JP5640687B2 - アクチュエーター、アクチュエーターの製造方法、光スキャナーおよび画像形成装置 - Google Patents
アクチュエーター、アクチュエーターの製造方法、光スキャナーおよび画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
例えば、特許文献1には、可動板と、支持枠(支持部)と、可動板を支持枠に対して捩り回動可能に支持する1対の弾性支持部(連結部)とを有し、各弾性支持部が2本の棒(梁部材)で構成された光偏向器が開示されている。
このような可動板、支持枠および1対の弾性支持部は、主面がシリコンの(100)面で構成されたシリコン基板を異方性エッチングすることにより一体形成される。
しかし、従来では、シリコン基板の表裏のマスクのアライメントのずれにより、弾性支持部の各棒の(111)面で構成されるべき1対の側面にそれぞれ段差が生じるとともに、一方の側面に形成された段差と、他方の側面に形成された段差とは、シリコン基板の厚さ方向での位置が一致してしまう。そのため、弾性支持部の各棒の一部に応力集中が生じやすく、破損を生じる場合があった。
本発明のアクチュエーターは、光反射性を有する光反射部を備える可動板と、
支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能に連結する1対の連結部とを有し、
前記各連結部は、1対の梁部材で構成され、
前記1対の梁部材間の距離は、前記可動板の回動中心軸に平行な方向からみたときに、前記可動板の一方の面側から他方の面側に向けて漸増しており、
前記1対の梁部材の前記一方の面側の端同士の間の距離をW1とし、前記1対の梁部材の前記可動板の厚さ方向での厚さをtとしたとき、下記式(1)を満たし、
前記梁部材は、前記回動中心軸に垂直な方向に沿った断面で見たときに、前記梁部材の一方の側面に形成された段差と、前記梁部材の他方の側面に形成された段差とを有し、これらの段差が前記可動板の厚さ方向にずれていることを特徴とする。
このようにして、本発明のアクチュエーターは、駆動時の応力集中による破損を比較的簡単に防止することができる。
このような異方性エッチングでは、シリコンの(111)面を利用して簡単かつ高精度に、可動板、支持部及び1対の連結部を形成することができる。
このような横断面形状をなす各梁部材は、板面がシリコンの(100)面で構成されたシリコン基板を異方性エッチングすることにより簡単かつ確実に形成することができる。
本発明のアクチュエーターでは、前記各梁部材の横断面の外形は、シリコンの(100)面に沿った1対の辺と、シリコンの(111)面に沿った1対の辺とで構成されていることが好ましい。
このような横断面形状をなす各梁部材は、板面がシリコンの(100)面で構成されたシリコン基板を異方性エッチングすることにより簡単かつ確実に形成することができる。
板面がシリコンの(100)面で構成されたシリコン基板の一方の面上に、前記1対の梁部材の前記一方の面側の端同士の間に対応する第1の開口を有する第1のマスクを形成するとともに、前記シリコン基板の他方の面上に、前記1対の梁部材の前記他方の面側の端同士の間に対応する第2の開口を有する第2のマスクを形成する工程と、
前記第1のマスクおよび前記第2のマスクを介して前記シリコン基板をその両面側から異方性エッチングすることにより、前記可動板、前記支持部および前記1対の連結部を形成する工程とを有し、
前記第1の開口の幅をWm1とし、前記シリコン基板の厚さをTとしたときに、下記式(3)の関係を満たすことを特徴とする。
支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能に連結する1対の連結部とを有し、
前記各連結部は、1対の梁部材で構成され、
前記1対の梁部材間の距離は、前記可動板の回動中心軸に平行な方向からみたときに、前記可動板の一方の面側から他方の面側に向けて漸増しており、
前記1対の梁部材の前記一方の面側の端同士の間の距離をW1とし、前記1対の梁部材の前記可動板の厚さ方向での厚さをtとしたとき、下記式(1)を満たし、
前記梁部材は、前記回動中心軸に垂直な方向に沿った断面で見たときに、前記梁部材の一方の側面に形成された段差と、前記梁部材の他方の側面に形成された段差とを有し、これらの段差が前記可動板の厚さ方向にずれていることを特徴とする。
前記光源からの光を走査する光スキャナーとを備え、
前記光スキャナーは、
光反射性を有する光反射部を備える可動板と、
