以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報処理システム1の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、階毎に設置する1又は複数の複合機100、1又は複数のクライアントPC200、プリントサーバ300、ファイル送信サーバ500、ファイルサーバ600がLAN(Local Area Network)10 1を介して接続される。また、スキャンチケットサーバ400、ファイルサーバ600がLAN10 2を介して接続される。LAN10 1とLAN10 2はWAN20を介して接続される。
例えば、LAN10 1は企業の各拠点の拠点内ネットワークであり、LAN10 2は企業の本社内のネットワークである。そして拠点毎のネットワークLAN10 1と本社ネットワークLAN10 2が一般回線などのWAN20を介して接続される。
また、例えば、LAN10 1は各企業の社内ネットワークであり、LAN10 2はクラウドサービスのように各社から利用できるウェブサービスを提供する会社内のネットワークである。そして各社の社内ネットワークLAN10 1とサービス提供社のサービス提供用のネットワークLAN10 2が一般回線などのWAN20を介して接続される。
複合機100は、プリンタ、スキャナ、コピー、ファクシミリ等の機能を有する画像形成装置である。
クライアントPC200は、LAN10に通信可能に接続される装置である。クライアントPC200は、複合機100の設定を行うPCで、ネットワークを介してHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)で複合機100と通信することができる(例えば、マイクロソフト社のInternet Explorer(登録商標))機能を搭載したPCである。また、ユーザから印刷ジョブを投入するためのPCでもあり、ユーザの指示によってアプリケーションからプリンタドライバを介して印刷ジョブを生成し、プリンタドライバがLPR(Line PRinter Daemon)やその他の印刷プロトコルを用いて、印刷ジョブを複合機100に送信することができる。また、複合機100でスキャンしたデータを受け付けるための装置でもある。
プリントサーバ300は、クライアントPC200から印刷ジョブ920を受け取り、印刷ジョブ920を解析して、該印刷ジョブを蓄積するための装置である。また、複合機100から印刷要求を受け取り、印刷要求に含まれるユーザ名を元にして、蓄積ジョブからユーザの印刷ジョブ920を検索し、見つかったユーザの印刷ジョブ920を複合機100に対して印刷指示を行う機能も持った装置である。
なお、プリントサーバ300は、1つのサーバで構成しても良い。また、プリントサーバ300は、プライマリおよびセカンダリの2つのサーバによって構成しても良い。また、プリントサーバ300は、3つ以上のサーバによって構成しても良い。
なお、プリントサーバ300の機能を複合機100上で動作させてもよい。プリントサーバ300の機能を複合機100上で同居させた場合は、印刷ジョブ920を転送できる範囲が、該当複合機100で管理されている印刷ジョブのみとなってしまい利便性が低下するが、プリントサーバ300を構築するコストを削減できる。どちらの構成であってもよい。
スキャンチケットサーバ400(第1の管理サーバ)は、スキャン予約情報を保持しておく装置である。スキャン予約情報(スキャン設定等)を記憶したスキャンチケット930をスキャンチケット記憶部410に格納する。言い換えると、スキャンチケットは、スキャナ3060で紙文書の読み取りを実行するための指示内容が定義されているスキャンチケットである。
スキャンチケットサーバ400は、複合機100からの要求に応じて一覧作成、チケット生成、チケット有効化、チケット削除などの処理を行う。スキャンチケットサーバ400は、ファイル送信サーバ500やファイルサーバ600と同じ筐体で構成してもよい。
ファイル送信サーバ500(第2の管理サーバ)は、複合機100でスキャンされたファイルをファイルサーバ600に格納するための中継装置である。送信チケット940を格納しており、送信チケット940の内容に基づいてファイルサーバ600への認証とファイル送信を行うことができる。認証情報については事前にファイルサーバ600に固定アカウントを設定してもよいし、送信チケット940からアカウント情報を読み込んでもよい。
ファイルサーバ600は、ファイルを格納して複数ユーザで共有したり、ユーザ毎にアクセス制御をしたりするための装置である。
ファイルサーバ600の形態としては、単純なファイル管理機能を備えたものであってもよいし、個人のクライアントPCのように単に共有ディレクトリを使ってファイル送受信ができるものでもよい。また、ファイルのバージョン管理、監査等の機能も備えた文書管理サーバのようなものであってもよいし、交通費申請等の業務ワークフローに基づいてスキャンされた証憑等を管理するワークフローサーバのようなものであってもよい。いずれの構成であっても、ファイルサーバ600とは特定のディレクトリにファイルを格納できる装置である。
次に、図2、3を参照しながら、複合機100、クライアントPC200、プリントサーバ300、スキャンチケットサーバ400、ファイル送信サーバ500、ファイルサーバ600について説明する。
図2は、クライアントPC200、プリントサーバ300、スキャンチケットサーバ400、ファイル送信サーバ500、ファイルサーバ600のハードウエア構成を示す図、図3は、複合機100のハードウエア構成を示す図である。
図2に示すように、クライアントPC200、プリントサーバ300、スキャンチケットサーバ400、ファイル送信サーバ500、ファイルサーバ600では、システムバス2004を介してCPU(Central Processing Unit)2001、RAM(Random Access Memory)2002、ROM(Read Only Memory)2003、入力コントローラ2005、ビデオコントローラ2006、メモリコントローラ2007、通信I/Fコントローラ2008が接続される。
CPU2001は、システムバス2004に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
ROM2003あるいは外部メモリ2011は、CPU2001の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、各サーバあるいは各PCが実行する各種プログラム等を保持している。
RAM2002は、CPU2001の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU2001は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM2003あるいは外部メモリ2011からRAM2002にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
入力コントローラ2005は、キーボード(KB)2009やマウス(図示しない)等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。
ビデオコントローラ2006は、CRT(Cathode Ray Tube)2010等の表示器への表示を制御する。表示器はCRTに限らず、液晶ディスプレイ等の他の表示器でもよい。これらは、必要に応じて管理者が使用する。
メモリコントローラ2007は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、あるいは、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ、SSD(Solid State Drive)等の外部メモリ2011へのアクセスを制御する。
通信I/Fコントローラ2008は、LAN10のようなネットワークを介して外部機器と接続・通信し、ネットワーク上での通信制御処理を実行する。通信I/Fコントローラ2008は、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)を用いた通信等が可能である。
CPU2001は、例えばRAM2002内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT2010上に表示することが可能である。また、CPU2001は、CRT2010上のマウスカーソル(図示しない)等によるユーザ指示を可能とする。
クライアントPC200、プリントサーバ300、スキャンチケットサーバ400、ファイル送信サーバ500、ファイルサーバ600のハードウエア上で動作する各種プログラムは、外部メモリ2011に記録されており、必要に応じてRAM2002にロードされ、CPU2001により実行される。プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等は、外部メモリ2011に格納されている。
例えば、クライアントPC200の外部メモリ2011にはプリントサーバ300を出力先とするプリンタドライバが記憶されている。プリントサーバ300の外部メモリ2011にはクライアントPC200から受け付けた印刷ジョブからジョブ名や出力したユーザ名等の書誌情報を抽出し、印刷ジョブを一元管理するプログラムが記憶されている。なお、書誌情報の抽出をプリントサーバで行い、この書誌情報を他のサーバ(不図示の書誌情報管理サーバ)に送信して、複数のプリントサーバに蓄積されている印刷ジョブを管理するような構成であってもよい。
また、スキャンチケットサーバ400の外部メモリ2011には、スキャンするためのスキャン設定(スキャンを実行するための指示内容)が定義されているスキャンチケットを生成し、スキャンチケットの情報を複合機100に送信するプログラムが記憶されている。
