[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP5646606B2 - 抗がん剤の製造方法 - Google Patents

抗がん剤の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5646606B2
JP5646606B2 JP2012510671A JP2012510671A JP5646606B2 JP 5646606 B2 JP5646606 B2 JP 5646606B2 JP 2012510671 A JP2012510671 A JP 2012510671A JP 2012510671 A JP2012510671 A JP 2012510671A JP 5646606 B2 JP5646606 B2 JP 5646606B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
phosphine
compound represented
group
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012510671A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011129365A1 (ja
Inventor
宣彦 大原
宣彦 大原
一博 中對
一博 中對
大輔 間山
大輔 間山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemical Industrial Co Ltd filed Critical Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority to JP2012510671A priority Critical patent/JP5646606B2/ja
Publication of JPWO2011129365A1 publication Critical patent/JPWO2011129365A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5646606B2 publication Critical patent/JP5646606B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B53/00Asymmetric syntheses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/04Antineoplastic agents specific for metastasis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B57/00Separation of optically-active compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/547Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom
    • C07F9/645Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom having two nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07F9/6509Six-membered rings
    • C07F9/650952Six-membered rings having the nitrogen atoms in the positions 1 and 4

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、ホスフィン遷移金属錯体を含有する抗がん剤に関する。
本出願人は先に、以下の式(1’)で表されるホスフィン遷移金属錯体を含有する抗がん剤を提案した(特許文献1参照)。式中、R1、R2、R3、R4はアルキル基等である。またMは、金、銅又は銀である。この抗がん剤は、従来用いられてきた抗がん剤であるシスプラチン等の白金製剤やタキソール(登録商標)に比較して、高い抗がん活性を有するものである。
前記のホスフィン遷移金属錯体は、不斉なリン原子を4個有するので、数多くの異性体が存在する。特許文献1には、これらの異性体の種類は特に制限されないと記載されており、リン原子上の立体が、例えば(S,S)(S,S)や、(R,R)(R,R)のように、単一のエナンチオマーから構成されていてもよく、また(R,R)(S,S)のように、配位子のラセミ体から構成されていてもよく、更に(R,S)(S,R)のように、お互いにメソ体から構成されていてもよく、(R,R)(S,R)のように、1つのエナンチオマーとそのメソ体から構成されていてもよいと記載されている。
特開2007−320909号公報
一般に、化合物の抗がん活性と抗がんスペクトルは、その化合物の化学構造に依存し、個人によっても、その効果に差があることが知られている。例えば、上述のタキソール(登録商標)は、高活性を有する抗がん剤として知られているところ、その有効率は30%程度である。そのため、化学構造が異なる種々の新規な抗がん剤の開発が望まれている。また、抗がん活性が高いだけでなく、毒性が低いことも抗がん剤に要求される特性である。
上述の現況に鑑み、本発明の課題は、本出願人が提案した前述の抗がん剤の改良にある。
本発明は、以下の工程IないしIVを有することを特徴とする以下の式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体を含有する抗がん剤の製造方法を提供するものである。
〔工程I〕
以下の式(4)で表される水素−ホスフィンボラン化合物と、
以下の式(5)で表される光学活性イソシアネート化合物とをカップリング反応に付して、
以下の式(6)で表されるホスフィンボラン化合物を得た後、
得られた式(6)で表されるホスフィンボラン化合物を光学分割により精製して、以下の式(6')で表される光学活性なホスフィンボラン化合物を得る。
〔工程II〕
工程Iで得られた式(6')で表されるホスフィンボラン化合物を分解反応に付して、
以下の式(4')で表される光学活性な水素−ホスフィンボラン化合物を得る。
〔工程III〕
工程IIで得られた式(4')で表される光学活性な水素−ホスフィンボラン化合物と、以下の式(7)で表される2,3−ジハロゲノピラジンとを反応させて、
以下の式(8)で表される光学活性なビス(ホスフィン−ボラン)ピラジン化合物を得た後、
前記の式(8)で表されるビス(ホスフィン−ボラン)ピラジン化合物の脱ボラン化反応を行って、以下の式(3)で表される(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体を得る。
〔工程IV〕
