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JP5956401B2 - 耐温水性に優れた紫外線硬化型塗料組成物、塗膜形成方法、塗装物品 - Google Patents

耐温水性に優れた紫外線硬化型塗料組成物、塗膜形成方法、塗装物品 Download PDF

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JP5956401B2
JP5956401B2 JP2013204551A JP2013204551A JP5956401B2 JP 5956401 B2 JP5956401 B2 JP 5956401B2 JP 2013204551 A JP2013204551 A JP 2013204551A JP 2013204551 A JP2013204551 A JP 2013204551A JP 5956401 B2 JP5956401 B2 JP 5956401B2
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Description

本発明は、紫外線硬化型塗料組成物、特に、ポリカーボネート基材等の透明な合成樹脂成形品に適用するのに好適な紫外線硬化型塗料組成物及びその塗膜形成方法ならびに塗装物品に関する。
ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等から製造された合成樹脂成形品は、軽量で耐衝撃性に優れているばかりでなく、透明性や加工性も良好で、近年、採光窓やレンズなどに用いられる無機ガラスの代替材料としての採用が増加している。具体的には、自動車用プラスチック材料として、ヘッドランプ、グレージング、計器類のカバー等に多く用いられるようになってきている。また、住宅、建築材料として、カーポート、テラス等の屋根材に使用されることも増加している。
しかしその反面、樹脂基材であるため光や酸素による外観の変化、すなわち、着色や透明度の低下が起こったり、材料強度の悪化が起こったりするといった、耐候劣化を起こす問題点がある。
また、これらの合成樹脂成形品はその表面の耐摩耗性が充分ではないので、他の硬い物との接触や摩擦、引っかき等によって表面に損傷を受けやすく、表面に発生した損傷は、その商品価値を著しく低下させたり、短期間で商品を使用不能にしたりするので、表面の耐摩耗性を改良することも要求されている。
さらに、屋外で使用する用途に適するようするためには、耐水性も必要とされる。
このような合成樹脂成形品の欠点を改良する方法については、従来より種々検討されてきており、例えば、シリコン系、メラミン系等の樹脂組成物からなる被覆材を合成樹脂成形品表面に塗布し、加熱縮合させて架橋塗膜を形成させ、耐摩耗性を向上させる方法や、ラジカル重合性単量体やカチオン重合性組成物を塗布した後、紫外線等の活性エネルギー線を照射させ架橋塗膜を形成する方法等が提案されている。
これらの方法によって、合成樹脂成形品表面の耐摩耗性はある程度改善されるが、前者の方法では、焼付温度が高温を要するため、基材が変形したり、経済的にも不利である。
後者の方法では、耐久性や耐薬品性は優れるものの、特に、合成樹脂成形品の耐候性が本質的に不良なもの、例えば、ポリカーボネート基材等の場合は、表面の硬化塗膜自体の耐候性は良好であっても、塗膜を通過した太陽光に含まれる紫外線等の活性エネルギー線によって基材自体が劣化を受け、黄変したり、表面の硬化塗膜にクラックが生じたり、塗膜が剥離したりする。
また、屋根材に使用される場合には、積雪を温水で融かすことがある。このような場合、塗膜に耐温水性がないと、温水によって塗膜外観が劣化し、商品価値が著しく低下するといった問題もあるため、耐温水性が必要となる。
そこで、屋外で長時間使用しても基材を変化させることがない被覆材として、特開平11−021470号公報では、特定の樹脂組成物を用いた紫外線硬化型液状組成物が提案されているが、耐摩耗性が十分ではなく、また耐温水性も十分なものではなかった。
従って、耐候性に優れるだけでなく、耐摩耗性及び耐温水性にも優れた紫外線硬化型塗料組成物が望まれていた。
特開平11−021470号公報
本発明は、上記に鑑み、透明性、耐摩耗性、耐候性、及び耐温水性に優れた紫外線硬化型塗料組成物、及び塗膜形成方法を提供することを目的とするものである。
また本発明の他の目的は、紫外線硬化型塗料組成物を用いて表面に塗膜を形成した塗装物品を提供することである。
すなわち、本発明は、下記成分(a)〜(g)を含み、膜厚10μmの乾燥膜とした場合のヘイズ値が2%以下であることを特徴とする紫外線硬化性塗料組成物を提供する。
(a) 分子内に〜9個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート;20〜70重量部
(b) 分子内に1〜3個のアクリロイル基を有し、さらに樹脂骨格中にポリエステル骨格を有するウレタンアクリレート10〜60重量部
(c) 分子内に1〜3個のアクリロイル基を有し、かつ樹脂骨格中にポリエステル骨格を有さないウレタンアクリレート2〜18重量部
(d) アセトフェノン系の光重合開始剤;成分(a)、成分(b)及び成分(c)の合計量100重量部に対して1〜20重量部
(e) フォスフィンオキサイド系の光重合開始剤;成分(a)、成分(b)及び成分(c)の合計量100重量部に対して0.5〜15重量部
(f) 紫外線吸収剤;成分(a)、成分(b)及び成分(c)の合計量100重量部に対して1〜20重量部
(g) 光安定剤;成分(a)、成分(b)及び成分(c)の合計量100重量部に対して1〜20重量部
また、本発明は、上記の紫外線硬化性塗料組成物を用いた塗膜形成方法、ならびに、上記の紫外線硬化性塗料組成物を用いて表面に塗膜が形成された塗装物品を提供する。
本発明の紫外線硬化型塗料組成物は上述の構成からなるので、透明性、耐摩耗性、耐候性及び耐温水性に優れており、合成樹脂成形品、特に、ポリカーボネート基材の表面被覆塗料として好適である。
以下に本発明を詳述する。
本発明で使用される、分子内に2〜9個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート化合物(a)(以下、「成分(a)」という。)としては、樹脂骨格中に水酸基(−OH基)及びアミノ基(−NH基)を有しないものであることが好ましい。樹脂骨格中にヒドロキシル基及びアミノ基を有するものは、芳香族環や二重結合などのπ電子系と相互作用し、黄変を促進する効果を持つためである。
本発明で使用される成分(a)は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物(a1)(以下、「成分(a1)」という。)と分子内に水酸基及び1〜5個のアクリロイル基を有する化合物(a2)(以下、「成分(a2)」という。)とを反応させて得られるものであり、分子内に2〜9個のアクリロイル基を有する。
上記成分(a1)としては、脂肪族系、脂環式系等のいずれのものであってもよく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、オクタデシレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,10−デカンメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート等のジイソシアネート類のヌレート体、ビュレット体、アダクト体等を挙げることができる。
上記成分(a2)としては例えば、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオールの水酸基に対し、アクリル酸によりエステル化したポリアクリレート、グリシジルアクリレートにアクリル酸を付加した化合物等を挙げることができる。上記分子内に2個以上の水酸基を有するポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール等を挙げることができる。
上記成分(a)は、例えば、以下のようにして製造することができる。上記成分(a1)及び上記成分(a2)を、イソシアネート基と水酸基とが等量になる配合比において、ジラウリン酸n−ブチル錫系触媒1000ppmの存在下、60〜70℃の温度で反応させる。FT−IRにより、反応混合物のイソシアネート基の吸収が見られなくなるまで反応させることにより、上記成分(a)を得る。
上記分子内に2〜9個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート化合物(a)として、商業的に入手できるものとしては、例えば、WJV−534(DIC社製)がある。
成分(a)としては、3〜5個のアクリロイル基を持つ脂肪族ウレタンアクリレートであることが特に好ましい。アクリロイル基はメタクリロイル基と比較して、反応性が良好である。このことにより、硬化速度が速く、反応性の官能基が未反応で残存することが少なくなり、未反応基が原因となる耐候性の低下が防止されるため、耐候性が良好となる。
商業的に入手できるものとしては、例えば、KRM7804、KRM8452(いずれもダイセル・オルネクス社製)等がある。