支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能に連結する1対の連結部とを有し、
前記各連結部は、1対の梁部材で構成され、
前記1対の梁部材間の距離は、前記可動板の回動中心軸に平行な方向からみたときに、前記可動板の一方の面側から他方の面側に向けて漸増しており、
前記1対の梁部材の前記一方の面側の端同士の間の距離をW1とし、前記1対の梁部材の前記可動板の厚さ方向での厚さをtとしたとき、下記式(1)を満たし、
前記梁部材は、前記回動中心軸に垂直な方向に沿った断面で見たときに、前記梁部材の一方の側面に形成された段差と、前記梁部材の他方の側面に形成された段差とを有し、これらの段差が前記可動板の厚さ方向にずれていることを特徴とする。
<第1実施形態>
まず、本発明の光スキャナーの第1実施形態について説明する。
また、基体2は、光反射部211が設けられた可動板21と、可動板21を支持する支持部22と、可動板21と支持部22とを連結する1対の連結部23、24とを有している。
このような光スキャナー1では、駆動手段4の駆動力により、各連結部23、24を捩り変形させながら、可動板21を回動させる。これにより、光反射部211で反射した光を所定の一方向に走査することができる。
[基体]
基体2は、前述したように、光反射部211が設けられた可動板21と、可動板21を支持する支持部22と、可動板21と支持部22とを連結する1対の連結部23、24とを有する。
また、シリコンは金属材料のような疲労がないので、基体2がシリコンを主材料として構成されていることにより、優れた振動特性を有する基体2が得られる。また、シリコンは後述するようにエッチングにより高精度な寸法精度で加工が可能であるので、シリコン基板を用いて基体2を形成することにより、所望の形状(所望の振動特性)を有する基体2を得ることができる。
支持部22は、図1に示すように、枠状をなしている。より具体的には、支持部22は、四角環状をなしている。このような支持部22は、1対の連結部23、24を介して可動板21を支持する。なお、支持部22の形状としては、1対の連結部23、24を介して可動板21を支持することができれば、特に限定されず、例えば、各連結部23、24に対応して分割された形状をなしていてもよい。
このような支持部22の内側には、可動板21が設けられている。
なお、可動板21の平面視形状は、前述したものに限定されず、例えば、円形、楕円形、四角形、五角形、六角形等の多角形、異形状等であってもよい。
このような可動板21の上面には、光反射性を有する光反射部211が設けられている。一方、可動板21の下面には、後述する駆動手段4の永久磁石41が設けられている。なお、永久磁石41については、後に詳述する。
各梁部材231、232は、軸線aに沿って設けられているとともに、軸線aを介して対向している。また、各梁部材231、232は、その横断面形状が平行四辺形をなしている。
また、図4に示す断面において、連結部23全体の幅は、下側から上側に向けて拡がっている。また、図4に示す断面において、梁部材231と梁部材232との間の距離(隙間の幅)は、下側から上側に向けて拡がっている。
そして、1対の梁部材231、232の下側の端同士の間の距離をW1とし、1対の梁部材231、232の可動板21の厚さ方向での厚さをtとしたとき、下記式(1)を満たす。
このようにして、光スキャナー1は、駆動時の応力集中による破損を比較的簡単に防止することができる。
また、1対の梁部材231、232の上側の端同士の間の距離をW2としたとき、下記式(2)を満たす。
支持体3は、前述した基体2を支持する機能を有する。また、支持体3は、後述する駆動手段4のコイル42を支持する機能をも有する。
この支持体3は、上方に開放する凹部31を有する箱状をなしている。言い換えると、支持体3は、板状をなす板状部32と、その板状部32の上面の外周部に沿って設けられた枠状をなす枠状部33とで構成されている。
このような支持体3の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、石英ガラス、パイレックスガラス(「パイレックス」は登録商標)、テンパックスガラス等のガラス材料や、単結晶シリコン、ポリシリコン等のシリコン材料、LTCC(低温焼結セラミックス)等が挙げられる。
また、基体2と支持体3との接合方法としては、支持体3の構成材料、形状等に応じて適宜決められるものであり、特に限定されないが、接着剤を用いた方法、陽極接合法、直接接合法等が挙げられる。
