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JP5516353B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタキャップを備えたコネクタに関する。
従来、車両におけるエアコンなどの機器に接続された機器側コネクタに接続されるコネクタとして、例えば特許文献1記載のものが知られている。このコネクタは、フード部を有するコネクタハウジングと、フード部の外面に回動可能に設けられたレバーとを備えて構成されている。フード部は、機器側コネクタと前後方向に嵌合可能に設けられている。フード部の内周側には、凹状のリブ収容部が前後方向に延びて設けられている。リブ収容部には、機器側コネクタの外周面に設けられたリブが嵌合されるようになっている。リブ収容部は、フード部内に機器側コネクタを嵌合させる際に、機器側コネクタのリブを収容することで、コネクタハウジングに対して機器側コネクタが上下逆向きに嵌合されることを防止している。
レバーは、初期位置と嵌合位置との間を回動可能に設けられている。このレバーには、機器側コネクタに設けられたカムピンに係合可能なカム溝が設けられている。コネクタハウジングと機器側コネクタとを嵌合させる際に、レバーを初期位置から嵌合位置へ回動操作することで、カムピンとカム溝が係合し、コネクタハウジングと機器側コネクタとがカム作用によって嵌合するようになっている。
また、フード部には、機器側コネクタのカムピンを収容するためにフード部の開口縁から後方に切り欠かれた切欠部が設けられている。一方、レバーには、切欠部と係止することによりレバーを初期位置に保持する係止突起が設けられている。このため、レバーを初期位置から嵌合位置へ回動操作させる際には、切欠部と係止突起との係止状態を解除する必要がある。そこで、機器側コネクタには、前記係止状態を解除させる解除リブが設けられている。両コネクタを嵌合させると、解除リブによって係止突起が解除方向に押し込まれて前記係止状態が解除されるようになっている。
ところで、例えば車両の種類によってはエアコンが搭載されない場合があり、その場合にはエアコンなどの機器に設けられた機器側コネクタに嵌合されない空きコネクタハウジングが車両内に留め置かれることになる。そのため、空きコネクタハウジングに対しては、そのコネクタハウジングの内部に水や埃などの異物が進入しないようにコネクタキャップが嵌合される。このようなコネクタキャップとしては、特許文献2に記載のものが知られている。また、この種のコネクタキャップは、その外面にブラケット装着部を設けることで、車両に設けられたブラケットに組付け固定され、このコネクタキャップに嵌合されたコネクタハウジングが車両内でふらつかないように固定している。
特開2009−64719号公報 特開2009−152001号公報
ところが、コネクタハウジングとコネクタキャップとが正規の嵌合姿勢に対して上下反転した不正な嵌合姿勢で嵌合されると、コネクタハウジングのレバーとコネクタキャップのブラケット取付部とが同じ側に配置されるため、レバーと車両のブラットとが干渉してしまいブラケットにコネクタキャップを組付けできなくなる。そのため、コネクタキャップにおいても、コネクタハウジングに対してコネクタキャップが不正な嵌合姿勢で嵌合しないようにしておく必要がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コネクタキャップとコネクタハウジングとが不正な嵌合姿勢で嵌合できないようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として本発明は、レバーを操作することによりコネクタキャップとコネクタハウジングとが嵌合および離脱するように構成されたコネクタであって、前記コネクタハウジングには、前記コネクタキャップが内部に嵌合するフード部が設けられており、前記レバーは、対向する一対の側板と、前記両側板を連結する連結部とを備えて構成されており、前記両側板には、前記コネクタキャップに設けられたカムピンに係合可能なカム溝と、このカム溝に隣接して配置された係止突起とが設けられ、前記レバーは、嵌合初期位置と嵌合完了位置との間を移動可能とされており、前記レバーを前記嵌合初期位置から前記嵌合完了位置まで移動させることで前記カムピンと前記カム溝との係合によるカム作用によって前記コネクタハウジングと前記コネクタキャップとが互いに嵌合されるように構成されており、前記コネクタキャップにおける前記カムピンと隣接する位置には、解除部が設けられており、前記フード部には、前記カムピンと前記解除部とを一括して内部に収容可能な切欠部が設けられており、前記レバーは、前記係止突起と前記切欠部とが係止することで前記嵌合初期位置で保持されており、前記コネクタハウジングと前記コネクタキャップとを正規の嵌合姿勢で組み付けた際には、前記嵌合初期位置で前記解除部が前記係止突起を押圧して前記レバーの前記両側板を開き変形させることで前記係止突起と前記切欠部との係止状態を解除して前記レバーが前記嵌合完了位置に向けて移動可能となる一方、前記コネクタハウジングもしくは前記コネクタキャップの何れか一方が上下逆方向に反転した不正な嵌合姿勢で前記コネクタハウジングと前記コネクタキャップとを組み付けた際には、前記切欠部の開口縁部のうち前記カムピンの入口側であって正規に組み付けた場合における前記解除部とは対向しない側の開口縁部に対して前記解除部が嵌合方向に当接するようになっており、前記不正な嵌合姿勢で組み付けた際における前記嵌合初期位置では、前記フード部内に前記コネクタキャップの嵌合方向前端部が嵌合すると共に、前記カムピンが前記カム溝に進入するようになっており、前記解除部は、前記カムピンの基端部側において、前記カムピンの前端位置よりも嵌合方向後方に配置されるように前記カムピンと一体に設けられているところに特徴を有する。
ここで、「コネクタキャップの嵌合方向前端部」とは、コネクタキャップの先端部を示しており、以下の説明において「コネクタキャップの先端部」と表現する場合もある。
このような構成のコネクタによると、コネクタハウジングに対してコネクタキャップを不正な嵌合姿勢で嵌合させようとした際に、解除部が切欠部の開口縁部に当接するので、コネクタハウジングとコネクタキャップとを不正な嵌合姿勢で嵌合できないようにすることができる。また、係止突起と切欠部との係止状態を解除する解除部を用いてコネクタハウジングとコネクタキャップとを不正な嵌合姿勢で嵌合できないようにすることができる。すなわち、解除部を逆嵌合防止部として兼用させることで、コネクタキャップに逆嵌合防止部を別途設けることなく、コネクタハウジングとコネクタキャップとが上下逆方向に嵌合できないようにすることができる。この結果、コネクタキャップの構造を簡素化することができ、コネクタキャップを成形する金型も簡素化することができる。
また、コネクタハウジングとコネクタキャップとを不正な嵌合姿勢で組み付けた際に、コネクタキャップの先端部がフード部内に嵌合することでコネクタキャップとコネクタハウジングとの相対的な位置関係が定まるため、解除部が切欠部内に進入することなく、解除部を切欠部の開口縁部に確実に当接させることができる。
また、コネクタハウジングとコネクタキャップとを不正な嵌合姿勢で組み付けた際に、カムピンがカム溝に進入することでコネクタキャップとコネクタハウジングとの相対的な位置関係が定まるため、解除部が切欠部内に進入することなく、解除部を切欠部の開口縁部に確実に当接させることができる。
また、カムピンと解除部とを個別に成形する場合に比べて、カムピンと解除部とを互いに補強することができる。また、カムピンと解除部とを内部に収容する切欠部を小型化することができる。これに伴って、フード部に大きな切欠部を形成した場合よりもフード部の剛性低下を抑えることができる。
本発明によれば、コネクタキャップとコネクタハウジングとが不正な嵌合姿勢で嵌合できないようにすることができる。
実施形態に係るコネクタキャップとコネクタハウジングとを正規の嵌合姿勢で組み付ける前の状態を示す斜視図 実施形態に係るコネクタハウジングの正面図 実施形態に係るコネクタキャップの正面図 同側面図 実施形態に係るコネクタキャップとコネクタハウジングとを正規嵌合した状態を示す側面図 実施形態に係るコネクタキャップとコネクタハウジングとを不正な嵌合姿勢で組み付けて切欠溝の開口縁部に解除部が当接した状態を示す斜視図 実施形態に係るコネクタキャップとコネクタハウジングとを不正な嵌合姿勢で組み付けて切欠溝の開口縁部に解除部が当接した状態を示す側面図
<実施形態>
本発明の一実施形態について図1乃至図7を参照しながら説明する。
