JP5505338B2 - インジェクタの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1によれば、コモンレールにおいて高圧の燃料が流動する空間や通路に圧力印加媒体を注入することで、壁面を塑性変形させるとともに塑性変形した壁面に連なる壁面近傍領域を弾性変形させて残留圧縮応力を付与して耐圧性を高めている。
請求項1の手段によれば、インジェクタは、燃料供給源から高圧の燃料を受け入れる本体と、本体の軸方向先端側に締結されて本体から高圧の燃料を受け入れて噴射する噴射ノズルとを備える。また、本体は、受け入れた高圧の燃料を噴射ノズルに導く高圧孔と、高圧孔とは別に設けられる別孔とを有する。
これにより、高圧孔の孔壁に圧縮残留応力を付与しても、別孔の内周の変形を柱状治具により抑制することができる。
請求項2の手段によれば、耐圧性向上工程では、別孔に柱状治具を挿入するとともに、本体の外径に略一致する内径を有する筒状治具に本体を挿入した状態で、高圧孔にオートフレッテージを施す。
これにより、別孔の内周の変形を柱状治具により抑制することができるとともに、本体の外周の変形を筒状治具により抑制することができる。
請求項3の手段によれば、柱状治具は一端に向かって円錐状に縮径しており、耐圧性向上工程では、柱状治具の一端部を別孔に挿入する。
これにより、柱状治具の挿入および引抜を容易に行うことができる。
請求項4の手段によれば、インジェクタは、本体内に収容されて噴射ノズルのアクチュエータとして機能する電磁弁を備え、別孔は電磁弁を収容する収容孔である。
これにより、本体の収容孔に電磁弁を収容するインジェクタにおいて、収容孔の内周の変形を抑制して電磁弁の収容を円滑に行うことができる。
請求項5の手段によれば、柱状治具は複数の部品に分割されている。
これにより、柱状治具の挿入および引抜を容易に行うことができる。
また、耐圧性向上工程では、別孔に柱状治具を挿入するとともに、本体の外径に略一致する内径を有する筒状治具に本体を挿入した状態で、高圧孔にオートフレッテージを施す。
なお、実施形態1の製造方法により製造されるインジェクタは、本体内に収容されて噴射ノズルのアクチュエータとして機能する電磁弁を備え、別孔は電磁弁を収容する収容孔である。
実施形態2のインジェクタの製造方法によれば、柱状治具は複数の部品に分割されている。
実施例1のインジェクタ1の構成を、図1を用いて説明する。
インジェクタ1は、100MPaを超える超高圧の噴射圧により燃料を噴射供給することができるものであり、例えば、ディーゼルエンジン(図示せず)に搭載されて燃焼室(図示せず)に燃料を直接的に噴射供給する。
なお、高圧流路16とは、燃料供給源から受け入れた高圧の燃料が各種のクリアランス等を通過することなく低圧化していない状態で流動する流路である。
ここで、コイルスプリング11は、摺動軸部18の後端に配されたシム25と筒状部材13とにより軸方向に伸縮自在となるようにセットされてスプリング室20に収容されている。これにより、コイルスプリング11は、ノズルニードル9を軸方向先端側(閉弁方向)に付勢するとともに、筒状部材13を軸方向後端側に付勢してチップパッキン6に圧接させている。
ここで、低圧流路とは、高圧流路16の燃料圧よりも大幅に低圧の燃料が流れる燃料流路であり、高圧の燃料が各種のクリアランス等を通過することにより低圧化した状態で流動する流路である。
実施例1のインジェクタ1の製造方法を、図2を用いて説明する。
まず、インジェクタ1の製造方法は、オートフレッテージにより、高圧孔34の孔壁に圧縮残留応力を付与する耐圧性向上工程を備える。
そして、耐圧性向上工程では、収容孔35の孔径に略一致する径を有する柱状治具37を収容孔35に挿入した状態で、高圧孔34にオートフレッテージを施す。ここで、柱状治具37は一端に向かって円錐状に縮径しており、柱状治具37の一端部が収容孔35に挿入される。