成分(a)としては、表面を官能基修飾した非晶質ナノシリカ粒子が分子末端に結合したウレタンアクリレートであるのがさらに好ましい。硬化塗膜がナノコンポジット構造を形成し、塗膜表面にシリカ粒子が浮き出るように配列することで、耐摩耗性を飛躍的に向上させることができる。また、シリカ粒子がナノサイズであることにより、ミクロンサイズ以上の粒径のシリカ粒子を使用した場合のような、塗膜表面の凹凸に起因する光の屈折、干渉光により塗膜が白く濁って見えることが起こらず、透明性に優れた塗膜が形成できる。さらに、シリカ粒子とウレタンアクリレートが化学的に強固な結合を形成していることにより、塗膜が摩耗を受けても、シリカ粒子が塗膜から離脱され難く、耐久性に優れたものとなる。
非晶質ナノシリカ粒子の表面を官能基修飾するには、シランカップリング剤による処理を行う方法がある。例えば、非晶質ナノシリカ粒子表面をアミノ基含有シランカップリング剤で処理して表面をシリル化し、さらにこのシリル化粒子をポリマーで処理することによりポリマーグラフトシリカ粒子とすることができる。無機化合物であるシリカの表面にポリマーがグラフト、すなわち、有機基が結合することで、有機化合物へのシリカ粒子の親和性が向上する。したがって、塗膜を形成するバルク成分である樹脂に対する分散性が向上し、同時に、シリカ粒子同士の凝集が抑制される。このことによりシリカ粒子と樹脂との細部に渡る架橋が可能になり、耐摩耗性が飛躍的に向上する。また、細部に渡る架橋により、樹脂の架橋度が増し、耐候性の向上にも貢献する。
非晶質ナノシリカ粒子の表面に官能基を持たせるための方法としては上記の方法に限定されるものではなく、同様の効果を奏する限り、どのような方法を用いてもかまわない。
非晶質ナノシリカ粒子の粒径はナノサイズであることを要する。具体的には、1〜50nmであることが好ましい。1nm以上であれば耐摩耗性の向上に効果があり、また調製することも容易である。一方、50nm以下であると、塗膜の透明性が低下することがなく、透明性に優れた塗膜を形成することができる。好ましくは、20〜40nmである。
成分(a)として、商業的に入手できるものとしては、例えば、KRM8528C(ダイセル・オルネクス社製)がある
上記成分(a)の含有量は、上記成分(a)、上記分子内に1〜3個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート(b)(以下、「成分(b)」という。)及び分子内に1〜3個のアクリロイル基を有する(a)、(b)とは異なるウレタンアクリレート(以下、「成分(c)」という。)の合計量100重量部中、固形分として20〜70重量部である。20重量部未満であると、耐摩耗性が低下し、70重量部を超えると、耐候性が低下し、また経済的にも不利であるので、上記範囲に限定される。
好ましくは、35〜60重量部である。
本発明で使用される成分(b)は、分子内に1〜3個のイソシアネート基を有する化合物(b1)(以下、「成分(b1)」という。)と分子内に水酸基及び1〜3個のアクリロイル基を有する化合物(b2)(以下、「成分(b2)」という。)とを反応させて得られるものであり、分子内に1〜3個のアクリロイル基を有する。成分(a)と同様に、紫外線硬化に係る二重結合を有する官能基は、反応速度が高く塗膜の黄変性が小さいことから、メタクリロイル基よりもアクリロイル基であることが好ましい。
また、成分(a)と同様に、樹脂骨格中に水酸基(−OH基)及びアミノ基(−NH基)を有しないものであることが好ましい。樹脂骨格中に水酸基及びアミノ基)を有するものは、芳香族環や二重結合などのπ電子系と相互作用し、黄変を促進する効果を持つためである。
上記成分(b)は、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が−40〜40℃であることが好ましい。−40℃以下であると耐擦傷性が低下し、40℃以上であると耐候性が低下する。好ましくは−30℃〜30℃、特に好ましくは−20〜20℃である。
上記成分(b1)としては、脂肪族系、脂環式系のいずれのものであってもよく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、オクタデシレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,10−デカンメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート等のジイソシアネート類のヌレート体、ビュレット体、アダクト体等を挙げることができる。
なお、芳香族系のイソシアネート化合物は、黄変しやすいため、好ましくない。
上記成分(b2)としては、例えば、分子内に1〜3個の水酸基を有するポリオールの水酸基に対し、アクリル酸によりエステル化したポリアクリレート、グリシジルアクリレートにアクリル酸を付加した化合物等を挙げることができる。