工程IIIで得られた式(3)で表される(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体と、金、銅又は銀の塩とを反応させて前記の式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体を得る。


本発明によれば、高い抗がん活性を有しつつ、毒性の低い抗がん剤が提供される。
本発明の抗がん剤は、前記の式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体を含有している。このホスフィン遷移金属錯体は、中心金属イオンMに対して、2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体からなる配位子が2個配位した構造を有している。2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体においては、R1とR2が異なる基であることによって、2つのリン原子がキラル中心となる。その結果、この2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体は、立体配置の異なる(R,R)体、(S,S)体及び(R,S)体の3種類の異性体が存在する。これら3種の異性体のうち、式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体に含まれている配位子は、(S,S)体の2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体である。これに対して、先に背景技術の項で述べた特許文献1に具体的に記載されているホスフィン遷移金属錯体に含まれている配位子は、(R,R)体の2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体である。本発明者らが鋭意検討した結果、配位子として(S,S)体の2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体を用いたホスフィン遷移金属錯体を含む抗がん剤は、特許文献1に記載の抗がん剤よりも高い抗がん活性を有し、かつ毒性が低くなることが見出された。
式(1)で表される化合物が、抗がん活性が高く、かつ毒性の低い理由については完全に明確になっていないが、抗がん剤の抗がん活性や抗がんスペクトルは、その抗がん剤の化学構造に大きく依存するためではないかと本発明者らは考えている。例えば、以下の(1a’)で表される化合物は、特許文献1に記載の化合物(1’)で表される化合物に包含されるものの、この化合物(1a’)は毒性が相対的に高いことが、本発明者らの検討の結果判明している(後述する比較例1参照)。
前記の式(1)において、R1及びR2は、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有するシクロアルキル基、アダマンチル基、フェニル基又は置換基を有するフェニル基を表す。R1及びR2は、炭素数が1〜10である。また、R1及びR2は互いに異なる基である。更に、R1及びR2は、RS法に従う順位付けにおいて、R1はR2よりも優先順位が高い基である。
1及びR2に係るアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソヘプチル基、n−ヘプチル基、イソヘキシル基、n−ヘキシル基が挙げられる。R1及びR2に係るシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。R1及びR2が置換基を有するシクロアルキル基又は置換基を有するフェニル基である場合、該置換基としては、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。特に、R1がtert−ブチル基又はアダマンチル基であり、R2がメチル基であることが、抗がん活性が高くなる点で好ましい。
3及びR4は、水素原子又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。R3及びR4のアルキル基は炭素数が1〜6である。R3及びR4は、同一の基であっても異なる基であってもよい。またR3及びR4が互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成する場合、飽和又は不飽和の環は、置換基を有していてもよい。
3及びR4に係るアルキル基としては、例えばエチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソヘプチル基、n−ヘプチル基、イソヘキシル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
3及びR4は、互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成していてもよい。そのような場合、該環としては、飽和又は不飽和の五員環又は六員環が挙げられる。例えば、フェニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。該環は、一価の置換基を有してもよく、その置換基としては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状でありかつ炭素数が1〜5のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。
特にR3及びR4は、これらが互いに結合してベンゼン環を形成していることが、抗がん活性が高くなる点で好ましい。その場合、金属Mに配位している配位子は、キノキサリン誘導体となり、本発明のホスフィン遷移金属錯体は以下の式(2)で表される。このキノキサリン誘導体におけるベンゼン環は、4個の水素原子のうちの少なくとも1個が、置換基R5によって置換されていてもよい。具体的には、R5として、同一の又は異なるアルキル基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等を用いることができる。
Mは、金、銅及び銀の群から選ばれる遷移金属原子の一価のイオンを表す。特にMが金のイオンであることが、抗がん活性が高くなる点で好ましい。
-は、アニオンを表し、例えば、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、四フッ化ホウ素イオン、六フッ化リン酸イオン、過塩素酸イオン等が挙げられる。これらのうち、X-が、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンであることが、抗がん活性が高くなる点で好ましい。
次に、本発明の抗がん剤に含まれるホスフィン遷移金属錯体の好適な製造方法について説明する。このホスフィン遷移金属錯体は、以下の式(3)で表される(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体と、金、銅又は銀の塩とを反応させることで得られる。式(3)で表される(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体の製造方法については後述する。
