JP5503310B2 - ランフラットタイヤ用ゴム組成物及びランフラットタイヤ - Google Patents
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Description
なお、本明細書において、変性BRのビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
なお、シリカのN2SAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
ここで、窒化アルミニウムの熱伝導率は、JIS R1611−1997「ファインセラミックスのレーザフラッシュ法による、熱拡散率・比熱容量・熱伝導率試験方法」の熱伝導率試験方法に準じて測定される値である。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
なお、熱伝導率は、後述の実施例に記載の方法により測定される値である。
サイドウォール補強層に、HPNR、変性BR、シリカ及び窒化アルミニウムを配合した本発明のゴム組成物を用いることにより、当該サイドウォール補強層に、高い熱伝導性、低発熱性を付与できるとともに、ゴムの剛性も高められるため、優れた熱伝導性、低発熱性(低燃費性)を有すると共に、剛性及びランフラット耐久性にも優れたランフラットタイヤを提供することができる。
NR:TSR
HPNR:下記製造例1で調製したHPNR(ケン化処理天然ゴム)
BR:宇部興産(株)製のBR150B
変性BR:住友化学(株)製の変性ブタジエンゴム(ビニル含量:15質量%、上記式(1)中のR1、R2およびR3=−OCH3、R4およびR5=−CH2CH3、n=3)
SBR:住友化学(株)製のSBR1502
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックE(FEF、N2SA:41m2/g、DBP吸油量:115ml/100g)
シリカ:デグッサ社製のULTRASIL VN3(平均一次粒子径:15nm、N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
窒化アルミニウム:(株)トクヤマ製の高純度窒化アルミニウム粉末 Hグレード(還元窒化法で得られた窒化アルミニウム、比表面積2.59m2/g、平均粒子径1.13μm、加圧カサ密度1.68g/cm3、酸素含有率0.83質量%、カーボン含有率210ppm、Ca含有量230ppm、Si含有量43ppm、Fe含有量12ppm、陽イオン不純物含有率:0.15質量%、熱伝導率1.84W/(m・K))
老化防止剤6C:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤FR:住友化学(株)製のアンチゲンFR(アミンとケトンの反応品を精製したものでアミンの残留がないもの、キノリン系老化防止剤)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製の椿
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラ−NS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進補助剤:田岡化学工業(株)製のタッキロールV200
天然ゴムラテックス:タイテックス社から入手したフィールドラテックスを使用
界面活性剤:花王(株)製のEmal−E
NaOH:和光純薬工業(株)製のNaOH
製造例1
天然ゴムラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、天然ゴムラテックス1000gに対し、Emal−E10gとNaOH20gを加え、室温で48時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。このラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり攪拌しながらギ酸を添加しpHを4.0〜4.5に調整し、凝集させた。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後110℃で2時間乾燥して固形ゴム(ケン化天然ゴム)を得た。
窒素含有量は、CHN CORDER MT−5(ヤナコ分析工業社製)を用いて測定した。測定には、まずアンチピリンを標準物質として、窒素含有量を求めるための検量線を作製した。次いで、製造例で得られた改質天然ゴム又はTSRのサンプル約10mgを秤量し、3回の測定結果から平均値を求めて、試料の窒素含有量とした。
ICP発光分析装置(ICPS−8100、島津製作所(株)製)を使用してリン含有量を求めた。
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル70.00mgを計り取り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
表2に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、硫黄、加硫促進剤、加硫促進補助剤以外の材料を150℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤、加硫促進補助剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を160℃で20分間プレス加硫することで加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を20mmの厚さでサイドウォール補強層の形状に成形し、他のタイヤ部位と貼り合わせ、160℃の条件下で12分間加硫することにより、試験用ランフラットタイヤを製造した(タイヤサイズ:215/45ZRI7)。
(株)岩本製作所製粘弾性スペクトロメータを用いて、測定温度70℃、初期歪み10%、動歪み±1%、周波数10Hzの条件で、複素弾性率(E*)及び損失正接(tanδ)を測定し、測定したE*及びtanδを比較例1を100(基準)として指数で表した。E*の指数が大きいほど剛性が高く、良好である。また、tanδの指数が大きいほど発熱が少なく、低燃費性に優れる。
熱伝導率測定機(京都電子工業社製QTM−D3)を用いて、測定温度25℃、測定時間60秒の条件で、加硫ゴム組成物の試験片(縦100mm×横50mm×厚さ10mm、サンプルは均質、測定面は平滑)の熱伝導率(W/(m・K))を測定した。
製造した試験用ランフラットタイヤを、空気内圧0kPaにてドラム上を80km/hで走行させ、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定し、比較例1のランフラット耐久性指数を100とし、下記計算式により、各配合の走行距離を指数表示した。なお、ランフラット耐久性指数が大きいほど、ランフラット耐久性に優れることを示す。
(ランフラット耐久性指数)=(各配合の走行距離)/(比較例1の走行距離)×100
Claims (10)
- リン含有量が200ppm以下の改質天然ゴムと、下記式(1)で表される化合物により変性された変性ブタジエンゴムと、シリカと、窒化アルミニウムとを含み、
該改質天然ゴムが、天然ゴムラテックスをアルカリによりケン化し、ケン化後凝集させたゴムを繰り返し洗浄してケン化により分離したリン化合物を洗浄除去することにより、リン含有量を200ppm以下にしたものであるランフラットタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、トルエン不溶分として測定されるゲル含有率が20質量%以下である請求項1記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、クロロホルム抽出物の31P NMR測定において、−3ppm〜1ppmにリン脂質によるピークが存在せず、実質的にリン脂質が存在しない請求項1又は2記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、窒素含有量が0.3質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
- 前記改質天然ゴムは、窒素含有量が0.15質量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
- 前記窒化アルミニウムの酸素含有率が0.4〜5質量%である請求項1〜5のいずれかに記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
- ゴム成分100質量%中の前記改質天然ゴムの含有量が15〜60質量%、前記変性ブタジエンゴムの含有量が15〜60質量%、スチレンブタジエンゴムの含有量が15〜60質量%である請求項1〜6のいずれかに記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
- 前記窒化アルミニウムの含有量がゴム成分100質量部に対して10〜100質量部である請求項1〜7のいずれかに記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
- サイドウォール補強層に使用される請求項1〜8のいずれかに記載のランフラットタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物を用いたランフラットタイヤ。
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