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JP2007297962A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

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JP2007297962A
JP2007297962A JP2006125956A JP2006125956A JP2007297962A JP 2007297962 A JP2007297962 A JP 2007297962A JP 2006125956 A JP2006125956 A JP 2006125956A JP 2006125956 A JP2006125956 A JP 2006125956A JP 2007297962 A JP2007297962 A JP 2007297962A
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Naoki Kurimoto
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Abstract

【課題】弁ボディ2とニードル3との同軸性を向上できる燃料噴射ノズル1の提供。
【解決手段】
ニードル3は、長手方向の中間部3aが中心穴9の内周面に摺動可能に支持されると共に、上端部(ニードルヘッド3b)がシリンダ4の内周に摺動可能に挿入されている。シリンダ4は、中心穴9の上端部内周に微小なクリアランスを有して摺動可能に挿入されると共に、スプリング5に付勢されてプレート7の下端面に押し付けられ、そのプレート7の下端面とニードルヘッド3bの上端面との間に圧力制御室16を形成している。
これにより、シリンダ4を介してニードルヘッド3bを弁ボディ2に対し径方向に位置決めできると共に、ニードル3の中間部3aでも弁ボディ2に対し径方向に位置決めできるので、弁ボディ2とニードル3との同軸度が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射ノズルに関する。
従来、コモンレールに蓄圧された高圧燃料を内燃機関の燃焼室に噴射するインジェクタが知られている。このインジェクタは、図7に示す様に、弁ボディ110、ニードル120、シリンダ130等で構成される燃料噴射ノズル100を備えている。
弁ボディ110には、ニードル120を収納する穴111と、この穴111の先端部(図示下端部)に形成される円錐状のシート面112と、このシート面112の下流側に凹設されたサック室113と、このサック室113に通じる噴孔114等が形成されている。穴111は、弁ボディ110の上端面に組み付けられるプレート140により密閉され、そのプレート140に形成される燃料供給孔141より導入される高圧燃料(180〜200Mpa程度)で常時満たされている。
ニードル120は、穴111の内部に往復動可能に挿入され、先端部に噴孔114を開閉するシート部121が設けられている。
シリンダ130は、穴111の上部に配置され、ニードル120の上端部(反シート部側の端部)の外周に摺動自在に嵌合すると共に、スプリング150に付勢されてプレート140に押し付けられ、そのプレート140とニードル120の上端面との間に圧力制御室160を形成している。
スプリング150は、ニードル120の段差に係止されたばね座170と、シリンダ130に設けられたつば部131との間に配設され、ニードル120を閉弁方向(図示下方)に付勢している。
圧力制御室160は、シリンダ130の壁面に開口するオリフィス180を通じて高圧燃料が常時導入されると共に、低圧側に通じる低圧通路190の開閉状態に応じて圧力が変化(増減)する。
低圧通路190には、図示しない電磁アクチュエータに連結された弁体200が配設され、この弁体200によって低圧通路190の開閉が行われる。
上記の燃料噴射ノズル100は、弁体200が低圧通路190を開くと、圧力制御室160の圧力が低圧側に開放されて、ニードル120を図示上方へ付勢する燃料圧力が開弁圧より高くなると、ニードル120がリフトして噴孔114より燃料が噴射される。その後、弁体200が低圧通路190を閉じると、圧力制御室160の圧力が増大して、ニードル120を図示上方へ付勢する燃料圧力が閉弁圧より低くなると、ニードル120が閉弁して燃料の噴射を停止する。