さらに、ファイル送信サーバ500の外部メモリ2011には、ファイルサーバ600にアクセスし、スキャンされたデータを送信するための設定(送信するための指示内容)が定義されている送信チケットを生成し、スキャンされたデータを受け取ると、送信チケットに従って、ファイルサーバ600にデータを送信するプログラムが記憶されている。ファイルサーバ600の外部メモリ2011にはファイルを管理する文書管理プログラムが記憶され、スキャンされたデータを含むファイルを管理している。
次に、複合機100のハードウエア構成について説明する。
図3に示すように、複合機100は、コントローラユニット3020と、操作部3030と、カードリーダ3040と、プリンタ3050と、スキャナ3060の各ハードウエア構成を有して構成されている。
また、コントローラユニット3020は、CPU3001と、RAM3002と、ROM3003と、ハードディスクドライブ(HDD)3004と、ネットワークインタフェース(Network I/F)3005と、モデム(MODEM)3006と、操作部インタフェース(操作部I/F)3007と、イメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)3008と、外部インタフェース(外部I/F)3009と、システムバス3010と、ラスタイメージプロセッサ(RIP)3011と、プリンタインタフェース(プリンタI/F)3012と、スキャナインタフェース(スキャナI/F)3013と、画像処理部3014と、画像バス3015の各ハードウエア構成を有して構成されている。
コントローラユニット3020は、画像入力デバイスとして機能するスキャナ3060や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ3050と接続する一方、ネットワーク10や、例えばPSTN(Public Switched Telephone Network)またはISDN(Integrated Services Digital Network)等の公衆回線網(WAN)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
CPU3001は、システムバス3010及び画像バス3015に接続される各デバイスを統括的に制御するプロセッサである。
RAM3002は、CPU3001が動作するためのワークメモリであり、また、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリの機能も有する。例えば、カードリーダ3040で読み取ったカードIDなどが記憶される。
ROM3003は、システムのブートプログラムや各種の制御プログラムが格納されている。HDD3004は、システムを制御するための各種のプログラム及び画像データ等を格納する。なお、ROM3003またはHDD3004には、図14の複合機設定900が格納されている。なお、HDD3004は情報を永続的に記憶するための媒体であって、その形態をHDDに限定するものではない。例えば、SSD(Solid State Drive)などの媒体であってもよい。
Network I/F3005は、LAN10に接続し、データ入出力を行う。MODEM3006は、公衆回線網に接続し、FAXにおける送受信等のデータの入出力を行う。
操作部I/F3007は、ユーザインタフェース(UI)である操作部3030におけるインタフェースであり、操作部3030に表示する画像データを操作部3030に対して出力する。また、操作部I/F3007は、本システムのユーザが操作部3030から入力した情報(例えば、ユーザ情報等)をCPU3001に伝える役割をする。なお、操作部3030は、キーボードに相当するタッチパネルを有する表示部を備え、当該表示部に表示されたキーボードのボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができる。
IMAGE BUS I/F3008は、システムバス3010と、画像データを高速で転送する画像バス3015とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
外部I/F3009は、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS−232C等の外部入力を受け付けるインタフェースである。本実施形態においては、外部I/F3009には、ICカード認証で必要となるICカードの情報を読み取るためのカードリーダ3040が接続されている。そして、CPU3001は、この外部I/F3009を介してカードリーダ3040によるICカードからの情報の読み取りを制御し、当該ICカードから読み取られた情報を取得可能となっている。
以上の3001〜3009に示すデバイスがシステムバス3010上に配置され、相互に通信可能となっている。
RIP3011は、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。
プリンタI/F3012は、プリンタ3050とコントローラユニット3020とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
スキャナI/F3013は、スキャナ3060とコントローラユニット3020とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
画像処理部3014は、入力画像データに対して、補正処理、加工処理、編集処理を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正処理、解像度変換処理等を行ったりする。また、画像処理部3014は、これらの処理に加えて、画像データの回転処理や、多値画像データに対してはJPEG(Joint Photographic Experts Group)、2値画像データに対してはJBIG(Joint Bi−level Image experts Group)、MR(Modified READ)、MMR(Modified Modified READ)、MH(Modified Huffman)等の圧縮伸張処理を行う。
以上の3008、3011〜3014に示すデバイスが画像バス3015上に配置され、相互に通信可能となっている。画像バス3015は、例えば、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスまたはIEEE1394で構成されている。
操作部3030は、具体的に、LCD(Liquid Crystal Display)表示部を有し、当該LCD表示部上にタッチパネルシートが貼られており、本システムの操作画面を表示するとともに、表示した操作画面のキー(ボタン)が押されると、その位置情報が操作部I/F3007を介してCPU3001に伝えられる。また、操作部3030は、各種の操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等のキーボード機能を備える。
ここで、操作部3030のスタートキーは、例えば、原稿画像の読み取り動作を開始する際などに操作される。このスタートキーの中央部には、例えば、緑と赤の2色のLED(Light Emitting Diode)があり、その各色の発光によってスタートキーが使える状態にあるかどうかが示される。また、操作部3030のストップキーは、例えば、稼働中の動作を止める際などに操作される。また、操作部3030のIDキーは、例えば、ユーザ(使用者)のユーザIDを入力する際などに操作される。また、操作部3030のリセットキーは、例えば、操作部3030による設定を初期化する際などに操作される。
カードリーダ3040は、CPU3001からの制御により、認証カードに相当するICカード(例えば、ソニー(登録商標)社のフェリカ(FeliCa)(登録商標))内に記憶されているユーザ識別情報を読み取るものである。カードリーダ3040で読み取られたユーザ識別情報は、外部I/F3009を介してCPU3001へ通知される。
プリンタ3050は、例えば、ラスタイメージデータを用紙上に画像として変換するものである。その変換方式としては、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式や、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの変換方式を用いても構わない。プリンタ3050のプリント動作の起動は、CPU3001からの指示によって開始される。なお、プリンタ3050には、異なる用紙のサイズまたは異なる用紙の向きを選択できるように複数の給紙段が構成されており、それぞれの給紙段に対応した用紙カセットが設けられている。
スキャナ3060は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサを用いて原稿を走査することで、原稿の画像をラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙は原稿フィーダのトレイにセットされ、複合機100のユーザが操作部3030から読み取り起動指示を行うことにより、CPU3001がスキャナ3060に指示を与え、フィーダは、原稿用紙を1枚ずつフィードして原稿の画像の読み取り動作を行う。
以上のような構成によって、複合機100は、スキャナ3060から読み込んだ画像データをLAN10上に送信したり、LAN10から受信した印刷データをプリンタ3050で印刷出力したりすることができる。また、複合機100は、スキャナ3060から読み込んだ画像データをMODEM3006から公衆回線網上にFAX送信したり、公衆回線網からFAX受信した画像データをプリンタ3050で印刷出力したりすることができる。
次に、図4、12、13、14、15、16、17、18を参照しながら、情報処理システム1の機能と利用するデータについて説明する。