上記分子内に1〜3個の水酸基を有するポリオールとしては、例えば、成分(a)の構成成分として上述した化合物のうち、分子内に1〜3個の水酸基を有する化合物と同様のものを挙げることができる。
上記成分(b)は、ポリエステル骨格を含有した構造を持つ脂肪族ウレタンアクリレートであることが特に好ましい。ポリエステル構造は分子骨格に立体障害が小さく、また分子骨格的にも柔軟が高いため、硬化反応時に未反応で残存する反応性官能基が少なくなるからである。
なお、ポリエステル骨格を含有する脂肪族ウレタンアクリレートを合成するためには、ポリオールとしてポリエステルポリオールを用いればよい。
ポリエステルポリオールとしては、例えばカプロラクトン変性ジオールなどがあげられる。
上記成分(b)は、例えば、以下のようにして製造することができる。
上記成分(b1)及び上記成分(b2)を、イソシアネート基と水酸基とが等量になる配合比において、ジラウリン酸n−ブチル錫系触媒1000ppmの存在下、60〜70℃の温度で反応させる。
FT−IRにより、反応混合物のイソシアネート基の吸収が見られなくなるまで反応させることにより、上記成分(b)を得る。
上記成分(b)の含有量は、上記成分(a)、上記成分(b)及び上記成分(c)の合計量100重量部中、固形分として10〜60重量部である。
10重量部未満であると、耐候性が低下し、60重量部を超えると、耐温水性及び耐摩耗性が低下するので、上記範囲に限定される。
好ましくは、20〜50重量部である。
本発明で使用される成分(c)は、分子内に1〜3個のイソシアネート基を有する化合物(c1)(以下、「成分(c1)」という。)と分子内に水酸基及び1〜3個のアクリロイル基を有する化合物(c2)(以下、「成分(c2)」という。)とを反応させて得られるものであり、分子内に1〜3個のアクリロイル基を有する。
上記成分(c1)としては、脂肪族系又は脂環式系であることが好ましく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、オクタデシレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,10−デカンメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート等のジイソシアネート類のヌレート体、ビュレット体、アダクト体等を挙げることができる。
上記成分(c2)としては特に限定されず、例えば、分子内に1〜3個の水酸基を有するポリオールの水酸基のうち1個を残し、アクリル酸によりエステル化したポリアクリレート、グリシジルアクリレートにアクリル酸を付加した化合物等を挙げることができる。上記分子内に1〜3個の水酸基を有するポリオールとしては特に限定されず、例えば、成分(a)の構成成分として上述した分子内に1〜3個の水酸基を有する化合物と同様のものを挙げることができる。
上記成分(c)は、重量平均分子量が5000〜30000であることが好ましい。より好ましくは、8000〜25000である。重量平均分子量が5000以下であると、耐温水性の向上に効果がなく、30000以上であると他の成分との相溶性が悪く、塗膜の透明性が損なわれる。
上記成分(c)は、例えば、以下のようにして製造することができる。
上記成分(c1)及び上記成分(c2)を、イソシアネート基と水酸基とが等量になる配合比において、ジラウリン酸n−ブチル錫系触媒1000ppmの存在下、60〜70℃の温度で反応させる。
FT−IRにより、反応混合物のイソシアネート基の吸収が見られなくなるまで反応させることにより、上記成分(c)を得る。
上記成分(c)の含有量は、上記成分(a)、上記成分(b)及び上記成分(c)の合計量100重量部中、固形分として2〜18重量部である。2重量部未満であると、耐温水性が低下し18重量部を超えると、耐候性及び耐温水性が低下するので、上記範囲に限定される。好ましくは、5〜15重量部である。
本発明で使用される第一の光重合開始剤(d)としてはアセトフェノン系のものが好ましく、例えば、以下のものを挙げることができる。2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン等。
中でも、黄変性や臭気の問題から、α−アミノアセトフェノンより、α−ヒドロキシアセトフェノンが特に好ましい。α−ヒドロキシアセトフェノンは硬化物の黄変が少なく、また紫外線照射直後やその後の太陽光や室内光での保存中において黄変が低く抑えられる上、表面硬化性に優れる。