特表2003−506622号公報
ところが、上記の燃料噴射ノズル100は、穴111の内周とシリンダ130の外周との間に大きなクリアランスを有している。つまり、シリンダ130は、スプリング150によってプレート140に押し付けられているだけで、径方向の移動が規制されていないため、プレート140に対し径方向に自由に動くことができる。この構成では、シリンダ130に支持されたニードル120の上端部を径方向に位置決めできないため、弁ボディ110の中心軸に対しニードル120の同軸性が低下する。
弁ボディ110とニードル120との同軸性が低下すると、弁ボディ110のシート面112にニードル120のシート部121が正面から着座できなくなる。つまり、シート部121の全周がシート面112に対し均一に当接できなくなる。その結果、シート部121及びシート面112には、局所的に過大な応力が発生して、両者の摩耗が促進されるため、噴射特性が経時変化して、エンジンの出力特性に悪影響を及ぼす。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、弁ボディとニードルとの同軸性を向上できる燃料噴射ノズルを提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、長手方向に穴が穿設されると共に、その穴の内壁面に弁座が形成され、且つ弁座の下流側に噴孔を有する弁ボディと、穴における反噴孔側の端部内周に配置されるシリンダと、穴の内部に往復動可能に挿入されると共に、弁座に着座及び離座することによって噴孔を開閉するシート部が先端部に設けられ、反シート部側の端部がシリンダの内周面に摺動可能に支持されるニードルと、穴の内部でシリンダの下流側に高圧燃料を導入する燃料通路とを有し、ニードルの開弁時に燃料通路より導入された高圧燃料を噴孔より噴射する燃料噴射ノズルであって、シリンダは、穴の内周面にガイドされて、径方向の移動が規制されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、ニードルの反シート部側の端部(以下ニードルヘッドと呼ぶ)がシリンダの内周面に摺動可能に支持され、そのシリンダが穴の内周面にガイドされて径方向の移動が規制されている。これにより、ニードルが穴の内部を往復動する際に、弁ボディに対してニードルヘッドを径方向に位置決めできるので、弁ボディとニードルとの同軸度が向上する。その結果、ニードルの閉弁時に、弁ボディの弁座に対しシート部が真っ直ぐに着座できる。つまり、弁座に対しシート部の全周が均一に当接できるので、弁座及びシート部の摩耗が低減され、噴射特性の経時変化を抑制できる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載した燃料噴射ノズルにおいて、シリンダは、穴の内周に摺動可能に挿入されていることを特徴とする。
穴の内周にシリンダを極めて小さいクリアランスで挿入することにより、シリンダの半径方向の移動をクリアランス分に規制できるため、そのシリンダを介してニードルヘッドを弁ボディに対し径方向に位置決めできる。
(請求項3の発明)
請求項1に記載した燃料噴射ノズルにおいて、シリンダは、穴の内周に圧入状態で挿入されていることを特徴とする。
穴の内周にシリンダを圧入状態で挿入することにより、シリンダの径方向の移動が阻止されるため、そのシリンダを介してニードルヘッドを弁ボディに対し径方向に位置決めできる。
(請求項4の発明)
請求項3に記載した燃料噴射ノズルにおいて、穴に対するシリンダの圧入代が、高圧燃料の導入により生じる穴内径の拡大代より小さく設定されていることを特徴とする。この場合、穴の内周にシリンダを圧入して組み付けた後、穴に高圧燃料が導入されて穴の内径が拡大すると、シリンダと穴との間に微小なクリアランスを生じるため、穴の内周でシリンダが周方向に回転することができる。
(請求項5の発明)
請求項1〜4に記載した何れかの燃料噴射ノズルにおいて、ニードルは、長手方向の中間部が穴の内周面に摺動可能に支持されていることを特徴とする。
これにより、ニードルヘッドとシリンダとの摺動部に加えて、ニードルの中間部と穴との摺動部でも、弁ボディに対してニードルを径方向に位置決めできるので、弁ボディとニードルとの同軸度を更に向上できる。
(請求項6の発明)
