JP5766595B2 - 遠心ターボ機械 - Google Patents
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Description
遠心ポンプは、ポンプのインペラ入口シュラウド半径に対してポンプのインペラ出口半径が大きく、インペラ出口の流れが子午面において半径方向外向きに流れるように構成されたインペラを有し、非圧縮性流体の昇圧を行う装置である。
そして、遠心圧縮機は、上述した遠心ブロワよりさらに高圧まで圧縮性流体を昇圧する装置である。
このような遠心インペラを備えた遠心ターボ機械は、入口から軸方向に流体の流れを吸い込み、遠心インペラの流路が軸方向から半径方向に曲げられているため、出口では流れが半径方向外向きに流出する。なお、遠心ポンプの場合、一般的にはインペラ入口の翼前縁が回転軸に対してケーシング側で吸い込み側に傾斜する子午面形状を有するが、軸方向に吸い込んで半径方向に流出させる基本構造については、遠心ブロワ及び遠心圧縮機と共通である。
また、遠心インペラの出口下流には、円形翼列からなるディフューザが設けられ、翼を有するディフューザをベーンドディフューザ、翼のないディフューザをベーンレスディフューザと呼んでいる。このような翼の有無は、通常遠心ターボ機械の要求性能に応じて決められている。なお、ディフューザの下流には、流れを集合させて下流の配管に吐出するスクロールを設けてあるが、遠心ポンプの場合には、上述したディフューザ自体を設置しない構造が多く、従って、遠心インペラの出口下流に直接スクロールが設置されていることも多い。
図示の遠心圧縮機Cは、ケーシング1と、ケーシング1に回転可能に支持された回転軸2と、回転軸2の外周に取り付けられてケーシング1内で回転する遠心インペラ3と、を備えている。なお、回転軸2の一端には、遠心インペラ3を回転させる電動機等の駆動源(不図示)が連結されている。
遠心インペラ3は、回転軸2の外周に取り付けられたハブ4と、ハブ4の外周面に放射状に間隔を空けて設けられた複数の遠心インペラ翼(以下、「翼」と呼ぶ)5とにより構成される。この翼5は、ハブ4の外周面から外向きに突出して設けられている。
インペラ出口7から吐出された旋回流れは、対向する2枚の環状円板8a,8bに挟まれた空間8に流入する。この空間8は、環状円板8a,8bの内壁面に固定設置された複数のディフューザ翼9とともにディフューザ10を構成しており、インペラ出口7から連続してディフューザ入口部が設けられている。
図示のディフューザ翼9は、翼中心線が翼前縁にて円周方向から10度〜30度程度の角度を持って取り付けられ、隣接するディフューザ翼9,9間で挟まれた流路面積が拡大するように形成されている。この結果、ディユーザに流入した流れの流速が減速されることになるので、動圧が静圧上昇に変換される。
このように、多くのディフューザ10では、ディフューザ翼9が環状円板8a,8b間の幅方向に相似な形状を有する翼、いわゆる2次元翼と呼ばれる翼で構成されるものが多い。なお、環状円板8a,8b間の幅は、ディフューザ翼9からの視点では翼高さであるから、以下の説明では「翼高さ」という用語を使用する。
さらに、スロート12の下流では、ディフューザ翼9,9間の流路断面積増加に逆比例して減速され、ディフューザ入口において流速の持つ動圧が静圧に回復される。
特に、遠心圧縮機Cに流入する流量が減少すると、インシデンス角θiが増加し、翼負圧面9aの減速が大きくなるため、境界層BLの発達は拡大する。すなわち、ディフューザ翼9の前縁における流速をC1、スロート12における主流の流速をCth、ディフューザ出口の流速をC2とすれば、主流の流速Cthの値が最高効率作動点に比べて減少するので、減速比(Cth/C1)が小さくなって境界層BLは拡大する。
逆に、遠心圧縮機Cに流入する流量が増加すると、インシデンス角θiが負になってスロート12までの流れが増速する。この結果、スロート12における流れの速度が音速に達し、流量がそれ以上増加しない状態になるので、この作動点がチョーク流量となる。
遠心圧縮機Cの流量範囲(「作動範囲」とも言う)は、一定回転数での流量圧力特性曲線(図19を参照)のように、サージング発生の流量値(サージ線)が低流量側(下限値)を規定し、チョーク発生の流量値(チョーク流量)が高流量値(上限値)を規定する。このため、サージング発生の流量値が増加して高くなると、流量範囲の下限値が上昇して作動範囲を狭めるだけでなく、チョーク発生の原因となる上限値を低下させて作動範囲を狭めることにもなる。
