以下に本発明の実施形態の例について、図面を用いて詳細に説明する。尚、以下で「表面」との表現は、支持体を構成する各層を積層する方向である積層方向と交差する、積層方向と垂直方向の面を示している。
図1及び図2は、本実施形態係る光偏向器の概略構成例を説明するための図である。以下に、図1及び図2を用いて、本実施形態に係る光偏向器Aについて説明する。
(構成)
本実施形態の光偏向器Aは、図1の斜視図に示すように、支持体9と、反射板(可動板)1と、トーションバー2a、2b(弾性支持部)と、振動体23a〜23dと、圧電アクチュエータ28a〜28dと、圧電ユニモルフ振動体210a〜210dと、を備えている。また、圧電ユニモルフ振動体210a〜210dは、トーションバー2a、2bのそれぞれの両側に設けられている。そして、圧電ユニモルフ振動体210a〜dによる回転トルクが、トーションバー2a、2bを介して反射板1に伝達される。トーションバー2a、2bは、一端を反射板1に固定され、他端を支持体9に固定され、反射板1を回転振動可能に軸支する。つまり、本実施形態では、振動体23a〜23dは、一端をトーションバー2a、2bに接続され、他端を支持体9に接続され、振動体23a〜23d、反射板1、トーションバー2a、2b、支持体9が一体に形成されている。
以下、光偏向器の各構成について図1及び図2を用いて説明する。
支持体9は、反射板1を所定変位角の回転が可能に支持するもので、図1に示すように、一対の縦枠9cと一対の横枠9dとにより、略長方形の空隙9bを囲む略長方形の枠状に形成されている。そして、支持体9は、一対のトーションバー2a、2bにより、反射板1を空隙9bの中央部分に、トーションバー2a、2bを中心として所定変位角の回転可能に弾性支持している。すなわち、各トーションバー2a、2bは、同一軸状に配置され、かつ、一方の端部が支持体9の縦枠9cの長手方向中央に一体に形成されているとともに、他の端部が反射板1の重心位置で反射板1に一体に形成されている。そして、トーションバー2a、2bの幅Wは、反射板1が所定の変位角まで回転できるように十分ねじれる設定となっている。つまり、反射板1は、トーションバー2a、2bを回転軸として所定変位角まで傾くことができる。
各トーションバー2a、2bは、それぞれ一対の圧電ユニモルフ振動体210a、210c及び210b、210dを介して、支持体9の横枠9dに連結されている。一対の圧電ユニモルフ振動体210aと210cは、トーションバー2aを挟んで対称に配置されている。他方、一対の圧電ユニモルフ振動体210bと210dは、トーションバー2bを挟んで対称に配置されている。さらに、圧電ユニモルフ振動体210aと圧電ユニモルフ振動体210bとは、反射板1を中心にトーションバー2a、2bに沿う方向で対称に配置されているとともに、圧電ユニモルフ振動体210cと圧電ユニモルフ振動体210dとは、反射板1を中心にトーションバー2a、2bに沿う方向で対称に配置されている。
圧電ユニモルフ振動体210aは、一方の端部がトーションバー2aに接続され、他の端部は支持体9の横枠9dに接続された振動板23aと振動板23aを振動させる圧電アクチュエータ28aを備えている。同様に、各圧電ユニモルフ振動体210b〜dは、それぞれ、一方の端部がトーションバー2a又は2bに接続され、他の端部が支持体9の横枠9dに接続された振動板23b、23c、23dと、各振動板23b〜23dを振動させる圧電アクチュエータ28b、28c、28dと、を備えている。
そして、本実施形態では、各振動板23a〜23dは、それぞれ、トーションバー2a又は2bの延在方向に分離された3枚の並列振動板23a−1〜3、23b−1〜3、23c−1〜3、23d−1〜3を備えている。また、これらの各並列振動板23a−1〜3、23b−1〜3、23c−1〜3、23d−1〜3は、図1に示すように、トーションバー2aや2bに垂直な辺を長辺とする長方形形状に形成されている。
同様に、各圧電アクチュエータ28a〜dも、各並列振動板23a−1〜3、23b−1〜3、23c−1〜3、23d−1〜3をそれぞれ振動可能に、各並列振動板23a−1〜3、23b−1〜3、23c−1〜3、23d−1〜3の上面のそれぞれに敷設され、トーションバー2aや2bの延在方向に分離された3枚の並列アクチュエータ28a−1〜3、28b−1〜3、28c−1〜3、28d−1〜3で構成されている。また、これら並列アクチュエータ28a−1〜3、28b−1〜3、28c−1〜3、28d−1〜3も、トーションバー2aや2bに垂直な方向を長辺とする長方形形状に形成されている。
尚、各振動板23a〜dの各並列振動板23a−1〜3、23b−1〜3、23c−1〜3、23d−1〜3の板厚は、反射板1及びトーションバー2a、2bの板厚よりも薄く形成されるとよい。これにより、その剛性が反射板1及びトーションバー2a、2bよりも低く形成される。
さらに、図2に示すように、トーションバー2a、2bと、各トーションバー2a、2bを挟んで配置される一対の各並列振動板23a−1〜3、23b−1〜3、23c−1〜3、23d−1〜3との連結部211には、トーションバー2a、2bの側面から半楕円状に膨出されて各並列振動板23a−1〜3、23b−1〜3、23c−1〜3、23d−1〜3との結合面積を増加させる楕円状の側面211aを有した突出部211bが形成されている。
尚、上述した反射板1、トーションバー2a、2b、振動板23a〜d及び突出部211bは、直方体の単結晶シリコン基板により支持体9の不要部を除去加工することで一体に形成することができる。これにより、接合や接着等の加工法に比べて、各構成要素のアライメント精度を向上させることができ、その製造方法の詳細については、後述する。
圧電アクチュエータ28aは、上部電極25aと圧電膜26aと下部電極27aとを積層して構成されている。そして、圧電アクチュエータ28aにおいて、上部電極25aと下部電極27aとにそれぞれ所定の電圧を印加して、圧電アクチュエータ28aを駆動させることにより、支持体9と両トーションバー2a、2bとが接続される端部を支点として、振動板23aの各並列振動板23a−1〜3ユニモルフ的に振動する。ここで、圧電アクチュエータ28b〜dについても同様であるので、説明を省略する。
尚、各圧電アクチュエータ28a〜dの駆動時には、位相の異なる交流電圧を印加することができる。具体的には、互いに180°位相が異なる2つの交流電圧を印加するとよい。また、圧電アクチュエータ28a〜dは、シリコン基板の除去加工前に、CSD(科学溶液堆積法:Chemical Solution Deposition)、MOCVD(有機金属気相成長法:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、スパッタ、反応性イオンプレーティング等の手法で支持体9上に直接成膜し、ウェット又はドライエッチングによってパターン加工して形成されている。本実施形態では、アーク放電プラズマを利用したイオンプレーティング法により成膜した圧電膜とするが、特にこれに限定されない。
(動作)
次に、本実施形態に係る光偏向器Aの動作について説明する。
トーションバー2a、2bを挟んで圧電ユニモルフ振動体210a、210bに同位相、他方の圧電ユニモルフ振動体210c、210dに逆位相あるいは位相のずれた交流電圧(例えば、正弦波)を印加し、振動板23a、23b及び23c,23dを振動させる。各振動板23a〜dの基端は、支持体9と一体となって固定されているので、他方の端部であるトーションバー2a、2b側の先端部が自由端として上下方向に振動する。
上記のように圧電ユニモルフ振動体210a、210bと圧電ユニモルフ振動体210c、210dとで位相を異ならせるため、トーションバー2aに連結された振動板23a、23bとトーションバー2bに連結された振動板23c、23dとの先端部の振動には位相差が生じる。特に、上記印加電圧の位相が逆位相の場合には、これら先端部の振動方向は正反対になる。すなわち、振動板23a、23bのトーションバー2a、2b側の先端部が上の方向に動くとき、振動板23c、23dのトーションバー2a、2b側の先端部は下の方向に動く。
このとき、反射板1にはトーションバー2a、2bを中心とした回転トルクが作用し、反射板1は、トーションバー2a、2bを中心軸として傾く。そして、各振動板23a〜dの先端部が交流印加電圧に追従して上下方向の振動を繰り返すと、上述の原理で反射板1にはシーソー的な回転トルクが作用し、反射板1は所定角度まで回転振動を繰り返す。尚、印加電圧の位相が逆位相でなく位相差がある振動の場合においても、上記と同様に反射板1が回転振動する。
例えば、圧電ユニモルフ振動体210a、210bの圧電アクチュエータ28a、28bに同位相の電圧20Vpp、3.2kHzの正弦波バイアスを印加し、圧電ユニモルフ振動体210c、210dの圧電アクチュエータ28c、28dに上記位相と逆位相の同じく電圧20Vpp、3.2kHzの正弦波バイアスを印加して、反射板1の回転振動を試みた。そして、He−Neレーザ光を反射板1に入射し、その反射光を所定の距離を持って配置したスクリーン上で観察し、反射板1の回転角を測定したところ、±23°の回転角が得られた。このとき、反射板1によって偏向された光走査を経時的に観察したところ、安定した直線性の良い光走査を確認できた。この回転角は、例えば、各圧電ユニモルフ振動体210a、210b、210c、210dの振動板及び圧電アクチュエータを単体とした場合には、±10°程度である。
これは、1つの圧電ユニモルフ振動体210a〜dの振動板23a〜dが、それぞれ3枚の並列振動板23a−1〜3、23b−1〜3、23c−1〜3、23d−1〜3及び3対の並列アクチュエータ28a−1〜3、28b−1〜3、28c−1〜3、23d−1〜3を備えており、それらの圧電ユニモルフ振動体210a〜210dにより発生する力が、1つの圧電ユニモルフ振動体が1枚の振動板及び1つの圧電アクチュエータで構成されているものよりも大きいので、トーションバー2a、2bに作用する回転トルクが向上したためである。