図4は、本発明に係る情報処理システム1の機能構成を示すブロック図、図12は、複合機100の操作部3030に表示する画面の一例を示すイメージ図、図13は、複合機100の操作部3030に表示する画面の一例を示すイメージ図、図14は、複合機設定900の一例を示す図、図15は、ユーザ情報910の一例を示す図、図16は、印刷ジョブ920の一例を示す図、図17は、スキャンチケット930の一例を示す図、図18は、送信チケット940の一例を示す図である。
図4を用いて、本実施形態の各装置の機能について説明する。
まず、クライアントPC200の処理を実行するための機能について説明する。
クライアントPC200は、プリンタドライバ部201等から構成される。
プリンタドライバ部201は、アプリケーションが生成した画像データを複合機100で印刷可能なページ記述言語(PDL)データに変換する。さらに、PDLデータに対して、書誌情報を付加して、印刷ジョブ920を作成する。
印刷ジョブ920は、図16に示すように、ジョブID921、PDL922、ユーザ名923、指示者924、印刷設定925等から構成される。ジョブID921は、印刷ジョブ920を一意に識別するためのIDである。PDL922は、複合機100で印刷可能なページ記述言語(Page Discription Language)で記載された印刷データの実体である。ユーザ名923は印刷ジョブ920を生成したユーザであり、印刷ジョブ920の所有者を識別するために利用される情報である。また、ユーザ名923は、印刷ジョブ920が転送された時に、転送先のユーザ名に書き換えられる。指示者924は、印刷ジョブ920が転送された場合の元の所有者を識別するための情報である。印刷ジョブ920が生成されたときは何も設定されていないが、印刷ジョブ920が転送されたタイミングで元のユーザ名923の値が設定される。印刷設定925は印刷の諸設定である。例えば、印刷部数、片面・両面、カラー・モノクロなどの設定が可能である。また、印刷ジョブの名称であるジョブ名や、印刷ジョブを投入した時刻などの情報も設定される。
次に、プリントサーバ300の処理を実行するための機能について説明する。
プリントサーバ300は、印刷ジョブ受信・解析部301、印刷ジョブ管理部302、印刷指示部303、印刷ジョブ記憶部310等から構成される。
印刷ジョブ受信・解析部301は、クライアントPC200から印刷ジョブ920をLPR(Line PRinter daemon)、RAWなどの印刷プロトコルで受信し、受信した印刷ジョブ920を解析して、設定されたユーザ名923や印刷設定925などを解析する。
印刷ジョブ管理部302は、印刷ジョブ920を印刷ジョブ記憶部310に書き込んだり、印刷ジョブ記憶部310に格納されている印刷ジョブ920を書き換えたり、削除したりする。具体的には、該当ユーザの印刷ジョブ一覧を取得したり、印刷ジョブ920のユーザ名923を書き換えたり、印刷ジョブ920を削除したりする。
印刷ジョブ記憶部310は、プリントサーバ300の外部メモリ2011に格納される情報で、1又は複数の印刷ジョブ920を格納している。
次に、スキャンチケットサーバ400の処理を実行するための機能について説明する。
スキャンチケットサーバ400は、スキャンチケット生成部401、スキャンチケット管理部402、スキャンチケット送受信部403、スキャンチケット記憶部410等から構成される。
スキャンチケット生成部401は、外部装置からの指示に基づいてスキャンチケット930の生成を行う。なお、本実施形態では、複合機100上で印刷ジョブ920が転送されたタイミングでスキャンチケット生成が複合機100から依頼される構成としたが、ワークフローの状態に応じてワークフローサーバから生成が依頼されるような構成であってもよい。例えば、業務ワークフローにおいて、交通費申請を行ったタイミングで交通費スキャン用のスキャンチケット930が生成されるような構成でもよい。
スキャンチケット管理部402は、スキャンチケット930をスキャンチケット記憶部410に書き込んだり、スキャンチケット930の有効フラグ933を書き換えたり、スキャンチケット930を削除したりする。
スキャンチケット送受信部403は、外部装置からの指示に基づいてスキャンチケット930を送信したり、受信したりする。
スキャンチケット記憶部410は、スキャンチケットサーバ400の外部メモリ2011に格納される情報で、1又は複数のスキャンチケット930を格納している。
図17に示すように、スキャンチケット930は、スキャンを実行時のスキャン属性を事前に記憶しておくための情報であり、チケットID931、ユーザ名934、スキャン設定932、有効フラグ933等から構成される。
チケットID931は、スキャンチケット930を一意に識別するための情報である。印刷ジョブ920の転送時に生成されるスキャンチケット930は、印刷ジョブ920のジョブID921と同じ値が設定される。これにより印刷ジョブ920とスキャンチケット930を紐づけることができる。
ユーザ名934は、スキャンチケット930を保持しているユーザを識別するための情報である。
スキャン設定932は、スキャン属性を格納している情報である。例えば、スキャン設定932に格納されるスキャン属性には、スキャンカラー、解像度、両面読取、読取濃度、ファイル形式などの情報がある。
有効フラグ933は、スキャンチケット930の有効・無効を管理するための情報である。スキャンチケット930は、生成された時点ですぐに使用できると業務上、不都合が生じるケースがある。有効フラグ933を使用することで、生成時は利用不可能に設定しておき、生成後一定条件を満たしたときにスキャンチケット930を有効化する、ということが可能になる。有効フラグ933の詳細な説明については、フローチャートの説明で後述する。
次に、ファイル送信サーバ500の処理を実行するための機能について説明する。
ファイル送信サーバ500は、送信チケット生成部501、送信チケット管理部502、ファイル受信部503、ファイル送信部504、送信チケット記憶部510等から構成される。
送信チケット生成部501は、外部装置からの指示に基づいて送信チケット940の生成を行う。
送信チケット管理部502は、送信チケット940を送信チケット記憶部510に書き込んだり、送信チケット940を削除したりする。
ファイル受信部503は、FTP(File Transfer Protocol)、SMB(Server Message Block)、WebDAV(Web−based Distributed Authoring and Versioning)などのプロトコルを用いて、外部装置からファイルを受信する。
ファイル送信部504は、FTP、SMB、WebDAVなどのプロトコルを用いて、ファイルサーバ600等の外部装置へファイルを送信する。このとき、認証が必要であれば、Kerberos、NTLMなどのプロトコルを用いて認証も行う。
送信チケット記憶部510は、ファイル送信サーバ500の外部メモリ2011に格納される情報で、1又は複数の送信チケット940を格納している。
図18に示すように、送信チケット940は、の情報であり、チケットID941、送信設定942等から構成される。
チケットID941は、送信チケット940を一意に識別するための情報である。送信チケット940はスキャンチケット930とセットで使用されるため、スキャンチケット930のチケットID931と同じ値が設定される。
送信設定942は、ファイルサーバ600にファイル送信するための情報である。具体的には、ユーザ名・パスワード・ドメインなどのアカウント情報や、格納先ディレクトリやファイル名などの情報が設定される。ファイル送信サーバ500にあらかじめ固定のアカウント情報が設定されている場合は、送信設定942には、固定アカウント情報との紐づけ情報が設定される。具体的には、送信設定942には、交通費申請用送信設定、時間外労働命令書用送信設定、などの文書種別が設定される。
次に、ファイルサーバ600の処理を実行するための機能について説明する。
ファイルサーバ600は、ディレクトリ共有部601等から構成される。
ディレクトリ共有部601は、ファイルサーバ600上の記憶装置にファイルを格納して複数ユーザで共有したり、ユーザ毎にアクセス制御をしたりする。また、ディレクトリやファイルのアクセスに関して認証が必要であれば認証を行う機能も有する。
次に、複合機100の処理を実行するための機能について説明する。
複合機100は、ログイン部101、認証情報管理部102、印刷ジョブリスト取得部103、印刷ジョブ転送指示部104、スキャンチケット指示部105、送信チケット指示部106、印刷要求部107、印刷部108、スキャンチケットリスト取得部109、スキャンチケット解析部110、スキャン部111、ファイル送信部112、認証情報記憶部120等から構成される。
ログイン部101は、ユーザを複合機100にログインさせるための機能を有する。ユーザ情報910をログインユーザ情報として一時的に複合機100に格納し、ユーザがログアウトするまで保持する。
認証情報管理部102は、ユーザログイン可否を判定するための機能を有する。例えば、ユーザがカード認証画面でカードリーダ3040にICカードをかざすと、ユーザ情報910からカードIDが一致するユーザ情報910を検索する。例えば、ユーザがキーボード認証画面でユーザ名・パスワード・ドメインを入力してログインボタンを押下すると、ユーザ情報910でユーザを検索しパスワード照合を行う。なお、認証制御に関しては、複合機100で実施せずに、認証サーバ等の別筐体で実施する形態であってもよい。
印刷ジョブリスト取得部103は、プリントサーバ300から複合機100にログインしているユーザの印刷ジョブ920リストを取得する。
印刷ジョブ転送指示部104は、プリントサーバ300に対して印刷ジョブ920の転送指示を行う。
スキャンチケット指示部105は、スキャンチケットサーバ400に対してスキャンチケット930の生成・有効化・削除などの指示を発行する。
