JP3038843B2 - 成形用艶消し積層ポリエステルフィルム - Google Patents
成形用艶消し積層ポリエステルフィルムInfo
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Description
成形加工後の表面の艶消し効果の優れた成形用積層ポリ
エステルフィルムに関する。
に優れ、種々の工業用用途に幅広く適用されている。例
えば、真空、圧空、張出、冷間、射出、インモールド、
エンボス加工等の原材料または補助材としてポリエステ
ルフィルムを用いることが検討され、加工されるポリエ
ステルフィルムの用途として、成形転写用、成形容器
用、電絶用、包装用、装飾用等への適用が検討されてい
る。
ビニール系樹脂に比べ成形性が劣るため、これらの用途
における適用が困難であった。特に成形転写用、成形容
器用ベースフィルムとして成形性の改良が求められてい
た。
た二軸延伸ポリエステルフィルムを提案してきた。
斑が大きく悪化してしまい、加工時に様々な問題が生じ
る。例えば、成形転写用フィルムとして使用する場合、
厚さ斑が不良であると、フィルムの平面性が悪化するだ
けでなく、成形転写時にフィルムの伸びが不均一となる
ため、転写した図柄の精度が低下する。また、成形容器
用フィルムとして使用する場合、厚さ斑が不良である
と、成形性が不均一となるため、フィルムの破断や積層
加工時に部分的な層間剥離が発生する傾向がある。
成形性および厚さ斑の改良という二律排反の現象を同時
に満足させることが要求されていたが、これらに加え、
耐熱性および表面光沢性の改良も求められていた。
るために、成形転写後、フィルムを剥離した後の成形品
表面を艶消しにすることが求められていた。
ルムの光沢度Gs(60゜)が低いほど、すなわち、艶消し
効果が大きいほど、フィルムの成形性が悪化するという
傾向がみられた。
押出により積層されてなる、ある特定の特性を有するポ
リエステルフィルムが成形用フィルムとして有用である
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
した複合フィルムであって、フィルム両面の光沢度Gs
(60゜)が10〜45%であり、かつ150℃の雰囲気下、100
%伸張時のフィルム強度F100が0.5〜3.0kg/mm2であるこ
とを特徴とする成形用艶消し積層ポリエステルフィルム
に存する。
分として、テレフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸等、公知
のジカルボン酸の一種または二種以上からなり、また、
ジオール成分としてエチレングリコール、プロピレング
リコール、トリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリ
コール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペン
チルグリコール等公知のジオール成分の一種または二種
以上からなるポリエステルである。
えばp−オキシ安息香酸のようなオキシカルボン酸、安
息香酸、ベンゾイル安息香酸、メトキシポリアルキレン
グリコールのような一官能性化合物、グリセリン、ペン
タエリスリトールのような多官能性化合物も、生成物が
実質的に線状の高分子を保持し得る範囲内で使用するこ
とができる。
ポリエチレンテレフターレトの割合は好ましくは50モル
%以上、さらに好ましくは70モル%以上である。ポリエ
チレンテレフタレートが50モル%未満であるとフィルム
にした場合の強度および耐熱性が低下するので好ましく
ない。
ポリマー、例えばポリカーボネート、ポリオレフィン、
ポリアミド等を本発明の要旨を越えない範囲、例えば全
体の30wt%以下であれば添加、混合しても構わない。こ
のように、他種のポリマーを添加、混合することにより
フィルム表面を粗面化し、好適な表面光沢性、筆記性を
与える方法も、本発明を具現化するための一手法として
挙げられる。
ためには、フィルムを構成するポリエステルの酸成分中
に脂肪族ジカルボン酸成分を好ましくは1〜20モル%、