駆動手段4は、永久磁石41およびコイル42を有し、前述した基体2の可動板21を電磁駆動方式(より具体的にはムービングマグネット型の電磁駆動方式)により回動駆動させるものである。電磁駆動方式は、大きな駆動力を発生させることができる。そのため、電磁駆動方式を採用する駆動手段4によれば、低駆動電圧化を図りつつ、可動板21の振れ角を大きくすることができる。
このような永久磁石41としては、特に限定されず、例えば、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、ボンド磁石などの、硬磁性体を着磁したものを好適に用いることができる。
このような駆動手段4によって、次のように可動板21が回動する。
第1の電界では、永久磁石41のN極側がコイル42に引きつけられ、反対にS極側がコイル42から遠ざかるように、可動板21が軸線aを中心に図2にて反時計回りに回動する(第1の状態)。反対に、第2の電界では、永久磁石41のS極側がコイル42に引きつけられ、反対にN極側がコイル42から遠ざかるように、可動板21が軸線aを中心に図2にて時計回りに回動する(第2の状態)。このような第1の状態と第2の状態とが交互に繰り返され、可動板21が軸線aを中心に回動する。
以上のような光スキャナー1は、例えば、次のようにして製造することができる。以下、本発明のアクチュエーターの製造方法の一例として、図5ないし図9に基づいて、光スキャナー1の製造方法を説明する。また、図5ないし図7は、それぞれ、図2に対応する断面で示されており、図8および図9は、それぞれ、図4に対応する断面で示されている。
光スキャナー1の製造方法は、基体2を形成する工程を有する。
基体2を形成する工程は、[A]凹部212を形成する工程と、[B]可動板21、支持部22および1対の連結部23、24を形成する工程とを有する。
[A]凹部212を形成する工程
−A1−
まず、図5(a)に示すように、シリコン基板102を用意する。
このシリコン基板102は、後述するエッチングを経ることにより基体2となるものである。
具体的には、シリコン基板102は、その主面がシリコンの(100)面で構成されたものである。
次に、図5(b)に示すように、シリコン基板102の上面上に窒化膜51を形成するとともに、シリコン基板102の下面上に窒化膜52を形成する。
この窒化膜51、52は、それぞれ、例えば、SiNで構成されている。
また、窒化膜51、52の形成方法は、ぞれぞれ、特に限定されないが、例えば、プラズマCVD等の気相成膜法を用いることができる。
また、窒化膜51、52の厚さは、特に限定されないが、0.01μm以上0.2μm以下程度である。
なお、窒化膜51、52に代えて、SiOで構成された酸化膜を例えば熱酸化法により形成してもよい。
次に、図5(c)に示すように、窒化膜51上にレジスト膜61を形成し、図5(d)に示すように、窒化膜52上にレジスト膜62を形成する。
このレジスト膜61、62は、それぞれ、ポジ型またはネガ型のレジスト材料で構成されている。
−A4−
次に、レジスト膜62を露光および現像することにより、レジスト膜62の凹部212の形成領域に対応した部分を除去する。これにより、図5(e)に示すように、開口621を有するレジスト膜62Aを得る。
次に、レジスト膜62Aをマスクとして用いて、窒化膜52の一部をエッチングにより除去する。これにより、図5(f)に示すように、開口521を有する窒化膜52Aを得る。
上記エッチング(開口521の形成方法)としては、特に限定されないが、例えば、リアクティブイオンエッチング(RIE)、CF4を用いたドライエッチング等が挙げられる。
次に、レジスト膜61、62Aを除去する。これにより、図5(g)に示すように、シリコン基板102は、その上面が窒化膜51で覆われ、下面が窒化膜52Aで覆われた状態となる。
レジスト膜61、62の除去方法としては、特に限定されないが、例えば、硫酸による洗浄、O2アッシング等が挙げられる。
次に、窒化膜52Aをマスクとして用いて、シリコン基板102をエッチングする。これにより、図6(a)に示すように、凹部212を有するシリコン基板102Aを得る。
上記エッチング(凹部212の形成方法)としては、特に限定されないが、後述する可動板21、支持部22等の形成のためのエッチングと同様、異方性エッチングが好適に用いられる。
かかる異方性エッチングは、特に限定されないが、例えば、KOH水溶液等を用いたウェットエッチングにより行うことができる。
次に、窒化膜51、52Aを除去する。これにより、図6(b)に示すように、シリコン基板102Aの上面および下面が露出した状態となる。