式(3)で表される(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体の好ましい化合物の具体例としては、(S,S)−2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリン、(S,S)−2,3−ビス(アダマンチルメチルホスフィノ)キノキサリン、(S,S)−2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)ピラジン等が挙げられる。
式(3)で表される(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体と反応する金、銅又は銀の塩は、例えば、これらの金属のハロゲン化物、硝酸塩、過塩素酸塩、四フッ化ホウ素酸塩、六フッ化リン酸塩等である。また、これらの金属の価数は、一価である。また、これらの金属の塩は、金属又はアニオンのいずれか一方又は両方が異なる2種以上の塩であってもよい。
好ましい金の塩としては、例えば、塩化金(I)酸、塩化金(I)、あるいはテトラブチルアンモニウムクロリド・塩化金(I)等(「第5版 実験化学講座21」、編者 社団法人日本化学会、発行所 丸善、発行日 平成16年3月30日、p366〜380、Aust.J.Chemm.,1997,50,775-778頁参照)が挙げられる。好ましい銅の遷移金属塩としては、例えば、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)等(「第5版 実験化学講座21」、編者 社団法人日本化学会、発行所 丸善、発行日 平成16年3月30日、p349〜361)が挙げられる。また、好ましい銀の遷移金属塩としては、例えば、塩化銀(I)、臭化銀(I)、ヨウ化銀(I)等(「第5版 実験化学講座21」、編者 社団法人日本化学会、発行所 丸善、発行日 平成16年3月30日、p361〜366)が挙げられる。なお、本発明のホスフィン遷移金属錯体の製造方法に係る遷移金属塩は、無水物であっても含水物であってもよい。
金、銅又は銀の塩に対する、式(3)で表される(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体のモル比は、金属1モルに対して好ましくは1〜5倍モル、更に好ましくは1.8〜2.2倍モルとする。反応は、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム等の溶媒中で行うことができる。反応温度は好ましくは−20〜60℃、更に好ましくは0〜25℃であり、反応時間は好ましくは0.5〜48時間、更に好ましくは1〜3時間である。この反応によって、式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体が得られる。反応終了後は、必要に応じて常法の精製を行うことができる。
このようにして得られた式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体におけるアニオンを、他の所望のアニオンに変換してもよい。例えば、先ず、上述の製造方法に従い、式(1)中のX-が、ハロゲン化物イオンであるホスフィン遷移金属錯体を合成し、次いで、このホスフィン遷移金属錯体と、所望のアニオンを有する無機酸、有機酸又はそれらのアルカリ金属塩とを、適切な溶媒中で反応させることにより、X-が、所望のアニオンであるホスフィン遷移金属錯体を得ることができる。このような方法の詳細は、例えば特開平10−147590号公報、特開平10−114782号公報及び特開昭61−10594号公報等に記載されている。
このようにして得られたホスフィン遷移金属錯体は、抗がん剤として用いられる。本発明の抗がん剤が適用されるがんの種類は、特に限定されるものではなく、例えば、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器癌、肺癌、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、尿管腫瘍、胆嚢癌、胆管癌、胆道癌、乳癌、肝臓癌、膵臓癌、睾丸腫瘍、上顎癌、舌癌、口唇癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、甲状腺癌、脳腫瘍、カポジ肉腫、血管腫、白血病、真性多血症、神経芽腫、網膜芽腫、骨髄腫、膀胱腫、肉腫、骨肉腫、筋肉腫、皮膚癌、基底細胞癌、皮膚付属器癌、皮膚転移癌、皮膚黒色腫等が挙げられる。更に、悪性腫瘍ばかりでなく良性腫瘍にも適用され得る。また、本発明の抗がん剤は、がん転移を抑制するために使用されることができ、特に、術後のがん転移抑制剤としても有用である。
本発明の抗がん剤は、溶解性を向上させるため、シクロデキストリン化合物と併用して用いることができる。前記シクロデキストリン化合物としては、例えばα―シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ―シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、ジメチル−β−シクロデキストリン、トリメチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β―シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、カルボキシメチル−β−シクロデキストリン、モノアセチル−β―シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、パーシャリーメチル−β−シクロデキストリン、α−シクロデキストリンスルフェート、β−シクロデキストリンスルフェート等が挙がられる。
本発明の抗がん剤の使用においては、種々の形態でヒト又は動物に、本発明の抗がん剤を投与することができる。投与形態としては、経口投与でもよいし、静脈内、筋肉内、皮下又は皮内等への注射、直腸内投与、経粘膜投与等の非経口投与でもよい。経口投与に適する製剤形態としては、例えば錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤などを挙げることができる。非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、点滴剤、点鼻剤、噴霧剤、吸入剤、坐剤、あるいは、軟膏、クリーム、粉状塗布剤、液状塗布剤、貼付剤等の経皮吸収剤等が挙げられる。更に、本発明の抗がん剤の製剤形態として、埋め込み用ペレットや公知の技術を用いた持続性製剤が挙げられる。
上述したうち、好ましい投与形態や製剤形態等は、患者の年齢、性別、体質、症状、処置時期等に応じて、医師によって適宜選択される。