さらに好ましくは1〜10モル%含有させる。
せる脂肪族ジカルボン酸成分としては、通常、炭素数4
〜12、好ましくは炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸成
分が用いられる。
めに、有機、無機等の微粒子を含有させることも好まし
く、必要に応じて安定剤、着色剤、酸化防止剤、消泡
剤、静電防止剤等の添加剤を含有するものであってもよ
い。滑り性、表面光沢性を付与する微粒子としては、カ
オリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化ケイ素、テレフ
タレ酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、リ
ン酸カルシウム、フッ化リチウム、カーボンブラック等
の公知の不活性外部粒子、ポリエステル樹脂の溶融製膜
に際して不溶な高融点有機化合物、架橋ポリマーおよび
ポリエステル合成時に使用する金属化合物触媒、例えば
アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などによ
ってポリエステル製造時にポリマー内部に形成される内
部粒子等が挙げられる。
の表面光沢性を効率よく付与できる酸化ケイ素の微粒子
を主体とすることが好ましい。
粒子、例えば、酸化チタンを含有することも好ましい態
様の一つである。
に含まれる微粒子の量は、好ましくは0.1〜5.0wt%、さ
らに好ましくは0.1〜4.0wt%、特に好ましくは0.2〜3.5
wt%の範囲であり、その平均粒径は、好ましくは0.5〜1
0μm、さらに好ましくは1.0〜10μm、特に好ましくは
2.0〜7.0μmの範囲である。本発明のフィルムにおいて
上記含有量および平均粒径の粒子を選択することによ
り、所望の表面光沢性、筆記性を持つフィルムを得るこ
とができる。
く0.50以上、更に好ましくは0.60以上である。フィルム
の極限粘度が0.50未満の場合、十分な成形性が得られず
好ましくない。
%の範囲である。フィルムの片面のGs(60゜)が10%未
満では、成形加工後の成形品表面が粗面化し過ぎて好ま
しくない。一方、Gs(60゜)が45%を超えるフィルムで
は、成形品表面に十分な艶消しを与えられず、好ましく
ない。フィルムの両面のGs(60゜)の値は、好ましくは
15〜45%、更に好ましくは、15〜40%の範囲である。
は、例えば、前述したようにフィルムに有機、無機等の
微粒子を含有させる方法が採用され、該微粒子として
は、酸化ケイ素微粒子を主体とすることが特に好まし
い。
る100%伸長時のフィルム強度F100が0.5〜3.0kg/mm2の
範囲である必要がある。本発明でいうF100は150℃での1
00%伸長時でのフィルムの縦および横方向の強度の平均
値である。F100値は好ましくは0.5〜2.7kg/mm2、さらに
好ましくは0.5〜2.5kg/mm2の範囲である。
形性に深く関係しており、F100が3.0kg/mm2を越すフィ
ルムでは、成形性が低下し、好ましくない。また、F100
が0.5kg/mm2未満のフィルムでは、成形時フィルムが不
均一に変形し、例えば転写用フィルムでは、転写する図
柄の歪み等が生じ好ましくない。また縦方向と横方向の
150℃、100%伸長時のフィルム強度の差は通常1.5kg/mm
2以下であり、好ましくは1.0kg/mm2以下、更に好ましく
は0.7kg/mm2以下である。かかる差が1.5kg/mm2を超える
と、異方性が大きくなるため成形性が悪化する。
ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下である。
厚さ斑が30%を超えるフィルムでは、成形性および成形
時の伸びが不均一となり、成形転写時に図柄の歪みが生
じ好ましくない。
なるような層(A)を含む積層フィルムで3層以上の多
層フィルムである。層(A)のフィルム全体に対する厚
み比は、0.5以下が好ましく、さらに好ましくは0.3以
下、特に好ましくは0.2以下である。厚み比が0.5を超え
