JP5682196B2 - 画像補正回路、撮影装置および画像補正プログラム - Google Patents
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Description
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、機械シャッターの動作特性に起因した露光量のばらつきを抑制することを目的とする。
なお、電子先幕−機械後幕シャッター方式とは、以下のとおりである。まず、電子シャッターにより、複数の光電変換素子に露光を開始させるタイミングを制御する。具体的には、光電変換素子における電荷の蓄積を開始させることにより、露光を開始させる。そして、機械シャッターによる遮光部の移動により、遮光領域の境界を複数の光電変換素子の素子面上において移動させて複数の光電変換素子を遮光していくことにより、複数の光電変換素子に露光を終了させるタイミングを制御する。なお、本明細書において露光とは、光電変換素子に撮影光が到達し、かつ、当該撮影光の光量に応じて光電変換素子が電荷を蓄積する状態を意味する。
なお、従来技術のように、機械シャッターが露光を終了させるタイミングに追従するように電子シャッターが露光を開始させるタイミングを制御した上で、補正部による画像の補正を行ってもよい。
(1)撮影装置の構成:
(2)LUTの構成:
(3)変形例1:
(4)変形例2:
(5)変形例3:
(6)変形例4:
(7)変形例5:
(8)変形例6:
(9)変形例7:
(10)変形例8:
図1は本発明の一実施形態にかかる画像補正回路を含む撮影装置1である。本実施形態にかかる撮影装置1は、EVF(Electronic View Finder)を備えたミラーレスデジタルカメラである。撮影装置1は、光学系10とエリアイメージセンサー15とASIC200とタイミングジェネレーター30と表示部40とCPU50とSD−RAM52とROM53とRAM54と操作部55とリムーバルメモリー56とを備えている。CPU50は、SD−RAM52とRAM54を適宜利用してROM53に記録されたプログラムを実行する。当該プログラムの機能によりCPU50は、操作部55に対する操作に応じてエリアイメージセンサー15にて撮影された被写体を示す画像データを生成する機能を実行する。なお、操作部55はシャッターボタンと、露光時間(シャッター速度)を設定するためのダイヤルスイッチとを備えている。
図3A,3Bの左グラフは、エリアイメージセンサー15における露光のタイミングを示すグラフである。また、図3Aの左グラフは設定された露光時間TEが1/125秒であり、図3Bの左グラフは設定された露光時間TEが1/60秒である場合を示す。図3A,3Bの左グラフにおいて、横軸は時刻を示し、縦軸はライン番号Lを示している。図3A,3Bの左グラフにおける左側の折れ線はエリアイメージセンサー15の各ラインの光電変換素子の露光が開始するタイミング示し、当該タイミング(時刻)はライン番号Lの関数X(L)によって与えられる。図3A,3Bの左グラフにおける右側の曲線は露光が終了するタイミングを示し、当該タイミング(時刻)は各光電変換素子のライン番号Lおよび列番号Cの関数Y(L,C)で与えられる。以下、特定のライン番号Lおよび列番号Cを指す必要がない場合等には、各関数における変数(L,C),(L)等の表記を省略する場合がある。また、ラインに属するすべての光電変換素子の電荷を同時に蓄積開始させることにより露光が開始するため、タイミングX(L)は列番号Cの関数とはならない。ここで図3A,3Bの左グラフにおける左側の折れ線は電子シャッターの動作特性を示し、右側のタイミングは機械シャッターによる動作特性を示す。電子シャッターの特性はここでは3段折れ線による特性であるが,3段折れ線である必要は無く、3段折れ線ではない直線〜数十段或いはそれ以上の数の折れ線であっても良い。
以上においては、電子シャッターと機械シャッター13のタイミングの特性の相違に起因した露光時間のばらつきの影響を抑制するLUT53aを作成する例を説明したが、機械シャッター13の他の動作特性に注目して露光量のばらつきを抑制するLUT53aを作成してもよい。例えば、電子シャッターによる撮影光の光束の絞り込み特性と、機械シャッター13による撮影光の光束の絞り込み特性を考慮したLUT53aを作成してもよい。