窒化膜51、52Aの除去方法としては、特に限定されないが、上記工程A5と同様、例えば、リアクティブイオンエッチング(RIE)、CF4を用いたドライエッチング等が挙げられる。
−B1−
次に、図6(c)に示すように、シリコン基板102Aの上面上に窒化膜71を形成するとともに、シリコン基板102Aの下面上に窒化膜72を形成する。
この窒化膜71、72は、それぞれ、例えば、SiNで構成されている。
また、窒化膜71、72の形成方法は、ぞれぞれ、特に限定されないが、上記工程A2と同様、例えば、プラズマCVD等の気相成膜法を用いることができる。
また、窒化膜71、72の厚さは、特に限定されないが、0.01μm以上0.3μm以下程度である。
なお、窒化膜71、72に代えて、SiOで構成された酸化膜を例えば熱酸化法により形成してもよい。
次に、図6(d)に示すように、窒化膜71上にレジスト膜81を形成する。
このレジスト膜81は、ポジ型またはネガ型のレジスト材料で構成されている。
−B3−
次に、レジスト膜81を露光および現像することにより、レジスト膜81の可動板21、支持部22および1対の連結部23、24の形成領域に対応した部分が残存するように、レジスト膜81の一部を除去する。これにより、図6(e)に示すように、開口811を有するレジスト膜81Aを得る。なお、図6(e)では図示しないが、レジスト膜81Aには、1対の梁部材231、232の上端同士の間の隙間に対応して形成された開口も形成されている。
次に、レジスト膜81Aをマスクとして用いて、窒化膜71の一部をエッチングにより除去する。これにより、図6(f)に示すように、開口711を有する窒化膜71Aを得る。なお、図6(f)では図示しないが、窒化膜71Aには、1対の梁部材231、232の上端同士の間の隙間に対応して形成された開口も形成されている。
上記エッチング(開口711の形成方法)としては、特に限定されないが、上記工程A5と同様、例えば、リアクティブイオンエッチング(RIE)、CF4を用いたドライエッチング等が挙げられる。
次に、レジスト膜81Aを除去する。これにより、図6(g)に示すように、シリコン基板102Aは、その上面が窒化膜71Aで覆われ、下面が窒化膜72で覆われた状態となる。
レジスト膜81Aの除去方法としては、特に限定されないが、例えば、硫酸による洗浄、O2アッシング等が挙げられる。
次に、図7(a)に示すように、窒化膜72上にレジスト膜82を形成する。
このレジスト膜82は、ポジ型またはネガ型のレジスト材料で構成されている。
−B7−
次に、レジスト膜82を露光および現像することにより、レジスト膜82の可動板21、支持部22および1対の連結部23、24の形成領域に対応した部分が残存するように、レジスト膜82の一部を除去する。これにより、図7(b)に示すように、開口821を有するレジスト膜82Aを得る。なお、図7(b)では図示しないが、レジスト膜82Aには、1対の梁部材231、232の下端同士の間の隙間に対応して形成された開口も形成されている。
次に、レジスト膜82Aをマスクとして用いて、窒化膜72の一部をエッチングにより除去する。これにより、図7(c)に示すように、開口721を有する窒化膜72Aを得る。なお、図7(c)では図示しないが、窒化膜72Aには、1対の梁部材231、232の下端同士の間の隙間に対応して形成された開口も形成されている。
上記エッチング(開口721の形成方法)としては、特に限定されないが、上記工程A5と同様、例えば、リアクティブイオンエッチング(RIE)、CF4を用いたドライエッチング等が挙げられる。
次に、レジスト膜82Aを除去する。これにより、図7(d)に示すように、シリコン基板102Aは、その上面が窒化膜71Aで覆われ、下面が窒化膜72Aで覆われた状態となる。
レジスト膜82Aの除去方法としては、特に限定されないが、例えば、硫酸による洗浄、O2アッシング等が挙げられる。
次に、窒化膜71A、72Aをマスクとして用いて、シリコン基板102Aを異方性エッチングする。これにより、図7(e)に示すように、基体2を得る。すなわち、本工程の異方性エッチングでは、第1のマスクである窒化膜72Aと第2のマスクである窒化膜71Aとを介してシリコン基板102Aをその両面側から異方性エッチングすることにより、可動板21、支持部22および1対の連結部23、24を形成する。
上記異方性エッチング(基体2の形成方法)は、特に限定されないが、例えば、KOH水溶液等を用いたウェットエッチングにより行うことができる。