アセトフェノン系光重合開始剤の添加量としては、特に限定はされないが、上記成分(a)、上記成分(b)及び上記成分(c)の合計量100重量部に対して、有効成分として1〜20重量部であることが好ましい。さらに好ましくは2〜12重量部であり、特に好ましくは3〜10重量部である。1重量部未満であると、紫外線吸収剤存在下での硬化が不充分であり、20重量部を超えると、塗膜の黄変が大きくなり、また不経済であるので、上記範囲に限定される。
本発明で使用される第二の光重合開始剤(e)としてはフォスフィンオキサイド系のものが好ましい。
フォスフィンオキサイド系光重合開始剤を添加することにより、長波長の光の照射によってラジカルを生成できることから、特に塗膜の深部の硬化を行うことができる。さらに、フォスフィンオキサイド系紫外線重合開始剤は、光反応によって可視光領域に及ぶ吸収がなくなるフォトブリーチング効果を持つため、黄変性が極めて低くなる効果もある。
フォスフィンオキサイド系の光重合開始剤は広範囲な波長領域の光の照射によってラジカルを生成できることから、380nmより短波長の光の照射によってもラジカルを生成するものが好ましい。また、フォスフィンオキサイド系の光重合開始剤としては、アシルフォスフィンオキサイド系の光重合開始剤であることが好ましい。例えば、以下のものを挙げることができる。2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルフェニルホスフィンオキサイド等。
フォスフィンオキサイド系の光重合開始剤の配合量としては、特に限定はされないが、上記成分(a)、上記成分(b)及び上記成分(c)の合計量100重量部に対して、有効成分として0.5〜15重量部であることが好ましい。さらに好ましくは1〜12重量部であり、特に好ましくは2〜8重量部である。0.5重量部未満であると、紫外線吸収剤存在下での硬化が不充分であり、15重量部を超えると、硬化収縮が大きくなりすぎるため、密着性が低下する。また着色が大きくなることや、不経済であるといった問題があるので、上記範囲に限定される。
本発明で使用される紫外線吸収剤(f)としては特に限定されず、例えば、以下のものを挙げることができる。
フェニルサリシレ−ト、4−t−ブチルフェニルサリシレ−ト、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシルベンゾエ−ト、4−t−オクチルフェニルサリシレ−ト等のサリシレ−ト系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤。
2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾ−ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2′−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾ−ル−2−イル)フェノ−ル]等のベンゾリトアゾ−ル系紫外線吸収剤等。
2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2‘−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アセトキシエトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−5,5′−ジスルホベンゾフェノン・2ナトリウム塩等のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等。
これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、紫外線吸収剤自体が紫外線や熱に対して安定であり、吸収能に優れる点から、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。
上記紫外線吸収剤(f)としては、市販品を使用することができる。
上記市販品としては、例えば、チヌビン400、チヌビン477(チバ・ジャパン社製)等を挙げることができる。
上記紫外線吸収剤(f)の含有量は、上記成分(a)、上記成分(b)及び上記成分(c)の合計量100重量部に対して、固形分として1〜20重量部である。
1重量部未満であると、耐候性試験時に塗膜が黄変し、20重量部を超えると、硬化性、密着性及び耐摩耗性が低下するので、上記範囲に限定される。
好ましくは、2〜15重量部であり、特に好ましくは3〜12重量部である。
