JP5812627B2 - 改良Fc受容体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(A)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち、16番目から289番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質であって、以下の(1)から(168)のいずれかに記載のアミノ酸置換を1つ以上含む、該Fc結合性タンパク質。
(1)配列番号1の20番目のスレオニンがプロリンに置換
(2)配列番号1の25番目のスレオニンがリジンに置換
(3)配列番号1の38番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(4)配列番号1の46番目のロイシンがアルギニンまたはプロリンに置換
(5)配列番号1の62番目のアラニンがバリンに置換
(6)配列番号1の63番目のスレオニンがイソロイシンに置換
(7)配列番号1の69番目のセリンがフェニルアラニンまたはスレオニンに置換
(8)配列番号1の71番目のアルギニンがヒスチジンに置換
(9)配列番号1の77番目のバリンがアラニンまたはグルタミン酸に置換
(10)配列番号1の78番目のアスパラギンがアスパラギン酸に置換
(11)配列番号1の94番目のアスパラギン酸がグルタミン酸に置換
(12)配列番号1の100番目のイソロイシンがバリンに置換
(13)配列番号1の110番目のセリンがアスパラギンに置換
(14)配列番号1の114番目のフェニルアラニンがロイシンに置換
(15)配列番号1の125番目のヒスチジンがアルギニンに置換
(16)配列番号1の131番目のロイシンがアルギニンまたはプロリンに置換
(17)配列番号1の149番目のトリプトファンがロイシンに置換
(18)配列番号1の156番目のロイシンがプロリンに置換
(19)配列番号1の160番目のイソロイシンがメチオニンに置換
(20)配列番号1の163番目のアスパラギンがセリンに置換
(21)配列番号1の195番目のアスパラギンがスレオニンに置換
(22)配列番号1の199番目のスレオニンがセリンに置換
(23)配列番号1の206番目のアスパラギンがリジン、セリンまたはスレオニンに置換
(24)配列番号1の207番目のロイシンがプロリンに置換
(25)配列番号1の218番目のロイシンがバリンに置換
(26)配列番号1の240番目のアスパラギンがアスパラギン酸に置換
(27)配列番号1の248番目のロイシンがセリンに置換
(28)配列番号1の283番目のロイシンがヒスチジンに置換
(29)配列番号1の285番目のロイシンがグルタミンに置換
(30)配列番号1の17番目のバリンがグリシンまたはグルタミン酸に置換
(31)配列番号1の19番目のスレオニンがイソロイシンに置換
(32)配列番号1の20番目のスレオニンがイソロイシンに置換
(33)配列番号1の25番目のスレオニンがメチオニンまたはアルギニンに置換
(34)配列番号1の27番目のグルタミンがプロリンまたはリジンに置換
(35)配列番号1の35番目のグルタミンがロイシン、メチオニンまたはアルギニンに置換
(36)配列番号1の36番目のグルタミン酸がグリシンに置換
(37)配列番号1の41番目のロイシンがメチオニンに置換
(38)配列番号1の42番目のヒスチジンがロイシンに置換
(39)配列番号1の44番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(40)配列番号1の45番目のバリンがアラニンに置換
(41)配列番号1の46番目のロイシンがアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リジン、セリンまたはトリプトファンに置換
(42)配列番号1の47番目のヒスチジンがグルタミン、ロイシンまたはアスパラギンに置換
(43)配列番号1の49番目のプロリンがセリンまたはアラニンに置換
(44)配列番号1の50番目のグリシンがアルギニンまたはグルタミン酸に置換
(45)配列番号1の51番目のセリンがアラニン、スレオニン、ロイシン、プロリンまたはバリンに置換
(46)配列番号1の52番目のセリンがグリシンに置換
(47)配列番号1の53番目のセリンがロイシン、スレオニンまたはプロリンに置換
(48)配列番号1の55番目のグルタミンがアルギニンに置換
(49)配列番号1の57番目のフェニルアラニンがチロシンに置換
(50)配列番号1の58番目のロイシンがアルギニンに置換
(51)配列番号1の60番目のグリシンがアスパラギン酸に置換
(52)配列番号1の61番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(53)配列番号1の62番目のアラニンがグルタミン酸に置換
(54)配列番号1の63番目のスレオニンがロイシン、フェニルアラニンに置換
(55)配列番号1の64番目のグルタミンがプロリン、ヒスチジン、ロイシン、リジンに置換
(56)配列番号1の65番目のスレオニンがアラニンまたはバリンに置換
(57)配列番号1の66番目のセリンがスレオニンに置換
(58)配列番号1の67番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(59)配列番号1の69番目のセリンがアラニンに置換
(60)配列番号1の70番目のチロシンがヒスチジンまたはフェニルアラニンに置換
(61)配列番号1の71番目のアルギニンがチロシンに置換
(62)配列番号1の73番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(63)配列番号1の74番目のセリンがフェニルアラニンに置換
(64)配列番号1の76番目のセリンがアスパラギンに置換
(65)配列番号1の77番目のバリンがアスパラギン酸またはリジンに置換
(66)配列番号1の78番目のアスパラギンがセリンまたはグリシンに置換
(67)配列番号1の80番目のセリンがアラニンに置換
(68)配列番号1の84番目のアルギニンがセリンに置換
(69)配列番号1の88番目のグリシンがセリンに置換
(70)配列番号1の89番目のロイシンがグルタミンまたはプロリンに置換
(71)配列番号1の90番目のセリンがグリシンに置換
(72)配列番号1の92番目のアルギニンがシステインまたはロイシンに置換
(73)配列番号1の96番目のイソロイシンがバリンまたはリジンに置換
(74)配列番号1の97番目のグルタミンがロイシンまたはリジンに置換
(75)配列番号1の101番目のヒスチジンがロイシンに置換
(76)配列番号1の102番目のアルギニンがセリンまたはロイシンに置換
(77)配列番号1の103番目のグリシンがアスパラギン酸またはセリンに置換
(78)配列番号1の111番目のセリンがアラニンに置換
(79)配列番号1の114番目のフェニルアラニンがアラニン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、スレオニンまたはバリンに置換
(80)配列番号1の115番目のスレオニンがイソロイシンまたはフェニルアラニンに置換
(81)配列番号1の118番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に置換
(82)配列番号1の121番目のアラニンがスレオニンまたはバリンに置換
(83)配列番号1の128番目のリジンがアルギニンまたはグリシンに置換
(84)配列番号1の129番目のアスパラギン酸がグリシンに置換
(85)配列番号1の131番目のロイシンがグルタミンに置換
(86)配列番号1の133番目のチロシンがヒスチジンまたはアルギニンに置換
(87)配列番号1の134番目のアスパラギンがセリンに置換
(88)配列番号1の137番目のチロシンがフェニルアラニンに置換
(89)配列番号1の138番目のチロシンがヒスチジンに置換
(90)配列番号1の139番目のアルギニンがヒスチジンに置換
(91)配列番号1の140番目のアスパラギンがアスパラギン酸に置換
(92)配列番号1の141番目のグリシンがアスパラギン酸またはバリンに置換
(93)配列番号1の142番目のリジンがグルタミン酸またはアルギニンに置換
(94)配列番号1の144番目のフェニルアラニンがイソロイシンに置換
(95)配列番号1の147番目のフェニルアラニンがセリンに置換
(96)配列番号1の148番目のヒスチジンがアルギニンまたはグルタミンに置換
(97)配列番号1の149番目のトリプトファンがアルギニンに置換
(98)配列番号1の151番目のセリンがスレオニンに置換
(99)配列番号1の152番目のアスパラギンがスレオニン、イソロイシンまたはプロリンに置換
(100)配列番号1の154番目のスレオニンがセリンに置換
(101)配列番号1の156番目のロイシンがヒスチジンに置換
(102)配列番号1の157番目のリジンがアルギニンに置換
(103)配列番号1の159番目のアスパラギンがスレオニンまたはアスパラギン酸に置換
(104)配列番号1の160番目のイソロイシンがスレオニン、バリンまたはロイシンに置換
(105)配列番号1の161番目のセリンがスレオニンに置換
(106)配列番号1の165番目のスレオニンがメチオニンに置換
(107)配列番号1の171番目のメチオニンがスレオニンに置換
(108)配列番号1の173番目のリジンがアルギニンに置換
(109)配列番号1の174番目のヒスチジンがグルタミンに置換
(110)配列番号1の177番目のスレオニンがセリンに置換
(111)配列番号1の181番目のイソロイシンがスレオニンに置換
(112)配列番号1の182番目のセリンがスレオニン、ロイシン、バリンまたはグルタミン酸に置換
(113)配列番号1の184番目のスレオニンがセリンに置換
(114)配列番号1の190番目のプロリンがセリンに置換
(115)配列番号1の193番目のバリンがロイシンに置換
(116)配列番号1の195番目のアスパラギンがアラニンに置換
(117)配列番号1の196番目のアラニンがセリンに置換
(118)配列番号1の198番目のバリンがグリシンまたはメチオニンに置換
(119)配列番号1の199番目のスレオニンがアラニンに置換
(120)配列番号1の200番目のセリンがグリシンまたはアルギニンに置換
(121)配列番号1の202番目のロイシンがメチオニンに置換
(122)配列番号1の203番目のロイシンがヒスチジン、グルタミン、チロシン、アルギニン、プロリンに置換
(123)配列番号1の204番目のグルタミン酸がバリンに置換
(124)配列番号1の207番目のロイシンがグルタミン、ヒスチジンまたはアルギニンに置換
(125)配列番号1の209番目のスレオニンがアラニンに置換
(126)配列番号1の211番目のセリンがアルギニンまたはグリシンに置換
(127)配列番号1の213番目のグルタミン酸がバリンまたはイソロイシンに置換
(128)配列番号1の215番目のリジンがアルギニンまたはグルタミン酸に置換
(129)配列番号1の217番目のロイシンがアルギニンまたはグルタミンに置換
(130)配列番号1の218番目のロイシンがイソロイシン、メチオニンまたはリジンに置換
(131)配列番号1の219番目のグルタミンがプロリンまたはアルギニンに置換
(132)配列番号1の223番目のロイシンがアルギニン、グルタミンまたはメチオニンに置換
(133)配列番号1の224番目のグルタミンがアルギニンに置換
(134)配列番号1の225番目のロイシンがグルタミンに置換
(135)配列番号1の227番目のフェニルアラニンがイソロイシンに置換
(136)配列番号1の230番目のチロシンがヒスチジンまたはフェニルアラニンに置換
(137)配列番号1の231番目のメチオニンがリジンまたはアルギニンに置換
(138)配列番号1の233番目のセリンがグリシンまたはアスパラギンに置換
(139)配列番号1の234番目のリジンがグルタミン酸に置換
(140)配列番号1の240番目のアスパラギンがグリシンに置換
(141)配列番号1の244番目のグルタミン酸がバリンに置換
(142)配列番号1の245番目のチロシンがヒスチジンまたはグルタミン酸に置換
(143)配列番号1の246番目のグルタミンがアルギニンまたはリジンに置換
(144)配列番号1の248番目のロイシンがイソロイシンに置換
(145)配列番号1の249番目のスレオニンがアラニンまたはセリンに置換
(146)配列番号1の250番目のアラニンがバリンに置換
(147)配列番号1の251番目のアルギニンがセリンに置換
(148)配列番号1の252番目のアルギニンがヒスチジンに置換
(149)配列番号1の253番目のグルタミン酸がグリシンに置換
(150)配列番号1の257番目のロイシンがアルギニンまたはグルタミンに置換
(151)配列番号1の261番目のグルタミン酸がバリンまたはアラニンに置換
(152)配列番号1の262番目のアラニンがバリンに置換
(153)配列番号1の263番目のアラニンがセリンに置換
(154)配列番号1の264番目のスレオニンがセリンに置換
(155)配列番号1の265番目のグルタミン酸がアラニンまたはグリシンに置換
(156)配列番号1の268番目のアスパラギンがセリン、イソロイシンまたはスレオニンに置換
(157)配列番号1の270番目のロイシンがヒスチジン、アルギニンまたはバリンに置換
(158)配列番号1の271番目のリジンがアルギニンに置換
(159)配列番号1の272番目のアルギニンがグルタミンに置換
(160)配列番号1の277番目のグルタミン酸がバリンに置換
(161)配列番号1の279番目のグルタミンがアルギニンまたはヒスチジンに置換
(162)配列番号1の282番目のグリシンがアスパラギン酸に置換
(163)配列番号1の283番目のロイシンがプロリンに置換
(164)配列番号1の285番目のロイシンがアルギニンまたはヒスチジンに置換
(165)配列番号1の286番目のプロリンがグルタミン、アルギニン、セリンまたはグルタミン酸に置換
(166)配列番号1の287番目のスレオニンがイソロイシン、プロリン、アラニン、バリンまたはセリンに置換
(167)配列番号1の288番目のプロリンがアラニン、セリンまたはスレオニンに置換
(168)配列番号1の289番目のバリンがアラニン、アスパラギン酸、グリシン、ロイシンまたはイソロイシンに置換
(B)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち、16番目から289番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質であって、少なくとも以下の(4)、(14)、(41)および(79)のいずれかに記載のアミノ酸置換を含む、(A)に記載のFc結合性タンパク質。
(4)配列番号1の46番目のロイシンがアルギニンまたはプロリンに置換
(14)配列番号1の114番目のフェニルアラニンがロイシンに置換
(41)配列番号1の46番目のロイシンがアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リジン、セリンまたはトリプトファンに置換
(79)配列番号1の114番目のフェニルアラニンがアラニン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、スレオニンまたはバリンに置換
(C)配列番号2、3、4、5、114、118、130、134、148、154、164、170、174および176のいずれかに記載のアミノ酸配列のうち、34番目から307番目までのアミノ酸を含む、(B)に記載のFc結合性タンパク質。
Val17Gly、Val17Glu、Thr19Ile、Thr20Ile、Thr25Met、Thr25Arg、Gln27Pro、Gln27Lys、Glu35Leu、Glu35Met、Glu35Arg、Glu36Gly、Leu41Met、His42Leu、Glu44Asp、Val45Ala、Leu46Ala、Leu46Asn、Leu46Asp、Leu46Gln、Leu46Gly、Leu46His、Leu46Lys、Leu46Ser、Leu46Trp、His47Gln、His47Leu、His47Asn、Pro49Ser、Pro49Ala、Gly50Arg、Gly50Glu、Ser51Ala、Ser51Thr、Ser51Leu、Ser51Pro、Ser51Val、Ser52Gly、Ser53Leu、Ser53Thr、Ser53Pro、Gln55Arg、Phe57Tyr、Leu58Arg、Gly60Asp、Thr61Ala、Thr61Ser、Ala62Glu、Thr63Leu、Thr63Phe、Gln64Pro、Gln64His、Gln64Leu、Gln64Lys、Thr65Ala、Thr65Val、Ser66Thr、Thr67Ala、Thr67Ser、Ser69Ala、Tyr70His、Tyr70Phe、Arg71Tyr、Thr73Ala、Thr73Ser、Ser74Phe、Ser76Asn、Val77Asp、Val77Lys、Asn78Ser、Asn78Gly、Ser80Ala、Arg84Ser、Gly88Ser、Leu89Gln、Leu89Pro、Ser90Gly、Arg92Cys、Arg92Leu、Ile96Val、Ile96Lys、Gln97Leu、Gln97Lys、His101Leu、Arg102Ser、Arg102Leu、Gly103Asp、Gly103Ser、Ser111Ala、Phe114Ala、Phe114Ile、Phe114Met、Phe114Pro、Phe114Thr、Phe114Val、Thr115Ile、Thr115Phe、Glu118Asp、Ala121Thr、Ala121Val、Lys128Arg、Lys128Gly、Asp129Gly、Leu131Gln、Tyr133His、Tyr133Arg、Asn134Ser、Tyr137Phe、Tyr138His、Arg139His、Asn140Asp、Gly141Asp、Gly141Val、Lys142Glu、Lys142Arg、Phe144Ile、Phe147Ser、His148Arg、His148Gln、Trp149Arg、Ser151Thr、Asn152Thr、Asn152Ile、Asn152Pro、Thr154Ser、Leu156His、Lys157Arg、Asn159Thr、Asn159Asp、Ile160Thr、Ile160Val、Ile160Leu、Ser161Thr、Thr165Met、Met171Thr、Lys173Arg、His174Gln、Thr177Ser、Ile181Thr、Ser182Thr、Ser182Leu、Ser182Val、Ser182Glu、Thr184Ser、Pro190Ser、Val193Leu、Asn195Ala、Ala196Ser、Val198Gly、Val198Met、Thr199Ala、Ser200Gly、Ser200Arg、Leu202Met、Leu203His、Leu203Gln、Leu203Tyr、Leu203Arg、Leu203Pro、Glu204Val、Leu207Gln、Leu207His、Leu207Arg、Thr209Ala、Ser211Arg、Ser211Gly、Glu213Val、Glu213Ile、Lys215Arg、Lys215Glu、Leu217Arg、Leu217Gln、Leu218Ile、Leu218Met、Leu218Lys、Gln219Pro、Gln219Arg、Leu223Arg、Leu223Gln、Leu223Met、Gln224Arg、Leu225Gln、Phe227Ile、Tyr230His、Tyr230Phe、Met231Lys、Met231Arg、Ser233Gly、Ser233Asn、Lys234Glu、Asn240Gly、Glu244Val、Tyr245His、Tyr245Glu、Gln246Arg、Gln246Lys、Leu248Ile、Thr249Ala、Thr249Ser、Ala250Val、Arg251Ser、Arg252His、Glu253Gly、Leu257Arg、Leu257Gln、Glu261Val、Glu261Ala、Ala262Val、Ala263Ser、Thr264Ser、Glu265Ala、Glu265Gly、Asn268Ser、Asn268Ile、Asn268Thr、Leu270His、Leu270Arg、Leu270Val、Lys271Arg、Arg272Gln、Glu277Val、Gln279Arg、Gln279His、Gly282Asp、Leu283Pro、Leu285Arg、Leu285His、Pro286Gln、Pro286Arg、Pro286Ser、Pro286Glu、Thr287Ile、Thr287Pro、Thr287Ala、Thr287Val、Thr287Ser、Pro288Ala、Pro288Ser、Pro288Thr、Val289Ala、Val289Asp、Val289Gly、Val289LeuおよびVal289Ileのいずれかの置換を1つ以上含むポリペプチドである。また前記置換の中でも、Thr20Pro、Thr25Lys、Thr38Ser、Leu46Pro、Thr63Ile、Ser69Thr、Arg71His、Val77Glu、Asn78Asp、Ile100Val、Phe114Leu、Ile160Met、Asn163Ser、Asn195Thr、Asn206Thr、Leu207Pro、Asn240Asp、Leu283HisおよびLeu285Glnのいずれかの置換を1つ以上含んでいると、さらに熱安定性が向上するため好ましい。また前記置換の中でも、Leu46Arg、Leu46Pro、Leu46Ala、Leu46Asn、Leu46Asp、Leu46Gln、Leu46Gly、Leu46His、Leu46Lys、Leu46Ser、Leu46Trp、Phe114Leu、Phe114Ala、Phe114Ile、Phe114Met、Phe114Pro、Phe114ThrおよびPhe114Valのいずれかの置換を1つ以上含んでいると、Fc結合性タンパク質の熱、酸およびアルカリに対する安定性がさらに向上するため好ましい。