送信チケット指示部106は、ファイル送信サーバ500に対して送信チケット940の生成・削除などの指示を発行する。
印刷要求部107は、プリントサーバ300に対して印刷ジョブ920の印刷要求を発行する。
印刷部108は、複合機100のプリンタ3050を制御するためのものである。印刷ジョブ920に含まれるPDL922をビットマップ画像に変換し、既知の印刷技術により用紙等のメディアに印刷を行う。
スキャンチケットリスト取得部109は、スキャンチケットサーバ400に対して複合機100にログインしているユーザのスキャンチケット930のリスト取得指示を行う。
スキャンチケット解析部110は、スキャンチケット930を解析してスキャン属性を取得し、スキャン部111にスキャン属性を設定する。
スキャン部111は、複合機100のスキャナ3060を制御して、原稿となる紙上の画像をデジタル化し、任意の画像形式に変換して、任意のサーバの任意のフォルダに送信する機能を提供する。ファイル形式について、例えば、JPEG(Joint Photographic Expert Group)、TIFF(Taged Image File Format)、PDF(Portable Document Format)、XPS(XML Paper Specification)、OOXML(Office Open XML)などがある。
ファイル送信部112は、SMB(Server Message Block)、WebDAV(Web―based Distributed Authoring and Versioning)、FTP(File Transfer Protocol)などのプロトコルを用いて外部装置にファイル送信を行う。
認証情報記憶部120は、複合機100のHDD3004に格納される情報で、1又は複数のユーザ情報910を格納している。
図15に示すように、ユーザ情報910は複合機100にログインさせるユーザを管理するための情報であり、カードID911、ユーザ名912、パスワード913等から構成される。ユーザ情報910は認証情報記憶部120に記憶され、認証情報管理部102によって管理される。
カードID911は、複数のユーザ情報910の中から特定のユーザ情報910を検索するための外部キーとなる。ユーザが所持しているICカードと紐づけるための情報である。
ユーザ名912は、複合機100を利用する際のユーザ名となる。複合機100の操作ログや操作画面などに表記される情報となる。また、プリントサーバ300でユーザの印刷ジョブ920を特定するときや、スキャンチケットサーバ400でユーザのスキャンチケット930を特定するために利用される。
パスワード913は、ユーザ認証を行うときにユーザを照合するための情報である。
他にもユーザのメールアドレス、権限情報などが含まれる。また、印刷ジョブ920を転送する際に、送信設定画面1500において送信設定を行うが、このとき入力するユーザ名、パスワードや、デフォルトの共有ディレクトリ等の情報をあらかじめ設定しておいてもよい。これにより、自分のクライアントPC200にファイルを送信したいときは、送信設定画面1500が表示された時に、ユーザ情報910のこれら情報をプリセットされるので、ユーザにとって作業効率のよいシステムとなる。
図14に示すように、複合機設定900は、複合機100の動作を設定する情報である。複合機設定900は、複合機100のHDD3004に格納される情報で、プリントサーバ情報901、スキャンチケットサーバ情報902、送信サーバ情報903等から構成される。
プリントサーバ情報901は、複合機100が通信するプリントサーバ300を決定するための情報である。具体的には、IPアドレス、ポート番号などが設定される。
スキャンチケットサーバ情報902は、複合機100が通信するスキャンチケットサーバ400を決定するための情報である。具体的には、IPアドレス、ポート番号などが設定される。
送信サーバ情報903は、複合機100が通信する送信サーバ500を決定するための情報である。具体的には、IPアドレス、ポート番号などが設定される。
図12、13に示すように、複合機100の操作部3030には、ユーザの利用状況に合わせて、ユーザの利用目的に適った画面を提供する。
ログイン画面1000は、ユーザが複合機100にログインするための画面であり、ユーザがICカードを使って認証する画面である。ICカードを忘れたユーザでも認証できるようにするために、キーボード認証画面への遷移ボタンなどを有する。ログイン画面1000から遷移するキーボード認証画面は、ユーザ名・パスワード・ログイン先をユーザが入力/選択して複合機100に認証するための画面である。ログイン画面1000は他にもユーザ情報管理やゲストログインなどの機能も有する。
印刷ジョブ画面1100は、ユーザが印刷ジョブ920を印刷するための画面である。ユーザが複合機100にログインすると、複合機100はユーザ名をキーにしてプリントサーバ300からユーザの印刷ジョブ920リストを取得し、この画面に設定する。ユーザはこの画面で印刷ジョブ920を選択し、他のユーザに印刷ジョブを転送したり、印刷ジョブ920をそのまま印刷したりすることができる。印刷ジョブ画面1100は、ユーザ名フィールド1101、ジョブリスト1102、転送ボタン1103、プリントボタン1104等から構成される。
ユーザ名フィールド1101には、現在ログインしているユーザのユーザ名が表示される。
ジョブリスト1102はプリントサーバ300から取得した印刷ジョブリストが表示される。また、このリストにはジョブ名やジョブ投入日時、印刷設定、指示者などが表示される。
転送ボタン1103は、自分の印刷ジョブ920を他人に転送するためのボタンである。このボタンが押下されると、印刷ジョブ転送設定画面1300に遷移する。
プリントボタン1104は、自分の印刷ジョブ920を印刷するためのボタンである。
スキャンチケット画面1200は、ユーザが原稿をスキャンするための画面である。ユーザが複合機100にログインすると、複合機100はユーザ名をキーにしてスキャンチケットサーバ400からユーザのスキャンチケット930リストを取得し、この画面に設定する。ユーザはこの画面でスキャンチケット930を選択し、あらかじめ設定された条件でスキャンを実行することができる。スキャンチケット画面1200は、ユーザ名フィールド1201、スキャンチケットリスト1202、スキャンボタン1203等から構成される。
ユーザ名フィールド1201には、現在ログインしているユーザのユーザ名が表示される。
スキャンチケットリスト1202はスキャンチケットサーバ400から取得したスキャンチケットリストが表示される。また、このリストにはジョブ名やカラー、両面設定、解像度、ファイル形式などのスキャン属性が表示される。
スキャンボタン1203は、ユーザが複合機100に対してスキャン開始を指示するためのボタンである。
印刷ジョブ転送設定画面1300は、ユーザが自分の印刷ジョブ920を他人に転送するための画面である。ジョブ名フィールド1301、転送先ユーザフィールド1302(転送ユーザ指定)、スキャン送信設定1303等から構成される。
ジョブ名フィールド1301には、転送後の印刷ジョブ920の名称を設定することができる。印刷ジョブ920に設定されたジョブ名は、もともと印刷発行したクライアントPC200で印刷したファイルのファイル名が設定されている。よって印刷指示されたユーザにそのままのジョブ名を表示するとわかりにくいことが多いので、ここでわかりやすい名前に変更することができる。
転送先ユーザフィールド1302には、印刷ジョブ920を転送する相手を入力する。このフィールドはユーザが自由に入力できるテキストフィールドであってもよいし、認証情報からユーザリストを取得して選択形式で選べるようにしてあってもよいし、あらかじめユーザリストを用意しておいてその中から選択できる形式であってもよい。どの方法であっても、転送先ユーザが特定できる情報を設定できればよい。
スキャン送信設定1303は、転送した印刷ジョブ920を転送先ユーザが印刷した後に、スキャンチケットを利用させるようにするかどうか、を決定するための設定である。なお、この設定がされない場合は、単に印刷ジョブを転送するだけである。例えば、マニュアルや指示書を部下に印刷させたい場合はこの設定を行わず、交通費申請書や時間外労働命令書などのようにユーザから証憑や印鑑をもらってスキャンして返してもらいたい場合はこの設定を行う。
このスキャン送信設定が「する」に設定された状態でOKボタンが押下されると、スキャン設定画面1400に遷移する。一方、このスキャン送信設定が「しない」に設定された状態でOKボタンが押下されると、印刷ジョブ転送処理が開始され、印刷ジョブ画面1100に遷移する。
スキャン設定画面1400は、スキャン属性を設定するための画面である。ここで設定された情報(読取設定情報)はスキャンチケット930に設定される。スキャン設定画面1400は、解像度選択ボタン1401、カラー選択ボタン1402、ファイル形式選択ボタン1403等から構成される。
解像度選択ボタン1401は、スキャンの解像度を選択するためのボタンである。例えば200×200、300×300、600×600等から選択できる。
カラー選択ボタン1402は、スキャンのカラーを選択するためのボタンである。例えば、モノクロ、カラー、自動等から選択できる。
ファイル形式選択ボタン1403は、スキャンのファイル形式を選択するためのボタンである。例えば、TIFF、PDF、XPS等から選択できる。
他にもスキャン濃度やスキャン枚数などが入力・選択できるような構成であってもよい。
送信設定画面1500は、送信設定を行うための画面である。ここで設定された情報(送信先の認証情報を含む送信設定情報)は送信チケット940に設定される。送信設定画面1500は、送信先フィールド1501、ユーザフィールド1502、パスワードフィールド1503等から構成される。