本発明で使用される光安定剤(g)としては特に限定されず、例えば、フェニル−4−ピペリジニルカーボネート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(n−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート等のヒンダードアミン系光安定剤;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、ブチル2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート系光安定剤等を挙げることができる。
なかでも、少量でより大きな効果があるヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤の中でも、アクリロイル基、メタクリロイル基等の反応性基を持つものが特に好ましい。塗膜形成樹脂と重合し、塗膜に組み込まれるため、ブリードアウトしにくくなり、長期にわたってその機能を持続できる。
上記光安定剤(g)としては、市販品を使用することができる。
上記市販品としては、例えば、アデカスタブLA−87(ADEKA社製)、チヌビン152(チバ・ジャパン社製)等を挙げることができる。
上記光安定剤(g)の含有量は、上記成分(a)、上記成分(b)及び上記成分(c)の合計量100重量部に対して、固形分として1〜20重量部である。1重量部未満であると、耐候性試験時に塗膜が黄変し、20重量部を超えると、硬化性及び耐摩耗性が低下するので、上記範囲に限定される。好ましくは、2〜15重量部、特に好ましくは3〜12重量部である。
本発明の紫外線硬化型塗料組成物には、必要に応じて、有機溶剤、酸化防止剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈澱防止剤、帯電防止剤、防曇剤、スリップ剤等を添加してもよい。
本発明の紫外線硬化性塗料組成物は、膜厚が10μmの乾燥塗膜としたときのヘイズ値が2%以下であることを要し、これにより塗膜の透明性が良好となるため、透明な被塗装素材への適用に好適なものとなる。
10μmの乾燥塗膜としたときのヘイズ値を2%以下とするための普遍的な手法は明らかではなく、一般に塗料組成物に用いる成分間の相溶性が悪い場合に塗料組成物に濁りが見られ、これからなる塗膜のヘイズ値も高くなる。したがって、相溶性の良好な成分の組み合わせを用いることを要する。
本発明の紫外線硬化型塗料組成物が適用される基材としては特に限定されず、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、AS樹脂、ABS樹脂等を成形した合成樹脂成形品等を挙げることができる。
なかでも、ポリカーボネート樹脂を成形した基材が好ましい。
上記合成樹脂成形品としては特に限定されず、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂等を成形した合成樹脂成形品等を挙げることができる。
なかでも、ポリカーボネート樹脂を成形した成形品、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で成形したシートに適用することが特に好ましい。
上記紫外線硬化型塗料組成物を塗装する方法としては特に限定されず、例えば、スプレー塗装、ディップ塗装、ロールコート等を挙げることができる。
塗膜の厚さとしては、硬化後の膜厚が、3〜30μmとなるようにすることが好ましい。
3μm未満であると、十分な耐候性及び耐摩耗性が得られず、また、酸素による硬化阻害を受けやすい。30μmを超えると、硬化収縮が大きくなるため密着性が低下することや、塗膜の着色が無視できない程度になるといった問題がある。
より好ましくは、4〜20μmであり、特に好ましくは5〜15μmである。
上記溶媒を除去する方法としては特に限定されず、例えば、プレヒート等を挙げることができる。
上記プレヒートは、IR炉、電気炉、ガス炉等により行うことができる。
上記プレヒートは、合成樹脂成形品の温度を60〜80℃で5〜15分間保持することが好ましい。
合成樹脂成形品の温度が60℃未満であると、塗布された紫外線硬化型塗料組成物中の有機溶剤が残存し、初期塗膜でチヂミが発生したり、耐候性試験時に塗膜に白化が生じる。
上記冷却は、合成樹脂成形品の温度が50℃以下になるまで行うことが好ましい。
合成樹脂成形品の温度が50℃を超えたままであると、冷却後に行う紫外線照射によって更に熱が加えられ、合成樹脂成形品が変形してしまう。
より好ましくは、40℃以下である。
紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は600〜1400mJ/cm程度あればよく、好ましくは800〜1200mJ/cmであり、ピーク強度は90〜500mw/cm、好ましくは110〜400mw/cmである。
本発明の塗膜形成方法は、例えば、以下のように行うことができる。
