JP5674227B2 - インモールド転写用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
本発明で用いられるポリエステルフィルムとは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステルとグリコ−ルとを主たる出発原料として得られるポリエステルであり、繰り返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレ−ト単位またはエチレン−2,6−ナフタレ−ト単位を有するポリエステルを指す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件下に他の第三成分を含有することが望ましい。芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等を用いることができる。グリコ−ル成分としては、エチレングリコ−ル以外に、例えば、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコール、ブタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の一種または二種以上を用いることができる。
ティーエーイインスツルメント社製の示差走査熱良計「MDSC2920型」を使用し、ポリエステル樹脂約5mgを0℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温させた際に得られる融解に伴う吸熱ピークの温度をTmとした。上述の方法により得た融解ピーク温度の内、製膜したフィルムの外層(A層)のみをサンプリングし測定したものの融解ピーク温度を艶消し性外層AのTmとし、製膜したフィルムの外層(A層)を除去したフィルムから得られた融解ピーク温度をベース層Bの融点とし、下記式により△Tm(℃)を求めた。
△Tm=(層AのTm)−(層BのTm)
ティーエーイインスツルメント社製の示差走査熱良計「MDSC2920型」を使用し、ポリエステル樹脂約5mgを0℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温させ、300℃で5分間溶融保持した後に0℃以下まで急冷し、次いで0〜300℃まで20℃/分で300℃まで昇温させた際に観測されるガラス転移に伴う転移点をTgとした。
中心線平均粗さRa(nm)をもって表面粗さとする。(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線 y=f(x)で表わしたとき、次の式で与えられた値を〔nm〕で表わす。中心線平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線平均粗さの平均値で表わした。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
(株)インテスコ製引張試験機インテスコモデル2001型を用いて、温度25℃において長さ50mm,幅15mmの試料フィルムを、200mm/分の速度で引張試験を行い、縦方向の5%伸び時の応力を求めた。
上記(5)の測定方法により、試料片を縦方向および横方向に引張り、100%伸び時の応力を求めた。
上記(5)の測定方法により、試料片を縦方向および横方向に引張り、試料片の破断伸度を求めた。
熱風循環炉(田葉井製作所製)を使用し、無張力状態のフィルムを180℃の雰囲気中で5分間熱処理し、フィルムの縦方向および横方向の熱処理前後の長さを測定し、下記式にて計算し、5本ずつの試料についての平均値で表した。
なお、上記式中、L0は熱処理前のサンプル長さ(mm)、L1は熱処理後のサンプル長さ(mm)を表す。ただし、L0がL1よりも小さくなる場合(フィルムが膨張する場合)は、熱収縮率の値を−(マイナス)で表した。
<印刷ズレ>
ロール状のフィルムサンプルを8MPaのテンションで巻出し、4色のグラビア印刷を施したあと、180℃にて30秒間乾燥することにより、絵柄印刷のフィルムを作成した。得られた絵柄印刷フィルムの印刷ズレを目視観察し、以下の基準にて判定した。
◎:印刷ズレ(フィルムの伸びと縮み)の発生が観察されない
○:僅かに印刷ズレが観察されるが実用上使用可能なレベルである
×:印刷ズレが観察され実用上使用不可のレベルにある不合格)
上記要領で作成した絵柄印刷フィルムをロール状から2m長さに引き出し、片タルミの平面性について目視観察し、以下の基準にて判定した。
◎:絵柄印刷フィルムには片タルミの平面性はほとんど観察されない
○:僅かに片タルミが観察されるが実用上使用可能なレベルである
×:片タルミがやや目立ち、シート状での外観も悪い(不合格)
上記(8)にて作成した絵柄印刷フィルムを、オスメス金型を用いて、底面直径50mm、深さ5mmの円筒状に100個/分の速度で連続成形した。得られたサンプルの状態を目視観察し、以下の基準にて判定した。
◎:100個中95個以上がフィルム破れの発生がなく、均一に成形されている
○:100個中80個以上がフィルム破れの発生がなく、均一に成形されている
×:100個中21個以上にフィルム破れが発生し、不良個所が多く観察される(不合格)
上記(10)にて得られたフィルムの底面部分において日本電色(株)社製 グロスメ−タ− VG−107型を用いて、JIS Z−8741の方法に準じて光沢度を測定した。入射角,反射角60度に於ける黒色標準板の反射率を基準に試料の反射率を求め光沢度とし、以下の基準にて判定した。
◎:0以上20未満
○:20以上30未満
×:30以上
ポリエステルフィルムを生産する際に発生する破断(フィルム破れ)の回数を以下の基準で判定した。
◎:1日当たり1回未満
○:1日当たり1回以上3回未満
×:1日当たり3回以上
<ポリエステル1>
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとする滑剤粒径を含有しないポリエステルチップを製造した。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとし平均粒径4.5μmのメタクリル酸アルキル−スチレン共重合体による有機粒子を10部含有させたポリエステルチップを製造した。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールを使用し、定法の溶融重合法にて極限粘度が0.66dl/gとし平均粒径2.5μmの非晶質シリカを0.60部含有してポリエステルチップを製造した。
ジカルボン酸成分としてイソフタル酸およびテレフタル酸、多価アルコール成分としてエチレングリコールをそれぞれ使用し、常法の溶融重縮合法で重合した原料チップを製造した。この原料のジカルボン酸成分中のイソフタル酸含量は22モル%であった。
ポリエステル1とポリエステル2とポリエステル4を40:40:20の重量比率で配合し、押出機にて溶融させて、積層ダイの外層Aに供給し、積層ダイの内層Bにはポリエステル1を供給し、積層ダイの他方の外層Cにはポリエステル1とポリエステル3を75:25の重量比率で配合し、それぞれの押出機にて外層Aと内層Bと外層Cの押出量比率を7:36:7の割合で供給し、外層A/内層B/外層Cの構成からなる3種3層の積層ポリエステル樹脂をフィルム状に押出して、35℃の冷却ドラム上にキャストして急冷固化した未延伸フィルムを作製した。次いで80℃の加熱ロールで予熱した後、赤外線加熱ヒーターと加熱ロールを併用して95℃のロール間で縦方向に3.2倍延伸した後、次いでフィルム端部をクリップで把持してテンター内に導き、110℃の温度で加熱しつつ横方向に4.2倍延伸し、250℃で10秒間の熱処理を行うと同時に幅方向に10%弛緩を施して厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は下記表1に示すとおりであった。この結果より、印刷ズレ、平面性共に良好であり、成形性も問題なく、かつ低光沢感に優れる結果が得られた。フィルムを生産する際の安定性も非常に優れたものであった。
実施例1において、外層Aに供給する原料配合をポリエステル1、2、4の重量比率を45:40:10にした以外は、実施例1と同様にして厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、外層Aに供給する原料配合をポリエステル1、2、4の重量比率を30:60:10にした以外は、実施例1と同様にして厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。実施例2と比較し、低光沢感には優れるものであったが、フィルム生産の際、破断が発生した。
Claims (1)
- 少なくとも1つのベース層Bと、B層に隣接し、平均粒径3〜8μmの粒子を0.05〜3重量%含有する外層Aを少なくとも1層有する、延伸されたポリエステルフィルムであって、ベース層Bと外層Aの融点の差△Tmが5℃以上15℃以下であり、外層A表面の平均粗さRaが0.30〜1.00μmの範囲であることを特徴とするインモールド転写用ポリエステルフィルム。
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