本発明の抗がん剤が、錠剤、丸剤、散剤、粉剤、顆粒剤等の固形製剤の場合、これらの固形製剤は、式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体を、常法に従って適当な添加剤、例えば乳糖、ショ糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、合成若しくは天然ガム、結晶セルロース等の賦形剤、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプン、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム等の滑沢剤、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム等の充填剤又は希釈剤等と適宜混合して製造される。錠剤等は、必要に応じて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチレングリコール、酸化チタン等のコーティング剤を用いて、糖衣、ゼラチン、腸溶被覆、フイルムコーティング等が施されても良い。
本発明の抗がん剤が、注射剤、点眼剤、点鼻剤、吸入剤、噴霧剤、ローション剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤、乳剤等の液状製剤である場合、これらの液状製剤は、式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体を、精製水、リン酸緩衝液等の適当な緩衝液、生理的食塩水、リンゲル溶液、ロック溶液等の生理的塩類溶液、カカオバター、ゴマ油、オリーブ油等の植物油、鉱油、高級アルコール、高級脂肪酸、エタノール等の有機溶媒等に溶解して、必要に応じてコレステロール等の乳化剤、アラビアゴム等の懸濁剤、分散助剤、浸潤剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系、ポリエチレングリコール系等の界面活性剤、リン酸ナトリウム等の溶解補助剤、糖、糖アルコール、アルブミン等の安定化剤、パラベン等の保存剤、塩化ナトリウム、ブドウ糖、グリセリン等の等張化剤、緩衝剤、無痛化剤、吸着防止剤、保湿剤、酸化防止剤、着色剤、甘味料、フレーバー、芳香物質等を適宜添加することにより、滅菌された水溶液、非水溶液、懸濁液、リポソーム又はエマルジョン等として調製される。この際、注射剤は、生理学的なpHを有することが好ましく、6〜8の範囲内のpHを有することが特に好ましい。
本発明の抗がん剤が、ローション剤、クリーム剤、軟膏等の半固形製剤の場合、これらの半固形製剤は、前記式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体を脂肪、脂肪油、ラノリン、ワセリン、パラフィン、蝋、硬膏剤、樹脂、プラスチック、グリコール類、高級アルコール、グリセリン、水、乳化剤、懸濁化剤等と適宜混和することにより製造される。
本発明の抗がん剤中の式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体の含有量は、投与形態、重篤度や目的とする投与量などによって様々であるが、一般的には、抗がん剤の全質量に対する式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体の割合が、好ましくは0.001〜80質量%、更に好ましくは0.1〜50質量%である。
本発明の抗がん剤の投与量は、例えば患者の年齢、性別、体重、症状及び投与経路などの条件に応じて適宜医師により決定されるものであるが、一般的には、成人一日あたりの有効成分の量として1μg/kgから1,000mg/kg程度の範囲であり、好ましくは10μg/kgから10mg/kg程度の範囲である。この投与量の範囲内において、抗がん剤を一日一回で投与することができ、あるいは数回(例えば、2〜4回程度)に分けて投与することができる。
本発明の抗がん剤の使用においては、既知の化学療法、外科的治療法、放射線療法、温熱療法や免疫療法などと組み合わせることもできる。
最後に、先に述べた式(3)で表される(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体の好適な製造方法について説明する。式(3)で表される化合物は、以下の工程I、II及びIIIを経ることによって好適に製造される。
〔工程I〕
以下の式(4)で表される水素−ホスフィンボラン化合物と、
以下の式(5)で表される光学活性イソシアネート化合物とをカップリング反応に付して、
以下の式(6)で表されるホスフィンボラン化合物を得た後、
得られた式(6)で表されるホスフィンボラン化合物を光学分割により精製して、以下の式(6’)で表される光学活性なホスフィンボラン化合物を得る。
〔工程II〕
工程Iで得られた式(6’)で表されるホスフィンボラン化合物を分解反応に付して、
以下の式(4’)で表される光学活性な水素−ホスフィンボラン化合物を得る。
〔工程III〕
工程IIで得られた式(4’)で表される光学活性な水素−ホスフィンボラン化合物と、以下の式(7)で表される2,3−ジハロゲノピラジンとを反応させて、
以下の式(8)で表される光学活性なビス(ホスフィン−ボラン)ピラジン化合物を得た後、
前記の式(8)で表されるビス(ホスフィン−ボラン)ピラジン化合物の脱ボラン化反応を行って、前記の式(3)で表される(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体を得る。
以上の工程I〜工程IIIについて、以下にそれらの詳細を説明する。
(1)工程Iについて
工程Iにおいては、反応容器中で、式(4)で表される水素−ホスフィンボラン化合物と式(5)で表される光学活性イソシアネート化合物を混合し、カップリング反応を進行させる。その際、反応系に塩基を加えて反応を促進させることが好ましい。このカップリング反応により、式(6)で表されるホスフィンボラン化合物が生成する。式(4)で表される水素−ホスフィンボラン化合物としては、S体とR体との混合物(例えばラセミ体)を用いることができる。式(4)で表される水素−ホスフィンボラン化合物としてS体とR体との混合物を用いると、カップリング反応により生成する式(6)で表されるホスフィンボラン化合物は、Sp体とRp体との混合物となる(Sp体は不斉リン原子の立体配置がSである化合物を意味し、Rp体は不斉リン原子の立体配置がRである化合物を意味する)。
カップリング反応時には、適宜溶媒が使用される。この溶媒としては、反応基質を分解しない溶媒が使用され、具体例としては、トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトン、酢酸エチル、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、水等が挙げられる。好ましくはトルエン又はTHFである。
反応時の溶媒の添加量は、反応時における反応混合物の流動性及び溶媒の反応に与える効果を考慮して、適宜に設定することができる。
反応時の原料の仕込み量は、式(5)で表される光学活性イソシアネート化合物を基準として、式(4)で表される水素−ホスフィンボラン化合物が好ましくは0.4〜1.5当量である。