また、各種の遠心圧縮機は、エンジンやプラントの運用効率を向上させるため、広い作動範囲と高効率とが要求される。しかし、遠心圧縮機のディフューザには、ディフューザ翼の前縁からスロートまでの領域において、境界層の拡大によりディフューザの圧力回復率が低下して遠心圧縮機効率を低下させることや、サージング発生の流量値が増加することで、流量範囲の下限値が上昇して作動範囲を狭めるとともに、チョーク発生の原因となる上限値を低下させて作動範囲を狭めるという流動の課題があるため、現状においては高効率化や作動範囲の拡大に制約を受けている。
また、このような課題は、衝撃波が発生するような高圧力比の遠心圧縮機において、さらに顕著なものとなる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ディフューザ翼の形状等を改良することにより、高効率化や作動範囲の拡大を可能にした遠心ターボ機械を提供することにある。
本発明に係る第1実施態様の遠心ターボ機械は、入口から軸方向に吸い込んだ流体に回転軸周りの旋回エネルギーを与えて昇圧する遠心インペラと、半径方向外向きのインペラ出口から吐出された前記流体の流れを減速するベーンドディフューザとを備えている遠心ターボ機械であって、前記ベーンドディフューザのディフューザ翼が、2次元翼相当の翼高さ方向に略直線にした翼圧力面と、下流に向かって凸の放物線状の翼前縁と、翼高さ方向断面の負圧面において、放物線状とした前記翼前縁の凸部に対応する翼高さに、翼厚さ方向に凹となる円弧状断面部を1つまたは複数備えた翼負圧面とから構成され、前記円弧状断面部を形成する流れ方向領域をスロートの上流側に限定したことを特徴とするものである。
このようなディフューザ翼は、翼後縁の下流側に仮想スロートを備えた小弦節比翼にも適用可能である。
また、前記ベーンドディフューザは、翼後縁の下流側に仮想スロートを備えた小弦節比翼と、該小弦節比翼の半径方向後流側に設置された2次元翼とを備えた二重翼列ディフューザとしてもよい。
<第1実施態様>
図1は、遠心ターボ機械の一例である遠心圧縮機C(図15参照)について、本実施態様におけるディフューザ翼9Aの前縁側形状例を示す斜視図である。
ディフューザ翼9Aは、流体流路となる空間8を形成している環状円板8a,8bの内壁面に複数が固定設置されて、遠心圧縮機Cのディフューザ10を構成する部材である。この場合、一方の環状円板8aがシュラウド側壁面を形成し、他方の環状円板8bがハブ側壁面を形成している。
こうして静圧が上昇した流体の流れは、カタツムリ状のスクロール11により遠心圧縮機Cの出口に導かれる。すなわち、本実施態様の遠心圧縮機Cは、入口から軸方向に吸い込んだ流体に回転軸周りの旋回エネルギーを与えて昇圧する遠心インペラ3と、半径方向外向きのインペラ出口7から吐出された流体の流れを減速するディフューザ10とを備えており、この場合のディフューザ10は、空間8の内部に複数のディフューザ翼9Aを備えたベーンドディフューザである。
なお、図示のディフューザ翼9Aは、ベース形状を2次元の円弧翼としているが、このベース形状は、楔形の2次元翼やその他の翼形状であってもかまわない。
すなわち、本実施態様のディフューザ翼9Aは、2次元翼相当の略直線にした翼圧力面9bと、下流に向かって凸の放物線形状の翼前縁20とを有している。さらに、本実施態様のディフューザ翼9Aは、翼負圧面9aの翼高さ方向(流れに略垂直な方向)断面に円弧状断面部30を備えている。この円弧状断面部30は、1または複数の翼厚さ方向に凹となる円弧形状を翼高さ方向に並べて設けたような断面形状とされ、この円弧状断面部30を形成する流れ方向の領域Lについては、スロート12の上流側に限定される。
図示の稜線33は、ディフューザ翼9Aの翼根9cがハブ側壁面を形成する環状円板8bに固定されているので、ハブ側壁面(環状円板8b)から翼高さ方向へ略1/2Hとなる位置において、翼前縁20からスロート12までの領域L内で流れ方向へ延在して設けられている。なお、円弧形状部30及び稜線33の始点は翼前縁20となるが、流れ方向の終点については、スロート12の上流側であれば特に限定されることはない。
