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JP5829026B2 - ピストンバルブ - Google Patents

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Description

本発明は、硬質粒子を混入した高粘度流体、例えば、ガラスビーズなどを混入した接着剤の供給を制御するピストンバルブに関する。
自動車の車体組み立てラインにおいて、ドア、フード、トランクなどの蓋ものと呼ばれる車体パネルは、基本的にインナーパネルとアウターパネルとから構成される。これらのパネルが互いに重ね合わされる端部周縁は「ヘミング」と呼ばれるかしめ構造が採用されるが、このヘミング部の接着にヘミング用接着剤が使用されている(特許文献1および特許文献2参照)。
ヘミング用接着剤は、例えば、加熱硬化エポキシ系樹脂中に、スペーサとしてガラスビーズ、セラミックス、硬質合金(ステンレス鋼、チタン)などの球状粒子を配合したもので、この球状粒子がプレス段階でパネル面に食い込み、仮止め効果に寄与する役目を果たす。
従来、このようなヘミング用接着剤を車体組み立てラインにおいて使用するにあたって、ヘミング用接着剤の供給制御には、ピストンバルブが用いられている。
ピストンバルブは、流体の入口ポートと出口ポートとを接続する流路の途中に弁座が形成され、この弁座に対して弁体が配置され、シリンダ内を摺動するピストンによって弁体を弁座に対して接離動作(開閉動作)させて、流体、つまり、ヘミング用接着剤の供給を制御する構造である。
特開2004−26070号公報 特許第2811372号公報
ところが、従来のピストンバルブでは、制御する流体が、ガラスビーズ、セラミックス、硬質合金(ステンレス鋼、チタン)などの硬質球状粒子を配合した高粘度接着剤であるため、これらの硬質球状粒子によって弁座や弁体が摩耗するのを少なくするため、弁座や弁体に超硬合金を用いていた。しかし、閉弁時に、弁体が弁座に対して衝突するときの衝撃などにより、弁体や弁座が破損するなどの現象が生じ、耐久性に欠ける。
本発明の目的は、従来の課題を解消し、耐久性を向上させることが可能なピストンバルブを提供することにある。
本発明のピストンバルブは、硬質粒子が混入された流体が供給される入口ポート、出口ポートおよびこれらに連通する流路を有するバルブ本体と、前記流路の途中に設けられ弁座を有する弁座部材と、この弁座部材の弁座を開閉する弁棒と、この弁棒を前記弁座に対して接離動作させ前記弁座を開閉する駆動部とを備えたピストンバルブにおいて、前記弁座部材および前記弁棒は、基材と、この基材中に拡散して形成された硬質被覆層とを含んで構成され、前記硬質被覆層は、前記基材の表面からの内部に向かう距離が大きくなるに従って硬さが次第に低下するように形成されており、前記弁棒は、前記弁座を開閉する弁部材と、この弁部材を挟んで外端側が前記バルブ本体に前記弁棒の接離動作方向へ移動可能に支持された第1軸部および第2軸部とを含んで構成され、前記第1軸部と前記バルブ本体との間、および、前記第2軸部と前記バルブ本体との間には、シール部材が設けられ、このシール部材は、環状溝を挟んで、内側に内側環状リップおよび外側に外側環状リップを有する弾性を有するシールリングと、このシールリングの環状溝内に収納され内側環状リップおよび外側環状リップを互いに離間する方向へ付勢する断面V字状のばね部材と、このばね部材の内部に挿入さればね部材およびシールリングが弁棒の移動方向へ移動するのを規制する規制部材とを含んで構成されている、ことを特徴とする。
このような構成によれば、弁座部材または弁棒、あるいは、弁座部材および弁棒は、基材と、この基材の表面に形成された硬質被覆層とを含み、硬質被覆層は、基材の表面からの距離が大きくなるに従って硬さが次第に低下するように形成されているから、つまり、表面側が最も硬く形成されているから、ガラスビーズなどの硬質粒子を混入した接着剤などの流体の制御に用いた場合でも、硬質粒子による弁座部材または弁棒の摩耗を低減できる。
しかも、弁座部材および/または弁棒は、表面からの距離が大きくなるに従って硬さが次第に低下しているから、閉弁時に、弁棒が弁座に対して衝突するときの衝撃があっても、弁棒や弁座が破損するなどの現象を低減できる。これらによって、耐久性を著しく向上させることができる。