成形後の合成樹脂成形品に硬化後の膜厚が3〜30μmとなるように紫外線硬化型塗料組成物を塗装し、次に、塗装された合成樹脂成形品を、IR炉、電気炉、ガス炉等により、60〜80℃で5〜15分間プレヒートして、有機溶剤を揮散させる。なお、塗装前に合成樹脂成形品をアニールしてもよい。
その後、50℃以下になるまで充分に冷却され、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等のランプを用いて、ランプ高さ10〜30cmで、空気中又は窒素雰囲気下で紫外線を照射することにより、塗膜を形成する。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
表1及び表2に示す組成に従って各成分を混合し、紫外線硬化型塗料組成物を得た。
表1及び表2中の成分は、以下の(1)〜(12)を用いた。
なお、表1及び表2中の配合の数字は、固形分に換算した後の値である。
(1)KRM8528C(非晶質ナノシリカが分散されたナノコンポジットを形成する4官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、固形分:95重量%、ダイセル・オルネクス社製)
(2)KRM7804(9官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、ダイセル・オルネクス社製)
(3)GENOMER6083/HD(2官能アクリレートモノマー、RAHN AG社製)
(4)サートマーCN2921(ポリエステル骨格を有する2官能脂肪族ウレタンアクリレート、ホモポリマーのガラス転移温度:−13℃、サートマー社製)
(5)紫光UV−7510B(3官能ウレタンアクリレートオリゴマー、ホモポリマーのガラス転移温度:17℃、日本合成化学工業社製)
(6)EBECRYL 8701(3官能ウレタンアクリレートオリゴマー、ダイセル・オルネクス社製)
(7)エタキュアDR−065A(2官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、重量平均分子量:10000〜20000、ETERNAL CHEMICAL社製)
(8)イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、チバ・ジャパン社製)
(9)イルガキュア819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、チバ・ジャパン社製)
(10)チヌビン479(ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、チバ・ジャパン社製)
(11)アデカスタブLA−87(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、ADEKA社製)
(12)メチルエチルケトン(有機溶剤)
得られた各紫外線硬化型塗料組成物の初期塗膜の透明性、密着性、耐温水性、耐摩耗性及び耐候性について評価を行った。
結果を表1及び表2に示した。
試験片作成方法
ポリカーボネート板(LS2−111、鈴木化工社製、厚さ3mm)を用いてスプレー塗装にて、硬化後の膜厚が10〜14μmとなるように塗装した。
その後、70℃で5分間プレヒートして、紫外線硬化型塗料組成物中に含まれる有機溶剤を揮散させた。
続いて、高圧水銀灯を用いてピーク強度350mW/cm、積算光量1000mJ/cmの照射条件にて紫外線照射を行い、硬化塗膜を形成した。
初期塗膜の透明性
未塗装素材と、得られた試験片のヘイズ値(ΔHAZE値)を測定した。
○(実用レベル):ΔHAZE値<2%
×(実用不適):ΔHAZE値≧2%
初期塗膜の密着性
得られた試験片に1mm間隔で基材まで達するクロスカットを入れ、1mm の碁盤目を100個作り、その上にセロハンテープを貼り付け、急激に剥がし、剥離した碁盤目を数えた。
○:剥離が全くみられない
×:剥離した碁盤目の数が1個以上のもの
耐摩耗性試験
JIS K7204規格に基づき、テーバー摩耗試験機(装置名:ロータリーアブレージョンテスタ、テーバー社製)を用いてテーバー摩耗試験を行い、試験前後のヘイズ値の変化(ΔHAZE値)を測定した。
試験条件: 摩耗輪 ・・・CS−10F
荷重 ・・・500g
回転速度・・・60rpm
回転回数・・・500回
評価基準
○(実用レベル):ΔHAZE値<40%
×(実用不適):ΔHAZE値≧40%
耐候性試験
超促進耐候性試験機(製品名:アイスーパーUVテスター、岩崎電気社製)を用いて耐候性評価を行った。
試験条件:
ランプ ・・・ メタルハライドランプ
照射強度 ・・・ 100 mW/cm
試験温度 ・・・ ブラックパネル温度63℃