請求項5に記載した燃料噴射ノズルにおいて、ニードルは、中間部の外周に面取りが施され、この面取りによって形成された面取り面と穴の内周面との間に隙間を有し、この隙間を通じて、中間部より上流側の穴と下流側の穴とが連通していることを特徴とする。
この場合、ニードルの中間部の上流側と下流側とを連通する連通路を弁ボディに形成する必要がないので、弁ボディの加工が容易である。また、弁ボディに連通路を形成すると、穴と連通路とが交差する交差孔が形成されるため、交差孔の角部に応力が集中して割れやすくなる。これに対し、本発明の構成によれば、弁ボディに交差孔を設ける必要がないので、信頼性の高い燃料噴射ノズルを提供できる。
(請求項7の発明)
請求項1〜6に記載した何れかの燃料噴射ノズルにおいて、シリンダの外周に面取りが施され、この面取りによって形成された面取り面と穴の内周面との間に形成される隙間を燃料通路とすることを特徴とする。
この場合、燃料通路を弁ボディに形成する必要がないので、弁ボディの加工が容易である。また、弁ボディに燃料通路を形成すると、穴と燃料通路とが交差する交差孔が形成されるため、交差孔の角部に応力が集中して割れやすくなる。これに対し、本発明の構成によれば、弁ボディに交差孔を設ける必要がないので、信頼性の高い燃料噴射ノズルを提供できる。
(請求項8の発明)
請求項1〜6に記載した何れかの燃料噴射ノズルにおいて、シリンダを一方の端面から他方の端面まで貫通する貫通孔が形成され、この貫通孔を燃料通路とすることを特徴とする。
この場合、燃料通路を弁ボディに形成する必要がないので、弁ボディの加工が容易である。また、弁ボディに燃料通路を形成すると、穴と燃料通路とが交差する交差孔が形成されるため、交差孔の角部に応力が集中して割れやすくなる。これに対し、本発明の構成によれば、弁ボディに交差孔を設ける必要がないので、信頼性の高い燃料噴射ノズルを提供できる。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
図1は燃料噴射ノズル1の断面図である。
本実施例の燃料噴射ノズル1は、例えば、ディーゼル機関のコモンレール式燃料噴射システムに用いられるインジェクタとして構成され、図示しない電磁アクチュエータ等と一体に組み合わされている。
この燃料噴射ノズル1は、図1に示す様に、弁ボディ2、ニードル3、シリンダ4、スプリング5等より構成されると共に、インジェクタボディ6の下端にプレート7を挟み込んで組み付けられ、リテーニングナット8によりインジェクタボディ6に固定されている。
弁ボディ2には、ニードル3、シリンダ4、スプリング5等を収納する穴(以下中心穴9と呼ぶ)と、この中心穴9の先端部(図示下端部)に形成される円錐状の弁座10と、この弁座10の下流側に凹設されたサック室11と、このサック室11に通じる噴孔12等が形成されている。
中心穴9は、弁ボディ2の上端面から先端部まで長手方向に穿設され、上端開口部が前記プレート7により閉塞されると共に、そのプレート7に形成される燃料供給孔13より導入される高圧燃料(180〜200Mpa程度)で常時満たされている。
ニードル3は、中心穴9の内部に往復動可能に収納され、長手方向の中間部3aが中心穴9の内周面に微小なクリアランスを有して摺動可能に支持されると共に、長手方向の図示上端部(以下ニードルヘッド3bと呼ぶ)がシリンダ4の内周に微小なクリアランスを有して摺動可能に挿入されている。また、ニードル3は、中間部3aの下流側に中間部3aより外径が小さい小径軸部3cが設けられ、この小径軸部3cの外周面と中心穴9の内周面との間に形成される環状の隙間が燃料通路14として機能する。小径軸部3cの先端部には、噴孔12を開閉するシート部3dが設けられている。このシート部3dは、ニードル3の閉弁時に弁ボディ2の弁座10に着座して、燃料通路14と噴孔12との間を液密に遮断する。
また、中間部3aには、図2に示す様に、外周を平面切削した切削面3eが4か所形成され、この切削面3eと中心穴9の内周面との間に形成される隙間が燃料通路15として機能し、外周に残された円弧面が摺動部として機能する。これにより、中間部3aより上流側の中心穴9と下流側の中心穴9(つまり燃料通路14)とが燃料通路15を通じて連通している。なお、中間部3aの切削面3eは、4か所に限定されるものではなく、2か所、3か所、あるいは5か所以上でも良い。