実施例1のインジェクタ1の製造方法によれば、耐圧性向上工程では、収容孔35の孔径に略一致する径を有する柱状治具37を収容孔35に挿入した状態で、高圧孔34にオートフレッテージを施す。
これにより、高圧孔34の孔壁に圧縮残留応力を付与しても、収容孔35の内周の変形を柱状治具37により抑制することができる。
これにより、収容孔35の内周の変形を柱状治具37により抑制することができるとともに、本体2の外周の変形を筒状治具38により抑制することができる。
これにより、柱状治具37の挿入および引抜を容易に行うことができる。
これにより、高圧孔34のオートフレッテージ処理に伴う収容孔35の内周の変形を抑制して電磁弁5の収容を円滑に行うことができる。
実施例2のインジェクタ1の製造方法によれば、柱状治具37は、例えば3つの部品37a、37b、37cに分割されている。
これにより、柱状治具37の挿入および引抜を容易に行うことができる。
インジェクタ1の態様は、実施例1、2に限定されず種々の変形例を考えることができる。
例えば、実施例1、2のインジェクタ1によれば、流出路28と連通する低圧流路は電磁弁5に設けられていたが、高圧孔34や収容孔35とは別に本体2に低圧流路を設けて流出路28と連通させてもよい。この場合、本体2に設けた低圧流路に対しても別途に柱状治具37を設け、収容孔35ばかりでなく、本体2に設けた低圧流路にも柱状治具37を挿入することにより、低圧流路の内周が高圧孔34のオートフレッテージ処理に伴って変形するのを抑制することができる。
2 本体
3 噴射ノズル
5 電磁弁
34 高圧孔
35 収容孔(別孔)
37 柱状治具
38 筒状治具
37a〜37c 部品
Claims (5)
- 燃料供給源から高圧の燃料を受け入れる本体(2)と、この本体(2)の軸方向先端側に締結されて前記本体(2)から高圧の燃料を受け入れて噴射する噴射ノズル(3)とを備え、
前記本体(2)は、受け入れた高圧の燃料を前記噴射ノズル(3)に導く高圧孔(34)と、この高圧孔(34)とは別に設けられる別孔(35)とを有するインジェクタ(1)の製造方法において、
オートフレッテージにより、前記高圧孔(34)の孔壁に圧縮残留応力を付与する耐圧性向上工程を備え、
この耐圧性向上工程では、前記別孔(35)の孔径に略一致する径を有する柱状治具(37)を前記別孔(35)に挿入した状態で、前記高圧孔(34)にオートフレッテージを施すことを特徴とするインジェクタ(1)の製造方法。 - 請求項1に記載のインジェクタ(1)の製造方法において、
前記耐圧性向上工程では、前記別孔(35)に前記柱状治具(37)を挿入するとともに、前記本体(2)の外径に略一致する内径を有する筒状治具(38)に前記本体(2)を挿入した状態で、前記高圧孔(34)にオートフレッテージを施すことを特徴とするインジェクタ(1)の製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載のインジェクタ(1)の製造方法において、
前記柱状治具(37)は一端に向かって円錐状に縮径しており、
前記耐圧性向上工程では、前記柱状治具(37)の一端部を前記別孔(35)に挿入することを特徴とするインジェクタ(1)の製造方法。 - 請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載のインジェクタ(1)の製造方法において、
前記インジェクタ(1)は、前記本体(2)内に収容されて前記噴射ノズル(3)のアクチュエータとして機能する電磁弁(5)を備え、
前記別孔(35)は前記電磁弁(5)を収容する収容孔(35)であることを特徴とするインジェクタ(1)の製造方法。 - 請求項1ないし請求項4の内のいずれか1つに記載のインジェクタ(1)の製造方法において、
前記柱状治具(37)は複数の部品(37a、37b、37c)に分割されていることを特徴とするインジェクタ(1)の製造方法。
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