加えて、シール部材が、シールリングと、このシールリングの環状溝内に収納され内側環状リップおよび外側環状リップを互いに離間する方向へ付勢するV字状のばね部材とを含んで構成されているから、ばね部材によって内側環状リップを弁棒に、また、外側環状リップをバルブ本体に接するように付勢することができるから、流体をシールできる。しかも、弁棒が軸方向へ移動すると、それに連れてシールリングも軸方向へ移動しようとするが、シールリングが弁棒の移動方向へ移動するのを規制する規制部材を備えているから、シールリングが軸方向へ移動するのを確実に規制できる。従って、長期に渡ってシール効果を維持させることができる。
ここで、前記硬質被覆層は、日本コーティングセンター株式会社製の「Jcoatα(商標)」を用いることができる。具体的には、特許第2773092号で開示されたように、前記基材中に窒素および炭素の少なくとも1種が拡散されて形成されるとともに、前記基材の表面に形成された第1拡散層と、前記基材中に窒素および炭素の少なくとも1種並びに周期律表IVa族およびVa族の金属から選ばれた少なくとも1種が拡散されて形成されるとともに、前記第1拡散層の表面に形成された第2拡散層と、周期律表IVa族およびVa族の金属から選ばれた金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくとも1種から形成されるとともに、前記第2拡散層の表面に形成された硬質被膜とを含む構成が採用できる。
このような構成にすれば、硬質被膜層の密着性が高く、耐摩耗性、耐久性を著しく向上させることができる。
本発明のピストンバルブにおいて、前記硬質被覆層の表面には、前記流体に対して撥液性を有する潤滑コーティング層が設けられている、ことが好ましい。
このような構成によれば、潤滑コーティング層によって、流体が弁座部材および弁棒に付着して動作に支障を与えるのを抑えることができるから、長期に渡って、ピストンバルブの動作を安定させることができる。
本発明のピストンバルブにおいて、前記バルブ本体は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金によって構成されている、ことが好ましい。
このような構成によれば、バルブ本体が、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金によって構成されているから、ピストンバルブ全体を軽量化することができる。そのため、今まで重量が重く、固定や据え置きに用途が限られていたものを、ロボットなどにも搭載することができ、使用用途の拡大が図れる。
本発明のピストンバルブにおいて、前記弁座によって仕切られた前記入口ポート側流路に位置する前記第1軸部には、前記弁部材と対向し前記入口ポートに供給される流体圧力を受ける受圧部が設けられ、この受圧部の受圧面積と前記弁座を閉弁したときの前記弁部材の受圧面積とが略同じに形成されている、ことが好ましい。
このような構成によれば、入口ポートに供給される流体の圧力が、第1軸部に設けられた受圧部と、弁座を閉弁したときの弁部材とに作用する。受圧部の受圧面積と弁部材の受圧面積とが略同じに形成されているから、弁座に対して弁部材を閉じるときの力(閉弁するときの力)を軽減できる。そのため、弁棒を駆動させる駆動部も小さくできるため、これによっても軽量化が図れる。
本発明に係るピストンバルブの実施形態の外観を示す斜視図。 同上の実施形態の断面を示す断面図。 同上実施形態において用いられるシール部材の一部を示す断面図。
<ピストンバルブの構成>
本実施形態のピストンバルブは、例えば、加熱硬化エポキシ系樹脂中に、ガラスビーズ、セラミックス、硬質合金(ステンレス鋼、チタン)などの硬質粒子を配合したヘミング用接着剤の供給を制御するためのもので、図1および図2に示すように、バルブ本体部10と、駆動部50と、バルブ本体部10および駆動部50を連結する連結部40とを備える。
バルブ本体部10は、バルブ本体11を有する。バルブ本体11には、一側面に制御対象流体が供給される入口ポート12が、他側面に出口ポート13が同一軸線上に沿って開口されているとともに、上下面に弁棒収納孔14が入口ポート12と出口ポート13とを結ぶ軸線に対して直交して形成されている。入口ポート12と弁棒収納孔14との間、および、出口ポート13と弁棒収納孔14との間には、連通路15,16がそれぞれ形成されている。従って、入口ポート12と出口ポート13とは、流路としての連通路15,16および弁棒収納孔14を介して連通されている。連通路15は、入口ポート12の奥から弁棒収納孔14に向かうに従って斜め下に延びて形成されている。連通路16は、出口ポート13の奥から弁棒収納孔14に向かうに従って斜め上に延びて形成されている。
