以下、本発明の読み取り処理装置、読み取り処理システム、読み取り処理方法、読み取り処理プログラムを適用した実施の形態について説明する。
<実施の形態1>
図1は、実施の形態1の読み取り処理システムの概略的な構成を示す図である。
実施の形態1の読み取り処理システム1は、リーダ10、アンテナ21、22、サーバ30を含む。
リーダ10は、RFIDタグ5A、5B、5C、5Dを読み取る読み取り装置であり、アンテナ21、22が接続される。また、リーダ10は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、又はその他のネットワークによってサーバ30に接続されている。
図1には、リーダ10に2つのアンテナ21、22が接続される形態を示すが、アンテナは1つ以上あれば、幾つであってもよい。また、図1には4つのRFIDタグ5A〜5Dを示すが、RFIDタグの数は幾つであってもよい。また、1つのサーバ30に複数のリーダ10が接続されていてもよい。
リーダ10は、アンテナ21、22を介して無線通信でコマンド及び応答信号等のデータの送受信を行うことにより、RFIDタグ5A〜5Dとデータの送受信を行う。
コマンド及び応答信号等の送受信は、予め定められたプロトコルに従って行われる。例えば、860MHz〜960MHzの通信周波数帯域を用いるUHF帯のRFIDタグ用の標準プロトコルとして、ISO18000−6タイプC等の規格が用いられる。
リーダ10は、予め与えられた読み取り条件に従ってRFIDタグ5A〜5Dの読み取りを繰り返し行う。RFIDタグ5A〜5Dの読み取り時に、リーダ10は、アンテナ21、22から一定の電波強度で電波の届く範囲にあるRFIDタグ5A〜5Dと交信する。
リーダ10は、RFIDタグ5A〜5Dから受信したデータを予め設定されたタイミングでサーバ30に送信する。サーバ30は、リーダ10から受信したデータをプログラムに従って処理する。
サーバ30は、リーダ10にRFIDタグ5A〜5Dの読み取りを行う指令を送信し、リーダ10で読み取られたRFIDタグ5A〜5Dの識別データ(Identifier、以下IDと称す)を受信する。サーバ30は、リーダ10で読み取られたRFIDタグ5A〜5DのIDを集約して業務アプリケーションに受け渡す。
ここで、サーバ30は、実施の形態1の読み取り処理システム1において、リーダ10の上位に位置するサーバである。また、業務アプリケーションは、例えば、RFIDタグ5A〜5DのIDを用いて物品等の管理を行うアプリケーションである。
RFIDタグ5A〜5Dは、主な構成要素として、ICチップとアンテナを含む。ICCチップは、IDを内部メモリに記憶し、リーダ10からコマンドを受信すると、IDを送り返す処理を行う。アンテナは、リーダ10との無線通信に用いられる。
RFIDタグ5A〜5Dは、例えば、識別の必要な物品等に貼付される。物品は、例えば、物流等で搬送される物品であってもよいし、人間が所持する物品であってもよい。
RFIDタグ5A〜5Dには、個々の物品を識別するために用いられるIDに加えて、RFID5A〜5Dが貼付される物品等に関するデータ(例えば、物品の種類又は製造日等)、又は物品を所持する人間に関するデータ等(例えば、社員番号等)が格納されていてもよい。
実施の形態1の読み取り処理システム1で用いるRFIDタグ5A〜5Dは、例えば、UHF帯の通信周波数帯域を用いた電波方式のものである。RFIDタグ5A〜5Dは、リーダ10のアンテナ21、22から送信される高周波信号を受信すると、ICチップの駆動に必要な電流を発生する。
RFIDタグ5A〜5Dの内部で発生した電流は、整流後に調整された供給電圧としてICチップに供給され、RFIDタグ5A〜5Dは動作可能な状態になる。なお、実施の形態1では、電源を内蔵しないパッシブ型のRFIDタグを用いるが、RFIDタグ5A〜5Dは、電源を内蔵するアクティブ型のRFIDタグであってもよい。
図1に示すように、リーダ10に接続されるアンテナ21、22は、読み取り可能領域23を有する。読み取り可能領域23は、アンテナ21がRFIDタグ5A〜5Dを読み取ることのできる領域と、アンテナ22がRFIDタグ5A〜5Dを読み取ることのできる領域との合計の領域である。
読み取り可能領域23は、RFID5A〜5Dを用いた物品等の管理を行う場所に設置される。
図2は、実施の形態1の読み取り処理システム1の読み取り可能領域の一例を示す図である。なお、以下では、RFIDタグ5A〜5Dを特に区別しない場合には、単にRFIDタグ5と称す。
例えば、RFIDタグ5を貼付した物品6の配送を行う配送センタでは、一般的に、配送先の異なるトラックに物品を積み込む積載スペースの手前にゲート41が設置されており、ゲート41には、リーダ10のアンテナ21、22が配置されている。なお、配送センタに複数あるゲート41の各々に設置される読み取り可能領域23は、各読み取り可能領域23を識別する識別情報を用いて、リーダ10及びサーバ30で管理されている。
RFIDタグ5が貼付された物品6を積載したフォークリフト7がアンテナ21、22の読み取り可能領域23に差し掛かると、リーダ10(図1参照)がRFIDタグ5のIDを読み取る。リーダ10が読み取ったRFIDタグ5のIDは、サーバ30(図1参照)に送信される。
サーバ30は、リーダ10から受信したRFIDタグ5のIDと、読み取り可能領域23の識別情報とを関連付けてデータベースに登録することにより、物品等の管理を行う。
実施の形態1の読み取り処理システム1は、例えば、図2に示すような配送センタで利用される。
次に、図3を用いて、実施の形態1の読み取り処理システム1のハードウェア構成について説明する。
図3は、実施の形態1の読み取り処理システム1のハードウェア構成を示す図である。
読み取り処理システム1は、リーダ10、10A、アンテナ21、22、及びサーバ30を含む。
図3には、2つのリーダ10、10Aがネットワーク50を介してサーバ30に接続されており、リーダ10のアンテナ21、22がRFIDタグ5A〜5Dと通信を行うとともに、リーダ10Aのアンテナ21、22がRFIDタグ5E、5Fと通信を行っている状態を示す。
リーダ10Aは、リーダ10と同様であるため、以下ではリーダ10についてのみ説明する。なお、RFIDタグ5E、5Fは、RFIDタグ5A〜5Dと同様のRFIDタグである。
リーダ10は、制御部11、通信部12、送受信部13、ROM(Read Only Memory)14A、RAM(Random Access Memory)14B、及び入出力部15を含み、アンテナ21、22が接続されている。制御部11、通信部12、送受信部13、ROM14A、RAM14B、入出力部15、及びアンテナ21、22は、バスを介して相互に接続されている。リーダ10は、読み取り処理装置の一例である。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等の演算処理部を有する。制御部11は、ROM14A及びRAM14B等に予め記憶されている動作手順に従って、送受信部13及びアンテナ21、22を介してRFIDタグ5A〜5Dと無線通信を行うことにより、読み取り処理を行う。
通信部12は、ネットワーク50を介して、サーバ30との間でデータ通信を行う。通信部12としては、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)を利用した通信を行うための通信モジュールを用いることができる。
送受信部13は、RFIDタグ5A〜5Dとの間でデータの送受信を行う。送受信部13によるデータの送受信の手順については後述する。
ROM14Aは、制御部11を動作させるために必要な制御プログラムを格納する。ROM14Aに格納される制御プログラムは、制御部11によって実行される際に、RAM14Bに展開される。
RAM14Bは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、又はフラッシュメモリ等であればよい。
RAM14Bには、制御部11が制御プログラムを実行する際に発生するデータが一時的に記憶される。RAM14Bに記憶されるデータとしては、例えば、RFIDタグ5A〜5DのID、又は、制御プログラムの実行に必要な各種パラメータ等がある。
入出力部15には、光学センサ又は触感センサ等のセンサ16が接続されている。入出力部15は、センサ16からの検知信号が入力されるインタフェースである。
例えば、センサ16は、アンテナ21、22(図2参照)の手前に配設され、アンテナ21、22に接近する物品又は人間を検知する。
従って、例えば、センサ16が物品又は人間の通過を検知して検知信号を出力すると、リーダ10は、入出力部15を介して入力される検知信号に基づいて物品又は人間の通過を認識し、RFIDタグ5A〜5Dの読み取り処理の開始又は終了等を制御する。
リーダ10は、具体的には、例えば、以下の手順により、送受信部13及びアンテナ21、22を介してRFIDタグ5A〜5Dとの間でデータの送受信を行う。
まず、リーダ10は、アンテナ21、22の読み取り可能領域23(図1、図2参照)に存在するRFIDタグ5A〜5Dの探索(インベントリ)を行う。リーダ10が送信した探索コマンドを受信したRFIDタグ5A〜5Dは、ICチップに電流が供給されて動作可能になると、探索コマンドへの応答として自己のIDを表すIDデータをリーダ10に送信する。これにより、リーダ10は、RFIDタグ5A〜5DのIDを識別する。
リーダ10が探索コマンドを送信する際に、アンテナ21、22の読み取り可能領域23に複数のRFIDタグ5A〜5Dが存在する場合には、複数のRFIDタグ5A〜5Dが探索コマンドへの応答を同時に送信すると、互いの応答が干渉してリーダ10が応答を受信できない状況が発生しうる。このような状況は、各RFIDタグ5A〜5Dの応答が衝突することによって生じる。
このため、RFIDタグ5A〜5D及びリーダ10には、上述のように応答を受信できない状況を未然に回避するための機能が実装されている。
