JP5668544B2 - ズームレンズおよびカメラおよび情報装置 - Google Patents
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Description
小型化の観点からすると、ズームレンズは、使用時のレンズ全長(最も物体側のレンズ面から像面までの距離)を短縮することが重要である。また、AFの高速化を実現するには、フォーカシングレンズの小型化を図ることが重要である。
従来、高変倍化等に適したタイプのズームレンズとして知られているものに、物体側より順に、正の焦点距離を持つ第1レンズ群、負の焦点距離を持つ第2レンズ群、負の焦点距離を持つ第3レンズ群、正の焦点距離を持つ第4レンズ群、正の焦点距離を持つ第5レンズ群を配したものが知られている。
特許文献1は具体的な実施例として、上記5群構成で、第3レンズ群をフォーカス群として移動してフォーカシングを行なうものを開示しているが、フォーカス群である第3レンズ群が「負・正レンズの接合レンズ」であるため、軽量・小型に作製することが難しく、フォーカス群を移動するための負荷が大きくなりやすく、駆動モータ等も大型化しやすい。また、駆動エネルギを十分に大きくしないと「フォーカシングにかかる時間」を短縮することが難しく、AFの高速化の面でなお、改良の余地がある。
即ち、第2レンズ群の焦点距離:f2、広角端における全系の焦点距離:fw、望遠端における全系の焦点距離:ftが、条件:
(1) 0.95 <|f2/√(fw×ft)|< 4
を満足する。
(2) 0.9 <f2/f3< 6
を満足することが好ましい(請求項2)。
(3) 0.5 <|f1/f2|< 2.1
を満足することが好ましい(請求項3)。
ズームレンズによる像を撮像素子で読み取るようにすると、読み取った画像は電気的なデータに変換され、変換された電気的なデータは「電子的な処理」が可能である。
従って、ズームレンズの歪曲収差による像の歪を、電子的な処理で補正することが可能であり、このような電子的な処理が可能な範囲で歪曲収差を許容したズームレンズの設計が可能である。
請求項1における条件(1)は、第2レンズ群の焦点距離:f2と、中間焦点距離(広角端における全系の焦点距離:fwと、望遠端における全系の焦点距離:ftとの幾何平均)との比の適正範囲を規制する条件である。
条件(2)の上限値:6を超えると、条件(1)の上限を超える場合と同様に、第2レンズ群の「変倍時の移動量」が大きくなり、使用時のズームレンズ全長が長くなり易い。また、フォーカス群である第3レンズ群の焦点距離が短くなり、第3レンズ群の負のパワーが大きくなって「フォーカス時の収差劣化」が大きくなり易い。
条件(2)の下限値:0.9を下回ると、第2レンズ群の焦点距離が短くなりすぎ、第2レンズ群の負のパワーが強くなって変倍時の収差劣化が大きくなる。また、製造誤差感度も高くなり、量産性に問題が発生する。
あるいはまた、第3レンズ群の焦点距離が長くなって第3レンズ群の負のパワーが弱くなり、フォーカシングに必要な移動量が大きくなり、この移動量を確保するためのズームレンズの使用時の全長が長くなり易い。
条件(3)の上限値:2.1を超えると、第2レンズ群の焦点距離が短くなり、第2レンズ群の負のパワーが強くなり、変倍時の収差劣化が大きくなる。また、製造誤差感度も高くなり、量産性に問題が発生する。
従って、このような歪曲収差補正を前提とし、「電子的な処理によって補正できる範囲の歪曲収差を許容」すれば、歪曲収差以外の収差を「より良好に補正」することができ、広画角化や高変倍化、高性能化に資することができる。
このため、高変倍化を進めるには、第1レンズ群で発生する収差量を十分に小さく抑える必要があり、そのためには第1レンズ群を上記構成とすることが好ましい。
図1〜図7は、ズームレンズの実施の形態を示している。図1〜図7に示すズームレンズはこの順序に、後述する実施例1〜7に関するものである。
なお、図7に示すズームレンズは、第5レンズ群が、2枚の正レンズと1枚の負レンズで構成されており、「第5レンズ群を、1枚の正レンズと1枚の負レンズにより構成したこの発明のズームレンズ」とは異なる「参考例」であるが、混同の恐れはないと考えられるので、以下において「実施例7」として説明する。
符号「I」により第1レンズ群、符号「II」により第2レンズ群、符号「III」により第3レンズ群、符号「IV」により第4レンズ群、符号「V」により第5レンズ群を示す。また、符号「S」により開口絞りを示す。図の左方が「物体側」、右方が「像側」である。
符号Fは「透明平行平板」を示す。透明平行平板Fは、光学ローパスフィルタ・赤外カットフィルタ等の各種フィルタ(物体側の透明平行平板)やCCDセンサ等の撮像素子のカバーガラス(シールガラス 像側の透明平行平板)を「これらに等価な2枚の透明平行平板」として示したものである。
広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群I〜第5レンズ群Vは「互いに独立して物体側へ移動」する。
携帯情報端末装置のシステム構成は、図16に示すように、「ズームレンズ」である撮影レンズ1と「撮像素子」である受光素子13を有し、撮影レンズ1によって形成される撮影対象物の像を受光素子13によって読取るように構成され、受光素子13からの出力を、中央演算装置11の制御を受ける信号処理装置14によって処理してデジタル情報に変換する。
このとき、ファインダ2も撮影レンズ1の画角の変化に連動して変倍する。
F:Fナンバ
ω:半画角