このため、稜線33を有する円弧形状部30では、翼高さ方向と垂直な矢印方向X、すなわち稜線高さhの方向において、円弧形状部30の断面底部で圧力が高く、かつ、稜線33の先端部で圧力が低い圧力分布となる。
また、ディフューザ翼9Aの翼負圧面9aでは境界層の発達が抑えられるので、遠心圧縮機Cの流量が少なくなった運転状況においても、従来形状の2次元ディフューザと比べて境界層が薄くなり、サージ流量が小流量側に移動して作動範囲は広くなる。
また、2個の円弧形状31,32を有する円弧状断面部30を設けたことにより、整流板の効果を有する稜線33が円弧間の中央位置付近に形成されている。このため、遠心インペラ3から流出する流れは、ディフューザ翼9Aにおける翼厚さ方向の流れの成分が翼長さ方向へ導かれることとなり、従って、偏流による過剰な減速に起因して境界層が拡大することを防止できる。
また、複数の円弧形状31,32を有する円弧状断面部30が設けられることにより、楕円状の翼前縁部においては、同一楕円形状を翼前縁に適用した場合、円弧形状を1つにした断面形状と比較して流れ方向長さLfを短くでき、従って、翼端部(特に前縁側)の形状製作が容易になる。
また、翼高さHの略中央位置に設けられている稜線33の高さについては、稜線高さをhとした場合、h/2以上であることが好ましい。
この第1変形例は、上述した実施形態の翼形状を小弦節比翼のディフューザ翼9Bに適用している。小弦節比翼は、翼後縁が仮想スロート12Aより上流側にある翼長の短い翼であり、従って、ディフューザ翼9Bは、翼後縁の下流側に仮想スロート12Aを備えている。なお、仮想スロート12Aは、従来2次元翼の負圧面に相当する面に沿って、翼後縁を下流に延長した仮想面(想像線で示す)と、隣接するディフューザ翼9Bとの間に想定されるものである。
この場合、ディフューザ翼9Aの稜線については、翼高さ方向における上下両端の稜線34,35及び中央の稜線33が、小弦節比翼において後縁より上流の位置でなくなってもよいし、あるいは、後縁まで連続して形成されたものでもよい。
また、この変形例では、遠心インペラ3から流出した高速の流れをチョークするスロートが存在しない。このため、チョーク流量の増加により作動範囲が拡大し、さらに、チョーク流量の増加により遠心圧縮機Cの作動範囲が拡大する。
すなわち、図4に示す二重翼列ディフューザは、第1変形例のディフューザ翼9Bと従来の多翼2次元翼とを、半径方向の配置領域を異ならせて組み合わせたものであり、下流側に配設される2次元翼の翼枚数は、小弦節比翼の2倍となっている。
また、2次元翼で構成されるディフューザが後置ディフューザとして設けられているので、二重翼列ディフューザ構造として全体の圧力回復率も上昇し、その結果、遠心圧縮機Cの作動範囲及び効率を向上させることができる。
この変形例において、ディフューザ翼9Cの円弧状断面部30Aには、2つの円弧形状31A,32Aが翼高さ方向に並べて設けられている。そして、ディフューザ翼9Cのハブ側面の翼根9cから翼高さHの2/3〜3/4となる位置には、流れ方向に延在する稜線33Aが形成され、上下両端にも稜線34A,35Aが形成されている。稜線33Aの高さ位置はディフューザ翼9Cを固定する環状円板8a,8bの壁面が基準となるもので、上述した実施態様及びその変形例とは異なり、翼高さHの略中央位置から環状円板8a,8bのいずれか一方へ略平方移動させた位置にある。この場合においても、円弧状断面部30Aを形成する流れ方向の領域Lは、翼前縁からスロート12の上流までとする。
この流速分布によりシュラウド側(環状円板8a側)の流速が低くなると、ディフューザ翼9の翼負圧面9aに減速が生じるので、流速の低い部分では、境界層の発達が流速の速い部分に比べて顕著となる。この結果、翼負圧面9aでは、境界層の拡大及び剥離が発生しやすくなる。
なお、この第3変形例においては、2つの円弧形状31A,32Aを1/4円弧形状にするなどして、上下両端部に形成される稜線34A,35Aがなく、中心位置から位置ずれした稜線33Aのみを設けたものでもよい。
このようなディフューザ翼9Cは、シュラウド側の環状円板8aに固定設置する場合、翼根側の稜線が境界層の排除効果を有し、さらに、翼高さ方向中央部の稜線33Aが、遠心インペラ3から流出する流れがハブ側に偏って流入することを防止する効果を有するので、境界層の発達を抑えた高圧力回復率のディフューザ10となる。