弁棒収納孔14の中間位置、つまり、連通路15,16の間には弁座部材17が保持されている。弁座部材17は、内部に貫通孔18を有する円筒状に形成され、上面側の貫通孔周縁にテーパ面状の弁座19を有する。
弁棒収納孔14の上面開口側および下面開口側には、高速度鋼によってリング状に形成されたカラー21、樹脂製のステムガイド22およびシール部材23を介して、支持ブッシュ27が螺合されているとともに、この上下の支持ブッシュ27間に弁棒31が軸方向へ移動可能に支持されている。
シール部材23は、図3に示すように、環状溝24Aを挟んで、内側に内側環状リップ24Bおよび外側に外側環状リップ24Cを有する弾性材料(例えば、樹脂やゴム)からなるシールリング24と、このシールリング24の環状溝24A内に収納され内側環状リップ24Bおよび外側環状リップ24Cを互いに離間する方向へ付勢する断面V字状のばね部材25と、このばね部材25の内部に挿入さればね部材25やシールリング24が弁棒収納孔14の軸方向へ移動するのを規制するリング状の規制部材26とを含んで構成されている。
支持ブッシュ27には、弁棒31と支持ブッシュ27との隙間を外部へ連通させる流路28が形成されている。流路28には、ニードル弁29が螺合され、このニードル弁29によって流路28の開度が調整可能に構成されている。
弁棒31は、下端が下部の支持ブッシュ27に移動可能に支持された第1軸部としての第1ステム32と、この第1ステム32の上端に螺合され上端が上部の支持ブッシュ27に移動可能に支持された第2軸部としての第2ステム33と、これら第1ステム32と第2ステム33との間に保持され弁座19を開閉する弁部材34とを含んで構成されている。
第1ステム32には、弁部材34と対向し入口ポート12に供給される流体圧力を受ける受圧部32Aが設けられている。この受圧部32Aの受圧面積と、弁座19を閉弁したときの弁部材34の受圧面積とが略同じ面積に形成されている。
連結部40は、連結片41と、この連結片41に対して駆動部50を固定するボルト42と、連結片41を他の固定部材43に固定する(つまり、本ピストンバルブを固定部材43に固定する)ボルト44とを含んで構成されている。連結片41の上面中心には、貫通孔41Aが形成されている。
駆動部50は、上面が開口され内部にシリンダ室51Aを有するシリンダケース51と、このシリンダケース51の上面に固定され上面開口を塞ぐ蓋部材52と、シリンダ室51A内に摺動可能に収納されたピストン53と、このピストン53と蓋部材52との間に挿入されピストン53を常時下方へ付勢するばね部材54と、ピストン53の中心に挿入され上端が蓋部材52の上面に突出されかつ下端がピストン53の下面に突出されたステム55と、このステム55の下端に螺合されピストン53と弁棒31とを連結するシャフト56とから構成されている。
シリンダケース51の外周面には、シリンダ室51A内にエアーを供給するエアー供給路51Bが開口されている。
ここで、バルブ本体部10を構成するバルブ本体11、連結部40を構成する連結片41、駆動部50を構成するシリンダケース51、蓋部材52およびピストン53は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とし、これに銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケルなどを配合したアルミニウム合金によって構成されている。
従って、ピストンバルブ全体を軽量化することができるため、今まで重量が重く、固定や据え置きに用途が限られていたものを、ロボットなどにも搭載することができ、使用用途の拡大が図れるようになっている。
また、弁棒31を構成する第1ステム32、第2ステム33および弁部材34と、弁座部材17については、高速度鋼製の基材と、この基材の表面に形成された硬質被覆層と、この硬質被覆層の表面に形成され流体に対して撥液性を有する潤滑コーティング層と含んで構成されている。