る場合、積層による成形性の改良効果が小さいため好ま
しくない。
分間処理後の縦および横方向の収縮率が共に10%以下で
あることが好ましく、さらに好ましくは5%以下であ
る。
加工工程中の加熱区間においてフィルムの縮みが大きく
発生し好ましくない。特に転写用フィルムの用途では、
上記条件下における横方向の収縮率が0%以下(フィル
ムが膨張する場合は収縮率をマイナスとする)であるこ
とが好ましい。横方向の収縮率が0%を超えるフィルム
では、成形転写用として用いた場合、印刷層形成後の乾
燥工程においてフィルムが巾縮みを起こし好ましくな
い。
1〜8cal/g、さらに好ましくは1〜6cal/gの範囲であ
る。融解熱が8cal/gを超えるフィルムでは成形性が低下
し好ましくない。一方、融解熱が1cal/g未満のフィルム
は、特にフィルム耳部等のリサイクルを行う場合、製膜
時の原料乾燥工程において結晶化が極めて困難なため、
真空乾燥等の繁雑な工程が必要となり、好ましくなく、
またフィルムの厚さ斑も悪化し好ましくない。
グ率は好ましくは200kg/mm2以上、さらに好ましく300kg
/m2以上である。ヤング率が200kg/mm2未満のフィルムで
は、成形工程においてフィルムの伸びが生じやすく好ま
しくない。
転写用のフィルムとして好ましく用いられる厚さは5〜
500μm、さらに好ましくは5〜300μmである。
が、本発明の構成要件を満足する限り、以下の例示に特
に限定されるものではない。
じて適量含有するポリエステル原料(a)と、別途調整
したポリエステル原料(b)とを、それぞれ別々にホッ
パードライヤー、パドルドライヤー、オーブン等の通常
用いられる乾燥機または真空乾燥機等を用いて乾燥した
後、別個の押出機により200〜320℃で押出し、共押出法
により、原料(a)で構成される層が、少なくとも片面
において表層となるよう複合化し、キャスティングドラ
ム上で冷却固化させて、2層以上の層からなる無定形シ
ートを形成する。この際、常法の静電印加法を用いると
該無定形シートの厚さ斑が向上するので好ましい。
8倍以上、好ましくは3.0倍以上さらに好ましくは3.2倍
以上延伸する。縦方向の延伸倍率が2.8倍未満では、フ
ィルムの縦方向の厚さ斑が悪化するので好ましくない。
次に横方向に3.0〜5.0倍に延伸し、二軸配向フィルムを
形成する。横方向の延伸倍率が3.0倍未満では、横方向
の厚さ斑が悪化するので好ましくない。横延伸倍率は好
ましくは3.2〜5.0倍、さらに好ましくは3.4〜5.0倍であ
る。次に二軸配向フィルムは、150〜220℃で1秒〜10分
間熱処理される。
び/または熱処理出口のクリーンゾーンにて横方向およ
び/または縦方向に0.1〜30%の弛緩を行うことも本発
明においては好ましい態様の1つである。特に横方法に
おいては5〜30%の弛緩を行うことが好ましい。また、
熱処理工程において、二段熱処理を行ってもよい。
性、接着性、帯電防止性、滑り性、離型性等を付与する
ために、フィルムの片面または両面に塗布層を形成した
り、コロナ放電処理等を施したりしても構わない。特
に、フィルムに表面光沢性を付与するためにフィルム表
面に塗布層を形成することは好ましい態様である。フィ
ルムに表面光沢性を付与するために、塗布層を形成する
場合、塗布層中に有機、無機等の微粒子、例えば、酸化
ケイ素微粒子等を含有させることが好ましい。塗布層中
に含まれる微粒子の含有量は好ましくは5.0〜50wt%、
さらに好ましくは10〜40wt%、特に好ましくは10〜30wt
%の範囲であり、その平均粒径は、好ましくは塗布層厚
みの0.1〜3.0倍、さらに好ましくは塗布層厚みの0.5〜
2.0倍の範囲である。
二種以上の機能、例えば表面光沢性と離型性を兼ね備え
ていてもよく、また、二層以上の多層塗布層であっても
よい。
本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定
されるものではない。
る。
て、60度鏡面光沢度Gs(60゜)をJIS Z 8741に準じ
て測定した。すなわち、入射角、反射角60度における黒