(a)Leu46Pro、Thr63Ile、Phe114LeuおよびAsn240Aspからなる4重置換体(配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(b)Thr38Ser、Leu46Pro、Thr63Ile、Ile100Val、Phe114LeuおよびAsn240Aspからなる6重置換体(配列番号3に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(c)Thr38Ser、Leu46Pro、Thr63Ile、Ile100Val、Phe114Leu、Ile160Met、Asn163SerおよびAsn240Aspからなる8重置換体(配列番号4に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(d)Thr20Pro、Thr25Lys、Thr38Ser、Leu46Pro、Thr63Ile、Ser69Thr、Arg71His、Val77Glu、Asn78Asp、Ile100Val、Phe114Leu、Ile160Met、Asn163Ser、Asn195Thr、Asn206Thr、Leu207Pro、Asn240Asp、Leu283HisおよびLeu285Glnからなる19重置換体(配列番号5に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(e)Thr20Pro、Thr25Lys、Glu36Gly、Thr38Ser、Val45Ala、Leu46Pro、Pro49Ser、Gly60Asp、Thr63Ile、Thr65Ala、Ser69Thr、Arg71His、Val77Glu、Asn78Asp、Ile100Val、Phe114Leu、Tyr133His、Arg139His、Trp149Arg、Leu156Pro、Ile160Thr、Asn163Ser、Lys173Arg、Ile181Thr、Asn195Thr、Leu203His、Asn206Thr、Leu207Gln、Met231Lys、Asn240Asp、Leu283HisおよびLeu285Glnからなる32重置換体(配列番号114に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(f)Thr20Pro、Thr25Lys、Glu35Leu、Glu36Gly、Thr38Ser、Leu41Met、Val45Ala、Leu46Pro、Pro49Ser、Ser52Gly、Gly60Asp、Thr63Ile、Thr65Ala、Ser69Thr、Arg71His、Val77Glu、Asn78Asp、Ile100Val、Phe114Leu、Tyr133His、Arg139His、Trp149Arg、Asn152Thr、Leu156Pro、Ile160Thr、Asn163Ser、Lys173Arg、Ile181Thr、Asn195Thr、Leu203His、Asn206Thr、Leu207Gln、Met231Lys、Asn240Asp、Leu283HisおよびLeu285Glnからなる36重置換体(配列番号118に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(g)Thr20Pro、Thr25Lys、Glu35Leu、Glu36Gly、Thr38Ser、Leu41Met、Val45Ala、Leu46Pro、Pro49Ser、Ser52Gly、Gly60Asp、Thr63Ile、Thr65Ala、Ser69Thr、Arg71His、Val77Glu、Asn78Asp、Gln97Leu、Ile100Val、Phe114Leu、Lys128Arg、Tyr133His、Arg139His、Trp149Arg、Asn152Thr、Leu156Pro、Lys157Arg、Ile160Thr、Asn163Ser、Lys173Arg、Ile181Thr、Ser182Leu、Asn195Thr、Leu203His、Asn206Thr、Leu207Gln、Glu213Val、Leu218Ile、Met231Lys、Asn240Asp、Thr249Ala、Glu261Val、Leu283HisおよびLeu285Glnからなる44重置換体(配列番号130に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(h)Thr20Pro、Thr25Lys、Glu35Leu、Glu36Gly、Thr38Ser、Leu41Met、Val45Ala、Leu46Pro、Pro49Ser、Ser51Thr、Ser52Gly、Gly60Asp、Thr63Ile、Thr65Ala、Ser69Thr、Arg71His、Val77Glu、Asn78Asp、Gln97Leu、Ile100Val、Phe114Leu、Lys128Arg、Leu131Gln、Tyr133His、Tyr137Phe、Arg139His、Trp149Arg、Asn152Thr、Leu156Pro、Lys157Arg、Ile160Thr、Asn163Ser、Lys173Arg、Ile181Thr、Ser182Leu、Thr184Ser、Asn195Thr、Leu203His、Asn206Thr、Leu207Gln、Glu213Val、Leu218Ile、Met231Lys、Asn240Asp、Thr249Ala、Glu261Val、Leu283HisおよびLeu285Glnからなる48重置換体(配列番号134に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(i)Thr20Pro、Thr25Lys、Glu35Leu、Glu36Gly、Thr38Ser、Leu41Met、His42Leu、Leu46Pro、Pro49Ser、Ser51Ala、Ser52Gly、Gly60Asp、Thr63Ile、Thr65Ala、Ser69Thr、Arg71His、Thr73Ala、Val77Glu、Asn78Asp、Gln97Leu、Ile100Val、Phe114Leu、Ala121Val、Lys128Arg、Leu131Gln、Tyr133His、Tyr137Phe、Arg139His、Trp149Arg、Ser151Thr、Asn152Thr、Leu156Pro、Lys157Arg、Ile160Thr、Asn163Ser、Lys173Arg、Ile181Thr、Ser182Leu、Thr184Ser、Asn195Thr、Thr199Ala、Leu203His、Asn206Thr、Leu207Gln、Glu213Val、Leu218Ile、Met231Lys、Lys234Glu、Asn240Asp、Thr249Ala、Glu261Val、Leu270Val、Leu283HisおよびLeu285Glnからなる54重置換体(配列番号148に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(j)Thr20Pro、Thr25Lys、Glu35Leu、Glu36Gly、Thr38Ser、Leu41Met、His42Leu、Leu46Pro、Pro49Ser、Ser51Ala、Ser52Gly、Leu58Arg、Gly60Asp、Thr63Ile、Thr65Ala、Ser69Thr、Arg71His、Thr73Ala、Val77Glu、Asn78Asp、Gln97Leu、Ile100Val、Ser111Ala、Phe114Leu、Thr115Ile、Ala121Val、Lys128Arg、Leu131Gln、Tyr133His、Tyr137Phe、Arg139His、Trp149Arg、Ser151Thr、Asn152Thr、Leu156Pro、Lys157Arg、Ile160Thr、Asn163Ser、Lys173Arg、Ile181Thr、Ser182Leu、Thr184Ser、Asn195Thr、Thr199Ala、Leu203His、Asn206Thr、Leu207Gln、Glu213Val、Leu218Ile、Met231Lys、Lys234Glu、Asn240Asp、Thr249Ala、Leu270Val、Leu283HisおよびLeu285Glnからなる56重置換体(配列番号154に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(k)Thr20Pro、Thr25Lys、Glu35Leu、Glu36Gly、Thr38Ser、Leu41Met、His42Leu、Leu46Pro、Pro49Ser、Ser51Ala、Ser52Gly、Leu58Arg、Gly60Asp、Thr63Ile、Thr65Ala、Ser69Thr、Tyr70Phe、Arg71His、Thr73Ala、Val77Glu、Asn78Asp、Gln97Leu、Ile100Val、Ser111Ala、Phe114Leu、Thr115Ile、Ala121Val、Lys128Arg、Tyr133His、Tyr137Phe、Arg139His、Trp149Arg、Ser151Thr、Asn152Thr、Leu156Pro、Lys157Arg、Ile160Thr、Asn163Ser、Lys173Arg、Ile181Thr、Ser182Leu、Thr184Ser、Asn195Thr、Thr199Ala、Asn206Thr、Leu207Pro、Glu213Val、Leu218Ile、Tyr230Phe、Met231Lys、Ser233Gly、Lys234Glu、Asn240Asp、Thr249Ala、Leu270Val、Leu283HisおよびLeu285Glnからなる57重置換体(配列番号164に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(l)Thr20Pro、Thr25Lys、Glu35Leu、Glu36Gly、Thr38Ser、Leu41Met、His42Leu、Leu46Pro、Pro49Ser、Ser51Ala、Ser52Gly、Leu58Arg、Gly60Asp、Thr63Ile、Thr65Ala、Ser69Thr、Tyr70Phe、Arg71His、Thr73Ala、Val77Glu、Asn78Asp、Gln97Leu、Ile100Val、Ser111Ala、Phe114Leu、Thr115Ile、Ala121Val、Lys128Arg、Tyr133His、Tyr137Phe、Arg139His、Trp149Arg、Ser151Thr、Asn152Thr、Leu156Pro、Lys157Arg、Ile160Thr、Asn163Ser、Thr165Met、Lys173Arg、Ile181Thr、Ser182Leu、Thr184Ser、Asn195Thr、Thr199Ala、Asn206Thr、Leu207Pro、Glu213Val、Leu217Gln、Leu218Ile、Tyr230Phe、Met231Lys、Ser233Gly、Lys234Glu、Asn240Asp、Thr249Ala、Leu270Val、Leu283His、Leu285GlnおよびVal289Aspからなる60重置換体(配列番号174に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(m)Thr20Pro、Thr25Lys、Glu35Leu、Glu36Gly、Thr38Ser、Leu41Met、His42Leu、Leu46Pro、Pro49Ser、Ser51Ala、Ser52Gly、Leu58Arg、Gly60Asp、Thr63Ile、Thr65Ala、Ser69Thr、Tyr70Phe、Arg71His、Thr73Ala、Val77Glu、Asn78Asp、Gln97Leu、Ile100Val、Ser111Ala、Phe114Leu、Thr115Ile、Glu118Asp、Ala121Val、Lys128Arg、Tyr133His、Tyr137Phe、Arg139His、Trp149Arg、Ser151Thr、Asn152Thr、Leu156Pro、Lys157Arg、Ile160Thr、Asn163Ser、Thr165Met、Lys173Arg、Ile181Thr、Ser182Leu、Thr184Ser、Asn195Thr、Thr199Ala、Asn206Thr、Leu207Pro、Glu213Val、Leu218Ile、Tyr230Phe、Met231Lys、Ser233Gly、Lys234Glu、Asn240Asp、Gln246Lys、Thr249Ala、Leu270Val、Leu283His、Leu285GlnおよびVal289Aspからなる61重置換体(配列番号170に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、
(n)Thr20Pro、Thr25Lys、Glu35Leu、Glu36Gly、Thr38Ser、Leu41Met、His42Leu、Leu46Pro、Pro49Ser、Ser51Ala、Ser52Gly、Leu58Arg、Gly60Asp、Thr63Ile、Thr65Ala、Ser69Thr、Tyr70Phe、Arg71His、Thr73Ala、Val77Glu、Asn78Asp、Gln97Leu、Ile100Val、Ser111Ala、Phe114Leu、Thr115Ile、Glu118Asp、Ala121Val、Lys128Arg、Tyr133His、Tyr137Phe、Arg139His、Trp149Arg、Ser151Thr、Asn152Thr、Leu156Pro、Lys157Arg、Ile160Thr、Asn163Ser、Thr165Met、Lys173Arg、Ile181Thr、Ser182Leu、Thr184Ser、Asn195Thr、Thr199Ala、Asn206Thr、Leu207Pro、Glu213Val、Leu217Gln、Leu218Ile、Tyr230Phe、Met231Lys、Ser233Gly、Lys234Glu、Asn240Asp、Gln246Lys、Thr249Ala、Leu270Val、Leu283His、Leu285GlnおよびVal289Aspからなる62重置換体(配列番号176に記載のアミノ酸配列のうち34番目から307番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質)、があげられる。特に前記(c)から(n)に示す置換体が熱、酸およびアルカリに対する安定性がさらに向上する点で好ましい。
(I)本発明のFc結合性タンパク質のアミノ酸配列からヌクレオチド配列に変換し、該ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを人工的に合成する方法や、
(II)ヒトFcγRIの全体または部分配列を含むポリヌクレオチドを直接人工的に、またはヒトFcγRIのcDNAなどからPCR法といったDNA増幅法を用いて調製し、調製した該ポリヌクレオチドを適当な方法で連結する方法、が例示できる。
(III)ヒトFcγRIの全体または部分配列を含むポリヌクレオチドに、変異原となる薬剤を接触・作用させたり、紫外線を照射して、ポリヌクレオチドに変異を導入して作製する方法、
もあげられる。該薬剤としては、ヒドロキシルアミン、N−メチル―N’―ニトロ―N−ニトロソグアニジン、亜硝酸、亜硫酸、ヒドラジンなど当業者が通常用いる変異原薬剤を用いればよい。
(1)本発明のFc結合性タンパク質を固相に固定化して得られるFc結合性タンパク質結合部位を含むタンパク質を吸着する吸着材に目的タンパク質を含む溶液を添加して、該吸着材に該目的タンパク質を吸着させる工程と、
(2)該吸着材に吸着した該目的タンパク質を適切な溶出液を用いて溶出させる工程、
を含む工程で行なえばよい。
(1)配列番号1に記載のヒトFc受容体FcγRIのアミノ酸配列を基に、細胞外領域、細胞膜貫通領域および細胞内領域(16番目から374番目までの領域)について大腸菌型のコドンを用いてヌクレオチド配列への変換を行なった。
(2)前記ヌクレオチド配列を基にして、ヒトFcγRIをコードするポリヌクレオチドを作製するための52種類のオリゴヌクレオチドを合成した。合成したオリゴヌクレオチドを配列番号10から61に示す。
(3)(2)で合成したオリゴヌクレオチドから、ヒトFcγRIをコードするポリヌクレオチドの全長を作製するために、下記に示す2段階のPCRを行なった。
(3−1)1段階目のPCR反応を、表1に示す反応液を用い、94℃で5分間熱処理後、94℃で30秒間の第1ステップ、62℃で30秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を25サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。
(3−2)2段階目のPCR反応を、表2に示す反応液を用い、94℃で5分間熱処理後、94℃で30秒間の第1ステップ、65℃で30秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を25サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。
(4)前記DNAバンドを抽出(QIAquick Gel extraction kit:キアゲン社製)し、抽出DNAの5’末端をリン酸化(TaKaRa BKL Kit:タカラバイオ社製)後、制限酵素SmaIで消化したpUC19プラスミドベクターに挿入した。
(5)(4)で調製したプラスミドベクターと50μg/mLのカルベニシリンを含むLB培地にて、大腸菌E.coli JM109株(タカラバイオ社製)を形質転換した。
(6)定法に従い形質転換体からプラスミドを抽出し(QIAprep Spin Miniprep Kit:キアゲン社製)、これをpUCFcRとした。構造の概略を図2に示す。
Fc結合性タンパク質を大腸菌で発現させるために、MalEシグナルペプチド(アミノ酸配列;MKIKTGARILALSALTTMMFSASALA、配列番号182)を利用した系を構築した。作製工程の概略を図3に示す。
(1)MalEシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを作製するために、配列番号62(5’−TATA[CATATG]AAAATAAAAACAGGTGCACGCATCC−3’;角かっこ内の塩基は制限酵素NdeIサイト)と、配列番号63(5’−GCATTAACGACGATGATGTTTTCCGCCTCGGCTCTCGCC−3’)、配列番号64(5’−ATCGTCGTTAATGCGGATAATGCGAGGATGCGTGCACCTG−3’)、配列番号65(5’−TTGTC[CCATGG]CTTCTTCGATTTTGGCGAGAGCCG−3’;角かっこ内の塩基は制限酵素NcoIサイト)からなる各オリゴヌクレオチドをPCR法を用いて連結した。PCR反応は表3に示す反応液を用い、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル行なった。
(4)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地で培養し、形質転換体よりプラスミドDNAを抽出することで、プラスミドpETMalEを調製した。構造の概略を図4に示す。
(5)実施例1で作製したpUCFcR(図2)を鋳型とし、配列番号66(5’−TCAG[CCATGG]GACAAGTAGATACCACCAAAGCTGTGATTA−3’;角かっこ内は制限酵素NcoIサイト)と配列番号67(5’−CC[AAGCTT]AATGATGATGATGATGATGGACCGGGGTCGGCAGTTGAAGACCCAG−3’;角かっこ内は制限酵素HindIIIサイト)からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして用い、表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なうPCR反応により、Fc結合性タンパク質を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを作製した。
(6)(5)で得られたポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2で作製したプラスミドpETMalE(図4)にライゲーション後、大腸菌E.coli BL21(DE3)株をヒートショック法により形質転換した。
(7)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地で培養し、菌体よりプラスミドDNAを抽出することで、Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを挿入したプラスミドpETFcRを調製した。その構造概略を図5に示す。
実施例1で作製したpUCFcR(図2)および実施例2で作製したpETFcR(図5)中に挿入されたポリヌクレオチドの塩基配列をチェーンターミネータ法に基づくBig Dye Terminator Cycle Sequencing FS read Reaction kit(PEアプライドバイオシステム社製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、全自動DNAシークエンサーABI Prism 3700 DNA analyzer(PEアプライドバイオシステム社製)にて解析した。なお、配列番号68(5’−TAATACGACTCACTATAGGG−3’)と配列番号69(5’−TATGCTAGTTATTGCTCAG−3’)からなる各オリゴヌクレオチドをシークエンス用プライマーとして使用した。
(1)pETFcR(図5)により形質転換された大腸菌E.coli BL21(DE3)株を、50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地で培養し(37℃で18時間)、さらに培養液を、再調製した50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地に接種した。
(2)培養液の濁度(600nmにおける吸光度)の値が0.5になったところで、培養温度を20℃に切り替えて30分培養後、IPTGを0.01mMとなるように培養液に添加し培養した(20℃で18時間)。
(3)培養終了後、遠心分離操作により菌体を集菌し、BugBuster Protein extraction kit(タカラバイオ社製)を用いて菌体からタンパク質を調製した。
(4)得られた調製タンパク質の抗体結合活性を、以下の方法でELISA法により評価した。
(4−1)ヒト抗体であるガンマグロブリン製剤(化学及血清療法研究所製)を、96穴マイクロプレートのウェルに1μg/wellの濃度で固定し(4℃で18時間)、固定化終了後、StartingBlock Blocking Buffers(PIERCE社製)によりブロッキングした。
(4−2)洗浄緩衝液(0.2%(w/v)のTween 20と150mMのNaClを含む10mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0))で洗浄後、調製したタンパク質抽出液を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で適宜希釈し、固定化ガンマグロブリンと反応させた(30℃で2時間)。
(4−3)反応終了後、前記洗浄緩衝液で再度洗浄し、Horse radish Peroxidase(HRP)標識の抗His−Tag抗体試薬(BETHYL社製)を添加した。
(4−4)30℃で2時間反応後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を添加し450nmの吸光度を測定した。
(1)Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド部分に、エラープローンPCRによりランダムに変異導入を施した。エラープローンPCR反応における反応液組成を表5に示す。
(2)前記PCR産物を精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、同制限酵素で消化した実施例2で作製したpETMalE(図4)にライゲーション反応により挿入した。