r:曲率半径(非球面にあっては近軸曲率半径)
d:面間隔
Nd:屈折率
νd:アッベ数
θgF:部分分散比
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面定数
A6:6次の非球面定数
A8:8次の非球面定数
A10:10次の非球面定数
A12:12次の非球面定数
A14:14次の非球面定数
「非球面形状」は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率):C、光軸からの高さ:H、円錐定数:K、上記各次数の非球面係数を用い、Xを光軸方向における非球面量として、周知の式:
X=CH2/[1+√{1−(1+K)C2H2}]+A4・H4+A6・H6
+A8・H8+A10・H10+A12・H12+A14・H14
で表され、近軸曲率半径:R(=1/C)と円錐定数:K、非球面係数:A4〜A14を与えて形状を特定する。
実施例1は、図1に示したズームレンズである。
実施例1のデータを表1に示す。
非球面は、上記表1において「*印」を付した面である。以下の実施例においても同様である。
K=0
A4=1.056440E-06
A6=4.970200E-08
A8=-7.07385E-10
A10=5.361300E-12
A12=-1.57191E-14
第13面
K=0
A4=-7.78796E-05
A6=-2.65621E-07
A8=-1.50697E-09
第21面
K=0
A4=3.625180E-05
A6=1.430340E-06
A8=-1.49906E-08
第22面
K=0
A4=1.042670E-04
A6=1.381650E-06
A8=-1.17092E-08
上記非球面の表記において、例えば「-1.17092E-08」は「-1.17092×10-8」を意味する。以下においても同様である。
可変量のデータを表2に示す。
実施例2は図2に示したズームレンズである。
実施例2のデータを表3に示す。
実施例2の非球面のデータを以下に示す。
K=0
A4=-2.56108E-06
A6=1.044020E-07
A8=-1.4309E-09
A10=1.355110E-11
A12=-5.04361E-14
第13面
K=0
A4=-9.25137E-05
A6=-3.51547E-07
A8=-8.00052E-09
第21面
K=0
A4=-2.51375E-04
A6=3.572660E-06
A8=1.359970E-08
第22面
K=0
A4=-1.75754E-04
A6=4.150840E-06
A8=-1.1655E-08 。
可変量のデータを表4に示す。
実施例3は、図3に示したズームレンズである。
実施例3のデータを表5に示す。
実施例3の非球面のデータを以下に示す。
K=0
A4=2.777450E-05
A6=-3.99444E-08
A8=6.048460E-10
A10=1.095400E-12
A12=-2.48491E-14
第13面
K=0
A4=-9.36505E-05
A6=4.158310E-08
A8=-5.89151E-09
第21面
K=0
A4=5.741240E-06
A6=-1.82504E-06
A8=4.009180E-09
第22面
K=0
A4=1.736520E-04
A6=-1.06638E-06
A8=2.185120E-08 。
可変量のデータを表6に示す。
実施例4は、図4に示したズームレンズである。
実施例4のデータを表7に示す。
実施例4の非球面のデータを以下に示す。
K=0
A4=5.736250E-06
A6=1.541920E-07
A8=-1.54552E-09
A10=2.609640E-11
A12=-1.36118E-13
第13面
K=0
A4=-6.60531E-05
A6=-9.67387E-08
A8=-6.97485E-09
第22面
K=0
A4=2.216200E-04
A6=2.466620E-06
A8=-2.45507E-08
A10=6.485260E-10 。
可変量のデータを表8に示す。
実施例5は、図5に示したズームレンズである。
実施例5のデータを表9に示す。
実施例5の非球面のデータを以下に示す。
K=0
A4=3.219740E-06
A6=3.603850E-08
A8=-5.10179E-10
A10=3.418800E-12
A12=-8.46642E-15
第13面
K=0
A4=-7.30888E-05
A6=-2.79226E-07
A8=-1.37626E-09
第21面
K=0
A4=2.979630E-05
A6=1.179710E-06
A8=-6.349E-09
第22面
K=0
A4=9.580120E-05
A6=1.208010E-06
A8=-8.5897E-09 。
可変量のデータを表10に示す。
実施例6は、図6に示したズームレンズである。
実施例11のデータを表11に示す。
実施例6の非球面のデータを以下に示す。
K=0.000000E+00
A4=3.572750E-05
A6=-7.660460E-07
A8=8.247110E-09
A10=-3.983520E-11
A12=7.403260E-14
第5面
K=0.000000E+00
A4=1.279760E-05
A6=-8.573790E-07
A8=3.096290E-09
A10=-6.310570E-11
A12=1.179080E-12
第13面
K=0.000000E+00
A4=-7.200890E-05
A6=-8.845630E-07