すなわち、ディフューザ翼9Cの加工は、一般に側壁面となる環状円板8a,8bの一方に翼高さHを含めた厚さの円板素材から機械加工により一体的に削りだす方法、あるいは、機械加工によりディフューザ翼9Cだけを成形加工して環状円板8a,8bの一方に接合する方法が採用される。
しかし、図5に示す第3変形例の構造では、翼高さ方向の略中央からずれた位置に稜線33Aが存在するため、翼前縁となる先端面の翼形状を成形する場合のハンドリング時において、不慮の操作により翼先端の稜線33Aを変形または破損させる可能性を低減できる。すなわち、ディフューザ翼9Aの翼形状では、稜線33Aによる流動の改善効果を保持しつつ、加工やハンドリングによる構造の欠陥を生じる可能性を低減できる。
次に、本発明に係る遠心ターボ機械について、第2実施態様を図7〜11、図17及び図18に基づいて説明する。なお、上述した実施態様及び各変形例と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ところで、従来の一般的な2次元翼形状は、図7に示すように、構造強度の視点から翼前縁20の端部が有限の厚さを保持するように設計・製作されている。その代表的な構造では、円弧状の中心線CLの両側に、円弧状の翼圧力面9b及び翼負圧面9aが構造強度を保持可能な有限の厚さをもって設置され、翼圧力面9b及び翼負圧面9aの交わる翼前縁20では、翼圧力面9bと翼負圧面9aとを形成する曲線の延長線が、最大でも360度/N(翼枚数)以下の数度の交差角を持って設計される。
従って、これらの課題を回避するためには、翼前縁20の断面形状として、円弧状または楕円状の前縁断面を有する必要があった。
このような翼前縁形状とすることにより、流速が亜音速から遷音速の領域で使われる場合には、逆圧力勾配の大きい領域が生じることを防止でき、流速が遷音速から超音速の領域で使われる場合には、超音速域の大きさを縮小することができる。
また、曲線22、23の交差位置は、ディフューザ翼9Aの中心線CLに対して、翼圧力面9b側に設定する場合、翼負圧面9a側に設定する場合、そして略中心線CL上に設定する場合がある。
この場合、翼前縁先端の角度θaは、先端部21の中心点CPと翼先端Tとを結ぶ直線CTと、ディフューザ翼の中心線CLとの成す角度と定義する。
また、インシデンス角θiが中心線CLから翼圧力面9b側にある場合を正のインシデンスと定義し、同様に翼前縁先端の角度θaも中心線CLから翼圧力面9b側となる正の角度に設定する。この場合、翼加工を簡易化するため、翼先端の曲線23については、翼圧力面9bを形成する曲線の延長線により構成してもよい。
遠心圧縮機Cの運用や設計点の設定において、ディフューザ入口の流れが超音速の状態で使用する場合には、翼前縁20の曲線22,23で圧縮波が発生しないように、翼負圧面9aの延長線で構成する。図9は、ディフューザ10に流入する流れが超音速の場合を示しており、翼圧力面9a側にのみ衝撃波SWが発生する状態を示している。
また、翼負圧面9aの流れが剥離することによる失速発生を防止でき、遠心圧縮機Cのサージ流量を低減し作動範囲を拡大できる。
また、翼負圧面9aの流れの剥離による失速発生を防止でき、遠心圧縮機Cのサージ流量を低減し作動範囲を拡大できる。
この結果として、負圧面境界層の発達が抑えられ、圧力回復率の向上と、遠心圧縮機Cの圧力上昇及び効率向上とともに、作動範囲拡大の効果が得られる。
なお、本実施態様は、上述した第1実施態様との組合せ(図14参照)に限定されることはなく、円弧状断面部30のない翼形状に適用することも可能である。
そこで、上述したディフューザ翼9A′,9A″に適用されるディフューザ翼製造方法について、図12及び図13を参照して以下に説明する。
具体的に説明すると、図12及び図13の説明図には、円弧状断面部30の円弧形状32について、環状円板8a,8bとなる円板状の側板に垂直な半径線Rvと、翼厚さ方向の半径線Rhで示し、ボールエンドミルの先端円弧半径Rが矢印で示されている。ボールエンドミルによる機械加工時には、翼厚さ方向の半径線Rhの先端が2次元翼断面形状表面に沿って翼長さ方向へ移動する。この結果、相似形状部においては所望の2次元翼断面部が形成され、最終的には相似形状部の翼端部についても、2次元翼負圧面形状と相似な翼形状が形成される。
このようにして形成された翼負圧面9aと、翼高さ方向に略相似な曲面とが交差するために、その残った部分で比較的緩やかな放物線状の先端部21A,21Bを形成することができる。