(3)反応終了後、反応液をエレクトロポレーション法により大腸菌E.coli JM109株に導入し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地にて培養した(37℃で18時間)。
(1)実施例5で作製したプラスミドライブラリーを用いて、大腸菌E.coli BL21(DE3)株を形質転換した。
(2)前記形質転換体を、50μg/mLのカナマイシンを含む2YT液体培地(16g/LのTryptone、10g/LのYeast extract、5g/LのNaCl)200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、30℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、50μLの培養液を500μLの2YT液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(4)培養後、遠心操作により得られる培養上清を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で5倍希釈し、実施例4(4)に記載のELISA法を用いて抗体結合活性を測定した。また、前記培養上清を43℃で10分間熱処理後、同様にELISA法を用いて抗体結合活性を測定した。約2500株の形質転換体を評価し、前記形質転換体からpETFcRで発現されるFc結合性タンパク質と比較して熱安定性が向上した、Fc結合性タンパク質を発現する形質転換体を得ることができた。
(5)熱安定性または発現量が向上したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体よりプラスミドを調製し、前記プラスミドに挿入されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域の配列を解析し、アミノ酸の変異箇所を特定した。
実施例6で明らかになったFc結合性タンパク質の構造安定性向上に関与するアミノ酸置換を集積して、さらなる安定性向上を図った。置換アミノ酸の集積は、PCR法を主体に行ない、以下の4種類のFc結合性タンパク質を作製した。
(a)4箇所アミノ酸置換処理したFcRm4
(b)FcRm4に2箇所のアミノ酸置換を追加し、合計6箇所アミノ酸置換処理したFcRm6
(c)FcRm6に2箇所のアミノ酸置換を追加し、合計8箇所アミノ酸置換処理したFcRm8
(d)FcRm8に11箇所のアミノ酸置換を追加し、合計19箇所アミノ酸置換処理したFcRm19
以下、各のFc結合性タンパク質の作製方法を詳細に説明する。
実施例6で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Leu46Pro、Thr63Ile、Phe114LeuおよびAsn240Aspを選択し、それらの置換を野生型のFc結合性タンパク質(アミノ酸置換していないFc結合性タンパク質)に集積したFcRm4を作製した。Leu46Pro、Thr63Ile、Phe114LeuおよびAsn240Aspからなるアミノ酸置換の集積には、スクリーニングで取得した、各アミノ酸が置換されたFc結合性タンパク質を発現する形質転換体中のpETFcRに挿入された、前記Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて行なった。
(a−1)スクリーニングで取得した、Leu46Pro置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むpETFcRプラスミドを鋳型とし、配列番号68および配列番号74(5’−AGGAACCATTGGGTTGAACTTGACCCA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクルすることで行なった。
(a−2)スクリーニングで取得した、Thr63Ile置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むpETFcRプラスミドを鋳型とし、配列番号75(5’−TGGGTCAAGTTCAACCCAATGGTTCCT−3’)および配列番号76(5’−AGCAGCCAGCCACGATGAATTTCAAGTTGTATCGGATCGC−3’)からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様にPCR反応を行なった。
(a−3)スクリーニングで取得した、Phe114Leu置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むpETFcRプラスミドを鋳型とし、配列番号77(5’−GTGGCCTGAGCGGCCGTAGCGATCCGATACAACTTGAAAT−3’)および配列番号78(5’−CCGCGCAGGGTTTTGCTGCCCATATAGAACGAGAAATACA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様にPCR反応を行なった。
(a−4)スクリーニングで取得した、Asn240Asp置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むpETFcRプラスミドを鋳型とし、配列番号79(5’−CGTCCCGGCCTGCAGCTGTATTTCTCGTTCTATATGGGCA−3’)および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとした他は、(a−1)と同様にPCR反応を行なった。
(a−5)(a−1)から(a−4)までの4種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。
(a−7)(a−6)で得られたポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalEにライゲーションし、これを用いて大腸菌E.coli BL21(DE3)株を形質転換した。
(a−8)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して4箇所アミノ酸置換処理したポリペプチドであるFcRm4をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm4を得た。
(a−9)pETFcRm4のヌクレオチド配列の解析を、実施例3と同様の方法で行なった。
実施例6で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Thr38Ser、Leu46Pro、Thr63Ile、Ile100Val、Phe114LeuおよびAsn240Aspを選択し、それらの置換を野生型のFc結合性タンパク質に集積したFcRm6を作製した。前記作製したプラスミドpETFcRm4を基に、配列番号80(5’−TGCAACGTCACGGATTCTTCCTGGAA−3’)および配列番号81(5’−TTCCAGGAAGAATCCGTGACGTTGCA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いてThr38Serのアミノ酸置換を、配列番号82(5’−CAGCCAGCCACGATGAACTTCAAGTT−3’)および配列番号83(5’−AACTTGAAGTTCATCGTGGCTGGCTG−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いてIle100Valのアミノ酸置換を行ない、それをpETFcRm4に集積した。
(b−1)プラスミドpETFcRm4を鋳型とし、配列番号68および配列番号80からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。
(b−2)プラスミドpETFcRm4を鋳型とし、配列番号81および配列番号82からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして(b−1)と同様にPCR反応を実施した。
(b−3)プラスミドpETFcRm4を鋳型とし、配列番号83および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして(b−1)と同様にPCR反応を実施した。
(b−4)(b−1)から(b−3)の3種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。
(b−5)(b−4)で得られたPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。これにより6箇所アミノ酸置換処理したFcRm6をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(b−6)(b−5)で得られたポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalEにライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(b−7)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して6箇所アミノ酸置換処理したポリペプチドであるFcRm6をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm6を得た。
(b−8)pETFcRm6の塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
実施例6で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Thr38Ser、Leu46Pro、Thr63Ile、Ile100Val、Phe114Leu、Ile160Met、Asn163SerおよびAsn240Aspを選択し、それらの置換を野生型のFc結合性タンパク質に集積したFcRm8を作製した。前記作製したプラスミドpETFcRm6を基に、配列番号84(5’−TACGTCCCGCTGTGGGACATGTTCGTCTTCAGA−3’)および配列番号85(5’−TCTGAAGACGAACATGTCCCACAGCGGGACGTA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いてIle160MetとAsn163Serの2つのアミノ酸置換を行ない、それをpETFcRm6に集積した。
(c−1)プラスミドpETFcRm6を鋳型とし、配列番号68および配列番号84からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。
(c−2)プラスミドpETFcRm6を鋳型とし、配列番号85および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして(c−1)と同様にPCR反応を行なった。
(c−3)(c−1)および(c−2)の2種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。
(c−4)(c−3)で得られたPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。これにより8箇所アミノ酸置換処理したFcRm8をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(c−5)(c−4)で得られたポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalEにライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(c−6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して8箇所アミノ酸置換処理したポリペプチドであるFcRm8をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm8を得た。
(c−7)pETFcRm8の塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
実施例6で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、Thr20Pro、Thr25Lys、Thr38Ser、Leu46Pro、Thr63Ile、Ser69Thr、Arg71His、Val77Glu、Asn78Asp、Ile100Val、Phe114Leu、Ile160Met、Asn163Ser、Asn195Thr、Asn206Thr、Leu207Pro、Asn240Asp、Leu283HisおよびLeu285Glnを選択し、それらの置換を野生型のFc結合性タンパク質に集積したFcRm19を作製した。前記作製したプラスミドpETFcRm8を基に、配列番号86(5’−TGCAGCTTAATCACAGCTTTGGGGGTAT−3’)および配列番号87(5’−ATACCCCCAAAGCTGTGATTAAGCTGCA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いてThr20ProとThr25Lysの2つのアミノ酸置換を、配列番号88(5’−CGCTCGCGGAGGTAATGTGGTAAGTCGGGGT−3’)および配列番号89(5’−ATTACCTCCGCGAGCGAAGACGATTCG−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いてSer69Thr、Arg71His、Val77Glu、Asn78Aspの4つのアミノ酸置換を、配列番号90(5’−TCAAGCAGCGGGCTTGTCACACTCGCAGTCAGCA−3’)および配列番号91(5’−ACAAGCCCGCTGCTTGAAGGCACTCCGGTGA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いてAsn195Thr、Asn206Thr、Leu207Proの3つのアミノ酸置換を、配列番号92(5’−TCGGCTGTTGATGACCCAGCACTTGCAA−3’)および配列番号93(5’−TTGCAAGTGCTGGGTCATCAACAGCCGA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いてLeu283HisとLeu285Glnの2つのアミノ酸置換を行ない、それをpETFcRm8に集積した。
(d−1)プラスミドpETFcRm8を鋳型として、配列番号68および配列番号86からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。
(d−2)プラスミドpETFcRm8を鋳型として、配列番号87および配列番号88からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして(d−1)と同様にPCR反応を行なった。
(d−3)プラスミドpETFcRm8を鋳型として、配列番号89および配列番号90からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして(d−1)と同様にPCR反応を行なった。
(d−4)プラスミドpETFcRm8を鋳型として、配列番号91および配列番号92からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして(d−1)と同様にPCR反応を行なった。
(d−5)プラスミドpETFcRm8を鋳型として、配列番号93および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして(d−1)と同様にPCR反応を行なった。
(d−6)(d−1)から(d−5)の5種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。
(d−7)(d−6)で得られたPCR産物を鋳型として、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。これにより19箇所アミノ酸置換処理したFcRm19をコードするポリヌクレオチドを作製した。
(d−8)(d−7)で得られたポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化したプラスミドDNAであるpETMalEにライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(d−9)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して19箇所アミノ酸処理したポリペプチドであるFcRm19をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm19を得た。
(d−10)pETFcRm19の塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
(1)実施例2および実施例7で作製した形質転換体をそれぞれ50μg/mLのカナマイシンを添加した2YT液体培地に接種し、37℃で一晩振とう培養することで前培養を行なった。
(2)前培養液を50μg/mLのカナマイシンを添加した2YT液体培地に接種し、37℃で振とう培養した。培養開始1.5時間後に培養温度を20℃に変更して、30分間振とう培養後、終濃度0.01mMとなるようIPTGを添加し、引き続き20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後の菌体から可溶性タンパク質を抽出し、実施例4に記載のELISA法にて既知濃度のヒトFcγRIを対照に、抽出したFc結合性タンパク質のタンパク濃度を測定した。
(1)実施例2と実施例7で作製した形質転換体を実施例8と同様な方法で前培養した。
(2)前培養液を50μg/mLのカナマイシンを添加した2YT液体培地に接種し、37℃で振とう培養した。
(3)培養液濁度(OD600)が1.5から2.0になったところで、15℃に冷却し、0.1mMのIPTGを添加後、15℃で一晩振とう培養した。
(4)培養終了後、遠心分離操作により得られた各菌体を、150mMのNaClと0.1mMのPMSF(phenylmethylsulfonyl fluoride)を含む20mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)にそれぞれ懸濁し、6℃に冷却しながら超音波破砕した後、遠心分離操作を行ない、上清を回収した。
(5)回収した上清から下記に示す方法でFc結合性タンパク質を精製した。
(5−1)回収した上清に終濃度で10mMとなるようイミダゾールを加え、あらかじめ150mMのNaClを含む20mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で平衡化したニッケルキレートカラム(His・Bind Resin:Novagen社製)にアプライ後、150mMのNaClを含む20mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で洗浄し、500mMのイミダゾールを含むPBS(137mMのNaCl、8.10mMのリン酸水素二ナトリウム、2.68mMの塩化カリウム、1.47mMのリン酸水素カリウム)(pH7.0)を用いて溶出した。
(5−2)前記溶出液をあらかじめPBS(pH7.0)で平衡化したIgG Sepharose 6 Fast Flow(GEヘルスケア社製)にアプライし、PBS(pH7.0)で洗浄後、150mMのNaClと10%のグリセリンを含む20mMのクエン酸緩衝液(pH3.0)で溶出した。なお溶出の際は、あらかじめ溶出量の1/4量の濃度1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)が入っている容器に溶出させた。
各Fc結合性タンパク質の精製溶液をPBS(pH7.0)で4℃にて透析し、DSC(Differential Scanning Calorimetry)(示差走査熱量計)(VP Capillary DSC Platform、日本シイベルへグナー社製)を用いて、昇温速度60℃/時間の条件で変性中点温度(Tm)の測定を行なった。その結果を表8に示す。
(1)エラープローンPCRにより、実施例7(c)で作製したFcRm8をコードするポリヌクレオチドへランダムに変異を導入した。エラープローンPCR反応における反応液組成を表9に示す。なお、鋳型DNAとして実施例7(c)に記載のプラスミドpETFcRm8を、PCRプライマーとして配列番号66および配列番号67からなる各オリゴヌクレオチドを使用した。
(2)前記PCR産物を精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2で作製したプラスミドpETMalE(図4)にライゲーション反応により挿入した。
(3)反応終了後、得られたライゲーション産物を用いて大腸菌E.coli JM109株をエレクトロポレーション法により形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地にて培養した(37℃で18時間)。培養後プレート上には約4000個のコロニーが形成された。これらのコロニーを混合した混合コロニーから、プラスミドDNAを抽出しFcRm8のランダム変異プラスミドライブラリーとした。
(4)(3)で作製したプラスミドライブラリーを用いて、大腸菌E.coli BL21(DE3)株を形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB寒天培地でコロニー形成させた。これによりFcRm8のランダム変異形質転換体ライブラリーを作製した。
(1)実施例11で作製したFcRm8のランダム変異形質転換体ライブラリーを、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で一晩振とう培養した。
(2)培養後、5μLの培養液を500μLの2YT液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清を純水にて10倍希釈後、0.1Mのグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH10.0)と等量混合し、53℃で20分間熱処理後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で中和した。
(4)約3000株の形質転換体より得られたFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、以下の方法でELISA法により抗体結合活性を測定した。
(4−1)ヒト抗体であるガンマグロブリン製剤(化学及血清療法研究所製)を、96穴マイクロプレートのウェルに1μg/wellの濃度で固定し(4℃で18時間)、固定化終了後、2%(w/v)のスキムミルクを含んだ50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)によりブロッキングした。