以上においては、実際に写真の撮影を行う際における機械シャッター13の動作特性に注目したが、撮影を行う前における機械シャッター13の動作履歴に応じて機械シャッター13の動作特性が変化する場合も考えられる。本変形例の機械シャッターは前記実施形態の機械シャッター13と異なり以下のように動作する。すなわち、前記実施形態の機械シャッター13は、係止レバーによる遮光幕の係止を解除したときに永久磁石により遮光幕の吸着保持を維持したが、本変形例では係止レバーによる遮光幕の係止を解除する際に電磁石に電流を供給し、当該電磁石の磁力によりばね力に抗する遮光幕の保持を継続させることとする。そして、露光の開始から露光時間TEに対応する期間が経過すると、電磁石への電流供給を停止し、電磁石による遮光幕の吸着保持を解除する。これにより、遮光幕はばね力により移動させられ、遮光幕が撮影光の全体を遮光する位置に移動して、各光電変換素子における露光が終了する。通常、撮影前の期間においては、エリアイメージセンサー15において撮影されたライブビュー動画をEVF(表示部40)等において見ながらシャッターチャンスを覗うこととなる。本変形例の機械シャッターでは、ライブビュー動画を表示する期間において、係止レバーによる遮光幕の係止を解除し、遮光幕を電磁石により吸着保持する。このような方式の機械シャッターでは、ライブビュー動画を表示する期間が長いほど、電磁石は高温となる。ここで、電磁石が高温となることにより機械シャッター13の即応性が低下する。即応性が低下すると、電磁石への電流供給を停止してから遮光幕が駆動するまでの時間が長くなる。従って、ライブビュー動画を表示する期間が長いほど露光終了が遅れることとなる。そのため、ライブビュー動画を表示した期間に拘わらず同一のLUT53aを参照して、露光量補正部20aが露光量の階調値を補正することにより、補正誤差が生じることとなる。
上述のようにライブビュー動画の長期間表示によって電磁石が高温となることにより機械シャッター13の即応性が低下するが、高温下で撮影装置1を使用することにより電磁石が高温となる場合でも機械シャッター13の即応性が低下する。さらに、高温下で撮影装置1を使用する場合、電磁石のみならず遮光幕を引きつけるばねの特性にも変化が生じる。さらに、ばねの特性は湿度によっても変化する。ばねの特性が変化すると、遮光幕の運動が変化し、図3A,3Bの中グラフに示した露光時間の誤差が増大する。さらに、ばねの特性は、ばねの伸縮回数(疲労)や経年劣化によっても変化する。例えば、伸縮回数が大きいほど、製造後長期間経過するほど、ばねの弾性力の劣化により遮光幕の加速度が低下し、露光時間が長くなる。そこで、本変形例の露光量補正部20aは、シャッターボタンが押下された際における機械シャッター13の温度と湿度を示す動作環境情報を図示しないセンサーから取得するとともに、撮影装置1の製造時期および機械シャッター13の動作回数を示す動作履歴情報をCPU50から取得する。そして、露光量補正部20aは、当該動作環境情報と当該動作履歴情報に基づいて機械シャッター13の温度と湿度と撮影装置1の製造時期と機械シャッター13の動作回数とを特定し、これらの組み合わせに対応するLUT53aを参照して露光量の階調値を補正する。なお、本変形例においても、変形例1と同様に均一な色の被写体の撮像データに基づいて、機械シャッター13の温度と湿度と撮影装置1の製造時期と機械シャッター13の動作回数の複数の組み合わせごとにLUT53aを作成しておけばよい。
図6は、本変形例にかかる機械シャッター13の遮光幕とエリアイメージセンサー15とを示す模式図である。本変形例において、機械シャッター13は、遮光幕が5枚の絞り羽根によって構成され、5枚の絞り羽根が中央光軸に向かって光路を絞り込むように駆動する絞りシャッター方式を採用する。なお、機械シャッター13の遮光幕はエリアイメージセンサー15とレンズ11との間に設けられてもよいし、レンズ11よりも光路上流側に設けられてもよい。このような絞りシャッター方式では、露光領域R1と遮光領域R2との境界Bが中央光軸を中心とした円の外接五角形をなすこととなり、当該外接五角形の各辺はエリアイメージセンサー15のライン(破線矢印で図示。)と交差することとなる。また、このような絞りシャッター方式では、光軸中央に近いほど光電変換素子ほど露光領域R1と遮光領域R2との境界Bの到達が遅く、露光が終了するタイミングが遅くなるという特性を有する。一方、エリアイメージセンサー15のラインの方向は水平方向であるため、ライン単位で光電変換素子に露光を開始させるタイミングを調整しても、機械シャッター13のタイミングに追従することはできない。このような場合であっても、撮像データにおける露光量の階調値を光電変換素子の位置に応じて補正することにより、露光量のばらつきを抑制することができる。