反応時に塩基を加えると反応が促進する。塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)等の有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、イソプロピルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド等の有機金属が挙げられる。好ましい塩基はn−ブチルリチウムである。
塩基の仕込量は、必要とされる反応の促進の度合いに応じて適宜に設定することができる。例えば式(5)で表される光学活性イソシアネート化合物に対し、塩基を通常0.1mol%〜150mol%用い、好ましくは1mol%〜10mol%用いる。原料及び塩基を仕込む順序は本製造方法において特に臨界的ではなく、作業性等に応じて任意に決定できる。
反応温度は、通常−80〜50℃であり、特に0〜30℃とすることが、反応が促進されかつ副反応及びラセミ化が抑制される点から好ましい。反応時間は、通常1分〜24時間であり、特に30分〜4時間であれば反応が完結するのに十分であるので好ましい。
カップリング反応に用いられる式(4)で表される水素−ホスフィンボラン化合物としては、市販品を使用することができる。そのような市販品は例えば日本化学工業(株)から入手可能である。式(5)で表される光学活性イソシアネート化合物も、市販品を使用することができ、例えば東京化成工業(株)から入手可能である。
式(5)で表される光学活性イソシアネート化合物において、R6は、不斉炭化水素基又は置換不斉炭化水素基を示す。不斉炭化水素基としては、例えば(S)−1−フェニルエチル基、(R)−1−フェニルエチル基、(S)−1−(p−トルイル)エチル基、(R)−1−(p−トルイル)エチル基、(S)−1−(1−ナフチル)エチル基、(R)−1−(1−ナフチル)エチル基、(S)−1−シクロヘキシルエチル基、(R)−1−シクロヘキシルエチル基、(S)−2−(4−メチルフェニル)−1−フェニルエチル基、(R)−2−(4−メチルフェニル)−1−フェニルエチル基等が挙げられる。これらの中でも、工業的に安価に利用できる(S)−1−フェニルエチル基、(R)−1−フェニルエチル基が好ましい。
6で表される置換不斉炭化水素基としては、前記の不斉炭化水素基の少なくとも1個の水素原子が炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、保護基を有するアミノ基等の置換基で置換された炭化水素基、又は上記不斉炭化水素基の少なくとも1個の炭素原子が酸素、窒素、硫黄、リン等のヘテロ原子で置換した基等が挙げられる。
カップリング反応後に、副生塩を除去し、光学分割によって式(6)で表されるホスフィンボラン化合物の対掌体(Sp体とRp体)のうち、Rp体、すなわち式(6’)で表されるホスフィンボラン化合物を単離する。式(6’)で表されるホスフィンボラン化合物は、リン原子上又はリン原子を不斉面の一点とする不斉部分、及び光学活性カルバモイル基を有することを特徴とする、不斉点を2点有するジアステレオマーである。光学分割には、分液洗浄、晶析、蒸留、昇華、カラムクロマトグラフィー等を用いることができる。工業的な観点から好ましい光学分割の方法は晶析である。
式(6)で表されるホスフィンボラン化合物の対掌体から、式(6’)で表されるホスフィンボラン化合物を首尾よく単離するためには、R6で表される基を適切に選択すればよい。例えば式(6’)においてR1がtert−ブチル基であり、R2がメチル基である場合には、R6で表される基として(S)−不斉炭化水素基又は(S)−置換不斉炭化水素基を用いると、晶析によって式(6’)で表されるホスフィンボラン化合物(つまりSp体)が優先的に沈殿する一方で、Rp体は溶液中にとどまったままとなるので、両者を首尾よく分離することができる。
(2)工程IIについて
工程Iで得られた式(6’)で表されるホスフィンボラン化合物と塩基とを反応容器中で混合し、該ホスフィンボラン化合物を分解する。分解反応促進のためにアルコールを添加することが好ましい。反応後、副生物を除去し、式(4’)で表される光学活性な水素−ホスフィンボラン化合物を得る。
反応時には適宜溶媒が使用される。この溶媒としては、反応基質を分解しない溶媒が使用され、具体例としては、トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトン、酢酸エチル、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、水等が挙げられる。特にDMF又はアセトニトリルを用いることが好ましい。
反応時の溶媒の添加量は、反応時における反応混合物の流動性及び溶媒の反応に与える効果を考慮して、適宜に設定することができる。
前記の塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)等の有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。均一系又は液−液の二相系で反応させるために、塩基は溶液として供給されることが好ましい。例えば塩基として水酸カリウムを用いる場合には、例えば1〜70質量%の水溶液又はメタノール溶液とすることが好ましい。
塩基の仕込量は、必要とされる反応の促進の度合いに応じて適宜に設定することができる。例えば式(6’)で表されるホスフィンボラン化合物に対し、塩基を通常0.01当量〜10当量添加することができ、特に0.1当量〜5当量添加することが好ましい。式(6’)で表されるホスフィンボラン化合物及び塩基を仕込む順序は本製造方法において特に臨界的ではなく、作業性等に応じて任意に決定できる。
反応を促進する目的で、上述のとおりアルコールを加えることが好ましい。このアルコールとしては、例えばメタノールやエタノールを用いることができ、特にメタノールを用いることが好ましい。
反応温度は、通常−80〜50℃であり、特に0〜30℃とすることが、反応が促進されかつ副反応及びラセミ化が抑制される点から好ましい。反応時間は、通常1分〜24時間であり、特に3時間〜20時間であれば反応が完結するのに十分であるので好ましい。
反応後、得られた生成物は、副生塩の除去のみといった簡単な精製作業の後に工程IIIに供することができる。あるいは、分液洗浄、晶析、蒸留、昇華、カラムクロマトグラフィーといった精製作業によって、式(4’)で表される光学活性な水素−ホスフィンボラン化合物のみを単離した後に、これを工程IIIに供することもできる。
(3)工程IIIについて
本工程において用いられる式(7)で表される化合物において、Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
式(7)で表される2,3−ジハロゲノピラジン誘導体としては、例えば市販品を使用することができる。そのような市販品としては、例えば東京化成工業(株)から入手可能な化合物である2,3−ジクロロキノキサリンが挙げられる。
工程IIIにおいて、工程IIで得られた式(4’)で表される光学活性な水素−ホスフィンボラン化合物と、式(7)で表される2,3−ジハロゲノピラジン誘導体との反応は、例えば塩基の存在下、不活性溶媒中、−78〜30℃で、1〜24時間行われる。この反応により、式(8)で表されるビス(ホスフィン−ボラン)ピラジン化合物が得られる。