(4−2)洗浄緩衝液(0.2%(w/v)のTween 20と150mMのNaClを含む10mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0))で洗浄後、調製したタンパク質抽出液を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で適宜希釈し、固定化ガンマグロブリンと反応させた(30℃で1時間)。
(4−3)反応終了後、前記洗浄緩衝液で再度洗浄し、Horse radish Peroxidase(HRP)標識の抗His−Tag抗体試薬(BETHYL社製)を添加した。
(4−4)30℃で1時間反応後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を添加し450nmの吸光度を測定した。
(5)熱処理(53℃で20分間)したときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、熱処理しないときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで、残存活性割合を算出した。
(6)FcRm8と比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体よりプラスミドを調製し、前記プラスミドに挿入されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域の配列を、実施例3に記載の方法にて解析し、FcRm8と比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質に存在したアミノ酸の変異箇所を特定した。
実施例12で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、安定性向上に関与するアミノ酸置換である、Glu36Gly、Val45Ala、Pro49Ser、Gly60Asp、Thr65Ala、Tyr133His、Arg139His、Trp149Arg、Leu156Pro、Ile160Thr、Lys173Arg、Ile181Thr、Leu203His、Leu207GlnおよびMet231Lysを選択し、それらの置換を実施例7(d)に記載のFcRm19に対してさらに集積することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して32箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm32を作製し、さらなる安定性向上を図った。なお、
(i)Glu36Glyのアミノ酸置換のために配列番号94(5’−ACGTCACGGATTCTCCCTGGAACACGCTCA−3’)および配列番号95(5’−TGAGCGTGTTCCAGGGAGAATCCGTGACGT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(ii)Val45Alaのアミノ酸置換のために配列番号96(5’−AGACAGATGCGGTGCTTCGCAGTGCAA−3’)および配列番号97(5’−TTGCACTGCGAAGCACCGCATCTGTCT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(iii)Pro49Serのアミノ酸置換のために配列番号98(5’−AACTTGACCCAGACAGATGCGGTACTT−3’)および配列番号99(5’−AAGTACCGCATCTGTCTGGGTCAAGTT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(iv)Gly60AspおよびThr65Alaのアミノ酸置換のために配列番号100(5’−GGGTGGAGGCCTGGATCGCGGTGTCATTCAGGA−3’)および配列番号101(5’−TCCTGAATGACACCGCGATCCAGGCCTCCACCC−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(v)Tyr133HisおよびArg139Hisのアミノ酸置換のために配列番号102(5’−TTGTGGTAGTAAAGCACGTTGTGCACCAGCTT−3’)および配列番号103(5’−TGCACAACGTGCTTTACTACCACAACGGCAA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(vi)Trp149Argのアミノ酸置換のために配列番号104(5’−AGGTTGGAGTTCCGGTGGAAGAACTTAA−3’)および配列番号105(5’−TTAAGTTCTTCCACCGGAACTCCAACCT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(viii)Leu156ProおよびIle160Thrのアミノ酸置換のために配列番号106(5’−TGTGGGACGTGTTCGTCTTCGGAATGGTCA−3’)および配列番号107(5’−TGACCATTCCGAAGACGAACACGTCCCACA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(ix)Lys173Argのアミノ酸置換のために配列番号108(5’−TCCCGCCGACGTATAACGATGTCTGCCCAT−3’)からなるオリゴヌクレオチドを、
(x)Ile181Thrのアミノ酸置換のために配列番号109(5’−ACATCGTTATACGTCGGCGGGAACCTCGGTCA−3’)からなるオリゴヌクレオチドを、
(xi)Leu203HisおよびLeu207Glnのアミノ酸置換のために配列番号110(5’−AGGGTCACCTGAGTGCCTTCATGCAGCGG−3’)および配列番号111(5’−CCGCTGCATGAAGGCACTCAGGTGACCCT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(xii)Met231Lysのアミノ酸置換のために配列番号112(5’−CGCAGGGTTTTGCTGCCCTTATAGAACGA−3’)および配列番号113(5’−TCGTTCTATAAGGGCAGCAAAACCCTGCG−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、それぞれ用いた。
(1)実施例7(d)に記載のプラスミドpETFcRm19を鋳型とし、配列番号68と配列番号94からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p1とした。
(2)実施例7(d)に記載のプラスミドpETFcRm19を鋳型とし、配列番号95と配列番号106からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p2とした。
(3)実施例7(d)に記載のプラスミドpETFcRm19を鋳型とし、配列番号107と配列番号110からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p3とした。
(4)実施例7(d)に記載のプラスミドpETFcRm19を鋳型とし、配列番号111と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p4とした。
(5)前記のm32p1、m32p2、m32p3およびm32p4の4種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。
(6)(5)のPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p5とした。
(7)前記のm32p5を精製し、それを鋳型として、配列番号68と配列番号98からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p6とした。
(8)前記のm32p5を精製し、それを鋳型として、配列番号99と配列番号104からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p7とした。
(9)前記のm32p5を精製し、それを鋳型として、配列番号105と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p8とした。
(10)前記のm32p6、m32p7およびm32p8の3種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p9とした。
(11)前記のm32p9を精製し、それを鋳型として、配列番号68と配列番号100からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p10とした。
(12)前記のm32p9を精製し、それを鋳型として、配列番号101と配列番号108からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p11とした。
(13)前記のm32p9を精製し、それを鋳型として、配列番号109と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p12とした。
(14)前記のm32p10、m32p11およびm32p12の3種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p13とした。
(15)前記のm32p13を精製し、それを鋳型として、配列番号68と配列番号96からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p14とした。
(16)前記のm32p13を精製し、それを鋳型として、配列番号97と配列番号102からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p15とした。
(17)前記のm32p13を精製し、それを鋳型として、配列番号103と配列番号112からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p16とした。
(18)前記のm32p13を精製し、それを鋳型として、配列番号113と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm32p17とした。
(19)前記のm32p14、m32p15、m32p16およびm32p17の4種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。
(20)(19)のPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。(21)(20)で得られたPCR産物を精製し、野生型Fc結合性タンパク質に対して32箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm32をコードするポリヌクレオチドを得た。
(22)前記のFcRm32をコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2に記載の発現ベクターpETMalE(図4)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(23)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、FcRm32をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm32を得た。
(24)pETFcRm32の塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
(1)実施例13で作製した形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB液体培地に接種し、37℃で一晩振とう培養することで前培養を行なった。
(2)前培養液を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB液体培地に接種し、37℃で振とう培養した。培養開始1.5時間後に培養温度を20℃に変更して、30分間振とう培養後、終濃度0.01mMとなるようIPTGを添加し、引き続き20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養終了後、遠心分離操作により菌体を集菌し、BugBuster Protein extraction kit(タカラバイオ社製)を用いて菌体からタンパク質を調製した。
(4)得られた調製タンパク質の抗体結合活性を、実施例12(4)に記載のELISA法により評価することでFc結合性タンパク質の生産性を測定した。Fc結合性タンパク質の生産性を、培養液濁度(Optical Density at 600nm、OD600)あたりの生産量(mg/L−培養液/OD600)として比較した結果を図8に示す。なお、図8中のFcRは、実施例2の形質転換体を用いて発現させた野生型Fc結合性タンパク質を示したものである。またFcRm19は、実施例7(d)の形質転換体を用いて発現させたFc結合性タンパク質である。これらのFc結合性タンパク質に比べ、実施例13で作製した形質転換体を用いて発現させたFc結合性タンパク質であるFcRm32は、いずれも高い生産性が認められた。図8の結果より、安定性向上に関与するアミノ酸置換(変異)を集積することによりFc結合性タンパク質の生産性が向上したことが明らかとなった。
(1)実施例14に記載の方法でFc結合性タンパク質(FcRm19、FcRm32)および、野生型Fc結合性タンパク質を調製し実施例12(4)に記載のELISA法にて濃度測定を行なった。
(2)濃度測定を行なったタンパク質濃度を5μg/mLとなるように希釈し、これに等量の600mMの水酸化ナトリウム水溶液を加え、25℃で5分間放置した。
(3)放置後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)でpHを中性領域に戻してから、実施例12(4)に記載のELISA法でアルカリ処理、未処理サンプルの抗体結合活性を測定した。
(4)測定されたアルカリ処理後の抗体結合活性を、アルカリ未処理時の抗体結合活性で除することで、アルカリ処理による各Fc結合性タンパク質の残存活性割合を算出した。
(1)エラープローンPCRにより、実施例13で作製したFcRm32をコードするポリヌクレオチドへランダムに変異を導入した。エラープローンPCR反応における反応液組成を表9に示す。なお、鋳型DNAとして実施例13に記載のプラスミドpETFcRm32を、PCRプライマーとして配列番号66および配列番号67からなる各オリゴヌクレオチドを使用した。PCR反応は、95℃で2分間熱処理後、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。
(2)前記PCR産物を精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2で作製したプラスミドpETMalE(図4)にライゲーション反応により挿入した。
(3)反応終了後、得られたライゲーション産物を用いて大腸菌E.coli JM109株をエレクトロポレーション法により形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地にて培養した(37℃で18時間)。培養後プレート上には約19000個のコロニーが形成された。これらのコロニーを混合した混合コロニーから、プラスミドDNAを抽出しFcRm32のランダム変異プラスミドライブラリーとした。
(4)(3)で作製したプラスミドライブラリーを用いて、大腸菌E.coli BL21(DE3)株を形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB寒天培地でコロニー形成させた。これによりFcRm32のランダム変異形質転換体ライブラリーを作製した。
(1)実施例16で作製したFcRm32のランダム変異形質転換体ライブラリーを、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で一晩振とう培養した。
(2)培養後、5μLの培養液を500μLの2YT液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清を純水で10倍希釈し、0.1Mのグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH10.0)と等量混合し、70℃で20分間熱処理後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で中和した。
(4)実施例12(4)に記載のELISA法を用いて約3000株の形質転換体から得られたFc結合性タンパク質の抗体結合活性を測定し、熱処理(70℃で20分間)した場合のFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、熱処理しないときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで、残存活性割合を算出した。
(5)FcRm32と比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体よりプラスミドを調製し、前記プラスミドに挿入されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域の配列を、実施例3に記載の方法にて解析し、FcRm32と比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質に存在したアミノ酸の変異箇所を特定した。
実施例17で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、安定性向上に関与するアミノ酸置換である、Glu35Leu、Leu41Met、Ser52GlyおよびAsn152Thrを選択し、それらの置換を実施例13に記載のFcRm32に対してさらに集積することで、野生型Fc結合性タンパク質に対して36箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm36bを作製し、さらなる安定性向上を図った。なお、Glu35Leu、Leu41MetおよびSer52Glyのアミノ酸置換のために配列番号116(5’−ATGCGGTGCTTCGCAGTGCATCGTCACGGATTCTCCCAGGAACA−3’)および配列番号117(5’−GACGATGCACTGCGAAGCACCGCATCTGTCTGGGTCAGGTTCAA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いた。
(1)実施例13に記載のプラスミドpETFcRm32を鋳型として、配列番号68と配列番号116からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm36bp1とした。
(2)実施例17のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm32にさらに、Asn152Thrが置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号117と配列番号92からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm36bp2とした。
(3)実施例13に記載のプラスミドpETFcRm32を鋳型として、配列番号93と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm36bp3とした。
(4)前記のm36bp1、m36bp2およびm36bp3の3種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物を精製し、野生型Fc結合性タンパク質に対して36箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm36bをコードするポリヌクレオチドを得た。
(5)前記のFcRm36bをコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2に記載の発現ベクターpETMalE(図4)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(6)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、FcRm36bをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm36bを得た。
(7)pETFcRm36bの塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
実施例18と実施例2で作製した形質転換体を実施例14と同様の方法で調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて測定したFc結合性タンパク質の生産性を、培養液濁度(Optical Density at 600nm、OD600)あたりの生産量(mg/L−培養液/OD600)として比較した。
(1)実施例14に記載の方法でFc結合性タンパク質(FcRm32、FcRm36b)および野生型Fc結合性タンパク質を調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて濃度測定を行なった。
(2)濃度測定を行なったタンパク質濃度を5μg/mLとなるように希釈し、これに等量の600mMの水酸化ナトリウム水溶液を加え、25℃で5分間放置した。
(3)放置後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)でpHを中性領域に戻してから、(2)のアルカリ処理を行なった試料、および比較として(2)のアルカリ処理を行なわなかった試料の抗体結合活性を、実施例12(4)に記載のELISA法で測定した。
(4)測定した、アルカリ処理後の試料の抗体結合活性を、アルカリ処理しないときの試料の抗体結合活性で除することで、アルカリ処理による各Fc結合性タンパク質の残存活性割合を算出した。