図7の左グラフは、本変形例のエリアイメージセンサー15における露光のタイミングを示すグラフである。本変形例において、電子シャッター制御部30a1は、電子シャッターのタイミングXを機械シャッター13のタイミングYに追従させない。すなわち、図7の左グラフに示すようにすべてのラインに属するすべての光電変換素子における電荷のリセットを同時に行い、すべての光電変換素子における電荷の蓄積開始を同時に行う(グローバルシャッターを行う)ことにより、すべての光電変換素子における露光を同時に開始させる。図7の左グラフの例では、最上方のライン(ライン番号Lmax)の水平方向中央の光電変換素子における現実の露光時間TE(Lmax,Cmid)と設定された露光時間TEとを一致させる。この場合、特に下方のラインにおいて、電子シャッターのタイミングXと機械シャッター13のタイミングYとが大きく異なることとなるため、図7の中グラフに示すように設定された露光時間TEに対して現実の露光時間AEが大きくばらつく。特に下方のラインにおいては、設定された露光時間TEに対して現実の露光時間AEが大幅に短くなる。
図8は、各ラインの光電変換素子における露光および撮像データの読み出しのタイミングを示すグラフである。図8の例では、前記変形例1と同様に電子シャッターのタイミングXを機械シャッター13のタイミングYに完全に追従させていることとする。従って、各光電変換素子における現実の露光時間AEは、設定された露光時間TEと一致する。図8においては、各ラインについて撮像データを読み出すタイミングを示すタイミングP(L)を破線により示している。各ラインにおいては多数の光電変換素子が存在するため、各ラインについて撮像データを読み出すのに必要な期間は、機械シャッター13により各ラインを境界Bが通過する期間よりも長くなる。従って、撮像データの読み出すタイミングP(L)は、各ラインの光電変換素子に露光を開始および終了させるタイミングX,Yよりも傾きが緩やかとなる。従って、光電変換素子にて露光を終了させてから撮像データの読み出すまでの待機期間WT(L)は、ライン番号が増加するほど長くなる。この待機期間WT(L)においては、機械シャッター13の遮光幕が各光電変換素子を遮光するものの、待機期間WT(L)が長いほどエリアイメージセンサー15の暗電流ノイズによる電荷の蓄積量N(L)が大きくなる。すなわち、機械シャッター13のタイミングYと撮像データの読み出しタイミングP(L)との相違に起因して生じる待機期間WT(L)の不均一さに起因して、各光電変換素子における露光量にばらつきが生じることとなる。本変形例では、上方のラインほど暗電流分の露光量が増加することから、上方ラインに行くほどノイズ分が増加する値N(L)を露光量の階調値から減ずることにより、待機期間WT(L)の不均一さに起因する露光量のばらつきを抑制する。
以上においては、撮影装置1にて画像を補正する例を説明したが、撮影装置1以外の装置にて画像を補正してもよい。例えば、撮影装置1は、画像データ生成部20による各種画像処理をすることなく、エリアイメージセンサー15にて撮影された撮像データをそのままリムーバルメモリー56に記録するモードを備える。また、撮影装置1は、この撮像データに、撮影装置1の機種や撮影時の露光時間(シャッター速度)を特定する添付情報を添付する。本変形例においては、露光量の補正を、上述の撮像データをリムーバルメモリー56から読み込み可能なコンピューターにおいて実行する。機械シャッター13のタイミングYは物理的に異なるシャッター機構を有する撮影装置1の機種ごとに大きく異なる。従って、本変形例においては予め撮影装置1の機種ごとにLUT53aを作成しておきコンピューターに記録しておく。そして、コンピューターは撮像データを読み込むと、当該撮像データに添付された添付情報によって特定される撮影装置1の機種に対応するLUT53aを参照して当該撮像データの各画素に対応付けられた露光量の階調値を補正する。なお、撮影時の露光時間(シャッター速度)に応じたLUTそのものを添付しても良い。この場合には、LUTが添付されていない場合と異なり、そのLUTを参照して当該撮像データの各画素に対応付けられた露光量の階調値を補正する。