送信先フィールド1501は、送信先のサーバ、ディレクトリを入力するための入力フィールドである。例えば、ネットワーク内を探索して、サーバ・ディレクトリが自動でリスト収集され、その中から選択できるような形式であってもよい。
ユーザフィールド1502は、送信先のサーバにアクセスするためのユーザ名を入力するフィールドである。
パスワードフィールド1503は、送信先のサーバにアクセスするためのパスワードを入力するフィールドである。
これらの入力フィールドについてはあらかじめユーザ情報910に設定しておいて、送信設定画面1500を表示したときにプリセットされるような構成であってもよい。
他にも認証ドメインや送信プロトコルなどが入力・選択できるような構成であってもよい。
なお、ここで送信先情報を設定せずに、あらかじめ送信サーバ500側で固定の送信設定を保持しておく、という構成も可能である。このとき、送信設定画面1500では、文書種別を選択する構成になる。ここで選択された文書区別が送信サーバ500で用意された送信設定と紐づけられるようになる。
なお、本実施形態では、認証情報管理部102や認証情報記憶部120を複合機100上に用意する構成としたが、認証サーバのようにこれら機能を別筐体に用意する構成であってもよい。
次に、図5を参照しながら、本発明に係る情報処理システム1の処理概要について説明する。
図5は、情報処理システム1の処理概要図である。
図5では、印刷ジョブを投入する処理、投入した印刷ジョブを転送する処理、処理、転送された印刷ジョブを印刷する処理、スキャンチケットに応じてスキャンする処理、の処理概要を示している。なお、以下では、印刷ジョブの投入と転送の処理については、上司であるBossAというユーザが実施し、転送された印刷ジョブの印刷とスキャンチケットに応じたスキャン処理については、部下であるUserBが実施する例を示している。
まず、印刷ジョブを投入する処理概要について説明する。
クライアントPC200はユーザ(BossA)のログインを受け付け(1−1)、印刷ジョブ920を生成してプリントサーバ300に投入する(1−2)。プリントサーバ300は印刷ジョブ920を受け付けて保存する(1−3)。
次に、投入した印刷ジョブを転送する処理概要について説明する。
複合機100はユーザ(BossA)によってかざされたICカード又はユーザ情報(ユーザIDとパスワード等)に従ってログインを受け付け(2−1)、ログインユーザの印刷ジョブリストをプリントサーバ300から取得する(2−2)。複合機100は、印刷ジョブリストから選択された印刷ジョブ920に対する転送設定を受け付け(2−3)、プリントサーバ300に転送要求を発行する(2−4)。プリントサーバ300は、格納している印刷ジョブ920の指示者924にユーザ名923を設定し、ユーザ名923には転送先のユーザ名を設定する(2−5)。複合機100は、スキャンチケットサーバ400にチケット生成を指示する(2−6)。スキャンチケットサーバ400は、指示に基づいて印刷ジョブに紐づいたスキャンチケット930を生成する(2−7)。同様にして、複合機100は、ファイル送信サーバ500にチケット生成を指示する(2−8)。ファイル送信サーバ500は、指示に基づいてスキャンチケット930に紐づいた送信チケット940を生成する(2−9)。
次に、転送された印刷ジョブを印刷する処理概要について説明する。
複合機100は、ユーザ(UserB)のログインを受け付け(3−1)、ログインユーザの印刷ジョブリストをプリントサーバ300から取得する(3−2)。複合機100は、印刷ジョブリストから選択された印刷ジョブ920に対する印刷指示を受け付け(3−3)、プリントサーバ300に印刷要求を発行する(3−4)。プリントサーバ300は複合機100に印刷ジョブ920を送信し、複合機100は受け付けた印刷ジョブ920を出力する(3−5)。複合機100は、スキャンチケットサーバ400にチケット有効化を指示する(3−6)。スキャンチケットサーバ400は、指示されたスキャンチケット930を有効化する(3−7)。
なお、本実施形態では、上述の2−4でプリントサーバ300に転送要求を発行する際に、2−6、2−8でチケットの生成する指示を行ったが、3−4でプリントサーバ300に印刷要求を発行する際に、スキャンチケットサーバ400に2−6、2−8のチケットの生成指示を行うように構成しても良い。この場合、2−4の転送要求で、図13の1300や1400で設定されたスキャンチケット930を生成するためのスキャン設定情報をプリントサーバ300に送信するようにする。プリントサーバ300は指定された印刷ジョブ920に対応して、受信したスキャン設定情報を外部メモリ2011に記憶する。
また、3−4でプリントサーバ300に印刷要求を発行する際に、スキャンチケットサーバ400にチケットを生成する形態の場合には、プリントサーバ300からスキャンチケットサーバ400へスキャンチケットの生成指示と、ファイル送信サーバ500への送信チケット生成指示を行うような構成をとることも可能である。
つまり、本実施形態では、複合機100からの転送要求や印刷要求などの印刷ジョブを印刷するための要求を受け付けた場合に、スキャンチケットが生成され、このスキャンチケットを用いて、後述する4−1以降の処理を実行することができる。
次に、スキャンチケットに応じてスキャンする処理概要について説明する。
複合機100は、ユーザ(UserB)のスキャンを受け付け(4−1)、スキャンして生成したファイルをファイル送信サーバ500に送信する(4−2)。ファイル送信サーバ500は、あらかじめ格納されている送信チケット940の内容に基づいて、ファイルサーバ600にファイルを送信する(4−3)。ファイルサーバ600はファイルを受信して、指定されたディレクトリに指定されたファイル名で格納する(4−4)。
次に、図6、7、8、9、10、11を参照しながら、本発明に係る情報処理システム1の詳細な処理について説明する。
本実施形態による特徴的な処理は、例えば、ステップS301又はステップS303、ステップS409、ステップS414、ステップ606、ステップS612である。
図6は、情報処理システム1の印刷ジョブ投入処理の一例を示すフローチャート、図7は、情報処理システム1のログイン処理の一例を示すフローチャート、図8は、情報処理システム1の画面制御処理の一例を示すフローチャート、図9は、情報処理システム1の印刷ジョブ転送処理の一例を示すフローチャート、図10は、情報処理システム1の印刷処理の一例を示すフローチャート、図11は、情報処理システム1のスキャン処理の一例を示すフローチャートである。
まず、図6を参照しながら、情報処理システム1の印刷ジョブ投入処理について説明する。
図6では、クライアントPC200が印刷ジョブ920を生成し、プリントサーバ300に送信する。
図6に示すように、クライアントPC200は、プリンタドライバを利用して印刷ジョブ920を生成し(ステップS100)、プリントサーバ300に送信する(ステップS101)。
プリントサーバ300は、印刷ジョブ920を受け付け(ステップS102)、書誌情報を解析する(ステップS103)。具体的には、書誌情報に含まれるジョブIDやユーザ名、カラーや印刷枚数などの印刷設定を解析する。
プリントサーバ300は、印刷ジョブ920を印刷ジョブ記憶部310に格納する(ステップS104)。
次に、図7を参照しながら、情報処理システム1のログイン処理について説明する。
図7では、複合機100はユーザのログインを受け付ける。
図7に示すように、複合機100は、カードリーダ3040にかざされたユーザのICカードを検知して(ステップS200)、カードIDなどの内部情報を読み取る(ステップS201)。
複合機100は、認証情報管理部102に格納されている複数のユーザ情報910の中から、前段で取得したカードIDと同じカードIDを持ったユーザ情報910を検索し(ステップS202)、取得したユーザ情報910を使って複合機本体へユーザをログインさせる(ステップS203)。具体的には、ユーザ情報910を内部的に保持し、操作部3030に表示しているログイン画面1000を印刷ジョブ画面1100もしくはスキャンチケット画面1200に切り換える。
複合機100は、プリントサーバ300に対して印刷ジョブリスト要求を発行する(ステップS204)。このとき、ユーザ情報910に含まれるユーザ名912もあわせて送信する。また、複合機100は、複合機設定900のプリントサーバ情報901を使って通信先のプリントサーバ300を決定する。
プリントサーバ300は、複合機100から要求を受け付け(ステップS205)、ユーザ名912をキーにして、印刷ジョブ記憶部310から該当ユーザの印刷ジョブ920を検索し(ステップS206)、印刷ジョブ920のリストを生成して複合機100に返信する(ステップS207)。なお、このとき作成するリストは印刷ジョブ920のそのままをリストにするのではなく、印刷ジョブ920からPDL922を省いたデータをリストにする。PDL922は印刷ジョブ920の実体であり、データサイズが大きいため、印刷一覧のように参照する目的の時は複合機100に送信しないことで、処理パフォーマンスを向上させている。
複合機100は、プリントサーバ300から印刷ジョブのリストを受け付け(ステップS208)、印刷ジョブ画面1100の印刷ジョブリスト1102に設定する(ステップS209)。
これによりユーザは予約されている自分の印刷予約一覧を閲覧したり、印刷実行したりすることができる。
複合機100は、スキャンチケットサーバ400に対してスキャンチケットリスト要求を発行する(ステップS210)。このとき、ユーザ情報910に含まれるユーザ名912もあわせて送信する。また、複合機100は、複合機設定900のスキャンチケットサーバ情報902を使って通信先のスキャンチケットサーバ400を決定する。