色標準板の反射率を基準に試料の反射率を求め光沢度と
した。
強度F100(kg/mm2) (株)インテスコ製恒温槽付引張試験機インテスコ20
01型の恒温槽を150℃に設定し、幅15mmのフィルムをチ
ャック間50mmとなるようにセットして2分間放置後、引
張速度200mm/minで100%伸張時の強度を測定した。測定
は、フィルムの縦および横方向について行い、その平均
値をF100とした。なお、100%伸張前に破断するフィル
ムについては、次式に従って換算した。
メーター使用)により、フィルムの縦方向に沿って5mの
長さで測定し、次式により厚さ斑を算出した。
の混合溶媒20mlに加え、約110℃で30分間加熱後、30℃
で測定した。
無負荷の状態で3分間熱収縮させ、縦および横方向につ
いての加熱収縮率を下記式に従い求めた。
り、昇温速度16℃/minにて測定した試料の結晶の融解に
伴うピークの面積を求め、下記式に従い計算した。
刷層および接着層を形成し、第1図に示す縦10cm、横10
cm、最大深さ5.0cmの金型(1)を用い、フィルムを真
空および圧空にて金型内部に予備成形した後、加熱した
樹脂を射出して成形転写を連続で行った。成形時のフィ
ルムの破断の頻度、射出成形品の形状及び成形品の印刷
の仕上りに関し、転写フィルムとしての適性を以下のよ
うに評価した。
及び印刷の仕上りも美しく、かつ成形品に十分な艶消し
感がある。
し感はあるものの成形品の形状、印刷の仕上りにおける
不良品が時々発生する。
時には支障をきたす。ただし、成形品には十分な艶消し
感がある。
いは成形品の艶消し感が不十分である。
イソフタル酸単位16mol%およびセバシン酸単位4mol%
よりなり、ジオール成分がエチレングリコール単位98mo
l%およびジエチレングリコール単位2mol%よりなる、
平均粒径2.4μmの無定形シリカ微粒子400ppmを含有す
る共重合ポリエステルを原料(I)とした。原料(I)
と同一の共重合成分を有するポリエステルに、平均粒径
2.4μmの無定形シリカ粒子3.0wt%を含有させた共重合
ポリエステルを原料(II)とした。原料(I)を原料
(II)とを35:65(重量比)の割合でブレンドした共重
合ポリエステルを原料(A1)とした。
した後、本乾燥し、別個の溶融押出機により、原料(A
1)を外層、原料(I)を内層とし、厚み比A1/I/A1=2.
5/45/2.5で3層複合化させて無定形シートを製造した。
に75℃で3.5倍延伸した後、続いて横方向に95℃で3.6倍
延伸し、横方向に5%の弛緩と縦方向に0.5%の弛緩を
行いながら、190℃で熱処理を行った。得られたフィル
ムの平均厚さは50μmであった。
し、Tダイを有する押出機を用いて280℃で単層にて押
出し、急冷固化して無定形シートを得た。得られたシー
トを実施例1と全く同様に延伸製膜を行い、平均厚さ50
μmのフィルムを得た。
し、Tダイを有する押出機を用いて280℃で単層にて押
出し、急冷固化して無定形シートを得た。得られたシー
トを実施例1と全く同様にして延伸製膜を行い、平均厚
さ50μmのフィルムを得た。
さ斑を有し、かつ加工後の表面の艶消し効果も良好であ
り、成形用、特に成形転写用ベースフィルムとして好適
であり、その工業的価値は高い。
す図である。図中の1は金型、2は射出機、3はベース
フィルムそして4は印刷層を含む層を表す。
Claims (1)
- 【請求項1】共押出により3層以上積層した複合フィル
ムであって、フィルム両面の光沢度Gs(60゜)が10〜45
%であり、かつ150℃の雰囲気下、100%伸張時のフィル
ム強度F100が0.5〜3.0kg/mm2であることを特徴とする成
形用艶消し積層ポリエステルフィルム。
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JP2228952A JP3038843B2 (ja) | 1990-08-30 | 1990-08-30 | 成形用艶消し積層ポリエステルフィルム |
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