ここで、かかる異方性エッチングによる連結部23の形成について詳述する。なお、連結部24の形成については、連結部23の形成と同様であるので、その説明を省略する。
ここで、開口724の幅をWm1とし、シリコン基板102Aの厚さをTとしたときに、下記式(3)の関係を満たす。
開口714の幅をWm2としたとき、下記式(4)を満たす。
以下、本工程の異方性エッチングにおける段差の発生について詳述する。
本工程における異方性エッチングに際し、マスクとして用いる窒化膜71A、72Aの形成位置がずれていない場合、図8(a)〜図8(d)に示すように、開口711、714を介してシリコン基板102Aの上面がエッチングされるとともに、開口721、724を介してシリコン基板102Aの下面がエッチングされていき、1対の梁部材231、232が形成される。
この場合、開口714および開口724の幅方向での中心位置が互いに幅方向で一致しているので、図8(d)に示すように、各梁部材231、232の各側面は、段差のない、シリコンの(111)面で構成された一定の傾斜面となる。
これに対し、段差2315は、窒化膜71Aの開口711および窒化膜72Aの開口721の幅はシリコン基板102Aの厚さに対して大きすぎるため、シリコン基板102Aの厚さ方向での中央に形成される。
このように、段差2315と段差2316とがシリコン基板102Aの厚さ方向での位置が異なるため、可動板21の回動時に梁部材231の厚さ方向での中央部に応力が集中するのを防止または抑制することができる。同様に、可動板21の回動時に梁部材232の厚さ方向での中央部に応力が集中するのを防止または抑制することができる。その結果、駆動時の応力集中による連結部23の破損を防止することができる。同様に、駆動時の応力集中による連結部24の破損を防止することができる。
次に、窒化膜71A、72Aを除去する。これにより、図7(f)に示すように、基体2の上面および下面が露出した状態となる。
窒化膜71A、72Aの除去方法としては、特に限定されないが、上記工程A5と同様、例えば、リアクティブイオンエッチング(RIE)、CF4を用いたドライエッチング、熱りん酸によるウェットプロセス等が挙げられる。
また、可動板21の上面に、金属膜を形成し、光反射部211を形成する。この金属膜の形成方法としては、特に限定されず、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、金属箔の接合等が挙げられる。
以上の工程により、光スキャナー1が得られる。
以上説明したような光スキャナー1の製造方法によれば、前記式(3)を満たすので、得られた光スキャナー1(アクチュエーター)において、可動板21の回動時における各梁部材231、232、241、242に生じる応力集中を緩和することができる。
以上説明したような光スキャナーは、例えば、プロジェクター、レーザープリンター、イメージング用ディスプレイ、バーコードリーダー、走査型共焦点顕微鏡などの画像形成装置に好適に適用することができる。その結果、優れた描画特性を有する画像形成装置を提供することができる。
ここで、図10に基づいて、本発明の画像形成装置の一例を説明する。
図10は、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。なお、以下では、説明の便宜上、スクリーンSCの長手方向を「横方向」といい、長手方向に直角な方向を「縦方向」という。
光源装置91は、赤色光を照出する赤色光源装置911と、青色光を照出する青色光源装置912と、緑色光を照出する緑色光源装置913とを備えている。
このようなプロジェクター9は、赤色光源装置911、青色光源装置912、緑色光源装置913のそれぞれから、図示しないホストコンピューターからの画像情報に基づいて照出された光をクロスダイクロイックプリズム92で合成し、この合成された光が、光スキャナー93、94によって走査され、さらに固定ミラー95によって反射され、スクリーンSC上でカラー画像を形成するように構成されている。
まず、クロスダイクロイックプリズム92で合成された光は、光スキャナー93によって横方向に走査される(主走査)。そして、この横方向に走査された光は、光スキャナー94によってさらに縦方向に走査される(副走査)。これにより、2次元カラー画像をスクリーンSC上に形成することができる。このような光スキャナー93、94として本発明の光スキャナーを用いることで、極めて優れた描画特性を発揮することができる。
このような画像形成装置は、前述したように長期に亘り光スキャナー93、94が安定して駆動できるので、信頼性に優れる。