反応時の原料の仕込み量は、式(7)で表される2,3−ジハロゲノピラジン誘導体を基準として、式(4’)で表される光学活性な水素−ホスフィンボラン化合物が好ましくは2〜10当量であり、更に好ましくは2〜3当量である。
本工程において用いられる前記の不活性溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、ヘキサン、トルエン等が挙げられる。特にテトラヒドロフランを用いることが好ましい。反応時の不活性溶媒の添加量は、反応時における反応混合物の流動性及び溶媒の反応に与える効果を考慮して、適宜に設定することができる。
本工程において用いられる前記の塩基としては、例えばn−ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、t−ブトキシカリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリム等が挙げられる。特にn−ブチルリチウムを用いることが好ましい。塩基の仕込量は、必要とされる反応の促進の度合いに応じて適宜に設定することができる。例えば式(7)で表される2,3−ジハロゲノピラジン誘導体に対し、塩基を通常2〜10当量添加することができ、2〜3当量添加することが好ましい。本工程において各化合物を仕込む順序は臨界的でなく、作業性等に応じて任意に決定できる。
式(8)で表されるビス(ホスフィン−ボラン)ピラジン化合物の脱ボラン化反応は、例えば、前記反応によって得られた該ビス(ホスフィン−ボラン)ピラジン化合物を含有する反応系に、脱ボラン化剤を添加し、0〜100℃で、10分〜3時間行われる。この脱ボラン化反応によって、目的物である式(3)で表される光学活性な(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体が得られる。
前記の脱ボラン化剤としては、例えばN,N,N’,N’,−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、トリエチレンジアミン(DABCO)、トリエチルアミン等が挙げられる。特にTMEDAを用いることが好ましい。脱ボラン化剤の仕込量は、式(8)で表されるビス(ホスフィン−ボラン)ピラジン化合物を得る際に用いた前記式(7)で表される2,3−ジハロゲノピラジン誘導体に対し、通常2〜20当量であり、好ましくは2〜10当量である。
脱ボラン化反応により生成した式(3)で表される光学活性な(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体は、必要に応じて分液洗浄、晶析、蒸留、昇華、カラムクロマトグラフィーといった精製作業に付してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、かかる実施例はあくまで例示であって、本発明の適用範囲はこれに限定されない。
すべての合成操作は、よく乾燥させたガラス容器を使って行った。反応は窒素雰囲気下で行った。原料試薬及び溶媒は、一般の試薬を使用した。ラセミのtert−ブチルメチルホスフィンボランは、日本化学工業(株)製のものを使用した。
NMRスペクトル測定は、JEOL製(1H;300MHz、13C;75.4MHz、31P;121.4MHz)NMR装置で行った。内部標準としてテトラメチルシラン(1H)を使用した。比旋光度測定は、堀場製作所製比旋光度計SEPA−300で行った。
〔実施例1〕
<工程I> (S P )−tert−ブチル(メチル)[N−((S)−1−フェニルエチル)カルバモイル]ホスフィン−ボランの製造
3L四つ口フラスコに、機械撹拌シール、温度計、等圧滴下ろうと及び排気部を備えた。そこへ、ラセミ−tert−ブチルメチルホスフィンボラン141.8g(1202mmol)及びTHF600ccを入れ、ラセミ−tert−ブチルメチルホスフィンボランを溶解させ、10℃以下に保持しながら1.59mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液75cc(119mmol)を滴下した。続いて、同温度にて(S)−(−)−α−メチルベンジルイソシアネート176.8g(1201mmol)を滴下した。その後室温に戻し、一晩撹拌熟成した。5重量%塩酸90g加えて反応を停止した後、ヘキサン240cc及び水240ccを加えて2層に分画した。水層を除去し、有機層を2.5重量%重曹水240g、続いて水240ccで洗い、濃縮して、粗生物(白色フレーク状固体)として、一般式(3)で表されるホスフィンボラン化合物を得た(348.3g)。粗生物を酢酸エチル240cc+ヘキサン1800ccで晶析し、ろ過、乾燥して無色粉末を得た。NMR分析により、得られた無色粉末は表題化合物と同定された。NMR分析結果を以下に示す。また、得られた無色粉末は、収量118.6g(447mmol)、収率37%(イソシアネートから)、ジアステレオマー過剰率>97%deであった。ジアステレオマー過剰率は、1H−NMRのSP及びRPの特定部プロトンの面積比から決定した。
(NMR分析結果)
1H−NMR(CDCl3);
(SP)−体(目的物);−0.5−1(3H,m),1.14(9H,d,14.7Hz),1.45(3H,d,10.5Hz),1.53(3H,d,6.9Hz),5.15(1H,pent,6.9Hz),7.2−7.4(6H,m).
(RP)−体;−0.5−1(3H,m),1.25(9H,d,14.7Hz),1.42(3H,d,10.5Hz),1.53(3H,d,6.9Hz),5.15(1H,pent,6.9Hz),7.2−7.4(6H,m).
<工程II> 光学活性水素−ホスフィンボラン化合物〔(R)−tert−ブチルメチルホスフィン−ボラン〕の製造
200cc四つ口フラスコに、機械撹拌シール、温度計及び排気部を備え、そこへ、工程Iで得られた(SP)−tert−ブチル(メチル)[N−((S)−1−フェニルエチル)カルバモイル]ホスフィン−ボラン10.03g(37.8mmol)及びDMF100ccを入れ、ホスフィン−ボランを溶解させた後、氷水浴にて10℃以下とした。ここに50重量%水酸化カリウム水溶液21.26g(189mmol)とメタノール25ccを添加した。次に、氷水浴をはずして18時間撹拌熟成した。次いで、500cc三角フラスコに冷水100ccと石油エーテル100ccを入れ、ここに反応液を分散させることで反応を停止した。水層と有機層とを分離し、水層を石油エーテル100ccで再抽出し、先に分離した有機層と合わせた後、水50ccで2回洗い、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC200)にて精製し、無色粉末を得た。NMR分析により、得られた無色粉末は表題化合物と同定された。NMR分析結果を以下に示す。また、得られた無色粉末は、収量3.01g(25.5mmol)、収率67%であった。
(NMR分析結果)
1H−NMR(CDCl3);
−0.5−1(3H,m),1.22(9H,d,14.7Hz),1.32(3H,dd,10.5Hz,6.0Hz),4.4(1H,dm,355Hz).