ここで、圧電ユニモルフ振動体210a〜dの駆動周波数が、可動ミラー部の機械的な共振周波数と一致又は近いときに、反射板1の回転振動は最大になり、最大変位角が得られる。尚、本実施形態において可動ミラー部とは、反射板1とトーションバー2a、2bとを合わせた構造を示している。また、各振動板23a〜dの共振周波数を、反射板1の共振周波数と一致又は近くに設定すると、圧電アクチュエータ28a〜dの駆動力が小さくとも、大きな反射板1の回転角を得ることができる。もちろん、回転角は小さくなるものの、圧電アクチュエータ28a〜dの駆動周波数で反射板1を回転振動させることも可能である。さらに、反射板1は、重心で連結したトーションバー2a、2bを回転軸として回転振動するので、並進的な動きを抑制することができる。
つまり、本実施形態に係る光偏向器Aでは、圧電ユニモルフ振動体210a〜dの駆動周波数を、トーションバー2a、2bを含む反射板1の機械的共振周波数に合わせることで、低電圧駆動でも大きな回転角を得ることが可能となる。また、本実施形態に係る光偏向器Aは、圧電ユニモルフ振動体210a〜dからの回転トルクの作用点を反射板1から分離した構造であるため、反射板1では、トーションバー2a、2bを中心軸とした回転運動のみが励振されて、安定した光走査を行うことが可能となる。
(製造方法)
図3は、本実施形態に係る光偏向器Aの製作方法例を示す。以下に、本実施形態に係る光偏向器Aの製作手順について、図3を用いて説明する。尚、図3では、各圧電ユニモルフ振動体210a〜210dのうち、トーションバー2a、2bの一端側の圧電ユニモルフ振動体210a、210bの部分のみを示しているが、圧電ユニモルフ振動体210c、210d側についても同様である。また、以下では、具体的な数値を挙げて説明するが、以下に示す数値は例であり、これに限定されるものではない。
本実施形態では、支持体9として単結晶シリコン(トップ層)と酸化シリコン(中間酸化膜層)と単結晶シリコン(ベース層)との貼り合せ基板(例えば、SOI基板)を用いている。例えば、各層の厚みはそれぞれ25μm、2μm、525μmであり、上記トップ層の表面は光学研磨処理が施されている。また、トップ層及びベース層はシリコン基板をもって構成されている。
まず、図3の(a)に示すように、上記SOI基板の表面に拡散炉によって厚さ500nm〜1000nmの熱酸化シリコン膜3を形成する。次に、図3の(b)に示すように、トップ層側(基板表面)にスパッタ法によってTi(チタン)及びPt(プラチナ)をそれぞれの厚みが50nm、150nmになるように順次成膜し、下部電極7を形成する。
次に、反応性アーク放電イオンプレーティング法(例えば、特開2001−234331号公報、特開2002−177765号公報、特開2003−81694号公報参照)によって、圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の膜を厚み3μmで上部電極5上に成膜し、圧電膜6を形成する。その後、スパッタ法によってPtを厚み150nmで上記圧電膜6の上に成膜して、上部電極5を形成する。
さらに、図3の(c)に示すように、基板表面にフォトリソ技術及びドライエッチング技術により、上部電極5、圧電膜6、下部電極7のパターニングを行い、各圧電アクチュエータ28a、28bの各並列アクチュエータ28a−1〜3、28b−1〜3を形成する。そして、図3の(d)に示すように、基板表面全体を厚膜レジストで保護しておき、裏側の上記ベース層表面の熱酸化膜をバッファードフッ酸(BHF)で除去した後、アルミニウム層をスパッタ成膜してフォトリソ技術およびウエットエッチング技術でパターニングして、ICP−RIE(Inductive Coupled Plasma - Reactive Ion Etching)のハードマスクを形成する。
続いて、図3の(e)に示すように、基板表面の保護レジストを剥離し、再度フォトリソを行ってレジストパターンをマスクにし、RIE装置にて熱酸化シリコン膜3をドライエッチングによって除去加工する。更に、ICP−RIE装置にて単結晶シリコン(トップ層)をドライエッチングによって除去加工し、反射板1、トーションバー2a、2b、振動板23a、23b(23c、23d)を残して、最終的には支持体9の空隙9bとなる溝を形成する。さらに、ドライエッチングのマスクであるレジストを除去し、KOH(水酸化カリウム)又はTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)のエッチング液を用いて、反射板1、トーションバー2a、2b、振動板23a、23b(23c、23d)の側面をウエットエッチング(シリコン異方性ウエットエッチング)で加工する。シリコン異方性ウエットエッチングを行うことで、反射板1、トーションバー2a、2b、振動板23a、23b(23c、23d)の側面は深さ方向の略中央部が窪んだ形状となる。断面形状は、約半分の深さに向かって徐々に幅が細くなる鼓形状となる。尚、本実施形態において反射板1、トーションバー2a、2b、振動板23a、23b(23c、23d)の側面とは、支持体を構成するトップ層等の各層を積層する方向である積層方向と平行する面であり、シリコン基板の表面と略垂直方向の面を示している。