本実施形態に係るコネクタは、レバー30を回動可能に支持するコネクタハウジング10と、コネクタハウジング10に嵌合されるコネクタキャップ50とを備えて構成されている。尚、以下の説明において「前」及び「後」とは、コネクタハウジング10とコネクタキャップ50とを嵌合させるための操作方向の前側及び後側をいう。
コネクタハウジング10は合成樹脂製であって、図1及び図2に示すように、幅方向に横長とされ、前後方向略中央部より前側には前方に開口するフード部11が設けられている。フード部11の開口部は、上下四隅の角部が丸みを帯びた横長の略矩形状であって、上下方向にほぼ対称な形状に形成されている。フード部11内には、コネクタハウジング10の後方からフード部11の奥壁を貫通して、更に前方に向かって延びる端子収容部12が設けられている。この端子収容部12は、その内部に図示しない雌型端子金具を収容可能としている。また、端子収容部12の外周面におけるフード部11の奥端には、ゴムリング13が装着され、更に、その前方には、ゴムリング13を前方向に抜け止めするゴムリングホルダ14が端子収容部12の前端部を覆うように装着されている。
また、フード部11の幅方向両側壁には、フード部11の前縁から後方に向かって切り欠かれた切欠溝(本発明の「切欠部」に相当する)15が形成されている。この切欠溝15は、前方に開口して、且つ、フード部11の両側壁を幅方向に貫通して設けられている。また、コネクタハウジング10の幅方向両外側面における切欠溝15のやや後方の位置にはレバー30を回動可能に支持する支持ピン16がそれぞれの外側面から幅方向外側に突出して設けられている。また、コネクタハウジング10の後方上面には、レバー30を係止するための係止部17が設けられている。
レバー30は合成樹脂製であって、図2に示すように、正面視U字状をなし、対向する一対の側板31と、両側板31の前端上面同士を連結する連結部32とを備えて構成されている。両側板31は、図1に示すように、平板状をなし、外周端面の角部が丸みを帯びた形態をなしている。
両側板31には、図5に示すように、コネクタハウジング10の支持ピン16に嵌合可能な軸孔33が貫通して設けられている。この各軸孔33にコネクタハウジング10の支持ピン16をそれぞれ嵌合させることで、レバー30はコネクタハウジング10に回動可能に支持されている。また、レバー30は、図1に示すように、連結部32がフード部11の開口縁部に沿って配された嵌合初期位置と、図5に示すように、連結部32がコネクタハウジング10の係止部17に係止された嵌合完了位置との間を回動可能とされている。また、レバー30は、図2に示すように、両側板31がコネクタハウジング10を幅方向両側から挟み込むようにコネクタハウジング10に支持されている。
また、側板31には、コネクタハウジング10の側面と対向する側の面と、側板31の外周端面と、に開口するカム溝34がそれぞれ設けられている。このカム溝34は、側板31の外周端面に設けられた開口位置からやや軸孔33に向かって直線状に延びた後、軸孔33に沿うように弧状に形成されている。カム溝34における側板31の外周端面側の開口は、後述するカムピン51が進入可能なカムピン51の入口であって、図1および図2に示すように、レバー30が嵌合初期位置に配された状態では、前方に臨んだ状態となっている。また、カム溝34におけるカムピン51の入口から軸孔33に向かって直線状に延びた部分は、レバー30が嵌合初期位置に配された状態では、フード部11の切欠溝15に沿うように設定されている。
一方、コネクタキャップ50は合成樹脂製であって、幅方向に横長で前方に開口したフード状に形成されている。また、コネクタキャップ50における前方端部の外周形状は、上下四隅の角部が丸みを帯びた横長な略矩形状であって、上下対称に設けられている。
コネクタキャップ50は、コネクタハウジング10のフード部11内に嵌合可能とされており、フード部11内に嵌合された際には、コネクタキャップ50の前後方向略中央部よりも前方側がフード部11内に収容されるようになっている。また、コネクタキャップ50がフード部11内の正規の位置まで嵌合されると、フード部11内の端子収容部12はコネクタキャップ50内に収容されるようになっている。また、コネクタキャップ50がフード部11内の正規の位置まで嵌合されて、コネクタキャップ50内に端子収容部12が収容されると、端子収容部12に装着されたゴムリング13はコネクタキャップ50の内周面に密着し、端子収容部12とコネクタキャップ50との間を液密状にシールするようになっている。