図3A,3Bの中グラフに対比されるように、設定された露光時間TEが長ければ長いほど、現実の露光時間AEと、設定された露光時間TEとの誤差の露光量に与える影響は小さく、当該誤差の影響を抑制するためのゲインGEは1に近い値となる。さらに、設定された露光時間TEが大きくなると、現実の露光時間AEと、設定された露光時間TEとの誤差による露光量のばらつきは、画像を視認した場合に感じられなくなる。従って、設定された露光時間TEが所定の閾値よりも長い場合には、露光量補正部20aによる補正を行わないようにしてもよい。例えば、設定された露光時間TEに対する、現実の露光時間AEと設定された露光時間TEとの誤差の絶対値の最大値の相対比が所定の閾値(例えば、1/50等。)である場合には、露光量のばらつきは感じられ難いとして補正を行わないようにしてよい。
本発明の具体的態様は、上述の実施形態や変形例に限定されるものではなく、実施形態や変形例同士を組み合わせたものであってもよいし、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で変形を行っても良い。
Claims (8)
- 複数の光電変換素子にて電荷の蓄積を開始させることにより露光の開始を制御する電子シャッターと、遮光部を機械的に動作させて複数の光電変換素子が配列する素子面に前記遮光部によって遮光された遮光領域を形成することにより、前記複数の光電変換素子の露光時間を制御する機械シャッターを用いて撮影された画像を取得する画像取得部と、
前記機械シャッターの動作特性に基づいて前記画像を補正する補正部と、
を備え、
前記電子シャッターは、電荷の蓄積を開始させるための配線が共通する前記複数の光電変換素子が前記素子面にて直線状に配列するライン単位で露光を開始させるとともに、
前記遮光領域の境界は前記ラインに交差する場合に、前記補正部は、前記ライン内における少なくとも2つの光電変換素子について互いに異なる補正を行う画像補正回路。 - 遮光部を機械的に動作させることにより、複数の光電変換素子の露光時間を制御する機械シャッターを用いて撮影された画像を取得する画像取得部と、
前記機械シャッターの動作特性に基づいて前記画像を補正する補正部と、
を備え、
前記補正部は、撮影光の光軸方向における前記遮光部と前記複数の光電変換素子が配列する素子面との距離に応じた補正を行う画像補正回路。 - 複数の光電変換素子の露光時間を制御する機械シャッターを用いて撮影された画像を取得する画像取得部と、
前記機械シャッターの動作特性に基づいて前記画像を補正する補正部と、
を備え、
前記補正部は、前記画像を撮影した際における前記機械シャッターの動作履歴情報と動作環境情報との少なくとも一方を取得し、前記動作履歴情報と前記動作環境情報との少なくとも一方に応じて前記画像を補正する画像補正回路。 - 複数の光電変換素子の露光時間を制御する絞りシャッター方式の機械シャッターを用いて撮影された画像を取得する画像取得部と、
前記機械シャッターの動作特性に基づいて前記画像を補正する補正部と、
を備え、
前記補正部は、電荷の蓄積を開始させるための配線が共通する少なくとも2つの光電変換素子について互いに異なる補正を行う画像補正回路。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像補正回路を備えた撮影装置。
- 遮光部を機械的に動作させることにより、複数の光電変換素子の露光時間を制御する機械シャッターを用いて撮影された画像を取得する画像取得機能と、
前記機械シャッターの動作特性と、撮影光の光軸方向における前記遮光部と前記複数の光電変換素子が配列する素子面との距離と、に基づいて前記画像を補正する補正機能と、をコンピューターに実行させる、
画像補正プログラム。 - 複数の光電変換素子の露光時間を制御する機械シャッターを用いて撮影された画像を取得する画像取得機能と、
前記機械シャッターの動作特性に基づいて前記画像を補正する補正機能と、をコンピューターに実行させ、
前記補正機能は、前記画像を撮影した際における前記機械シャッターの動作履歴情報と動作環境情報との少なくとも一方を取得し、前記動作履歴情報と前記動作環境情報との少なくとも一方に応じて前記画像を補正する機能である、
画像補正プログラム。 - 複数の光電変換素子の露光時間を制御する絞りシャッター方式の機械シャッターを用いて撮影された画像を取得する画像取得機能と、
前記機械シャッターの動作特性に基づいて前記画像を補正する補正機能と、をコンピューターに実行させ、
前記補正機能は、電荷の蓄積を開始させるための配線が共通する少なくとも2つの光電変換素子について互いに異なる補正を行う機能である、
画像補正プログラム。
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