また、反射板1上の熱酸化シリコン膜3の表面にメタルマスクを用いて、反射膜4の形成を行う。反射膜4としてはスパッタ成膜したアルミニウム(Al)や金(Au)や銀(Ag)等が適している。金、銀などの貴金属は熱酸化シリコン膜3との密着性が低いため、下地に密着層及び反射膜4の反射率を確保する目的で、反射膜4と密着層との間に拡散防止層を形成するとより好ましい。密着層としてはチタン(Ti)、タンタル(Ta)等金属酸化物を作りやすい材料を用いることができる。拡散防止層としてはプラチナ(Pt)、ニッケル(Ni)等を用いることができる。
反射膜4を形成する他の工法として図3の(c)の工程と図3の(d)の工程との間でリフトオフ技術を用いて行うこともできる。ただし、反射膜4の材料によっては、KOHはTMAHのエッチング液で腐食されることもあるので、その場合は事前に有機膜(例えばポリイミド、SOG膜等)で保護しておくことが好ましい。
次に、図3の(f)に示すように、ICP−RIE装置によって、トップ層が積層された側と反対側からベース層の単結晶シリコンをドライエッチング加工し、支持体9の空隙9bになる深溝を形成する。最後に、図3の(g)に示すように、酸化シリコン(中間酸化膜層)をRIE(Reactive Ion Etching)装置を用いてドライエッチングにて除去し、支持体9の空隙9bを形成することで、図1の光偏向器Aを製造することができる。
尚、上記では、光偏向器Aが、振動体を駆動させる圧電アクチュエータ8a〜8dと、反射板1を回転振動させる圧電ユニモルフ振動体10a〜10dと、を備える例を挙げて説明したが、駆動源等はこれに限定されるものではない。例えば、駆動源は、静電気力や電磁力であってもよく、本実施形態は反射板を回転振動可能に軸支するトーションバーを有する全ての光偏向器に適用できる。
駆動源に静電気力を適用した光偏向器の例としては、反射板の近傍にわずかなギャップを空けて駆動電極が櫛歯状に対向配置され、対向する櫛歯電極間でコンデンサが構成される光偏向器を挙げることができる。この光偏向器では、対向する櫛歯電極間に電圧を加えると、静電力が生じるため反射板は両側に引き寄せられる。これにより、反射板は回転軸を中心にして回転させる力が与えられ、振動する。他方、駆動源に電磁力を適用した光偏向器の例としては、ベース上に配置された左右一対の永久磁石と反射板の外周部に配置された駆動用コイルとを有し、この駆動用コイルに正逆交互の駆動電流を通電するように構成される光偏向器を挙げることができる。この光偏向器では、正逆交互の駆動電流が通電されると、一対の永久磁石の外部磁界と駆動用コイルの電流とによるローレンツ力で反射板が振動する。
(実施形態1)
図4は、本実施形態に係る光偏向器のトーションバー加工工程例を示す。次に、上述した図3の(e)に示した工程の詳細について、図4に示すトーションバー2a、2bの断面をもって説明をする。尚、反射板1、振動板23a、23b(23c、23d)についても同様の工程で加工を行うため、ここでは説明を省略する。また、以下では、具体的な数値を挙げて説明するが、以下に示す数値は例であり、これに限定されるものではない。尚、本実施形態においてトーションバー2a、2bの側面10とは、支持体を構成するトップ層91等の各層を積層する方向である積層方向と平行する面であり、シリコン基板の表面と略垂直方向の面を示している。
支持体9として単結晶シリコン(トップ層91)、酸化シリコン(中間酸化膜層92)、単結晶シリコン(ベース層93)の貼り合せ基板(SOI基板)を用いる。各層の厚みはそれぞれ25μm、2μm、525μmであり、上記トップ層91の表面は光学研磨処理が施されている。また、トップ層91及びベース層93は、シリコン基板から構成されている。
まず、図4の(a)に示すように、トップ層91の最表面の熱酸化シリコン膜3に、トーションバー2a、2bを残すパターンのフォトマスクでパターニングしたレジストマスクを形成する。次に、図4の(b)に示すように、形成したレジストマスクを用いて、熱酸化シリコン膜3をRIEでドライエッチングする。