衝突が発生すると、リーダ10とRFIDタグ5A〜5Dとの間で定められた衝突回避プロトコルに従って、RFIDタグ5A〜5Dからの応答の抑制等が行われ、リーダ10は、RFIDタグ5A〜5Dから順番にIDを含む応答を受信する。これにより、RFIDタグ5A〜5Dからの応答の衝突を回避でき、各RFIDタグ5A〜5DのIDを受信することによって識別が行われる。
RFIDタグ5A〜5DがIDの他に物品等のデータを保持する場合には、リーダ10とRFIDタグ5A〜5Dとの間でさらにデータ読取コマンドやデータ書込コマンドを送受信することで、データの読み出しや書き込みを行うことができる。
リーダ10は、事前に指定された条件に従って探索コマンドを繰り返し発信する。RFIDタグ5A〜5Dは、探索コマンドを受信するたびに、記憶しているID等のデータを送信する。
従って、リーダ10が探索コマンドを発信するたびに、アンテナ21、22の読み取り可能領域23に存在するRFIDタグ5A〜5Dが応答し、電波環境に問題がなければ、各々のRFIDタグ5A〜5Dが応答した回数分のデータをリーダ10が受信することになる。
実施の形態1の読み取り処理システム1のリーダ10は、RFIDタグ5A〜5Dの各々から繰り返し受信するデータの信号強度を用いて、読み取りの必要のない(不要な)RFIDタグからの応答を判別する。
ここで、読み取りの必要のない(不要な)RFIDタグとは、ゲート41を通過することなく、例えば、ゲート41の近くに存在することによってIDが読み取られるRFIDタグである。
特に、読み取りが可能な範囲が広いRFIDタグでは、ゲート41を通過しなくても、ゲート41の近くに存在するだけで、IDが読み取られることがある。また、RFIDタグの周囲をフォークリフト7等が通過する際に、アンテナ21、22とRFIDタグとの間に反射等による信号パスが生じることにより、本来読み取られないRFIDタグが読み取られる場合がある。
実施の形態1の読み取り処理システム1は、上述のように本来読み取る必要のない不要なRFIDタグと、読み取る必要のあるRFIDタグとを判別することにより、RFIDタグの読み取り精度を改善する。
例えば、実施の形態1の読み取り処理システム1をRFIDタグが貼付された物品の管理に用いる場合に、読み取る必要のあるRFIDタグは、物品を管理するためのデータベースへの登録が必要なRFIDタグである。また、本来読み取る必要のない不要なRFIDタグは、データベースへの登録が不要なRFIDタグである。
サーバ30は、制御部31、通信部32、記憶装置33A、ROM33B、RAM33C、表示部34、及び操作部35を含む。制御部31、記憶装置33A、通信部32、ROM33B、RAM33C、表示部34、及び操作部35は、バスを介して相互に接続されている。
制御部31は、CPU又はMPU等の演算処理部を有する。制御部31がMPUを有する場合は、ROM33B及びRAM33Cは制御部31に組み込まれていてもよい。
制御部31は、所定のタイミングに従って、記憶装置33A又はROM33Bに格納されている制御プログラムをRAM33Cに読み出して実行するとともに、通信部32及び表示部34等の動作を制御する。
制御部31は、リーダ10の制御部11が読み取り処理で生成する応答信号を受信し、応答信号に含まれるRFIDタグのIDを管理用のデータベースに登録する。
通信部32は、ネットワーク50を介してリーダ10とデータ通信を行い、リーダ10が読み取ったRFIDタグ5のデータを受信する。通信部32としては、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)を利用した通信を行うための通信モジュールを用いることができる。
記憶装置33Aは、ハードディスク又はフラッシュメモリのような不揮発性の記憶装置である。記憶装置33Aには、RFIDタグの管理用のデータベース、サーバ30を動作させるために必要な種々の制御プログラム、及び事前に蓄積してあるデータ等が格納されている。
ROM33Bは、制御部31を動作させるために必要な制御プログラムを格納する。ROM33Bに格納される制御プログラムは、制御部31によって実行される際に、RAM33Cに展開される。
RAM33Cは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、又はフラッシュメモリ等であればよい。
RAM33Cには、制御部31が制御プログラムを実行する際に発生する種々のデータが一時的に記憶される。RAM33Cに記憶される種々のデータとしては、例えば、リーダ10から受信した応答信号に含まれるRFIDタグ5のID、又は、制御プログラムの実行に必要な各種パラメータ等がある。応答信号に含まれるRFIDタグ5のIDは、RAM33Cに一時的に記憶された後に、記憶装置33Aのデータベースに登録される。
表示部34は、例えば、液晶ディスプレイであり、制御部31からの指令に従って、サーバ30の動作状況、操作部35を介して入力された情報、操作者に対して通知すべき情報等を表示する。
操作部35は、サーバ30の操作者がサーバ30を操作するための入力インタフェースであり、例えば、キーボードとマウスである。
なお、表示部34及び操作部35は、操作者とのインタフェースである。ネットワーク50を介して他の機器に情報等の表示を行う場合は、サーバ30が表示部34を有しなくてもよい。同様に、ネットワーク50を介して他の機器からサーバ30に操作用の入力を行う場合は、サーバ30が操作部35を有しなくてもよい。
図4は、実施の形態1の読み取り処理システム1のブロック構成を示す図である。図4は、図3に示すリーダ10の制御部11と、サーバ30の制御部31とをそれぞれ機能ブロックに置き換えた図である。
なお、図4では、図3に示す入出力部15、表示部35、及び操作部36を省略する。
リーダ10は、制御部11、通信部12、送受信部13、及び記憶部14を含む。
制御部11は、読み取り制御部111、応答生成部112、及び読み取り処理部113を有する。
読み取り制御部111は、記憶部14に格納されている読み取り制御設定データ141に従って、送受信部13を通じてRFIDタグ5A〜5Dの探索(インベントリ)を行う。また、読み取り制御部111は、送受信部13がRFIDタグ5A〜5Dから受信したIDを識別するとともに、RFIDタグ5A〜5Dからの受信信号の信号強度(RSSI(Received Signal Strength Indicator)値)を演算する。
応答生成部112は、読み取り制御部111が識別したRFIDタグ5A〜5DのIDをサーバ30に送信するための応答信号を生成する。応答生成部112は、読み取り制御部111が識別したRFIDタグ5A〜5DのIDと、読み取り処理部113から入力される読み取り処理結果とに基づいて、応答信号を生成する。応答生成部112は、選択部117によって選択されたRFIDタグについて読み取りがあったことを示す読み取り結果を生成する。
読み取り制御部111が識別するRFIDタグ5A〜5DのID、読み取り処理部113が生成する読み取り処理結果、及び応答生成部112がサーバ30に送信するための応答信号の関係については後述する。
読み取り処理部113は、信号強度取得部114、同時読み取り数取得部115、処理部116、及び選択部117を有する。
信号強度取得部114は、読み取り制御部111が演算した信号強度を取得する。RFIDタグ5A〜5Dは、リーダ10によって複数回にわたって読み取られるため、信号強度取得部114は、RFIDタグ5A〜5Dを複数回読み取ることによって得られる信号強度(RSSI値)を読み取り制御部111から取得する。
また、信号強度取得部114は、信号強度が得られた読み取り回を表すデータと、RFIDタグ5A〜5Dの読み取りを行ったアンテナ21、22の識別子を読み取り制御部111から取得する。読み取り回を表すデータは、複数回にわたって行われる読み取りのうちのいずれの読み取り回であるかを示すデータである。
信号強度取得部114は、読み取り制御部111から取得する信号強度(RSSI値)を時系列的にまとめた読み取りパターンを生成する。
同時読み取り数取得部115は、読み取り制御部111が認識したRFIDタグのIDに基づき、リーダ10が複数回にわたってRFIDタグ5A〜5Dを読み取る際の各読み取り回において、同時に読み取ったRFIDタグの数を取得する。同時読み取り数取得部115は、複数回にわたるRFIDタグ5A〜5Dの読み取りにおいて、各読み取り回における同時読み取り数をまとめた同時読み取り数リストを生成する。
処理部116は、信号強度取得部114によって取得される信号強度に重み付けを行う。処理部116は、信号強度に重み付けを行う際に、同時読み取り数取得部115によって取得される同時読み取り数を用いる。
処理部116は、同時読み取り数が多い読み取り回に含まれるRFIDタグの信号強度に大きな重みを付け、同時読み取り数が少ない読み取り回に含まれるRFIDタグの信号強度に小さな重みを付ける。
選択部117は、処理部116によって重み付けが行われた信号強度に基づき、RFIDタグの取捨選択を行い、データベースへのIDの登録の要否を表す読み取り処理結果を生成する。
選択部117は、信号強度に重み付けを行うことによって得る値(重み付けが行われた信号強度)が所定の基準値よりも大きいRFIDを選択する。また、選択部117は、信号強度に重み付けを行うことによって得る値(重み付けが行われた信号強度)が所定の基準値以下のRFIDを選択せず、信号の読み取りがなかったものとして扱う。
重み付けは、すべての読み取り回において同時に読み取ったRFIDタグの数の最大値と、各読み取り回において読み取られたRFIDタグの数との比を用いて行われる。
このように重み付けを行うのは、データベースへの登録の必要のない不要なRFIDタグと、データベースへの登録の必要のあるRFIDタグとを判別することにより、RFIDタグの読み取り精度を改善するためである。
選択部117によるRFIDタグの読み取り結果の取捨選択は、RFIDタグの読み取り結果にフィルターをかけ(フィルタリングを行い)、不要な読み取り結果を排除するために行われる。
通信部12は、図3に示す通信部12と同一であり、送受信部13は、送信部131と受信部132を有する。送信部131は、送受信部13に含まれる送信用の回路部であり、受信部132は送受信部13に含まれる受信用の回路部である。
通信部12は、ネットワーク50のプロトコルに従い、応答生成部112が生成する応答信号をサーバ30に送信する。
記憶部14は、図3に示すROM14A及びRAM14Bをまとめて記憶部14として表したものであり、ROM14A及びRAM14Bによって実現されるメモリである。
記憶部14には、読み取り制御設定データ141、取得データ142、応答制御設定データ143、基準データ144、及び演算式データ145が格納されている。
読み取り制御設定データ141は、アンテナ21、22の識別子、アンテナ21、22を使用する順序、アンテナ21、22から繰り返し探索コマンドを送信する回数(読み取りを行う回数)、探索コマンドを送信する時間等の制御手順等を表すデータを含む。また、読み取ったRFIDタグに対してID以外のデータの読み書きを行う場合には、読み書き用コマンドが読み取り制御設定データ141にさらに含まれる。
取得データ142は、読み取り処理部113が探索コマンドの応答結果から信号強度(RSSI値)の時系列データをID毎及び読み取り回毎にまとめて生成する読み取りパターン、同時読み取り数、及びアンテナ識別子を関連付けたデータである。
応答制御設定データ143は、応答生成部112がRFIDタグ5A〜5DのIDをサーバ30に送信するための応答信号を生成する際に必要な制御手順、及び、応答信号をサーバ30に送信するタイミング等を表すデータである。
応答生成部112は、応答制御設定データ143を参照しながら、読み取り制御部111が識別したRFIDタグ5A〜5DのIDと、読み取り処理部113から入力される読み取り処理結果とに基づいて、応答信号を生成する。
基準データ144は、選択部117がRFIDタグの取捨選択を行う際に用いる所定の基準値を表すデータである。選択部117によるRFIDタグの取捨選択は、RFIDタグの信号強度(RSSI値)に重み付けを行って得る値が基準値より大きいか否かを判定することによって行われる。このため、基準値は、例えば、実際の読み取り処理システム1において実験を行うことによって得られる値に設定すればよい。
演算式データ145は、読み取り処理部113が後述する重み付き信号強度総和平均R_xを演算するのに必要な演算式を表すデータである。
読み取り制御部111は、記憶部14に格納された読み取り制御設定データ141を読み出して読み取り制御を行うことにより、RFIDタグ5A〜5DのIDを読み取る。
読み取り制御部111は、読み取り制御設定データ141を読み出し、制御手順に従って送受信部13に対してRFIDタグ5A〜5Dの探索(インベントリ)コマンドを送信するよう制御し、RFIDタグ5A〜5Dからの応答信号を読み取る。
探索コマンドの送信を繰り返し行うことにより、RFIDタグ5A〜5Dからの応答信号が時系列的に並んだデータが得られる。
読み取り制御部111は、個々の応答信号を受信する際の信号強度を取得しており、応答信号が時系列的に並んだデータは、各応答信号の信号強度(RSSI値)を含む。
RFIDタグの応答信号の信号強度(RSSI値)は、一般的に−20(dBm)から−70程度(dBm)程度の小数値で表される。このような少数値のままでは取り扱いにくいので、実施の形態1の読み取り処理システム1では、信号強度(RSSI値)を符号化して取り扱う。信号強度(RSSI値)の符号化については後述する。
RFIDタグ5A〜5Dからの応答信号は、複数のRFIDタグ(5A〜5Dのうちの2つ以上)のIDを含む。このため、読み取り処理部113は、RFIDタグ5A〜5DのID毎に信号強度(RSSI値)の時系列データをまとめた読み取りパターンを生成する。
読み取りパターンとは、RFIDタグ5A〜5DのID毎に信号強度(RSSI値)の時系列データをまとめたデータであり、信号強度(RSSI値)の時系列な分布を表すパターンである。読み取りパターンは、読み取り処理部113の信号強度取得部114によって生成される。
読み取り制御部111は、読み取り制御設定に従って、アンテナ21、22を交互に繰り返し用いながら探索(インベントリ)コマンドを繰り返し発信する。各探索コマンドの応答結果は、アンテナ21又は22の識別子、読み取ったIDと信号強度(RSSI値)とを関連付けたデータ等を含む。各探索コマンドの応答結果は、読み取り処理部113に入力される。
読み取り処理部113は、応答結果から信号強度(RSSI値)の時系列データをID毎にまとめて生成し、取得データ142として保持する。なお、読み取り処理部113は、読み取り可能領域23(図1、図2参照)が複数ある場合は、応答結果から信号強度(RSSI値)の時系列データを読み取り可能領域23毎、かつ、ID毎にまとめて生成し、取得データ142として保持する。
また、読み取り処理部113は、探索コマンド毎の応答結果から、同時読み取り数の時系列データを生成し、記憶部14に取得データ142の一部として保持する。
次に、図4に示すサーバ30について説明する。
サーバ30は、制御部31、通信部32、及び記憶部33を含む。
制御部31は、データ処理部311、及びアプリケーション312を有する。
データ処理部311は、リーダ10から受信する応答信号をアプリケーション312が要求する形式に変更する処理を行い、アプリケーション312に出力する。
アプリケーション312は、リーダ10から送信された応答信号を用いて、生産、物流、在庫管理などの各種業務に応じた処理を行なう。例えば、読み取り処理システム1が図2に示す配送センタで用いられている場合は、アプリケーション312は、ゲート41を通過したRFIDタグ5のIDに基づき、物流管理を行う。
通信部32は、図3に示す通信部32と同一である。通信部32は、ネットワーク50のプロトコルに従い、リーダ10の通信部12と通信を行う。通信部32は、リーダ10の通信部12から応答信号を受け取る。
記憶部33は、図3に示すROM33A及びRAM33Bをまとめて記憶部33として表したものであり、ROM33A及びRAM33Bによって実現されるメモリである。
記憶部33は、サーバ30が応答信号を受け取ることのできるリーダ10の識別子等の情報、及び、ゲート41(図2参照)の識別子等の情報が格納されている。
図5は、実施の形態1の読み取り処理システム1で用いる信号強度(RSSI値)と、信号強度を符号化した整数値との関係を示す図である。
実施の形態1の読み取り処理システム1では、図5に示すように、信号強度(RSSI値)を符号化する。
信号強度(RSSI値)rが−57.5dBmより低い場合(r<−57.5dBm)は、整数値"1"を用いて信号強度(RSSI値)を表す。信号強度(RSSI値)rが−57.5dBm以上で−56.5dBmより低い場合(−57.5≦r<−56.5dBm)は、整数値"2"を用いて信号強度(RSSI値)を表す。
この要領で、信号強度(RSSI値)rを10dBm毎に区分して整数値を割り当てる。
図5には、整数値が"1"、"2"、"10"、"11"、"21"、"22"、"31"、"32"の場合を代表的に示すが、実際には、信号強度(RSSI値)が−57.5dBm以下から−27.5dBm以上の範囲にわたって、"1"から"32"の32個の整数値を用いて信号強度(RSSI値)を表す。
なお、図5に示す"1"、"2"、"10"、"11"、"21"、"22"、"31"、"32"の場合の信号強度(RSSI値)は、以下のとおりである。
整数値"1"は信号強度(RSSI値)rがr<−57.5dBmの範囲に割り当てられる。整数値"2"は信号強度(RSSI値)rが−57.5≦r<−56.5dBmの範囲に割り当てられる。
整数値"10"は信号強度(RSSI値)rが−49.5≦r<−48.5dBmの範囲に割り当てられる。整数値"11"は信号強度(RSSI値)rが−48.5≦r<−47.5dBmの範囲に割り当てられる。
整数値"21"は信号強度(RSSI値)rが−38.5≦r<−37.5dBmの範囲に割り当てられる。整数値"22"は信号強度(RSSI値)rが−37.5≦r<−36.5dBmの範囲に割り当てられる。
整数値"31"は信号強度(RSSI値)rが−28.5≦r<−27.5dBmの範囲に割り当てられる。整数値"32"は信号強度(RSSI値)rが−27.5≦rの範囲に割り当てられる。
なお、図5に示す信号強度(RSSI値)から整数値への変換(符号化)は一例であり、これ以外の変換方式を用いてもよく、また、整数値に変換せずに小数値のままの信号強度(RSSI値)を用いてもよい。
次に、図6を用いて、実施の形態1の読み取り処理システム1によって時系列的に読み取られる信号強度(RSSI値)、RFIDタグの識別子、アンテナ番号、同時読み取り数の関係について説明する。
図6は、実施の形態1の読み取り処理システム1によって時系列的に読み取られる信号強度(RSSI値)、読み取り回数、RFIDタグの識別子、アンテナ番号、同時読み取り数の関係の一例を示す図である。なお、以下では、RFIDタグ5A〜5D(図3及び図4参照)と同様のRFIDタグを8枚用いて読み取りを行う場合について説明する。
なお、図6に示す信号強度(RSSI値)、読み取り回数、RFIDタグの識別子、アンテナ番号、同時読み取り数は、実施の形態1の読み取り処理システム1において、実験的に得られるデータの一例である。
図6(A)には、8個のRFIDタグ(ID1〜ID8)について、読み取り回T1から読み取り回T12までの12回にわたって、リーダ10で繰り返し読み取りを行うことによって得られた信号強度(RSSI値)を示す。ここで、ID1〜ID8は説明のために読み取られた順に便宜的につけられたIDである。8個のRFIDタブ(ID1〜ID8)のうち、ID7のRFIDタグは、実施の形態1の読み取り処理システム1における実験において、ゲート41(図2参照)を通過せずに読み取られたRFIDタグである。
図6(A)に示すデータは、読み取り処理部113が探索コマンドの応答結果から信号強度(RSSI値)の時系列データをID毎及び読み取り回毎にまとめて生成する読み取りパターンの一例である。読み取りパターンは、読み取り処理部113の信号強度取得部114によって生成される。
図6(A)に示す信号強度(RSSI値)は、図5に示す信号強度(RSSI値)と整数値との関係を用いて符号化したものである。
図6(B)は、読み取り回T1から読み取り回T12までリーダ10で繰り返し読み取りを行ったアンテナ番号を示す。図6(B)に示すアンテナ番号は、アンテナ21、22(図3及び図4参照)のアンテナ番号であり、アンテナ番号1はアンテナ21を表し、アンテナ番号2はアンテナ22を表す。なお、アンテナ番号は、アンテナ21、22を区別するためのアンテナ21、22の識別子に対応している。
図6(B)に示すアンテナ番号は、信号強度取得部114が読み取り制御部111から信号強度(RSSI値)を取得する際に、同時に取得される。
図6(C)は、読み取り回T1から読み取り回T12まで12回にわたってリーダ10で繰り返し読み取りを行った際に、各読み取り回において、同時に読み取ったRFIDタグの数を示す。すなわち、図6(C)は、8枚のRFIDタグを読み取り回T1から読み取り回T12まで12回にわたって繰り返し読み取った場合に、各読み取り回において同時に読み取られた数を表す。図6(C)に示すデータは、同時読み取り数リストである。
図6(A)に示す信号強度と、図6(B)に示すアンテナ番号は、信号強度取得部114(図4参照)が読み取り制御部111から取得する。アンテナ番号は、信号強度取得部114が読み取り制御部111から取得したアンテナ21,22の識別子に対応している。
図6(C)に示す同時読み取り数は、同時読み取り数取得部115が読み取り制御部111から取得する。
図6A(A)〜(C)に示すデータは、読み取り処理部113が探索コマンドの応答結果から信号強度(RSSI値)の時系列データをID毎及び読み取り回毎にまとめて生成する読み取りパターン、同時読み取り数、及びアンテナ識別子を関連付けたデータであり、取得データ142として記憶部14に格納される。
なお、図6(A)〜(C)は、読み取り回T1〜T3では、それぞれ、アンテナ番号"1"、"2"、"1"のアンテナにおいて、同時読み取り数が"0"であったことを示す。すなわち、読み取り回T1〜T3では、8枚のRFIDタグは、いずれも読み取られていない。
また、読み取り回T4では、アンテナ番号"2"のアンテナ22を用いて読み取りを行った場合に、同時読み取り枚数が"2"であり、読み取られたRFIDタグの識別子はID1とID2である。
読み取り回T5では、アンテナ番号"1"のアンテナ21を用いて読み取りを行った場合に、同時読み取り枚数が"2"であり、読み取られたRFIDタグの識別子はID3とID4である。
読み取り回T6では、アンテナ番号"2"のアンテナ22を用いて読み取りを行った場合に、同時読み取り枚数が"4"であり、読み取られたRFIDタグの識別子はID1、ID2、ID5、ID6である。
読み取り回T7では、アンテナ番号"1"のアンテナ21を用いて読み取りを行った場合に、同時読み取り枚数が"3"であり、読み取られたRFIDタグの識別子はID1、ID4、ID5である。
読み取り回T8では、アンテナ番号"2"のアンテナ22を用いて読み取りを行った場合に、同時読み取り枚数が"8"であり、読み取られたRFIDタグの識別子はID1〜ID8である。
読み取り回T9では、アンテナ番号"1"のアンテナ21を用いて読み取りを行った場合に、同時読み取り枚数が"5"であり、読み取られたRFIDタグの識別子はID2、ID3、ID4、ID5、ID8である。
読み取り回T10では、アンテナ番号"2"のアンテナ22を用いて読み取りを行った場合に、同時読み取り枚数が"1"であり、読み取られたRFIDタグの識別子はID7である。
読み取り回T11では、アンテナ番号"1"のアンテナ21を用いて読み取りを行った場合に、同時読み取り枚数が"0"である。
読み取り回T12では、アンテナ番号"2"のアンテナ22を用いて読み取りを行った場合に、同時読み取り枚数が"1"であり、読み取られたRFIDタグの識別子はID7である。
以上のように、実施の形態1の読み取り処理システム1では、アンテナ21、22を各読み取り回において交互に用いてRFIDタグの読み取りを行う。
次に、図7を用いて、実施の形態1の読み取り処理システム1において実行される読み取り処理について説明する。図7に示す読み取り処理は、実施の形態1の読み取り処理装置の一形態としてのリーダ10の制御部11によって実行される処理である。
また、図7に示す読み取り処理は、実施の形態1の読み取り処理方法によって実現される処理であり、リーダ10の制御部11が実施の形態1の読み取り処理プログラムを実行することによって実現される処理である。
図7は、実施の形態1の読み取り処理装置が実行する読み取り処理の手順を示すフローチャートである。図7に示す処理は、リーダ10の制御部11が実行する。
制御部11は、記憶部14に格納されている読み取り制御設定データ141に従って、送受信部13を通じてRFIDタグ5A〜5Dの探索(インベントリ)を行い、IDを識別するとともに、受信信号の信号強度(RSSI値)を演算する(ステップS1)。
受信信号の信号強度(RSSI値)は、信号強度取得部114に入力される。ステップS1の処理は、制御部11の読み取り制御部111によって実行される。
次に、制御部11は、ステップS1で得た受信信号の信号強度(RSSI値)を記憶部14に格納する(ステップS2)。信号強度(RSSI値)は、読み取りが行われた回(T1からT12のいずれか)を表すデータと、アンテナ番号に対応するアンテナ21、22の識別子とともに記憶部14に記憶される。ステップS2の処理は、制御部11の信号強度取得部114によって実行される。
次に、制御部11は、終了条件に達したか否かを判定する(ステップS3)。制御部11は、RFIDタグの読み取りを行った回数が、読み取り制御設定データ141に含まれる読み取り回数に達した場合に、終了条件に達したと判定する。ステップS3の処理は、制御部11の読み取り制御部111によって実行される。
次いで、制御部11は、同時読み取り数リストを作成する(ステップS4)。同時読み取り数リストは、図6(C)に示すように、各読み取り回において同時に読み取られたRFIDタグの数を表すデータである。作成された同時読み取り数リストは、記憶部14に取得データ142として格納される。ステップS4の処理は、同時読み取り数取得部115によって実行される。
次に、制御部11は、取得データ142から未処理のRFIDタグのIDを一つ選択し、各読み取り回における信号強度(RSSI値)を取得する(ステップS5)。RFIDタグのIDの選択は、図6(A)に示される読み取りパターンの上から順に、すなわちIDが読み取られた順に選択される。すなわち、例えば、図6(A)に示す読み取りパターンにはID1からID8までの8つのRFIDタグのIDがあるため、制御部11は、ID1から順番に一つずつIDを選択する。なお、ステップS5の処理は、制御部11の処理部116によって実行される。
次に、制御部11は、ステップS5で選択したIDの読み取りパターンに含まれる各読み取り回の信号強度(RSSI値)について、重み付けを行いながら、信号強度(RSSI値)の総和の平均値(重み付き信号強度総和平均)R_xを演算する(ステップS6)。ステップS6の処理は、制御部11の処理部116によって実行される。
ここで、IDがIDxのRFIDタグの読み取り結果P(x)が p_1,p_2, …, p_mであり、p_j = <a_j, r_j, n_j> (1≦j≦m)とする。
ただし、a_jは、IDがIDxのRFIDタグが読み取れた場合は"1"であり、読み取れなかった場合は"0"である。
また、r_jは、IDがIDxのRFIDタグを読み取った際の信号強度(RSSI値)を整数値で表した値である。
また、n_jは、各読み取り回における同時読み取り数である。すなわち、n_jは、各読み取り回において、IDがIDxのRFIDタグと同時に読み取られたRFIDタグの数である。例えば、8枚のRFIDタグを用いて読み取りを行っている場合は、n_jは、"0"から"8"のいずれかの値を取る。
このような読み取り結果P(x)を用いると、IDがIDxのRFIDタグの重み付き信号強度総和平均R_xは以下の式(1)で計算される。
ここで、Mnは、最大同時読み取り数であり、s_xは、すべての読み取り回のうち、RFIDタグを読み取った読み取り回の回数である。最大同時読み取り数Mnは、すべての読み取り回のうち、同時に読み取ったRFIDタグの数が最大となったときの同時読み取り数である。
式(1)は、IDがIDxのRFIDタグの各読み取り回において得た信号強度(RSSI値)に、最大同時読み取り数Mnと、各読み取り回における同時読み取り数n_jとの比(n_j/Mn)を用いて重み付けを行いながら、信号強度(RSSI値)の総和の平均値(重み付き信号強度総和平均)R_xを求める式である。
すなわち、同時読み取り数が多い読み取り回の信号強度(RSSI値)ほど、重み付けが大きくされ、同時読み取り数が少ない読み取り回の信号強度(RSSI値)ほど、重み付けが小さくされる。
式(1)を表すデータは、記憶部14の演算式データ145に格納されている。制御部11の処理部116は、演算式データ145に格納されている式(1)を表すデータを用いて、重み付き信号強度総和平均R_xの演算を行う。なお、演算式データ145に格納されている式(1)を表すデータは、図3では、ROM14Aに格納されており、処理部116が演算を行う際に読み出され、RAM14Bに展開される。
制御部11は、未処理のRFIDタグがないかどうか判定する(ステップS7)。すなわち、制御部11は、取得データに含まれるすべてのIDについて重み付き信号強度総和平均R_xを演算したか否かを判定する。なお、ステップS7の処理は、制御部11の処理部116によって実行される。
制御部11は、未処理のRFIDタグがない(S7:YES)と判定した場合は、各重み付き信号強度総和平均R_xが基準値より大きいか否かを判定する(ステップS8)。基準値は、基準データ144として記憶部14に格納されている値である。ステップS8の処理は、制御部11の選択部117によって実行される。
制御部11は、ステップS8において、重み付き信号強度総和平均R_xが基準値より大きいと判定したRFIDタグをデータベースへの登録が必要なRFIDタグと判定する(ステップS9)。選択部117は、ステップS9においてデータベースへの登録が必要と判定したRFIDタグのIDと、データベースへの登録が必要であることを表す判定結果とを応答生成部112に入力する。
一方、制御部11は、ステップS8において、重み付き信号強度総和平均R_xが基準値より大きくないと判定したRFIDタグをデータベースへの登録が不要なRFIDタグと判定する(ステップS10)。選択部117は、ステップS10においてデータベースへの登録が不要と判定したRFIDタグのIDと、データベースへの登録が不要であることを表す判定結果とを応答生成部112に入力する。
ステップS9及びS10により、応答生成部112には、RFIDタグのIDと、データベースへの登録の要否を表す判定結果とが入力される。
以上のように、ステップS9及びS10の処理により、データベースへの登録の要否が判定されることにより、RFIDタグの取捨選択が行われる。選択部117が生成する読み取り処理結果は、データベースへの登録の要否を表す。
ステップS9又はS10の処理が終了すると、制御部11は、応答信号を生成してサーバ30に送信する(ステップS11)。ステップS11の処理は、制御部11の応答生成部112によって実行される。
応答生成部112は、読み取り制御部111が識別したRFIDタグのIDと、読み取り処理部113から入力される読み取り処理結果とに基づいて、応答信号を生成する。
応答信号は、読み取り制御部111が識別したRFIDタグのIDと、データベースへのIDの登録の要否を表す読み取り処理結果とを関連付けた内容を表す信号である。応答信号は、通信部12を経て、サーバ30に送信される。
応答信号を受信したサーバ30の制御部31は、応答信号に含まれるRFIDタグのIDのうち、読み取り処理結果がデータベースへの登録が必要であることを示すIDをデータベースに登録する。これにより、ゲート41を通過したRFIDタグのIDがサーバ30のデータベースに登録されることになる。
なお、ステップS7で未処理のRFIDタグがある(S7:NO)と判定した場合は、制御部11はフローをステップS5にリターンする。これにより、ステップS5乃至S7の処理が繰り返し実行され、すべてのRFIDタグについて、ステップS6で重み付き信号強度総和平均R_xが演算される。
ここで、図6(A)〜(C)に示す読み取りパターン、アンテナ番号、及び同時読み取り数リストが得られた場合に、重み付き信号強度総和平均R_xを用いてID1〜ID8の8枚のRFIDタグの取捨選択を行う方法について説明する。
図8は、実施の形態1の読み取り処理システム1において、ID1、ID2、及びID7のRFIDタグについて求めた重み付き信号強度総和平均R_xを示す図である。
図8には、8枚のRFIDタグの代表として、ID1、ID2、及びID7のRFIDタグについて求めた重み付き信号強度総和平均R_xを示す。また、図8には、最大同時読み取り数Mn、読み取りがあった回の回数s_x、重み付き信号強度総和平均R_xを回数s_xで割る前のΣの項の値、及び、重み付けを行わない場合の信号強度の総和の平均RA_xを示す。
なお、上述したように、図6(A)〜(C)に示す読み取りパターン、アンテナ番号、及び同時読み取り数リストは、実施の形態1の読み取り処理システム1において実験を行うことによって得られたデータの一例である。このデータは、ID7のRFIDタグのみがゲート41(図2参照)を通過せず、ID1〜ID6、及びID8のRFIDタグがゲート41を通過する実験によって得られたデータである。
また、この実験では、ゲート41を通過したID1〜ID6、及びID8のRFIDタグについての重み付き信号強度総和平均R_xと、ゲート41を通過しなかったID7のRFIDタグについての重み付き信号強度総和平均R_xとを判別する基準値として4.0という値を得た。
また、重み付けを行わない場合の信号強度の総和の平均RA_xは、比較用に示すものであり、次の式(2)で得られる。式(2)は、式(1)から最大同時読み取り数Mnと、各読み取り回における同時読み取り数n_jとの比(n_j/Mn)を取り除いた式である。
図8に示すように、ID1、ID2、及びID7のRFIDタグについての最大同時読み取り数Mnは、"8"である。これは、図6(C)に示す同時読み取り数の最大値が読み取り回T8のときに、8枚になっているためである。
また、ID1、ID2、及びID7のRFIDタグについての読み取りがあった回の回数s_xは、それぞれ、"4"、"4"、"3"である。これは、読み取り回T1からT12までの12回の読み取りの間に、ID1及びID2のRFIDタグは4回読み取られており、ID7のRFIDタグは3回読み取られているためである。
図8に示すように、Σの項については、ID1で34.75、ID2で33.675、ID7で6.75であった。また、重み付き信号強度総和平均R_xは、ID1で8.6875、ID2で8.40625、ID7で2.25であった。重み付き信号強度総和平均R_xは、上述の式(1)によって得られる値であり、最大同時読み取り数Mnと、各読み取り回における同時読み取り数n_jとの比(n_j/Mn)によって重み付けを行うことによって得られる値である。
なお、式(2)で比較用に求めた重み付けを行わない場合の信号強度の総和の平均RA_xは、ID1で10.75、ID2で9.25、ID7で10.0であった。
ここで、上述のように、図7のステップS8で用いる基準値を4.0に設定する。基準値が4.0である場合、ID1及びID2のRFIDタグは、図7のステップS9でデータベースへの登録が必要なRFIDタグであると判定されることになる。一方、ID7のRFIDタグは、図7のステップS10でデータベースへの登録が不要なRFIDタグであると判定されることになる。
従って、図8に重み付き信号強度総和平均R_xの計算結果を示すID1、ID2、及びID7のRFIDタグについては、ID1及びID2のRFIDタグがゲート41(図2参照)を通過したことによってIDが読み取られたRFIDタグであると判別される。
また、ID7のRFIDタグは、不要なRFIDタグであると判別される。このような不要なRFIDタグとは、例えば、ゲート41を通過せずに、ゲート41の近くに存在しており、IDが読み取られたRFIDタグ、又は、フォークリフト7等の通過等による反射等によって生じた信号パスによりIDが読み取られたRFIDタグである。
これに対して、比較用に求めた重み付けを行わない場合の信号強度の総和の平均RA_xを求めて基準値4.0を用いて判定すると、ID1、ID2、及びID7のすべてのRFIDタグがデータベースへの登録が必要なRFIDタグであると判定されることになる。
すなわち、式(2)で比較用に求めた重み付けを行わない場合の信号強度の総和の平均RA_xを用いると、ゲート41を通過せずに読み取られたRFIDタグを判別することができず、ID1、ID2、及びID7のすべてのRFIDタグがゲート41を通過したと判定される。
以上より、実施の形態1の読み取り処理システム1によれば、最大同時読み取り数Mnと、各読み取り回における同時読み取り数n_jとの比(n_j/Mn)で重み付けを行うことにより、読み取る必要のない不要なRFIDタグと、読み取る必要のあるRFIDタグとを判別できる。従って、RFIDタグの読み取り精度を改善することができる。
以上では、読み取り処理システム1を配送センタに適用した形態について説明したが、読み取り処理システム1は、物品の管理が必要な場所であれば、どのような場所においても利用することができる。特に、アンテナ21、22の間を通過しなくても、アンテナ21、22の近くにあるRFIDタグを読み取る傾向がある場合には、アンテナ21、22の間を通過していないRFIDタグを高精度に判別できて有効的である。
また、以上では、アンテナ21、22が固定されていて移動しない形態について説明したが、アンテナ21、22が移動することによってRFIDタグを読み取る形態であっても、実施の形態1の読み取り処理システム1を適用することができる。
また、以上では、重み付き信号強度総和平均R_xを求めるために重み付けを行う際に、最大同時読み取り数Mnを用いたが、必ずしも最大同時読み取り数Mnを用いる必要はない。最大同時読み取り数Mnの代わりに、同時読み取り数n_jとの比を生成するための適当な値を用いてもよい。このような適当な値は、例えば、読み取り処理システム1において実験的に求めればよい。
また、以上では、応答信号は、読み取り制御部111が識別したRFIDタグのIDと、データベースへのIDの登録の要否を表す読み取り処理結果とを関連付けた内容を表す信号である形態について説明した。すなわち、応答信号は、読み取り処理結果にかかわらず、読み取りのあったすべてのRFIDタグのIDを含んでいた。
しかしながら、応答信号は、選択部117によってデータベースへの登録が必要であると判定されたRFIDタグのIDのみを含んでもよい。
<実施の形態2>
図9は、実施の形態2の読み取り処理システム200のブロック構成を示す図である。
実施の形態2の読み取り処理システム200は、リーダ210、アンテナ21、22、23、24、及びサーバ30を含む。
また、実施の形態2の読み取り処理システム200は、リーダ210と、4つのアンテナ21、22、23、24とを含む点が実施の形態1の読み取り処理システム1と異なる。
リーダ210は、制御部211、通信部12、送受信部13、及び記憶部214を含む。リーダ210は、実施の形態2の読み取り処理装置の一例である。
制御部211は、読み取り制御部111、応答生成部112、及び読み取り処理部213を有する。制御部211は、読み取り処理部213を有する点が実施の形態1の制御部11と異なる。
読み取り処理部213は、信号強度取得部114、同時読み取り数取得部115、処理部216、及び選択部217を有する。読み取り処理部213は、処理部216と選択部217を有する点が実施の形態1の読み取り処理部113と異なる。
記憶部214には、読み取り制御設定データ141、取得データ142、応答制御設定データ143、基準データ244、及び演算用データ245が格納されている。記憶部214は、基準データ244と演算用データ245を有する点が実施の形態1の記憶部14と異なる。
実施の形態2の読み取り処理システム200は、処理部216が信号強度(RSSI値)の読み取りパターンと、読み取りパターンの基準となる基準パターンとの類似度を重み付けを行いながら演算する点が実施の形態1の読み取り処理システム1と異なる。この相違により、制御部211、読み取り処理部213、及び選択部217の処理が異なり、基準データ244及び演算用データ245に格納されるデータが異なる。
基準データ244は、類似度の判定基準となる基準値を表すデータである。また、演算用データ245は、類似度を演算する際に用いる式を表すデータと、類似度の演算に必要な基準パターンを表すデータを含む。
アンテナ21〜24のうちのアンテナ23、24は、アンテナ21、22と同様のアンテナである。
その他の構成は、実施の形態1の読み取り処理システム1と同様であるため、同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
制御部211の読み取り処理部213の処理部216は、演算用データ245に格納されている演算式を用いて、読み取りパターンと、読み取りパターンの基準である基準パターンとの類似度を演算する。類似度の演算には、実施の形態1と同様に、最大同時読み取り数Mnと、各読み取り回における同時読み取り数n_jとの比(n_j/Mn)を用いる。
また、制御部211の読み取り処理部213の選択部217は、基準データ244に格納されている基準値を表すデータを用いて、処理部216が演算した類似度と基準値を比較する。選択部217は、類似度が基準値よりも大きいIDのRFIDタグをデータベースへの登録が必要なRFIDタグと判定し、類似度が基準値以下のIDのRFIDタグをデータベースへの登録が不要なタグと判定する。
ここで、図10のフローチャートを用いて、実施の形態2の読み取り処理システム200において実行される読み取り処理について説明する。図10に示す読み取り処理は、制御部211によって実行される処理である。
また、図10に示す読み取り処理は、実施の形態2の読み取り処理方法によって実現される処理であり、リーダ210の制御部211が実施の形態2の読み取り処理プログラムを実行することによって実現される処理である。
図10は、実施の形態2の読み取り処理装置が実行する読み取り処理の手順を示すフローチャートである。図10に示す処理は、リーダ210の制御部211が実行する。
制御部211は、記憶部214に格納されている読み取り制御設定データ141に従って、送受信部13を通じてRFIDタグ5A〜5Dの探索(インベントリ)を行い、IDを識別するとともに、受信信号の信号強度(RSSI値)を演算する(ステップS21)。
受信信号の信号強度(RSSI値)は、信号強度取得部114に入力される。ステップS21の処理は、制御部211の読み取り制御部111によって実行される。
次に、制御部211は、ステップS21で得た受信信号の信号強度(RSSI値)を記憶部214に格納する(ステップS22)。信号強度(RSSI値)は、読み取りが行われた回(T1からT12のいずれか)を表すデータと、アンテナ番号に対応するアンテナ21〜24の識別子とともに記憶部214に記憶される。ステップS22の処理は、制御部211の信号強度取得部114によって実行される。
次に、制御部211は、終了条件に達したか否かを判定する(ステップS23)。制御部211は、RFIDタグの読み取りを行った回数が、読み取り制御設定データ141に含まれる読み取り回数に達した場合に、終了条件に達したと判定する。ステップS23の処理は、制御部211の読み取り制御部111によって実行される。
次いで、制御部211は、同時読み取り数リストを作成する(ステップS24)。同時読み取り数リストは、各読み取り回において同時に読み取られたRFIDタグの数を表すデータである(図6(C)参照)。作成された同時読み取り数リストは、記憶部214に取得データ142として格納される。ステップS24の処理は、同時読み取り数取得部115によって実行される。
次に、制御部211は、取得データ142から未処理のRFIDタグのIDを一つ選択し、各読み取り回における信号強度(RSSI値)を取得する(ステップS25)。RFIDタグのIDの選択は、図6(A)に示される読み取りパターンの上から順に、すなわちIDが読み取られた順に選択される。すなわち、例えば、図6(A)に示す読み取りパターンにはID1からID8までの8つのRFIDタグのIDがあるため、制御部211は、ID1から順番に一つずつIDを選択する。なお、ステップS25の処理は、制御部211の処理部216によって実行される。
次に、制御部211は、ステップS25で選択したIDの読み取りパターンに含まれる各読み取り回の信号強度(RSSI値)について、重み付けを行いながら、類似度S(y)を演算する(ステップS26)。ステップS26の処理は、制御部211の処理部216によって実行される。
ここで、類似度とは、各IDのRFIDタグを複数回にわたって読み取った場合の信号強度(RSSI値)の読み取りパターンと、基準となる基準パターンとの類似度である。
類似度は、実施の形態1における重み付き信号強度総和平均R_xと同様に、最大同時読み取り数Mnと、各読み取り回における同時読み取り数n_jとの比(n_j/Mn)を用いて重み付けを行いながら導出される。
基準パターンとは、読み取りパターンの基準となるパターンであり、複数回にわたって連続的に取得した信号強度(RSSI値)の時系列的な変化を表すパターンである。基準パターンは、実際の読み取り処理システム200において、RFIDタグの読み取りを行うことによって予め取得しておけばよい。
なお、実施の形態2の読み取り処理システム200における類似度の求め方については、図11乃至図16を用いて後述する。
制御部211は、未処理のRFIDタグがないかどうか判定する(ステップS27)。すなわち、制御部211は、取得データに含まれるすべてのIDについて類似度を演算したか否かを判定する。なお、ステップS27の処理は、制御部211の処理部216によって実行される。
制御部211は、未処理のRFIDタグがない(S27:YES)と判定した場合は、各類似度が基準値より大きいか否かを判定する(ステップS28)。基準値は、基準データ244として記憶部214に格納されている値である。ステップS28の処理は、制御部211の選択部217によって実行される。
制御部211は、ステップS28において、類似度が基準値より大きいと判定したRFIDタグをデータベースへの登録が必要なRFIDタグと判定する(ステップS29)。選択部217は、ステップS29においてデータベースへの登録が必要と判定したRFIDタグのIDと、データベースへの登録が必要であることを表す判定結果とを応答生成部112に入力する。
一方、制御部211は、ステップS28において、類似度が基準値より大きくないと判定したRFIDタグをデータベースへの登録が不要なRFIDタグと判定する(ステップS30)。選択部217は、ステップS30においてデータベースへの登録が不要と判定したRFIDタグのIDと、データベースへの登録が不要であることを表す判定結果とを応答生成部112に入力する。
ステップS29及びS30により、応答生成部112には、RFIDタグのIDと、データベースへの登録の要否を表す判定結果とが入力される。
以上のように、ステップS29及びS30の処理により、データベースへの登録の要否が判定されることにより、RFIDタグの取捨選択が行われる。選択部217が生成する読み取り処理結果は、データベースへの登録の要否を表す。
ステップS29又はS30の処理が終了すると、制御部211は、応答信号を生成してサーバ30に送信する(ステップS31)。ステップS31の処理は、制御部211の応答生成部112によって実行される。
応答生成部112は、読み取り制御部111が識別したRFIDタグのIDと、読み取り処理部213から入力される読み取り処理結果とに基づいて、応答信号を生成する。
応答信号は、読み取り制御部111が識別したRFIDタグのIDと、データベースへのIDの登録の要否を表す読み取り処理結果とを関連付けた内容を表す信号である。応答信号は、通信部12を経て、サーバ30に送信される。
応答信号を受信したサーバ30の制御部31は、応答信号に含まれるRFIDタグのIDのうち、読み取り処理結果がデータベースへの登録が必要であることを示すIDをデータベースに登録する。これにより、ゲート41を通過したRFIDタグのIDがサーバ30のデータベースに登録されることになる。
なお、ステップS27で未処理のRFIDタグがある(S27:NO)と判定した場合は、制御部211はフローをステップS25にリターンする。これにより、ステップS25乃至S27の処理が繰り返し実行され、すべてのRFIDタグについて、ステップS26で類似度が演算される。
次に、図11及び図12を用いて、類似度の求め方について説明する。
図11(A)は、取得パターンと基準取得パターンの一例を示す図であり、図11(B)はアンテナ番号と取得パターンとの関係の一例を示す図であり、図11(C)は、アンテナ番号と基準取得パターンとの関係の一例を示す図である。
図11(A)に示すように、取得パターンyとして、y = y1, y2, y3 ・・・ yN-2, yN-1, yNが得られたとする。
取得パターンy1, y2, y3 ・・・ yN-2, yN-1, yNは、読み取り処理部113が生成する読み取りパターン(図6(A)参照)と、同時読み取り数取得部115が生成する同時読み取り数リスト(図6(C)参照)と関連付けたパターンデータである。
取得パターンの各要素y_iは、y_i=<r(y)_i,n(y)_i> (1≦i≦N)で表される。r(y)_iは、インデックスがiの読み取り回における信号強度(RSSI値)であり、読み取りパターンに含まれるインデックスがiの読み取り回におけるRSSI値を表す。インデックスiは、読み取りが行われた順に1から連続番号で割り当てられる添え数字である。
また、n(y)_iは、インデックスがiの読み取り回における同時読み取り数であり、同時読み取りリストに含まれるインデックスがiの読み取り回における同時読み取り数を表す。
また、実施の形態2の読み取り処理システム200は、基準取得パターンzとして、図11(A)に示すz = z1, z2, z3 ・・・ zM-2, zM-1, zMを保持しているものとする。基準取得パターンzを表すデータは、記憶部214の演算用データ245に含まれている。
基準取得パターンzは、例えば、実際の読み取り処理システム200において、RFIDタグの読み取りを行うことによって得られる信号強度(RSSI値)の時系列的なパターンである基準パターンと、同時読み取り数とを関連付けたパターンデータである。
基準取得パターンの各要素z_jはz_j=<r(z)_j,n(z)_j> (1≦j≦M)で表される。r(z)_jは、インデックスがjの読み取り回における信号強度(RSSI値)であり、基準パターンに含まれるインデックスがjの読み取り回におけるRSSI値を表す。インデックスjは、読み取りが行われた順に1から連続番号で割り当てられる添え数字である。
また、n(z)_jは、インデックスがjの読み取り回における同時読み取り数を表す。
基準データは、実際の読み取り処理システム200において、RFIDタグの読み取りを行うことによって得られる基準パターンと、同時読み取り数とを関連付けることによって予め生成されるデータである。
また、取得パターンyと、アンテナ番号との関係として、図11(B)に示す関係が得られたとする。ここで、アンテナ番号1〜4は、それぞれ、アンテナ21〜24のアンテナ番号を示す。
このため、図11(B)に示す取得パターン要素y1は、アンテナ番号3のアンテナ23によって読み取られた信号強度(r(y)_1)を含む。取得パターン要素y2は、アンテナ番号4のアンテナ24によって読み取られた信号強度(r(y)_2)を含む。取得パターン要素y3は、アンテナ番号1のアンテナ21によって読み取られた信号強度(r(y)_3)を含む。
また、取得パターン要素yN-2は、アンテナ番号1のアンテナ21によって読み取られた信号強度(r(y)_N-2)を含む。取得パターン要素yN-1は、アンテナ番号2のアンテナ22によって読み取られた信号強度(r(y)_N-1)を含む。取得パターン要素yNは、アンテナ番号3のアンテナ23によって読み取られた信号強度(r(y)_N)を含む。
また、図11(C)に示す基準取得パターン要素z1は、アンテナ番号1のアンテナ21によって読み取られた信号強度(n(z)_1)を含む。基準取得パターン要素z2は、アンテナ番号2のアンテナ22によって読み取られた信号強度(n(z)_2)を含む。基準取得パターン要素z3は、アンテナ番号3のアンテナ23によって読み取られた信号強度(n(z)_3)を含む。
基準取得パターン要素zM-2は、アンテナ番号2のアンテナ22によって読み取られた信号強度(n(z)_M-2)を含む。基準取得パターン要素zM-1は、アンテナ番号3のアンテナ23によって読み取られた信号強度(n(z)_M-1)を含む。基準取得パターン要素zMは、アンテナ番号4のアンテナ24によって読み取られた信号強度(n(z)_M)を含む。
以上のように、図11(B)に示す例示的な取得パターンと、図11(C)に示す例示的な基準取得パターンとは、互いのインデックスが1の値(y1とz1)のアンテナ番号が異なっている。
これは、4つのアンテナ21〜24を用いて読み取りを行っているため、取得パターンに含まれる読み取りパターンのインデックス1の信号強度(n(z)_1)が、必ずしも基準取得パターンに含まれる基準パターンのインデックス1の信号強度(n(z)_1)と同じアンテナ番号のアンテナによって読み取られるとは限らないからである。
ところで、実施の形態2の読み取り処理システム200は4つのアンテナ21〜24を含むが、4つのアンテナ21〜24が配設される位置は、それぞれ異なる。
位置が異なるアンテナ同士で読み取った信号強度は、必ずしも一致しないため、読み取りパターンと基準パターンの類似度を求めるには、同一のアンテナ番号で得られた信号強度(RSSI値)同士を比較することが望ましい。
このため、以下では、アンテナ番号のアンテナによって取得された読み取りパターンと基準パターンとの類似度を求める。類似度の求め方は、図12のフローチャートと、図13及び図14の概念図を用いて説明する。
図12は、図10に示すステップS26の処理の内容を詳細に示すフローチャートである。図12に示す処理は、制御部211の処理部216によって実行される。
図13及び図14は、インデックスの値を変えながら読み取りパターンと基準パターンとの類似度を求める過程を概念的に示す図である。
まず、制御部211の処理部216は、基準取得パターンz1のアンテナ番号と同一のアンテナ番号を持つ取得パターンyiの最大のインデックスiをpとし、y1のアンテナ番号と同一のアンテナ番号を持つz_jの最大のインデックスjをqとして求める(ステップS101)。
これにより、図11(B)及び(C)に示す取得パターン及び基準取得パターンでは、p=N-2、q=M-1が求まる。また、アンテナ番号uはu=4である。
次に、処理部216は、ステップS101で求めた値pから1を減算して値kを求める(ステップS102)。ステップS101ではp=N-2が得られているため、k=N-3が求まる。
次に、処理部216は、基準取得パターンzのインデックスjに、ステップS102で求めた値k=N-3を加算する(ステップS103)。
これにより、図13(A)に示すように、基準取得パターンzから基準取得パターンのインデックスを振り替えたパターンz_kを生成する。基準取得パターンz_kは、図11(A)に示す基準取得パターンzのインデックス1〜Mに、それぞれ、k=N-3を加算して得るパターンであり、zN-2〜zM+N-3を含む。
次に、処理部216は、演算用データ245に含まれる演算式を表すデータを用いて、類似度Sk(y,z_k)を演算する(ステップS104)。処理部216は、演算用データ245に含まれる演算式として以下の式(3)を用いる。なお、処理部216は、ステップS104で演算する類似度Sk(y,z_k)を記憶部214に取得データ142として格納する。
式(3)に含まれるr(y)_iは、インデックスがiの読み取り回における信号強度(RSSI値)であり、読み取りパターンに含まれるインデックスがiの読み取り回におけるRSSI値を表す。
r(z)_jは、基準パターンに含まれるインデックスがjの読み取り回におけるRSSI値を表す。
n(y)_iは、インデックスがiの読み取り回における同時読み取り数であり、同時読み取りリストに含まれるインデックスがiの読み取り回における同時読み取り数を表す。
Mnは、最大同時読み取り数であり、すべての読み取り回のうち、同時に読み取ったRFIDタグの数が最大となったときの同時読み取り数である。
また、式(3)に含まれるL(y)、L(z)の値は、それぞれ、式(4)、式(5)で導出される。
式(4)で表されるL(y)は、インデックスが1からNまでのr(y)_iの二乗の和であり、式(5)で表されるL(z)は、インデックスが1からMまでのr(z)_jの二乗の和である。
次に、処理部216は、kの値からuを減算する(ステップS105)。すなわち、kの値がk-uに設定される。ここで、uはアンテナ21〜24の数である。
次に、処理部216は、kの値が-qより小さいか否かを判定する(ステップS106)。qは、ステップS101でy1のアンテナ番号と同一のアンテナ番号を持つz_jの最大のインデックスjの値として求めた値であり、M-1(q=M-1)である。
処理部216は、kの値が−qより小さくなければ(S106:NO)、フローをステップS103にリターンさせる。これにより、ステップS103〜S106の処理が繰り返し実行される。
そして、処理部216によってkの値が−qより小さいと判定されると(S106:YES)、処理部216は、フローをステップS107に進行させる。
ここで、ステップS107の処理内容について説明する前に、式(3)〜(5)を用いた類似度の演算について、ステップS103〜S106との関係で説明する。
式(3)によるSk(y,z)の演算は、インデックスi,jをNまで変化させた際に、同じインデックス同士のr(y)_iとr(z)_jを乗じた結果に、同時読み取り数n(y)_iと最大同時読み取り数Mnとの比(重み)を乗じ、√{L(y)×L(z)}で除算することによって行われる。
すなわち、同じインデックス同士の読み取りパターンr(y)_iと基準パターンr(z)_jとを乗じた結果を√{L(y)×L(z)}で除算して得る読み取りパターンと基準パターンの類似度に、同時読み取り数n(y)_iと最大同時読み取り数Mnとの比による重み付けを行って行われる演算である。
従って、ステップS103〜S106によるループ処理が繰り返し実行される際の1回目のステップS103では、kの値がN-3(k=N-3)であるため、図13(B)に示すように、インデックスがN-2、N-1、Nの取得パターンyN-2、yN-1、yNと、基準取得パターンzN-2、zN-1、zNとについて演算が行われる。
すなわち、取得パターンyN-2、yN-1、yNに含まれる読み取りパターンr(y)_N-2、r(y)_N-1、r(y)_Nと、基準取得パターンzN-2、zN-1、zNに含まれる基準パターンr(z)_N-2、r(z)_N-1、r(z)_Nとの類似度に、それぞれ、重み付けが行われることによってSk(y,z)が演算される。重み付けに用いられる比は、それぞれ、n(y)_N-2/Mn、n(y)_N-1/Mn、n(y)_N/Mnである。
また、ステップS105でkの値がu(u=4)だけ減じられると、ステップS106からステップS103を経て実行される2回目のステップS104の処理では、基準パターンが図13(B)に示す位置よりも左に4つずれる。
この結果、基準取得パターンz_kは、図14(A)に示すように、zN-6〜zM+N-7を含むことになり、式(3)により、インデックスがN-6からNまでの取得パターンxN-6〜xNと、基準取得パターンzN-6〜zNとについて演算が行われる。