ここで、基材としては、鋼系金属母材のみからなるもので、例えば、SKH51などの高速度鋼、SUS310Sなどの耐熱鋼、SUS410などの耐食耐酸鋼が挙げられる。
硬質被覆層は、基材の表面からの距離が大きくなるに従って硬さが次第に低下するように形成されている。具体的には、特許第2773092号で開示された表面被覆層のように、基材中に窒素および炭素の少なくとも1種が拡散されて形成されるとともに、基材の表面に形成された第1拡散層と、基材中に窒素および炭素の少なくとも1種並びに周期律表IVa族およびVa族の金属から選ばれた少なくとも1種が拡散されて形成されるとともに、第1拡散層の表面に形成された第2拡散層と、周期律表IVa族およびVa族の金属から選ばれた金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくとも1種から形成されるとともに、前記第2拡散層の表面に形成された硬質被膜とを含む構成が採用できる。
第1拡散層は、基材と同一の鋼系金属母材中に炭素および/または窒素が拡散されてなるもので、炭素や窒素は母材中に固溶した状態で存在する。ここで、母材中に拡散される炭素および/または窒素とは、元々母材中に含まれていたものではなく、後から母材中に拡散させたものである。なお、第1拡散層中には、その隣接層である第2拡散層との界面近傍を含めて、炭素や窒素は金属成分との化合物、即ち、炭化物や窒化物としては存在しない。
母材中に第1拡散層を形成するには、公知の方法を利用することができ、例えば、熔融塩を用いる方法、ガスを用いる方法、あるいは、イオンを用いる方法のいずれでもよい。
第2拡散層は、第1拡散層と硬質被膜との間にあって、両者を強固に接合する働きをする。この第2拡散層中に拡散される窒素および/または炭素、並びに、IVa族および/またはVa族の金属も、母材中に元々母材中に含まれていたものではなく、後から母材中に拡散させたものである。母材中に拡散されたIVa族およびVa族の金属は、濃度が硬質被膜側で高く第1拡散層側で低い状態で傾斜していることが望ましい。このように濃度が傾斜していると、第2拡散層の硬質被膜に近い側は IVa族、Va族金属に富むため硬質被膜との親和性が高く、界面における諸物性値の変化は緩やかで強固な接合が得られる。
母材中に第2拡散層を形成するには、例えば、金属蒸気に高い運動エネルギーを持たせられるイオン注入やイオンボンバードメントなどにより、上記金属の蒸気をイオン化して電界により加速してこれら金属成分を第1拡散層を形成した中間製品の表面に打ち込む方法が好ましい。
硬質被膜は、周期律表IVa族および/またはVa族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物から選ばれる1種または2種以上からなるもので、単一層で形成されてもよく、また、2以上の層で形成されていてもよい。使用されるIVa族金属としては、Ti,Zr,Hfが、また、Va族金属としては、V,Nb,Taが挙げられる。
硬質被膜を形成するには、公知の反応性ガス(例えば、N、炭化水素類)を用いた蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、あるいは、CDV法などで行うことができる。
基材にこのような複合処理を行えば、基材に対して、硬質被膜層の密着性が高く、耐摩耗性、耐久性を著しく向上させることができる。
潤滑コーティング層は、制御する流体に対して撥液性を有する性質を備えたもので、フッ素系樹脂からなるコーティング層である。例えば、関東化成工業株式会社製の「HANARL RX-4552(商標)」が挙げられる。
従って、潤滑コーティング層によって、流体が弁座部材17および弁棒31に付着して動作に支障を与えるのを抑えることができるから、長期に渡って、ピストンバルブの動作を安定させることができる。
<ピストンバルブの作用・効果>
使用にあたっては、入口ポート12に流体、ここでは、ガラスビーズ、セラミックス、硬質合金(ステンレス鋼、チタン)などの硬質粒子を配合した高粘度接着剤の供給配管を接続し、出口ポート13に接着剤塗布機に接続される配管を接続する。この状態において、入口ポート12に接着剤を供給すると、接着剤は、入口ポート12から連通路15、弁棒収納孔14を通って弁棒31の弁部材34で塞がれた弁座19に達する。