スキャンチケットサーバ400は、複合機100から要求を受け付け(ステップS211)、ユーザ名912をキーにして、スキャンチケット記憶部410から該当ユーザのスキャンチケット930を検索し(ステップS212)、スキャンチケット930のリストを生成して複合機100に返信する(ステップS213)。なお、このとき作成するリストには有効フラグ933が「True」のチケットのみを格納するものとする。
複合機100は、スキャンチケットサーバ400からスキャンチケットのリストを受け付け(ステップS214)、スキャンチケット画面1200のスキャンチケットリスト1202に設定する(ステップS215)。
これによりユーザは予約されている自分のスキャン予約一覧を閲覧したり、スキャン実行したりすることができる。
複合機100は、図8に示す画面制御処理を行う(ステップS216)。
なお、本実施形態では、ICカード(読取対象物)を用いる構成としたが、ユーザ認証の際には指紋や静脈など(読取対象物)の生体情報を用いて、権限を付与したい場合にはICカードを用いる構成としてもよい。この場合、生体情報を読み取るリーダが複合機100に接続されているものとする。
また、ユーザ認証の際には、ユーザ名・パスワードなどの識別情報を入力させる画面を用いる構成とすることも可能である。なお、識別情報の入力にあたっては操作部3030にソフトウエアキーボードを表示し、ユーザに識別情報を入力させる。
つまり、ユーザ認証に用いる情報は、ユーザを特定するための識別情報(カードID、生体情報、ユーザ名・パスワード)が入力されればよい。
次に、図8を参照しながら、情報処理システム1の画面制御処理について説明する。
図8では、複合機100は、操作部3030に表示している画面と、ユーザに選択されたボタンを判断して、該当画面の該当ボタンに応じた処理を実行する。具体的には、プリントのジョブリストやスキャンのチケットリストの選択状況に応じた各処理を実行する。
図8に示すように、複合機100は、操作部3030に表示している画面が、印刷ジョブ画面1100かどうかを判定する(ステップS300)。このとき印刷ジョブ画面1100が表示されていれば、ステップS208で受け付けた印刷ジョブ一覧が印刷ジョブ画面1100に表示される。この印刷ジョブ一覧で転送する又は印刷する印刷ジョブの指定をユーザの操作によって受け付ける。この印刷ジョブの指定は、プリントサーバに蓄積された印刷ジョブのうち、処理する印刷ジョブを指定するものである。
そして、複合機100は、転送ボタン1103が押されたかどうかを判定する(ステップS301)。言い換えると、ステップS301は、印刷に関する指示がされたか否かを判定する処理である(指示判定)。
このとき転送ボタン1103が押下されていなければ、複合機100は、プリントボタン1104が押されたかどうか、を判定する(ステップS303)。このときプリントボタン1104が押下されていれば、複合機100は、図10に示す印刷処理を行う(ステップS304)。
ステップS301の判定結果、転送ボタン1103が押下されていれば、複合機100は、図9に示す印刷ジョブ転送処理を行う(ステップS305)。
ステップS300の判定結果、印刷ジョブ画面1100でなければ、複合機100は、操作部3030に表示している画面が、スキャンチケット画面1200かどうかを判定する(ステップS306)。このときスキャンチケット画面1200が表示されていれば、複合機100は、図11に示すスキャン処理を行う(ステップS308)。
複合機100は、ログアウトボタン(不図示)が押されたかどうかを判定する(ステップS309)。このとき、ログアウトボタンが押下されていれば、複合機100は、ユーザのログアウト処理を行う(ステップS310)。具体的には、内部的に保持しているユーザ情報910を破棄し、操作部3030にログイン画面1000を表示する。
次に、図9を参照しながら、情報処理システム1の印刷ジョブ転送処理について説明する。なお、この処理は、印刷ジョブ画面1100において、印刷ジョブが選択され、転送ボタン1103が押下されたときに呼び出される処理である。
図9では、複合機100は、ユーザに入力された印刷ジョブ転送設定をもとに印刷ジョブの転送、スキャンチケット生成指示、送信チケット生成指示を行う。
図9に示すように、複合機100は、ユーザによって画面に入力された情報を取得する(ステップS400)。具体的には、印刷ジョブ転送設定画面1300、スキャン設定画面1400(読取設定)、送信設定画面1500で入力、設定された各種情報を取得する。
複合機100は、プリントサーバ300に印刷ジョブの転送要求を発行する(ステップS401)。このとき、現在複合機100にログインしているユーザのユーザ名912、選択された印刷ジョブのジョブID921(識別情報)、ジョブ名フィールド1301で入力された値、転送先ユーザフィールド1302で入力された値を送信する(ユーザ出力)。つまり、これにより、転送先ユーザフィールド1302に入力されたユーザ(現在ログインしているユーザと異なるユーザ)の印刷ジョブとなり、後述するステップS409で、この転送先となるユーザに与えられた印刷ジョブに対応するスキャンチケットの発行要求(生成要求)がなされる。
プリントサーバ300は、複合機100から転送要求を受け付け(ステップS402)、ジョブID921をキーにして、印刷ジョブ記憶部310から該当印刷ジョブ920を検索する(ステップS403)。
プリントサーバ300は、検索された印刷ジョブ920の指示者924に、複合機100から受信したユーザ名912を設定し(ステップS404)、印刷ジョブ920のユーザ名923には、複合機100から受信した転送先ユーザフィールド1302で入力された値を設定する(ステップS405)。また、印刷ジョブ920のジョブ名に、複合機100から受信したジョブ名フィールド1301で入力された値を設定する。
この処理により、もともと自分が所有者であった印刷ジョブ920を他のユーザの所有に変更することができる。よって、他のユーザが複合機100にログインしたときに、他人から転送された印刷ジョブをあたかも自分の印刷ジョブかのようにリストに表示し、選択して印刷することができる。
プリントサーバ300は、転送処理が終了したことを複合機100に通知する(ステップS406)。
複合機100は、プリントサーバ300から転送終了通知を受け付け(ステップS407)、スキャン送信設定がされたかどうか、を判定する(ステップS408)。具体的には、印刷ジョブ転送設定画面1300において、スキャン送信設定1303が「する」に設定されていたかどうか、で判別する。なお、転送時には常にスキャン送信設定をさせるように構成することも可能である。つまり転送設定があった場合(印刷に関する指示がされた場合)に、指定された印刷ジョブに印刷に関する指示がされたと判定された場合に、後述するステップS409で指定されている印刷ジョブを印刷した紙文書の読み取りを実行するためのスキャンチケットの生成要求をする。
ステップS408の判定結果、スキャン送信設定1303が「する」に設定されていた場合、複合機100は、スキャンチケットサーバ400にスキャンチケット発行要求を送信する(ステップS409)。このとき、複合機100にログインしているユーザのユーザ情報910からユーザ名912と、印刷ジョブ画面1100で選択された印刷ジョブ920のジョブID921を取得して送信する。
またスキャン設定画面1400の解像度選択ボタン1401、カラー選択ボタン1402、ファイル形式選択ボタン1403で選択された状況(読取設定)もあわせて送信する。
スキャンチケットサーバ400は、複合機100からスキャンチケット発行要求を受け付け(ステップS410)、複合機100から受信した情報に基づいてスキャンチケットを生成する(ステップS411)。具体的には、ジョブID921をチケットID931に設定する。これにより印刷ジョブ920とスキャンチケット930を紐づけることができる。また、ユーザ名912をユーザ名934に設定する。これにより、ログインしたユーザに紐づいたスキャンチケット一覧を取得することができる。また、スキャン設定932に印刷ジョブ画面1100で選択された各選択ボタンの状況を設定する。これにより、スキャンするユーザはスキャン時に設定を行う必要がなくなる。また、有効フラグ933には「False」を設定する。これは印刷ジョブを実行するまでスキャンチケットを実行させないようにするためである。例えば、残業命令書の印刷ジョブを上司が部下に転送した場合、上司は部下に残業命令書を印刷して、その後、残業命令書に捺印してスキャンさせることを望む。よって、転送した時点でスキャンができる状態であると、印刷する前にスキャンできてしまうので、前日の残業命令書をスキャンしてしまったり、他の文書をスキャンしてしまったりする恐れがある。この有効フラグ933を使うことで、このような運用上のミスを削減することができる。
スキャンチケットサーバ400は、スキャンチケット発行終了を複合機100に通知する(ステップS412)。
なお、上述の図5で説明したように、本実施形態では転送要求に従って、スキャンチケットの発行要求がなされ、スキャンチケットが生成されるように構成したが、後述する図10の印刷要求(印刷に関する指示)に従ってスキャンチケットの発行要求がなされるようにすることも可能である。
この場合、ステップS401で、ステップS400で取得した、スキャンチケットを生成するための情報を選択された印刷ジョブに紐づけて管理するようにプリントサーバ300に送信する。また、この場合、ステップS208で受け付けた印刷ジョブリストには、スキャンチケットを生成するための情報(解像度、カラー、ファイル形式)が含まれるように構成する。つまり、ステップS303で、印刷ジョブを指定し、この印刷ジョブの印刷指示があった場合には、ステップS500で印刷要求を行うと、スキャンチケットサーバに、ステップS409のスキャンチケット発行要求を送信するような構成をとってもよい。
