JP5651917B2 - ポジ型感光性樹脂組成物、該樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品 - Google Patents
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Description
このようなアルカリ現像可能なポジ型の感光性樹脂を得る方法として、ポリイミド前駆体にエステル結合を介してo−ニトロベンジル基を導入する方法(例えば、非特許文献2参照)、可溶性ヒドロキシルイミドまたはポリベンゾオキサゾール前駆体にナフトキノンジアジド化合物を混合する方法(例えば、特許文献4、5参照)などがある。かかる方法により得られる樹脂には、低誘電率化が期待でき、そのような観点からも感光性ポリイミドとともに感光性ポリベンゾオキサゾールが注目されている。
(b)光の照射を受けて酸を発生する化合物と、
(c)ウレア結合を有する化合物と、
(d)アルカリ水溶液に対する(a)成分の溶解を阻害する化合物と、
を含有してなることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
で表される化合物であることを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれか一つに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
で表されるジアリールヨードニウム塩を含むことを特徴とする、上記[1]〜[4]のいずれか一つに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて、パターン形成、加熱硬化したパターン硬化膜は、耐熱性および機械特性に優れ、かつ種々の化学薬品への耐性が高く、特に半導体装置の層間絶縁膜に好適なものとなる。
また、本発明のパターン硬化膜の製造方法によれば、前記感光性樹脂組成物の使用により、感度、解像度、耐薬品性に優れた、良好な形状のパターンが得られる。
さらに、本発明の電子部品は、その構成要素である硬化膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されるので、良好な形状と耐薬品性、耐熱性に優れたパターン硬化膜を有する。
本発明で用いる(a)成分は、アルカリ水溶液可溶性のポリマーであれば、特に構造上の制限はない。
(a)成分単独あるいは以下に順を追って説明する(b)、(c)の各成分とともに任意の溶剤に溶解して得られたワニスを、シリコンウエハなどの基板上にスピン塗布して形成することにより膜厚5μm程度の塗膜とする。これをテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか一つに20〜25℃において、浸漬する。この結果、均一な溶液として溶解し得る時、その(a)成分はアルカリ性現像液で可溶と見なされる。
上記ポリイミドは、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させ、脱水閉環することにより得ることができる。
上記ポリオキサゾールは、例えば、ジカルボン酸ジクロリドとジヒドロキシジアミンを反応させ、脱水閉環することにより得ることができる。
上記ポリアミドイミドは、例えば、トリカルボン酸とジアミンを反応させ、脱水閉環することにより得ることができる。
上記ポリアミドは、例えば、ジカルボン酸ジクロリドとジアミンを反応させることにより得ることができる。
上記ポリアミド酸は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させることにより得ることができる。
上記ポリアミド酸エステルは、例えば、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミンを反応させることにより得ることができる。
このポリヒドロキシアミドは、下記一般式(3):
で表される繰り返し単位を有する。
この一般式(3)で表される「ヒドロキシ基を含有するアミドユニット」は、最終的には硬化時の脱水閉環により、耐熱性、機械特性、電気特性に優れるオキサゾール体に変換される。
そのようなものとして、好ましくは、次式(4):
で表されるポリヒドロキシアミドである。
ここで、式(4)中のjとkのモル分率は、j=80〜100モル%、k=20〜0モル%であることがより好ましい。
上記ジハライド誘導体としては、ジクロリド誘導体が好ましい。
ハロゲン化剤としては通常のカルボン酸の酸クロリド化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。
反応溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン等が使用できる。
反応温度は、−10〜70℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
脱ハロゲン化水素剤としては、通常、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が使用される。
また、有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が使用できる。
反応温度は、−10〜30℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
前記一般式(4)において、Uで表される4価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成する「2個のヒドロキシ基がそれぞれアミンのオルト位に位置した構造を有するジアミンの残基」であり、4価の芳香族基が好ましく、炭素原子数としては6〜40のものが好ましく、炭素原子数6〜40の4価の芳香族基がより好ましい。4価の芳香族基としては、4個の結合部位がいずれも芳香環上に存在するものが好ましい。
前記一般式(4)において、Wで表される2価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成する「ジアミンの残基」であり、前記Uを形成するジアミン以外の残基であり、2価の芳香族基又は脂肪族基が好ましく、炭素原子数としては4〜40のものが好ましく、炭素原子数4〜40の2価の芳香族基がより好ましい。
これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
一般式(4)において、Vで表される2価の有機基とは、ジアミンと反応してポリアミド構造を形成する、ジカルボン酸の残基であり、2価の芳香族基が好ましく、炭素原子数としては6〜40のものが好ましく、炭素原子数6〜40の2価の芳香族基が硬化膜の耐熱性の観点でより好ましい。2価の芳香族基としては、2個の結合部位がいずれも芳香環上に存在するものが好ましい。また、Vが炭素数6〜30の脂肪族直鎖構造を有する2価の有機基の場合は、熱硬化する際の温度を280℃以下と低くしても十分な物性が得られる点で好ましい。
これらの化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物において、前記(a)成分として用いるアルカリ水溶液可溶性のポリマーとともに、前記(b)成分として活性光線の照射を受けて酸を発生する化合物(以下、酸発生剤とも記す)を用いる。
好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間とされる。
本発明に使用される(c)成分であるウレア結合を有する化合物は、感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後に加熱処理する工程において、該化合物がポリマーと反応、すなわち橋架けをする。または、加熱処理する工程において、該化合物自身が重合する。これによって、得られる硬化膜の機械特性や薬品耐性、フラックス耐性を向上させることができる。また、(c)成分がウレア結合を持つことで、(b)成分である「光の照射を受けて酸を発生する化合物」との相互作用が増し、後に説明する(d)成分である「アルカリ水溶液に対する(a)成分の溶解を阻害する化合物」と相まって、露光部と未露光部との溶解速度差を向上させることができる。
で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
で示される構造を有する化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物を、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、さらに、(d)成分として、(a)成分であるベースポリマーのアルカリ水溶液に対する溶解を阻害する化合物である溶解阻害剤を含有する。
(d)成分として使用可能なものとしては、「(a)成分単独あるいは(b)、(c)の各成分とともに任意の溶剤に溶解して得られたワニスをシリコンウエハなどの基板上にスピン塗布して形成された塗膜」の溶解速度を低下させる効果が発現するものであれば、特に制限はない。そのような効果がより顕著に期待できる好ましいものとして、オニウム塩、ジアリール化合物及びテトラアルキルアンモニウム塩が挙げられる。
上記テトラアルキルアンモニウム塩としては、アルキル基がメチル基、エチル基等のテトラアルキルアンモニウムハライドが挙げられる。
で表されるジアリールヨードニウム塩が、好ましい。
上記陰イオンとしては、硝酸イオン、4フッ化ホウ素イオン、過塩素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、チオシアン酸イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物には、硬化膜の基板との接着性を高めるために、有機シラン化合物、アルミキレート化合物等の密着性付与剤を含むことができる。
次に、本発明によるパターン硬化膜の製造方法について説明する。
本発明のパターン硬化膜の製造方法は、上述した感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥して感光性樹脂膜を形成する感光性樹脂膜形成工程、前記感光性樹脂膜を所定のパターンに露光する露光工程、前記露光後の感光性樹脂膜を現像してパターン樹脂膜を得る現像工程、及び前記パターン樹脂膜を加熱処理してパターン硬化膜を得る加熱処理工程を有する。
以下、各工程について説明する。
まず、この工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO2、SiO2等)、窒化ケイ素などの支持基板を用意する。用意した支持基板上に、前記本発明の感光性樹脂組成物をスピンナーなどの塗布法を用いて塗布する。得られた塗膜をホットプレート、オーブンなどを用いて乾燥する。これにより、感光性樹脂組成物の被膜である感光性樹脂膜が得られる。
次に、露光工程では、支持基板上で被膜となった感光性樹脂膜に、所定のパターンを有するマスクを介して紫外線、可視光線、放射線などの活性光線を照射することにより露光を行う。
現像工程では、活性光線による感光性樹脂膜の露光部を現像液で除去する。露光部の除去によりパターン樹脂膜が得られる。
使用する現像液は、アルカリ性現像液であり、例えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,ケイ酸ナトリウム,アンモニア,エチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミン,トリエタノールアミン,テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルカリ水溶液が好ましいものとして挙げられる。これらのアルカリ水溶液の塩基濃度は、0.1〜10重量%とされることが好ましい。
上記アルカリ性現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、アルカリ性現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合することができる。
次いで、加熱処理工程では、現像後得られたパターン樹脂膜を加熱処理することにより、耐熱性の高い樹脂からなるパターン硬化膜を形成することができる。
