図14では、第1配線7を通るループを記載したが、ノイズループは、第2配線8を通るループでも良い。また、バイパス用コンデンサ20が整流回路4のインバータ5側に配置されても良く、この場合、ノイズループ16は、インバータ5、インバータ5と負荷6とをつなぐ電線、負荷6、負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、接地線22、導電板21、バイパス用コンデンサ20、インバータ5で形成される。
このように電力用回路装置1を構成することにより、コモンモードコイル2の両端に対地コンデンサ3を設けて減衰量を増大させようとした場合に、昇圧回路10およびインバータ5から負荷6の浮遊容量を介して第2金属筺体9bに流れるノイズを導くことができるノイズループ16を設けているため、負荷6の浮遊容量、接地線22a、第2金属筐体9b、接地線22、導電板21を介して第1金属筺体9aおよび系統電源100に流れ出るノイズの伝搬を抑制することができ、系統電源100への伝搬量を抑制できる。
なお、接地線22は、電力用回路装置1と負荷6を結ぶシールド線のシールドでも良い。
この構成により、インバータ5および昇圧回路10から、負荷6の浮遊容量を介して第2金属筺体9bに流れるノイズを導くことができるノイズループ16を形成して負荷6の浮遊容量を介して第2金属筺体9bに流れ出るノイズの系統電源100への伝搬量を抑制できるだけでなく、インバータ5と負荷6をつなぐ電線から放射するノイズも抑制することが可能となる。
なお、図14では電力用回路装置1の下に第1金属筺体9aと第2金属筺体9bとが設置されている図を示したが、第1金属筺体9aと第2金属筺体9bは、電力用回路装置1を囲んでいても良い。
また、実施の形態7においては、ヒートシンク30が金属筺体9に非接地の場合を示しているが、ヒートシンク30が第1金属筺体9aもしくは第2金属筺体9bに接地されていても良い。ヒートシンク30と第1金属筺体9aもしくは第2金属筺体9bの接地の箇所とは負荷6と第1金属筺体9aもしくは第2金属筺体9bとの接触箇所の近傍に1箇所でおこなうことが望ましい。また、ヒートシンク30と導電板21の接地は、導電板21から整流回路4もしくはインバータ5を介してヒートシンク30へ、金属製のネジや固定具などで止めることで実現できる。
実施の形態11.
図13では第1金属筺体9aと第2金属筺体9bが電気的に接続されていない場合を示したが、図15のように導電板21と第1金属筺体9aが抵抗33で繋がれていて、導電板21と第2金属筺体9bが接地線22で接続されていても良い。この場合、抵抗33の値は、実施の形態7において図14で示したようにノイズループ16よりもノイズループ17が高いインピーダンスとなるよう、決定される。
実施の形態12.
図16は、この発明の実施の形態8による電力用回路装置1を示す回路図である。導電板21と第1金属筺体9aが第1インダクタ34で繋がれていて、導電板21と第2金属筺体9bが接地線22で接続されており、さらに第1金属筺体9aと第2金属筺体9bが第2インダクタ35によって接続されている。なお、バイパス用コンデンサ20が整流回路4のインバータ5側に配置されても良い。
このように電力用回路装置1を構成することにより、コモンモードコイル2の両端に対地コンデンサ3を設けて減衰量を増大させようとした場合に、昇圧回路10およびインバータ5から負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、接地線22、導電板21、または、昇圧回路10およびインバータ5から負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、第2インダクタ35を介して第1金属筺体9aおよび系統電源100へ流れ出るノイズの伝搬量を抑制できる。
なお、接地線22は、電力用回路装置1と負荷6を結ぶシールド線のシールドでも良い。この構成により、インバータ5および昇圧回路10から、負荷6の浮遊容量を介して第2金属筺体9bに流れるノイズを導くことができるノイズループ16を形成して負荷6の浮遊容量を介して第2金属筺体9bに流れ出るノイズの系統電源100への伝搬量を抑制できるだけでなく、インバータ5と負荷6をつなぐ電線から放射するノイズも抑制することが可能となる。
なお、図16では電力用回路装置1の下に第1金属筺体9aと第2金属筺体9bとが設置されている図を示したが、第1金属筺体9aと第2金属筺体9bは、電力用回路装置1を囲んでいても良い。
また、実施の形態9においては、ヒートシンク30が金属筺体9に非接地の場合を示しているが、ヒートシンク30が第1金属筺体9aもしくは第2金属筺体9bに接地されていても良い。ヒートシンク30と第1金属筺体9aもしくは第2金属筺体9bの接地の箇所とは負荷6と第1金属筺体9aもしくは第2金属筺体9bとの接触箇所の近傍に1箇所でおこなうことが望ましい。また、ヒートシンク30と導電板21の接地は、導電板21から整流回路4もしくはインバータ5を介してヒートシンク30へ、金属製のネジや固定具などで止めることで実現できる。
実施の形態13.