複合機100は、スキャンチケットサーバ400からスキャンチケット発行終了を受け付け(ステップS413)、ファイル送信サーバ500に送信チケット発行要求を送信する(ステップS414)。このとき、印刷ジョブ画面1100で選択された印刷ジョブ920のジョブID921を取得して送信する。また送信設定画面1500の送信先フィールド1501、ユーザフィールド1502、パスワードフィールド1503等の入力状況(送信先設定)も送信する。
ファイル送信サーバ500は、複合機100から送信チケット発行要求を受け付け(ステップS415)、複合機100から受信した情報に基づいて送信チケットを生成する(ステップS416)。具体的には、ジョブID921をチケットID941に設定する。これにより印刷ジョブ920と送信チケット940を紐づけることができる。また、送信設定942にスキャンチケット画面1200で入力された各フィールドの値を設定する。これにより、スキャンするユーザは送信先を意識せずにスキャンすることができる。
ファイル送信サーバ500は、送信チケット発行終了を複合機100に通知する(ステップS417)。
複合機100は、ファイル送信サーバ500から送信チケット発行終了を受け付ける(ステップS418)。
このように、スキャン設定と送信設定を分割して別サーバに保存することで、高いセキュリティを実現することができる。スキャンチケット930はそのデータが流れるネットワークが外部ネットワークであるケースがあったり、参照する度にデータ送受信が発生するのでネットワークを流れる回数が多かったりする。よって機密性の低いスキャン設定と機密性の高い送信設定とを分割し、それぞれ別のサーバで管理することによって、高いセキュリティを実現している。
前者について言えば、運用上、スキャンチケットサーバ400は、文書管理を行うファイルサーバ600と同居させることが多い。また、グループ会社や子会社を持っていたり、多拠点を管理したりしている大企業においては、文書管理を行うファイルサーバ600は、各社、各拠点で共有するために、管理本部などの一拠点に集中させることが多い。よって、子会社、グループ会社や本社以外の拠点から見ると、スキャンチケットサーバ400はLAN内にはなく、管理本部がある本社のネットワーク内に存在することになる。つまり、複合機100からスキャンチケットサーバ400にアクセスする際に、一旦WAN等の外部ネットワークを経由して本社ネットワークに接続してからアクセスするという形態がとられる。WANを経由すると、第三者によって盗聴されるリスクがあるため、企業はパスワード等の機密データを流したくない。ファイル送信サーバ500を各拠点内に構築し、送信用のユーザ名・パスワードなどの機密情報は送信チケット940としてファイル送信サーバ500に格納することで、機密情報をWAN経由で送信することを回避できる。
また後者については、図7のログイン処理のフローチャートに示すように、ユーザが複合機100にログインするたびに、複合機100はスキャンチケットサーバ400にアクセスしてユーザの処理すべきスキャンチケット930の一覧を取得する。つまり結果的に使用しないかもしれないスキャンチケット930の情報もログインするたびにネットワーク上を流れてしまう。一方、送信チケット940の情報がネットワークを流れるのは複合機100から印刷ジョブ920を転送したときの一回だけである。よって、パスワード等の機密情報をスキャンチケット930ではなく送信チケット940に別管理することで、機密情報がネットワーク上を流れる回数を減らし、機密情報漏洩のリスクを削減することができる。
なお、本実施形態では、スキャンチケット及び送信チケットを複合機100が指示して生成する構成にしているが、複合機100ではなく、プリントサーバ300が指示して生成する構成であってもよい。いずれの構成においても、複合機100で印刷ジョブが転送された、或いは印刷ジョブの印刷要求がされたタイミングで生成される構成であれば問題ない。言い換えると、印刷ジョブに対して他のユーザに対して印刷させる、或いは転送された印刷ジョブを転送されたユーザが印刷要求をした場合(印刷ジョブに印刷に関する指示があった場合)にスキャンチケットや送信チケットが生成されればよい。
次に、図10を参照しながら、情報処理システム1の印刷処理について説明する。なお、この処理は、印刷ジョブ画面1100において、印刷ジョブが選択され、プリントボタン1104が押下されたときに呼び出される処理である。
図10では、複合機100は、選択された印刷ジョブを印刷する。また、印刷が終了したタイミングでスキャンチケット930を有効化する。
図10に示すように、複合機100は、プリントサーバ300に対して印刷ジョブ画面1100において選択された印刷ジョブ920の印刷要求を発行する(ステップS500)。このとき、選択された印刷ジョブ920のジョブID921を送信する。
プリントサーバ300は、複合機100から印刷要求を受け付け(ステップS501)、複合機100から送信されたジョブID921に一致する印刷ジョブ920を印刷ジョブ記憶部310から検索する(ステップS502)。なお、前述のように複合機100が印刷ジョブ画面1100に表示するために保持している情報は印刷ジョブ920のPDL922がない情報である。よって、ここで、印刷するために印刷ジョブの実体であるPDL922をプリントサーバ300から取得する処理を行っている。
プリントサーバ300は、検索した印刷ジョブ920をLPR(Line PRinter daemon)等の印刷プロトコルを使用して複合機100に送信する(ステップS503)。
複合機100は、プリントサーバ300から印刷ジョブ920を受け付け(ステップS504)、PDL922を解析して画像データを生成し、既知の印刷技術により用紙等のメディアに印刷する(ステップS505)。
複合機100は、印刷が終了するとスキャンチケットサーバ400に印刷終了を通知する(ステップS506)。このとき印刷ジョブ920のジョブID921を送信する。
スキャンチケットサーバ400は、複合機100から印刷終了通知を受け付け(ステップS507)、受け付けたジョブID921に一致するチケットID931をもったスキャンチケット930をスキャンチケット記憶部410から検索する(ステップS508)。
ステップS508の判定結果、スキャンチケット記憶部410に一致するスキャンチケットが見つかった場合は、スキャンチケットサーバ400は、該当のスキャンチケット930の有効フラグ933を「True」にする(ステップS510)。これによりスキャンチケット930が有効化され、ユーザがこのスキャンチケットを参照することができる。
ステップS508の判定結果、スキャンチケット記憶部410に一致するスキャンチケット930が見つからなかった場合、もしくはスキャンチケットが見つかって有効化処理を行った場合、スキャンチケットサーバ400は、複合機100に終了通知を行う(ステップS511)。なお一致するスキャンチケット930が見つからないケースとしては、印刷ジョブ920にスキャンチケット930が紐づいていないケースがある。つまり他人に転送されていない印刷ジョブ920をそのまま自分で印刷した場合である。
複合機100は、スキャンチケットサーバ400から終了通知を受け付ける(ステップS512)。
なお、ステップS508の判定結果、スキャンチケット930が見つかった場合は、見つかったことを複合機100に通知し、操作部3030に表示する画面を印刷ジョブ画面1100からスキャンチケット画面1200に切り換える構成であってもよい。これにより、例えば、ユーザは印刷後すぐに署名・捺印をしてそのまま画面を操作することなく、すぐにその用紙をスキャンする、というようなことができる。よって、よりユーザの利便性の高いシステムとなる。
次に、図11を参照しながら、情報処理システム1のスキャン処理について説明する。なお、この処理は、スキャンチケット画面1200において、スキャンチケットが選択され、スキャンボタン1203が押下されたときに呼び出される処理である。
図11では、複合機100は、選択されたスキャンチケットに基づいてスキャンを実行しファイル送信サーバ500に送信する。ファイル送信サーバ500は、受け取ったデータを送信チケットに基づいてファイルサーバ600に送信する。
図11に示すように、複合機100は、スキャンチケットサーバ400より取得したスキャンチケットの一覧を表示させ(表示制御)、スキャンチケット画面1200でスキャンチケットの選択を受け付け(ユーザ操作受付)、選択されたスキャンチケット930を読み込み(ステップS600)、スキャン設定932に従ってスキャン(読取処理)を実行し(ステップS601)、スキャン設定932で指定されたファイル形式に変換し(ステップS602)、生成されたデータをファイル送信サーバ500に送信する(ステップS603)。このとき、選択されたスキャンチケット930のチケットID931を送信する。これにより。ファイルサーバ600にファイル(画像)を送信することができる。
このように、あらかじめスキャン指示者(印刷転送者)が設定しておいたスキャン設定932に従ってスキャンを実行することで、スキャン指示されたユーザはスキャン設定を気にすることなく、原稿をセットしてスタートするだけで、必要な属性で必要な形式のファイルを生成することができる。ユーザにとっては非常に利便性が高くなる上に、指示者にとってはユーザによるスキャン設定間違いを防ぐことができるので効率性が高くなる。
ファイル送信サーバ500は、複合機100からファイルを受信する(ステップS604)。また、ファイル送信サーバ500は、複合機100から受信したチケットID931に一致する送信チケット940を送信チケット記憶部510から検索し(ステップS605)、送信チケット940のユーザ名、パスワードなどの送信設定942を読み込む(ステップS606)。
ファイル送信サーバ500は、送信設定に基づいてファイルサーバ600に認証要求を行う(ステップS607)。具体的には、送信チケット940のユーザ名、パスワード等のアカウント情報を使って、KerberosやNTLMなどの認証プロトコルでファイルサーバ600に認証を行う。