(1)エラープローンPCRにより、実施例18で作製したFcRm36bをコードするポリヌクレオチドへランダムに変異を導入した。エラープローンPCR反応における反応液組成を表9に示す。なお、鋳型DNAとして実施例18に記載のプラスミドpETFcRm36bを、PCRプライマーとして配列番号120(5’−TCAGCCATGGGACAAGTAGATACCCCCAAAGCTGTGATTA−3’)および配列番号121(5’−CCAAGCTTAATGATGATGATGATGATGGACCGGGGTCGGCTGTTGATGACCCAG−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを使用した。PCR反応は、95℃で2分間熱処理後、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。
(2)前記PCR産物を精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2で作製したプラスミドpETMalE(図4)にライゲーション反応により挿入した。
(3)反応終了後、得られたライゲーション産物を用いて大腸菌E.coli BL21(DE3)株をエレクトロポレーション法により形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB寒天培地でコロニー形成させることで、FcRm36bのランダム変異形質転換体ライブラリーを作製した。
(1)実施例21で作製したFcRm36bのランダム変異形質転換体ライブラリーを、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で一晩振とう培養した。
(2)培養後、5μLの培養液を500μLの2YT液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清を純水で5倍希釈し、400mMの水酸化ナトリウム水溶液と等量混合し、30℃で60分間アルカリ処理後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)を用いてpHを中性領域に戻した。
(4)実施例12(4)に記載のELISA法を用いて約3000株の形質転換体から得られたFc結合性タンパク質の抗体結合活性を測定し、(3)のアルカリ処理を行なったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、(3)のアルカリ処理を行なわなかったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで、残存活性割合を算出した。
(5)FcRm36bと比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体よりプラスミドを調製し、前記プラスミドに挿入されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域の配列を、実施例3に記載の方法にて解析し、FcRm36bと比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質に存在したアミノ酸の変異箇所を特定した。
実施例22で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、安定性向上に関与するアミノ酸置換である、Gln97Leu、Lys128Arg、Lys157Arg、Ser182Leu、Glu213Val、Leu218Ile、Thr249AlaおよびGlu261Valを選択し、それらの置換を実施例18に記載のFcRm36bに対してさらに集積して、野生型Fc結合性タンパク質に対して44箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm44を作製し、さらなる安定性向上を図った。なお、
(i)Lys128Argのアミノ酸置換のために配列番号122(5’−CAGCTTATCTCTCCATGCGTGGCAA−3’)および配列番号123(5’−TTGCCACGCATGGAGAGATAAGCTG−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(ii)Lys157Argのアミノ酸置換のために配列番号124(5’−ACGTGTTCGTCCTCGGAATGGTCAGGGT−3’)および配列番号125(5’−ACCCTGACCATTCCGAGGACGAACACGT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(iii)Glu213ValおよびLeu218Ileのアミノ酸置換のために配列番号126(5’−ACGCTGTATCAGCAGTTTGGTTACGCAGCTCA−3’)および配列番号127(5’−TGAGCTGCGTAACCAAACTGCTGATACAGCGT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(iv)Thr249Alaのアミノ酸置換のために配列番号128(5’−ACGACGCGCGGCTAAAATCTGATACT−3’)および配列番号129(5’−AGTATCAGATTTTAGCCGCGCGTCGT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、それぞれ用いた。
(1)実施例22のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm36bにさらにGln97LeuおよびGlu261Val置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号68と配列番号122からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm44p1とした。
(2)実施例22のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm36bにさらにGln97LeuおよびGlu261Val置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号123と配列番号128からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm44p2とした。
(3)実施例22のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm36bにさらにGln97LeuおよびGlu261Val置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号129と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm44p3とした。
(4)前記のm44p1、m44p2およびm44p3の3種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm44p4とした。
(5)前記のm44p4を精製し、それを鋳型として、配列番号68と配列番号124からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm44p5とした。
(6)実施例22のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm36bにさらにSer182LeuおよびGlu213Val置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号125と配列番号126からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm44p6とした。
(7)前記のm44p4を精製し、それを鋳型として、配列番号127と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm44p7とした。
(8)前記のm44p5、m44p6およびm44p7の3種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物を精製し、野生型Fc結合性タンパク質に対して44箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm44をコードするポリヌクレオチドを得た。
(9)前記のFcRm44をコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2に記載の発現ベクターpETMalE(図4)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(10)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、FcRm44をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm44を得た。
(11)pETFcRm44の塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
実施例23と実施例2で作製した形質転換体を実施例14と同様の方法で調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて測定したFc結合性タンパク質の生産性を、培養液濁度(Optical Density at 600nm、OD600)あたりの生産量(mg/L−培養液/OD600)として比較した。
実施例25 Fc結合性タンパク質(FcRm44)のアルカリ安定性評価
(1)実施例14に記載の方法でFc結合性タンパク質(FcRm36b、FcRm44)および野生型Fc結合性タンパク質を調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて濃度測定を行なった。
(2)各Fc結合性タンパク質濃度を5μg/mLとなるように希釈し、これに等量の600mMの水酸化ナトリウム水溶液を加え、25℃で10分間放置した。
(3)放置後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)でpHを中性領域に戻してから、(2)のアルカリ処理を行なった試料、および比較として(2)のアルカリ処理を行なわなかった試料の抗体結合活性を、実施例12(4)に記載のELISA法で測定した。
(4)測定した、アルカリ処理後の試料の抗体結合活性を、アルカリ処理しないときの試料の抗体結合活性で除することで、アルカリ処理による各Fc結合性タンパク質の残存活性割合を算出した。
(1)エラープローンPCRにより、実施例23で作製したFcRm44をコードするポリヌクレオチドへランダムに変異を導入した。エラープローンPCR反応における反応液組成を表9に示す。なお、鋳型DNAとして実施例23に記載のプラスミドpETFcRm44を、PCRプライマーとして配列番号120および配列番号121の各オリゴヌクレオチドを使用した。PCR反応は、95℃で2分間熱処理後、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。
(2)前記PCR産物を精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2で作製したプラスミドpETMalE(図4)にライゲーション反応により挿入した。
(3)反応終了後、得られたライゲーション産物を用いて大腸菌E.coli BL21(DE3)株をエレクトロポレーション法により形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB寒天培地でコロニー形成させることで、FcRm44のランダム変異形質転換体ライブラリーを作製した。
(1)実施例26で作製したFcRm44のランダム変異形質転換体ライブラリーを、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で一晩振とう培養した。
(2)培養後、5μLの培養液を500μLの2YT液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清を純水で5倍希釈し、400mMの水酸化ナトリウム水溶液と等量混合し、30℃で120分間アルカリ処理後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)を用いてpHを中性領域に戻した。
(4)実施例12(4)に記載のELISA法を用いて約3000株の形質転換体から得られたFc結合性タンパク質の抗体結合活性を測定し、(3)のアルカリ処理したときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、(3)のアルカリ処理を行なわなかったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで、残存活性割合を算出した。
(5)FcRm44と比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体よりプラスミドを調製し、前記プラスミドに挿入されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域の配列を、実施例3に記載の方法にて解析し、FcRm44と比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質に存在したアミノ酸の変異箇所を特定した。
実施例27で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、安定性向上に関与するアミノ酸置換である、Ser51Thr、Leu131Gln、Tyr137PheおよびThr184Serを選択し、それらの置換を実施例23に記載のFcRm44に対してさらに集積して、野生型Fc結合性タンパク質に対して48箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm48を作製し、さらなる安定性向上を図った。なお、Leu131Glnのアミノ酸置換のために配列番号132(5’−GTGCACCTGCTTATCTCTCCATGCGT−3’)および配列番号133(5’−ACGCATGGAGAGATAAGCAGGTGCAC−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いた。
(1)実施例27のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm44にさらにSer51Thr、Tyr137PheおよびThr184Ser置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号68と配列番号132からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm48p1とした。
(2)実施例27のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm44にさらにSer51Thr、Tyr137PheおよびThr184Ser置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号133と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm48p2とした。
(3)前記のm48p1およびm48p2の2種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物を精製し、野生型Fc結合性タンパク質に対して48箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm48をコードするポリヌクレオチドを得た。
(4)前記のFcRm48をコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2で作製の発現ベクターpETMalE(図4)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(5)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、FcRm48をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm48を得た。
(6)pETFcRm48の塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
実施例28と実施例2で作製した形質転換体を実施例14と同様の方法で調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて測定したFc結合性タンパク質の生産性を、培養液濁度(Optical Density at 600nm、OD600)あたりの生産量(mg/L−培養液/OD600)として比較した。
実施例30 Fc結合性タンパク質(FcRm48)のアルカリ安定性評価
(1)実施例14に記載の方法でFc結合性タンパク質(FcRm44、FcRm48)および野生型Fc結合性タンパク質を調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて濃度測定を行なった。
(2)各Fc結合性タンパク質濃度を5μg/mLとなるように希釈し、これに等量の600mMの水酸化ナトリウム水溶液を加え、25℃で50分間放置した。
(3)放置後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)でpHを中性領域に戻してから、(2)のアルカリ処理を行なった試料、および比較として(2)のアルカリ処理を行なわなかった試料の抗体結合活性を、実施例12(4)に記載のELISA法で測定した。
(4)測定した、アルカリ処理後の試料の抗体結合活性を、アルカリ処理しないときの試料の抗体結合活性で除することで、アルカリ処理による各Fc結合性タンパク質の残存活性割合を算出した。
(1)エラープローンPCRにより、実施例28で作製したFcRm48をコードするポリヌクレオチドへランダムに変異を導入した。エラープローンPCR反応における反応液組成を表9に示す。なお、鋳型DNAとして実施例28に記載のプラスミドpETFcRm48を、PCRプライマーとして配列番号120および配列番号121からなる各オリゴヌクレオチドを使用した。PCR反応は、95℃で2分間熱処理後、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。
(2)前記PCR産物を精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2で作製したプラスミドpETMalE(図4)にライゲーション反応により挿入した。
(3)反応終了後、得られたライゲーション産物を用いて大腸菌E.coli BL21(DE3)株をエレクトロポレーション法により形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB寒天培地でコロニー形成させることで、FcRm48のランダム変異形質転換体ライブラリーを作製した。
(1)実施例31で作製したFcRm48のランダム変異形質転換体ライブラリーを、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で一晩振とう培養した。
(2)培養後、5μLの培養液を500μLの2YT液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清を純水で5倍希釈し、600mMの水酸化ナトリウム水溶液と等量混合し、30℃で120分間アルカリ処理後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)を用いてpHを中性領域に戻した。
(4)実施例12(4)に記載のELISA法を用いて約3000株の形質転換体から得られたFc結合性タンパク質の抗体結合活性を測定し、(3)のアルカリ処理したときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、(3)のアルカリ処理を行なわなかったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで、残存活性割合を算出した。
(5)FcRm48と比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体よりプラスミドを調製し、前記プラスミドに挿入されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域の配列を、実施例3に記載の方法にて解析し、FcRm48と比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質に存在したアミノ酸の変異箇所を特定した。
実施例32で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、安定性向上に関与するアミノ酸置換である、His42Leu、Ser51Ala、Ser151Thr、Thr199Ala、Lys234GluおよびLeu270Valを、実施例27で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、安定性向上に関与するアミノ酸置換である、Thr73Ala、Ala121Valを、それぞれ選択し、それらの置換を実施例28に記載のFcRm48に対してさらに集積し、さらにVal45Alaのアミノ酸置換をバリンに戻す置換を行なうことで、野生型Fc結合性タンパク質に対して54箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm54bを作製し、さらなる安定性向上を図った。なお、
(i)His42Leuのアミノ酸置換のために配列番号136(5’−CTTCGCAGAGCATCGTCACGGATTCT−3’)および配列番号137(5’−AGAATCCGTGACGATGCTCTGCGAAG−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(ii)Thr73Alaのアミノ酸置換のために配列番号138(5’−TCGCTCGCGGAGGCAATGTGGTAAGT−3’)および配列番号139(5’−ACTTACCACATTGCCTCCGCGAGCGA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(iii)Ala121Valのアミノ酸置換のために配列番号140(5’−TGGCAACGTAATACAAGCGGTTCGCCT−3’)および配列番号141(5’−AGGCGAACCGCTTGTATTACGTTGCCA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(iv)Ser151Thrのアミノ酸置換のために配列番号142(5’−TGGTCAGGGTTGTGTTCCGGTGGAAGAA−3’)および配列番号143(5’−TTCTTCCACCGGAACACAACCCTGACCA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(v)Lys234Gluのアミノ酸置換のために配列番号144(5’−TCCGCGCAGGGTTTCGCTGCCCTTATA−3’)および配列番号145(5’−TATAAGGGCAGCGAAACCCTGCGCGGA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(vi)Leu270Valのアミノ酸置換のために配列番号146(5’−TGGGCTCCGTTTAACCACATTGCCAT−3’)および配列番号147(5’−ATGGCAATGTGGTTAAACGGAGCCCA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、それぞれ用いた。