また、コネクタキャップ50は、コネクタハウジング10のフード部11よりも一回り小径に設けられている。これにより、コネクタキャップ50とコネクタハウジング10とは、正規に嵌合した際に、コネクタキャップ50の外周面とフード部11の内周面との間に全周に亘って僅かなクリアランスを有した状態で嵌合されるようになっている。このように、機器に設けられた図示しない機器側コネクタが嵌合されないコネクタハウジング10に対しては、コネクタキャップ50を嵌合させることで、水や埃などの異物が端子収容部12内に浸入することを防止することができるようになっている。
また、コネクタキャップ50の幅方向両側に位置する外側面には、図3及び図4に示すように、円柱状をなす一対のカムピン51が設けられている。また、カムピン51は、コネクタキャップ50の両外側面から幅方向外側に突出して形成されている。また、カムピン51は、コネクタキャップ50の前縁からやや後方で、且つ、上下方向中央の位置に配されている。すなわち、コネクタキャップ50のカムピン51よりも前方側の外周形状は、両カムピン51の軸心を結ぶ線を中心に上下対称となっている。
カムピン51の外径寸法は、切欠溝15及びカム溝34の溝幅よりも小さく設けられており、図1及び図4に示すように、レバー30が嵌合初期位置に配置された状態においては、カムピン51が切欠溝15及びカム溝34に進入可能とされている。また、コネクタハウジング10とコネクタキャップ50とを嵌合させる際には、まず、フード部11内にコネクタキャップ50の先端部を嵌合させてカムピン51を切欠溝15及びカム溝34に挿入させ、レバー30を嵌合初期位置から嵌合完了位置まで回動させてカムピン51とカム溝34とを係合させることで、コネクタハウジング10とコネクタキャップ50とがカム作用によって互いに引き寄せられて正規に嵌合されるようになっている。
また、コネクタキャップ50の下面には、図1及び図3に示すように、ブラケット装着部52が設けられている。このブラケット装着部52は、車両に設けられた図示しないブラケットに装着されることで、コネクタキャップ50に嵌合されたコネクタハウジング10が車両内でふらつかないように車両に固定する役割を果たしている。
さて、コネクタキャップ50の幅方向両側にはカムピン51の基端側にカムピン51と一体に解除部53が設けられている。この解除部53は、図3及び4に示すように、カムピン51の前端から斜め上後方に向かって弧状に設けられている。すなわち、カムピン51の基端部は、ブラケット装着部52が設けられた側(下側)とは反対側(上側)に解除部53が膨出した形態となっており、カムピン51の前端より後方は上下非対称となっている。また、解除部53は、図1に示すように、カムピン51の前端の位置から後方に向かってコネクタキャップ50の側面から離れる方向に傾斜する前方傾斜面53Aを有しており、前方傾斜面53Aの後端からコネクタキャップ50の側面と平行となるように後方にやや延びた後、コネクタキャップ50の側面に向かって傾斜した形態をなしている。
また、フード部11の切欠溝15は、カムピン51及び解除部53の外周形状に適合して、切欠溝15における後方上端が弧状に設けられている。また、切欠溝15の上下方向の幅寸法は、解除部53の上下方向の幅寸法よりも僅かに大きく、カムピン51及び解除部53の形状に沿って形成されている。これにより、切欠溝15には、図5に示すように、コネクタハウジング10とコネクタキャップ50とが正規の嵌合姿勢で嵌合された際には、カムピン51及び解除部53が前方から一括して内部に収容されるようになっている。すなわち、切欠溝15の前端開口における上下方向の中央位置は、フード部11の前端開口における上下方向中央位置よりも僅かに上方に位置している。これにより、切欠溝15には、図5に示すように、コネクタハウジング10とコネクタキャップ50とが正規の嵌合姿勢で嵌合された際には、カムピン51及び解除部53が前方から一括して内部に収容されるようになっている。また、切欠溝15の内部にカムピン51及び解除部53を収容した状態では、切欠溝15における上下方向の中央位置は、カムピン51の軸心よりもやや上方に偏心して配されている。