そして、図4の(c)に示すように、図4の(b)で用いたレジストマスクをそのまま用いて、ICP−RIE装置にてトップ層91をドライエッチングによって除去加工し、トーションバー2a、2bを残して、最終的には支持体9の空隙9bとなる溝を形成する。トップ層91は、レジストマスク形状を反映した垂直性の高いエッチング条件で加工することが重要になる。垂直性の高いエッチングとしては、ボッシュプロセスと言われるエッチング加工法が好ましい。図5は、シリコン異方性ドライエッチングによるシリコン加工断面形状のシリコンウエットエッチング後の加工形状に及ぼす影響を模式的に示している。図5の(a)は、垂直性の高いドライエッチングを行った例である。垂直性の高いドライエッチングでシリコンを加工することで、シリコンウエットエッチング後の加工形状はトップ層91の厚み方向の中間位置で最もくびれた形状に仕上がる。この場合はトーションバー2a、2bの回転中心は回転軸と直交する断面の重心と略一致し、トーションバー2a、2bの回転がスムーズになる。
一方、図5の(b)は、垂直性の低いドライエッチングを行った例である。垂直性の低いドライエッチングでシリコンを加工することで、シリコンウエットエッチング後の加工形状はトップ層91の厚み方向の中間位置からずれたところで最もくびれた形状に仕上がる。図5の(b)では左右同じ幅δだけ裾野が広がった例を示したが、裾野の広がりが左右で異なるδ1、δ2の場合、シリコンウエットエッチング後の加工形状はトップ層91の厚み方向の中間位置からずれたところでくびれ位置が左右で異なる位置になる。図示はしないが、上記のような場合は、トーションバー2a、2bの回転中心は回転軸と直交する断面の重心と一致しないので、トーションバー2a、2bに回転ブレの発生確率が大きくなる。尚、図5ではベース層93は省略している。
次に、図4の(d)に示すように、ドライエッチングのマスクとして用いたレジストを除去し、エッチング液を用いて、トーションバー2a、2bの側面10をウエットエッチング加工する。尚、エッチング液としては、KOH(水酸化カリウム)等の無機アルカリ溶液又はTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)等の有機アルカリ溶液が好ましい。これらエッチング液は結晶面のエッチング速度が異なる異方性ウエットエッチングで、特に図4中の(111)等価面のエッチング速度が他の結晶面のエッチング速度よりも遅い。つまり、(111)面と等価な面のエッチング速度は、(100)面等と等価な面のエッチング速度と比較して遅いので、(111)面と等価な面が出てきたところで極端にエッチングが進み難くなる。
そのため、異方性ウエットエッチングを十分にオーバーエッチングすると、トーションバー2a、2bの側面10は、図4の(d)に示すように、等価な面を二面含む面から構成される深さ方向の略中央部が窪んだ形状となる。言い換えると、反射板1表面又はベース層93表面と垂直方向の面であり、反射板1との接合面と垂直方向の面であるトーションバー2a、2bの側面10は、側面10の略中央部が窪んだ形状となる。
トーションバー2a、2bの断面形状としては、ベース層93表面と垂直方向の略中央部に向かって徐々に幅が細くなる鼓形状となる。言い換えると、トーションバー2a、2bの断面形状は、略相同である2つの略等脚台形が上底及び下底の何れか短い方同士を接合したような形状となる。つまり、トーションバー2a、2bの断面形状は、略長方形のうちトップ層91やベース層93と接触しない辺側が、当該辺を底辺とした略二等辺三角形形状で切り取られたような形状となる。すなわち、トーションバー2a、2bの断面には、V字溝が形成される。また、断面形状において、トップ層91表面と中間酸化膜層92とが形成する角の角度は、54.7°となる。尚、上記トップ層91表面と中間酸化膜層92とが形成する角の角度は特に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
ここで、例えば、90℃に加温した25.0wt%のKOH水溶液を用いてエッチングした場合にシリコン基板のエッチングレートが2.2μm/minであり、シリコン酸化膜のエッチングレートが16.4nm/minである。このように、シリコン酸化膜のエッチングレートはシリコン基板のエッチングレートと比較して十分選択比が高いので、異方性ウエットエッチング液によるマスク寸法シフトは小さく、光偏向器の駆動周波数ばらつき及び振れ角ばらつきに影響が大きいトーションバーの加工ばらつきを抑えることができる。尚、各エッチングレートは、上記に限定されるものではない。
尚、上記では、トーションバー2a、2bについて説明し、反射板1、振動板23a、23b(23c、23d)についての説明を省略したが、トーションバー2a、2bと同様の方法で加工した反射板1、振動板23a、23b(23c、23d)の側面は、トーションバー2a、2bの側面10と同様に、図4の(d)に示すように、等価な面を二面含む面から構成される深さ方向の略中央部が窪んだ形状となる。また、反射板1、振動板23a、23b(23c、23d)の断面形状としては、ベース層93表面と垂直方向の略中央部に向かって徐々に幅が細くなる鼓形状となる。これにより、反射板1、振動板23a、23b(23c、23d)の加工ばらつきを抑えることができる。
