JP5737094B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
すなわち、特許文献1に記載の相互結合中和器では、対をなすパッチアンテナ間の逆の相互結合を予め定められた周波数帯域にわたって中和するために、キャパシタを予め定められた大きさに形成する必要がある。また、各アンテナから引き出した同等振幅逆位相で注入する必要があり、アンテナレイアウトが複雑化し、小型化を含め、容易にアンテナや相互結合を調整することが困難であった。
また、特許文献2に記載のアンテナ装置では、給電ストリップ部の端部からブリッジ部までの距離により素子間相互結合を調整するため、不安定要素が大きく、生産性に乏しいと同時に、小型化が困難であった。さらに、近接した短絡ストリップ部同士の結合が発生し、グランド側への高周波電流の影響で、グランドを介して相互結合してしまい、グランドサイズ、アンテナサイズ等の設計条件に左右され、十分な相互結合抑制の実現は困難であった。
すなわち、このアンテナ装置では、同軸ケーブルが、グランドパターンに対して平行にならずに湾曲又は屈曲して延在しているので、グランドパターンを流れる高周波電流と同軸ケーブルを流れる高周波電流とが分離され、アンテナ部からグランド面の中間領域に対する高周波電流の流れをより効果的に流すことができる。すなわち、同軸ケーブルがグランドパターンと平行に配置された場合、互いに流れる高周波電流が同位相になり、同軸ケーブルに流れる高周波電流に影響を与えてアンテナ性能に対して不安定要素が増大してしまうが、本発明では、上記両高周波電流の位相が異なるため、第1アンテナ部と第2アンテナ部とについて、それぞれ同軸ケーブルからグランド面への高周波電流の流れを安定して確保することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、同軸ケーブルが使用周波数に対応する波長の4分の1の長さに設定されているので、同軸ケーブルの輻射及び両側領域との間の電磁結合を効果的に利用することができる。なお、同軸ケーブルが使用周波数に対応する波長の4分の1未満の長さであると、アンテナ部から見た高周波電流の流れを最大限に利用できなくなると共に、グランドパターンに流れる高周波電流との影響により、アンテナ性能に対して不安定要素が増大してしまう。また、同軸ケーブルが使用周波数に対応する波長の4分の1を超えた長さであると、アンテナ部から見た高周波電流に悪影響を与える定在波が同軸ケーブル上に発生し、やはりアンテナ性能に対して不安定要素が増大してしまう。
すなわち、このアンテナ装置では、アンテナエレメントの先端部に誘電体アンテナのアンテナ素子が設けられているので、誘電体アンテナであるアンテナ素子の選択によって、アンテナエレメントを短くでき、小型化および高性能化が可能になる。
本発明のアンテナ装置によれば、同軸ケーブルが、アンテナ側給電点からグランドパターンの直上を避けグランド面の両側領域の直上を通って中間領域に設けられた回路側給電点に配線されているので、アンテナ部から中間領域へ高周波電流を効果的に流して第1アンテナ部と第2アンテナ部との相互結合を低減させることができ、小型化が可能で高性能なアンテナ特性を得ることができる。
したがって、同一基板上にBluetooth(登録商標)やワイヤレスLAN等の同一周波数帯を使用する2つのアンテナを設計する場合に、アンテナ間の距離を大きく離さなくても相互結合によるアンテナ性能の劣化を抑制でき、省スペース化(小型化、薄型化)が可能である。
上記グランドパターン6は、前記離間する方向Xに向けて延在した長方形状にパターン形成されている。すなわち、一対のグランドパターン6は、第1アンテナ部3A及び第2アンテナ部3Bの延在方向に沿って同一直線上に形成されている。
このアンテナエレメント7は、グランドパターン6の先端から該グランドパターン6の延在方向に延在して途中に第1受動素子P1が接続された第1エレメント7aと、該第1エレメント7aの途中であって第1受動素子P1より基端側に先端が接続されていると共に途中に第2受動素子P2が接続され基端がアンテナ側給電点FP1から離間した位置でグランドパターン6に接続されている第2エレメント7bとを有している。
上記第1受動素子P1及び第2受動素子P2は、例えばインダクタ、コンデンサ、抵抗又はジャンパー線等が採用される。
また、同軸ケーブル4は、グランドパターン6に対して平行にならずに湾曲又は屈曲して延在している。
さらに、同軸ケーブル4は、使用周波数に対応する波長の4分の1の長さに設定されている。