一方、レバー30の側板31には、図2に示すように、前後方向に延びる係止突起35が設けられている。また、係止突起35は、カム溝34の上側開口縁部に位置している。この係止突起35は、フード部11の切欠溝15に幅方向外側から内側に向かって嵌り込んで収容可能とされている。また、係止突起35は、レバー30が嵌合初期位置に配置された際に、切欠溝15内に収容され、切欠溝15の内壁における上面と係止することで、レバー30を嵌合初期位置に保持するようになっている。また、係止突起35は、図1に示すように、切欠溝15内において解除部53の進入経路上に配されている。これにより、コネクタハウジング10とコネクタキャップ50とを正規の嵌合姿勢に組み付けた時には、切欠溝15内に解除部53が収容され、解除部53の前方傾斜面53Aが係止突起35に当接する。更にそのまま、コネクタハウジング10とコネクタキャップ50とを嵌合させると、係止突起35が前方傾斜面53Aに摺接しながら解除部52に乗り上げた状態となり、両側板31が開き変形することで、係止突起35と切欠溝15の内壁上面との係止状態が解除され、嵌合初期位置に保持されたレバー30の回動が許容される。
本実施形態は以上のような構成であって、続いてその作用を説明する。
まず、図1に示すように、コネクタキャップ50とコネクタハウジング10とを互いに正規の嵌合姿勢に向かい合わせ、コネクタキャップ50とコネクタハウジング10とを組み付ける。
コネクタキャップ50とコネクタハウジング10とを組み付けて、コネクタキャップ50の先端部とコネクタハウジング10のフード部11とを浅く嵌合させると、カムピン51が前方からカム溝34の入口に僅かに進入し、続けてフード部11の切欠溝15に進入する。このとき、解除部53もカムピン51と共に、前方から切欠溝15に進入し、両解除部53によって両側板31が開き方向に変形して、レバー30が回動可能とされる。
引き続き、レバー30を嵌合初期位置から嵌合完了位置へ回動させると、カムピン51がカム溝34に沿ってカム溝34の奥部へ移動し、カムピン51とカム溝34のカム作用によってコネクタキャップ50とコネクタハウジング10とが互いに引き寄せられる。そして、レバー30が嵌合完了位置に至ると、コネクタキャップ50とコネクタハウジング10とが正規に嵌合される。
ところが、コネクタキャップ50もしくはコネクタハウジング10のどちらかが上下逆方向に反転した不正な嵌合姿勢でコネクタキャップ50とコネクタハウジング10とを組み付け、コネクタキャップ50の先端部とコネクタハウジング10のフード部11とを浅く嵌合させると、カムピン51がカム溝34に僅かに進入したところで、図6及び図7に示すように、切欠溝15の前端下側開口縁(フード部11の前縁)に解除部53が前方から当接する。詳細には、フード部11の前端開口にコネクタキャップ50の先端部を嵌合させ、レバー30のカム溝34に対してカムピン51を進入させると、カムピン51が切欠溝15の下方部分に進入することになり、カムピン51の更に下方に位置する解除部53は切欠溝15に進入することなく、切欠溝15の前端下側開口縁に前方から当接する。すなわち、切欠溝15の前端開口縁部のうち、コネクタキャップ50とコネクタハウジング10とを正規な嵌合姿勢で組み付けた場合における解除部53とは対向しない側の開口縁部(図7における図示下側の開口縁部)に解除部53が前方から当接する。これにより、解除部53と切欠溝15の前端下側開口縁とが当接した位置からコネクタキャップ50とコネクタハウジング10とを更に嵌合させることができなくなることをもって不正な嵌合状態であることが検知される。こうして、コネクタキャップ50とコネクタハウジング10とが不正な嵌合姿勢で嵌合されることを防止することができる。
以上のように、本実施形態では、係止突起35と切欠溝15との係止状態を解除する解除部53を、コネクタハウジング10とコネクタキャップ50とが不正な嵌合姿勢で嵌合できないようにする逆嵌合防止として兼用することができる。したがって、コネクタキャップ50に逆嵌合防止部材を別途設ける必要がなく、コネクタキャップ50の構造を簡素化することができる。この結果、コネクタキャップ50を成形する金型を簡素化することが可能となり、製造コストの低減を図ることができる。
また、コネクタキャップ50におけるカムピン51はレバー30のカム溝34と係合してコネクタキャップ50とコネクタハウジング10とをカム作用によって嵌合させ、解除部53はレバー30の係止突起35と当接することでレバー30の両側板31を開き変形させるので、カムピン51及び解除部53には、大きな負荷がかかることになる。その点、本実施形態によると、カムピン51の基端側に解除部53がカムピン51と一体に設けられているので、カムピン51と解除部53とが互いに補強する関係となり、カムピン51及び解除部53を個別に成形する場合に比べて、好適である。更に、解除部53をカムピン51と一体に形成したので、カムピン51と解除部53とを内部に収容する切欠溝15を小型化することができる。これにより、フード部11に大きな切欠溝を形成した場合に比べてフード部11の剛性低下を抑えることができるようになっている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、コネクタハウジング10にレバー30が回動可能に設けられた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、レバーがスライド可能に設けられたスライドレバー式のコネクタに適用させてもよい。
(2)上記実施形態では、切欠溝15の後端部にカムピン51及び解除部53の先端部が配されるような構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、切欠溝15が後方に向かって深く切り欠かれることで、カムピン51及び解除部53の先端部が切欠溝15の中央に配されるように構成してもよい。
(3)上記実施形態では、コネクタハウジング10のフード部11における開口部及びコネクタキャップ50の開口部の外周形状を上下四隅の角部が丸みを帯びた略矩形状に構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、フード部11における開口部及びコネクタキャップ50の開口部の外周形状が円形や楕円形、若しくは上下四隅の角部が尖った矩形状に形成されていてもよい。
10:コネクタハウジング
11:フード部
15:切欠溝(切欠部)
30:レバー
31:側板
32:連結部
34:カム溝
35:係止突起
50:コネクタキャップ
51:カムピン
53:解除部

Claims (1)

  1. レバーを操作することによりコネクタキャップとコネクタハウジングとが嵌合および離脱するように構成されたコネクタであって、
    前記コネクタハウジングには、前記コネクタキャップが内部に嵌合するフード部が設けられており、
    前記レバーは、対向する一対の側板と、前記両側板を連結する連結部とを備えて構成されており、
    前記両側板には、前記コネクタキャップに設けられたカムピンに係合可能なカム溝と、このカム溝に隣接して配置された係止突起とが設けられ、
    前記レバーは、嵌合初期位置と嵌合完了位置との間を移動可能とされており、前記レバーを前記嵌合初期位置から前記嵌合完了位置まで移動させることで前記カムピンと前記カム溝との係合によるカム作用によって前記コネクタハウジングと前記コネクタキャップとが互いに嵌合されるように構成されており、
    前記コネクタキャップにおける前記カムピンと隣接する位置には、解除部が設けられており、
    前記フード部には、前記カムピンと前記解除部とを一括して内部に収容可能な切欠部が設けられており、
    前記レバーは、前記係止突起と前記切欠部とが係止することで前記嵌合初期位置で保持されており、
    前記コネクタハウジングと前記コネクタキャップとを正規の嵌合姿勢で組み付けた際には、前記嵌合初期位置で前記解除部が前記係止突起を押圧して前記レバーの前記両側板を開き変形させることで前記係止突起と前記切欠部との係止状態を解除して前記レバーが前記嵌合完了位置に向けて移動可能となる一方、
    前記コネクタハウジングもしくは前記コネクタキャップの何れか一方が上下逆方向に反転した不正な嵌合姿勢で前記コネクタハウジングと前記コネクタキャップとを組み付けた際には、前記切欠部の開口縁部のうち前記カムピンの入口側であって正規に組み付けた場合における前記解除部とは対向しない側の開口縁部に対して前記解除部が嵌合方向に当接するようになっており、
    前記不正な嵌合姿勢で組み付けた際における前記嵌合初期位置では、前記フード部内に前記コネクタキャップの嵌合方向前端部が嵌合すると共に、前記カムピンが前記カム溝に進入するようになっており、
    前記解除部は、前記カムピンの基端部側において、前記カムピンの前端位置よりも嵌合方向後方に配置されるように前記カムピンと一体に設けられていることを特徴とするコネクタ。
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