<工程III> (S,S)−2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリンの製造
工程IIで得られた(R)−tert−ブチルメチルホスフィン−ボラン3.01g(25.5mmol)をフラスコ中で脱水THF25ccに溶解し、−78℃に冷却した。ここに1.65mol/Lのn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液15.5cc(25.6mmol)を滴下して加え、同温度で15分撹拌熟成した。続いて2,3−ジクロロキノキサリン1,703mg(8.56mmol)をよく撹拌しながら一度に加えた。添加後、1時間かけて室温に戻し、3時間撹拌した。続いてテトラメチルエチレンジアミン10.07g(87mmol)を添加し、室温(25℃)で2時間撹拌熟成した。1M塩酸を加えて反応停止し、ヘキサンを加えて有機成分を抽出した。有機層を1M塩酸、続いて飽和食塩水で分液洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1)で精製し、表題化合物を橙色粉末として得た。更に熱メタノールから再結晶精製して橙色立方晶の結晶を得た。収量は2,149mg(6.427mmol)、収率は75%であった。得られた表題化合物の分析結果を以下に示す。
(分析結果)
1H−NMR(CDCl3);
1.02(18H,t,6.0Hz),1.4(6H,t,3.2Hz),7.68−7.75(2H,m),8.07−8.14(2H,m).
13C−NMR(CDCl3);
4.8(d),27.6(t),31.9(t),129.6(d),141.6,165.1(d),165.2(d).
31P−NMR(CDCl3);
−16.6.
比旋光度;+53.5°([α]D 22(c=1,CHCl3);なお、(R,R)体は比旋光度−54.3°であることが既知である)
融点;102−103℃
<工程IV> (R,R,R,R)−ビス(2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリン)金(I)クロリドの合成
窒素ガスで置換した500ml二口フラスコに、前記の方法で得られた(S,S)−2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリン5.50g(16.4mmol)を一般品THF220mlに溶かした。ここにテトラブチルアンモニウム金ジクロリド4.19g(8.2mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。生成した褐色沈殿をろ別し、次いでジクロロメタン42mlに溶かして水50mlで洗浄し、更に硫酸ナトリウムで乾燥した。これをろ過したのち溶液を乾固させた。この固体をジクロロメタン50mlに溶解し、ジエチルエーテル270mlを加え、0℃にしたところ固体が析出し、(R,R,R,R)−ビス(2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリン)金(I)クロリド7.26g(収率98%)を得た。
(分析結果)
31P−NMR(CDCl3);13.6
・HPLC(カラム スミキラル OA−8000 4.6×250mm、移動層 ヘキサン:エタノール:メタノール:トリフルオロ酢酸=930:40:30:1、流速1.0ml/min、温度35℃、UV 254nm、溶離時間;49.5分
〔比較例1〕
(1)<(R,R)−2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリンの合成>
本出願人の先の出願に係る特開2007−56007号公報における実施例1の記載に従い、(R,R)−2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリンを得た。
(2)<(S,S,S,S)−ビス(2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリン)金(I)クロリドの合成>
(R,R)−2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリンを用いる以外は、実施例1の工程IVと同様にして、(S,S,S,S)−ビス(2,3−ビス(tert−ブチルメチルホスフィノ)キノキサリン)金(I)クロリドを得た。この化合物は、式(1a’)で表される化合物に包含されるものである。
31P−NMR(CDCl3);13.6
・[α]D=+195.3(c=0.5、メタノール、25℃)
〔評価〕
実施例及び比較例で得られたホスフィン遷移金属錯体について、in vitro抗腫瘍活性試験及びマウスに経口投与したときの毒性試験を以下の方法で行った。それらの結果を以下の表1に示す。
〔in vitro抗腫瘍活性試験〕
また、実施例及び比較例で得られたホスフィン遷移金属錯体について、in vitroの抗腫瘍活性試験を行った。具体的には、癌細胞としてBGC−823(ヒト胃腺癌)を使用し、10%非働化新生仔ウシ血清、L−グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、1×105U/Lペニシリン、100mg/Lストレプトマイシンを補足した培地(RPMI−1640又はDEME)中でインキュベータ中、37℃で培養した。細胞は1ウェルあたり2×105となるように加えた。次にジメチルスルホキシドに溶解したホスフィン遷移金属錯体溶液を加え48時間培養した。48時間培養した後、1ウェルあたり5mg/mlの(3,[4,5−dimethylthiazol−2−yl]−2,5−diphenyltetrazolium bromide、MTT)溶液を20μl加え、3〜4時間培養器で培養した。更に1ウェルあたり溶解液を100μl加え生成したホルマザン結晶を完全に可溶化させた。そして、492nmにおける吸光度を測定してIC50を算出した。
〔毒性試験〕
実施例及び比較例で得られたホスフィン遷移金属錯体を、マウスに静脈注射したときの毒性試験を行った。具体的には、KMマウスの雄雌を約1週間検疫・馴化飼育した後、選ばれたラット雄雌各10匹計20匹を一群とした。投与前一晩絶食させた体重を記録したラットに、溶媒としてコーンオイルを用い、実施例及び比較例で得られたホスフィン遷移金属錯体を、LD50を決定するために十分な死亡例が出る群が含まれるように設定して単回静脈注射した。投与後、10、30分、1、2、4時間及び以後毎日、14日目まで観察しラットの生存率から50%致死量(LD50)を求めた。
表1に示す結果から、本発明のホスフィン遷移金属錯体を含む抗がん剤は、従来よりも抗がん活性が高く、かつ毒性の低いものであることが判る。

Claims (1)

  1. 以下の工程IないしIVを有することを特徴とする以下の式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体を含有する抗がん剤の製造方法。
    〔工程I〕
    以下の式(4)で表される水素−ホスフィンボラン化合物と、
    以下の式(5)で表される光学活性イソシアネート化合物とをカップリング反応に付して、
    以下の式(6)で表されるホスフィンボラン化合物を得た後、
    得られた式(6)で表されるホスフィンボラン化合物を光学分割により精製して、以下の式(6')で表される光学活性なホスフィンボラン化合物を得る。
    〔工程II〕
    工程Iで得られた式(6')で表されるホスフィンボラン化合物を分解反応に付して、
    以下の式(4')で表される光学活性な水素−ホスフィンボラン化合物を得る。
    〔工程III〕
    工程IIで得られた式(4')で表される光学活性な水素−ホスフィンボラン化合物と、以下の式(7)で表される2,3−ジハロゲノピラジンとを反応させて、
    以下の式(8)で表される光学活性なビス(ホスフィン−ボラン)ピラジン化合物を得た後、
    前記の式(8)で表されるビス(ホスフィン−ボラン)ピラジン化合物の脱ボラン化反応を行って、以下の式(3)で表される(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体を得る。