試験サイクル ・・・ 照射8時間→結露4時間(シャワー15秒、結露前後)→結露(50℃、湿度90%)4時間→シャワー15秒
試験時間:480時間(40サイクル:屋外暴露10年相当)
評価方法: 試験前後の黄色度の変化(ΔYI値)およびヘイズ値の変化(ΔHAZE値)を確認した。なお、黄色度はコニカミノルタセンシング社製の色彩色差計CR−400を用いて測定した。
耐候性の評価基準
○(実用レベル):ΔYI値<20%かつΔHAZE値<35%
×(実用不適):ΔYI値≧20%またはΔHAZE値≧35%
耐温水性試験(1)
得られた試験片を80℃の恒温水槽に96時間浸漬した後、外観の変化を目視により確認した。
評価基準
○(実用レベル):外観異常なし
△(実用レベル):わずかな外観異常あり
×(実用不適): 外観異常あり
耐温水性試験(2)
得られた試験片を80℃の恒温水槽に144時間浸漬した後、外観の変化を目視により確認した。
評価基準
○(実用レベル):外観異常なし
△(実用レベル):わずかな外観異常あり
×(実用不適): 外観異常あり
耐温水性試験(3)
得られた試験片を100℃の恒温水槽に12時間浸漬した後、外観の変化を目視により確認した。
評価基準
○(実用レベル):外観異常なし
△(実用レベル):わずかな外観異常あり
×(実用不適): 外観異常あり
本発明に係る紫外線硬化性塗料組成物は、透明性、耐摩耗性、耐候性、及び、耐温水性に優れているため、自動車用プラスチック材料として、ヘッドランプ、グレージング等、また、カーポート、テラス等の屋根材の表面を保護する塗料組成物として適している。

Claims (9)

  1. 下記成分(a)〜(g)を含み、膜厚10μmの乾燥膜とした場合のヘイズ値が2%以下であることを特徴とする紫外線硬化性塗料組成物。
    (a) 分子内に〜9個のアクリロイル基を有するウレタンアクリレート;20〜70重量部
    (b) 分子内に1〜3個のアクリロイル基を有し、さらに樹脂骨格中にポリエステル骨格を有するウレタンアクリレート10〜60重量部
    (c) 分子内に1〜3個のアクリロイル基を有し、かつ樹脂骨格中にポリエステル骨格を有さないウレタンアクリレート2〜18重量部
    (d) アセトフェノン系の光重合開始剤;成分(a)、成分(b)及び成分(c)の合計量100重量部に対して1〜20重量部
    (e) フォスフィンオキサイド系の光重合開始剤;成分(a)、成分(b)及び成分(c)の合計量100重量部に対して0.5〜15重量部
    (f) 紫外線吸収剤;成分(a)、成分(b)及び成分(c)の合計量100重量部に対して1〜20重量部
    (g) 光安定剤;成分(a)、成分(b)及び成分(c)の合計量100重量部に対して1〜20重量部
  2. 成分(a)の樹脂骨格中に水酸基及びアミノ基を有しないことを特徴とする請求項1記載の紫外線硬化性塗料組成物。
  3. 成分(a)が、非晶質ナノシリカ微粒子が分散されたナノコンポジット構造を形成する脂肪族ウレタンアクリレートである請求項1又は2に記載の紫外線硬化性塗料組成物。
  4. 成分(b)が分子内に1〜3個のアクリロイル基を有し、さらに樹脂骨格中にポリエステル骨格を有する脂肪族ウレタンアクリレートであってホモポリマーのガラス転移温度が−40〜40℃である請求項1からのいずれかに記載の紫外線硬化性塗料組成物。
  5. 成分(b)の樹脂骨格中に水酸基及びアミノ基を有しないことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の紫外線硬化性塗料組成物。
  6. 成分(c)が、分子内に1〜3個のアクリロイル基を有し、かつ樹脂骨格内にポリエステル骨格を有さず、加えて、量平均分子量が5000〜30000の脂肪族ウレタンアクリレートである請求項1からのいずれかに記載の紫外線硬化性塗料組成物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載された紫外線硬化性塗料組成物を用いて表面に塗膜が形成されたポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂のいずれかである塗装物品。
  8. 請求項1から6のいずれかに記載された紫外線硬化性塗料組成物を用いて表面に塗膜が形成された自動車ヘッドランプ用カバー、グレージング、サンルーフ、建築材料、カーポートの屋根材、又はテラスの屋根材。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載された紫外線硬化性塗料組成物を用いた塗膜形成方法。
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