回路基板本体2は、長方形状であり、一辺側の一対の角部側にそれぞれグランド面GNDが形成されていない領域が形成され、これら領域にそれぞれ長方形状のアンテナ基板5が、回路基板本体2の一辺に沿って実装されている。すなわち、これら一対のアンテナ基板5は、同一直線上に配置されている。これらアンテナ基板5は、回路基板本体2にネジ止めや接着剤等により固定される。
まず、同軸ケーブル4の長さは、アンテナ側給電点FP1と回路側給電点FP2との距離から考えてグランドパターン6よりも長くなり、第1アンテナ部3A及び第2アンテナ部3Bから見た高周波電流の流れは、グランドパターン6よりも同軸ケーブル4を介してグランド面GNDに流すことが有効である。
したがって、第1アンテナ部3Aと第2アンテナ部3Bとについて、それぞれ同軸ケーブル4からグランド面GNDの中間領域GND1への高周波電流の流れを安定して確保することができ、第1アンテナ部3Aと第2アンテナ部3Bとの相互結合も低減される。
さらに、同軸ケーブル4が使用周波数に対応する波長の4分の1の長さに設定されているので、同軸ケーブル4の輻射及び両側領域GND2との間の電磁結合を効果的に利用することができる。
この結果からわかるように、所望の周波数帯において相互結合が大幅に抑制されており、2442MHzにおいて−37.4dBが得られている。
このように、同軸ケーブル4が湾曲しながらグランド面GNDの両側領域GND2の直上を経由して引き回されている本発明の実施例では、同軸ケーブル4が回路基板本体2の外を経由する場合やグランドパターン6の直上を経由する場合に比べて大幅に相互結合が抑制されている。
したがって、同軸ケーブル4が使用周波数に対応する波長の4分の1に設定されている本発明の実施例では、同軸ケーブル4が上記波長の4分の1未満や4分の1を超えた場合に比べて大幅に相互結合が抑制される。
例えば、上記実施形態では、第1アンテナ部と第2アンテナ部とが、同一の周波数帯を使用するアンテナを構成するが、互いに異なる周波数帯を使用するアンテナとしても構わない。
Claims (4)
- 絶縁性の回路基板本体と、
該回路基板本体の表面に互いに離間して設けられ前記離間する方向に延在する第1アンテナ部及び第2アンテナ部と、
前記回路基板本体の表面に金属箔でパターン形成され前記第1アンテナ部と前記第2アンテナ部との間の中間領域と前記第1アンテナ部及び前記第2アンテナ部に沿った両側領域とを有したグランド面と、
前記第1アンテナ部及び前記第2アンテナ部に設けられた一対のアンテナ側給電点とこれらアンテナ側給電点に対応して前記中間領域に設けられた一対の回路側給電点とを接続する一対の同軸ケーブルとを備え、
前記第1アンテナ部及び前記第2アンテナ部が、前記回路基板本体の表面に設けられた絶縁性領域と、該絶縁性領域にそれぞれ金属箔でパターン形成されたグランドパターン及びアンテナエレメントとをそれぞれ備え、
前記グランドパターンが、前記離間する方向に向けて延在し、
前記アンテナエレメントが、前記グランドパターンの先端に設けられた前記アンテナ側給電点に基端が接続され前記離間する方向に開放端を向けて配置され、
前記同軸ケーブルが、前記アンテナ側給電点から前記グランドパターンの直上を避け前記両側領域の直上を通って前記中間領域に設けられた前記回路側給電点に配線され、
前記同軸ケーブルの一端側の芯線が、前記アンテナ側給電点に接続されていると共に、前記同軸ケーブルの他端側のグランド線が、前記グランドパターンに接続され、
前記同軸ケーブルの他端側の芯線が、前記回路側給電点に接続されていると共に、前記同軸ケーブルの他端側のグランド線が、前記中間領域に接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記同軸ケーブルが、前記グランドパターンに対して平行にならずに湾曲又は屈曲して延在していることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記同軸ケーブルが、使用周波数に対応する波長の4分の1の長さに設定されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記アンテナエレメントの先端部に誘電体アンテナのアンテナ素子が設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
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