シリンダ4は、中心穴9の上端部内周に微小なクリアランスを有して摺動可能に挿入されると共に、スプリング5に付勢されてプレート7の下端面に押し付けられ、そのプレート7の下端面とニードルヘッド3bの上端面との間に圧力制御室16を形成している。
また、シリンダ4には、図3に示す様に、外周を平面切削した切削面4aが4か所形成され、この切削面4aと中心穴9の内周面との間に形成される隙間が燃料通路17として機能し、外周に残された円弧面が摺動部として機能する。燃料通路17は、プレート7に形成された燃料供給孔13と、シリンダ4より下流側の中心穴9とを連通している。
スプリング5は、ニードル3の段差に係止されるばね座18とシリンダ4の下端面との間に配設され、ニードル3を閉弁方向(図示下方)に付勢している。
圧力制御室16は、以下に説明する制御弁を介して高圧側と低圧側との何方か一方と連通可能に設けられている。
制御弁は、インジェクタボディ6に形成されるバルブ室19と、このバルブ室19に配設される弁体20と、この弁体20を駆動する電磁アクチュエータ(例えばソレノイド、ピエゾ素子)等で構成される。バルブ室19は、プレート7の中央部に形成された連通路21を介して圧力制御室16に常時連通すると共に、同じくプレート7に形成された高圧通路22を介して中心穴9(高圧側)と連通可能に設けられ、更にインジェクタボディ6に形成された低圧通路23を介して低圧側(図示せず)と連通可能に設けられている。
弁体20は、バルブ室19の内部を図示上下方向に移動可能に配設され、同じくバルブ室19に配設されたスプリング24によりバルブ室19の上方へ向けて付勢されている。この弁体20は、バルブ室19の上端に通じる低圧通路23と、バルブ室19の下端に通じる高圧通路22との何方か一方を遮断することができる。つまり、弁体20が低圧通路23を閉じると、バルブ室19を介して連通路21と高圧通路22とが連通し、弁体20が高圧通路22を閉じると、バルブ室19を介して連通路21と低圧通路23とが連通する。
電磁アクチュエータは、外部のECU(電子制御装置)により電子制御され、通電時に弁体20を図示下方へ駆動する。
次に、燃料噴射ノズル1の作動を説明する。
電磁アクチュエータへの通電が停止されている時は、弁体20がスプリング24に付勢されて低圧通路23を閉じているため、バルブ室19を介して高圧通路22と連通路21とが連通している。これにより、圧力制御室16は、中心穴9の内部と同じ高圧燃料によって満たされている。この状態では、ニードル3を開弁方向(図1の上方)へ付勢する燃料圧力がニードル3の閉弁圧より低いため、ニードル3は、図1に示す閉弁状態(シート部3dが弁座10に着座している状態)を維持している。
所定の噴射時期に電磁アクチュエータに通電されると、電磁アクチュエータに駆動された弁体20が高圧通路22を閉じることにより、連通路21と高圧通路22との間が遮断されると共に、バルブ室19を介して連通路21と低圧通路23とが連通する。その結果、圧力制御室16の圧力が低圧側に開放されて、ニードル3を上方へ付勢する燃料圧力が開弁圧より高くなると、ニードル3がリフトして噴孔12より燃料が噴射される。
所定の噴射期間が経過した後、電磁アクチュエータへの通電が停止されると、弁体20がスプリング24に付勢されて低圧通路23を閉じることにより、連通路21と低圧通路23との間が遮断されると共に、バルブ室19を介して連通路21と高圧通路22とが連通する。その結果、圧力制御室16に高圧燃料が導入されて、ニードル3を上方へ付勢する燃料圧力が閉弁圧より低くなると、ニードル3が閉弁して燃料の噴射を終了する。
(実施例1の効果)
上記の燃料噴射ノズル1は、ニードルヘッド3bを支持するシリンダ4が中心穴9の内周面にガイドされて径方向の移動が規制され、且つニードル3の中間部3aが中心穴9の内周面に摺動可能に支持されている。これにより、シリンダ4を介してニードルヘッド3bを弁ボディ2に対し径方向に位置決めできると共に、ニードル3の中間部3aでも弁ボディ2に対し径方向に位置決めできるので、前述の特許文献1に示される従来品と比較して、弁ボディ2とニードル3との同軸度が向上する。その結果、ニードル3の傾きが抑えられるため、ニードル3の閉弁時にシート部3dが弁座10に真っ直ぐに着座できる。つまり、弁座10に対しシート部3dの全周が均一に当接できるので、弁座10及びシート部3dの摩耗が低減されて、噴射特性の経時変化を抑制できる。