図16では導電板21と第1金属筺体9aが第1インダクタ34で接続されている場合を示したが、図17のように導電板21と第1金属筺体9aが抵抗33で接続され、第1金属筺体9aと第2金属筺体9bがインダクタで接続され、導電板21と第2金属筺体9bが接地線22で接続されていても良い。
このように電力用回路装置1を構成することにより、コモンモードコイル2の両端に対地コンデンサ3を設けて減衰量を増大させようとした場合に、昇圧回路10およびインバータ5から負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、接地線22、導電板21、または、昇圧回路10およびインバータ5から負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、インダクタ36を介して第1金属筺体9aおよび系統電源100へ流れ出るノイズの伝搬量を抑制できる。
実施の形態14.
図16では第1金属筺体9aと第2金属筺体9bが第2インダクタ35で接続されている場合を示したが、図18のように導電板21と第1金属筺体9aがインダクタ32で接続され、第1金属筺体9aと第2金属筺体9bが抵抗37で接続され、導電板21と第2金属筺体9bが接地線22で接続されていても良い。
このように電力用回路装置1を構成することにより、コモンモードコイル2の両端に対地コンデンサ3を設けて減衰量を増大させようとした場合に、昇圧回路10およびインバータ5から負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、接地線22、導電板21、または、昇圧回路10およびインバータ5から負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、抵抗37を介して第1金属筺体9aおよび系統電源100へ流れ出るノイズの伝搬量を抑制できる。
実施の形態15.
図16では第1金属筺体9aと第2金属筺体9bが第2インダクタ35で接続されており、導電板21と第1金属筺体9aが第1インダクタ34で接続されている場合を示したが、図19のように導電板21と第1金属筺体9aが第1抵抗38で接続され、第1金属筺体9aと第2金属筺体9bが第2抵抗39で接続され、導電板21と第2金属筺体9bが接地線22で接続されていても良い。
このように電力用回路装置1を構成することにより、コモンモードコイル2の両端に対地コンデンサ3を設けて減衰量を増大させようとした場合に、昇圧回路10およびインバータ5から負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、接地線22、導電板21、または、昇圧回路10およびインバータ5から負荷6の浮遊容量、接地線端子22a、第2金属筺体9b、第2抵抗39を介して第1金属筺体9aおよび系統電源100へ流れ出るノイズの伝搬量を抑制できる。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組合せ、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

Claims (4)

  1. 整流回路、インバータ、前記整流回路の入力側に設けられたコモンモードコイル、前記コモンモードコイルと前記整流回路の正極側と前記インバータを接続する第1配線、前記コモンモードコイルと前記整流回路の負極側と前記インバータを接続する第2配線、導電板、前記第1配線および前記第2配線と前記導電板との間に接続されたバイパス用コンデンサ、前記インバータの出力端子に接続される負荷を接地電位に接続し得る接地線端子、および金属筺体を備え、前記金属筐体は、第1金属筺体と第2金属筺体に分かれ、前記第1金属筺体は、インダクタによって前記導電板に接続され、前記第2金属筺体は、前記接地線端子に接続され、前記第1配線または前記第2配線の少なくとも一方と前記バイパス用コンデンサと前記導電板と前記接地線端子とによってノイズループを形成したことを特徴とする電力用回路装置。
  2. 前記バイパス用コンデンサは、前記整流回路と前記コモンモードコイルの間に接続されていることを特徴とする請求項に記載の電力用回路装置。
  3. 前記バイパス用コンデンサは、前記整流回路と前記インバータの間に接続されていることを特徴とする請求項に記載の電力用回路装置。
  4. 前記整流回路および前記インバータは、ヒートシンクを有し、前記整流回路、前記インバータおよび前記ヒートシンクは、回路基板に搭載され、前記導電板は、前記回路基板の前記ヒートシンクの搭載された側と同じ面側に配置された第1の導電板と、前記回路基板の前記ヒートシンクの搭載された側とは逆の面側に配置された第2の導電板から構成され、前記第1の導電板と前記第2の導電板は、ビアホールによって接続されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の電力用回路装置。
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