ファイルサーバ600は、ファイル送信サーバ500から認証要求を受け付け(ステップS608)、アカウントの認証を行う(ステップS609)。認証に成功すると、ファイルサーバ600はファイル送信サーバ500に認証完了通知を発行する(ステップS610)。このとき認証トークン等も発行される。
ファイル送信サーバ500は、ファイルサーバ600から認証完了通知を受け付け(ステップS611)、前段で受信したファイルをFTP、SMB、WebDAVなどのファイル転送、ファイル共有プロトコルを使ってファイルサーバ600に送信する(ステップS612)。
ファイルサーバ600は、ファイル送信サーバ500からファイルを受信し(ステップS613)、指定されたディレクトリに指定されたファイル名でファイルを格納する。ファイル受信が完了すると、ファイルサーバ600は、ファイル送信サーバ500にファイル受信完了通知を発行する(ステップS614)。
ファイル送信サーバ500は、ファイルサーバ600からファイル受信完了を受け付け(ステップS615)、使用した送信チケット940を送信チケット記憶部510から削除し(ステップS616)、複合機100にファイル送信完了通知を行う(ステップS617)。
複合機100は、ファイル送信サーバ500からファイル送信完了を受け付け(ステップS618)、スキャンチケットサーバ400にスキャンチケット削除要求を発行する(ステップS619)。このとき前段で使用したスキャンチケットのチケットID931を送信する。
スキャンチケットサーバ400は、複合機100からスキャンチケット削除要求を受け付け(ステップS620)、受信したチケットID931に一致するスキャンチケット930をスキャンチケット記憶部410から削除し(ステップS621)、複合機100にスキャンチケット削除完了通知を発行する(ステップS622)。
複合機100は、スキャンチケットサーバ400からスキャンチケット削除完了通知を受け付ける(ステップS623)。
なお、このフローではファイルサーバ600がファイル送信サーバ500からデータを受信する例を示したが、ファイルサーバ600ではなく、クライアントPC200がデータを受信してもよい。
例えば、上司が自分のPC宛てにスキャンデータを送信してもらいたいときなどは、ファイルサーバ600ではなく、クライアントPC200がデータを受信することになる。この場合、図13の1500の設定画面の1501の送信先をクライアントPC200の共有フォルダのパス等が指定される。
なお、本実施形態では、ユーザ名、パスワードなどのアカウント情報が印刷ジョブ転送指示者によって設定され、送信チケット940としてファイル送信サーバ500に格納される構成となっているが、ユーザ名、パスワードなどは送信チケット940に設定しないような構成であってもよい。
例えば、業務ワークフローでスキャン文書を格納する先が固定となっている場合は、あらかじめファイル送信サーバ500に、固定アカウント情報と送信文書種別を設定しておき、送信チケット940には送信文書種別しか設定しない、という構成が考えられる。
具体的には、上司が部下に残業命令を出すときに時間外労働命令書を書いて人事ワークフローの所定のディレクトリに所定の名前で保存しておくような業務がある。このとき、上司は時間外労働命令書を一旦印刷し、複合機100上で部下に対して印刷ジョブの転送を行う。なお、転送時には、時間外労働命令書という文書種別だけしか設定しないものとする。部下が複合機100にログインすると時間外労働命令書の印刷ジョブが表示され、部下はこの転送された印刷ジョブを印刷し、その時点でスキャンチケットが有効化されるので、印刷後、署名・捺印をしてスキャンする。このとき、複合機100からファイル送信サーバ500に対してファイルが送信される。ファイル送信サーバ500は時間外労働命令書という文書区分から、あらかじめ設定された固定のアカウントで人事ワークフローにログインし、所定のディレクトリに所定のファイル名で文書を格納する。
このように、ファイル送信サーバ500にワークフローの固定アカウントをあらかじめ設定しておくことで、上司が転送する際にユーザ名やパスワードの入力を省くことができるのでより作業効率のよいシステムとなる。また、ユーザ名・パスワードを複合機100からファイル送信サーバ500に送信することもないので、よりセキュリティの高いシステムとなる。
なお、上述では、複合機100で印刷ジョブの転送設定を行い、この転送指示された際にチケットを生成する、或いはこの転送設定された印刷ジョブをユーザが複合機100上で印刷指示された際にチケットを生成するように構成した。これに対し、クライアント端末200にプリンタドライバの機能を含むプリントアプリケーションを記憶し、このプリントアプリケーションで印刷ジョブを印刷させたいユーザを選択し、またその印刷ジョブの印刷物をスキャンさせるときのスキャン設定をプリントアプリケーションで行って、複合機100で印刷ジョブの転送をすることなく、チケットの生成を行うことも可能である。
具体的には、プリントアプリケーションでは、プリンタドライバと同様に印刷ジョブを受け付ける。ここで、クライアント端末200の表示部2010に図13の1300と同様の設定画面を表示させ、受け付けた印刷ジョブを印刷させるユーザを転送先ユーザフィールド1302で入力を受け付ける。また、1400と同様の設定画面を表示させ、スキャンチケットを生成するためのスキャン設定情報の入力を受け付ける。さらに、スキャンチケットを用いてスキャンさせた場合の画像ファイルの格納先等をさせるため、1500と同様の設定画面を表示させ、送信先やユーザやパスワードの入力を受け付ける。なお、プリントアプリケーションでは、印刷設定の変更も受け付ける。
次に、プリントアプリケーションは、予め設定された出力先のプリントサーバ300に書誌情報としてジョブIDやユーザ名、カラーや印刷枚数などの印刷設定、1300〜1500の設定画面で設定された設定情報(スキャン設定情報含む)を含む印刷ジョブを送信する。
プリントサーバ300は、印刷ジョブを受信すると、書誌情報を抽出し、印刷ジョブを管理する。
このスキャン設定情報を有する印刷ジョブに対して、印刷可能なユーザの指示に従って複合機100から印刷要求がなされると、複合機100又はプリントサーバ300からスキャンチケットサーバ400に対してスキャン設定情報が送信され、スキャンチケット生成指示がなされる。このスキャンチケット生成指示に従って、図17のスキャンチケットが生成される。
なお、この場合、スキャンチケットサーバ400にファイル送信サーバ500の機能を含ませ、スキャンチケットサーバ400に送信設定(1500で設定した送信先、ユーザ名、パスワード)を送信し、送信チケット生成指示を行ってもよい。
その後、図11でスキャンチケットを用いたスキャンを実行し、ファイル送信がなされる。
つまり、プリントサーバ300に蓄積された印刷ジョブに対して、複合機100で印刷に関する指示がされると、スキャンチケットが生成することで、蓄積された印刷ジョブの紙文書に記入された原稿を容易にスキャンさせ、容易にスキャンデータを格納させることができる。
また、本実施形態ではプリントサーバに印刷ジョブを蓄積するように構成したが、複合機100のHDD3004に蓄積するような構成をとることも可能である。
この場合、複合機100に蓄積された印刷ジョブに対して、複合機100で印刷に関する指示がされると、スキャンチケットが生成することで、蓄積された印刷ジョブの紙文書に記入された原稿を容易にスキャンさせ、容易にスキャンデータを格納させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、他のユーザに前記読取処理を行わせるべく、紙文書の読取処理を実行する際の読取設定情報と、読取処理で読み取られた紙文書の画像を送信するための送信先の認証情報を含む送信設定情報を異なるサーバへ送信してスキャンチケットと送信チケットを生成させることで、スキャンチケットを用いた読取処理で得られる画像の送信についてセキュリティを考慮した送信を行うことができる。
他の効果として、印刷ジョブに対して印刷に関する指示があった場合に、スキャンチケットを生成させ、印刷に関する指示があった印刷ジョブの紙文書のスキャン処理を容易に行わせることができる。
例えば、印刷ジョブを他人に転送した際、或いは他人から転送された印刷ジョブに対して印刷指示をした際にスキャンチケットが生成されので、印刷依頼からスキャンまでの一連の業務を効率化することができる。
特に、上司が提出文書の印刷ジョブをプリントサーバや複合機に蓄積しておき、提出させたい部下へこの印刷ジョブの転送又は部下がこの印刷ジョブを印刷するとスキャンチケットが生成され、このスキャンチケットを用いて提出文書をスキャンさせ提出させることができるので、業務を効率化することができる。
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、本発明におけるプログラムは、図6〜図11に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体は図6〜図11の処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは図6〜図11の各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
例えば、複合機にブラウザがインストールされ、複合機で表示する画面は、本願発明のプリントサーバやスキャンチケットサーバで生成した表示情報(例えばHTML形式のファイル)を取得して、複合機のブラウザで表示するようにする形態(例えばクラウド環境)であってもよい。この場合、本実施形態で説明した複合機で実行される処理は、各種サーバにて複合機のブラウザで処理可能なスクリプト等を生成し、この生成されたスクリプトを含む表示情報を複合機のブラウザに送信して表示し、ユーザの操作に従って、複合機上で実行できるような形態である。