また、シリンダ4は、中心穴9の内周に摺動可能に挿入されるため、中心穴9の内周で周方向に回転することができる。このため、組み付け時において、シリンダ4の切削面4aと中心穴9の内周面との間に形成される燃料通路17をプレート7の燃料供給孔13に位置合わせする必要はなく、燃料供給孔13に対し任意の位置に存在することができる。 更に、シリンダ4は、中心穴9に対し上下方向にも移動可能であるため、スプリング5に付勢されることにより、シリンダ4の上端面がプレート7の下端面に密着して圧力制御室16を形成できる。この場合、弁ボディ2及びシリンダ4の上端面の平面度を極めて高精度に仕上げる必要はなく、製造コストを抑制できると共に、組み付けも容易である。
また、実施例1に示す燃料噴射ノズル1は、シリンダ4に形成された切削面4aと中心穴9の内周面との間に形成される隙間が燃料通路17として機能し、同様に、ニードル3の中間部3aに形成された切削面3eと中心穴9の内周面との間に形成される隙間が燃料通路15として機能している。この構成によれば、弁ボディ2に燃料通路を形成する必要がないので、燃料通路と中心穴9とが交差する交差孔を無くすことができ、信頼性の高い燃料噴射ノズル1を提供できる。
図4は燃料噴射ノズル1の断面図である。
実施例1に記載したニードル3は、弁ボディ2に対して、ニードルヘッド3bと中間部3aとの2か所で径方向に位置決めされる構成であるが、ニードルヘッド3bだけで径方向の位置決めを行う構成でも良い。即ち、実施例2に示すニードル3は、図4に示す様に、実施例1に記載した中間部3a(中心穴9に対する摺動部)を設けることなく、ニードルヘッド3bのみ、弁ボディ2に対しシリンダ4を介して径方向に位置決めされている。 この実施例2に示す構成によれば、ニードル3の長手方向の上端部(ニードルヘッド3b)を径方向に位置決めできるので、図7に示した従来技術、つまりニードル120の上端部が径方向に位置決めされていない構成と比較して、ニードル3の傾きが抑えられるため、ニードル3の閉弁時にシート部3dが弁座10に真っ直ぐに着座できる。その結果、弁座10及びシート部3dの摩耗が低減されて、噴射特性の経時変化を抑制できる。
図5は燃料噴射ノズル1の上端面を示す平面図である。
実施例1では、シリンダ4の外周に切削面4aを4か所形成した一例を示したが、4か所に限定する必要はなく、2か所、3か所、あるいは5か所以上でも良い。
図5(a)は切削面4aを3か所形成した場合の一例、同図(b)は切削面4aを6か所形成した場合の一例である。
また、実施例1では、シリンダ4の切削面4aと中心穴9の内周面との間に形成される隙間を燃料通路17として利用しているが、例えば、図6に示す様に、シリンダ4の上端面から下端面まで貫通する貫通孔4bを形成して、この貫通孔4bを燃料通路17として利用することもできる。
実施例1では、シリンダ4を中心穴9の内周に微小なクリアランスを有して摺動可能に挿入する一例を記載したが、中心穴9の内周に圧入状態で挿入することもできる。
但し、中心穴9に対するシリンダ4の圧入代は、高圧燃料の導入により生じる中心穴9内径の拡大代より小さく設定される。これにより、中心穴9の内周にシリンダ4を圧入して組み付けた後、中心穴9に高圧燃料が導入されて中心穴9の内径が拡大すると、シリンダ4と中心穴9との間に微小なクリアランスを生じるため、中心穴9の内周でシリンダ4が周方向に回転することができる。その結果、スプリング5に付勢されたシリンダ4の上端面がプレート7の下端面に密着することにより、シリンダ4の内側に圧力制御室16を形成できる。
また、本構造によれば、シリンダ4を中心穴9の内周に圧入して組み付けることにより、シリンダ4がスプリング5に押されて中心穴9から飛び出すことはなく、スプリング5及びばね座18をシリンダ4によって中心穴9の内部に密閉することができる。これにより、組み付け時に前記部品(スプリング5、ばね座18、シリンダ4)がバラバラになることはなく、組み付けを容易にできる。
実施例4では、中心穴9に対するシリンダ4の圧入代を、高圧燃料の導入により生じる中心穴9の拡大代より小さく設定する一例を記載したが、本実施例では、中心穴9に高圧燃料が導入された後も圧入状態を維持できる様に、シリンダ4の圧入代を中心穴9の拡大代より大きく設定する。