このとき、入口ポート12に供給される接着剤の圧力が、第1ステム32に設けられた受圧部32Aと、弁座19を閉弁したときの弁部材34とに作用する。受圧部32Aの受圧面積と弁部材34の受圧面積とが略同じに形成されているから、弁座19に対して弁部材34を閉じるときの力(閉弁するときの力)を軽減できる。そのため、弁棒31を駆動させる駆動部50も小さくできるから、これによっても軽量化が図れる。
ここで、エアー供給路51Bからエアーをシリンダ室51A内に供給すると、ピストン53がばね部材54に抗して上方へ移動される。すると、ピストン53の上方への移動に伴って、弁棒31も上方へ移動されるので、弁部材34が弁座19を開放する。これにより、接着剤が弁座19、弁棒収納孔14および連通路16を通って、出口ポート13から送り出される。
接着剤が所定量供給された後、エアー供給路51Bからエアーを遮断すると、ピストン53がばね部材54の付勢力によって下方へ移動される。すると、ピストン53の下方への移動に伴って、弁棒31も下方へ移動されるので、弁部材34が弁座19を閉塞する。これにより、接着剤の供給が遮断される。
この際、弁部材34を含む弁棒31および弁座部材17は、基材と、この基材の表面に形成された硬質被覆層とを含み、硬質被覆層は、基材の表面からの距離が大きくなるに従って硬さが次第に低下するように形成されているから、つまり、表面側が最も硬く形成されているから、ガラスビーズなどの硬質粒子を混入した接着剤などの流体の制御に用いた場合でも、硬質粒子による弁座部材17または弁棒31の摩耗を低減できる。
また、弁棒31の往復動作によって、弁棒31に衝撃が加わっても、弁座部材17や弁棒31は、表面からの距離が大きくなるに従って硬さが次第に低下しているから、弁棒31や弁座部材17が破損するなどの現象を低減できる。これらによって、耐久性を著しく向上させることができる
ちなみに、上記実施形態の構成において、弁座部材17および弁棒31の表面に、日本コーティングセンター株式会社製の「Jcoatα(商標)」による硬質被覆層を形成し、この表面に潤滑コーティング層(関東化成工業株式会社製の「HANARL RX-4552(商標)」)を形成したピストンバルブについて、制御対象流体をガラスビーズを混入したヘミング用接着剤として、耐久性試験を行ったところ、開閉回数が50万回以上の耐久性能が得られた。これは、発明者の知見によれば、従来の耐久性能が5万回程度であったものに比べ、飛躍的に耐久性を向上させることができる。
また、シール部材23が、シールリング24と、このシールリング24の環状溝24A内に収納され内側環状リップ24Bおよび外側環状リップ24Cを互いに離間する方向へ付勢するV字状のばね部材25とを含んで構成されているから、ばね部材25によって内側環状リップ24Bを弁棒31に、また、外側環状リップ24Cを支持ブッシュ27に接するように付勢することができるから、接着剤を確実にシールできる。しかも、弁棒31が軸方向へ移動すると、それに連れてシールリング24も軸方向へ移動しようとするが、シールリング24が弁棒31の移動方向へ移動するのを規制する規制部材26を備えているから、シールリング24が軸方向へ移動するのを規制できる。従って、長期に渡ってシール効果を維持させることができる。
<変形例>
本発明は、前述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
前記実施形態では、基材の表面に形成する硬質被覆層の例として、特許第2773092号公報で開示された表面被覆層を挙げたが、これに限らず、他の方法でもよい。例えば、特開昭58-64377号公報に開示されたように、基材の表面に窒化層あるいは炭窒化層を形成し、この上にIVa族金属あるいはVa族金属の炭化物、窒化物、あるいは、炭窒化物の1種または2種以上の被覆層を形成したものであってもよい。
また、硬質被覆層を形成する部材については、前記実施形態で説明したように、弁座部材17および弁棒31の全体を対象とする例に限らず、弁座部材17および弁棒31の片方のみでもよく、また、弁座部材17と弁棒31の互いに接触する部分のみについて硬質被覆層を形成するようにしてもよい。
前記実施形態では、硬質被覆層の表面に設けられる潤滑コーティング層として、関東化成工業株式会社製の「HANARL RX-4552(商標)」を挙げたが、これに限られない。制御対象流体に対して、撥液性を有するコーティング層であれば、他のものであってもよい。
前記実施形態では、制御対象流体が、ガラスビーズを配合したヘミング用接着剤であったが、これに限られない。車体組み立てラインの用途以外の用途であってもよく、特に、硬質粒子を混入した高粘度流体の制御に適する。
本発明は、例えば、ガラスビーズなどの硬質粒子を混入した接着剤の供給を制御するピストンバルブに利用できる。
11…バルブ本体、
12…入口ポート、
13…出口ポート、
14…弁棒収納孔(流路)、
15…連通路(流路)、
16…連通路(流路)、
17…弁座部材、
19…弁座、
23…シール部材、
24…シールリング、
24A…環状溝、
24B…内側環状リップ、
24C…外側環状リップ、
25…ばね部材、
26…規制部材、
31…弁棒、
32…第1ステム(第1軸部)、
32A…受圧部、
33…第2ステム(第2軸部)、
34…弁部材、
50…駆動部。

Claims (5)

  1. 硬質粒子が混入された流体が供給される入口ポート、出口ポートおよびこれらに連通する流路を有するバルブ本体と、前記流路の途中に設けられ弁座を有する弁座部材と、この弁座部材の弁座を開閉する弁棒と、この弁棒を前記弁座に対して接離動作させ前記弁座を開閉する駆動部とを備えたピストンバルブにおいて、
    前記弁座部材および前記弁棒は、基材と、この基材中に拡散して形成された硬質被覆層とを含んで構成され、
    前記硬質被覆層は、前記基材の表面からの内部に向かう距離が大きくなるに従って硬さが次第に低下するように形成されており
    前記弁棒は、前記弁座を開閉する弁部材と、この弁部材を挟んで外端側が前記バルブ本体に前記弁棒の接離動作方向へ移動可能に支持された第1軸部および第2軸部とを含んで構成され、
    前記第1軸部と前記バルブ本体との間、および、前記第2軸部と前記バルブ本体との間には、シール部材が設けられ、
    このシール部材は、環状溝を挟んで、内側に内側環状リップおよび外側に外側環状リップを有する弾性を有するシールリングと、このシールリングの環状溝内に収納され内側環状リップおよび外側環状リップを互いに離間する方向へ付勢する断面V字状のばね部材と、このばね部材の内部に挿入さればね部材およびシールリングが弁棒の移動方向へ移動するのを規制する規制部材とを含んで構成されている、ことを特徴とするピストンバルブ。
  2. 請求項1に記載のピストンバルブにおいて、
    前記硬質被覆層は、前記基材中に窒素および炭素の少なくとも1種が拡散されて形成されるとともに、前記基材の表面に形成された第1拡散層と、前記基材中に窒素および炭素の少なくとも1種並びに周期律表IVa族およびVa族の金属から選ばれた少なくとも1種が拡散されて形成されるとともに、前記第1拡散層の表面に形成された第2拡散層と、周期律表IVa族およびVa族の金属から選ばれた金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の少なくとも1種から形成されるとともに、前記第2拡散層の表面に形成された硬質被膜とを含む、ことを特徴とするピストンバルブ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のピストンバルブにおいて、
    前記硬質被覆層の表面には、前記流体に対して撥液性を有する潤滑コーティング層が設けられている、ことを特徴とするピストンバルブ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のピストンバルブにおいて、
    前記バルブ本体は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金によって構成されている、ことを特徴とするピストンバルブ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のピストンバルブにおいて
    前記弁座によって仕切られた前記入口ポート側流路に位置する前記第1軸部には、前記弁部材と対向し前記入口ポートに供給される流体圧力を受ける受圧部が設けられ、この受圧部の受圧面積と前記弁座を閉弁したときの前記弁部材の受圧面積とが略同じに形成されている、ことを特徴とするピストンバルブ。
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