(1)実施例32のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm48にさらにSer51AlaおよびThr199Alaのアミノ酸置換があり、かつVal45Alaのアミノ酸置換がバリンに戻っているFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号68と配列番号138からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm54bp1とした。
(2)実施例32のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm48にさらにSer51AlaおよびThr199Alaのアミノ酸置換があり、かつVal45Alaのアミノ酸がバリンに戻っているFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号139と配列番号140からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm54bp2とした。
(3)実施例32のスクリーニングで取得したFc結合性タンパク質FcRm48にさらにSer51AlaおよびThr199Alaのアミノ酸置換があり、かつVal45Alaのアミノ酸置換がバリンに戻っているFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号141と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm54bp3とした。
(4)前記のm54bp1、m54bp2およびm54bp3の3種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm54bp4とした。
(5)前記のm54bp4を精製し、それを鋳型として、配列番号68と配列番号142からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm54bp5とした。
(6)前記のm54bp4を精製し、それを鋳型として、配列番号143と配列番号146からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm54bp6とした。
(7)前記のm54bp4を精製し、それを鋳型として、配列番号147と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm54bp7とした。
(8)前記のm54bp5、m54bp6およびm54bp7の3種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm54bp8とした。
(9)前記のm54bp8を精製し、それを鋳型として、配列番号68と配列番号136からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm54bp9とした。
(10)前記のm54bp8を精製し、それを鋳型として、配列番号137と配列番号144からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm54bp10とした。
(11)前記のm54bp8を精製し、それを鋳型として、配列番号145と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm54bp11とした。
(12)前記のm54bp9、m54bp10およびm54bp11の3種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物を精製し、野生型Fc結合性タンパク質に対して54箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm54bをコードするポリヌクレオチドを得た。
(13)前記のFcRm54bをコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2で作製の発現ベクターpETMalE(図4)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(14)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、FcRm54bをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm54bを得た。
(15)pETFcRm54bの塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
実施例33と実施例2で作製した形質転換体を実施例14と同様の方法で調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて測定したFc結合性タンパク質の生産性を、培養液濁度(Optical Density at 600nm、OD600)あたりの生産量(mg/L−培養液/OD600)として比較した。
(1)実施例14に記載の方法でFc結合性タンパク質(FcRm48、FcRm54b)および野生型Fc結合性タンパク質を調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて濃度測定を行なった。
(2)各Fc結合性タンパク質濃度を5μg/mLとなるように希釈し、これに等量の600mMの水酸化ナトリウム水溶液を加え、25℃で120分間放置した。
(3)放置後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)でpHを中性領域に戻してから、(2)のアルカリ処理を行なった試料、および比較として(2)のアルカリ処理を行なわなかった試料の抗体結合活性を、実施例12(4)に記載のELISA法で測定した。
(4)測定したアルカリ処理後の試料の抗体結合活性を、アルカリ処理しないときの試料の抗体結合活性で除することで、アルカリ処理による各Fc結合性タンパク質の残存活性割合を算出した。
(1)エラープローンPCRにより、実施例33で作製したFcRm54bをコードするポリヌクレオチドへランダムに変異を導入した。エラープローンPCR反応における反応液組成を表9に示す。なお、鋳型DNAとして実施例33に記載のプラスミドpETFcRm54bを、PCRプライマーとして配列番号120および配列番号121からなる各オリゴヌクレオチドを使用した。PCR反応は、95℃で2分間熱処理後、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。
(2)前記PCR産物を精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2で作製したプラスミドpETMalE(図4)にライゲーション反応により挿入した。反応終了後、得られたライゲーション産物を用いて大腸菌E.coli BL21(DE3)株をエレクトロポレーション法により形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB寒天培地でコロニー形成させることで、FcRm54bのランダム変異形質転換体ライブラリーを作製した。
(1)実施例36で作製したFcRm54bのランダム変異形質転換体ライブラリーを、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で一晩振とう培養した。
(2)培養後、5μLの培養液を500μLの2YT液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清を純水で5倍希釈し、700mMの水酸化ナトリウム水溶液と等量混合し、30℃で120分間アルカリ処理後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)を用いてpHを中性領域に戻した。
(4)実施例12(4)に記載のELISA法を用いて約3000株の形質転換体から得られたFc結合性タンパク質の抗体結合活性を測定し、(3)のアルカリ処理したときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、(3)のアルカリ処理を行なわなかったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで、残存活性割合を算出した。
(5)FcRm54bと比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体よりプラスミドを調製し、前記プラスミドに挿入されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域の配列を、実施例3に記載の方法にて解析し、FcRm54bと比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質に存在したアミノ酸の変異箇所を特定した。
実施例37で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、安定性向上に関与するアミノ酸置換である、Leu58Arg、Ser111AlaおよびThr115Ileを選択し、それらの置換を実施例33に記載のFcRm54bに対してさらに集積し、さらにGlu261Valのアミノ酸置換をグルタミンに戻す置換を行なうことで、野生型Fc結合性タンパク質に対して56箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm56bを作製し、さらなる安定性向上を図った。なお、
(i)Ser111Alaのアミノ酸置換のために配列番号150(5’−AAACGCGGGCGCTAACCTGTAAAAGCA−3’)および配列番号151(5’−TGCTTTTACAGGTTAGCGCCCGCGTTT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(ii)Glu261Valのアミノ酸置換を元のグルタミン(Glu)に戻すために配列番号152(5’−TCGGTCGCCGCTTCACACCAGTACA−3’)および配列番号153(5’−TGTACTGGTGTGAAGCGGCGACCGA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、それぞれ用いた。
(1)実施例37のスクリーニングで取得したFc結合性タンパク質FcRm54bに、さらにLeu58ArgおよびThr115Ileが置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号68と配列番号152からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm56bp1とした。
(2)実施例37のスクリーニングで取得したFc結合性タンパク質FcRm54bに、さらにLeu58ArgおよびThr115Ileが置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号153と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm56bp2とした。
(3)前記のm56bp1およびm56bp2の2種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm56bp3とした。
(4)前記のm56bp3を精製し、それを鋳型として、配列番号68と配列番号150からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm56bp4とした。
(5)前記のm56bp3を精製し、それを鋳型として、配列番号151と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm56bp5とした。
(6)前記のm56bp4およびm56bp5の2種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物を精製し、野生型Fc結合性タンパク質に対して56箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm56bをコードするポリヌクレオチドを得た。
(7)前記のFcRm56bをコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2に記載の発現ベクターpETMalE(図4)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(8)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、FcRm56bをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm56bを得た。
(9)pETFcRm56bの塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
実施例38と実施例2で作製した形質転換体を実施例14と同様の方法で調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて測定したFc結合性タンパク質の生産性を、培養液濁度(Optical Density at 600nm、OD600)あたりの生産量(mg/L−培養液/OD600)として比較した。
(1)実施例14に記載の方法でFc結合性タンパク質(FcRm54b、FcRm56b)および野生型Fc結合性タンパク質を調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて濃度測定を行なった。
(2)各Fc結合性タンパク質濃度を5μg/mLとなるように希釈し、これに等量の600mMの水酸化ナトリウム水溶液を加え、25℃で180分間放置した。
(3)放置後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)でpHを中性領域に戻してから、(2)のアルカリ処理を行なった試料、および比較として(2)のアルカリ処理を行なわなかった試料の抗体結合活性を、実施例12(4)に記載のELISA法で測定した。
(4)測定したアルカリ処理後の試料の抗体結合活性を、アルカリ処理しないときの試料の抗体結合活性で除することで、アルカリ処理による各Fc結合性タンパク質の残存活性割合を算出した。
(1)エラープローンPCRにより、実施例38で作製したFcRm56bをコードするポリヌクレオチドへランダムに変異を導入した。エラープローンPCR反応における反応液組成を表9に示す。なお、鋳型DNAとして実施例38に記載のプラスミドpETFcRm56bを、PCRプライマーとして配列番号120および配列番号121からなる各オリゴヌクレオチドを使用した。PCR反応は、95℃で2分間熱処理後、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。
(2)前記PCR産物を精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2で作製したプラスミドpETMalE(図4)にライゲーション反応により挿入した。反応終了後、得られたライゲーション産物を用いて大腸菌E.coli BL21(DE3)株をエレクトロポレーション法により形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB寒天培地でコロニー形成させることで、FcRm56bのランダム変異形質転換体ライブラリーを作製した。
(1)実施例41で作製したFcRm56bのランダム変異形質転換体ライブラリーを、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で一晩振とう培養した。
(2)培養後、5μLの培養液を500μLの2YT液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清を純水で5倍希釈し、800mMの水酸化ナトリウム水溶液と等量混合し、30℃で180分間アルカリ処理後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)を用いてpHを中性領域に戻した。
(4)実施例12(4)に記載のELISA法を用いて約3000株の形質転換体から得られたFc結合性タンパク質の抗体結合活性を測定し、(3)のアルカリ処理したときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、(3)のアルカリ処理を行なわなかったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで、残存活性割合を算出した。
(5)FcRm56bと比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体よりプラスミドを調製し、前記プラスミドに挿入されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域の配列を、実施例3に記載の方法にて解析し、FcRm56bと比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質に存在したアミノ酸の変異箇所を特定した。
実施例42で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、安定性向上に関与するアミノ酸置換である、Tyr70Phe、Leu207Pro、Tyr230PheおよびSer233Glyを選択し、それらの置換を実施例38に記載のFcRm56bに対してさらに集積し、さらにLeu131GlnおよびLeu203Hisのアミノ酸置換をロイシンに戻す置換を行なうことで、野生型Fc結合性タンパク質に対して57箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm57bを作製した。なお、
(i)Tyr70Pheのアミノ酸置換のために配列番号156(5’−AGGCAATGTGGAAAGTCGGGGTGGA−3’)および配列番号157(5’−TCCACCCCGACTTTCCACATTGCCT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(ii)Leu207Proのアミノ酸置換のために配列番号158(5’−AGCTCAGGGTCACCGGAGTGCCTTCA−3’)および配列番号159(5’−TGAAGGCACTCCGGTGACCCTGAGCT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(iii)Tyr230Pheのアミノ酸置換のために配列番号160(5’−GCCCTTAAAGAACGAGAAATACAGCT−3’)および配列番号161(5’−AGCTGTATTTCTCGTTCTTTAAGGGC−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(iv)Ser233Glyのアミノ酸置換のために配列番号162(5’−TCCGCGCAGGGTTTCGCCGCCCTTA−3’)および配列番号163(5’−TAAGGGCGGCGAAACCCTGCGCGGA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、それぞれ用いた。
(1)実施例42のスクリーニングで取得したFc結合性タンパク質FcRm56bのうち、Leu131GlnおよびLeu203Hisのアミノ酸置換をそれぞれロイシンに戻したFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号68と配列番号156からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm57bp1とした。
(2)実施例42のスクリーニングで取得したFc結合性タンパク質FcRm56b内のLeu131GlnおよびLeu203Hisのアミノ酸置換をそれぞれロイシンに戻したFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号157と配列番号162からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm57bp2とした。
(3)実施例42のスクリーニングで取得したFc結合性タンパク質FcRm56b内のLeu131GlnおよびLeu203Hisのアミノ酸置換をそれぞれロイシンに戻したFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号163と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm57bp3とした。
(4)前記のm57bp1、m57bp2およびm57bp3の3種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm57bp4とした。
(5)前記のm57bp4を精製し、それを鋳型として、配列番号68と配列番号158からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm57bp5とした。
(6)前記のm57bp4を精製し、それを鋳型として、配列番号159と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm57bp6とした。
(7)前記のm57bp5およびm57bp6の2種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm57bp7とした。
(8)前記のm57bp7を精製し、それを鋳型として、配列番号68と配列番号160からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm57bp8とした。
(9)前記のm57bp7を精製し、それを鋳型として、配列番号161と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm57bp9とした。