本実施形態により、トーションバー幅のエッチングマスクパターンを片面だけに設け、表裏のマスクアライメント工程を省くことで、マスクアライメント誤差によるパターン形状ばらつきを抑制することが可能となる。このとき、トーションバーの可動板表面に垂直であってトーションバー軸支方向の断面における形状は、トーションバーの厚み方向であって断面の前記可動板表面垂直方向の略中央部を中心線とし、略相同である2つの略等脚台形が上底及び下底の何れか短い方同士を中心線で接合した形状となる。これにより、トーションバーの加工ばらつきを抑制することが可能となり、製造歩留の向上が図れ、製品のコストアップを抑制することが可能となる。また、トーションバーを垂直に加工するためにボッシュプロセスを使い、短周期でデポとエッチングのサイクルを回して加工すると、シリコンの加工面にはスキャロップと称される貝殻状の微細な凹凸ができる。しかし、本実施形態では異方性ウエットエッチングにより、断面形状を鼓状に加工しているため、光偏向器の耐久性を落とす要因の1つとなっていたスキャロップを無くすことができ、光偏向器の耐久性を向上することが可能となる。
(実施形態2)
上記実施形態1では、トップ層状91に熱シリコン酸化膜3が積層された例を挙げて説明した。本実施形態では、熱シリコン酸化膜の代わりにシリコン窒化膜を適用した例について、図6に示すトーションバー2a、2bの断面形状を用いて説明する。尚、反射板1、振動板23a、23b(23c、23d)の断面形状についても同様の工程で加工を行うため、ここでは説明は省略する。また、以下では、具体的な数値を挙げて説明するが、以下に示す数値は例であり、これに限定されるものではない。
本実施形態では、上述した図3の(a)に示す工程において、LP―CVD(Low Pressure-Chemical Vapor Deposition)法によりシリコン窒化膜31を成膜する。基本的に製造工程は図3に準ずるが、本実施形態では、シリコン窒化膜の膜厚を100〜150nm程度とする。図6の(a)は、シリコン異方性ドライエッチングを行った後のトーションバー2a、2bの断面形状を示している。また、図6の(b)は、シリコン異方性ウエットエッチングを行った後のトーションバー2a、2bの断面形状を示している。
シリコン窒化膜は、シリコン酸化膜と比較して異方性ウエットエッチング液に対する耐性は大きい。例えば、上述したように、90℃に加温した25.0wt%のKOH水溶液を用いてエッチングした場合にシリコン基板のエッチングレートが2.2μm/minで、シリコン酸化膜のエッチングレートが16.4nm/minであるのに対し、シリコン窒化膜のエッチングレートは0.04nm/minである。
シリコン酸化膜のエッチングレートでもシリコン基板のエッチングレートと比較して十分マスクとして機能するが、シリコン酸化膜に代えてシリコン窒化膜を用いることで、異方性ウエットエッチング液によるマスク寸法シフトは無視できるようになる。したがって、光偏向器の駆動周波数ばらつき及び振れ角ばらつきに影響が大きいトーションバーの加工ばらつきをさらに抑えることができる。尚、各エッチングレートは、上記に限定されるものではない。
本実施形態により、トーションバーの加工ばらつきをさらに抑制することが可能となる。これにより、更なる製造歩留の向上が図れ、製品のコストアップを抑制することができる。
(実施形態3)
上記実施形態1及び実施形態2では、異方性ウエットエッチングを行う際のエッチングマスクとして、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜を適用する例について説明した。本実施形態では、単結晶シリコン(トップ層91)と圧電素子又は配線等との電気的絶縁性をシリコン酸化膜で確保しながら、シリコンの異方性ウエットエッチングでの寸法シフトを小さくするシリコン窒化膜をエッチングマスクとして適用する例について、図7に示す光偏向器のトーションバー加工工程例を用いて説明する。尚、図7は、上記図3の(e)に示した工程の詳細について説明するための図である。ここで、反射板1、振動板23a、23b(23c、23d)の断面形状についても同様の工程で加工を行うため、ここでは説明は省略する。また、以下では、具体的な数値を挙げて説明するが、以下に示す数値は例であり、これに限定されるものではない。尚、本実施形態においてトーションバー2a、2bの側面10とは、支持体を構成するトップ層91等の各層の積層方向と平行する面であり、シリコン基板の表面と略垂直方向の面を示している。
支持体9として単結晶シリコン(トップ層91)、酸化シリコン(中間酸化膜層92)、単結晶シリコン(ベース層93)の貼り合せ基板(SOI基板)を用いる。各層の厚みはそれぞれ25μm、2μm、525μmであり、上記トップ層91の表面は光学研磨処理が施されている。また、トップ層91及びベース層92は、シリコン基板から構成されている。