また、前述した実施形態では、可動板を回動させる駆動手段がムービングマグネット型の電磁駆動方式を採用した構成を例に説明したが、かかる駆動手段は、ムービングコイル型の電磁駆動方式であってもよいし、また、静電駆動方式、圧電駆動方式等の電磁駆動方式以外の駆動方式を採用するものであってもよい。
Claims (9)
- 光反射性を有する光反射部を備える可動板と、
支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能に連結する1対の連結部とを有し、
前記各連結部は、1対の梁部材で構成され、
前記1対の梁部材間の距離は、前記可動板の回動中心軸に平行な方向からみたときに、前記可動板の一方の面側から他方の面側に向けて漸増しており、
前記1対の梁部材の前記一方の面側の端同士の間の距離をW1とし、前記1対の梁部材の前記可動板の厚さ方向での厚さをtとしたとき、下記式(1)を満たし、
前記梁部材は、前記回動中心軸に垂直な方向に沿った断面で見たときに、前記梁部材の一方の側面に形成された段差と、前記梁部材の他方の側面に形成された段差とを有し、これらの段差が前記可動板の厚さ方向にずれていることを特徴とするアクチュエーター。
- 前記可動板、前記支持部および前記1対の連結部は、板面がシリコンの(100)面で構成されたシリコン基板を異方性エッチングすることにより形成されたものである請求項1または2に記載のアクチュエーター。
- 前記各梁部材は、その横断面形状が平行四辺形をなしている請求項3に記載のアクチュエーター。
- 前記各梁部材の横断面の外形は、シリコンの(100)面に沿った1対の辺と、シリコンの(111)面に沿った1対の辺とで構成されている請求項4に記載のアクチュエーター。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のアクチュエーターを製造する方法であって、
板面がシリコンの(100)面で構成されたシリコン基板の一方の面上に、前記1対の梁部材の前記一方の面側の端同士の間に対応する第1の開口を有する第1のマスクを形成するとともに、前記シリコン基板の他方の面上に、前記1対の梁部材の前記他方の面側の端同士の間に対応する第2の開口を有する第2のマスクを形成する工程と、
前記第1のマスクおよび前記第2のマスクを介して前記シリコン基板をその両面側から異方性エッチングすることにより、前記可動板、前記支持部および前記1対の連結部を形成する工程とを有し、
前記第1の開口の幅をWm1とし、前記シリコン基板の厚さをTとしたときに、下記式(3)の関係を満たすことを特徴とするアクチュエーターの製造方法。
- 光反射性を有する光反射部を備える可動板と、
支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能に連結する1対の連結部とを有し、
前記各連結部は、1対の梁部材で構成され、
前記1対の梁部材間の距離は、前記可動板の回動中心軸に平行な方向からみたときに、前記可動板の一方の面側から他方の面側に向けて漸増しており、
前記1対の梁部材の前記一方の面側の端同士の間の距離をW1とし、前記1対の梁部材の前記可動板の厚さ方向での厚さをtとしたとき、下記式(1)を満たし、
前記梁部材は、前記回動中心軸に垂直な方向に沿った断面で見たときに、前記梁部材の一方の側面に形成された段差と、前記梁部材の他方の側面に形成された段差とを有し、これらの段差が前記可動板の厚さ方向にずれていることを特徴とする光スキャナー。
- 光を出射する光源と、
前記光源からの光を走査する光スキャナーとを備え、
前記光スキャナーは、
光反射性を有する光反射部を備える可動板と、
支持部と、
前記可動板を前記支持部に対して回動可能に連結する1対の連結部とを有し、
前記各連結部は、1対の梁部材で構成され、
前記1対の梁部材間の距離は、前記可動板の回動中心軸に平行な方向からみたときに、前記可動板の一方の面側から他方の面側に向けて漸増しており、
前記1対の梁部材の前記一方の面側の端同士の間の距離をW1とし、前記1対の梁部材の前記可動板の厚さ方向での厚さをtとしたとき、下記式(1)を満たし、
前記梁部材は、前記回動中心軸に垂直な方向に沿った断面で見たときに、前記梁部材の一方の側面に形成された段差と、前記梁部材の他方の側面に形成された段差とを有し、これらの段差が前記可動板の厚さ方向にずれていることを特徴とする画像形成装置。
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