次に、本発明のパターン硬化膜を有する半導体装置の製造方法の製造工程の一例を図面に基づいて説明する。図1〜図5は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図であり、第1の工程から第5の工程へと一連の工程を表している。
この表面保護膜層(感光性樹脂のパターン硬化膜)8は、導体層を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
次に、本発明による電子部品について説明する。本発明による電子部品は、上述した感光性樹脂組成物を用いて上記パターン硬化膜の製造方法によって形成されるパターン硬化膜を有する。ここで、電子部品としては、半導体装置や多層配線板、各種電子デバイス等を含む。
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸15.48g(60 mmol)、N−メチルピロリドン90gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した。その後、塩化チオニル23.9g(120 mmol)を滴下し、30分間反応させて、4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸クロリドの溶液を得た。
なお、以下の合成例において得られたポリマーについても同様な測定を行い、重量平均分子量を求めている。
合成例1でジフェニルエーテルジカルボン酸を用いず、セバシン酸に置き換えた。それ以外は合成例1と同様の条件にて合成を行った。得られたポリヒドロキシアミド(以下、ポリマーIIとする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は28,700、分散度は2.2であった。
合成例1でジフェニルエーテルジカルボン酸を用いず、ドデカン酸に置き換えた。それ以外は合成例1と同様の条件にて合成を行った。得られたポリヒドロキシアミド(以下、ポリマーIIIとする)の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は27,200、分散度は1.9であった。
攪拌機及び温度計を備えた0.2リットルのフラスコ中に、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)10g(32 mmol)とイソプロピルアルコール3.87g(65 mmol)とをN−メチルピロリドン45gに溶解し、1,8−ジアザビシクロウンデセンを触媒量添加し、その後、60℃にて2時間加熱を行い、つづいて室温下(25℃)で15時間攪拌し、エステル化を行った。その後、氷冷下で塩化チオニルを7.61g(64 mmol)加え、室温に戻し2時間反応を行い、酸クロリドの溶液を得た。この溶液を酸クロ溶液Iと呼ぶ。
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン60gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン11.71g(32 mmol)と無水フタル酸0.59g(4 mmol)を添加し、攪拌溶解した。ここに、室温下(25℃)で、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物8.68g(28 mmol)を30分間で加え、12時間攪拌を続けた。
測定装置;検出器 株式会社日立製作所社製L4000 UV
ポンプ:株式会社日立製作所社製L6000
株式会社島津製作所社製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラム Gelpack GL−S300MDT−5 x2本
溶離液:THF/DMF=1/1 (容積比)
LiBr(0.03mol/L)、H3PO4(0.06mol/L)
流速:1.0mL/min、検出器:UV270nm
ポリマー0.5mgに対して溶媒[THF/DMF=1/1(容積比)]1mLの溶液を用いて測定した。
前記(a)成分である各ポリマー100重量部に対し、それぞれ(b)、(c)、(d)成分を溶剤とともに(表1)に示した所定量にて配合し、各例の感光性樹脂組成物の溶液を得た。
まず、前記溶液をシリコンウエハ上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚15μmの塗膜を形成した。
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜層
5 感光樹脂層
6A、6B、6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜層
Claims (7)
- (a)アルカリ性水溶液に可溶なポリマーと、
(b)光の照射を受けて酸を発生する化合物と、
(c)ウレア結合を有する化合物と、
(d)アルカリ水溶液に対する(a)成分の溶解を阻害する化合物と、
を含有してなり、
前記(c)成分が、(a)成分100重量部に対して25〜80重量部用いられており、
さらに、前記(d)成分が、(a)成分100重量部に対して3重量部以上用いられていることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。 - 前記(a)成分がポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、及びそれらの前駆体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 前記(b)成分が、ジアゾナフトキノンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥して感光性樹脂膜を形成する感光性樹脂膜形成工程と、前記感光性樹脂膜を所定のパターンに露光する露光工程と、前記露光後の感光性樹脂膜をアルカリ水溶液を用いて現像してパターン樹脂膜を得る現像工程と、前記パターン樹脂膜を加熱処理してパターン硬化膜を得る加熱処理工程とを含むことを特徴とするパターン硬化膜の製造方法。
- 請求項6に記載のパターン硬化膜の製造方法により得られるパターン硬化膜を、層間絶縁膜層及び/又は表面保護膜層として有することを特徴とする電子部品。
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