(10)前記のm57bp8およびm57bp9の2種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物を精製し、野生型Fc結合性タンパク質に対して57箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm57bをコードするポリヌクレオチドを得た。
(11)前記のFcRm57bをコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2に記載の発現ベクターpETMalE(図4)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(12)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、FcRm57bをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm57bを得た。
(13)pETFcRm57bの塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
実施例43と実施例2で作製した形質転換体を実施例14と同様の方法で調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて測定したFc結合性タンパク質の生産性を、培養液濁度(Optical Density at 600nm、OD600)あたりの生産量(mg/L−培養液/OD600)として比較した。
(1)実施例14に記載の方法でFc結合性タンパク質(FcRm56b、FcRm57b)および、野生型Fc結合性タンパク質を調製し実施例12(4)に記載のELISA法にて濃度測定を行なった。
(2)各Fc結合性タンパク質濃度を5μg/mLとなるように希釈し、これに等量の600mMの水酸化ナトリウム水溶液を加え、25℃で120分間放置した。
(3)放置後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)でpHを中性領域に戻してから、(2)のアルカリ処理を行なった試料、および比較として(2)のアルカリ処理を行なわなかった試料の抗体結合活性を、実施例12(4)に記載のELISA法で測定した。
(4)測定したアルカリ処理後の試料の抗体結合活性を、アルカリ処理しないときの試料の抗体結合活性で除することで、アルカリ処理による各Fc結合性タンパク質の残存活性割合を算出した。
(1)エラープローンPCRにより、実施例43で作製したFcRm57bをコードするポリヌクレオチドへランダムに変異を導入した。エラープローンPCR反応における反応液組成を表9に示す。なお、鋳型DNAとして実施例43に記載のプラスミドpETFcRm57bを、PCRプライマーとして配列番号120および配列番号121の各オリゴヌクレオチドを使用した。PCR反応は、95℃で2分間熱処理後、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行ない、最後に72℃で7分間熱処理することで行なった。
(2)前記PCR産物を精製後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2で作製したプラスミドpETMalE(図4)にライゲーション反応により挿入した。
(3)反応終了後、得られたライゲーション産物を用いて大腸菌E.coli BL21(DE3)株をエレクトロポレーション法により形質転換し、50μg/mLのカナマイシンを含むLB寒天培地でコロニー形成させることで、FcRm57bのランダム変異形質転換体ライブラリーを作製した。
(1)実施例46で作製したFcRm57bのランダム変異形質転換体ライブラリーを、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で一晩振とう培養した。
(2)培養後、5μLの培養液を500μLの2YT液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清を純水で5倍希釈し、1000mMの水酸化ナトリウム水溶液と等量混合し、30℃で180分間アルカリ処理後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)を用いてpHを中性領域に戻した。
(4)実施例12(4)に記載のELISA法を用いて約3000株の形質転換体から得られたFc結合性タンパク質の抗体結合活性を測定し、(3)のアルカリ処理したときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性を、(3)のアルカリ処理を行なわなかったときのFc結合性タンパク質の抗体結合活性で除することで、残存活性割合を算出した。
(5)FcRm57bと比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質を発現する形質転換体よりプラスミドを調製し、前記プラスミドに挿入されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド領域の配列を、実施例3に記載の方法にて解析し、FcRm57bと比較して安定性が向上したFc結合性タンパク質に存在したアミノ酸の変異箇所を特定した。
実施例47で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、安定性向上に関与するアミノ酸置換である、Glu118Asp、Thr165Met、Gln246LysおよびVal289Aspを選択し、それらの置換を実施例43に記載のFcRm57bに対してさらに集積して、野生型Fc結合性タンパク質に対して61箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm61を作製し、さらなる安定性向上を図った。なお、
(i)Glu118Aspのアミノ酸置換のために配列番号166(5’−TACAAGCGGGTCGCCTTCGATTAAA−3’)および配列番号167(5’−TTTAATCGAAGGCGACCCGCTTGTA−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、
(ii)Gln246Lysのアミノ酸置換のために配列番号168(5’−GGCTAAAATCTTATACTCACTCGAG−3’)および配列番号169(5’−CTCGAGTGAGTATAAGATTTTAGCC−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを、それぞれ用いた。
(1)実施例47のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm57bにさらにThr165Metが置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号68と配列番号168からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm61p1とした。
(2)実施例47のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm57bにさらにLeu217GlnおよびVal289Aspが置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号169と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm61p2とした。
(3)前記のm61p1およびm61p2の2種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm61p3とした。
(4)前記のm61p3を精製し、それを鋳型として、配列番号68と配列番号166からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm61p4とした。
(5)前記のm61p3を精製し、それを鋳型として、配列番号167と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm61p5とした。
(6)前記のm61p4およびm61p5の2種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物を精製し、野生型Fc結合性タンパク質に対して61箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm61をコードするポリヌクレオチドを得た。
(7)前記のFcRm61をコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2に記載の発現ベクターpETMalE(図4)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(8)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、FcRm61をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm61を得た。
(9)pETFcRm61の塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。シグナル配列およびポリヒスチジンタグを付加したFcRm61のアミノ酸配列を配列番号170に、前記FcRm61をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号171に示す。なお、配列番号170において、1番目のメチオニンから26番目のアラニンまでがMalEシグナルペプチド、27番目のリジンから33番目のグリシンまでがリンカーペプチド、34番目のグルタミンから307番目のバリンまでがFcRm61のアミノ酸配列、308番目から313番目のヒスチジンがポリヒスチジンタグである。また、置換アミノ酸であるThr20Proのプロリンは配列番号170において38番目、Thr25Lysのリジンは43番目、Glu35Leuのロイシンは53番目、Glu36Glyのグリシンは54番目、Thr38Serのセリンは56番目、Leu41Metのメチオニンは59番目、His42Leuのロイシンは60番目、Leu46Proのプロリンは64番目、Pro49Serのセリンは67番目、Ser51Alaのアラニンは69番目、Ser52Glyのグリシンは70番目、Leu58Argのアルギニンは76番目、Gly60Aspのアスパラギン酸は78番目、Thr63Ileのイソロイシンは81番目、Thr65Alaのアラニンは83番目、Ser69Thrのスレオニンは87番目、Tyr70Pheのフェニルアラニンは88番目、Arg71Hisのヒスチジンは89番目、Thr73Alaのアラニンは91番目、Val77Gluのグルタミン酸は95番目、Asn78Aspのアスパラギン酸は96番目、Gln97Leuのロイシンは115番目、Ile100Valのバリンは118番目、Ser111Alaのアラニンは129番目、Phe114Leuのロイシンは132番目、Thr115Ileのイソロイシンは133番目、Glu118Aspのアスパラギン酸は136番目、Ala121Valのバリンは139番目、Lys128Argのアルギニンは146番目、Tyr133Hisのヒスチジンは151番目、Tyr137Pheのフェニルアラニンは155番目、Arg139Hisのヒスチジンは157番目、Trp149Argのアルギニンは167番目、Ser151Thrのスレオニンは169番目、Asn152Thrのスレオニンは170番目、Leu156Proのプロリンは174番目、Lys157Argのアルギニンは175番目、Ile160Thrのスレオニンは178番目、Asn163Serのセリンは181番目、Thr165Metのメチオニンは183番目、Lys173Argのアルギニンは191番目、Ile181Thrのスレオニンは199番目、Ser182Leuのロイシンは200番目、Thr184Serのセリンは202番目、Asn195Thrのスレオニンは213番目、Thr199Alaのアラニンは217番目、Asn206Thrのスレオニンは224番目、Leu207Proのプロリンは225番目、Glu213Valのバリンは231番目、Leu218Ileのイソロイシンは236番目、Tyr230Pheのフェニルアラニンは248番目、Met231Lysのリジンは249番目、Ser233Glyのグリシンは251番目、Lys234Gluのグルタミン酸は252番目、Asn240Aspのアスパラギン酸は258番目、Gln246Lysのリジンは264番目、Thr249Alaのアラニンは267番目、Leu270Valのバリンは288番目、Leu283Hisのヒスチジンは301番目、Leu285Glnのグルタミンは303番目、Val289Aspのアスパラギン酸は307番目の位置にそれぞれある。
実施例47で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、安定性向上に関与するアミノ酸置換である、Thr165Met、Leu217GlnおよびVal289Aspを選択し、それらの置換を実施例43に記載のFcRm57bに対してさらに集積して、野生型Fc結合性タンパク質に対して60箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm60cを作製し、さらなる安定性向上を図った。なお、Thr165Metのアミノ酸置換のために配列番号172(5’−AGCAATGGTACATCCCGCTGTGGGA−3’)および配列番号173(5’−TCCCACAGCGGGATGTACCATTGCT−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いた。
(1)実施例47のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm57bにさらにLeu217GlnおよびVal289Aspが置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号68と配列番号172からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm60cp1とした。
(2)実施例47のスクリーニングで取得した、Fc結合性タンパク質FcRm57bにさらにLeu217GlnおよびVal289Aspが置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドを鋳型として、配列番号173と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm60cp2とした。
(3)前記のm60cp1およびm60cp2の2種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物を精製し、野生型Fc結合性タンパク質に対して60箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm60cをコードするポリヌクレオチドを得た。
(4)前記のFcRm60cをコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2に記載の発現ベクターpETMalE(図4)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(5)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、FcRm60cをコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm60cを得た。
(6)pETFcRm60cの塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
実施例47で明らかになったFc結合性タンパク質の安定性向上に関与するアミノ酸置換の中から、安定性向上に関与するアミノ酸置換である、Glu118Asp、Thr165Met、Leu217Gln、Gln246LysおよびVal289Aspを選択し、それらの置換を実施例43に記載のFcRm57bに対してさらに集積して、野生型Fc結合性タンパク質に対して62箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm62を作製し、さらなる安定性向上を図った。なお、Glu118Aspのアミノ酸置換のために配列番号167からなるオリゴヌクレオチドを、Gln246Lysのアミノ酸置換のために配列番号168からなるオリゴヌクレオチドを用いた。
(1)実施例49のプラスミドpETFcRm60cを鋳型として、配列番号167と配列番号168からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をm62p1とした。
(2)前記のm62p1のPCR産物を精製し、それを実施例48のm61p4および実施例48のm61p2の精製済みの各PCR産物とともに混合後、表7に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表4に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物を精製し、野生型Fc結合性タンパク質に対して62箇所アミノ酸置換処理したFc結合性タンパク質であるFcRm62をコードするポリヌクレオチドを得た。
(3)前記のFcRm62をコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2に記載の発現ベクターpETMalE(図4)にライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(4)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出することで、FcRm62をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRm62を得た。
(5)pETFcRm62の塩基配列の解析を実施例3と同様の方法により行なった。
実施例48から50および実施例2で作製した形質転換体を実施例14と同様の方法で調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて測定したFc結合性タンパク質の生産性を、培養液濁度(Optical Density at 600nm、OD600)あたりの生産量(mg/L−培養液/OD600)として比較した。
(1)実施例14に記載の方法でFc結合性タンパク質(FcRm60c、FcRm61、FcRm62)および、野生型Fc結合性タンパク質を調製し実施例12(4)に記載のELISA法にて濃度測定を行なった。
(2)各Fc結合性タンパク質濃度を5μg/mLとなるように希釈し、これに等量の600mMの水酸化ナトリウム水溶液を加え、25℃で180分間放置した。
(3)放置後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)でpHを中性領域に戻してから、(2)のアルカリ処理を行なった試料、および比較として(2)のアルカリ処理を行なわなかった試料の抗体結合活性を、実施例12(4)に記載のELISA法で測定した。
(4)測定したアルカリ処理後の試料の抗体結合活性を、アルカリ処理しないときの試料の抗体結合活性で除することで、アルカリ処理による各Fc結合性タンパク質の残存活性割合を算出した。
実施例13、18、23、28、33、38および43で作製したFc結合性タンパク質(FcRm32、FcRm36b、FcRm44、FcRm48、FcRm54b、FcRm56b、FcRm57b)を実施例9に記載の方法で調製した。調製したFc結合性タンパク質を実施例10と同様の方法にて変性中点温度(Tm)の測定を行なった。その結果を表18に示す。
(1)実施例2、7(d)、13、18、23、28、33、38、43、48、49および50で作製した野生型Fc結合性タンパク質または、Fc結合性タンパク質を実施例14に記載の方法で調製し、実施例12(4)に記載のELISA法にて濃度測定を行なった。
(2)各Fc結合性タンパク質濃度を2μg/mLとなるように希釈し、これに等量の100mM クエン酸緩衝液(pH3.0)を加え、25℃で24時間放置した。
(3)放置後、1MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)でpHを中性領域に戻してから、(2)の酸処理を行なった試料、および比較として(2)の酸処理を行なわなかった試料の抗体結合活性を、実施例12(4)に記載のELISA法で測定した。
(4)測定した酸処理後の試料の抗体結合活性を、酸処理しないときの試料の抗体結合活性で除することで、酸処理による各Fc結合性タンパク質の残存活性割合を算出した。
実施例5で明らかになったFc結合性タンパク質の熱安定性向上に関与するアミノ酸置換のうち、配列番号1に記載のアミノ酸配列における46番目のロイシン(Leu46)がプロリン(Pro)に置換することで熱安定性の向上が特に著しかった(表6)。そこで、46番目のロイシンを置換することの有用性を再評価するため、46番目のロイシンを他のアミノ酸で置換したFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドと、その形質転換体を作製した。なお、46番目のロイシンを任意のアミノ酸に置換するために配列番号178(5’−ACGTTGCACTGCGAAGTANNKCATCTGCCTGGG−3’)および配列番号179(5’−ACTTGACCCAGGCAGATGMNNTACTTCGCAGTG−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いた。
(1)実施例2で作製した、野生型Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRを鋳型として、配列番号68と配列番号179からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表19に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をL46p1とした。
(3)前記のL46p1およびL46p2の2種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表20に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表19に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。こうして野生型Fc結合性タンパク質の46番目のアミノ酸が任意のアミノ酸に置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを得た。得られたPCR産物をL46p3とした。
(5)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出し、実施例3に記載の方法にて配列解析を行ない、46番目のロイシン(Leu)がアラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン(Gln)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、リジン(Lys)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)またはトリプトファン(Trp)に置換されたFc結合性タンパク質を発現する形質転換体を得た。
(1)前記形質転換体を、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で一晩振とう培養した。
(2)培養後、50μLの培養液を500μLの2YT液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で5倍希釈し、実施例12(4)に記載のELISA法を用いて抗体結合活性を測定した。
実施例5で明らかになったFc結合性タンパク質の熱安定性向上に関与するアミノ酸置換のうち、配列番号1に記載のアミノ酸配列における114番目のフェニルアラニン(Phe114)がロイシン(Leu)に置換することで熱安定性の向上が特に著しかった(表6)。そこで、114番目のフェニルアラニンを置換することの有用性を再評価するため、114番目のフェニルアラニンを他のアミノ酸で置換した変異Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドと、その形質転換体を作製した。なお、114番目のフェニルアラニンを任意のアミノ酸に置換するために配列番号180(5’−CAGGTTAGCTCCCGCGTTNNKACCGAAGGCGA−3’)および配列番号181(5’−AAGCGGTTCGCCTTCGGTMNNAACGCGGGAGC−3’)からなる各オリゴヌクレオチドを用いた。
(1)実施例2で作製した、野生型Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRを鋳型として、配列番号68と配列番号181からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表19に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をF114p1とした。
(2)実施例2で作製した、野生型Fc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミドpETFcRを鋳型として、配列番号180と配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表19に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。得られたPCR産物をF114p2とした。
(3)前記のF114p1およびF114p2の2種類のPCR産物を精製し、それぞれを混合後、表20に示す反応液組成で、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとするPCR反応を5サイクル行なうことでPCR反応を行ない、PCR産物を連結した。このPCR産物を鋳型とし、配列番号68および配列番号69からなる各オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとしてPCR反応を実施した。PCR反応は表19に示す反応液組成のもと、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル行なった。こうして野生型Fc結合性タンパク質の114番目のアミノ酸が任意のアミノ酸に置換されたFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチドを得た。得られたPCR産物をF114p3とした。
(4)前記のF114p3を精製し、制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、制限酵素NcoIとHindIIIで消化した実施例2に記載の発現ベクターpETMalEにライゲーションし、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
(5)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、菌体よりプラスミドを抽出し、実施例3に記載の方法にて配列解析を行ない。114番目のフェニルアラニン(Phe)がアラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)またはバリン(Val)に置換されたFc結合性タンパク質を発現する形質転換体を得た。
(1)前記形質転換体を、50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地200μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で一晩振とう培養した。
(2)培養後、50μLの培養液を500μLの2YT液体培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で一晩振とう培養した。
(3)培養後、遠心操作により得られる培養上清を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で5倍希釈し、実施例12(4)に記載のELISA法を用いて抗体結合活性を測定した。
(1)実施例7(d)で作製した形質転換体を用いて実施例9に記載の方法でFc結合性タンパク質FcRm19を調製した。
(2)得られた6.9mg/mLのFcRm19溶液0.4mLと0.1mLのエポキシ基導入トヨパールゲル(東ソー社製)とを混合し、終濃度0.6Mとなるようにリン酸カリウム緩衝液を加え、20℃で14時間反応させた。
(3)反応後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルから反応残渣を除去し、20mMのPBS(pH7.0)にてゲルを洗浄してFcRm19固定化ゲルを調製した。
(4)反応残渣のFc結合性タンパク質量をブラッドフォード法にて定量し、仕込みFc結合性タンパク質量にて除することにより固定化率を算出した。
(1)実施例59で調製したFc結合性タンパク質(FcRm19)固定化ゲル0.1mLに対し、20mMのPBS(pH7.0)に溶解した10mg/mLのガンマグロブリン製剤(化学及血清療法研究所製、以下IgGと表記)を0.5mL添加し、15℃で1時間振とうした。
(2)振とう後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルからIgG溶液を除去し、0.2mLの20mMのPBS(pH7.0)にて5回ゲルを洗浄した。
(3)最後に、0.2mLの100mMのクエン酸緩衝液(pH3.0)を3回流してゲルに吸着したIgGを溶出させた。
(1)実施例59で調製したFc結合性タンパク質(FcRm19)固定化ゲル0.1mLをカラムに充填し、2mLの20mMのPBS(pH7.0)に溶解した3mg/mLのIgGを添加してIgGをゲルに吸着させた。
(2)カラムを20mMのPBS(pH7.0)にて充分洗浄した後、pH3.0からpH4.2の範囲にある任意のpHの100mMクエン酸緩衝液を2mL流し、IgGを溶出させた(これを溶出液1とする)。
(3)最後にpH3.0の100mMクエン酸緩衝液を2mL流してゲルに吸着したIgGを完全に溶出させた(これを溶出液2とする)。
(4)溶出液1および2におけるIgGの定量を実施例60に記載した280nmの吸光度測定にて行ない、下記の式1にて各々のpHの溶出液におけるIgG溶出割合を求めた。
溶出液1のIgG量÷(溶出液1のIgG量+溶出液2のIgG量)×100
・・・・・・(式1)
結果、抗体溶出割合はpH3.0のとき99.1%、pH3.4のとき87.4%、pH3.8のとき51.3%、pH4.2のとき22.0%であった。各pHにおける抗体溶出割合をまとめたものを図25に示す。
(1)実施例13で作製した形質転換体を用いて実施例9に記載の方法でFc結合性タンパク質FcRm32を調製した。
(2)得られた8.1mg/mLのFc結合性タンパク質(FcRm32)溶液0.3mLと0.1mLのエポキシ基導入トヨパールゲル(東ソー社製)とを混合し、終濃度1.0Mとなるようにリン酸カリウム緩衝液を加え、20℃で14時間反応させた。
(3)反応後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルから反応残渣を除去し、20mMのPBS(pH7.0)にてゲルを洗浄してFcRm32固定化ゲルを調製した。
(4)反応残渣のFcRm32量をブラッドフォード法にて定量し、仕込みFc結合性タンパク質量にて除することにより固定化率を算出した。
(1)実施例62で調製したFc結合性タンパク質(FcRm32)固定化ゲル0.1mLに対し、20mMのPBS(pH7.0)に溶解した10mg/mLのIgGを0.5mL添加し、15℃で1時間振とうした。
(2)振とう後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルからIgG溶液を除去し、0.2mLの20mMのPBS(pH7.0)にて5回ゲルを洗浄した。
(3)最後に、0.2mLの100mMのクエン酸緩衝液(pH3.0)を3回流してゲルに吸着したIgGを溶出させた。
(1)実施例62で調製したFc結合性タンパク質(FcRm32)固定化ゲル0.1mLをカラムに充填し、2mLの20mMのPBS(pH7.0)に溶解した3mg/mLのIgG(化学及血清療法研究所製)を通液してIgGをゲルに吸着させた。
(2)カラムを20mMのPBS(pH7.0)にて充分洗浄した後、pH3.0からpH4.2の範囲にある任意のpHの100mMクエン酸緩衝液を2mL流し、IgGを溶出させた(これを溶出液1とする)。
(3)最後にpH3.0の100mMクエン酸緩衝液を2mL流してゲルに吸着したIgGを完全に溶出させた(これを溶出液2とする)。
(4)溶出液1および2におけるIgGの定量を実施例60に記載した280nmの吸光度測定にて行ない、実施例61に記載の式1にて各々のpHの溶出液におけるIgG溶出割合を求めた。
(1)実施例18で作製した形質転換体を用いて実施例9に記載の方法にてFc結合性タンパク質FcRm36bを調製した。
(2)得られた15.5mg/mLのFcRm36b溶液0.1mLと0.05mLのエポキシ基導入トヨパールゲル(東ソー社製)とを混合し、終濃度0.8Mとなるようにリン酸カリウム緩衝液を加え、35℃で5時間反応させた。
(3)反応後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルから反応残渣を除去し、20mMのPBS(pH7.0)にてゲルを洗浄してFcRm36b固定化ゲルを調製した。
(4)反応残渣のFc結合性タンパク質量をブラッドフォード法にて定量し、仕込みFc結合性タンパク質量にて除することにより固定化率を算出した。
(1)実施例65で調製したFc結合性タンパク質(FcRm36b)固定化ゲル0.05mLに対し、20mMのPBS(pH7.0)に溶解した10mg/mLのIgGを0.5mL添加し、15℃で1時間振とうした。
(2)振とう後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルからIgG溶液を除去し、0.2mLの20mMのPBS(pH7.0)にて5回ゲルを洗浄した。
(3)最後に、0.2mLの100mMのクエン酸緩衝液(pH3.0)を3回流してゲルに吸着したIgGを溶出させた。
(1)実施例65で調製したFc結合性タンパク質(FcRm36b)固定化ゲル0.05mLをカラムに充填し、2mLの20mMのPBS(pH7.0)に溶解した3mg/mLのIgG(化学及血清療法研究所製)を通液してIgGをゲルに吸着させた。
(2)カラムを20mMのPBS(pH7.0)にて充分洗浄した後、pH3.0からpH4.2の範囲にある任意のpHの100mMクエン酸緩衝液を2mL流し、IgGを溶出させた(これを溶出液1とする)。
(3)最後にpH3.0の100mMクエン酸緩衝液を2mL流してゲルに吸着したIgGを完全に溶出させた(これを溶出液2とする)。
(4)溶出液1および2におけるIgGの定量を実施例60に記載した280nmの吸光度測定にて行ない、実施例61に記載の式1にて各々のpHの溶出液におけるIgG溶出割合を求めた。
(1)実施例28で作製した形質転換体を用いて実施例9に記載の方法でFc結合性タンパク質FcRm48を調製した。
(2)得られた8.8mg/mLのFcRm48溶液0.1mLと0.05mLのエポキシ基導入トヨパールゲル(東ソー社製)とを混合し、終濃度0.8Mとなるようにリン酸カリウム緩衝液を加え、35℃で5時間反応させた。
(3)その後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルから反応残渣を除去し、20mMのPBS(pH7.0)にてゲルを洗浄してFc結合性タンパク質(FcRm48)固定化ゲルを調製した。
(4)反応残渣のFc結合性タンパク質量をブラッドフォード法にて定量し、仕込みFc結合性タンパク質量にて除することにより固定化率を算出した。
(1)実施例68で調製したFc結合性タンパク質(FcRm48)固定化ゲル0.05mLに対し、20mMのPBS(pH7.0)に溶解した10mg/mLのIgGを0.5mL添加し、15℃で1時間振とうした。
(2)その後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルからIgG溶液を除去し、0.2mLの20mMのPBS(pH7.0)にて5回ゲルを洗浄した。
(3)最後に、0.2mLの100mMのクエン酸緩衝液(pH3.0)を3回流してゲルに吸着したIgGを溶出させた。
(1)実施例68で調製したFc結合性タンパク質(FcRm48)固定化ゲル0.05mLをカラムに充填し、2mLの20mMのPBS(pH7.0)に溶解した3mg/mLのIgG(化学及血清療法研究所製)を通液してIgGをゲルに吸着させた。
(2)カラムを20mMのPBS(pH7.0)にて充分洗浄した後、pH3.0からpH4.2の範囲にある任意のpHの100mMクエン酸緩衝液を2mL流し、IgGを溶出させた(これを溶出液1とする)。
(3)最後にpH3.0の100mMクエン酸緩衝液を2mL流してゲルに吸着したIgGを完全に溶出させた(これを溶出液2とする)。
(4)溶出液1および2におけるIgGの定量を実施例60に記載した280nmの吸光度測定にて行ない、実施例61に記載の式1にて各々のpHの溶出液におけるIgG溶出割合を求めた。
(1)実施例38で作製した形質転換体を用いて実施例9に記載の方法でFc結合性タンパク質FcRm56bを調製した。
(2)得られた13.2mg/mLのFcRm56b溶液1.0mLと0.5mLのエポキシ基導入トヨパールゲル(東ソー社製)とを混合し、終濃度0.8Mとなるようにリン酸カリウム緩衝液を加え、35℃で5時間反応させた。
(3)反応後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルから反応残渣を除去し、20mMのPBS(pH7.0)にてゲルを洗浄してFc結合性タンパク質(FcRm56b)固定化ゲルを調製した。
(4)反応残渣のFc結合性タンパク質量をブラッドフォード法にて定量し、仕込みFc結合性タンパク質量にて除することにより固定化率を算出した。
(1)実施例71で調製したFc結合性タンパク質(FcRm56b)固定化ゲル0.5mLに対し、20mMのPBS(pH7.0)に溶解した10mg/mLのIgGを3.0mL添加し、15℃で1時間振とうした。
(2)振とう後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルからIgG溶液を除去し、1.0mLの20mMのPBS(pH7.0)にて5回ゲルを洗浄した。
(3)最後に、1.0mLの100mMのクエン酸緩衝液(pH3.0)を3回流してゲルに吸着したIgGを溶出させた。
(1)実施例71で調製したFc結合性タンパク質(FcRm56b)固定化ゲル0.1mLをカラムに充填し、2mLの20mMのPBS(pH7.0)に溶解した3mg/mLのIgG(化学及血清療法研究所製)を通液してIgGをゲルに吸着させた。
(2)カラムを20mMのPBS(pH7.0)にて充分洗浄した後、pH3.0からpH4.2の範囲にある任意のpHの100mMクエン酸緩衝液を2mL流し、IgGを溶出させた(これを溶出液1とする)。
(3)最後にpH3.0の100mMクエン酸緩衝液を2mL流してゲルに吸着したIgGを完全に溶出させた(これを溶出液2とする)。
(4)溶出液1および2におけるIgGの定量を実施例60に記載した280nmの吸光度測定にて行ない、実施例61に記載の式1にて各々のpHの溶出液におけるIgG溶出割合を求めた。
(1)実施例43で作製した形質転換体を用いて実施例9に記載の方法でFc結合性タンパク質FcRm57bを調製した。
(2)得られた8.9mg/mLのFcRm57b溶液1.0mLと0.4mLのエポキシ基導入トヨパールゲル(東ソー社製)とを混合し、終濃度0.8Mとなるようにリン酸カリウム緩衝液を加え、35℃で5時間反応させた。
(3)反応後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルから反応残渣を除去し、20mMのPBS(pH7.0)にてゲルを洗浄してFc結合性タンパク質(FcRm57b)固定化ゲルを調製した。
(4)反応残渣のFc結合性タンパク質量をブラッドフォード法にて定量し、仕込みFc結合性タンパク質量にて除することにより固定化率を算出した。
(1)実施例74で調製したFc結合性タンパク質(FcRm57b)固定化ゲル0.4mLに対し、20mMのPBS(pH7.0)に溶解した10mg/mLのIgGを3.0mL添加し、15℃で1時間振とうした。
(2)その後、フィルターろ過(ポアサイズ:10μm)にてゲルからIgG溶液を除去し、1.0mLの20mMのPBS(pH7.0)にて5回ゲルを洗浄した。
(3)最後に、1.0mLの100mMのクエン酸緩衝液(pH3.0)を3回流してゲルに吸着したIgGを溶出させた。
(1)実施例74で調製したFc結合性タンパク質(FcRm57b)固定化ゲル0.1mLをカラムに充填し、2mLの20mMのPBS(pH7.0)に溶解した3mg/mLのIgG(化学及血清療法研究所製)を通液してIgGをゲルに吸着させた。
(2)カラムを20mMのPBS(pH7.0)にて充分洗浄した後、pH3.0からpH4.2の範囲にある任意のpHの100mMクエン酸緩衝液を2mL流し、IgGを溶出させた(これを溶出液1とする)。
(3)最後にpH3.0の100mMクエン酸緩衝液を2mL流してゲルに吸着したIgGを完全に溶出させた(これを溶出液2とする)。
(4)溶出液1および2におけるIgGの定量を実施例60に記載した280nmの吸光度測定にて行ない、実施例61に記載の式1にて各々のpHの溶出液におけるIgG溶出割合を求めた。
(1)実施例62、実施例65および実施例71で作製したFc結合性タンパク質固定化ゲルを、20mMのPBS(pH7.0)にてそれぞれ20%スラリーとし、フィルター付きスピンカラム(マイクロバイオスピンカラム、バイオラッド社製)4本に50μLずつ分注した。
(2)(1)で作製したカラムのうち3本について、フィルターろ過にてゲルスラリーからPBSを除き、0.15mLの0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液にてゲルを1回洗浄した後、再度0.15mLの水酸化ナトリウム水溶液を添加した。
(3)前記3本のカラムを20℃でそれぞれ1時間、3時間、24時間放置した後、0.2mLの20mMのPBS(pH7.0)にて3回洗浄した。
(4)得られたカラム(アルカリ処理時間:0時間、1時間、3時間、24時間)に対し、20mMのPBS(pH7.0)に溶解した10mg/mLのIgG(化学及血清療法研究所製)を0.2mL添加後、15℃で1時間振とうした。
(5)振とう後、フィルターろ過にてゲルからIgG溶液を除去し、0.2mLの20mMのPBS(pH7.0)にて5回ゲルを洗浄した。
(6)最後に、0.1mLの100mMクエン酸緩衝液(pH3.0)を3回流してゲルに吸着したIgGを溶出させた。
(7)溶出させたIgGの定量を実施例60に記載の280nmの吸光度測定にて行ない、ゲルのIgG吸着量を算出した。
実施例71で作製したFc結合性タンパク質(FcRm56b)固定化ゲル0.2mLをカラムに充填し、表23に示すサイクルで緩衝液を繰り返し通液した。なお、1回目、30回目、50回目、70回目、90回目、110回目、130回目および150回目では、表24に示すサイクルで緩衝液およびIgG溶液を通液し、カラムのIgG吸着量を算出した。
Claims (10)
- 配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち、16番目から289番目までのアミノ酸を含むFc結合性タンパク質であって、以下に記載のアミノ酸置換を少なくとも含む、該Fc結合性タンパク質。
配列番号1の114番目のフェニルアラニンがロイシンに置換 - 配列番号2、3、4、5、114、118、130、134、148、154、164、170、174および176のいずれかに記載のアミノ酸配列のうち、34番目から307番目までのアミノ酸を含む、請求項1に記載のFc結合性タンパク質。
- 配列番号2、3、4、5、114、118、130、134、148、154、164、170、174および176のいずれかに記載のアミノ酸配列からなる、請求項2に記載のFc結合性タンパク質。
- 請求項1から3のいずれかに記載のFc結合性タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
- 請求項4に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
- 請求項5に記載の発現ベクターで宿主を形質転換して得られる形質転換体。
- 宿主が大腸菌である、請求項6に記載の形質転換体。
- 請求項6または7に記載の形質転換体を用いた、Fc結合性タンパク質の製造方法。
- 請求項1から3のいずれかに記載のFc結合性タンパク質を固相に固定化して得られる、Fc結合性タンパク質結合部位を含むタンパク質を吸着する吸着材。
- (1)配列番号114、118、130、134、148、154、164、170、174および176のいずれかに記載のアミノ酸配列からなるFc結合性タンパク質を固相に固定化して得られる、Fc結合性タンパク質結合部位を含むタンパク質を吸着する吸着材に、抗体を含む溶液を添加して該吸着材に該抗体を吸着させる工程と、
(2)該吸着材に吸着した該抗体をpH3.0から4.5の緩衝液を用いて溶出させる工程と、
を含む抗体精製法。
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