まず、図7の(a)に示すように、単結晶シリコン(トップ層91)最表面の熱酸化シリコン膜3に、トーションバー2a、2bを残すパターンより10μm狭い寸法のフォトマスクでパターニングしたレジストマスクを形成する。そして、図7の(b)に示すように、図7の(a)で形成したレジストマスクを用いて、熱酸化シリコン膜3をRIEでドライエッチングする。
次に、図7の(c)に示すように、図7の(b)で用いたレジストマスクを除去し、単結晶シリコン(トップ層91)上熱酸化シリコン膜3の表面でシリコン窒化膜32をプラズマCVD法で成膜する。尚、本実施形態では、シリコン窒化膜32の膜厚は、100〜150nm程度にしている。
続いて、図7の(d)に示すように、トップ層91最表面のシリコン窒化膜32に、トーションバー2a、2bを残すパターンのフォトマスクでパターニングしたレジストマスクを形成する。そして、図7の(e)に示すように、図7の(d)で形成したレジストマスクを用いて、シリコン窒化膜32をRIEでドライエッチングする。
次に、図7の(f)に示すように、図7の(e)で用いたレジストマスクをそのまま用いて、ICP−RIE装置にてトップ層91をドライエッチングによって除去加工し、トーションバー2a、2bを残して、最終的には支持体9の空隙9bとなる溝を形成する。ここで、トップ層91は、レジストマスク形状を反映した垂直性の高いエッチング条件で加工することが重要になる。垂直性の高いエッチングとしては、ボッシュプロセスと言われるエッチング加工法が好ましい。
最後に、図7の(g)に示すように、ドライエッチングのマスクとして用いたレジストを除去し、エッチング液を用いてトーションバー2a、2bの側面10をウエットエッチング加工する。エッチング液としては、KOH(水酸化カリウム)等の無機アルカリ溶液又はTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)等の有機アルカリ溶液が好ましい。これらエッチング液は結晶面のエッチング速度が異なる異方性ウエットエッチングで、特に図7中の(111)等価面のエッチング速度が他の結晶面のエッチング速度よりも遅い。つまり、(111)面と等価な面のエッチング速度は、(100)面等と等価な面のエッチング速度と比較して遅いので、(111)面と等価な面が出てきたところで極端にエッチングが進み難くなる。このため、トーションバー2a、2bの断面形状は、図7の(g)に示すような形状となる。
そのため、異方性ウエットエッチングを十分にオーバーエッチングすると、トーションバー2a、2bの側面10は、図7の(g)に示すように、等価な面を二面含む面から構成される深さ方向の略中央部が窪んだ形状となる。言い換えると、反射板1表面又はベース層93表面と垂直方向の面であり、反射板1との接合面と垂直方向の面であるトーションバー2a、2bの側面10は、側面10の略中央部が窪んだ形状となる。
トーションバー2a、2bの断面形状としては、ベース層93表面と垂直方向の略中央部に向かって徐々に幅が細くなる鼓形状となる。言い換えると、トーションバー2a、2bの断面形状は、略相同である2つの略等脚台形が上底及び下底の何れか短い方同士を接合したような形状となる。つまり、トーションバー2a、2bの断面形状は、略長方形のうちトップ層91やベース層93と接触しない辺側が、当該辺を底辺とした略二等辺三角形形状で切り取られたような形状となる。すなわち、トーションバー2a、2bの断面には、V字溝が形成される。また、断面形状において、トップ層91表面と中間酸化膜層92とが形成する角の角度は、54.7°となる。尚、上記トップ層91表面と中間酸化膜層92とが形成する角の角度は特に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
異方性ウエットエッチングのマスクとして使用したシリコン窒化膜32は、この後の工程で除去しても良いが、シリコン酸化膜3の反射板1やトーションバー2a、2bへ与える膜応力の影響を緩和する目的で残しても良い。その場合はシリコン酸化膜3及びシリコン窒化膜32の膜応力を鑑み、それぞれの膜厚を設定することが好ましい。
上記実施形態1及び上記実施形態2では、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜をエッチングマスクにしてシリコンの異方性ウエットエッチングを行った例を挙げて説明した。これらのエッチングマスクは、単結晶シリコン(トップ層)と圧電素子又は配線等と電気的絶縁を確保する目的も兼ね備えている。電気的絶縁を確保するためには十分な絶縁耐圧が得られる膜厚が必要となり、好ましくはシリコン酸化膜の方がシリコン窒化膜よりも良いことが知られている。
他方、シリコンの異方性ウエットエッチングのマスク性(エッチング耐性)としてはシリコン窒化膜の寸法シフトが小さい。本実施形態では、以上を踏まえた最適な工法であり、単結晶シリコン(トップ層)と圧電素子又は配線等との電気的絶縁性をシリコン酸化膜で確保しつつ、シリコンの異方性ウエットエッチングでの寸法シフトを小さくするシリコン窒化膜をエッチングマスクとしている。これにより、異方性ウエットエッチング液によるマスク寸法シフトは小さく、光偏向器の駆動周波数ばらつき及び振れ角ばらつきに影響が大きいトーションバーの加工ばらつきを抑えることができる。