このようなディフューザ翼製造方法を採用すれば、比較的緩やかな放物線状の先端部21A,21Bが形成され、翼前縁20にて鋭く突出する形状の尖端T′となることを防止できるので、製作上の不具合発生や組み立て時の不具合発生等のように、構造や形状に起因する製造時の問題を解消できる。
このようなディフューザ翼製造方法を採用しても、放物線状とした翼前縁の最上流部において、先端部21A,21Bの翼断面形状が尖端T′となることを防止でき、構造上の欠陥や作業者の負傷を防止できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
4 ハブ
5 遠心インペラ翼(翼)
6 インペラ入口
7 インペラ出口
8 空間
8a,8b 環状円板
9,9A,9B,9C ディフューザ翼
9a 翼負圧面
9b 翼圧力面
9c 翼根
10 ディフューザ
12 スロート
20 翼前縁
21,21A,21B 先端部
22,23 曲線
30,30A 円弧状断面部
31,32 円弧形状
33〜35,33A〜35A 稜線
C 遠心圧縮機(遠心ターボ機械)
H 翼高さ
L 円弧状断面部を形成する流れ方向の領域
W スロート幅
Ps 静圧等圧線
h 稜線高さ
Claims (8)
- 入口から軸方向に吸い込んだ流体に回転軸周りの旋回エネルギーを与えて昇圧する遠心インペラと、半径方向外向きのインペラ出口から吐出された前記流体の流れを減速するベーンドディフューザとを備えている遠心ターボ機械であって、
前記ベーンドディフューザのディフューザ翼が、2次元翼相当の翼高さ方向に略直線にした翼圧力面と、下流に向かって凸の放物線状の翼前縁と、翼高さ方向断面の負圧面において、放物線状とした前記翼前縁の凸部に対応する翼高さに、翼厚さ方向に凹となる円弧状断面部を1つまたは複数備えた翼負圧面とから構成され、
前記円弧状断面部を形成する流れ方向領域をスロートの上流側に限定したことを特徴とする遠心ターボ機械。 - 前記円弧形状を翼高さ方向に2つ並べて設け、翼高さの略中央位置に流れ方向の稜線を形成したことを特徴とする請求項1に記載の遠心ターボ機械。
- 前記ディフューザ翼は、翼後縁の下流側に仮想スロートを備えた小弦節比翼であることを特徴とする請求項2に記載の遠心ターボ機械。
- 前記ベーンドディフューザは、前記小弦節比翼と、該小弦節比翼の半径方向後流側に設置された2次元翼とを備えた二重翼列ディフューザであることを特徴とする請求項3に記載の遠心ターボ機械。
- 前記円弧状断面部を翼高さ方向に2つ並べて設け、前記ディフューザ翼のハブ側の環状円板面から翼高さにおいて、翼根から翼高さの2/3〜3/4となる位置に流れ方向の稜線を形成したことを特徴とする請求項1に記載の遠心ターボ機械。
- 前記ディフューザ翼の流れ方向と平行な翼断面は、前記翼前縁を構成する円弧断面より上流側に流れの入射方向に対応した先端部が付加され、該先端部は、2つの略円弧状曲線が90度以下の鋭角に交差する尖端形状に構成されるとともに、
前記尖端形状は、流速が亜音速から遷音速で使われる場合に翼圧力面側へ向けられ、遷音速から超音速で使われる場合に翼負圧面側へ向けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の遠心ターボ機械。 - 前記ディフューザ翼は、前記2次元翼の流れ方向と平行な翼断面において、翼前縁を構成する円弧断面より上流側に流れの入射方向に対応した先端部が付加され、該先端部は、2つの略円弧状曲線が90度以下の鋭角に交差する尖端形状に構成されるとともに、
前記尖端形状は、流速が亜音速から遷音速で使われる場合に翼圧力面側へ向けられ、遷音速から超音速で使われる場合に翼負圧面側へ向けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の遠心ターボ機械。 - 請求項7に記載の遠心ターボ機械に設けられて前記尖端形状を備えたディフューザ翼製造方法であって、
ボールエンドミルの先端円弧を前記2次元翼の断面形状表面に沿って翼長さ方向へ移動しながら加工する工程と、
前記2次元翼の形状より上流側部分で、ディフューザ翼中心線に交差するように、略一定の角度を有する直線または曲線状の軌跡を描いて移動させる工程と、
を備えていることを特徴とするディフューザ翼製造方法。
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