    〔工程IV〕
    工程IIIで得られた式(3)で表される(S,S)−2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体と、金、銅又は銀の塩とを反応させて前記の式(1)で表されるホスフィン遷移金属錯体を得る。
JP2012510671A 2010-04-14 2011-04-13 抗がん剤の製造方法 Expired - Fee Related JP5646606B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012510671A JP5646606B2 (ja) 2010-04-14 2011-04-13 抗がん剤の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010093287 2010-04-14
JP2010093287 2010-04-14
JP2012510671A JP5646606B2 (ja) 2010-04-14 2011-04-13 抗がん剤の製造方法
PCT/JP2011/059179 WO2011129365A1 (ja) 2010-04-14 2011-04-13 抗がん剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011129365A1 JPWO2011129365A1 (ja) 2013-07-18
JP5646606B2 true JP5646606B2 (ja) 2014-12-24

Family

ID=44798736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012510671A Expired - Fee Related JP5646606B2 (ja) 2010-04-14 2011-04-13 抗がん剤の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5646606B2 (ja)
WO (1) WO2011129365A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019012918A1 (ja) 2017-07-11 2019-01-17 日本化学工業株式会社 光学活性な2,3-ビスホスフィノピラジン誘導体の製造方法及び光学活性なホスフィン遷移金属錯体の製造方法
JP6641328B2 (ja) 2017-08-08 2020-02-05 日本化学工業株式会社 2,3−ビスホスフィノピラジン誘導体の製造方法及びホスフィン遷移金属錯体の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003300988A (ja) * 2002-04-08 2003-10-21 Nippon Chem Ind Co Ltd 光学活性第2級ホスフィンボラン誘導体及びその中間体の製造方法
JP2007056007A (ja) * 2005-07-25 2007-03-08 Chiba Univ 2,3−ビス(ジアルキルホスフィノ)ピラジン誘導体及びその製造方法、並びに該誘導体を配位子とする金属錯体
JP2007320909A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Nippon Chem Ind Co Ltd ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法及び抗癌剤
JP2010138136A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Nippon Chem Ind Co Ltd 新規ホスフィンボラン化合物及びその製造方法並びに水素−ホスフィンボラン化合物の製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4464516B2 (ja) * 2000-03-14 2010-05-19 日本化学工業株式会社 ホスフィン・ボラン誘導体の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003300988A (ja) * 2002-04-08 2003-10-21 Nippon Chem Ind Co Ltd 光学活性第2級ホスフィンボラン誘導体及びその中間体の製造方法
JP2007056007A (ja) * 2005-07-25 2007-03-08 Chiba Univ 2,3−ビス(ジアルキルホスフィノ)ピラジン誘導体及びその製造方法、並びに該誘導体を配位子とする金属錯体
JP2007320909A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Nippon Chem Ind Co Ltd ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法及び抗癌剤
JP2010138136A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Nippon Chem Ind Co Ltd 新規ホスフィンボラン化合物及びその製造方法並びに水素−ホスフィンボラン化合物の製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6014030636; Tetrahedron: Asymmetry Vol.21, 2010, 1522-1528 *

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011129365A1 (ja) 2011-10-20
JPWO2011129365A1 (ja) 2013-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4476244B2 (ja) ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法及び抗癌剤
JP5722234B2 (ja) 抗がん剤の製造方法
JP5646606B2 (ja) 抗がん剤の製造方法
WO2006112435A1 (ja) ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤
JP5090180B2 (ja) ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法およびそれを含有する抗癌剤
JP5722233B2 (ja) 抗がん剤の製造方法
US8198471B2 (en) 2, 2′-bis (dialkylphosphino) biphenyl compound, production method thereof, and metal complex comprising the compound as ligand
JP5889550B2 (ja) 抗がん剤組成物
JP6802232B2 (ja) ホスフィン遷移金属錯体、その製造方法及び抗がん剤
JP5161434B2 (ja) 抗癌剤
KR20130110017A (ko) 산쇼올류의 제조 방법
US7390915B1 (en) Phosphine transition metal complex having ferrocene skeleton, process for making the same, and anti-cancer agent
JPH07238068A (ja) プロスタグランジンe1類縁体
JP5572783B1 (ja) ケイ素含有カルボン酸誘導体
JPH0753746B2 (ja) シス−白金(▲ii▼)錯化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141028

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5646606

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees