JP5845102B2 - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
また、マスターバッチを形成する際に、160℃以上に達するまで混練することで、両性化合物の反応性が向上し、両性化合物を配合したことにより得られる性能の改善効果をより顕著に発揮できる。
第1混合工程では、例えば、混練機を用いて、上記ゴム成分100質量%中50質量%以上の量のゴムと、上記シリカ100質量%中25質量%以上の量のシリカと、上記ゴム成分100質量部に対して0.5〜8質量部の上記両性化合物とを160℃以上に達するまで混練してマスターバッチを形成する。混練機としては従来公知のものを使用でき、例えば、バンバリーミキサーやニーダーなどの密閉型設備が挙げられる。なお、以下に述べる混練工程でも同様の混練機を使用できる。
なお、シリカのN2SAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
第2混合工程では、例えば、混練機を用いて、第1混合工程により得られたマスターバッチと、シランカップリング剤とを混練する。第2混合工程において、シランカップリング剤を上記マスターバッチと混練することにより、シリカの分散性がより向上し、本発明の効果がより好適に得られる。
3−ブロモプロピルアミン臭化水素酸塩:関東化学(株)製
チオ硫酸ナトリウム・五水和物:関東化学(株)製
フタルイミドカリウム:関東化学(株)製
ジメチルホルムアミド:関東化学(株)製
窒素ガスで置換した反応容器に3−ブロモプロピルアミン臭化水素酸塩75g、チオ硫酸ナトリウム・五水和物85.26g、メタノール375ml、水375mlを加え、これらの混合物を70℃、5時間還流した。放冷した後、減圧下でメタノールを除去した。残渣に水酸化ナトリウム13.68gを加え、室温で1時間攪拌した後、減圧下で溶媒を除去した。得られた残渣にエタノール600mlを加えて1.5時間還流した。熱ろ過を行い、ろ液を減圧下で濃縮し結晶を得た。結晶をろ過により取り出し、エタノールで洗浄し、更にヘキサンでの洗浄を行った。得られた結晶を真空乾燥し、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウムを得た。
窒素ガスで置換した反応容器にS−(3−アミノプロピル)チオ硫酸ナトリウム52g、水90ml、5mol/l塩酸を加え、得られた溶液を減圧下で濃縮し、ろ過により結晶を取り出した。得られた結晶を真空乾燥し、S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸(両性化合物A)を得た。
<測定操作>
両性化合物Aを分散溶媒(トルエン)と分散剤(10質量%スルホこはく酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム/トルエン溶液)との混合溶液に室温で分散させ、得られた分散液に超音波を照射しながら、該分散液を5分間撹拌して試験液を得た。該試験液を回分セルに移し、1分後に測定した。(屈折率:1.70−0.20i)
NR:TSR20
SBR:日本ゼオン(株)製のNipol1502
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B(シス含量:97質量%)
シリカ:EVONIK−DEGUSSA社製のVN3(N2SA:175m2/g)
S−(3−アミノプロピル)チオ硫酸:製造例1で調製した両性化合物A
シランカップリング剤:EVONIK−DEGUSSA社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製の椿
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤D:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
表1、2の第1混合工程に示す配合処方にしたがい、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、マスターバッチを調製した(第1混合工程)。なお、第1混合工程では、表に記載の排出温度に達するまで混練を実施した。
次に、得られたマスターバッチを用いて、表1、2の第2混合工程に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを使用し、混練り物を調製した(第2混合工程)。第2混合工程では、比較例3を除いていずれも排出温度を150℃に設定し、150℃に達するまで混練(通常の混練工程)を実施した。なお、比較例3の第2混合工程では、排出温度を165℃に設定し、165℃に達するまで混練(通常の混練工程)を実施した。なお、比較例1〜3、6、7では、第1混合工程(マスターバッチ調製)を行うことなく、第2混合工程を実施した。
さらに、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た(仕上げ練り工程)。
得られた未加硫ゴム組成物を160℃で30分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K6300に準拠したムーニー粘度の測定方法に従い、130℃でムーニー粘度(ML1+4)を測定した。基準比較例のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式により指数表示した(ムーニー粘度指数)。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れる。
(ムーニー粘度指数)=(基準比較例のML1+4)/(各配合のML1+4)×100
JIS K6251:2010に基づいて、得られた加硫ゴム組成物からダンベル状6号形試験片を作製し、該試験片を用いて25℃雰囲気下において引張試験を実施して破断強度TB(MPa)、破断時伸びEB(%)を測定した。そして、TB×EB/2(MPa・%)を算出した。結果は、基準比較例の結果を100として指数表示した。指数が大きいほど、ゴム強度に優れることを示す。
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で各配合(加硫物)の損失正接(tanδ)を測定し、基準比較例の損失正接tanδを100として、下記計算式により指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど低燃費性(転がり抵抗特性)に優れる。
(転がり抵抗指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
得られた加硫ゴム組成物について、ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃、スリップ率20%及び試験時間2分間の条件下でランボーン摩耗量を測定した。更に、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、基準比較例のランボーン摩耗指数を100とし、下記計算式により、各配合(加硫物)の容積損失量を指数表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(ランボーン摩耗指数)=(基準比較例の容積損失率)/(各配合の容積損失率)×100
Claims (5)
- ゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して20〜80質量部のシリカと、酸性及び塩基性官能基を有する両性化合物とを含有するゴム組成物の製造方法であって、
前記ゴム成分100質量%中50質量%以上の量のゴムと、前記シリカ100質量%中25質量%以上の量のシリカと、前記ゴム成分100質量部に対して0.5〜8質量部の前記両性化合物とを160℃以上に達するまで混練してマスターバッチを形成する第1混合工程と、
前記マスターバッチと、シランカップリング剤とを混練する第2混合工程とを含むゴム組成物の製造方法。 - 前記式(I−2)中のMr+で表される金属イオンは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、コバルトイオン、銅イオン、又は亜鉛イオンである請求項3記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記第1混合工程において、前記シリカ100質量%中35〜90質量%の量のシリカを混練する請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
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