本実施形態により、トーションバーの加工ばらつきをさらに抑制することが可能となる。これにより、製造歩留の向上を図れ、製品のコストアップを抑制することが可能となる。また、トーションバーを垂直に加工するためにボッシュプロセスを使い、短周期でデポとエッチングのサイクルを回して加工すると、シリコンの加工面にはスキャロップと称される貝殻状の微細な凹凸ができる。しかし、本実施形態では異方性ウエットエッチングにより、断面形状を鼓状に加工しているため、光偏向器の耐久性を落とす要因の1つとなっていたスキャロップを無くすことができ、光偏向器の耐久性を向上することが可能となる。
次に、上述したような光偏向器Aを備える光走査装置を搭載した光学装置及び表示装置について説明する。以下では、光学装置の例として画像形成装置を例に挙げて説明するが、光学装置はこれに限定されるものではない。
図8は、本実施形態に係る光偏向器Aを備える光走査装置を搭載した画像形成装置の概略構成例を示す。図9は、上記画像形成装置の主要部を説明するための図である。図8及び図9に示す画像形成装置100は、電子写真プロセスで光書き込みを行って画像を形成する。本実施形態に係る画像形成装置100は、画像担持体101、潜像形成部102、現像部103、転写部104、定着部106等を備えている。
画像担持体101は、図中の矢印Cの方向に回動可能に保持されて形成画像を担持する、ドラム形状の感光体である。この画像担持体101は、帯電部105によって均一に帯電される。潜像形成部102は、上記光走査装置を用いて画像担持体101であるドラム形状の感光体上に光書き込みを行って、潜像を形成する。現像部103は、形成された潜像を顕像化してトナー画像を形成する。転写部104は、形成されたトナー画像を例えば用紙等の被転写体Pに転写する。定着部106は、被転写体Pに転写されたトナー画像を定着させる。上記のような構成により画像が定着された被転写体Pは、排紙トレイ107に排紙される。
尚、トナー画像を転写部104で被転写体Pに転写した後の上記画像担持体101は、クリーニング部108でクリーニングされて次工程の画像形成に備えるようになっている。また、図9に示すように、上記光走査装置0からなる潜像形成部102は、複数個の上記光走査装置0を主走査方向に配置されていて、書き込み幅に対して、複数個の上記光走査装置0により書き込みが行なわれるようにしてもよい。
光源102aは、半導体レーザであり、図示しない画像信号生成装置による画像信号に基づき発光する。光源102aからの入射光束Rを、第1のレンズシステム102bを介して上記光走査装置0に照射する。光走査装置0は、画像情報に応じて反射板(可動板)1のミラーを通じ、入射光束Rを第2のレンズシステム102cを介することで、画像担持体101上の表面に結像させるようになっている。
また、本実施形態に係る光偏向器Aを備える光走査装置を搭載した他の光学装置として、図10に示す読取装置200が挙げられる。以下、本実施形態に係る光偏向器Aを備える読取装置200について、図12を用いて説明する。尚、図12では、読取装置200がバーコードリーダやスキャナである例を挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
読取装置200は、光走査装置0が光走査を行って、読み取りを行う入射光束Rの反射方向を変えて被読み取り面Oを照射し、光走査装置0の光走査による被読み取り面Oの光情報を受光素子201で受光して読み取りを行う。光走査装置0は、光源202からの入射ビームRを反射板(可動板)1のミラーにより反射し、投影レンズ203及び絞り204を介して被読み取り面Oに投影する。
また、本実施形態に係る光偏向器Aを備える表示装置としては、レーザ光をスキヤニングして映像を投影する表示装置が挙げられる。例えば、表示装置は、少なくとも1以上の上記光偏向器と、変調可能な光源と、制御部を備える。制御部は、光偏向器Aの反射板1の動作と光源の変調を制御する。例えば、制御部が、少なくとも1以上の光偏向器を制御し、光源から発射された光線を走査して、表示する情報に対応してレーザ発振器を変調することで、表示部に画像を表示することができる。
このように、本実施形態に係る光偏向器Aを備える光走査装置0を具備する光学装置や表示装置は、部品数が少なく小型で製造コストも低く高精度で高速化にも対応出来るようになる。
以上好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した光偏向器、光偏向器の製造方法、光学装置及び表示装置に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるということは言うまでもない。