そして、ステップS106で処理部216によってkの値が−qより小さいと判定される1回前のループ処理におけるステップS104では、図14(B)に示すように、基準取得パターンz_kは、zk〜z3を含むことになる。この結果、式(3)により、インデックスが1から3の取得パターンy1〜y3と、基準取得パターンz1〜z3とについて演算が行われる。
以上のループ処理が終了すると、ステップS106で処理部216によってkの値が−qより小さいと判定され(S106:YES)、処理部216は、フローをステップS107に進行させる。
処理部216は、ステップS107において、それまでに演算して記憶部214に取得データ142として格納した類似度Sk(y,z_k)のうち、最大の類似度Sk(y,z_k)を最終的に求める類似度S(y)として抽出する。これにより、処理部216によって類似度S(y)が演算されたことになる。
類似度Sk(y,z_k)は、取得パターンに含まれる読み取りパターンと、基準取得パターンに含まれる基準パターンとの類似度であり、重み付けを行うことによって導出される。
ステップS107で得られる最終的な類似度S(y)は、インデックスの値をずらしながら得られた全ての類似度Sk(y,z_k)のうちの最大値である。すなわち、類似度S(y)は、基準取得パターンに対して、取得パターンが最も類似している状態で演算される類似度である。
処理部216によって類似度S(y)が抽出されると、フローは図10のステップS27に進行する。以下、実施の形態1におけるステップS7〜S11と同様に、ステップS27〜S31の処理が実行される。
ステップS31では、上述したように、制御部211は、応答信号を生成してサーバ30に送信する(ステップS31)。ステップS31の処理は、制御部211の応答生成部112によって実行される。
ここで、図15及び図16を用いて、式(3)による類似度の演算結果について説明する。
図15は、実施の形態2の読み取り処理システム200によって時系列的に読み取られる信号強度(RSSI値)、読み取り回数、RFIDタグの識別子、アンテナ番号、同時読み取り数の関係の一例を示す図である。
図15(A)に示す読み取りパターンと、図15(C)に示す同時読み取り数リストは、それぞれ、実施の形態1において図6(A)に示した読み取りパターンと、図6(C)に示した同時読み取り数リストと同様である。
また、実施の形態2の読み取り処理システム200は4つのアンテナ21〜24を含むため、図15(B)に示すアンテナ番号は、読み取り回T1〜T4がアンテナ番号1〜4のアンテナ21〜24による読み取りである。同様に、読み取り回T5〜T8がアンテナ番号1〜4のアンテナ21〜24による読み取りである。また、読み取り回T9〜T12がアンテナ番号1〜4のアンテナ21〜24による読み取りである。
図15(A)〜(C)に示す信号強度(RSSI値)、読み取り回数、RFIDタグの識別子、アンテナ番号、同時読み取り数は、ID1〜ID8のRFIDタグのうち、ID7のRFIDタグだけがゲート41(図2参照)を通過せずに読み取られた結果として得られたデータである。
IDがID1、ID2、及びID7のRFIDタグについて、式(3)による類似度の演算を行ったところ、図16に示す結果を得た。なお、図10に示すステップS28においてデータベースへの登録の要否を判定する際に用いる基準値は、0.5に設定した。
図16は、実施の形態2の読み取り処理システム200における類似度の演算結果を示す図である。
図16に示すように、類似度S(y)は、ID1のRFIDタグで0.777、ID2のRFIDタグで0.858、ID7のRFIDタグで0.366であった。
上述のように、ステップS28においてデータベースへの登録の要否を判定する際に用いる基準値は、0.5である。このため、ステップS28では、ID1及びID2のRFIDタグはデータベースへの登録が必要なIDであり、ID7のRFIDタグは、データベースへの登録が不要なRFIDタグであると判定される。
以上、実施の形態2によれば、ID1及びID2のRFIDタグがゲート41(図2参照)を通過したことによってIDが読み取られたRFIDタグであると判別される。
また、ID7のRFIDタグは、不要なRFIDタグであると判別される。このような不要なRFIDタグとは、例えば、ゲート41を通過せずに、ゲート41の近くに存在しており、IDが読み取られたRFIDタグ、又は、フォークリフト7等の通過等による反射等によって生じた信号パスによりIDが読み取られたRFIDタグである。
以上より、実施の形態2によれば、最大同時読み取り数Mnと、各読み取り回における同時読み取り数n_jとの比(n_j/Mn)で重み付けを行って読み取りパターンと基準パターンとの類似度を求めることにより、読み取る必要のない不要なRFIDタグと、読み取る必要のあるRFIDタグとを判別できる。従って、RFIDタグの読み取り精度を改善することができる。
また、以上では、実際にはゲート41を通過していないID7のRFIDタグの読み取り結果を含む読み取りパターンを用いて検証を行った。ID7のRFIDタグは、図15(A)の読み取り回T8に示すように、他のRFIDタグよりも信号強度が低い読み取り結果になっている。これは、例えば、ID7のRFIDがアンテナ21〜24から比較的離れていた場合に相当する。
実施の形態2の読み取り処理システム200は、上述のように、読み取りパターンと、基準パターンとの類似度に重み付けを行って類似度S(y)を求めている。このため、例えば、アンテナ21〜24の近傍にID7のRFIDタグが置かれていて、他のRFIDタグがゲート41を通過したような場合であっても、ID7のRFIDタグの読み取り結果に基づいて演算される類似度は、基準値よりも低くなると考えられる。
これは、アンテナ21〜24の近傍に置かれたRFIDタグから得られる信号強度(RSSI値)は、ゲート41を通過することによって読み取られたRFIDタグの信号強度(RSSI値)よりも高くなるため、類似度が低下するからである。
以上より、実施の形態2の読み取り処理システム200によれば、アンテナ21〜24の近傍にRFIDタグが置かれてゲート41を通過していない場合であっても、そのRFIDタグをデータベースへの登録が不要なRFIDタグであると判別できる。
なお、以上では、類似度S(y)を求めるために重み付けを行う際に、最大同時読み取り数Mnを用いたが、必ずしも最大同時読み取り数Mnを用いる必要はない。最大同時読み取り数Mnの代わりに、同時読み取り数n_jとの比を生成するための適当な値を用いてもよい。このような適当な値は、例えば、読み取り処理システム200において実験的に求めればよい。
また、以上では、4つのアンテナ21〜24を用いる形態について説明したが、アンテナの数は幾つであってもよい。
以上、本発明の例示的な実施の形態の読み取り処理装置、読み取り処理システム、読み取り処理方法、読み取り処理プログラムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
複数のRFIDタグを複数回読み取って得る信号強度を取得する信号強度取得部と、
各読み取り回において同時に読み取ったRFIDタグの数を取得する同時読み取り数取得部と、
前記信号強度取得部によって取得された信号強度について、同時読み取り数が多い読み取り回に含まれるRFIDタグの信号強度に第1の重みを付け、同時読み取り数が少ない読み取り回に含まれるRFIDタグの信号強度に前記第1の重みよりも小さな第2の重みを付ける処理部と、
前記処理部によって重み付けが行われた信号強度に基づき、前記複数のRFIDタグの読み取り結果の取捨選択を行う選択部と
を含む、読み取り処理装置。
(付記2)
前記選択部によって選択されたRFIDタグについて読み取りがあったことを示す読み取り結果を生成する読み取り結果生成部をさらに含む、付記1記載の読み取り処理装置。
(付記3)
前記処理部は、所定の基準値に対する同時読み取り数の比に応じて重み付けを行う、付記1又は2記載の読み取り処理装置。
(付記4)
前記所定の基準値は、同時読み取り数の最大値である、付記3記載の読み取り処理装置。
(付記5)
前記処理部は、各RFIDタグについて、各読み取り回の信号強度に重み付けを行って得る値の総和を演算し、
前記選択部は、前記総和が所定値よりも大きいRFIDタグを選択する、付記1乃至4のいずれか一項記載の読み取り処理装置。
(付記6)
前記処理部は、各RFIDタグについて、各読み取り回における信号強度の時系列的な分布を表す読み取りパターンと、前記読み取りパターンの基準となる基準パターンとの類似度を重み付けを行いながら演算し、
前記選択部は、前記類似度が所定値よりも大きいRFIDタグを選択する、付記1乃至4のいずれか一項記載の読み取り処理装置。
(付記7)
付記1乃至6のいずれか一項記載の読み取り処理装置と、
前記信号強度取得部に接続され、前記RFIDタグを読み取るアンテナと、
前記読み取り処理装置から前記読み取り結果を受け取る情報処理装置と
を含む、読み取り処理システム。
(付記8)
複数のRFIDタグを複数回読み取って得る信号強度を取得する信号強度取得工程と、
各読み取り回において同時に読み取ったRFIDタグの数を取得する同時読み取り数取得工程と、
前記信号強度取得工程において取得された信号強度について、同時読み取り数が多い読み取り回に含まれるRFIDタグの信号強度に第1の重みを付け、同時読み取り数が少ない読み取り回に含まれるRFIDタグの信号強度に前記第1の重みよりも小さな第2の重みを付ける処理工程と、
前記処理部によって重み付けが行われた信号強度に基づき、前記複数のRFIDタグの読み取り結果の取捨選択を行う選択工程と
を含む、読み取り処理方法。
(付記9)
複数のRFIDタグを複数回読み取って得る信号強度を取得させ、
各読み取り回において同時に読み取ったRFIDタグの数を取得させ、
前記信号強度取得部によって取得された信号強度について、同時読み取り数が多い読み取り回に含まれるRFIDタグの信号強度に第1の重みを付け、同時読み取り数が少ない読み取り回に含まれるRFIDタグの信号強度に前記第1の重みよりも小さな第2の重みを付け、
前記処理部によって重み付けが行われた信号強度に基づき、前記複数のRFIDタグの読み取り結果の取捨選択を行わせる処理をコンピュータに実行させる、読み取り処理プログラム。