この場合、中心穴9とシリンダ4との間にクリアランスが存在しないため、弁ボディ2に対するニードル3の径方向位置は、シリンダ4とニードルヘッド3bとのクリアランスのみで決まる。このため、ニードル3と弁ボディ2との同軸精度が更に向上する。また、実施例4の場合と同様に、シリンダ4を中心穴9の内周に圧入して組み付けることにより、組み付け時にスプリング5、ばね座18、シリンダ4がバラバラになることはなく、組み付けを容易にできる。
燃料噴射ノズルの断面図である(実施例1)。 ニードル中間部の断面図(図1のA−A断面図)である。 燃料噴射ノズルを上方から見た平面図である(実施例1)。 燃料噴射ノズルの断面図である(実施例2)。 燃料噴射ノズルを上方から見た平面図である(実施例3)。 燃料噴射ノズルを上方から見た平面図である(実施例3)。 燃料噴射ノズルの断面図である(従来技術の説明)。
符号の説明
1 燃料噴射ノズル
2 弁ボディ
3 ニードル
3a ニードルの中間部(中間部)
3d シート部
3e ニードルの中間部に形成された切削面(面取り面)
4 シリンダ
4a シリンダに形成された切削面(面取り面)
4b シリンダに形成された貫通孔(燃料通路)
9 中心穴(穴)
10 弁座
12 噴孔
17 燃料通路

Claims (8)

  1. 長手方向に穴が穿設されると共に、その穴の内壁面に弁座が形成され、且つ前記弁座の下流側に噴孔を有する弁ボディと、
    前記穴における反噴孔側の端部内周に配置されるシリンダと、
    前記穴の内部に往復動可能に挿入されると共に、前記弁座に着座及び離座することによって前記噴孔を開閉するシート部が先端部に設けられ、反シート部側の端部が前記シリンダの内周面に摺動可能に支持されるニードルと、
    前記穴の内部で前記シリンダの下流側に高圧燃料を導入する燃料通路とを有し、
    前記ニードルの開弁時に前記燃料通路より導入された高圧燃料を前記噴孔より噴射する燃料噴射ノズルであって、
    前記シリンダは、前記穴の内周面にガイドされて、径方向の移動が規制されていることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 請求項1に記載した燃料噴射ノズルにおいて、
    前記シリンダは、前記穴の内周に摺動可能に挿入されていることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  3. 請求項1に記載した燃料噴射ノズルにおいて、
    前記シリンダは、前記穴の内周に圧入状態で挿入されていることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  4. 請求項3に記載した燃料噴射ノズルにおいて、
    前記穴に対する前記シリンダの圧入代が、高圧燃料の導入により生じる前記穴内径の拡大代より小さく設定されていることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  5. 請求項1〜4に記載した何れかの燃料噴射ノズルにおいて、
    前記ニードルは、長手方向の中間部が前記穴の内周面に摺動可能に支持されていることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  6. 請求項5に記載した燃料噴射ノズルにおいて、
    前記ニードルは、前記中間部の外周に面取りが施され、この面取りによって形成された面取り面と前記穴の内周面との間に隙間を有し、この隙間を通じて、前記中間部より上流側の前記穴と下流側の前記穴とが連通していることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  7. 請求項1〜6に記載した何れかの燃料噴射ノズルにおいて、
    前記シリンダの外周に面取りが施され、この面取りによって形成された面取り面と前記穴の内周面との間に形成される隙間を前記燃料通路とすることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  8. 請求項1〜6に記載した何れかの燃料噴射ノズルにおいて、
    前記シリンダを一方の端面から他方の端面まで貫通する貫通孔が形成され、この貫通孔を前記燃料通路とすることを特徴とする燃料噴射ノズル。
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