A8=1.304940E-08
A10=-5.719170E-10
第14面
K=0.000000E+00
A4=2.228670E-05
A6=-8.349910E-07
A8=9.411840E-09
A10=-4.635290E-10
第20面
K=0.000000E+00
A4=-4.248460E-05
A6=-2.236380E-06
A8=2.516120E-08
A10=-4.518890E-11
第21面
K=0.000000E+00
A4=-1.262000E-05
A6=-1.745830E-06
A8=2.242420E-08
A10=-5.413360E-11 。
可変量のデータを表12に示す。
実施例7は、図7に示したズームレンズである。
実施例7の非球面のデータを以下に示す。
K=0.000000E+00
A4=5.463350E-05
A6=-1.303180E-06
A8=1.469420E-08
A10=-9.076220E-11
A12=3.143270E-13
A14=-4.884080E-16
第5面
K=0.000000E+00
A4=3.368690E-05
A6=-1.005120E-06
A8=-9.216250E-09
A10=1.352820E-10
A12=-3.297500E-13
第13面
K=3.301000E-01
A4=-3.253670E-05
A6=1.894420E-07
A8=-1.969370E-09
A10=-8.485160E-12
第14面
K=0.000000E+00
A4=2.451920E-05
A6=2.930500E-07
A8=-2.639100E-09
A10=2.487870E-12
第23面
K=0.000000E+00
A4=2.548720E-05
A6=1.876180E-08
A8=-8.213990E-10
A10=6.062930E-12 。
可変量のデータを表14に示す。
この電子的な補正により、中間焦点距離・広角端における理想像高が「所望のイメージサークルの大きさ」である14.3mmとなるようにするのである。即ち、中間焦点距離・広角端における「イメージサークルの大きさ」を所望のイメージサークルの大きさの「(100+Dis(X))/100倍」とすることができる。
II 第2レンズ群
III 第3レンズ群
S 開口絞り
IV 第4レンズ群
V 第5レンズ群
Claims (8)
- 光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、負の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、正の屈折力を有する第5レンズ群を配し、第3レンズ群と第4レンズ群との間に開口絞りを配してなり、
広角端から望遠端への変倍に際し、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が大きくなり、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が変動し、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔が小さくなり、第4レンズ群と第5レンズ群の間隔が小さくなり、フォーカシングを第3レンズ群で行うズームレンズにおいて、
第3レンズ群が負レンズ1枚で構成され、
第5レンズ群が、正レンズ1枚と負レンズ1枚とで構成され、
第2レンズ群の焦点距離:f2、広角端における全系の焦点距離:fw、望遠端における全系の焦点距離:ftが、条件:
(1) 0.95 <|f2/√(fw×ft)|< 4
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1記載のズームレンズにおいて、
第2レンズ群の焦点距離:f2、第3レンズ群の焦点距離:f3が、条件:
(2) 0.9 <f2/f3< 6
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1または2記載のズームレンズにおいて、
第1レンズ群の焦点距離:f1、第2レンズ群の焦点距離:f2が、条件:
(3) 0.5 <|f1/f2|< 2.1
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜3の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
開口絞りが、第4レンズ群と一体に移動することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜4の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
ズームレンズによる像を撮像素子により読取る情報装置に用いられることを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1〜5の任意の1に記載のズームレンズを、撮影用光学系として有することを特徴とするカメラ。
- ズームレンズによる像を撮像素子により読取る機能を持ち、ズームレンズとして、請求項5記載のものを用いることを特徴とするカメラ。
- 請求項1〜5の任意の1に記載のズームレンズを、カメラ機能部の撮影用光学系として有し、携帯情報端末装置として構成されたことを特徴とする情報装置。
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